JPH07165235A - 断熱折りたたみ式コンテナ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 保温して、或いは冷却して、運搬する容器と
して便利で、折りたたむことができ、スペ−スを取らな
いで返送することのできる容器を提供する。 【構成】 多孔体樹脂ボ−ドの表面に樹脂フィルムを密
着させた断熱性ボ−ドで直方体に構成され、前記断熱性
ボ−ドの各端部に各々特殊な断面を有する長尺の端部部
材を設けて、この各端部部材は、軟質樹脂で形成され、
所定位置に切り欠き部を有し、この切り欠き部で、直角
に曲げることにより、前記断熱性ボ−ドを折りたたむこ
とができるような構造を有する断熱折りたたみ式コンテ
ナを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、冷却して運搬する物品
を収納する断熱折りたたみ式コンテナに関する。特に、
断熱性樹脂で形成されているが、折りたたむことがで
き、物品の運搬の後にコンテナを返送するときには折り
たたんで運送することのできる断熱折りたたみ式コンテ
ナに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、冷却運搬するためのコンテナとし
ては、発泡スチロ−ル等の発泡樹脂を形成した凾（所
謂、トロ函）等、魚河岸等で使用しているものがある
が、これは、非常に広く使用されているが、汚れ易く、
折りたたむことが出来なく、返送するときにも、同じ体
積、スペ−スを取り、能率的でない。

【０００３】これに対して、折りたためるように、射出
成形或いは注入発泡して、特定の形状に作成したコンテ
ナ、所謂、オリコン（折りたたみ式コンテナ）は、提供
されている。これは、汚れが落ち易く、着き難く、折り
たたみに便利であるが、高価であり、実際に使用する場
合には、コスト高で採用不可能のものである。

【０００４】また、上記の発泡樹脂のトロ箱は、広く使
用されているが、汚れが激しいとき、破損したときは、
償却しなければならず、その際には、環境問題等の可能
性があり、また、上記のオリコンでは、繰り返し使用で
き、スペ−スを取らなく、効率が良いものであるが、コ
スト面で非常に困難なものである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を解決するためになされたもので、汚れが落ち易く、
着き難く、また、折りたたみにもでき、安価に製造で
き、採用され易い断熱折りたたみ式コンテナを提供する
ことを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記の技術的
な課題の解決のために、多孔体樹脂ボ−ドの表面に樹脂
フィルムを密着させた断熱性ボ−ド５個で構成され、前
記断熱性ボ−ドの各端部に各々特殊な断面を有する長尺
の端部部材を固定し、この各端部部材は、軟質樹脂で形
成され、所定位置に切り欠き部を有し、この切り欠き部
で、直角に曲げることにより、前記断熱性ボ−ドを折り
たたむことができるような構造を特徴とする断熱折りた
たみ式コンテナを提供する。更に、多孔体樹脂で形成さ
れた中空部を有する蓋体を備える断熱折りたたみ式コン
テナを提供する。このときに、前記端部部材は、ポリプ
ロピレン樹脂で形成され、前記多孔体樹脂ボ−ドは、発
泡ポリウレタン樹脂で形成されたものであり、前記樹脂
フィルムは、アルミ蒸着ポリエステルフィルムであるも
のが好適である。

【０００７】

【作用】多孔体樹脂は、断熱性にすぐれており、従来の
トロ箱の形成でも用いられているが、多孔体であるため
に、その表面が汚れ易く、また、その角、端部は、崩れ
易く、損失し易いものである。その欠点を解決するため
に、本発明では、多孔体樹脂の表面を、樹脂フィルムで
覆い、汚れ難くし、同時に、取り扱い易くするものであ
る。この多孔体樹脂とその表面を被う樹脂フィルムは、
ホットメルトで密着でき、あるいは、超音波溶接で密着
させ、あるいはスポット溶接で密着させることができ
る。多孔体樹脂と樹脂フィルムが同材のとき、上記のよ
うな溶接方法が好適である。

