JPH071651A - 制振金属板用樹脂組成物および制振金属板 - Google Patents

制振金属板用樹脂組成物および制振金属板

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JPH071651A
JPH071651A JP14930693A JP14930693A JPH071651A JP H071651 A JPH071651 A JP H071651A JP 14930693 A JP14930693 A JP 14930693A JP 14930693 A JP14930693 A JP 14930693A JP H071651 A JPH071651 A JP H071651A
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epoxy resin
damping
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JP14930693A
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Mamoru Yanai
護 谷内
Takayuki Furugishi
孝之 古岸
Yuki Sasaki
遊亀 佐々木
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 分子中に2個以上のエポキシ基を有する可撓
性エポキシ樹脂、分子中にカルボキシル基を有する液状
ゴム、酸無水物、イミダゾールまたはその誘導体と、架
橋剤として多官能性エポキシ樹脂よりなる群から選ばれ
る少なくとも一種のエポキシ樹脂を含有する制振金属板
用樹脂組成物とそれを用いた制振金属板である。 【効果】 本発明の制振金属板用樹脂組成物は樹脂硬化
後の制振性が高く、樹脂層と金属板との密着性が良好
で、この制振金属板用樹脂組成物を用いることによっ
て、耐熱性があり、制振金属板端部から樹脂が滲み出し
たり、制振金属板の“ずれ”が大幅に改善された制振金
属板を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、騒音発生源に制振材と
して使用される振動減衰性制振金属板(以下制振金属板
という)内の中間層に用いられる制振性に優れた樹脂組
成物と、その組成物を用いた制振金属板に関し、さらに
詳しくは、建築物や機械の構成部材もしくはその一部を
構成し、それらの振動を減少させることにより騒音を低
減させる振動減衰能の高い制振金属板の中間層に用いる
樹脂組成物と、その組成物を用いた制振金属板に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、建築分野では一般住宅・共同住宅
の鋼製階段や鋼製床などへの制振金属板の適用が盛んに
進められている。従来かかる制振金属板の製造方法とし
ては、熱可塑性樹脂から成るホットメルト接着剤を用い
るホットメルトラミネート法などが知られている。最
近、制振金属板を加工(シャーリング、曲げなど)後に
高温(140 〜200 ℃)の状態で処理(焼付け塗装やゴム
加硫接着など)して使用される用途が新たに展開されて
きた。
【0003】しかしながら、上記のような従来のホット
メルトラミネート法によるものは、制振性は高いが、樹
脂層と金属板との密着性が悪く、また熱可塑性樹脂であ
るため、耐熱性がなく高温の状態で処理する際、制振金
属板の端部から樹脂がはみだしたり、あるいは金属板が
剥離するトラブルが発生する場合があった。そこで、発
明者らは無溶剤性樹脂から成る熱硬化性樹脂を用いるラ
ミネート法を新たに開発した。
【0004】このラミネート法では、ロールコーターを
用いて所定の厚さ(30〜200 μm )に樹脂を塗布した金
属板の上に、もう1枚の金属板を重ね、2枚の金属板を
加熱機を通して所定の加熱条件(180 ℃以上×2分以
内)で樹脂をゲル化し、圧着ロールを通して制振金属板
を製造する。その際、加熱条件が厳しいと樹脂のゲル化
が進み、ゲル化物が硬くなり、製造した制振金属板の間
に挿入された樹脂中に空気を巻き込む場合があった。
【0005】一方、加熱条件が不十分であると、樹脂の
ゲル化が進まず、空気を巻き込まない状態で制振金属板
を製造することができるが、ゲル化物が軟らかいため、
夏期などの高い気温(約40℃以下)において倉庫などで
製品の制振金属板を保管する場合、水平に置かれていな
いと制振金属板が“ずれ”を起こしたり、あるいは制振
金属板の端部から樹脂が滲み出したりするトラブルを引
き起こす場合があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記したような制振金
