JP2575270Y2 - 磁石発電機の回転子 - Google Patents

磁石発電機の回転子

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JP2575270Y2
JP2575270Y2 JP1993046379U JP4637993U JP2575270Y2 JP 2575270 Y2 JP2575270 Y2 JP 2575270Y2 JP 1993046379 U JP1993046379 U JP 1993046379U JP 4637993 U JP4637993 U JP 4637993U JP 2575270 Y2 JP2575270 Y2 JP 2575270Y2
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yoke
magnet
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cover
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雅史 大杉
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Mitsuba Corp
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、磁石発電機の回転子に
関し、特に、回転バランスの修正技術に係り、例えば、
オートバイやバギー等の小型または特殊車両に搭載する
磁石発電機の回転子に利用して有効なものに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、オートバイやバギー等の小型ま
たは特殊車両においては、フェライトマグネット等のよ
うな永久磁石(以下、マグネットという。)を利用した
磁石発電機が使用されることがある。
【0003】この種の磁石発電機は、ヨークの内周に複
数個のマグネットを等間隔で配列固定されることにより
構成されている回転子と、コアにおける放射状の複数箇
所にコイルを巻装されることにより構成されている発電
子とを備えており、前記回転子がエンジンに駆動されて
発電子の周囲を回転することにより、発電子の各磁極コ
イルにおいて起電力を誘起せしめるように構成されてい
る。
【0004】従来、このような磁石発電機に使用される
回転子として、ヨークの側壁にリラクタが径方向外向き
に膨出成形されており、このリラクタの通過をマグネチ
ックピックアップセンサーによって検出することによ
り、点火時期信号を得るように構成されているものがあ
る。
【0005】一方、従来のこの種の磁石発電機の回転子
においては、周方向にそれぞれ配置されたマグネットの
製品ばらつきや、ヨーク自体の厚さのばらつき等が原因
になって、磁石発電機の回転子全体としての回転バラン
スが不均衡になるため、組立作業後に、ドリル等を使用
してヨークの閉塞壁面または側壁面に穿孔することによ
り回転バランスの修正作業が実施されている。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、ヨーク
にリラクタが膨出成形された磁石発電機の回転子におい
ては、ヨーク単品時にリラクタの分だけ大きくアンバラ
ンスの状態になっているため、磁石発電機の回転子全体
としての回転バランスの修正作業に際して、その他のア
ンバランス条件と相乗した場合に、修正する条件(質量
および位置)が増加してしまい、バランス修正の作業性
が低下してしまう。
【0007】本考案の目的は、リラクタの存在によって
バランス修正の作業性が低下するのを回避することがで
きる磁石発電機の回転子を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本考案に係る磁石発電機
の回転子は、略椀形状のヨークの内周に複数個のマグネ
ットが間隔をおいて配されているとともに、ヨークの側
壁の一部にリラクタが径方向外向きに突設されている磁
石発電機の回転子において、ヨーク内に複数個のマグネ
ットが収容されて仮に位置決めされるに際して治具が挿
入される治具挿通孔が複数個、前記ヨークの底壁に周方
向に間隔を置いて開設されており、これら治具挿通孔の
うち前記リラクタとヨークの回転中心とを通る直線上に
