JP4088837B2 - 接着剤組成物、接着剤硬化物、接着シート及び積層体 - Google Patents

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Description

本発明は接着剤組成物に関する。当該接着剤組成物は、特に、プリント配線板用接着剤に好適であり、特に、フレキシブルプリント基板用接着剤組成物や、TAB(テープオートメーテッドボンディング)方式と称する半導体集積回路実装用テープ(以下、「TABテープ」と略す)に好適である。本発明の接着剤組成物は、特に接着性、耐熱性に優れる。
フレキシブルプリント配線板は、一般に耐熱性及び電気絶縁性に優れたポリイミド、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリマー等を素材とする耐熱性有機絶縁フィルムに接着剤を介して銅箔等の導体を接着して一体化させたものであるが、当該接着剤としては接着性が良好であることからエポキシ樹脂系接着剤が用いられている。しかし最近では、配線密度や実装密度の格段の増加に伴い、配線箇所や実装部品からの発熱等に起因してエポキシ樹脂系接着剤の耐熱性や接着性につき一層の向上が求められている。また、TABテープは基本的にはフレキシブルプリント配線板と同一のものであり、材料構成や要求される諸特性も基本的に共通するが、要求特性レベルに応じて両者が使い分けられているのが現状である。
また、エポキシ樹脂系接着剤を用いて異種材料を接着すると、熱サイクルによって接着剤硬化物に大きな歪みが発生し、接合部が破壊されることがある。このような内部歪みを吸収し、内部応力の発生を防止せんとして、接着剤硬化物にたわみ性を持たせる試みがなされている。例えば、接着剤組成物中に合成ゴムなどを添加する方法が開示されている(特許文献1参照)が、エポキシ樹脂に合成ゴムを添加した当該接着剤組成物は剥離強度に優れるものの、耐熱性は満足しうるものではない。
なお、本出願人は、メトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂(A)、エポキシ基含有合成ゴム(B)及びエポキシ樹脂用硬化剤(C)からなることを特徴とするエポキシ樹脂組成物を提案したが、ポリイミドフィルムへの接着性は良好であるが、PEN、液晶ポリマーなどへの接着性は充分とは言えなかった。(特許文献2参照)
特開平10−335768号公報 特開2003−246838号公報
本発明は、プリント配線板用接着剤である従来のエポキシ樹脂系接着剤に比較して、一層優れた耐熱性、接着性、加工性等を発揮しうる接着剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者は前記課題を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、特定のエポキシ樹脂を特定のメトキシシラン化合物で変性してなるメトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂、特定のアクリルポリマー、エポキシ樹脂用硬化剤を必須構成成分とする樹脂組成物を用いることにより、前記目的に合致した接着剤組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ビスフェノール型エポキシ樹脂(a−1)及びメトキシシラン部分縮合物(a−2)を脱アルコール反応させて得られるメトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂(A)、カルボキシル基及び/又は水酸基を有し、ガラス転移点が20℃以下のアクリルポリマー(B)、ポリカルボン酸系エポキシ樹脂用硬化剤(C)を含有することを特徴とする接着剤組成物(ただし、フェノール樹脂を含有するものを除く)。に係る。また本発明は、当該接着剤組成物を硬化させることにより得られる接着剤硬化物、当該接着剤組成物を基材の片面に塗布し70〜150℃にて半硬化させて得られる接着シート、及び当該接着剤を用い、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド及び液晶ポリマーからなる群より選ばれるいずれか一種からなる基材と銅箔を積層することにより得られる積層体に係る。
本発明の接着剤組成物は、接着性、耐熱性、加工性等に優れるものであり、特に耐熱性有機絶縁フィルムと導体との接着用に好適である。
本発明で用いるメトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂(A)は、ビスフェノール型エポキシ樹脂(a−1)(以下、(a−1)成分という)とメトキシシラン部分縮合物(a−2)(以下、(a−2)成分という)から構成される。当該(a−1)成分は、ビスフェノール類とエピクロルヒドリン又はβ−メチルエピクロルヒドリン等のハロエポキシドとの反応により得られるものである。ビスフェノール類としては、フェノール又は2,6−ジハロフェノールと、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アセトン、アセトフェノン、シクロヘキサノン、ベンゾフェノン等のアルデヒド類もしくはケトン類との反応物の他、ジヒドロキシフェニルスルフィドの過酸による酸化、ハイドロキノン同士のエーテル化反応等により得られるものがあげられる。
また、(a−1)成分は、(a−2)成分と脱メタノール反応しうる水酸基を有するものである。当該水酸基は、(a−1)成分を構成するすべての分子に含有されている必要はなく、(a−1)成分として、水酸基を有していればよい。(a−1)成分のエポキシ当量は、(a−1)成分の構造により異なるため、用途に応じて適当なエポキシ当量のものを適宜に選択して使用できるが、350以上1000g/eq以下であるものが好適である。350g/eq未満では、得られる接着層の高温下での密着性が低下する傾向にあり、また1000g/eqを超えるとメトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂の保存安定性が低下する傾向がある。これらビスフェノール型エポキシ樹脂(a−1)の中でも、特にビスフェノールA型エポキシ樹脂が、最も汎用され低価格であり好ましい。
