JPH07165695A - フルオルベンゾニトリル類の製造方法 - Google Patents

フルオルベンゾニトリル類の製造方法

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JPH07165695A
JPH07165695A JP6168423A JP16842394A JPH07165695A JP H07165695 A JPH07165695 A JP H07165695A JP 6168423 A JP6168423 A JP 6168423A JP 16842394 A JP16842394 A JP 16842394A JP H07165695 A JPH07165695 A JP H07165695A
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residue
fluorobenzonitrile
linear
carbon atoms
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JP6168423A
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Thomas Dr Schach
トーマス・シヤッハ
Theodor Papenfuhs
テオドール・パーペンフース
Ralf Dr Pfirmann
ラルフ・プフイルマン
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Hoechst AG
Original Assignee
Hoechst AG
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    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
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    • B01J31/00Catalysts comprising hydrides, coordination complexes or organic compounds
    • B01J31/02Catalysts comprising hydrides, coordination complexes or organic compounds containing organic compounds or metal hydrides
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
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    • B01J31/0234Nitrogen-, phosphorus-, arsenic- or antimony-containing compounds
    • B01J31/0235Nitrogen containing compounds
    • B01J31/0239Quaternary ammonium compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C253/00Preparation of carboxylic acid nitriles
    • C07C253/30Preparation of carboxylic acid nitriles by reactions not involving the formation of cyano groups
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 少なくとも 1個のアルコキシポリオキシアル
キル残基を含む式(1)の第四アンモニウム化合物の存
在下で、クロロベンゾニトリルとアルカリ金属フルオリ
ドとを反応させることによってフルオルベンゾニトリル
及びクロロフルオルベンゾニトリルを製造する方法。 〔例えば、ジメチル(エトキシポリオキシプロピルメチ
ルエーテル)アンモニウム、クロリド〕 【効果】 溶媒を用いない反応系において、比較的低温
でまた非常に収率よくフルオルベンゾニトリル類を製造
