JP3113360U - 折畳式保冷箱 - Google Patents

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Abstract

【課題】安価で取り扱い易いリターナブルな使用ができる保冷箱を提供する。
【解決手段】発泡ポリスチレンを心材として表面に強靭なウレタン樹脂を吹き付けて被覆し、強度を増強して蓋付きの箱を作る。リターナブルな使用に適するように、物を入れないときはこの保冷箱も折り畳めるような構造にする。4方の壁が独立に内側に重ね合わせながら折り畳めるように、容れ物部のかべの4隅は切り離してあり、4方の壁は無駄な空間を極力減らすように、かつ壁の厚さを考慮して各壁面の折り曲げる部分の高さを変えてヒンジで折り畳めるようにする。かつ箱の内側に何箇所か保冷剤を嵌め込む窪みを設け、保冷剤を収納できるようにしておく。
【選択図】図1

Description

低温で物を輸送する為の保冷箱に関する。
低温で物を輸送する時は発泡ポリスチレンで作った箱に物と保冷剤を入れて発送する方法が一般的である。また折り畳めるプラスチックあるいは金属製の箱の内側周辺、上、下に断熱材を入れ、その中に物と保冷剤を入れて輸送する場合もあった。さらにリターナブルな折畳式保冷箱としては、断熱材として冷蔵庫などで使用する真空断熱版を利用して作られたものもあった。
発泡ポリスチレン製の箱は容器としては安価であるがそれ程強度も無く、使用した後、空箱を送り返すにも嵩張るので輸送コストが掛かり過ぎ、一般的な使い方としてはワンウェイであった。廃棄物の処理問題が顕在化してくるにつれ、リターナブルな使用ができる保冷箱へとの指向が強くなっていった。
またプラスチック製の折り畳み箱の中に断熱材や保冷剤を入れて輸送する方法は、箱そのものは小さく折り畳めるので返送できるが、断熱材や保冷剤はやはり廃棄しなければならなかった。また機密が良くなく保冷保持時間が短かった。
真空断熱版を使用した折畳式保冷箱はコンパクトで取り扱いが便利であるが非常に高価なものであった。したがって安価で取り扱い易いリターナブルな使用ができる保冷箱が求められていた。
本考案は上記の問題に鑑みてなされたものであり、まず安価な材料である発泡ポリスチレンを心材として使用する。発泡ポリスチレンはそれ自体形状を保持する機械的強度はあるが、点荷重などの局部的圧迫には弱く、表面も磨耗に対しては弱いので、それを補完するために表面に強靭なウレタン樹脂を吹き付けて被覆し、強度を増強して使用する。リターナブルな使用に適するように、物を入れないときはこの保冷箱も折り畳めるような構造にする。かつ箱の内側に何箇所か保冷剤を嵌め込む窪みを設け、保冷剤を収納できるようにしておく。
上記考案によれば、心材の発泡ポリスチレンは断熱体であり、軽量なので取り扱い易い。かつ表面を強靭なウレタン樹脂で被覆してあるので、輸送、積み下ろしの際も痛みにくく多数回の再使用に耐える事ができる。また保冷剤は箱の内壁面に収納できるようになっているので、物を入れるための空間は有効に使用できる。
発泡ポリスチレン、あるいは発泡ポリスチレン−ポリプロピレン共重合体の厚さほぼ5cmの断熱材を心材とし、表面をウレタン樹脂で1〜2mm被覆した物で保冷箱をこしらえる。保冷箱は外寸縦・横約60cmx約70cm、高さ約50cmの箱体で、取外しできる蓋と容れ物部から構成する。蓋を容れ物部に被せたとき、蓋がずれないように蓋の内側周辺と容れ物部上部周辺には嵌合部を設ける。
箱に物を入れない時はこの保冷箱は折り畳んで体積を小さくできるようにする。容れ物部の4方の壁は4隅が切り離してあって、それぞれの壁が独立に内側に折り曲げられるようにしてある。壁を畳み重ねたとき無駄な空間を極力減らすように、かつ壁の厚さを考慮して各壁面の折り曲げる高さを変えて壁を切断してヒンジで繋いである。箱体の機密性を向上させる為に、畳んだ状態から組み立てる際に接合する部分は、単純な平面ではなく、稲妻形に屈曲した形にしてあり、必要に応じては接合面に高発泡の発泡プラスチック・テープを貼り付ける。折り畳んだ状態では、蓋を被せても外寸の高さは約30cmである。
蓋の内側と容れ物部の4方の壁には保冷剤の袋を嵌め込むための縦横約20cmx約30cm、深さ約3cmの窪みが複数個設けてあり、その周辺には保冷剤を嵌め込んだとき固定できるようにゴムバンド等が取り付けてある。保冷剤が内壁面から内側に出っ張ることはない。
本考案を図面に基づいて説明すると、図2は本考案の折畳式保冷箱の全体斜視図であり、外寸は縦約60cm、横約70cm、高さ約50cmである。蓋1の高さは約9cmで、蓋1をはずした容れ物部が図1に示してある。
容れ物部は前壁2、後壁3、右側壁4、左側壁5と底部6からなる。容れ物部の上部周辺には蓋と嵌合させる為の嵌合部7が設けてある。保冷剤を収納する為の窪み8が見える。
図3は蓋を、図2のA−A’を通る方向で切断した端面図として示してある。蓋の嵌合部9と保冷剤を入れる為の窪み8が設けてある。
容れ物部の壁面を内側に重ねて折り畳む方法を図面に基づいて説明すると、図4は容れ物部のほぼ中央Bを通る方向に切断した断面を示す端面図で、図4aはまず前壁2をヒンジ10−1を中心に内側に倒すところを示している。
図4bに示すように前壁2が底部6に着いた段階で後壁3をヒンジ10−2を中心に内側に倒す。図4cは前壁2と後壁3が完全に底部6の上に折り重なった状態を示している。
その時、Bからみて直角方向のCの方向から切断した、容れ物部の端面図が図5に示してあり、右側壁4と左側壁5はそれぞれヒンジ10−3.10−4を中心に左右内側に倒すことができる。この場合左右側壁は重なることなく収まる高さにしてある。最終的に全ての壁面が底部の上に折り重なった状態が図6に示してある。この上にすっぽりと蓋を被せて収める事ができる。
ヒンジ部の作り方は図7に示すように、2個の心材11と12をつき合わせ、ヒンジにしたい部分にメッシュまたは布13を貼り、その上からウレタン樹脂を吹き付けて一体化する。
箱体を折り畳んだ状態から組み立てるときに、ヒンジ部分の接合部や、壁の4隅の接合部は、機密性を保つように単純な平面ではなく、図8に示すように稲妻形にしてあり、接合面14には必要に応じて隙間テープとして知られている高発泡の発泡プラスチック・テープ15を貼っても良い。
箱体を組み立てるときに壁面がきちっと止まるように箱の4隅に図9a、bに示すような地獄16を設けておくと良い。aは斜視図、bは上から見た図である。
以上説明したように、本考案の折畳式保冷箱によれば、ネジなどを一切使用せず、簡単に組み立てたり、折り畳んだりでき、安価な、リターナブルな保冷箱として利用できるので現在の廃棄物問題を軽減する効果がある。
蓋をはずした容れ物部の斜視図 本考案の折畳式保冷箱の全体斜視図 蓋をA−A’で切断した端面図 容れ物部をBの方向から切断した端面図 容れ物部をCの方向から切断した端面図 壁が全部折り畳まれた状態を示す端面図 ヒンジの作り方を示す部分図 接合部 壁を固定する地獄の説明図
符号の説明
1 蓋
2 前壁
3 後壁
4 右側壁
5 左側壁
6 底部
7 嵌合部
8 保冷剤を収納するための窪み
9 蓋の嵌合部
10 ヒンジ
11,12 心材
13 メッシュまたは布
14 接合面
15 発泡プラスチック・テープ
16 地獄