【０００８】このような構造でも、断熱性ボ−ドは、そ
の端部が非常に弱く、そのままでは、冷却されたり、野
外に置かれたり、手荒く取り扱われたり等の厳しい条件
下で使用されるコンテナでは、破損し易く、一端破損す
ると、それが容易に広がり、急速に使用に耐えないよう
になる。

【０００９】このような場合でも耐えられるように、本
発明の断熱折りたたみ式コンテナでは、各断熱ボ−ドの
端部を覆うように、樹脂で成形した端部部材を固定す
る。このような構造にしたために、多孔体樹脂の角、端
部を補強する結果となり、使用に便利で、端部が容易に
崩れないコンテナを提供したものである。

【００１０】端部部材を形成する樹脂としては、半軟質
樹脂が好適である。例えば、ポリプロピレン、軟質塩化
ビニルを使用できるが、特に、ポリプロピレンが最も好
適である。あるいは、二層成形した半軟質塩化ビニル樹
脂を用いることができる。このような半軟質樹脂で形成
したために、単に、その表面に、切り欠き部を設けて、
そこを中心に、曲げることにより、簡単な構造で、屈
曲、回転できる機構を具備することができる。この切り
欠き部は、上記の多孔体樹脂によるボ−ドを、角部で結
合する端部部材において、２つの該ボ−ドを挿入固定す
る凹部を２つ設けてある箇所の間に、設ける。このこと
により、２つの挿入固定されたボ−ドを、直角から、平
行になるまで、回転或いは屈曲することができる。

【００１１】次に、本発明の断熱折りたたみ式コンテナ
を具体的に実施例により説明するが、本発明はそれらに
よって限定されるものではない。

【００１２】

【実施例】図１は、本発明の断熱折りたたみ式コンテナ
の全体を示す斜視図である。図示のように、特殊な構造
の断熱ボ−ド１１、１２、１３、１４、１５の５枚の端
部に、特殊な形状の端部部材Ａ、Ｂ、Ｃ、Ｄ、Ｅを取り
付けて、図示のように組立てたものである。即ち、５つ
の断熱ボ−ドを端部部材を通して、結合したもので、そ
の各端部部材は、特殊な断面を有し、折りたためるよう
になっている。箱の対角の端部では、図示のように、同
じ端部部材で固定され、即ち、端部部材Ａが２つと端部
部材Ｂが２つで箱形にされ、各ボ−ドの頂部には、端部
部材Ｃが固定され、そして、箱の底は、断熱ボ−ド１５
（図１では見えない）で形成され、その底ボ−ド１５
は、端部部材Ｅでボ−ド１４の下端に近い位置に回転自
由に固定されており、組立てたときには、他のボ−ドの
下端に近い位置にある端部部材Ｄにより嵌合される。

【００１３】図１の各端部部材Ａ、Ｂ、Ｃ、Ｄ、Ｅの断
面を示す各断面図を図２に示す。各端部部材Ａ、Ｂ、
Ｃ、Ｄ、Ｅの断面は、各々、図２のＡ、Ｂ、Ｃ、Ｄ、Ｅ
に示される。各端部部材は、多孔性樹脂ボ−ドの端部に
固定されており、その多孔性樹脂ボ−ドの端部を保護す
る役目をし、長尺物であり、樹脂ボ−ドの端部の大部分
を覆っている。この樹脂ボ−ドは、好適には、発泡ウレ
タンで形成される。そして、これら端部部材は、好適に
はポリプロピレン樹脂で形成される。そして、大部分で
は、その一部に、切り欠き部を形成され、そこから、折
り曲げられる構造になっている。

【００１４】端部部材Ａは、図２のＡに示される断面を
有し、成形された樹脂２（好適にはポリプロピレン樹
脂）の中に多孔体樹脂ボ−ド１を挿入するという構造で
あり、３の位置には、切り欠きを有し、点線で示すよう
に、ボ−ド１４（１３）を直角に曲げることができる。
それにより、ボ−ド１１（１２）とボ−ド１４（１３）
は、平行に折りたためる。この端部部材Ａでは、折りた
たまれたボ−ドとボ−ドの間には、もう１枚のボ−ドが
入る程度のスペ−スがあるようにする。１６の部分は、
機能的には不要であるが、保温、断熱のために、端部部
材樹脂２の上に取り付けたものに過ぎない。

