JP2000034338A - 液状熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

液状熱硬化性樹脂組成物

Info

Publication number
JP2000034338A
JP2000034338A JP10205274A JP20527498A JP2000034338A JP 2000034338 A JP2000034338 A JP 2000034338A JP 10205274 A JP10205274 A JP 10205274A JP 20527498 A JP20527498 A JP 20527498A JP 2000034338 A JP2000034338 A JP 2000034338A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
epoxy resin
weight
resin composition
liquid thermosetting
thermosetting resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10205274A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3644260B2 (ja
Inventor
Fumiyuki Miyamoto
文行 宮本
Masakazu Murayama
雅一 村山
Hideki Takigawa
秀記 瀧川
Hiromi Ito
浩美 伊藤
Toshio Isooka
利雄 磯岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP20527498A priority Critical patent/JP3644260B2/ja
Publication of JP2000034338A publication Critical patent/JP2000034338A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3644260B2 publication Critical patent/JP3644260B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低粘度でかつ長い可使時間を有し、各種部品
に良好な含浸性を有する液状熱硬化性樹脂組成物を得
る。 【解決手段】 分子中に2個以上のエポキシ基を有する
エポキシ樹脂、高温接着強度改善剤としてのテトラメチ
ルビフェノールジグリシジルエーテル化合物を上記分子
中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂100
重量部に対して5〜35重量部、硬化剤としての液状の
環状酸無水物をエポキシ基の合計当量に対し0.8〜
1.2当量、並びに硬化触媒としてのカルボン酸金属塩
(硬化触媒A)を上記分子中に2個以上のエポキシ基を
有するエポキシ樹脂100重量部に対して0.05〜
1.0重量部および四級アンモニウム塩(硬化触媒B)
を上記分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ
樹脂100重量部に対して0.005〜0.1重量部を
配合したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な熱硬化性樹
脂組成物で、さらに詳しくは低粘度で長い可使時間を有
し、硬化物の機械特性、電気特性が優れたものであり、
コイル含浸用、積層用または注型用などとして好適に用
いられるものである。
【0002】
【従来の技術】従来、コイル含浸用に用いられる樹脂と
しては、エポキシ系含浸樹脂が代表的なものとして上げ
られ、既に数多くの特許が出願されている。これらは液
状のエポキシ化合物に、低粘度の環状酸無水物を硬化剤
として配合するもの、または液状のエポキシ化合物にイ
ミダゾール類や金属キレート化合物などを配合したもの
などに代表される。これらエポキシ系含浸樹脂は、一般
には室温で高粘度であることから、含浸時に加熱により
低粘度化して用いるのが一般的であるが、例えば特開平
8―12741号公報に示されるように、希釈剤などを
添加し低粘度化することにより、加熱工程を廃止した方
法で含浸を行う場合もある。さらに、例えば特開平7―
207123号公報に示されるように、高温での接着強
度を向上させる目的で、フェノキシ樹脂、固形エポキシ
樹脂等の高分子量成分(可とう性付与剤)を添加したも
のなどが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら一般に、
含浸に必要な低粘度を得るために加熱により高温に保持
した場合、反応が進行するに従い高粘度化して行き、や
がて使用不能になるため含浸樹脂の可使時間は非常に短
いものになってしまう。また、希釈剤による低粘度化と
いう方法に関しては、通常の希釈剤には毒性の高いもの
が多いという問題や、また希釈剤の添加により硬化物の
耐熱性が激しく低下したり、耐湿性、電気特性等が充分
でないという問題がある。さらに、上記高分子量成分の
添加により接着強度の改善はできるものの、含浸樹脂の
粘度は著しく上昇し、非常に含浸作業の悪い結果を招く
という問題もあった。
