JP3016289B2 - ジアルキルカーボネートの製造法 - Google Patents

ジアルキルカーボネートの製造法

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JP3016289B2
JP3016289B2 JP3266844A JP26684491A JP3016289B2 JP 3016289 B2 JP3016289 B2 JP 3016289B2 JP 3266844 A JP3266844 A JP 3266844A JP 26684491 A JP26684491 A JP 26684491A JP 3016289 B2 JP3016289 B2 JP 3016289B2
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は環状カーボネートとアル
コール類から、ジアルキルカーボネートを製造する方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】触媒の存在下に環状カーボネートとアル
コール類とを反応させることによるジアルキルカーボネ
ートの製造方法については、種々の提案がすでになされ
ている。例えば、触媒として第3級脂肪族アミンを用い
る方法(特公昭59−28542号公報)、アルカリ金
属またはアルカリ金属化合物を使用する方法(米国特許
第3642858号明細書)、タリウム化合物を使用す
る方法(特公昭60−27658号公報)、錫アルコキ
シド類を使用する方法(特公昭56−40708号公
報)、ルイス酸と含窒素有機塩基とを混合して用いる方
法(特公昭60−22698号公報)、第4級ホスホニ
ウム塩を用いる方法(特開昭56−10144号公報)
等である。
【0003】通常、生成物であるジアルキルカーボネー
トを製品として得るためには、分離操作として蒸留が必
要である。しかし、このような均一系触媒を使用する場
合には、反応混合物と触媒の分離が困難であり、蒸留中
に触媒が存在するために逆平衡反応が起き易くなり、ジ
アルキルカーボネートとアルコールとの共沸組成物でし
か得られないということや、高沸生成物を生じるという
問題がある。
【0004】これを防ぐために、固体触媒を用いる方法
が提案されている。例えば、シリカ−チタニア固体酸触
媒(特公昭61−5467号公報)、スルホン酸基やカ
ルボン酸基を交換基として有するカチオン交換樹脂(特
開昭64−31737号公報)等を用いる方法がある。
しかしながら、これらの触媒は、触媒活性が充分でな
く、反応速度が低いという欠点がある。
【0005】そこで、触媒活性を満足させる固体触媒と
して、第3級脂肪族アミン基を含有する弱塩基性交換樹
脂(特公昭59−28542号公報)、第4級アンモニ
ウム基を交換基として含有する強塩基性交換樹脂(特開
昭63−238043号公報)等が提案された。しか
し、このような触媒でも、触媒成分(触媒の溶出物や分
解物等を指す)の反応液への混入を完全に避けることが
できない場合があり、その場合には蒸留液中に触媒成分
が存在するために逆平衡反応が起き易くなって、ジアル
キルカーボネートの取得率が低下したり高沸点副生物を
生じ易いという前述の均一系触媒と同様の問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、環状カー
ボネートとアルコールとの反応において、高選択率でジ
アルキルカーボネートを与え、しかも、反応液に溶出す
る触媒成分が極めて少ない固体触媒の開発が要望されて
いた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ジアルキ
ルカーボネートの製造に関する従来法の問題点を解決
し、高収率でジアルキルカーボネートを得ることを目的
に鋭意検討を重ねた結果、含窒素複素環基を有する固体
触媒存在下で、環状カーボネートとアルコールとを反応
させることによって目的を達成できることを見出し、先
に出願した(特願平2−219978号)。本発明は、
それをさらに検討した結果、含窒素複素環の4級塩を含
有する固体触媒も同様の目的を達成できることを見出
し、その知見に基づいて完成したものである。
【0008】即ち、本発明は含窒素複素環基を有し、且
つ該窒素原子の1部または全部が4級塩化された固体触
媒の存在下に、環状カーボネートとアルコール類を反応
させることを特徴とするジアルキルカーボネートの製造
法を提供するものである。本発明でいう含窒素複素環基
を有し、且つ該窒素原子の1部または全部が4級塩化さ
れた固体触媒とは、1部または全部が4級塩化された含