属板の製造方法であるラミネート法では、ロールコータ
ーを用いて所定の厚さに無溶剤型樹脂を塗布した金属板
の上に、もう1枚の金属板を重ね、積層した2枚の金属
板を加熱機を通して所定の加熱条件で樹脂をゲル化し、
圧着ロールを通して制振金属板を製造する。その際、樹
脂のゲル化が進むとゲル化物が硬くなり、積層した金属
板の間に挿入された樹脂中に空気を巻き込む場合があ
る。また、空気の巻き込みのない状態に樹脂のゲル化度
を調整すると、ゲル化物が軟らかいため、夏期などの高
い気温で倉庫などで製品の制振金属板を保管する場合、
水平に置かれていないと制振金属板が“ずれ”を起こし
たり、あるいは制振金属板の端部から樹脂が滲み出した
りするトラブルを引き起こす場合がある。
【0007】すなわち、空気の巻き込み、金属板の“ず
れ”および樹脂の滲み出しなどが少ない良好な品質を有
する制振金属板の製造条件範囲が狭いのが難点である。
このような事情から、制振性が高く、常温域(10〜40
℃)で保管中、金属板の“ずれ”および樹脂の滲み出し
難い制振金属板用樹脂組成物および制振金属板の開発が
望まれている。
【0008】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、無溶剤型樹脂からなる熱硬化性樹脂を
用いることによって、樹脂硬化後の制振性が高く、樹脂
層と金属板との密着性が良好な制振金属板用樹脂組成物
と、この組成物を用いることによって、耐熱性があり、
制振金属板端部から樹脂が滲み出したり、金属板の“ず
れ”が発生しない制振金属板を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1の手段は、制振金属
板の製造時に加熱によりゲル化度を調整する制振金属板
用の中間層樹脂組成物であって、分子中に2個以上のエ
ポキシ基を有する可撓性エポキシ樹脂、分子中にカルボ
キシル基を有する液状ゴム、酸無水物、イミダゾールま
たはその誘導体と、架橋剤として多官能性エポキシ樹脂
よりなる群から選ばれる少なくとも一種のエポキシ樹脂
を含有する制振金属板用樹脂組成物である。
【0010】第2の手段は、分子中に2個以上のエポキ
シ基を有する可撓性エポキシ樹脂 100重量部に対し、分
子中にカルボキシル基を有する液状ゴムを10〜100 重量
部、酸無水物を10〜80重量部およびイミダゾールまたは
その誘導体を 1〜10重量部、多官能性エポキシ樹脂を 5
〜30重量部を配合した請求項1記載の制振金属板用樹脂
組成物である。
【0011】第3の手段は、請求項1記載の制振金属板
用樹脂組成物を、金属板間に30〜200 μm の範囲内の厚
みで介在せしめてなる制振金属板である。
【0012】
【作用】本発明者らは、上記のラミネート法における問
題点を解決するために種々検討を行った結果、金属板の
“ずれ”および樹脂の滲み出しなどのトラブルの発生
は、ゲル化物の常温域での粘度と密接な関係があること
に着目して、樹脂に架橋剤として多官能性エポキシ樹脂
を添加し、架橋密度を上げることにより、ゲル化物の粘
度を高め、上記の課題を達成することができるのではな
いかと考えた。
【0013】そこで、特定の可撓性エポキシ樹脂、液状
ゴム、酸無水物およびイミダゾールまたはその誘導体か
ら成る樹脂組成物に多官能性エポキシ樹脂を所定量添加
した樹脂は、添加していない樹脂に比べて、塗工時の樹
脂の粘度が殆ど変わらないが、ゲル化物の粘度が著しく
高くなることを認め、制振性が高く、かつ適当なゲル化
物の粘度を有する“ずれ”を起こし難く、樹脂の滲み出
しなどが少ない常温用無溶剤型熱硬化性制振金属板用樹
脂組成物が開発できることを見出した。
【0014】本制振金属板用樹脂組成物は、溶剤を含有
していないので、塗工時の溶剤の蒸発などの問題もな
く、高温の状態で処理することにより耐熱性が良好な制
振金属板を製造することができる。従って、本制振金属
板用樹脂組成物を金属板に塗布すれば、複雑な工程を経
ることなく、簡単な張り合わせによって、制振性の高
い、常温ないし中温用制振金属板が製造できることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0015】以下に、本発明の制振金属板用樹脂組成物
について、詳細に説明する。本発明は、複数の金属板と
それらを接合して一体化する中間層とから構成される制
振金属板用の中間層樹脂組成物およびそれを用いた制振
金属板であって、樹脂組成物は特定の可撓性エポキシ樹
脂、液状ゴム、硬化剤としての所定量の酸無水物および
イミダゾールまたはその誘導体と、架橋剤としての多官
能性エポキシ樹脂で構成される。
【0016】制振金属板の用途は、集合住宅の階段、
床、自動車のダッシュパネル、フロア、電気洗濯機の外