【0004】本発明は、かかる課題を解決するためにさ
なれたものであり、例えば高圧回転機の絶縁コイル等に
対し良好な含浸性を有し、しかも高温に長時間さらされ
ても反応の進行を抑えることができ、かつ硬化性を低下
することなく、硬化物の優れた耐熱性、電気絶縁性また
は機械強度などを具備する液状熱硬化性樹脂組成物を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る第1の液状
熱硬化性樹脂組成物は、分子中に2個以上のエポキシ基
を有するエポキシ樹脂、高温接着強度改善剤としてのテ
トラメチルビフェノールジグリシジルエーテル化合物、
硬化剤としての液状の環状酸無水物、並びに硬化触媒と
してのカルボン酸金属塩(硬化触媒A)および四級アン
モニウム塩(硬化触媒B)を配合したものである。
【0006】本発明に係る第2の液状熱硬化性樹脂組成
物は、上記第1の液状熱硬化性樹脂組成物において、テ
トラメチルビフェノールジグリシジルエーテル化合物を
上記分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹
脂100重量部に対して5〜35重量部、液状の環状酸
無水物をエポキシ基の合計当量に対し0.8〜1.2当
量、カルボン酸金属塩(硬化触媒A)を上記分子中に2
個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂100重量部
に対して0.05〜1.0重量部および四級アンモニウ
ム塩(硬化触媒B)を上記分子中に2個以上のエポキシ
基を有するエポキシ樹脂100重量部に対して0.00
5〜0.1重量部配合したものである。
【0007】本発明に係る第3の液状熱硬化性樹脂組成
物は、上記第1または第2の液状熱硬化性樹脂組成物に
おいて、テトラメチルビフェノールジグリシジルエーテ
ル化合物がビフェニル型エポキシ樹脂のものである。
【0008】本発明に係る第4の液状熱硬化性樹脂組成
物は、上記第1ないし第3のいずれかの液状熱硬化性樹
脂組成物において、分子中に2個以上のエポキシ基を有
するエポキシ樹脂が、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボ
ラックエポキシ樹脂もしくはクレゾールノボラックエポ
キシ樹脂のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシ
ジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポ
キシ樹脂またはハロゲン化エポキシ樹脂のものである。
【0009】本発明に係る第5の液状熱硬化性樹脂組成
物は、上記第1ないし第4のいずれかの液状熱硬化性樹
脂組成物において、カルボン酸金属塩がオクチル酸亜
鉛、オクチル酸鉄またはオクチル酸錫であり、四級アン
モニウム塩がテトラエチルアンモニウムクロリド、テト
ラエチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニ
ウムブロミド、ジルテトラエチルアンモニウムクロリド
またはベンジルトリn―ブチルアンモニウムブロミドの
ものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の液状熱硬化性樹脂組成物
は、分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹
脂と、高温接着強度改善剤としてのテトラメチルビフェ
ノールジグリシジルエーテル化合物と、硬化剤としての
液状の環状酸無水物と、硬化触媒としてのカルボン酸金
属塩(硬化触媒A)および四級アンモニウム塩(硬化触
媒B)とを配合したものである。特に、テトラメチルビ
フェノールジグリシジルエーテル化合物を用いることに
より、含浸樹脂の粘度の上昇を抑えながら、液状熱硬化
性樹脂組成物の高温での接着強度を向上させることがで
きる。また、硬化触媒としてカルボン酸金属塩と四級ア
ンモニウム塩とを併用することにより、錯体を形成しカ
ルボン酸金属塩がもたらす良好な硬化物性と、四級アン
モニウム塩がもたらす良好な反応性が得られ、それぞれ
単独で用いた場合の可使時間の短縮および硬化特性の低
下が著しく改善できる。
【0011】また、上記液状熱硬化性樹脂組成物におい
て、上記各成分の配合量を下記のようにすると、さらに
優れた特性が得られる。即ち、テトラメチルビフェノー
ルジグリシジルエーテル化合物を上記分子中に2個以上
のエポキシ基を有するエポキシ樹脂100重量部に対し
て5〜35重量部、液状の環状酸無水物を上記エポキシ
基の合計当量に対し0.8〜1.2当量、カルボン酸金
属塩(硬化触媒A)を上記分子中に2個以上のエポキシ
基を有するエポキシ樹脂100重量部に対して0.05
〜1.0重量部および四級アンモニウム塩(硬化触媒
B)を上記分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポ
キシ樹脂100重量部に対して0.005〜0.1重量
部配合する。
【0012】本発明において、高温接着強度改善剤とし
て適用されるテトラメチルビフェノールジグリシジルエ
ーテルは、テトラメチルビフェノールとエピクロルヒド
リンとを80〜180℃程度の加熱下で脱塩酸して合成
されるエポキシ系化合物で、例えばビフェニル型エポキ
シ樹脂である。テトラメチルビフェノールジグリシジル
