JPH071657B2 - 回路遮断器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は２点切り回路遮断器の改良に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

第３図は例えば特公昭57-45007号公報に示された従来の
２点切り回路遮断器の要部を示す斜視図、第４図は第３
図の部分斜視図である。図において、（１）は第１の固
定接触子、（２）は第１の固定接触子（１）の一端に固
着された第１の固定接点、（３）は第１の固定接点
（２）と接離する第１の可動接点、（４）は第１の可動
接点（３）が一端に固着された第１の可動接触子、
（５）は第１の可動接触子（４）と並置された第２の可
動接触子、（６）は第２の可動接触子（５）の先端に固
着された第２の可動接点、（７）は第２の可動接点
（６）と接離する第２の固定接点、（８）は第２の固定
接点（７）が一端に固着された第２の固定接触子、
（９）は両可動接触子（４），（５）をコ状に一体的に
連結する連結部、（10）は両可動接触子（４），（５）
を支持する回転軸、（11）は両可動接触子（４），
（５）に回転モーメントを与える接圧バネ、（12）は絶
縁物で構成された筐体ベース、（13）は第１のアーク消
弧空間、（14）は第２のアーク消弧空間、（15）は両ア
ーク消弧空間（13），（14）を隔てる隔壁である。

次に動作について説明する。通常、電流は第１の固定接
触子（１）→第１の固定接点（２）→第１の可動接点
（３）→第１の可動接触子（４）→連結部（９）→第２
の可動接触子（５）→第２の可動接点（６）→第２の固
定接点（７）→第２の固定接触子（８）の順に流れる。
こうした図示の閉状態から機構部（図示せず）によっ
て、第１、第２の可動接触子（４），（５）が回転軸
（10）を中心として時計回りに回動すると、接点（２）
と（３）及び（６）と（７）が開離し、各々の接点間に
アークが発生する。これらの二つのアークは、隔壁（1
5）によって隔てられているため電気的に直列であり、
一つのアークに比べてアーク柱の長さは２倍である。従
って、この構成ではアーク電圧を２倍の速さで高めるこ
とができる。この結果、電流は速やかに抑制され、遮断
時間も短く、遮断器の損傷も低減できる。

〔発明が解決しようとする課題〕

上記のような従来の回路遮断器では、剛体の連結部
（９）により両可動接触子（４），（５）がコ状に一体
成形されているので、両可動接触子（４），（５）間に
おいて左右方向、高さ方向への自由度がなく、２点切り
接点の接触性が不確実、不安定になるという問題点があ
った。

この発明はかかる問題点を解消するためになされたもの
で、両可動接触子間に自由度をもたせて２点切り接点の
接触性の安定化、遮断性能の向上が図れる回路遮断器を
得ることを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、この発明に係る回路遮断器
は、第１の固定接触子と対向する第１の可動接触子と、
第２の固定接触子と対向する第２の可動接触子とを、そ
れぞれの可動接点が固定された端と逆の端でシャントに
より連結したものである。

〔作用〕

この発明においては、両可動接触子をシャントにより連
結したので、両可動接触子間において左右方向、高さ方
向への自由度が得られ、２点切り接点の接触性が安定す
る。

〔実施例〕

以下、この発明の一実施例を第１図および第２図につい
て説明する。第１図は要部斜視図、第２図は第１図の部
分斜視図であり、前記従来のものと同一または相当部分
に同一符号を付して説明を省略する。図において、（1
6）は第１の可動接触子（４）と第２の可動接触子
（５）とを連結するシャントで、第１の可動接触子
（４）の第１の可動接点（３）が固定された端と逆の端
の上面に固着したシャント固め部（16a）と、第２の可
動接触子（５）の第２の可動接点（６）が固定された端
と逆の端の上面に固着したシャント固め部（16b）と、
両固め部（16a），（16b）の中間に位置すシャント可撓
部（16c）とで構成されている。上記シャント固め部（1
6a），（16b）は、銅撚線端部を溶着して固めた上でロ
ー付け、溶接等の手段で各可動接触子（４），（５）に
固着し、形成したものである。

このように第１、第２の可動接触子（４），（５）をシ
ャント（16）により連結すると、両可動接触子（４），
（５）間において左右方向、高さ方向への自由度が得ら
れるので、２点切り接点の接触性が安定する。

上記実施例のようにシャント（16）を両可動接触子
（４），（５）の接点が固定された端と逆の端に固着し
ておくと長手寸法を押えることができると共に、その固
着位置を上面にすると可動接触子の動きに対してスムー
ズに追髄でき、固着強度が確保できる。

〔発明の効果〕

以上のように、この発明によれば両可動接触子間に自由
度をもたせることにより２点切り接点の接触性の安定
化、遮断性能の向上が図れるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例を示し要部斜視図、第２図
は第１図の部分斜視図、第３図は従来のものを示す要部
斜視図、第４図は第３図の部分斜視図である。 図において、（１）は第１の固定接触子、（２）は第１
の固定接点、（３）は第１の可動接点、（４）は第１の
可動接触子、（５）は第２の可動接触子、（６）は第２
の可動接点、（７）は第２の固定接点、（８）は第２の
固定接触子、（16）はシャントを示す。 なお、図中同一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】一端に第１の接点が固着された第１の固定
   接触子、前記第１の固定接点に接離可能な第１の可動接
   点が固着された第１の可動接触子、この第１の可動接触
   子および前記第１の固定接触子にそれぞれ略平行に置か
   れた第２の可動接触子および第２の固定接触子、および
   前記両可動接触子を前記両可動接点が固定された端と逆
   の端で連結したシャントを備えた回路遮断器。