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規の触媒系の存在下
でクロロベンゾニトリルとアルカリ金属フルオリドとを
反応させることによって対応するフルオルベンゾニトリ
ルを製造するための改善された方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン交換、好ましくは活性化クロロ
ベンゾニトリルのハロゲン交換は、芳香族系にフルオル
置換基を導入する方法としては一般的な方法である。一
般的にこの反応は双極性非プロトン性溶媒及びフッ化物
イオン源としてのアルカリ金属フルオリドの存在下で行
われる (米国特許第 4,226,811号明細書) 。これらの方
法の重大な欠点は、反応温度が高いこと、生成物の収率
が不十分なこと及び反応時間が長いことである。
【0003】その代わりに、上記の欠点のいくつかを改
善することが可能な通例の相間転移触媒を使用すること
ができる。しかし他の問題、例えば溶媒を用いない方法
において反応懸濁液が攪拌しにくいという問題が残る。
従来使用された相間転移触媒は、第四アルキルアンモニ
ウムまたはアルキルホスホニウム塩 (米国特許第 4,28
7,374号明細書) 、ピリジニウム塩 (国際特許出願第 87
/04149 号明細書) またはクラウンエーテルであり、こ
れらの一部は反応性が低いかまたは必要とされる反応温
度において安定性が不十分であるかのどちらかであっ
た。
【0004】溶媒を用いないで一度に多数の塩素原子と
フッ素原子を交換する反応は従来ある制限の下でのみ可
能であった。反応懸濁液中の高い塩含有率は攪拌不能な
系を生じ、最も好ましい条件下においても概して低い転
化率と収率しかもたらさない。これまで、一度に 2つの
塩素原子とフッ素原子を交換する反応は適当な溶媒、例
えばスルホランまたはジメチルスルホキシドの存在下で
のみ成功した (米国特許第 4,209,457号明細書) 。ヨー
ロッパ特許出願公開第 0 049 186号明細書は第三ポリエ
ーテルアミン及びスルホランの存在下でフルオルベンゾ
ニトリルを製造する方法を開示しているが、ここでは 1
80と250 ℃の間の温度が要求される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これらの制限と不都合
に由来して、上記公知方法固有の欠点を回避し、そして
非常に良好な収率、低い反応温度及び短い反応時間を可
能とし、そして重合体の分解生成物の発生量を少なくす
る改善方法の開発が要望されている。特に重量な課題
は、溶媒を使用しないかまたは極少量の溶媒を使用する
方法における攪拌と後処理に係わる問題に首尾よく対処
することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】少なくとも 1つのアルコ
キシポリオキシアルキル残基を含む第四アンモニウム化
合物の存在下で、クロロベンゾニトリルとアルカリ金属
フルオリドを反応させることによって、対応するフルオ
ルベンゾニトリルとクロロフルオルベンゾニトリルが有
利に製造されることが発見された。
【0007】本発明は、式(4)
【0008】
【化6】
【0009】[ 式中、a は 1〜5 の整数であり、そして
bは 0〜3 の数である]で表される化合物とアルカリ金
属フルオリドとを、 a) 式(1)
【0010】
【化7】
【0011】[ 式中、R1、R2及びR3は同一かまたは異な
っており、式 -(Cm H2m O)p R5 ( 式中、R5は水素または 1〜16、好ましくは 1〜8 個の
炭素原子を有する直鎖状または分枝状アルキル残基であ
り、m は 1〜10、好ましくは 1〜5の整数であり、そし
てp は 1〜15、好ましくは 2〜10の数である)で表され
る直鎖状または分枝状アルコキシポリオキシアルキル残
基であるか、あるいは 1〜30、好ましくは 1〜18個の炭
素原子を有する直鎖状または分枝状アルキル残基である
か、あるいは置換されていないフェニルまたはナフチル
残基、あるいは置換されているフェニルまたはナフチル
残基であり、その際その置換基はハロゲン、C1-C4-アル
キル、C1-C4-アルコキシ、ニトロまたはシアノであり、
R4は式 -(Cm H2m O)p R5で表される直鎖状または分枝状
アルコキシポリオキシアルキル残基であり、そしてX