エーテルの配合量としては、上記分子中に2個以上のエ
ポキシ基を有するエポキシ樹脂100重量部に対して5
〜35重量部、より好ましくは10〜25重量部が推奨
される。5重量部未満であれば、高温接着強度を改良で
きる程の効果が得られ難く、35重量部を越えて配合し
た場合は、室温放置中に再結晶化が進行し、再度溶解を
行うための加熱処理を必要とするため、結果として含浸
作業がし難くなり好ましくない。
【0013】本発明における分子中に2個以上のエポキ
シ基を有するエポキシ樹脂としては、例えば液状ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキ
シ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂もしくはク
レゾールノボラックエポキシ樹脂のグリシジルエーテル
型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、
グリシジルアミン型エポキシ樹脂またはハロゲン化エポ
キシ樹脂を用いることができ、高温での電気特性が良好
な硬化物が得られる。特に液状ビスフェノールA型グリ
シジルエーテル、ビスフェノールF型グリシジルエーテ
ル等が低粘度化のため推奨される。
【0014】本発明に使用される液状の環状酸無水物系
硬化剤としては、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテ
トラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタ
ル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸またはメチルナジック
酸無水物等の酸無水物硬化剤が推奨され、それぞれ単独
でまたは2種以上を適時組み合わせて適用される。環状
酸無水物の配合量としては、分子中に2個以上のエポキ
シ基を有するエポキシ樹脂およびテトラメチルビフェノ
ールジグリシジルエーテルに起因するエポキシ基の合計
当量1に対して0.8〜1.2当量が推奨される。0.
8当量以下では、含浸可能な粘度にできうる温度が高く
なり、結果として可使時間が短くなり、1.2当量を超
えて配合した場合には、硬化物としての耐熱性、機械強
度等の特性が低下し、いずれの場合も好ましくない。
【0015】本発明においては、上記のように硬化触媒
Aと硬化触媒Bとを必ず併用して用いることが特徴であ
り、硬化触媒Aとしては、オクチル酸亜鉛、オクチル酸
鉄またはオクチル酸錫等のカルボン酸金属塩、硬化触媒
Bとしてはテトラエチルアンモニウムクロリド、テトラ
エチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウ
ムブロミド、ジルテトラエチルアンモニウムクロリドま
たはベンジルトリn―ブチルアンモニウムブロミド等の
四級アンモニウム塩が用いられる。
【0016】硬化触媒の添加量としては、分子中に2個
以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂100重量部に
対してカルボン酸金属塩を0.05〜1.0重量部、好
ましくは0.1〜0.5重量部が推奨される。0.05
重量部以下では硬化物としての耐熱性、機械強度等の特
性が著しく低下し、1.0重量部以上では、可使時間の
低下を招く原因となりいずれも好ましくない。また、カ
ルボン酸金属塩と併用して用いる四級アンモニウム塩の
添加量は、分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポ
キシ樹脂100重量部に対して0.005〜0.10重
量部、好ましくは0.01〜0.03重量部が推奨され
る。これにより安定した錯体の形成が可能となり、可使
時間の低下、硬化特性の低下が防止できる。0.005
重量部以下は可使時間は長くなるが硬化に長時間を要
し、作業性が低下し実用的でない。一方、0.1重量部
以上を超えて配合した場合は、反応性が著しく上昇し、
可使時間の短いものになり好ましくない。
【0017】本発明に係る液状の熱硬化性樹脂組成物を
調合する方法としては、始めに所定量のエポキシ樹脂と
上記高温接着強度改善剤とカルボン酸金属塩とを反応可
能な容器に配合し、120℃で30分の条件で予備反応
(クッキング)を行って室温に冷却後、所定量の環状酸
無水物、四級アンモニウム塩をさらに配合し、均一混合
して得ることができる。かくして得られる液状の熱硬化
性樹脂組成物が含浸樹脂として適用される電気機器は、
誘導電動機もしくはタービン発電機等の高圧回転機器の
ステータに組み込まれる絶縁コイル、またはガラスクロ
スもしくは有機不織布等の絶縁基材に含浸して得られる
積層体等が例示され、中でも高圧回転機用の絶縁コイル
の含浸樹脂として推奨される。
【0018】
【実施例】実施例1.ビスフェノールA型エポキシ樹脂
{商品名:MY―790―1(エポキシ当量175),
チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製}23.5
重量部、ビスフェノールF型エポキシ樹脂{商品名:エ
ピコート1750(エポキシ当量165),油化シェル
エポキシ(株)製}23.5重量部、テトラメチルビフ
ェノールジグリシジルエーテル{商品名:エピコートY