窒素複素環基が母体となる固体状物質に化学的に結合し
ているものである。
【0009】また、本発明でいう含窒素複素環基とは、
環の構成要素として少なくとも1個の窒素原子を有する
複素単環基または縮合複素環基であって、これらの複素
環基には、炭素、窒素原子以外の異種原子が含まれてい
てもよい。このような複素単環基とは、下記式(A)ま
たは(B)
【0010】
【化1】 で表わされる基本骨格を有する基であり、環を構成する
原子のうち、少なくとも一つは窒素原子であり、残りの
原子は、炭素、窒素、酸素原子から選ばれたものであ
る。
【0011】ここで式(A)における1−位の原子〔以
下これらを(A)−1のように表わす〕および式(B)
における1−位の原子〔(B)−1〕は、炭素または窒
素であり、この原子から直接、または1個以上の炭素−
炭素結合(この炭素−炭素結合は1個以上の炭素−異種
原子結合に置換されていてもよい)を介して、母体とな
る固体状物質に結合している。
【0012】(A),(B)環上の結合は、単結合また
は二重結合(炭素−炭素二重結合、炭素−窒素二重結
合、窒素−窒素二重結合)から成る。また、(A)−
1,(B)−1の位置以外に、二重結合を有しない窒素
原子がある場合には、その窒素原子上の水素原子はアル
キル基によって置換されている。
【0013】炭素原子上の水素原子は、アルキル基、ア
リール基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、ハロ
基、アシル基、アロイル基、アミド基、ニトロ基、シア
ノ基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル基等や、さ
らに、(A)または(B)の複素単環基で置換されてい
てもよい。本発明において、好ましい複素単環基の例と
しては、
【0014】
【化2】 等が挙げられる(ただし、Rはアルキル基を表わす)。
また、縮合複素環基としては、式(C)〜式(G)
【0015】
【化3】 で表わされる基本骨格を有するものが挙げられ、縮合部
の原子((C)−1,5、(D)−1,6、(E)−
1,6,7,12、(F)−1,6,8,13、(G)
−1,6,9,14を指す)は炭素原子であり、その他
の原子は炭素、窒素、酸素原子から選ばれ、少なくとも
1個の窒素原子を含むものである。
【0016】式(C)〜式(G)において環を構成する
結合は、単結合または二重結合(炭素−炭素二重結合、
炭素−窒素二重結合、窒素−窒素二重結合)から成って
いる。式(C)〜式(G)で表わされる含窒素複素縮合
環基は縮合部の原子以外の部分から直接、または1個以
上の炭素−炭素結合(この炭素−炭素結合は1個以上の
炭素−異種原子結合に置換されていてもよい)を介し
て、母体となる固体状物質に結合している。
【0017】母体となる固体状物質と結合している原子
以外で、二重結合を有しない窒素原子がある場合には、
その窒素原子上の水素原子はアルキル基によって置換さ
れている。炭素原子上の水素原子は、アルキル基、アリ
ール基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、ハロ基、
アシル基、アロイル基、アミド基、ニトロ基、シアノ
基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル基等や、さら
に、前述の式(A)または式(B)の複素単環基で置換
されていてもよい。本発明において、好ましい縮合複素
環基の例としては、
【0018】
【化4】
【0019】
【化5】 等が挙げられる(ただし、Rはアルキル基を表わす)。
【0020】本発明の触媒は、母体となる固体状物質
に、上記のような含窒素複素環基が結合しており、しか
もそれらの窒素原子の1部または全部が4級塩化された
固体触媒である。このような固体触媒はどのような方法
で製造されたものであってもよい。例えば含窒素複素環
基を含有する固体状物質にハロゲン化アルキルあるいは
ハロゲン化アリールを反応させる方法は、該窒素原子の
1部または全部を4級アンモニウムハライドの形の4級
塩に容易に変換できるので、本発明の触媒を製造する好
ましい方法の1つである。含窒素複素環基の窒素の部分
を式(H)と略記すれば、
【0021】
【化6】 この場合の反応は式(J)で表わされる。
【0022】
【化7】 (R1 はアルキル基またはアルール基を表わし、Xは
F,Cl,Br,Iのハロゲン原子を表わす)
【0023】本発明に用いられる触媒は、このようなア
ニオンがハロゲンイオンである4級アンモニウムハライ
ドを含む含窒素複素環基を有するものであってもよい
し、これらのハロゲンアニオンの1部または全部が他の