位置する治具挿通孔の大きさが、他の治具挿通孔の大き
さに対して前記リラクタの回転バランスに対応して変更
されていることを特徴とする。
【0009】
【作用】前記した手段によれば、リラクタに対向した位
置の治具挿通孔の大きさがリラクタによるアンバランス
を解消するように予め設定されているため、ヨーク単品
の回転バランスはリラクタの存在にかかわらず、予め略
均衡した状態になっている。したがって、磁石発電機の
回転子の組立後に、全体としての回転バランスを修正す
るに際して、その修正作業はリラクタの分を加味しなく
て済むため、簡単になる。
【0010】
【実施例】図1(a)、(b)、(c)は本考案の一実
施例である磁石発電機の回転子の製造方法を示す各一部
切断斜視図である。図2はヨークを示しており、(a)
は一部省略平面図、(b)は(a)のb−b線に沿う正
面断面図、(c)は一部省略底面図である。図3はカバ
ーを示しており、(a)は一部省略平面図、(b)は正
面断面図、(c)は一部省略底面図である。図4は本考
案の一実施例である磁石発電機の回転子を示しており、
(a)は平面図、(b)は(a)のb−b線に沿う正面
断面図である。図5以降は本考案の一実施例である磁石
発電機の回転子の製造方法における各工程を示す説明図
である。
【0011】本実施例において、本考案に係る磁石発電
機の回転子はヨークと、複数のマグネットと、カバーと
を備えている。ヨーク11は磁性材料により上面が開口
し下面が閉塞した略椀形状に一体成形されており、円筒
形状の筒壁12にはリラクタ13が周方向および軸方向
に所定の幅をもって、径方向外向きに突設されている。
したがって、ヨーク11の単品としての回転バランスは
このリラクタ13の分が大きく不均衡な状態になってい
る。
【0012】ヨーク11の下面閉塞壁14には、この回
転子をエンジンに直結させるボス(図示せず)を挿通す
るための軸孔15が中心に開設されている。ヨーク11
の下面閉塞壁14の軸孔15の外方位置には後述するヨ
ーク位置決め治具を取り付けるのに使用される円形孔1
6が一対、同心円上において180度の位相差をもって
それぞれ穿設されている。また、ヨーク11の閉塞壁1
4における外周辺部には、後述するマグネット軸方向セ
ット治具を挿通するための治具挿通孔としての長円孔1
7が複数個(本実施例においては、12個)、同心円上
において周方向に等間隔に穿設されている。本実施例に
おいて、複数個の長円孔17のうち、リラクタ13の近
傍に位置する2個の長円孔17Aおよび17Bは、残り
の長円孔17に比べて周方向の長さが長くそれぞれ構成
されており、長くなった分によって前記したリラクタ1
3の分による回転バランスの不均衡が修正されるように
なっている。
【0013】さらに、ヨーク11の閉塞壁14の底面に
はカバーを固定するための凸部18が複数個(本実施例
においては、8個)、円形孔16群と長円孔17群との
間の同心円上において周方向に等間隔に配されて、閉塞
壁14の一部を外面から突き上げられることにより軸心
方向内向きに突設されており、この凸部18は後述する
ようにカバーに穿設された固定孔に挿通されてかしめ加
工され得るように構成されている。
【0014】なお、ヨーク11の閉塞壁14には冷却フ
ァン取り付け用の雌ねじ孔19が複数個、円形孔16群
付近の同心円上において周方向に等間隔に開設されてい
る。また、ヨーク11の筒壁12の開口縁には巻きかし
め代部は設けられていない。
【0015】マグネット20はヨーク11の深さ以下の
高さを有し、幅方向においてヨーク11の内周に沿って
弯曲した円弧形状を有する略直方体に一体成形されてい
る。マグネット20の円弧形状の内周面(以下、腹面と
いう。)21の左右両端部には傾斜面部23が外周面
(以下、背面という。)22に左右両端部に行くに従っ
て近付くようにそれぞれ形成されている。両側の立ち上
がり側面24および24はヨーク11の中心を通る法線
についての接線に対して直角になるように形成されてお
り、上面25と下面26は互いに平行に形成されてい
る。
【0016】カバー30は薄鉄板等の金属材料が用いら
れて絞りプレス加工等により一体成形されており、後述
するマグネット20群が構成する円筒内に圧入する略円
筒形状に形成されている。すなわち、カバー30は円形
の筒壁31を備えており、この筒壁31の外径はマグネ
ット20群が構成する円筒の内径よりも若干大径に形成
