JP3069151B2 - 複合型制振材料用粘弾性組成物 - Google Patents

複合型制振材料用粘弾性組成物

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JP3069151B2 JP3155758A JP15575891A JP3069151B2 JP 3069151 B2 JP3069151 B2 JP 3069151B2 JP 3155758 A JP3155758 A JP 3155758A JP 15575891 A JP15575891 A JP 15575891A JP 3069151 B2 JP3069151 B2 JP 3069151B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複合型制振材料用の粘
弾性組成物に係わり、さらに詳しくは、機械や構造物の
振動を減少させ、騒音を低減させることができる振動吸
収能の高い複合型制振材料を製造する際に使用される粘
弾性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、静かな居住空間を求めて家電製
品、自動車、工作機械等からの振動による騒音を防ぐ技
術開発が急がれている。このような動向に対応して、騒
音源や振動源である金属材料に対して制振性能を付与す
ることや、その制振性能の向上を図ることが要請されて
いる。そこで従来より、かかる制振性能を発揮する材料
の一つとして、2つの金属層の中間に粘弾性樹脂からな
る粘弾性中間層を挟み込んだ3層構造を有する複合型制
振材料が提案されている。そしてこれら複合型制振材料
は、例えば、自動車のオイルパンやエンジンカバー、ホ
ッパのシュート部、搬送設備のストッパー、家電機器、
その他金属加工機械の振動低減部材や振動防止が望まれ
る精密機械の構造部材等において検討され採用されてい
る。
【0003】複合型制振材料の2つの金属層を構成する
金属材料としては、互いに相対面し、中間に粘弾性樹脂
を挟み込んで制振材料を構成しうるものであればよく、
金属板と成形プラスチック板のように異なる材質の層が
積層されたものであってもよい。ここでいう金属層を形
成する金属としては、特に限定されるものではないが、
通常、鉄、アルミニウム、銅、鉛、あるいは、これらを
一成分とする合金類、さらには亜鉛、錫、クロム等でメ
ッキされた金属材料、及びエポキシ樹脂、メラミン樹脂
等で表面処理されたものであってもよい。
【0004】ところで、このような複合型制振材料の制
振性能は一般にその粘弾性中間層の性能に依存してい
る。複合型制振材料の制振性能は損失係数で表すことが
できる。通常、粘弾性中間層をなす樹脂のガラス転移温
度の近傍にあるピーク特性温度で最も優れた制振性能が
発揮されることが知られている。
【0005】複合型制振材料の粘弾性中間層をなす樹脂
としては、従来、制振性だけを優先して熱可塑性樹脂を
使用することが主に検討されてきた。提案されたものと
してはポリアマイド(特開昭56−159号公報)、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体(特開昭57−34号公
報)、ポリビニルブチラール(特公昭55−27号公
報)等がある。また飽和ポリエステル樹脂に架橋剤とし
て有機過酸化物及び充填剤を配合した組成物(特公昭5
3−9794号公報)、線状非晶質ポリエステル樹脂に
酸無水物、エポキシ化合物を配合した熱硬化性樹脂組成
物(特開昭63−75056号公報)も知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、複合型制振
材料に要求される特性としては、損失係数が大きいこ
と、及び中間層の樹脂と金属層との接着強度、とくに、
剪断接着強度、T剥離強度が高いことが特に重要であ
る。しかも複合型制振材料は、200℃程度まで加熱さ
れる焼き付け塗装工程を経ることもあるので、高温での
剪断接着強度も要求される。
【0007】上記従来の粘弾性組成物で製造される複合
型制振材料においては、これらいずれかの性能に問題が
あり、充分満足の行くものではなかった。特に0℃〜5
0℃の常温域で優れた制振性能を発揮するためには、硬
化物のガラス転移温度が常温もしくはそれ以下である必