(-) は無機アニオン、好ましくはフッ化物イオン、塩化
物イオン、臭化物イオン、SO4 2- /2または硫酸水素イオ
ンである]で表される1 種以上の第四アンモニウム化合
物;あるいは b) 式(2)
【0012】
【化8】
【0013】[ 式中、R6、R7、R8及びR9は同一かまたは
異なっており、1 〜22、好ましくは 1〜16個の炭素原子
を有する直鎖状または分枝状アルキル残基であるか、あ
るいは置換されていないかまたは置換されているアリー
ル残基またはC1-C4-アルキルアリール残基であり、その
際アリールはフェニルまたはナフチルでありそしてその
置換基はハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキ
シ、ニトロまたはシアノであり、そしてY はN またはP
である]で表される一種以上の第四アンモニウム塩また
はホスホニウム塩と上記成分(a)との混合物;あるいは c) 式(3) R10-(O-Cx H2x ) r -OR11 (3) [ 式中、R10 及びR11 は同一かまたは異なっており、水
素または 1〜16、好ましくは 1〜8 個の炭素原子を有す
る直鎖状または分枝状アルキル残基であり、x は 2〜6
、好ましくは 2または3 の整数であり、そしてr は 0
〜20、好ましくは 4〜14の数である]で表されるポリエ
ーテルまたはクラウンエーテルと上記成分(a) の混合
物;あるいは成分a)、b)及びc)の混合物;から本質的にな
る触媒の存在下で反応させることによってフルオルベン
ゾニトリルを製造する方法を提供する。
【0014】触媒は好ましくは成分a)からのみ成るが、
しかし成分a)とb)との混合物または成分a)とc)との混合
物または成分a)、b)及びc)の混合物を使用するのが有利
である場合もある。単一の塩素- フッ素交換の場合、つ
まり塩素原子 1個だけがフッ素原子で置き換えられる場
合は、成分a)とb)との混合物を使用するのが有利である
場合が多い。一度に多数の塩素原子をフッ素原子で交換
する場合、つまり 2個以上の塩素原子がフッ素原子で置
き換えられる場合は、成分a)とc)の混合物または成分
a)、b)及びc)の混合物を使用するのが有利である場合が
多い。
【0015】成分a)とb)、成分a)とc)並びに成分a)、b)
及びc)の混合比は広い範囲内で変えることができるが、
その際成分a)は触媒全量のうちの少なくとも 5重量% 、
好ましくは20〜80重量% を占める。
【0016】式(1) で表される化合物中に存在する式 -
(Cm H2m O)p R5で表される直鎖状または分枝状アルコキ
シポリオキシアルキル残基において、同一のまたは異な
るアルコキシ単位が結合し合っていてもよい。
【0017】式(1) で表される化合物中に存在する直鎖
状または分枝状アルコキシポリオキシアルキル残基の数
は好ましくは 1または2 個である。本発明の目的のため
に特に好ましい式(1) で表される化合物はジメチル- ジ
(エトキシポリオキシプロピル) アンモニウムクロリ
ド、ジメチルジ (エトキシポリオキシプロピルメチルエ
ーテル) アンモニウムクロリド、ジメチル (エトキシポ
リオキシプロピル)(エトキシポリオキシプロピルメチル
エーテル) アンモニウムクロリド、ジメチルジ (エトキ
シポリオキシエチルメチルエーテル) アンモニウムクロ
リド、ジメチル (エトキシポリオキシエチル)(エトキシ
ポリオキシエチルメチルエーテル) アンモニウムクロリ
ド (それぞれ平均鎖長 pは3 である) 、更にトリメチル
(エトキシポリオキシプロピル) アンモニウムクロリド
及びトリメチル (エトキシポリオキシプロピルメチルエ
ーテル) アンモニウムクロリド (それぞれ平均鎖長 pは
8 である) 、またはこれらの特定化合物の混合物であ
る。
【0018】上記の式(1) で表される化合物は、対応す
るエタノールアミン類(ethanolamines) をアルキレンオ
キシドと反応させた後、次いで場合によっては同時にエ
ーテル化を行いながら四価アンモニウム化合物にする公
知の方法 (米国特許第 3,123,641号明細書、米国特許第
3,141,905号明細書) によって高い収率で得ることがで
きる。
【0019】本発明の目的のために好ましい式(2) で表
される化合物はオクタデシルトリメチルアンモニウムク
ロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、
テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアン
モニウムブロミド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウ
ムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリ
ド、ヘキサデシルトリブチルホスホニウムブロミド、ス
テアリルトリブチルホスホニウムブロミド、テトラブチ
ルホスホニウムクロリド、テトラブチルホスホニウムブ
ロミド及びテトラオクチルホスホニウムブロミドであ
る。
【0020】本発明の目的のために好ましい式(3) で表
されるポリエーテルは 300と800 の間の平均分子量を有
する。特に好ましいものは、鎖長 rが 6〜17であってそ
して平均分子量が500 であるポリエチレングリコールジ
メチルエーテルの混合物である。式(3) で表されるポリ
エーテルの代わりにまたはそれと組み合わせて、通例の
クラウンエーテル、例えば 18-クラウン-6を使用するこ
ともできる。
【0021】本発明の方法に適した式(4) で表される出
発化合物は、モノクロロベンゾニトリル、例えば2-クロ
ロ- ベンゾニトリル、4-クロロベンゾニトリル、4-クロ
ロ-3- フルオルベンゾニトリル及び2-クロロ-5- フルオ
ルベンゾニトリル; ジクロロベンゾニトリル、例えば2,
3-ジクロロベンゾニトリル、3,4-ジクロロベンゾニトリ
ル、2,5-ジクロロベンゾニトリル、2,4-ジクロロンベン
ゾニトリル、2,6-ジクロロベンゾニトリル、2,4-ジクロ
ロ-3- フルオルベンゾニトリル及び2,4-ジクロロ-5- フ
ルオルベンゾニトリル; トリクロロベンゾニトリル、例
えば2,4,5-トリクロロベンゾニトリル、2,3,4-トリクロ
ロベンゾニトリル、2,3,4-トリクロロ-5- フルオルベン
ゾニトリル及び2,4,5-トリクロロ-3- フルオルベンゾニ
トリルである。
【0022】本発明の方法によって、特定された出発化
合物中に存在する 1、2 または3 個、好ましくは 1また
は2 個の塩素原子をフッ素原子で置き換えることがで
き、それによって最終生成物、例えばモノフルオルベン
ゾニトリル、例えば2-フルオルベンゾニトリル及び4-フ
ルオルベンゾニトリル; クロロフルオルベンゾニトリ
ル、例えば3-クロロ-2- フルオルベンゾニトリル、3-ク
ロロ-4- フルオルベンゾニトリル及び5-クロロ-2- フル
オルベンゾニトリル; ジフルオルベンゾニトリル、例え
ば3,4-ジフルオルベンゾニトリル、2,5-ジフルオルベン
ゾニトリル、2,4-ジフルオルベンゾニトリル、2,6-ジフ
ルオルベンゾニトリル、5-クロロ-2,4- ジフルオルベン
ゾニトリル及び3-クロロ-2,4- ジフルオルベンゾニトリ
ル; トリフルオルベンゾニトリル、例えば2,3,4-トリフ
ルオルベンゾニトリル、2,4,5-トリフルオルベンゾニト
リル、3-クロロ-2,4,5- トリフルオルベンゾニトリル及
び5-クロロ-2,3,4- トリフルオルベンゾニトリルが得ら
れる。
【0023】使用するアルカリ金属フルオリドは好まし
くはフッ化カリウム、フッ化ルビジウムまたはフッ化セ
シウムあるいはこれらの化合物の組み合わせであり、特
にフッ化カリウムである。3%までの水含有率を有するア
ルカリ金属フルオリドを使用できることは本発明の方法
が有利とするところであり、これは例えば工業銘柄のフ
ッ化カリウムを前処理せずに使用することを可能にす
る。
【0024】本発明の方法においては、触媒は、出発芳
香族系化合物を基準として、 1〜35重量% 、好ましくは
10〜25重量% の量で使用するのが有利である。ここで触
媒の出発化合物に対するモル比は 1:8に等しいかまたは
これよりも小さく、好ましくは1:10〜1:50である。
【0025】アルカリ金属フルオリドの出発化合物に対
するモル比に関しては、置き換えられる塩素原子それぞ
れを基準として、60〜200mol% 、好ましくは 100〜140m
ol%のアルカリ金属フルオリドを使用するのが有利であ
る。
【0026】フルオルベンゾニトリル類を製造するため
に、2 つ以上の塩素原子をフッ素原子で交換する反応は