板、ホッパーのシュート部、汎用エンジンカバーなど常
温域で制振性を要求されるものが主である。常温域で制
振性を発揮するためには、樹脂組成物の硬化物のガラス
転移温度(Tg )が -70〜10℃の間にあることが重要で
あるが、本発明の樹脂組成物の硬化物は、樹脂組成の上
限および下限においてTg が -70〜10℃の範囲を満足す
る。
【0017】可撓性エポキシ樹脂としては、エポキシ系
ジエポキサイドのポリプロピレングリコールジグリシジ
ルエーテル、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド
付加物のジグリシジルエーテル、ビスフェノールAのジ
グリシジルエーテルと重合脂肪酸付加物、重合脂肪酸ポ
リグリシジルエステルおよび液状ゴムのジグリシジルエ
ーテルなどが挙げられる。これらの可撓性エポキシ樹脂
は、単独または2種以上組み合わせて使用することがで
きる。
【0018】液状ゴムとしては、酸末端液状 NBR(ハイ
カー CTBN )、酸末端液状ポリブタジエン、酸末端液状
クロロプレンゴムおよび酸末端ポリエステルなどが挙げ
られる。これらの液状ゴムは、単独または2種以上組み
合わせて使用することができる。
【0019】一方、酸無水物としては、芳香族酸無水物
である無水フタル酸、無水トリメリット酸、エチレング
リコールビス(無水トリメリテート)、グリセロールト
リス(無水トリメリテート)、無水ピロメリット酸また
は3、3′、4、4′−ベンゾフェノンテトラカルボン
酸無水物などが、環状脂肪族酸無水物である無水マレイ
ン酸、無水コハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチ
ルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、
アルケニル無水コハク酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、
メチルヘキサヒドロ無水フタル酸またはメチルヘキセン
テトラカルボン酸無水物などが、脂肪族酸無水物である
ポリアジピン酸無水物、またはポリアゼライン酸無水物
などが挙げられる。これらの酸無水物は単独または混合
物としていずれも適宜用いられる。
【0020】イミダゾールまたはその誘導体としては、
2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミ
ダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデ
シルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−ベ
ンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−
2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチ
ル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−
メチルイミダゾールまたは1−シアノエチル−2−ウン
デシルイミダゾールなどが挙げられる。これらのイミダ
ゾール類は単独または混合物としていずれも適宜用いら
れる。
【0021】さらに、多官能性エポキシ樹脂としては、
室温で液状あるいは低融点のフェノールノボラック型、
オルソクレゾールノボラック型、グリシジルエーテル
型、グリシジルアミン型エポキシ樹脂などが挙げられ
る。なお、本発明では主鎖中に2個を超えるエポキシ基
を有する液状ポリブタジエンも多官能性エポキシ樹脂と
して含める。これらの液状ポリブタジエンには、末端エ
ポキシ化物や分子内エポキシ化物などがある。これらの
多官能性エポキシ樹脂は、単独または混合物としていず
れも適宜用いられる。
【0022】つぎに、樹脂組成物の各配合物の配合量に
ついて説明する。本発明の液状ゴムの配合量は、可撓性
エポキシ樹脂 100重量部に対して10〜100 重量部の範囲
であることが好ましい。この範囲を超えると、制振金属
板の制振性または接着強さが低下し好ましくない。
【0023】本発明の酸無水物の種類は、制振金属板の
製造条件によって適宜選択される。また、それらの配合
量は、可撓性エポキシ樹脂 100重量部に対して10〜80重
量部の範囲であることが好ましい。この範囲を超える
と、制振金属板の制振性または接着強さが低下し好まし
くない。
【0024】本発明のイミダゾール類の配合量は、可撓
性エポキシ樹脂 100重量部に対して1〜10重量部の範囲
であることが好ましい。この範囲を超えると、樹脂組成
物のゲル化性が低下または促進されず好ましくない。