Claims (3)

  1. 発泡ポリスチレン等の厚さほぼ5cmの断熱材を心材とし、表面をウレタン樹脂で1〜2mm被覆した、外寸、縦約60cm、横約70cm、高さ約50cmの箱体で、取外しできる蓋と容れ物部から構成されており、蓋を容れ物部に被せたとき、蓋がずれないように蓋の内側周辺と容れ物部上部周辺には嵌合部が設けてあり、蓋の内側と容れ物部の4方の壁には保冷剤の袋を嵌め込むための縦約20cm、横約30cm、深さ約3cmの窪みを複数個設けて、その周辺には保冷剤を嵌め込んで固定できるようにゴムバンド等が取り付けてあり、箱に物を入れない時は箱の体積を小さくする為に4方の壁が独立に内側に重ね合わせながら折り畳めるように、容れ物部のかべの4隅は切り離してあり、4方の壁は折り畳んだとき無駄な空間を極力減らすように、かつ壁の厚さを考慮して各壁面の折り曲げる部分の高さを変えてヒンジで折り畳めるようになっており、折り畳んだ状態で、蓋を被せたとき外寸の高さが約30cmである折畳式保冷箱。
  2. 壁面を折り曲げる為のヒンジ部分は2個の断熱材の心材を突き合わせてそれを繋ぐようにメッシュあるいは布の帯を貼り付けその上からウレタン樹脂を吹き付けて一体化して作られる事を特徴とする請求項1記載の折畳式保冷箱。
  3. 箱体の機密性を向上させる為に畳んだ状態から組み立てる際に接合する部分は、単純な平面ではなく、稲妻形に屈曲した形にしてあり、必要に応じては接合面に高発泡の発泡プラスチック・テープが貼り付けてある事を特徴とする請求項1、2記載の折畳式保冷箱。
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