X―4000(エポキシ当量185),油化シェルエポ
キシ(株)製}5重量部、メチルテトラヒドロ無水フタ
ル酸{商品名:QH―200,日本ゼオン(株)製}4
8重量部(当該樹脂組成物中のエポキシ基の合計当量に
対し0.85当量に相当)およびカルボン酸金属塩{商
品名:オクチル酸亜鉛,日本化学産業(株)製}を0.
075重量部(分子中に2個以上のエポキシ基を有する
エポキシ樹脂100重量部に対しては0.14)と四級
アンモニウム塩{商品名:ベンジルトリエチルアンモニ
ウムクロリド,東京化成(株)製}0.01重量部(分
子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂10
0重量部に対しては0.02)からなる本発明の実施例
の液状熱硬化性樹脂組成物を調整した。この樹脂組成物
の初期粘度は、40℃で75m Pa・sであった。
【0019】また、上記樹脂組成物の可使時間の加速試
験を、温度40℃、相対湿度35%の恒温恒湿槽に放置
し、粘度を定期的に測定することによりおこなった。判
定は粘度が400m Pa・sに達するまでの日数で表すこ
ととし、図1に示す通り3ヶ月以上の可使時間を示すこ
とを確認した。なお、図1は本発明と比較例の液状熱硬
化性樹脂組成物の可使時間を比較するための、液状熱硬
化性樹脂組成物の上記加速試験雰囲気での放置日数によ
る粘度変化を示す特性図である。次にこの組成物の電気
絶縁用無用剤液状レジンとしての特性を確認するため、
JIS C 2103に基づき電気特性(誘電正接、体積抵抗率)
および接着特性を調べ表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】その結果誘電正接は0.5%(100
℃)、体積抵抗率は1.5×1015Ω―cm(100
℃)であり、温度に対して安定であった。接着強度につ
いても室温で257kgf/cm2、100℃で234
kgf/cm2と非常に良好な結果を示した。
【0022】実施例2.実施例1において、ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂{商品名:MY―790―1(エ
ポキシ当量175),チバ・スペシャリティ・ケミカル
ズ(株)製}を30重量部、ビスフェノールF型エポキ
シ樹脂{商品名:エピコート806(エポキシ当量16
8),油化シェルエポキシ(株)製}12重量部、テト
ラメチルビフェノールジグリシジルエーテル{商品名:
エピコートYX―4000(エポキシ当量185),油
化シェルエポキシ(株)製}を9重量部、メチルテトラ
ヒドロ無水フタル酸{商品名:QH―200,日本ゼオ
ン(株)製}を49重量部(当該樹脂組成物中のエポキ
シ基の合計当量に対し1.0当量に相当)使用する以外
は実施例1と同様にして本発明の実施例の液状熱硬化性
樹脂組成物を調整した。この組成物の40℃初期粘度は
72m Pa・sと非常に良好であった。また、図1に示す
ように、上記可使時間の加速試験からも、可使時間は3
ヶ月以上を保持し、硬化後の誘電正接についても0.6
%(100℃)、体積抵抗率は1.2×1015Ω―cm
(100℃)であった。接着強度についても室温で26
3kgf/cm2、100℃で238kgf/cm2と非
常に良好な結果を示した。これらの結果を図1および表
1に示す
【0023】実施例3.実施例1において、ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂{商品名:MY―790―1(エ
ポキシ当量175),チバ・スペシャリティ・ケミカル
ズ(株)製}を45重量部、テトラメチルビフェノール
ジグリシジルエーテル{商品名:エピコートYX―40
00(エポキシ当量185),油化シェルエポキシ
(株)製}を9重量部、メチルヘキサヒドロ無水フタル
酸{商品名:HN―5500,日立化成(株)製}を4
6重量部(当該樹脂組成物中のエポキシ基の合計当量に
対し0.9当量に相当)使用する以外は実施例1と同様
にして本発明の実施例の液状熱硬化性樹脂組成物を調整
した。この組成物の40℃初期粘度は78m Pa・sと非
常に良好であった。上記可使時間の加速試験からも、可
使時間は3ヶ月以上を保持し、硬化後の誘電正接につい
ても0.55%(100℃)、体積抵抗率は1.4×1
15Ω−cm(100℃)であった。接着強度について
も室温で258kgf/cm2、100℃で236kg
f/cm2と非常に良好な結果を示した。これらの結果
を図1および表1に示す
【0024】上記実施例1〜3において得られた液状熱
硬化性樹脂組成物は、回転機の絶縁コイルの製造に用い
た場合、上記のように低粘度であり含浸性に優れ、硬化
物も耐熱性に優れたものであった。
【0025】実施例4.実施例1において、テトラメチ
ルビフェノールジグリシジルエーテル{商品名:エピコ
ートYX―4000(エポキシ当量185),油化シェ
ルエポキシ(株)製}を20.5重量部、メチルテトラ
ヒドロ無水フタル酸{商品名:QH―200,日本ゼオ
ン(株)製}を61重量部(当該樹脂組成物中のエポキ
シ基の合計当量に対し0.95当量に相当)使用する以
外は、実施例1と同様にして本発明の実施例の液状熱硬
化性樹脂組成物を調整した。この組成物の40℃初期粘
度は85m Pa・sとまずまずであったが、エピコートYX
―4000の使用が多いため、可使時間評価中において