アニオン、例えばHCO3 - ,CO3 - ,CH3 CO2
- ,HCO2 - ,IO3 - ,BrO3 - ,ClO3 -
で置換されたものであってもよい。
【0024】本発明の固体触媒を形成する、母体となる
固体状物質はどのようなものでもよいが、好ましくは有
機ポリマーおよび無機質担体等が挙げられる。有機ポリ
マーとしては、通常のイオン交換樹脂の場合と同様に、
ポリスチレン系ポリマー、ポリアクリル酸エステル系ポ
リマー、ポリメタアクリル酸系ポリマー、フェノール樹
脂系ポリマー、セルロース系ポリマー等が挙げられる。
これらのポリマーは、ジビニルベンゼン等の架橋剤で架
橋されていてもよく、通常のイオン交換樹脂と同様にゲ
ル型、巨大網状型(MR型)のいずれのタイプでもよ
い。無機質担体としては、例えばシリカ、アルミナ、シ
リカアルミナ、チタニア、シリカチタニア、ゼオライ
ト、多孔質ガラス等が挙げられる。これらの無機質担体
の表面水酸基を利用し、通常行なわれている表面修飾の
技術を用いて、含窒素複素環を含む基を該無機質担体に
結合させることができる。
【0025】本発明において、原料として用いられる環
状カーボネートとは、一般式(K)で表わされる化合物
である。
【0026】
【化8】 〔式中、R2 は2価の基−(CH2 m −を表わす。m
は2〜6の整数である。また、R2 中の水素原子は炭素
数1〜8のアルキル基やアリール基で置換されていても
よい。〕このような環状カーボネートとしては例えば、
エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のア
ルキレンカーボネート;1,3−ジオキサシクロヘキサ
−2−オン、1,3−ジオキサシクロヘプタ−2−オン
等が挙げられる。また、それらの混合物であってもよ
い。
【0027】また、本発明において他の原料であるアル
コール類とは、環状カーボネートと反応して炭酸エステ
ルを与えるヒドロキシル基を有する化合物であり、好ま
しくは一般式R3 OH〔R3 は炭素数1〜18の飽和あ
るいは不飽和の炭化水素基等であり、R3 の1つ以上の
水素原子はハロゲン、低級アルキル、アリール、アルコ
キシ等の基で置換されていてもよい〕で表わされるモノ
ヒドロキシル化合物である。
【0028】このようなアルコール類としては、例えば
メタノール、エタノール、プロパノール(各異性体)、
アリルアルコール、ブタノール(各異性体)、3−ブテ
ン−1−オール、アミルアルコール(各異性体)、ヘキ
シルアルコール(各異性体)、ヘプチルアルコール(各
異性体)、オクチルアルコール(各異性体)、ノニルア
ルコール(各異性体)、デシルアルコール(各異性
体)、ウンデシルアルコール(各異性体)、ドデシルア
ルコール(各異性体)、シクロペンタノール、シクロヘ
キサノール、シクロヘプタノール、シクロオクタノー
ル、メチルシクロペンタノール(各異性体)、エチルシ
クロペンタノール(各異性体)、メチルシクロヘキサノ
ール(各異性体)、エチルシクロヘキサノール(各異性
体)、ジメチルシクロヘキサノール(各異性体)、ジエ
チルシクロヘキサノール(各異性体)、フェニルシクロ
ヘキサノール(各異性体)、ペンチルアルコール、フェ
ネチルアルコール(各異性体)、フェニルプロパノール
(各異性体)等が挙げられ、さらにこれらのモノアルコ
ール類において、ハロゲン、低級アルコキシ基、シアノ
基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル
基、アシロキシ基、ニトロ基等の置換基によって置換さ
れていてもよい。
【0029】このようなモノアルコール類の中で、好ま
しく用いられるのは炭素数1〜6のアルコール類であ
り、特に好ましいのはメタノール、エタノール、プロパ
ノール(各異性体)、ブタノール(各異性体)の炭素数
1〜4のアルコール類である。また、これらのアルコー
ル類は2種以上の混合物で用いることもできる。本発明
の反応は、下式(L)
【0030】
【化9】 で示されるように、環状カーボネートと2分子のアルコ
ール類とが反応して、ジアルキルカーボネートとグリコ
ール類を生成させるものである。
【0031】本発明の固体触媒は、通常、粉末状、ある
いは平均粒径0.1〜10mmの球形または円柱形等の粒
状、あるいはこれらの粉末または粒状物を球状、円柱状
に成形したもので用いられる。反応の方式としては、流
動床式、固定床式、あるいは攪拌式等、一般に用いられ
る方法を使用することができる。また、流通式、回分式
いずれの方法であってもよく、反応液と触媒の分離は容
易に実施することが可能である。
【0032】本発明を実施するに当り、反応温度は、通