【００１５】端部部材Ｂは、図２のＢに示される断面を
有し、同様に、成形された樹脂２の中に多孔体樹脂ボ−
ド１を挿入するという構造であり、３の位置には、切り
欠きを有し、点線で示すように、ボ−ド１２（１３）を
直角に曲げることができる。それにより、ボ−ド１４
（１１）とボ−ド１２（１３）は、平行に折りたためる
が、この端部部材Ｂでは、その間には殆どスペ−スはで
きない。尚、以上の２種の端部部材は、立っている断熱
ボ−ド即ち、１１、１２、１３、１４同志を結合するた
めの端部部材であり、従って、これら端部部材は、縦方
向に、固定されたものである。

【００１６】端部部材Ｃは、図２のＣに示される断面を
有し、多孔体樹脂ボ−ド１の頂部に成形された樹脂２が
挿入固定して、ボ−ド端部を保護強化するものである。
この成形された樹脂２の内側は、図示のようにＲを付け
ると好適である。蓋を付けた場合に取り扱い易くできる
構造にする。従って、この端部部材は、他のものと異な
り、多孔体樹脂ボ−ドの端部を保護するだけのものであ
る。

【００１７】端部部材Ｄは、図２のＤに示される断面を
有し、図示のように、縦方向にあるボ−ド１１、１２、
１３の底部にあるものである。即ち、多孔体ボ−ド１の
底部面を、成形された樹脂２の間に挿入するという構造
と、その樹脂の底から少し離れた箇所に凸部５を有し、
ボ−ド１５の端部を掛けて固定することができる。そし
て、このように固定されたボ−ド１５が、本発明のコン
テナの底部を成すものである。従って、この端部部材Ｄ
は、端部部材Ｃと同様に、ボ−ドの端部（底部）保護を
行なうと同時に、底ボ−ドを固定する役目もなすもので
ある。

【００１８】端部部材Ｅは、図２のＥに示される断面を
有し、同様に、成形された樹脂２の中に多孔体樹脂ボ−
ド１を挿入した構造２つを結合しており、そして、３の
位置には、切り欠きを有し、点線で示すように、ボ−ド
１５を直角に曲げることができる。それにより、ボ−ド
１５はボ−ド１４と平行に折りたためる。そして端部部
材Ｅでは、その間には殆どスペ−スはできない。このた
めに、底面ボ−ド１５は、立っている断熱ボ−ド即ち、
１１、１２、１３、１４と平行に折りたためる。

【００１９】従って、本発明の断熱折りたたみ式コンテ
ナを、折りたたむと図５に示すようになる。本発明の断
熱折りたたみ式コンテナは、返送の場合には、図５のよ
うに折りたたんで、スペ−スを減少させて、送ることが
できる。

【００２０】本発明の断熱折りたたみ式コンテナに利用
する断熱ボ−ドは、図４に示す構造である。即ち、多孔
体樹脂によるボ−ド３１の表面に、特殊紙（例えば、ア
ンカ−フィルムを施し、その上に、ライナ−フィルムを
張るような構造）３２を張り、それを通して、アルミニ
ウム蒸着ポリエステルフィルム３３を設けた構造であ
る。この特殊紙３２は、多孔体樹脂３１の表面に接着し
て張ることにより、多孔体による表面ザラザラ、凹凸を
平滑にして、アルミニウム蒸着フィルムを確実に接着で
きるようにするためである。アルミニウム蒸着ポリエス
テルフィルムの代わり、通常の塩化ビニルフィルムで面
を構成して、枠材即ち、端部部材として、同じ塩化ビニ
ル樹脂を用い、上気のような端部構造を作製するに、両
者を超音波スポット溶接により、本発明の断熱折りたた
み式コンテナの特殊な構造を容易に作製することができ
る。