これまで溶媒の存在下でしかできなかった。反応懸濁液
の高い塩含有率は概して攪拌不可能な系を導き、この状
態はたとえ最も最適な条件下でも、低い転化率と収率し
かもたらさなかった。本発明の方法においては、反応懸
濁液中にたとえ非常に高い含有率で塩が存在していて
も、いまや攪拌に係わる問題は解消され、それ故溶媒の
不存在下に何の問題もなく 2つ以上の原子交換反応でさ
え普通に行うことができる。遂には、それと同時に先行
技術と比較してかなり低い反応温度が達成され、それは
反応懸濁液の良好な攪拌性と共に収率の著しい向上と副
反応の減少を導く。
【0027】従来 200℃〜300 ℃以上の温度が塩素−フ
ッ素交換反応に要求されてきた一方、本発明の反応温度
は 80 〜220 ℃、好ましくは90〜180 ℃、特に 120〜17
0 ℃である。
【0028】本発明の方法は溶媒の存在下または不存在
下で行うことができる。溶媒を使用する場合は、非プロ
トン性及び双極性の溶媒及びプロトン性の溶媒も適して
いる。適当な双極性非プロトン性溶媒は、例えばジメチ
ルスルホキシド、ジメチルスルホン、スルホラン、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、1,3-ジメチ
ルイミダゾリン-2- オン、アセトニトリル及びベンゾニ
トリルである。著しい双極性特性を持たない適当な非プ
ロトン性溶媒は、例えばベンゼン、トルエン、キシレ
ン、クロロトルエン、クロロベンゼン及びジクロロベン
ゼンである。プロトン性溶媒、例えばアルコールを使用
することも可能である。使用されるプロトン性溶媒は、
メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、
i-プロパノールまたはエチレン、プロピレンまたはブチ
レン単位を有するポリアルキレングリコールである。
【0029】非プロトン性または双極性非プロトン性溶
媒はあらゆる量で使用することができるが、使用する芳
香族系化合物を基準として 5〜30重量% の範囲の少量の
使用量が好ましい。プロトン性溶媒を使用する場合、そ
の使用量は、使用する芳香族系化合物を基準として 0.1
〜5 重量% 、好ましくは 0.1〜2 重量% の範囲である。
【0030】本発明の触媒は大気圧下及び加圧下あるい
は減圧下で使用することができる。これらの特徴は、例
えば水と共沸混合物を形成する少量の低沸点非プロトン
性溶媒、例えばベンゼン、キシレン、メシチレンまたは
トルエンを反応開始前の反応懸濁液に添加することによ
って利用される。次いで、減圧することによって反応懸
濁液からこの溶媒の一部を水と一緒に再び除去する。こ
の処理方法は反応速度と収率を増大させそして副生成物
の形成を低減させることができる。
【0031】本発明の方法は大気酸素の存在下または不
存在下で行うことができ、保護ガス、例えばアルゴンま
たは窒素下に行うことが好ましい。本発明の方法におい
ては、反応混合物を全反応中にわたってよく混合するこ
とが保証されなければならない。
【0032】フルオルベンゾニトリルは植物保護剤の分
野における中間物質として及び薬剤及び染料のための合
成構成要素として重要である。以下の実施例は本発明の
方法を説明するが、これらは本発明を限定しない。本発
明の目的のために、" ポリエチレングリコールジメチル
エーテル 500" が約500 の平均分子量を有する前述のポ
リエーテルである。実施例で使用するトリメチル (エト
キシポリオキシプロピル) アンモニウムクロリドは 8の
平均鎖長 pを有しそして84〜89重量% の純度を有する物
質として使用される。この物質は、10〜13重量% の遊離
ポリプロピレングリコール及び2 重量% までの水をも含
む。使用するジメチルジ (エトキシポリオキシプロピ
ル) アンモニウムクロリドは 3の平均鎖長 pを有しそし
て90〜95重量% の純度を有する物質であり、5 〜10重量
% のポリプロピレングリコール及び約 0.2重量% の水を
も含む。
【0033】上記 2種の触媒をエーテル化化合物として
使用する場合は、そのポリプロピレングリコールもエー
テル化されている。ジメトキシジ (エトキシポリオキシ
プロピルメチルエーテル) アンモニウムクロリドの場合
はそのエーテル化度は 86%である。ある時間における反
応の過程はガスクロマトグラフィー(GC)による分析で追