【0025】さらに、本発明の多官能性エポキシ樹脂の
配合量は、可撓性エポキシ樹脂 100重量部に対して 5〜
30重量部の範囲であることが好ましい。この範囲を超え
ると、樹脂組成物のゲル化物の粘度が低過ぎ、または配
合量に対する増粘効果が少なく好ましくない。
【0026】また、前記可撓性エポキシ樹脂、液状ゴ
ム、酸無水物、イミダゾール類および多官能性エポキシ
樹脂は、いずれも市販品入手可能である。
【0027】本発明の樹脂組成物においては、可撓性エ
ポキシ樹脂や多官能性エポキシ樹脂中のエポキシ基が、
液状ゴムや酸無水物がイミダゾール類との反応によって
生成するカルボキシル基と反応することおよびイミダゾ
ール類とエポキシ基の反応によって生成するアルコキシ
アニオンと反応することによって、最終的には樹脂組成
物が架橋されてゲル化・硬化し、制振性、接着強さおよ
びゴム加硫接着工程や塗装焼付け工程に於ける耐熱性な
どの諸特性が満足される。
【0028】この架橋反応は、製造ラインの実際の操業
条件に合わせた適当なゲル化速度・粘度にするために、
使用する可撓性エポキシ樹脂、液状ゴム、酸無水物、イ
ミダゾール類および多官能性エポキシ樹脂の種類と量が
適宜選択・配合される。
【0029】また、制振金属板の製造条件を考慮する
と、本発明の可撓性エポキシ樹脂、液状ゴム、酸無水
物、イミダゾール類および多官能性エポキシ樹脂からな
る樹脂組成物は、常温で低粘度(10〜500P) であり、ロ
ールコーターを用いて金属板への塗工が容易であり、積
層した金属板の間に挿入された樹脂中への空気の巻き込
みがなく、加工時スポット溶接性付与のための導電性フ
ィラーや添加剤などの混合あるいは添加が容易となるな
どの利点が生じる。
【0030】すなわち、本発明の樹脂組成物には、制振
金属板の溶接性の改良を目的として導電性を付与するた
め、カーボンブラック、黒鉛、金属粉など各種の導電性
フィラーを添加することができる。かくして得られた樹
脂組成物の特性は、制振性、接着強さ、耐熱性および塗
工性も良い。
【0031】本発明の樹脂組成物は、2枚の金属板の間
に挿入されて制振金属板を構成する。これらの金属板の
種類は、特に限定されるものではない。また、これらの
金属板は、同一あるいは異種のいずれであっても良い。
かかる金属板としては、例えば、鋼板(表面処理鋼板、
ステンレス鋼板などを含む)、アルミニウム板、銅板お
よびこれらの表面処理板などがその用途、環境などに応
じて、いずれも好適に用いられる。
【0032】本発明の樹脂組成物は、可撓性エポキシ樹
脂、液状ゴム、酸無水物、イミダゾール類および多官能
性エポキシ樹脂が別々に保管され、制振金属板製造の際
に両者が混合されて使用される、いわゆる主剤と硬化剤
からなる二液型接着剤のようにも使用されるが、本発明
の樹脂組成物は室温下でかなり安定に存在するため、一
液型としても供給できる。二液型あるいは一液型は、樹
脂組成あるいは製造ラインの実際の操業条件に合わせて
適宜選択されるが、二液型の場合は、二液を適正に配合
し、製造ラインに供給する必要があるので、一液型の方
が操業面からは好ましい。
【0033】本発明の樹脂組成物を用いて制振金属板を
製造するには、切り板状の金属板を使用する半連続法ま
たはコイル状の金属板を使用する連続法のいずれも採用
することができる。いずれの方法においても、例えば、
塗料状の樹脂組成物をロールコーターなどを用いて片方
の金属板表面に塗工し、樹脂組成物の層を形成したの
ち、もう一方の金属板をその上に重ね、2枚の金属板を
加熱圧着する。
【0034】このときの金属板間の樹脂組成物の層の厚
さは30〜200 μm の範囲内が好ましい。厚さが30μm 未
満では制振性が低すぎ、また厚さが 200μm を超えると
加工性が著しく悪くなる。従って、金属板間の樹脂組成
物の層の厚さは30〜200 μmの範囲内に限定する。
【0035】
【実施例】以下に、本発明の実施例について説明する。
本発明に係わる制振金属板用樹脂組成物とそれを用いた
制振金属板の特性を確認するために、表1に示す本発明
の架橋剤を添加した4種類の樹脂組成物(樹脂1〜4)
と比較例の樹脂(1種類)を用いて制振金属板を製造し
た。使用した金属板ば厚さ1.6mm の熱延鋼板で、これを
アセトンで脱脂して用いた。
【0036】脱脂した鋼板(サイズ:250 ×250mm )の
表面に厚さ 100μm のスペーサーを置き、鋼板面に約7g
の樹脂(25℃での粘度:約50P )をバーコーターを用い
て、均一に塗布した。ついで、樹脂を塗布した鋼板の上
に、さらにもう一枚の鋼板を重ね、スペーサーを取り外
し、圧縮成形機を用いて 160℃で80秒加熱し、樹脂をゲ
ル化して2枚の鋼板を積層・接着した。これらの積層・