再結晶化が発生し、見掛けの粘度が上昇した。これらの
結果を図1および表1に示す。
【0026】実施例5.実施例1において、オクチル酸
亜鉛を0.55重量部(分子中に2個以上のエポキシ基
を有するエポキシ樹脂100重量部に対しては1.0
6)配合する以外は、実施例1と同様にして本発明の実
施例の液状熱硬化性樹脂組成物を調整した。この組成物
の40℃初期粘度は75m Pa・sと非常に良好であり、
硬化物性については特に問題無かった。しかし、カルボ
ン酸金属塩の添加量が多いため、含浸樹脂として重要な
可使時間が15日であった。これらの結果を図1および
表1に示す。
【0027】実施例6.実施例1において、ベンジルト
リエチルアンモニウムクロリドを0.001重量部(分
子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂10
0重量部に対しては0.002)にした以外は、実施例
1と同様にして本発明の実施例の液状熱硬化性樹脂組成
物を調整した。この組成物の40℃初期粘度は75m Pa
・sと非常に良好であったが、四級アンモニウム塩の添
加量が少ないため、オクチル酸亜鉛との錯体が形成され
ず、反応性が劣る結果であった。これらの結果を図1お
よび表1に示す。
【0028】比較例1.実施例1において、5重量のテ
トラメチルビフェノールジグリシジルエーテル{商品
名:エピコートYX―4000(エポキシ当量18
5),油化シェルエポキシ(株)製}に替えて、フェノ
キシ樹脂{商品名:PKHH(分子量6万),ユニオン
カーバイド(株)製}を5重量部使用する以外は実施例
1と同様にして樹脂組成物を調整した。この組成物の4
0℃初期粘度は210m Pa・sと高く、可使時間特性に
ついても20日と非常に短いものであった。また硬化物
性についても上記高分子量成分を使用しているため、高
温での電気特性に若干劣るものであった。これらの結果
を図1および表1に示す。
【0029】
【発明の効果】本発明の第1の液状熱硬化性樹脂組成物
は、分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹
脂、高温接着強度改善剤としてのテトラメチルビフェノ
ールジグリシジルエーテル化合物、硬化剤としての液状
の環状酸無水物、並びに硬化触媒としてのカルボン酸金
属塩(硬化触媒A)および四級アンモニウム塩(硬化触
媒B)を配合したもので、良好な含浸性を有するという
効果がある。
【0030】本発明の第2の液状熱硬化性樹脂組成物
は、上記第1の液状熱硬化性樹脂組成物において、テト
ラメチルビフェノールジグリシジルエーテル化合物を上
記分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂
100重量部に対して5〜35重量部、液状の環状酸無
水物をエポキシ基の合計当量に対し0.8〜1.2当
量、カルボン酸金属塩(硬化触媒A)を上記分子中に2
個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂100重量部
に対して0.05〜1.0重量部および四級アンモニウ
ム塩(硬化触媒B)を上記分子中に2個以上のエポキシ
基を有するエポキシ樹脂100重量部に対して0.00
5〜0.1重量部を配合したもので、良好な含浸性を有
し、十分な可使時間で、かつ硬化性を低下することな
く、硬化物の優れた耐熱性、電気絶縁性または機械強度
などを具備するという効果がある。
【0031】本発明の第3の液状熱硬化性樹脂組成物
は、上記第1または第2の液状熱硬化性樹脂組成物にお
いて、テトラメチルビフェノールジグリシジルエーテル
化合物がビフェニル型エポキシ樹脂のもので、粘度を高
くすることなく高温での接着強度を改良できるという効
果がある。
【0032】本発明の第4の液状熱硬化性樹脂組成物
は、上記第1ないし第3のいずれかの液状熱硬化性樹脂
組成物において、分子中に2個以上のエポキシ基を有す
るエポキシ樹脂が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、
ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラッ
クエポキシ樹脂もしくはクレゾールノボラックエポキシ
樹脂のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジル
エステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ
樹脂またはハロゲン化エポキシ樹脂のもので、高温での
電気特性が良好な硬化物が得られるという効果がある。
【0033】本発明の第5の液状熱硬化性樹脂組成物
は、上記第1ないし第4のいずれかの液状熱硬化性樹脂
組成物において、カルボン酸金属塩がオクチル酸亜鉛、
オクチル酸鉄またはオクチル酸錫であり、四級アンモニ
ウム塩がテトラエチルアンモニウムクロリド、テトラエ
チルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウム
ブロミド、ジルテトラエチルアンモニウムクロリドまた
はベンジルトリn―ブチルアンモニウムブロミドのもの
で、良好な硬化物性と反応性が得られるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明と比較例の液状熱硬化性樹脂組成物の