跡し、そして反応混合物中の所望生成物量はそれぞれガ
スクロマトグラムの占有面積率によって与えられる。
【0034】
【実施例】
実施例 1: 2,4,5- トリフルオルベンゾニトリル 蒸留用橋渡し管と錨型攪拌機を装備した 100mlのフラン
ジフラスコ中で、フッ化カリウム58.1g(1mol) 、ジメチ
ルジ (エトキシポリオキシプロピルメチルエーテル) ア
ンモニウムクロリド9.5g(0.017mol)及び12.4g(0.025mo
l) のポリエチレングリコールジメチルエーテル 500を
溶融した2,4-ジクロロ-5- フルオルベンゾニトリル95.0
g(0.5mol) に100 ℃で導入した。次いで、キシレン20g
(0.18mol)を添加しそしてこの反応懸濁液を20mbarに減
圧及び120 ℃に加熱することによって乾燥させて、形成
した共沸混合物を除去した。キシレンを留去した後、反
応懸濁液を150 ℃に加熱しそしてこの温度で21時間攪拌
した。生じた2,4,5-トリフルオルベンゾニトリルの量は
以下の通りである: 4 時間後: 5 GC占有面積% 21時間後: 15 GC占有面積% 更に、以下の量の2-クロロ-4,5- ジフルオルベンゾニト
リルが生成した: 2 時間後: 52 GC占有面積% 4 時間後: 70 GC占有面積% 実施例 2: 2-クロロ-4,5- ジフルオルベンゾニトリル 蒸留用橋渡し管と錨型攪拌機を装備した 100mlフランジ
フラスコ中で、フッ化カリウム14.5g(0.25mol)、トリメ
チル (エトキシポリオキシプロピル) アンモニウムクロ
リド 4.8g(0.007mol) 、6.2g(0.012mol)のポリエチレン
グリコールジメチルエーテル 500及び2.4g(0.007mol)の
テトラブチルホスホニウムブロミドを溶融した2,4-ジク
ロロ-5- フルオルベンゾニトリル47.5g(0.25mol)中に10
0 ℃で導入した。次いで、キシレン10g(0.09mol)を添加
しそしてこの反応懸濁液を20mbarに減圧及び130 ℃に加
熱することによって乾燥させて、形成した共沸混合物を
除去した。キシレンを留去した後、この反応懸濁液を14
0 ℃に加熱しそしてこの温度で 8時間攪拌した。生成し
た2-クロロ-4,5- ジフルオルベンゾニトリルの量は以下
の通りである: 2 時間後: 50 GC占有面積% 8 時間後: 70 GC占有面積% 実施例 3: 2,6-ジフルオルベンゾニトリル 蒸留用橋渡し管と錨型攪拌機を装備した 500mlのフラン
ジフラスコ中で、フッ化カリウム 127.8g(2.2mol) 及び
トリメチル (エトキシポリオキシプロピル) アンモニウ
ムクロリド 50.3g(0.07mol) を溶融した2,6-ジクロロベ
ンゾニトリル172.0g(1.0mol)に100 ℃で導入した。次い
で、キシレン60g(0.57mol)を添加しそしてこの反応懸濁
液を20mbarに減圧及び130 ℃に加熱することによって乾
燥させて、形成した共沸混合物を除去した。この反応懸
濁液を180 ℃に加熱しそしてこの温度で16時間攪拌し
た。生成した2,6-ジフルオルベンゾニトリルの量は以下
の通りである: 10時間後: 52 GC占有面積%16時間後: 69 GC占
有面積% 更に、以下の量の2-クロロ-6- フルオルベンゾニトリル
が生成する: 2 時間後: 46 GC占有面積% 10時間後: 29 GC占有面積% 実施例 4: 2,6-ジフルオルベンゾニトリル 蒸留用橋渡し管と錨型攪拌機を装備した 500mlのフラン
ジフラスコ中で、フッ化カリウム127.8g(2.2mol)及びジ
メチルジ (エトキシポリオキシプロピル) アンモニウム
クロリド 25.0(0.05mol)を溶融した2,6-ジクロロベンゾ
ニトリル 172.0g(1.0mol) 中に100 ℃で導入した。次い
で、キシレン60g(0.57mol)を添加しそしてこの反応懸濁
液を20mbarに減圧及び130 ℃に加熱することによって乾
燥させて、形成した共沸混合物を除去した。この反応懸
濁液を 180℃に加熱しそしてこの温度で44時間攪拌し
た。生成した2,6-ジフルオルベンゾニトリルの量は以下
の通りである: 20時間後: 39 GC占有面積% 44時間後: 83 GC占有面積% 単離された2,6-ジフルオルベンゾニトリルの収率は理論