されている。カバー30の筒壁31の一端(以下、上端
とする。)には、外側鍔部32が径方向に外向きに突出
した円形ドーナツ状に形成されている。
【0017】また、カバー30の筒壁31の下端には、
内側鍔部33が円形ドーナツ形状に一体的に成形されて
いる。内側鍔部33の内径は、ヨーク11に配列された
凸部18群の配列径よりも小径で、円形孔16、16の
配列径と等しいかまたは若干大径に設定されている。内
側鍔部33における径方向の中間部には固定孔34がヨ
ーク11の凸部18群と同数個(本実施例においては、
8個)、それぞれがヨーク11の凸部18群と整合する
ように開設されており、各固定孔34は各凸部18をそ
れぞれ挿通し得るように形成されている。
【0018】また、内側鍔部33の内周縁には切欠部3
5が複数個(本実施例においては、8個)、略半円形状
に形成されており、この切欠部35群によってヨーク1
1の円形孔16群および雌ねじ孔19群を適宜逃げ得る
ようになっている。さらに、内側鍔部33の内周縁には
剛性付与部36が、切欠部35を含めて全周にわたって
曲げ起こし成形されている。この剛性付与部36は絞り
加工等により、内側鍔部33の内周縁部が全周にわたっ
て一定高さに軸方向内向きに曲げ起こし成形され、後述
するカバー30の圧入時に充分な剛性を付与するように
なっている。
【0019】次に、前記構成に係る各部品による製造方
法を説明することにより、本考案の一実施例である磁石
発電機の回転子の構成の詳細を説明する。
【0020】まず、図1(a)および図5に示されてい
るように、ヨーク11は磁石発電機の回転子の製造装置
40のベース41上にセットされる。この際、ヨーク1
1における一対の各円形孔16、16には一対のヨーク
位置決め治具42、42がそれぞれ挿通される。また、
長円孔17群にはマグネット周方向位置決め治具(以
下、マグネット用第1治具という。)43およびマグネ
ット軸方向セット治具(以下、マグネット用第2治具と
いう。)44がそれぞれ挿通される。
【0021】ここで、マグネット用第1治具43群およ
びマグネット用第2治具44群はベース41にスプリン
グ45によってそれぞれフローティング支持されてお
り、上下方向に移動し得るようになっている。マグネッ
ト用第1治具43群はマグネット20と同数個(本実施
例においては、4個)が、長円孔17群の配列径と同心
円上において周方向に等間隔に配設されている。また、
各マグネット用第1治具43の周方向両側端辺には肩部
43a、43aがそれぞれ形成されている。他方のマグ
ネット用第2治具44群は長円孔17群の個数からマグ
ネット20の個数を引いた個数(本実施例においては、
8個)が、長円孔17群の配列径と同心円上において各
第1治具43の両脇にそれぞれ配設されている。
【0022】続いて、図1(a)および図5に示されて
いるように、複数個(本実施例においては、4個)のマ
グネット20が、ヨーク11内に円形環状に配置され
る。この際、マグネット20は背面22がヨーク11の
内周面に当接された状態で、下面26が2個の第2治具
44上にそれぞれ載置されるとともに、両方の側面2
4、24が両脇の第1治具43、43の側面に、また下
面26の端部が第1治具43、43の肩部43a、43
aにそれぞれ係合される。この状態において、マグネッ
ト20は第1治具43により周方向について位置決めさ
れる。また、マグネット20は第2治具44、44によ
り上限に位置されて上下方向についてフローティング支
持された状態になっている。
【0023】次に、図1(a)および図6に示されてい
るように、ヨーク11の内周に環状に整列されたマグネ
ット20群の内側に、マグネット20群が構成する円形
内周面の直径よりも若干大径の外径を有する円筒形状に
形成されているカバー30が嵌入具50により圧入され
る。この圧入に伴って、カバー30の筒壁31における
各隣合うマグネット20、20間にそれぞれ対向した部
分が、この各空間内にそれぞれ膨出されて各マグネット
の周方向位置決め部37がそれぞれ形成される。
【0024】ここで、嵌入具50の外径は下側が小径で
上側が大径の2段円柱形状に形成されており、下側の小
径部51はカバー30の筒壁31の内径よりも若干小径
に、上側の大径部52はカバー30の外側鍔部32の外
径と略同径にそれぞれ形成されている。
【0025】嵌入具50にはヨーク位置決め孔53が円