可使時間を比較するための、液状熱硬化性樹脂組成物の
加速試験雰囲気での放置日数による粘度変化を示す特性
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瀧川 秀記 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 伊藤 浩美 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 磯岡 利雄 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 4J036 AA01 AD07 AF06 AF08 AG03 AH04 AJ06 DB16 GA02 HA01 JA07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子中に2個以上のエポキシ基を有する
    エポキシ樹脂、高温接着強度改善剤としてのテトラメチ
    ルビフェノールジグリシジルエーテル化合物、硬化剤と
    しての液状の環状酸無水物、並びに硬化触媒としてのカ
    ルボン酸金属塩(硬化触媒A)および四級アンモニウム
    塩(硬化触媒B)を配合した液状熱硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 テトラメチルビフェノールジグリシジル
    エーテル化合物を上記分子中に2個以上のエポキシ基を
    有するエポキシ樹脂100重量部に対して5〜35重量
    部、液状の環状酸無水物をエポキシ基の合計当量に対し
    0.8〜1.2当量、カルボン酸金属塩(硬化触媒A)
    を上記分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ
    樹脂100重量部に対して0.05〜1.0重量部およ
    び四級アンモニウム塩(硬化触媒B)を上記分子中に2
    個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂100重量部
    に対して0.005〜0.1重量部配合したことを特徴
    とする請求項1に記載の液状熱硬化性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 テトラメチルビフェノールジグリシジル
    エーテル化合物がビフェニル型エポキシ樹脂である請求
    項1または請求項2に記載の液状熱硬化性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 分子中に2個以上のエポキシ基を有する
    エポキシ樹脂が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビ
    スフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック
    エポキシ樹脂もしくはクレゾールノボラックエポキシ樹
    脂のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエ
    ステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹
    脂またはハロゲン化エポキシ樹脂であることを特徴とす
    る請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の液状熱硬
    化性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 カルボン酸金属塩がオクチル酸亜鉛、オ
    クチル酸鉄またはオクチル酸錫であり、四級アンモニウ
    ム塩がテトラエチルアンモニウムクロリド、テトラエチ
    ルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムブ
    ロミド、ジルテトラエチルアンモニウムクロリドまたは
    ベンジルトリn―ブチルアンモニウムブロミドであるこ
    とを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記
    載の液状熱硬化性樹脂組成物。
JP20527498A 1998-07-21 1998-07-21 液状熱硬化性樹脂組成物 Expired - Lifetime JP3644260B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20527498A JP3644260B2 (ja) 1998-07-21 1998-07-21 液状熱硬化性樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20527498A JP3644260B2 (ja) 1998-07-21 1998-07-21 液状熱硬化性樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000034338A true JP2000034338A (ja) 2000-02-02
JP3644260B2 JP3644260B2 (ja) 2005-04-27