要があるのに対して、剪断接着強度は常温、高温を問わ
ず高いことが要求されるが、この剪断接着強度はガラス
転移温度を越えると急激に低下するので、これら相反す
る要求性能を満足するものはなかった。
【0008】非晶質ポリエステル樹脂を硬化剤としてポ
リイソシアネート化合物を用いて硬化させた塗膜も(特
公昭53−9794号公報)、非晶質ポリエステル樹脂
を酸無水化合物及び多価エポキシ化合物で硬化させた硬
化膜も充分な剪断接着強度、まして高温での剪断接着強
度を得ることはできなかった。
【0009】また上記複合型制振材料用粘弾性組成物は
いずれも主剤と硬化剤からなるものである。通常主剤と
ポリイソシアネート化合物のごとき硬化剤はブレンド直
後に使用しないと系がゲル化するため2液に分けた状態
で保存しなければならない。このため作業性の点で非常
に問題がある。
【0010】これに対してブロックイソシアネート化合
物のごとき硬化剤を用いた場合やメラミン樹脂では硬化
剤を主剤とブレンドした後も貯蔵安定性は優れている
が、このような樹脂を粘弾性組成物として用いても金属
層との良好な接着状態が得られない。すなわちこのよう
な樹脂を粘弾性組成物として用いた複合型制振材料を製
造する際には、樹脂を溶剤に溶かして金属層となる鋼板
に塗布するが、一枚の鋼板に塗装した粘弾性組成物の溶
剤を2枚めの鋼板を圧着硬化させるまでに系から蒸発さ
せなければならない。ところがこのように溶剤を蒸発さ
せている時点で組成物の硬化が開始すると2枚目の板と
粘弾性樹脂の層との付着性は極端に低下する。このよう
な不都合を避けるために溶剤の蒸発温度では粘弾性組成
物が硬化しないように工夫しても、前記のブロックイソ
シアネート化合物を硬化剤として用いた場合やメラミン
樹脂では、硬化時にブロック剤が遊離したり、アルコー
ルが副生するので、これら副生物により金属層と粘弾性
樹脂からなる層との接着強度が極端に低下する。
【0011】このため、複合型制振材料用粘弾性組成物
には、前記のように常温及び高温での剪断接着強度が高
いこと、制振性能が優れていることに加え、溶剤の蒸発
温度では硬化を開始しないで、しかも硬化時に揮発性副
生物の生じない熱硬化性組成物が求められている。
【0012】
【問題点を解決するための手段】本発明者はかかる相反
する要求性能を同時に満足し、しかも強固な接着性を得
ることが可能な理想的な1液型で安定な複合型制振材料
用粘弾性組成物を得るべく鋭意検討した結果、1分子中
に2個以上の水酸基を含有するビニル系共重合体及び/
又は1分子中に2個以上の水酸基を含有するポリエステ
ル樹脂とからなる水酸基含有樹脂と、一般式(I)で表
されるウレトジオン構造を有する硬化剤からなる粘弾性
組成物を得た。水酸基含有樹脂の中でも、−30℃〜8
0℃のガラス転移温度を有するものが特に好適である。
【0013】
【化2】
【0014】ここで本発明の組成物を詳細に説明する。
まず本発明の特徴であるウレトジオン構造を有する硬化
剤とは、140℃以上の温度で加熱することによって副
生物を揮発することなくフリーのイソシアネート基を生
成するものである。同時に水酸基含有樹脂中の水酸基と
反応してウレタン結合を生成する。代表的なウレトジオ
ン構造を含有する化合物としては、「BF−1540
(ドイツ国ヒュルス社製品)」が代表的である。
【0015】次に、1分子中に2個以上の水酸基を含有
するビニル系共重合体について詳述すると、まずこのビ
ニル系共重合体は水酸基含有不飽和単量体を必須成分と
して他の不飽和単量体との共重合によって得るのが簡便
である。ここで言う水酸基含有不飽和単量体とは、2−
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキ
シブチル(メタ)アクリレートの如きヒドロキシアルキ
ル(メタ)アクリレート類、2−ヒドロキシエチルビニ
ルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテルの如
きヒドロキシアルキルビニルエーテル類、アリルアルコ
ールもしくはヒドロキシエチルアリールエーテルの如き
アリール化合物:さらには上記された各種の単量体に対
してε−カプロラクトンを付加した水酸基含有不飽和単
量体を挙げることができる。
【0016】上記した水酸基含有不飽和単量体と共重合