【００２１】本発明の断熱折りたたみ式コンテナは、図
３のＡに示すような断面を有する。即ち、主に、断熱ボ
−ド１と端部部材２；即ち、頂部をなす端部部材Ｃと底
面をなす端部部材ＤとＥ、そしてここで示されていない
縦方向に配置された端部部材Ｂ、Ｃで構成された折りた
たみ式コンテナは、図３のＡのような断面を有する。即
ち、底部は、端部の外は、少し凹状であり、また、頂部
は、端部部材Ｃで補強されているものである。

【００２２】これに対して、蓋体２０が、図３のＢに示
すように、コンテナの上に、載せられる。この蓋体２０
は、図示のように、中空で、その中空部２３には、例え
ば、冷却媒体等を収納させ、コンテナ内部を冷却するこ
とができる。また、蓋体２０は、コンテナの開いている
上部全面にちょうど入るような凸部２１を有し、また、
点線で示した上に積み重ねたコンテナの底の凹部にはま
るような凸部２２を有する構造にする。これにより、コ
ンテナの積み重ねが、容易にでき、荷崩れが起こり難く
することができる。

【００２３】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の断熱折り
たたみ式コンテナにより、前記のような効果が得られ
た。それらをまとめると、次のような顕著な技術的効果
となる。

【００２４】即ち、第１に、安価に折りたたみ式の断熱
コンテナを提供する。

【００２５】第２に、汚れが着き難く、且つ落ち易い簡
便な折りたたみ式断熱コンテナを提供し、第３に、使用
に便利なコンテナを提供する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の断熱折りたたみ式コンテナの斜視図で
ある。

【図２】本発明による各端部部材の模式断面図である。

【図３】本発明の断熱折りたたみ式コンテナ全体の断面
図とそれに蓋体を載せ、更にコンテナを重ねたときの様
子を示す模式的断面図である。

【図４】本発明の断熱折りたたみ式コンテナに使用する
断熱ボ−ドの模式的断面図である。

【図５】本発明の断熱折りたたみ式コンテナの折りたた
んだときの模式的側面図である。

【符号の説明】

１、１１、１２、１３、１４、１５ 断熱ボ−ド ２ 成形樹脂部材 Ａ、Ｂ、Ｃ、Ｄ、Ｅ 端部部材 ５ 凸部 ２０ 蓋体

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 多孔体樹脂ボ−ドの表面に樹脂フィルム
   を密着させた断熱性ボ−ド５個で直方体に構成され、前
   記断熱性ボ−ドの各端部に各々特殊な断面を有する長尺
   の端部部材を設けて、この各端部部材は、軟質樹脂で形
   成され、所定位置に切り欠き部を有し、この切り欠き部
   で、直角に曲げることにより、前記断熱性ボ−ドを折り
   たたむことができる構造を特徴とする断熱折りたたみ式
   コンテナ。
2. 【請求項２】 更に、多孔体樹脂で形成された中空部を
   有する蓋体を備えることを特徴とする請求項１に記載の
   断熱折りたたみ式コンテナ。
3. 【請求項３】 前記端部部材は、ポリプロピレン樹脂で
   形成され、前記多孔体樹脂ボ−ドは、発泡ポリウレタン
   樹脂で形成されたものであり、前記樹脂フィルムは、ア
   ルミ蒸着ポリエステルフィルムであることを特徴とする
   請求項１或いは２に記載の断熱折りたたみ式コンテナ。
4. 【請求項４】 前記端部部材の特殊な形状は、少なくと
   も１つの、各断熱ボ−ドの端部を挿入固定する部分を有
   し、そして、２つの断熱ボ−ド挿入固定する部分を有す
   る種類の端部部材では、その２つの挿入固定部分の間に
   切り欠き部を有し、そこで、直角に曲げられる構造を取
   り、そして、縦方向に配置される断熱ボ−ドの底部に固
   定される端部部材は、底部付近の位置に、底面断熱ボ−
   ド端部を留める凸部を有することを特徴とする請求項
   １、２、３のいずれかに記載の断熱折りたたみ式コンテ
   ナ。