接着した鋼板(制振鋼板)について、制振性、接着強
さ、耐熱性、鋼板の“ずれ”、樹脂の滲み出しを調査し
た。その結果を表2に示す。
【0037】
【表1】
【0038】制振性については、この積層・接着した鋼
板から20mm幅×200mm 長さの短冊形試料を採取し、B&
K(Bruel and Kjeaer Ltd.) 社製複素弾性係数測定装置
を用い、共振法により測定周波数 250Hzで振動減衰試験
を行い20℃での損失係数(η)を求めた。
【0039】接着強さについては、JIS K 6854に準じ
て、剪断引張強さの測定を行った。
【0040】耐熱性については、20mm幅×200mm 長さの
短冊形試料を、圧縮成形機を用いて、 180℃で30分間、
面圧40kg/cm2で加熱し、鋼板端部からの樹脂の滲み出し
の状況を観測し、滲み出しが大きいものを×、少ないも
のを○で示した。
【0041】鋼板の“ずれ”については、100mm 角に切
断した制振鋼板を10枚重ね、その上に約 3.5kg(120mm
×120mm ×31mmの鋼製重し)の重しを載せ、室温(約20
℃)で傾斜角度 5°で 7時間放置し、その間の鋼板の
“ずれ”量を測定した。鋼板の“ずれ”量が10枚平均で
5mm以内のものを○、 5mmを超えるものを×で示した。
【0042】樹脂の滲み出しについては、水平に保った
台の上に、100mm 角に切断した制振鋼板を10枚重ね、そ
の上に約 3.5kgの重しを載せ、室温(約20℃)で24時間
放置し、その間の鋼板端部からの樹脂の滲み出しの状態
を観察した。樹脂の滲み出しの程度が大きいものを×、
少ないものを○で示した。なを、 180℃×30分間の加熱
処理後の損失係数(η)、剪断引張強さも表2に示し
た。
【0043】
【表2】
【0044】以上、表2に示すように、本発明の樹脂組
成物を用いると、好ましい制振性と耐熱性を具備した制
振金属板が得られ、比較例に示す樹脂5を用いた制振金
属板に比べて、鋼板の“ずれ”や樹脂の滲み出しの状態
が大幅に改善されていることがわかる。
【0045】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように、
本発明の制振金属板用樹脂組成物は樹脂硬化後の制振性
が高く、樹脂層と金属板との密着性が良好で、この制振
金属板用樹脂組成物を用いることによって、耐熱性があ
り、制振金属板端部から樹脂が滲み出したり、制振金属
板の“ずれ”が大幅に改善された制振金属板を得ること
ができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制振金属板の製造時に加熱によりゲル化
    度を調整する制振金属板用の中間層樹脂組成物であっ
    て、分子中に2個以上のエポキシ基を有する可撓性エポ
    キシ樹脂、分子中にカルボキシル基を有する液状ゴム、
    酸無水物、イミダゾールまたはその誘導体と、架橋剤と
    して多官能性エポキシ樹脂よりなる群から選ばれる少な
    くとも一種のエポキシ樹脂を含有することを特徴とする
    制振金属板用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 分子中に2個以上のエポキシ基を有する
    可撓性エポキシ樹脂100重量部に対し、分子中にカルボ
    キシル基を有する液状ゴムを10〜100 重量部、酸無水物
    を10〜80重量部およびイミダゾールまたはその誘導体を
    1〜10重量部、多官能性エポキシ樹脂を 5〜30重量部を
    配合した請求項1記載の制振金属板用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の制振金属板用樹脂組成物
    を、金属板間に30〜200 μm の範囲内の厚みで介在せし
    めてなることを特徴とする制振金属板。
JP14930693A 1993-06-21 1993-06-21 制振金属板用樹脂組成物および制振金属板 Withdrawn JPH071651A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006199772A (ja) * 2005-01-19 2006-08-03 Sanyo Chem Ind Ltd エポキシ樹脂接着剤組成物

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JP2006199772A (ja) * 2005-01-19 2006-08-03 Sanyo Chem Ind Ltd エポキシ樹脂接着剤組成物

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