可能な不飽和単量体として、特に代表的なものを挙げれ
ば、炭素数が1〜22なるアルキル基を有するアルキル
(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)ア
クリレートもしくはシクロヘキシル(メタ)アクリレー
トの如き、反応性極性基不含有の各種(メタ)アクリレ
ート類、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)ア
クリル酸、マレイン酸、フマル酸、もしくはイタコン酸
の如きα,β−エチレン性不飽和モノマーないしはジカ
ルボン酸類、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)ア
クリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)ア
クリレートもしくはN,N−ジエチルアミノプロピル
(メタ)アクリレートの如き、反応性極性基含有の各種
(メタ)アクリレート;スチレン、ターシャリーブチル
スチレン、α−メチルスチレンもしくはビニルトルエン
の如き芳香族ビニル単量体;(メタ)アクリルアミド
しくはN−アルコキシメチル化(メタ)アクリルアミド
の如き各種(メタ)アクリルアミド類、あるいはテトラ
フルオロエチレンもしくは、ヘキサフルオロプロピレン
の如き含フッ素ビニル単量体類などをはじめ(メタ)ア
クリロニトリル、酢酸ビニルまたは燐酸基含有(メタ)
アクリレート類などがある。一分子中に2個以上の水酸
基を含有するビニル共重合体の数平均分子量は300
0〜100000、好ましくは8000〜60000で
ある。分子量が3000未満であると充分な剪断強度を
はじめ機械的強度を期待することが出来ない。1000
00を超えると、あまりにも塗装不揮発分が少なくなり
すぎて所定の膜厚を付けるのが困難であり、しかも塗装
作業性が極端に低下する。また硬化前のビニル共重合体
のガラス転移温度は−30℃〜80℃、好ましくは−2
5℃〜60℃である。−30℃未満では硬化したフィル
ムの強度が極端に低く充分な剪断強度及びT剥離強度を
得ることが出来ない。逆に80℃を超えると硬化したフ
ィルムは室温域のような比較的低温域の制振性能が不充
分である。また水酸基価は20〜200、好ましくは3
5〜80である。20未満では充分な架橋密度が得られ
ないため、高温域での剪断強度およびT剥離強度が極端
に低下し、逆に200を超えると架橋密度が上がり過ぎ
て低温域での充分な制振性能が得られない。
【0017】次に、1分子中に2個以上の水酸基を含有
するポリエステル樹脂について詳述する。このポリエス
テル樹脂としては、線状のポリエステル樹脂及び/又は
分岐状のポリエステル樹脂が挙げられ、飽和多価カルボ
ン酸と飽和多価アルコールとを縮合反応させることで合
成できる。線状ポリエステル樹脂の合成には、二価カル
ボン酸と二価アルコールを用いるが、二価カルボン酸
しては、テレフタル酸またはイソフタル酸のそれぞれを
単独で使用するか、あるいは併用するかを基本として、
これらの他に、フタル酸、メチルフタル酸、エチルテル
フタル酸またはナフタレンジカルボン酸の如きテレフタ
ル酸及びイソフタル酸以外の各種の化合物を包含した形
で用いることが出来る。
【0018】またこのポリエステル樹脂を合成するため
に用いる化合物には必要に応じて脂肪族および/または
脂環式ジカルボン酸を加えることができる。その代表的
なものを挙げればテトラヒドロフタル酸、メチルテトラ
ヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサ
ヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル
酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、マレ
イン酸、フマル酸、イタコン酸、コハク酸、無水マレイ
ン酸、イタコン酸無水物、グルタル酸、アジピン酸、ア
ゼライン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、二
量体脂肪酸などがある。これらの脂肪族および/または
脂環式ジカルボン酸は要求される温度域の要求される制
振性能等に応じて適宜併用できる。