形孔16と同数個(本実施例においては、2個)、軸方
向にそれぞれ開設されている。この各ヨーク位置決め孔
53に各ヨーク用位置決め治具42がそれぞれ相対的に
挿入されることにより、嵌入具50とヨーク11および
マグネット20群との周方向の位置決めが確保される。
【0026】嵌入具50の小径部51の下面には挿通孔
54がヨーク11の凸部18と同数個(本実施例におい
ては、8個)、軸方向に開設されている。また、嵌入具
50の小径部51の下面には環状溝55がカバー30の
剛性付与部36を収容し得るように没設されている。前
記した位置決め状態により、各挿通孔54には各凸部1
8が、また、環状溝55には剛性付与部36がそれぞれ
整合して挿入し、凸部18および剛性付与部35への嵌
入具50の干渉が回避されている。
【0027】カバー30がマグネット20群に最終行程
迄圧入されると、その内側鍔部33がヨーク11の閉塞
壁14の底面に当接した状態になる。この状態におい
て、内側鍔部33に開設された各固定孔34はヨーク1
1の閉塞壁14の底面に突設された各固定用凸部18に
それぞれ嵌合した状態になる。
【0028】この状態で、図1(b)および図7に示さ
れているように、嵌入具50の挿通孔54にかしめ具5
6が挿入されることにより、カバー30の固定孔34に
挿通されたヨーク11の凸部18の突出端部がかしめ加
工される。そして、このかしめ加工後の凸部18群によ
り、カバー30はその内側鍔部33の全周においてヨー
ク11の閉塞壁14に円形環状に固定された状態にな
る。
【0029】次に、嵌入具50が脱装された後に、図1
(c)および図8に示されているように、カバー30の
内側に塑性装置60が挿入される。この塑性装置60に
よって、カバー30の筒壁31における内側鍔部33側
にマグネット軸方向位置決め部38が、マグネット20
群の下面26とヨーク閉塞壁14との間の空間において
マグネット下面26に沿って円形環状に、または少なく
ともマグネット下面部分も強く押し出された形状に膨出
成形される。
【0030】ここで、塑性装置60は下側に配置されて
いる本体と、上側に配置されている操作具とを備えてい
る。塑性装置60がカバー30の内側に挿入された状態
において、本体61はヨーク11の底壁14に押接され
た状態になっており、この本体61の底部には張り出し
具62が複数基(本実施例においては、4基)、放射線
状(本実施例においては、十字状)に配されて径方向内
外に摺動自在にそれぞれ装着されている。各張り出し具
62の径方向外側端面はカバー30の筒壁31に法線上
において内側からそれぞれ対向されている。
【0031】各張り出し具62の径方向内側端部には、
ストローク変換手段の一方である被動側傾斜面部63が
垂直方向上向きにそれぞれ突設されており、各傾斜面部
63の上端部には傾斜面が外側上がりにそれぞれ形成さ
れている。各傾斜面部63の径方向外側面と本体61の
径方向内側面との間には圧縮スプリング64が蓄力状態
でそれぞれ介設されている。したがって、各張り出し具
62はスプリング64によって径方向内向きに常時付勢
されて後退位置に待機された状態になっている。また、
本体61における各傾斜面部63の真上には各ガイド孔
65が垂直方向にそれぞれ開設されている。
【0032】他方、操作具66は本体61に垂直方向に
摺動自在に嵌合されている。操作具66の外径は下側が
小径で、上側が大径の2段円柱形状に形成されており、
下側の小径部67の外径はカバー30の筒壁31の内径
よりも若干小径に、上側の大径部68の外径はカバー3
0の外側鍔部32の外径と略同径にそれぞれ形成されて
いる。
【0033】操作具66の小径部67の下面にはガイド
凹部69が同心に配されて没設されており、このガイド
凹部69の内周面には本体61の外周面が摺動自在に嵌
入されている。ガイド凹部69内の下面には、ストロー
ク変換手段の他方である各原動側傾斜面部70が被動側
傾斜面部63に対向するように配されて、垂直方向下向
きにそれぞれ突設されており、各原動側傾斜面部70の
下端部には傾斜面が外側上がりにそれぞれ形成されてい
る。そして、各原動側傾斜面部70は本体61の各ガイ
ド孔65にそれぞれ摺動自在に嵌入されており、各原動
側傾斜面部70の下向き傾斜面は各被動側傾斜面部63
の上向き傾斜面にそれぞれ摺動自在に当接されている。