値の80% である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ラルフ・プフイルマン ドイツ連邦共和国、64347 グリースハイ ム、カールストラーセ、1ツエー

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(4) 【化1】 [ 式中、 a は 1〜5 の整数であり、そしてb は 0〜3 の数であ
    る] で表される化合物とアルカリ金属フルオリドとを、 a) 式(1) 【化2】 [ 式中、 R1、R2及びR3は同一かまたは異なっており、式 -(Cm H2m O)p R5 ( 式中、R5は水素あるいは 1〜16個の炭素原子を有する
    直鎖状または分枝状アルキル残基であり、m は 1〜10の
    整数でありそしてp は 1〜15の数である)で表される直
    鎖状または分枝状アルコキシポリオキシアルキル残基で
    あるか、あるいは 1〜30個の炭素原子を有する直鎖状ま
    たは分枝状アルキル残基であるか、あるいは置換されて
    いないフェニルまたはナフチル残基、あるいは置換され
    ているフェニルまたはナフチル残基であり、その際、そ
    の置換基はハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキ
    シ、ニトロまたはシアノであり、 R4は式-(C m H2m O)p R5で表される直鎖状または分枝状
    アルコキシポリオキシアルキル残基であり、そしてX
    (-) は無機アニオンである]で表される 1種以上の第四
    アンモニウム化合物;あるいは b) 式(2) 【化3】 [ 式中、 R6、R7、R8及びR9は同一かまたは異なっており、1 〜22
    個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状アルキル残基
    であるか、あるいは置換されていないかまたは置換され
    ているアリール残基あるいはC1-C4-アルキルアリール残
    基であり、その際アリールはフェニルまたはナフチルで
    あり、そしてその置換基はハロゲン、C1-C4-アルキル、
    C1-C4-アルコキシ、ニトロまたはシアノであり、そして
    Y は NまたはP である]で表される 1種以上の第四アン
    モニウム塩またはホスホニウム塩と成分 a) との混合
    物;あるいは c) 式(3) R10-(O-Cx H2x ) r -OR11 (3) [ 式中、 R10 及びR11 は同一かまたは異なっており、水素あるい
    は 1〜16個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状アル
    キル残基であり、 x は 2〜6 の整数であり、そしてr は 0〜20の数であ
    る]で表される 1種以上のポリエーテルまたはクラウン
    エーテルと成分 a) との混合物;あるいは 成分 a) 、b)及びc)の混合物;から本質的になる触媒の
    存在下で反応させることによってフルオルベンゾニトリ
    ルを製造する方法。
  2. 【請求項2】 触媒が、 a) 式(1) 【化4】 [ 式中、 R1、R2及びR3は同一かまたは異なっており、式 -(Cm H2m O)p R5 [ 式中、R5は水素あるいは 1〜8 個の炭素原子を有する
    直鎖状または分枝状アルキル残基であり、m は 1〜5 の
    整数でありそしてp は 2〜10の数である]で表される直
    鎖状または分枝状アルコキシポリオキシアルキル残基で
    あるか、あるいは 1〜18個の炭素原子を有する直鎖状ま
    たは分枝状アルキル残基であるか、あるいは置換されて
    いないフェニルまたはナフチル残基であるか、あるいは
    置換されているフェニルまたはナフチル残基であり、そ
    の際その置換基はハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-ア
    ルコキシ、ニトロまたはシアノであり、 R4は式 -(Cm H2m O)p R5で表される直鎖状または分枝状
    アルコキシポリオキシアルキル残基であり、そしてX