【0019】このポリエステル樹脂の重要な構成成分で
ある二価アルコールとして代表的なものは、エチレング
リコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコ
ール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、イソペンチルグリコー
ル、1,6−ヘキサンジオールもしくはネオペンチルグ
リコールの如きアルキレングリコールであり、これらの
他1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスヒドロキ
シエチル・テレフタレート、水添ビスフェノールA、水
添ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物ある
いはジエチレングリコールなどの芳香族グリコール、脂
環式グリコールまたは上掲した如きアルキレングリコー
ル以外の脂肪族グリコールなども必要に応じて適量併用
することができる。またモノエポキシ化合物もグリコー
ル成分として併用できることは勿論である。
【0020】また、分岐状ポリエステル樹脂を合成する
際には前記二価カルボン酸と二価アルコールとともに
官能以上のポリカルボン酸及び/又はポリオールが用い
られる。三官能以上のポリカルボン酸の代表的なものと
しては、トリメリット酸、ピロメリット酸、トリメシン
酸またはシクロペンタンテトラカルボン酸などが挙げら
れる。また三官能以上のポリオールの代表的なものとし
ては、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロ
ールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリス
リトールまたはマンニッヒなどが挙げられる。上記ポリ
エステル原料からの樹脂の製法は公知慣用の方法で遂行
できる。また公知の触媒も用いることができる。
【0021】請求項4の組成物を構成するジエポキシド
で変性された多官能線状ポリエステル樹脂及び/又はジ
エポキシドで変性された多官能分岐状ポリエステル樹脂
は、上述の合成方法に準じてカルボキシル基が残存する
条件で合成して得られたポリエステル樹脂にジエポキシ
ドを反応させることにより得られる。前記ジエポキシド
とは、これらポリエステル樹脂中のカルボキシル基と反
応性のあるエポキシ基を分子中に2個有するものを指称
し、その代表的なものとしては「エピクロン850〔大
日本インキ化学工業(株)製のビスフェノールA型エポ
キシ樹脂;エポキシ当量=184〜194〕」、「エピ
クロン1050〔同上;エポキシ当量=450〜50
0〕」もしくは「エピクロン4050(同上;エポキシ
当量=900〜1,000〕」の如きビスフェノール型
エポキシド類、グリセリンジグリシジルエーテルもしく
はネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,
6ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ポリエチレ
ングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレング
リコールジグリシジルエーテルの如き脂肪族エーテル型
ジエポキシド類、「ユノックス201(アメリカ国ユニ
オン・カーバイド社製の脂環式ジエポキシド類)」もし
くは「ユノックス207(同上)」の如き脂環族ジエポ
キシド類、あるいはジグリシジルフタレート、ジグリシ
ジルテトラヒドロフタレート、もくしはダイマー酸のジ
グリシジルエステルの如きエステル型エポキシド類など
がある。
【0022】このジエポキシドを前記した線状及び/又
は分岐状ポリエステル樹脂に付加反応させる際には、
ポリエステル樹脂中の末端カルボキシル基数に対するジ
エポキシド化合物中のエポキシ基数の比が0.5〜4と
なる様な範囲内でジエポキシドを使用するのが適当であ
る。尚、このエポキシド付加反応は公知慣用の方法で遂
行できる。また従来公知の触媒も用いることができる。
1分子中に2個以上の水酸基を含有するポリエステル樹
脂(ジエポキシドで変性されたポリエステル樹脂を含
む)としては、ガラス転移温度が−30℃〜80℃、数
平均分子量が3000〜20000および水酸基価が2