【0034】各張り出し具62がカバー30の筒壁31
の底部に対向された状態で、操作具66が下降される
と、被動側傾斜面部63が原動側傾斜面部70を相対的
に摺動することにより、各張り出し具62が径方向外側
に押し出される。この各張り出し具62の外側への移動
によって、カバー30の筒壁31の内側鍔部側が径方向
外側に膨出されるため、マグネットの軸方向位置決め部
38が環状に形成される。
【0035】このカバー30の軸方向位置決め部38の
膨出成形と同時に、操作具66の大径部68の下面がカ
バー30の外側鍔部32を押し下げるため、軸方向位置
決め部38はカバー30のマグネット端面26と内側鍔
部33との間の部分のみを引っ張って形成することな
く、押し下げられて来る筒壁31の余肉をもって形成さ
れることになる。したがって、軸方向位置決め部38の
膨出成形に起因して、カバー30の内側鍔部33が引き
千切られたり、軸方向位置決め部38が極端な薄肉部と
なってマグネット固定強度が低下したりすることはな
い。
【0036】一方、押し下げられたカバー30の外側鍔
部32の下面が各マグネット20の上面25に当接する
と、各マグネット20は各マグネット用第2治具44に
より上方に向かって押し上げられるようにフローティン
グ支持されているため、各マグネット20の高さはカバ
ー30の外側鍔部32の下面、すなわち、操作具66の
大径部62における下面のレベルにおいて揃えられた状
態になる。
【0037】軸方向位置決め部38が形成された後、操
作具66が上昇される。操作具66が上昇されると、各
張り出し具62が各スプリング64によって径方向内側
に後退される。続いて、操作具66および本体61の塑
性装置60がカバー30の内側から上方へ抜き出され
る。次いで、ヨーク11がベース41上からリセットさ
れる。
【0038】以上の工程によって、図4に示されている
磁石発電機の回転子が製造されたことになる。すなわ
ち、各マグネット20はカバー30の外側鍔部32の下
面で高さを揃えられた状態で、外側鍔部32と軸方向位
置決め部38との間で挟持されて固定された状態にな
る。
【0039】その後、この磁石発電機の回転子には全体
としての回転バランス修正作業が実施される。この作業
に際して、ヨーク11単品としての回転バランスはリラ
クタ13が膨出成形されているにもかかわらず、複数個
の長円孔17のうちリラクタ13の近傍に位置する2個
の長円孔17Aおよび17Bの周方向の長さが長く形成
されることにより、リラクタ13のアンバランスが解消
されているため、リラクタ13のアンバランスの分につ
いての修正を実施しなくて済む。
【0040】ここで、ヨーク11の単体おける回転バラ
ンスに占めるリラクタ13のアンバランスの割合は比較
的に大きいため、磁石発電機の回転子全体としての回転
バランスの修正作業において、このリラクタ13のアン
バランスを同時に修正しようとすると、マグネット20
の製品ばらつきや、ヨーク11およびカバーの厚さばら
つき等による他のアンバランスがこのリラクタ13のア
ンバランスに重畳してしまうため、磁石発電機の回転子
全体としての回転バランスの修正工数が増大する。すな
わち、磁石発電機の回転子全体としての回転バランスの
修正作業に際して、回転子の回転を何度も繰り返してバ
ランス修正位置および修正質量を探す作業の頻度が増加
するため、その作業性がきわめて低下する。
【0041】しかし、本実施例においては、磁石発電機
の回転子全体としての回転バランスの修正作業に際し
て、前述した通り、リラクタ13によるアンバランスが
介在しないため、磁石発電機の回転子全体としての回転
バランスの修正作業がきわめて簡単になり、その作業性
が飛躍的に向上されることになる。ちなみに、治具挿通
孔17はヨーク11の閉塞壁14の最外周部に形成され
ているので、治具挿通孔17A、17Bと他の挿通孔1
7との大小の差が小さくても充分アンバランスを修正す
ることができる。
【0042】なお、本考案は前記実施例に限定されるも
のではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々
変更可能であることはいうまでもない。
【0043】例えば、ヨーク11におけるリラクタ13
のアンバランスを解消するために、リラクタ13近傍に
位置する治具挿通孔17Aおよび17Bを大きく変形す