    (-) はフッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、
    SO4 2- /2または硫酸水素イオンである]で表される 1種
    以上の第四アンモニウム化合物;あるいは b) 式(2) 【化5】 [ 式中、 R6、R7、R8及びR9は同一かまたは異なっており、 1〜16
    個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状アルキル残基
    であるか、あるいは置換されていないかまたは置換され
    ているアリール残基またはC1-C4-アルキルアリール残基
    であり、その際そのアリールはフェニルまたはナフチル
    でありそしてその置換基はハロゲン、C1-C4-アルキル、
    C1-C4-アルコキシ、ニトロまたはシアノであり、そして
    Y は NまたはP である]で表される 1種以上の第四アン
    モニウム塩またはホスホニウム塩と成分a)との混合物;
    あるいは c) 式(3) R10-(O-Cx H2x ) r -OR11 (3) [ 式中、 R10 及びR11 は同一かまたは異なっていて、水素あるい
    は 1〜8 個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状アル
    キル残基であり、 x は 2または3 の整数であり、そしてr は 4〜14の数で
    ある]で表される 1種以上のポリエーテルまたはクラウ
    ンエーテルと成分a)との混合物;あるいは成分 a) 、b)
    及びc)の混合物;から本質的に成る請求項 1の方法。
  3. 【請求項3】 成分 aが全触媒量のうちの少なくとも 5
    重量% 、好ましくは20〜80重量% を占める請求項 1また
    は2 の方法。
  4. 【請求項4】 式(1) で表される化合物中に、1 または
    2 個のアルコキシポリオキシアルキル残基が存在する請
    求項 1〜3 のいずれか 1つの方法。
  5. 【請求項5】 式(4) で表される化合物中の 1、2 また
    は3 個、好ましくは1 または2 個の塩素原子がフッ素原
    子によって置き換えられる請求項 1〜4 のいずれか 1つ
    の方法。
  6. 【請求項6】 アルカリ金属フルオリドがフッ化カリウ
    ム、フッ化ルビジウム、フッ化セシウムまたはこれらの
    フッ化物の組み合わせであり、特にフッ化カリウムであ
    る請求項 1〜5 のいずれか 1つの方法。
  7. 【請求項7】 触媒の式(4) で表される化合物に対する
    モル比が1:8 に等しいかまたはこれよりも小さく、好ま
    しくは1:10〜1:50である請求項 1〜6 のいずれか 1つの
    方法。
  8. 【請求項8】 反応を溶媒の不存在下で行う請求項 1〜
    7 のいずれか 1つの方法。
  9. 【請求項9】 反応温度が80〜220 ℃、好ましくは90〜
    180 ℃、特に 120〜170 ℃である請求項 1〜8 のいずれ
    か 1つの方法。
  10. 【請求項10】 式(4) で表される化合物が、2-クロロ
    ベンゾニトリル、4-クロロベンゾニトリル、2,3-ジクロ
    ロベンゾニトリル、3,4-ジクロロベンゾニトリル、2,5-
    ジクロロベンゾニトリル、4-クロロ-3- フルオルベンゾ
    ニトリル、2-クロロ-5- フルオルベンゾニトリル、2,4-
    ジクロロベンゾニトリル、2,6-ジクロロベンゾニトリ
    ル、2,4-ジクロロ-3- フルオルベンゾニトリル、2,4-ジ
    クロロ-5- フルオルベンゾニトリル、2,4,5-トリクロロ
    ベンゾニトリル、2,3,4-トリクロロベンゾニトリル、2,
    3,4-トリクロロ-5- フルオルベンゾニトリルまたは2,4,
    5-トリクロロ-3- フルオルベンゾニトリルである請求項
    1〜9 のいずれか 1つの方法。
JP6168423A 1993-07-21 1994-07-20 フルオルベンゾニトリル類の製造方法 Withdrawn JPH07165695A (ja)

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