0〜200のものが好ましい。
【0023】上記水酸基含有樹脂とウレトジオン構造
含有する化合物との組成物は加熱により、架橋されて、
接着強度、制振性能等の諸特性が満足される。この架橋
反応は使用する触媒あるいは樹脂中の水酸基の種類によ
り、反応性は変化するが、常温域では極めて安定であ
る。本発明の組成物の硬化後の接着強度をさらに向上さ
せるためにシランカップリング剤の使用も効果的であ
る。シランカップリング剤としては、カルボキシル基、
エポキシ基と反応性を有する官能基を持ったシランカッ
プリング剤が好ましい。
【0024】このようなシランカップリング剤として
は、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメ
チルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリイソプ
ロピオキシシラン、N−(アミルエチル)−γ−アミノ
プロピルトリメトキシシラン等のアミノ基を含有するア
ミン系シランカップリング剤や(3,4−エポキシ−シ
クロヘキシル)エチル−トリメトキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルメチルジエトキシシラン等のエポキシ基を含
有するエポキシ系シランカップリング剤等が効果的であ
る。
【0025】本発明の組成物を用いて複合型制振材料を
製造する方法については、特に制限されるものではない
が、代表的な方法としては、鋼板に本発明の組成物の溶
液を塗工した後、溶媒を乾燥して鋼板を加熱圧着するこ
とにより貼り合わせる方法、本発明の組成物の溶融物を
鋼板に塗工する方法、剥離性基材上に本発明の組成物を
形成し、鋼板に移行させて鋼板を加熱圧着して貼合わせ
る方法等を採用することが出来る。とくに溶剤の沸点を
選択することにより溶剤の蒸発完了後にもう一方の板を
圧着する方法も採用できる。しかも、溶融物は硬化を開
始する前に圧着可能である。しかも加熱硬化時揮発物が
生成しないため接着阻害を起こすことがない。
【0026】上記組成物に充填剤として導電性固体物質
を配合することにより、導電性を付与し、得られる制振
材料をスポット溶接可能な材料とすることができる。こ
のような目的で使用される導電性物質としては、ステン
レス、亜鉛、スズ、銅、黄銅、ニッケル等の金属を粉末
状、フレーク状、ファイバー状等に加工した金属物質や
銅メッキ処理したガラスフレーク等の金属メッキ処理を
施したものや、カーボンブラック、グラファイト、カー
ボンファイバー等の導電性炭素質物質を挙げることがで
きる。尚、これ以外にも必要に応じて各種の充填剤や酸
化防止剤等の各種添加剤を使用することができる。
【0027】
【実施例】次に、本発明を実施例によって説明するが、
これはあくまで一態様でしかなく、本発明は実施例のみ
によって限定されるものではない。また文中「部」
「%」は全て重量基準を示す。
【0028】参考例1(1分子中に2個以上の水酸基を
含有するアクリル樹脂の製造例−1) 撹拌装置、不活性ガス導入口、温度計、及び冷却器を備
えた4つ口フラスコにトルエン560部および酢酸ブチ
ル240部を仕込んで110℃に昇温したのちブラクセ
ルFM−3〔ダイセル化学(株)製の、カプロラクトン
変性メタリレート;分子量=472、水酸基価=11
9〕250部、スチレン200部、エチルアクリレート
300部、及びブチルアクリレート250部からなるモ
ノマー混合物、トルエン/酢酸ブチル(70/30)2
00部、ターシャリーブチルパーオキシ2エチルヘキサ
ノエート5部、ターシャリーブチルパーオキシベンゾエ
ート3部を3時間かけて滴下した。さらに同温度で6時
間反応を行い不揮発分50.3%、粘度(25℃におけ
るガードナー粘度;以下同様)Z4 、数平均分子量22
000、およびOH価53、ガラス転移温度−18℃、
なる樹脂溶液を得た。以下この樹脂溶液を(A−1)と
略記する。
【0029】参考例2(1分子中に2個以上の水酸基を
含有するビニル共重合体の調製例−2) 参考例−1と同様の反応装置を用いてモノマー混合物の
代わりに酢酸ビニル300部、ベオバ9(オランダ国シ
ェル社製の、分岐状脂肪族モノカルボン酸のビニルエス
テル)550部、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル
150部を用いた以外は参考例1と同様な操作で樹脂溶
液を得た。すなわち不揮発分50.2%、粘度 V、数
平均分子量20000およびOH価72、ガラス転移温
度10℃であった。以下、この樹脂溶液を(A−2)と
略記する。
【0030】参考例3(ジエポキシド変性分岐状ポリエ
ステル樹脂の調製例) テレフタル酸228部、イソフタル酸76部、セバチン
酸92部、エチレングリコール69部、1.6ヘキサン
ジオール113部、トリメチロールプロパン3部、およ
びモノブチルチンオキサイド0.5部を反応器に仕込
み、窒素ガス気流下で6時間以内に220℃になるよう
に徐々に昇温させ同温度に4時間保持した。ついで脱水
を促進するため15部のキシロールを還流させながら滴
下し、さらに220℃に反応温度を保持しつつ反応を続
けて酸価15で水酸基価が4なる中間体ポリエステル樹
脂を得た。しかるのち、この中間体ポリエステル樹脂を
キシレン/酢酸ブチル(重量比70/30)混合溶剤に
溶解して不揮発分を60%に調整しこれに「デナコール
EX−920」〔長瀬産業(株)より販売されている、
ポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテル;エ
ポキシ当量=180〕22.5部および2−メチル−イ
ミダゾール0.2部を加えて125℃に昇温して11時
間加熱反応せしめた。反応後キシレン・酢酸ブチルを加
えて不揮発分を40%に調整し酸価1.5および数平均
分子量12600なる多官能性分岐状ポリエステル樹脂
溶液を得た。この樹脂溶液の粘度は 3 〜Z 4 であった。
以下、これをポリエステル樹脂溶液(B−1)と略記す
る。
【0031】参考例4(線状ポリエステル樹脂の調整
例) テレフタル酸100部、イソフタル酸70部、セバチン
酸350部、エチレングリコール250部、1,6−ヘ
キサンジオール150部、およびモノブチルチンオキサ
イド0.5部を反応容器に仕込み、窒素ガス気流下に6
時間220℃に昇温し、その後も同温度に4時間保持し
た。ついでキシロール15部を還流させながら滴下し、
さらに220℃で16時間反応を続行させて、酸価2お
よび水酸基価25なるポリエステル樹脂を得た。このも
のの数平均分子量は6000であった。キシレン/酢酸
ブチル(70/30)に溶解させて不揮発分60%に調
製したところ粘度Z4 のポリエステル樹脂溶液を得た。
以下このポリエステル樹脂溶液を(B−2)と略記す
る。
【0032】参考例5(分岐状ポリエステル樹脂の調製
例) 参考例1と同様の反応器にイソフタル酸350部、アジ
ピン酸150、トリメチロールプロパン85部、1,6
−ヘキサジオール350部を仕込み、参考例−3と同様
な操作にて酸価8、水酸基価60なるポリエステルを得
た。さらにキシレン/酢酸ブチル(60/40)で不揮
発分50%に調整し粘度P−Qのポリエステル樹脂溶液
を得た。以下このポリエステル樹脂溶液を(B−3)と
略記する。
【0033】参考例6(ジエポキシ変性線状ポリエステ
ル樹脂の調整例) テレフタル酸226部、イソフタル酸75部、セバチン
酸93部、エチレングリコール70部、1,6−ヘキサ
ンジオール115部、およびモノブチルチンオキサイド
0.5部を反応容器に仕込み、窒素ガス気流下に6時間
で220℃に昇温し、その後も同温度に4時間保持し
た。次いで、15部のキシロールを還流させながら滴下
し、さらに220℃で16時間反応を続行させて、酸価
10および水酸基価10なるポリエステル樹脂を得た。
さらに不揮発分が60%になるように、キシレン/酢酸
ブチル(70/30)部を加え、充分均一に撹拌した後
「エピクロン1050−70X」64.2部を加え、1
20℃で6時間反応を行い数平均分子量12000の線
状ポリエステルを得た。しかる後、この樹脂溶液を同溶
剤で不揮発分40%に調製したところ粘度Uなるポリエ
ステルを得た。以下このポリエステル樹脂溶液を(B−
4)と略記する。
【0034】実施例1〜6および比較例1〜2 参考例1〜6において得られた各水酸基含有ビニル共重
合またはポリエステル樹脂100部に対して硬化剤とし
てBF−1540(前出社製のブロックイソシアネー
ト)を表1に示した量だけ加え、クリヤー塗料を得た。
この塗料状組成物を0.4mm厚の冷延鋼板に塗工し、1