るに限らず、複数個の治具挿通孔17のうちリラクタ1
3に回転中心を挟んで対向する治具挿通孔17を他の挿
通孔に対して小さくするように構成してもよい。また、
治具挿通孔の大きさは、本実施例では円周方向の長さを
異ならせてあるが、円周方向の長さは同じにして径方向
の幅を変更するように構成してもよい。さらには、リラ
クタと回転中心を通る直線上の近傍の複数の治具挿通孔
を変更するようにしてもよい。
【0044】
【考案の効果】以上説明したように、本考案によれば、
磁石発電機の回転子全体としての回転バランスの修正作
業に際して、リラクタによるアンバランスが介在しない
ため、磁石発電機の回転子全体としての回転バランスの
修正作業がきわめて簡単になり、その作業性を飛躍的に
向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例である磁石発電機の回転子の
製造方法を示しており、(a)はカバーの挿入工程を示
す一部切断分解斜視図、(b)はカバーの固定工程を示
す一部切断斜視図、(c)はカバーの膨出工程を示す一
部切断斜視図である。
【図2】ヨークを示しており、(a)は一部省略平面
図、(b)は(a)のb−b線に沿う正面断面図、
(c)は一部省略底面図である。
【図3】カバーを示しており、(a)は一部省略平面
図、(b)は正面断面図、(c)は一部省略底面図であ
る。
【図4】本考案の一実施例である磁石発電機の回転子を
示しており、(a)は平面図、(b)は(a)のb−b
線に沿う正面断面図である。
【図5】マグネットの位置決め工程を示す拡大部分正面
断面図である。
【図6】カバー圧入工程を示す拡大部分正面断面図であ
る。
【図7】カバーの固定工程を示す正面断面図である。
【図8】カバーのマグネット軸方向位置決め部形成工程
を示す正面断面図である。
【符号の説明】
11…ヨーク、12…筒壁、13…リラクタ、14…閉
塞壁、15…軸孔、16…円形孔、17…長円孔(治具
挿通孔)、18…凸部、19…雌ねじ孔、20…マグネ
ット、21…円弧形状の内周面(腹面)、22…外周面
(背面)、23…傾斜面部、24…立ち上がり側面、2
5…上面、26…下面、30…カバー、31…筒壁、3
2…外側鍔部、33…内側鍔部、34…固定孔、35…
切欠部、36…剛性付与部、37…周方向位置決め部、
38…軸方向位置決め部、40…磁石発電機の回転子お
よびその製造方法の製造装置、41…ベース、42…ヨ
ーク位置決め治具、43…マグネット周方向位置決め治
具(マグネット用第1治具)、43a…肩部、44…マ
グネット軸方向位置決め治具(マグネット用第2治
具)、45…スプリング、50…嵌入具、51…小径
部、52…大径部、53…ヨーク位置決め孔、54…挿
通孔、55…環状溝、60…塑性装置、61…本体、6
2…張り出し具、63…被動側傾斜面部(ストローク変
換手段)、64…圧縮スプリング、65…ガイド孔、6
6…操作具、67…小径部、68…大径部、69…ガイ
ド凹部、70…原動側傾斜面(ストローク変換手段)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02K 21/22 H02K 1/22 H02K 15/16 H02K 29/00

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略椀形状のヨークの内周に複数個のマグ
    ネットが間隔をおいて配されているとともに、ヨークの
    側壁の一部にリラクタが径方向外向きに突設されている
    磁石発電機の回転子において、 ヨーク内に複数個のマグネットが収容されて仮に位置決
    めされるに際して治具が挿入される治具挿通孔が複数
    個、前記ヨークの底壁に周方向に間隔を置いて開設され
    ており、これら治具挿通孔のうち前記リラクタとヨーク
    の回転中心とを通る直線上に位置する治具挿通孔の大き
    さが、他の治具挿通孔の大きさに対して前記リラクタの
    回転バランスに対応して変更されていることを特徴とす
    る磁石発電機の回転子。
JP1993046379U 1993-08-03 1993-08-03 磁石発電機の回転子 Expired - Lifetime JP2575270Y2 (ja)

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