JPS6016539Y2 - 断熱容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、断熱容器に関するものであり、一層詳細に
は水産物、農畜産物、化学薬品、嗜好飲料等を氷塊、ド
ライアイス等の冷却剤と共に収容して運搬する際に好適
に使用される断熱容器に関するものである。

一般に、水産物、農畜産物、化学薬品、嗜好飲料等を氷
塊、ドライアイス等の冷却剤と共に収容して運搬する容
器としては、発泡性合成樹脂材を発泡させて上部の開口
した容器本体を形成すると共にこの容器本体の開口縁部
に補強を兼ねた手掛用のリブを周設してなる断熱容器が
使用されている。

しかしながら、この種の断熱容器は内容物の重量に対応
する強度を得るため容器本体を肉厚に形成するので発泡
合成樹脂材を多量に必要とするだけでなく外形形状に比
べて内容物の収納容積が小さくなる等の欠点があった。

このような観点から、発泡合成樹脂材の内部にその外形
形状に合せた心材を枠組みしたものを配置して補強する
ことも知られているが、これらの６枠は、例えば容器全
体の保形性を強化するものであり、例えば部分に応力が
集中する容器にあっては前述したような６枠では強度的
に不充分である。

そこで、考案者は容器本体を肉薄に構成でき収納容積を
大きくしかも強度的にも優れた断熱容器を得るべく鋭意
改良並びに試作を重ねた結果、鋼材等を素材として上下
２つの相対する略矩形状の横枠部材を形成し、これらの
横枠部材を夫々複数の縦枠部材で連結して略直方体形状
の枠体を構成し、さらに横枠部材自体ないしは他の横枠
部材との間に金属製もしくは繊維製のネット部材からな
る補強グリッド部材を橋架し、このように構成した枠体
を発泡合成樹脂で被包して容器を形成することにより、
前述した問題点を克服することができることを突き止め
た。

従って、本考案の目的は、応力を生じる部分の補強と全
体の保形性とを強化し、内容物の収納容積を大きくして
強度的に優れた断熱性を有する容器を提供するにある。

前記の目的を遠戚するため、本考案においては、上下２
つの相対する横枠部材を夫々二もしくはそれ以上の縦枠
部材で連結して枠体も構成し、下部横枠部材自体ないし
相対する上下の横枠部材間に補強グリッド部材を橋架し
、さらに前記上部横枠部材の対向する位置に手掛部材を
枢着手段により取付け、これら枠体を発泡合成樹脂で被
包することを特徴とする。

なお、この場合、グリッド部材としては、金属製もしく
は繊維製のネット部材を使用すれば好適である。

次に、本考案に係る断熱容器の好適な実施例につき、添
付図面を参照しながら以下詳細に説明する。

第１図において、本考案に係る断熱容器は容器本体１０
と蓋体１２とからなり、容器本体１０は、鋼材、硬質樹
脂材、ステンレス、アルミニウム等を素材とする略矩形
の上部横枠部材１４および下部横枠部材１６を４本の縦
枠部材１８を介して連結すると共に前記上部横枠部材１
４と下部横枠部材１６との間および下部横枠部材１６自
体に補強グリッド部材２０を橋架し、さらに前記上部横
枠部材１４の対向する位置に手掛部材２２をヒンジ等の
枢着手段で折畳自在に取着することにより略直方体形状
の枠体２４を形威しく第３図参照）、この枠体２４を発
泡樹脂材、例えば、発泡性合成樹脂２６で被包すること
により構成される（第２図参照）。

なお、この場合容器本体１０の上部開口縁部の一部にリ
ブ２８を配設すると共にこのリブ２８の下側から手掛部
材２２を露呈させ、手掛部材２２を折畳んだ状態におい
て、この手掛部材２２がリブ２８の外側面と路面−にな
るように構成すれば、断熱容器を積層する場合等におけ
る積層効率の向上を図ることができ好適である（第４図
参照）。

また第５図は、補強枠体２４を、第６図に示すように、
円形の上部枠部材１４および下部枠部材１６を縦枠部材
１８で連結すると共に上部枠部材１４と下部枠部材１６
との間および下部枠部材１６の内部に補強グリッド部材
２０を橋架して円筒形に形威し、この円筒形枠体２４の
上部枠部材１４に折畳自在に構成した手掛部材２２を対
向配置し、さらにこの手掛部材２２が外部に露呈するよ
うに枠体２４を発泡性合成樹脂２６で被包することによ
り容器本体１０を構成した実施例である。

前述した実施例から明らかなように、本考案に係る断熱
容器は、横枠部材と縦枠部材とを連結して枠体を構成す
ると共に隣接する横枠部材間に補強グリッド部材を一体
的に設けることにより、この補強グリッド部材の表面に
被包される発泡性合成樹脂の部分的強化を実現できる。

このため、例えば比較的大きな容積を有する容器を作成
する場合に、部分に応力が集中する位置に前記補強グリ
ッド部材を設けることにより、部分的な強度を高めるこ
とができると共に全体の保形性も強化され、比較的肉薄
で強度的に優れた大容積の断熱容器を容易に製造するこ
とができる。

また、手掛部材も前記枠体の製作時に設けることができ
るので、実用性に優れた容器を低コストで製造すること
ができる。

以上、本考案の好適な実施例につき説明したが、本考案
の精神を逸脱しない範囲内において、例えば、蓋体にも
補強枠部材を使用する等、種々の改良変更をなし得るこ
とは勿論である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案に係る断熱容器の好適な実施例を示す
分解斜視図、第２ａ図は第１図に示す断熱容器の容器本
体の平面図、第２ｂ図は第２ａ図のｂ−ｂ線断面図、第
２ｃ図は第２ａ図のｃ−ｃ線断面図、第３図は第１図に
示す断熱容器の枠体の斜視図、第４ａ図および第４ｂ図
は第１図に示す容器本体のリブと手掛部材との関係を示
す断面説明図、第５図は本考案に係る断熱容器の別の実
施例を示す分解斜視図、第６図は第５図に示す断熱容器
の枠体の斜視図である。 １０・・・・・・容器本体、１２・・・・・・蓋体、１
４・・・・・・上部枠部材、１６・・・・・・下部枠部
材、１８・・・・・・縦枠部材、２０・・・・・・補強
グリッド部材、２２・・・・・・手掛部材、２４・・・
・・・枠体、２６・・・・・・発泡性合成樹脂、２訃・
・・・・リブ。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）上下２つの相対する横枠部材を夫々二もしくはそ
   れ以上の縦枠部材で連結して枠体を構成し、下部横枠部
   材自体ないし相対する上下の横枠部材間に補強グリッド
   部材を橋架し、さらに前記上部横枠部材の対向する位置
   に手掛部材を枢着手段により取付け、これら枠体を発泡
   合成樹脂で被包してなる断熱容器。
2. （２）補強グリッド部材は、金属製もしくは繊維製のネ
   ット部材からなる実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   断熱容器。