60℃で2分乾燥した後、2枚の鋼板を貼り合わせ、2
20℃で2分間加熱圧着して粘弾性中間層の厚さが50
ミクロンの制振材料を得た。T剥離接着強度はJIS−
K−6854にもとづき50mm/minsの引っ張り速度で
評価し、剪断接着強度はJIS−K−6850にもとづ
き5mm/minsの引っ張り速度で評価した。制振性能は機
械インピーダンス法500Hzで測定した。結果を表1に
示す。
【0035】
【表1】
【0036】表1の結果から、一分子中に2個以上の水
酸基を有するビニル系共重合体またはポリエステル樹脂
とウレトジオン構造を有する硬化剤、BF−1540と
からなる組成物は、常温においても高温においても優れ
た剪断剥離強度を有すると共に、良好な制振性能をも備
えていることを確認できた。またこれらビニル系共重合
体またはポリエステル樹脂にBF−1540を添加した
実施例1〜6のものは、50℃で10日間放置しても増
粘せず、安定性にも優れていることを確認できた。加え
てこれら実施例1〜6のものは、溶剤の蒸発温度では硬
化を開始せず、しかも硬化時に揮発性副生物が生じるこ
ともなかった。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように本発明の複合型制振
材料用粘弾性組成物は、1分子中に2個以上の水酸基を
含有するビニル系共重合体及び/又は1分子中に2個以
上の水酸基を含有するポリエステル樹脂からなる水酸基
含有樹脂と、ウレトジオン構造を有する硬化剤とからな
るものなので、高度に架橋してフィルム状となり常温及
び高温で優れた剪断剥離強度を発揮するにもかかわら
ず、高い制振性能を有するものとなる。しかもこの組成
物は、鋼板に効率的に塗工するのに有利な一液であり、
貯蔵安定性に優れしかも一定の温度で速やかに硬化す
る。加えて溶剤の蒸発温度では硬化を開始せず、硬化時
に揮発性生成物を生じることもない。従ってこの組成物
は制振材料用粘弾性組成物として好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上垣 忠義 兵庫県加古川市神野町石守575−19 (72)発明者 斉藤 隆司 兵庫県加古川市平岡町二俣1011 (72)発明者 石田 隆一 兵庫県神戸市灘区岸地通4−1−11 (56)参考文献 特開 平2−32175(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 18/00 - 18/87 C08L 67/00 - 67/04 C08L 75/00 - 75/16

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1分子中に2個以上の水酸基を含有する
    ビニル系共重合体及び/又は1分子中に2個以上の水酸
    基を含有するポリエステル樹脂からなる水酸基含有樹脂
    、一般式(I)で表されるウレトジオン構造を有する
    硬化剤からなる複合型制振材料用粘弾性組成物。 【化1】
  2. 【請求項2】 水酸基含有樹脂が、ガラス転移温度が−
    30℃〜80℃、数平均分子量が3000〜10000
    0および水酸基価が20〜200のビニル系共重合体及
    び/又はガラス転移温度が−30℃〜80℃、数平均分
    子量が3000〜20000および水酸基価が20〜2
    00のポリエステル樹脂である請求項1記載の複合型制
    振材料用粘弾性組成物。
  3. 【請求項3】 水酸基含有樹脂が、ガラス転移温度が−
    30℃〜80℃、数平均分子量が3000〜20000
    および水酸基価が20〜200のポリエステル樹脂であ
    る請求項1記載の複合型制振材料用粘弾性組成物。
  4. 【請求項4】 水酸基含有樹脂が、ジエポキシドで変性
    された多官能線状ポリエステル樹脂及び/又はジエポキ
    シドで変性された多官能分岐状ポリエステル樹脂であっ
    て、かつガラス転移温度が−30℃〜80℃、数平均分
    子量が3000〜2000および水酸基価が20〜20
    0である請求項1記載の複合型制振材料用粘弾性組成
    物。
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