常30〜300℃、好ましくは50〜260℃である。
ただし、使用する触媒が固有の耐用温度をもつ場合に
は、それ以下の温度範囲で行うことが好ましい。反応時
間は原料である環状カーボネートおよびアルコールの種
類および組成比や、反応温度によっても変り得るが、例
えば、流通反応を行う場合の全供給液に対する液時空間
速度(LHSV)で表現して、通常0.05〜40h
r-1、好ましくは0.1〜20hr-1、さらに好ましくは
0.2〜10hr-1が使用される。また、回分式反応の場
合には、通常0.05〜60時間、好ましくは0.1〜
40時間、さらに好ましくは0.2〜20時間が使用さ
れる。
【0033】本発明において、反応時の圧力はその反応
器のサイズや反応温度による反応物質や生成物の自己発
生的な圧力でよいが、通常、好ましくは常圧〜50kg/
cm2 (ゲージ圧)が用いられ、更に好ましくは常圧〜2
0kg/cm2 が用いられる。本発明の反応に用いる触媒量
は、回分式の場合、原料に対して0.01〜100重量
%であり、好ましくは0.5〜50重量%である。ま
た、流通式の場合は、上述のLHSVの範囲になるよう
にする。
【0034】原料である環状カーボネートとアルコール
類の量比は、広い範囲で用いることができる。しかしな
がら、環状カーボネートに対するアルコールのモル比が
大きすぎる場合には、回収するアルコール量が過大とな
り現実的でない。また、モル比が小さすぎる場合には、
環状カーボネートの転化率が低くなるため回収量が増大
して、やはり現実的ではない。したがって、原料である
環状カーボネートに対するアルコールのモル比は、通常
0.05〜100が用いられ、好ましくは0.1〜4
0、さらに好ましくは0.2〜20が使用される。
【0035】
【実施例】次に、本発明を実施例よって具体的に説明す
るが、本発明は、これらの実施例に限定されるものでは
ない。
【0036】実施例1 (触媒の合成)4−ビニルピリジンに対し8wt%のジビ
ニルベンゼン(純度56%、エチルベンゼンを44%含
む)を加えたモノマー500gに、トルエン250g、
アゾイソブチロニトリル5gを加え、均一溶液とした。
これをNaCl3wt%を含む0.01wt%メチルセルロ
ース水溶液4kgに加え、懸濁重合を行った。60℃から
90℃に段階的に昇温し、90℃で12hr重合した。得
られた樹脂をオートクレーブ中でDMFに分散させ、1
20℃でCH3 Clと反応させることによって、ピリジ
ル基の窒素原子を4級塩化してN−メチルピリジニウム
クロライドに変換したイオン変換樹脂を得た(4級塩化
率約70%)。
【0037】(反応)上記で得られた固体触媒を充填し
た管型反応器を用いて、エチレンカーボネートとメタノ
ールを反応させて、ジメチルカーボネート(DMC)と
エチレングリコールを得る流通反応を行った。 エチレンカーボネート(EC)とメタノール(MeO
H)の混合溶液(MeOH/ECモル比=2)を流量1
10ml/hr(LHSV=1hr-1)で送液を開始し、反応
系の圧力を7kg/cm2 (ゲージ圧)に保ち、80℃で反
応を行った。反応管から出てくる反応液の組成が定常状
態になった時点から、次工程の蒸留を行うための反応液
を採取した。ECの転化率は31%であった。
【0038】(蒸留)500mlのフラスコを有するガラ
ス製単蒸留装置に反応液300gを仕込んでバッチ蒸留
を行った。常圧下で、外部浴温度を150℃まで徐々に
上げながら、低沸点成分の大部分を留出させた後、減圧
蒸留を行い、外部浴温度は最終的に180℃にまで上げ
てEGおよび未反応のECを留出させた。蒸留後のフラ
スコ中に残っている液体中の高沸点副生物は0.1g以
下であった。蒸留前の反応液中にはDMCが54.0g
含まれており、留出液中のDMCは53.8gであっ
た。この結果、蒸留中に逆平衡反応や、高沸点副生物の
生成反応が殆ど起っていないことがわかった。
【0039】実施例2 実施例1で製造された4級塩化したN−メチルピリジニ
ウムクロライド基を有するイオン交換樹脂を炭酸ナトリ
ウム水溶液で処理することによって、塩素アニオンの約
60%を炭酸アニオンに交換した樹脂を用いて実施例1
と同様な反応および蒸留を行ったところ、実施例1とほ
ぼ同様な結果が得られた。
【0040】比較例1 アンバーリストA−21(ローム・アンド・ハース社
製、第3級脂肪族アミン型)を減圧下60℃に加熱して
乾燥させた後、実施例1と同じ方法で反応および蒸留を
行った。反応でのECの転化率は32%であった。ま
た、56.8gのDMCを含む反応液300.0gを蒸
留したところ、蒸留回収したDMCは43.0gしか得
られず、高沸残渣は3.8gであった。