Family

ID=16504272

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20527498A Expired - Lifetime JP3644260B2 (ja) 1998-07-21 1998-07-21 液状熱硬化性樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3644260B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011089059A (ja) * 2009-10-23 2011-05-06 Mitsubishi Electric Corp エポキシ樹脂組成物、該エポキシ樹脂組成物を用いた電気絶縁線輪および回転電機の製造方法
CN114516949A (zh) * 2020-11-20 2022-05-20 南通星辰合成材料有限公司 用于美缝剂的抗结晶型改性环氧树脂及其制备方法和应用

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011089059A (ja) * 2009-10-23 2011-05-06 Mitsubishi Electric Corp エポキシ樹脂組成物、該エポキシ樹脂組成物を用いた電気絶縁線輪および回転電機の製造方法
CN114516949A (zh) * 2020-11-20 2022-05-20 南通星辰合成材料有限公司 用于美缝剂的抗结晶型改性环氧树脂及其制备方法和应用
CN114516949B (zh) * 2020-11-20 2023-07-21 南通星辰合成材料有限公司 用于美缝剂的抗结晶型改性环氧树脂及其制备方法和应用

Also Published As

Publication number Publication date
JP3644260B2 (ja) 2005-04-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3201262B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物,電機絶縁線輪,回転電機及びその製造方法
JP6030125B2 (ja) 絶縁配合物
JPH0817060B2 (ja) 電気絶縁線輪、回転電機及びその製造方法
JPS6069120A (ja) 熱硬化性反応樹脂混合物
US6384152B2 (en) Insulating resin of epoxy resin, epoxy diluent, phenolic accelerator and organotin catalyst
US20080051549A1 (en) Diluent free epoxy resin formulation
JPS5817534B2 (ja) 可撓性エポキシ樹脂組成物
JPH10251381A (ja) 含浸用樹脂組成物
JP4560982B2 (ja) 高圧回転機用絶縁コイルの製造方法
EP0414975B1 (en) Thermosetting resin composition
JPS6257650B2 (ja)
JP2002145996A (ja) 熱硬化性樹脂組成物およびそれを用いた絶縁コイル
JP3666287B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物およびそれを用いた絶縁コイル
JP2000239356A (ja) 熱硬化性樹脂組成物およびそれを用いた絶縁コイル
JP3644260B2 (ja) 液状熱硬化性樹脂組成物
JP3399095B2 (ja) 液状エポキシ樹脂組成物
JPH06233486A (ja) 絶縁電気線輪、回転電機及びその製造方法
JP5766352B2 (ja) 回転電機固定子コイル絶縁用液状熱硬化性樹脂組成物、それを用いた回転電機及びその製造方法
JP3828228B2 (ja) 含浸用エポキシ樹脂組成物及びそれを用いたフィルムコンデンサ
JP2570210B2 (ja) プリプレグ
JPH0627182B2 (ja) 含浸に好適な液状エポキシ樹脂組成物
JP2009117336A (ja) 電気機器絶縁用エポキシ樹脂組成物及び電気機器
JP3876709B2 (ja) 液状熱硬化性樹脂組成物、並びに液状熱硬化性樹脂組成物の製造方法と絶縁コイルの製造方法
JPH0797526B2 (ja) 耐熱電気絶縁線輪
JPH07238145A (ja) エポキシ樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040521

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20040628

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040713

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040907

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050111

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050124

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080210

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090210

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100210

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100210

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110210

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120210

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130210

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130210

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140210

Year of fee payment: 9

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term