【0041】実施例3 (触媒の合成)多孔性ガラス粒(表面積約5〜20m2
/g、粒径50〜200μm)100gをアミノプロピ
ルトリエトキシシランの10%メタノール溶液中で、2
4時間還流する。ガラス粒をエタノールと水で洗浄した
後、3−キノリンカルボン酸クロライド10gとトリエ
チルアミン5gを含むクロロホルム溶液1lを加え、2
時間還流する。粒を濾別、クロロホルムで5回洗浄して
キノリン基を有する無機質担体を得る。これをオートク
レーブ中、CH3Clと反応させて、4級塩化した。
【0042】(反応および蒸留)上述の無機質担体を管
型反応器に入れ、触媒を換えた以外は、実施例1と同じ
方法で反応および蒸留を行った。反応でのECの転化率
は28%であった。また、50.0gのDMCを含んで
いる反応液300.0gを蒸留したところ、DMCが4
9.5g蒸留回収でき、また、高沸残渣は0.1g以下
であった。
【0043】実施例4 実施例3の3−キノリンカルボン酸クロライドの代わり
に、2−キノキサロイルクロライドを用いて、キノキサ
リン基を結合した無機質担体を得た。これを実施例2と
同様にして、炭酸アニオンを含む4級アンモニウム化し
たものを触媒として用いて、実施例1と同様な方法で反
応と蒸留を行った。反応でのECの転化率は28%であ
った。反応液300.0gを蒸留したところ、反応液に
含まれていた44.5gのDMCのうち、43.3gの
DMCを蒸留回収でき、また、高沸残渣は0.1g以下
であった。
【0044】実施例5 4−ビニルピリジンの代りに、2−ビニルピラジンを4
−ビニルピリジンとの混合物(2−ビニルピラジンの含
有量10モル%)を用いて、実施例1と同様な方法によ
り、ピリジン環とピラジン環を含む樹脂を得た。この樹
脂をCH3 Clを用いて、実施例1と同様な方法により
4級塩化した後、炭酸水素ナトリウム水溶液で処理する
ことによって、炭酸水素アニオンを有する4級アンモニ
ウム塩型イオン交換樹脂を得た。
【0045】この樹脂を用いて反応を70℃で行う以外
は、実施例1と同様な方法により、ECとメタノールと
の反応および蒸留を行った。ECの転化率は30%で、
DMCの蒸留による回収率は99%であり、高沸点副生
物の生成量は反応液300g当り、0.1g以下であっ
た。
【0046】実施例6 エチレンカーボネートの代わりにプロピレンカーボネー
トを使用した他は、実施例1と同じ方法で反応と蒸留を
行った。プロピレンカーボネートの転化率は31%であ
り、また、蒸留後のDMCの回収率は99%以上、高沸
残渣は0.1g以下であった。
【0047】実施例7 メタノールの代わりにエタノールを使用した他は、実施
例1と同じ方法で反応と蒸留を行った。エチレンカーボ
ネートの転化率は32%であり、また、蒸留後のジエチ
ルカーボネートの回収率は99%以上、高沸点副生成物
の生成量は反応液300g当り、0.1g以下であっ
た。
【0048】
【発明の効果】本発明の方法により、環状カーボネート
とアルコールを原料として、ジアルキルカーボネートを
高い選択率で得ることができ、また、反応液中への触媒
成分の溶出も少なく、ジアルキルカーボネートの分離・
精製時における逆反応や、高沸点副生物の生成が少な
く、高収率でジアルキルカーボネートが得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−238043(JP,A) 特開 平3−109358(JP,A) 特開 平4−103561(JP,A) 特公 昭59−28542(JP,B2) 特公 昭60−22698(JP,B2) 米国特許2873282(US,A) 「岩波理化学辞典 第3版」(1979− 8−30)岩波書店、第1111頁、「ピリジ ン」の項 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 69/96 C07C 68/06 CAPLUS(STN) REGISTRY(STN) WPIDS(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 含窒素複素環基を有し、且つ該窒素原子
    の1部または全部が4級塩化された固体触媒の存在下
    に、環状カーボネートとアルコール類を反応させること
    を特徴とするジアルキルカーボネートの製造法。
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「岩波理化学辞典 第3版」(1979−8−30)岩波書店、第1111頁、「ピリジン」の項

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