また、(A)成分を構成する(a−2)成分としては、一般的にゾル−ゲル法に用いられているメトキシシランを部分的に加水分解、縮合したオリゴマーを使用できる。たとえば、一般式:RSi(OCH34−p(式中、pは0又は1の整数を示し、Rは炭素数6以下の低級アルキル基又はフェニル基を示す。)で表される化合物の部分縮合物等を例示できる。なお、pが2〜4である場合は、3次元架橋が起こらなくなるため、最終的に得られる接着剤硬化物に所望の高耐熱性を付与し得ない。
前記(a−2)成分の具体例としては、テトラメトキシシランの部分縮合物;メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン等のトリメトキシシラン類の部分縮合物があげられる。これらの中でも、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン等の部分縮合物等が、ゾル−ゲル硬化速度が大きいため好ましい。
(a−2)成分は、上記物質の中から1種又は2種以上を適宜選択すればよいが、1分子当たりのSiの平均個数は3〜12であることが好ましい。Siの平均個数が3未満であると、(a−1)成分との脱アルコール反応の際、副生アルコールと一緒に系外に流出する有毒なメトキシシラン類の量が増えるため好ましくない。また12を超えると、(a−1)成分との反応性が落ち、目的とする(A)成分を得るのに長時間を要するため好ましくない。
特に、一般式:
Figure 0004088837
(式中、Meはメチル基を示し、nの平均繰り返し単位数は2〜7である。)で表されるテトラメトキシシランの部分縮合物が好ましい。当該部分縮合物は、脱メタノール反応において、副生メタノールとともに系外流出し得る有毒なテトラメトキシシランがほとんど存在せず、反応操作や安全衛生の点からも好ましい。
本発明で用いる(A)成分は、前記(a−1)成分と、(a−2)成分との脱メタノール反応により得られる。(a−1)成分と(a−2)成分の使用割合は、得られる(A)成分中に、メトキシ基が残存するような割合であれば特に制限されないが、(a−2)成分のシリカ換算重量/(a−1)成分の重量(重量比)が0.25〜1.2の範囲であるのが好ましい。なお、同重量比が0.5〜0.8の場合には、基材との密着性が優れており、特に好ましい。ここで(a−2)成分のシリカ換算重量とは、メトキシシラン部分縮合物(a−2)がゾル−ゲル反応しシリカに硬化した時の重量である。
かかる(A)成分の製造は、例えば、(a−1)成分と(a−2)成分を仕込み、加熱して副生するアルコールを留去又は冷却管で還流させて系内に戻すことにより行なわれる。反応温度は50〜130℃程度、好ましくは70〜110℃であり、全反応時間は1〜15時間程度である。この反応は、(a−2)成分自体の重縮合反応を防止するため、実質的に無水条件下で行うのが好ましい。
また、上記の脱メタノール反応に際しては、反応促進のために従来公知の触媒の内、エポキシ環を開環しないものを使用することができる。該触媒としては、たとえば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、コバルト、ゲルマニウム、錫、鉛、アンチモン、砒素、セリウム、硼素、カドミウム、マンガンのような金属;これら金属の酸化物、有機酸塩、ハロゲン化物、メトキシド等があげられる。これらの中でも、特に有機錫、有機酸錫が好ましく、具体的には、ジブチル錫ジラウレート、オクチル酸錫等が有効である。
また、上記反応は溶剤中でも、無溶剤でも行うこともできる。溶剤としては、(a−1)成分及び(a−2)成分を溶解し、且つこれらに対し非活性である有機溶剤であれば特に制限はない。このような有機溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン系、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系、トルエン、キシレン等の芳香族系、セロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート等のセロソルブ系、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール等のアルコール類、ジメチルホルムアミドなどの非プロトン性極性溶媒があげられる。これらの中でも、メチルエチルケトンなどの常圧での沸点が70〜110℃のものが以下の理由により特に好ましい。すなわち、当該接着剤組成物を積層体として使用する場合には、ポリイミドや液晶ポリマー、PENなどの耐熱有機絶縁フィルム上にBステージ層(接着シート)を形成させ、銅箔等の導体をラミネート、又はホットプレスした後、更に加熱してCステージ層(本接着剤硬化物)を形成させる製造過程を経るが、導体を接着させた後に加熱する際、多量の揮発分(溶剤など)が発生すると導体と接着剤硬化物との間に気泡が発生し、導体表面に凹凸ができるなどの問題が起こるためである。このことから、前記接着シートを作製する場合は、溶剤などの揮発分の残存量をできるだけ低減させ、Cステージ層の硬化残分中の揮発分残存率が5重量%以下になるよう調整することが好ましい。沸点が110℃を超える溶剤を使用した場合には、溶剤残存率を低下させるために接着シートの形成温度を過度に上昇させる必要があり、その結果、引き続くCステージ層と導体との層間密着性が不十分となる傾向があるため好ましくない。また使用溶剤の沸点が70℃未満である場合は、(a−1)成分と(a−2)成分との脱メタノール反応に長時間を要するため好ましくない。
こうして得られた(A)成分は、(a−1)成分中の水酸基がシラン変性されたエポキシ樹脂を主成分とするが、当該(A)成分中には未反応の(a−1)成分や未反応の(a−2)成分が含有されていてもよい。
(A)成分は、その分子中に(a−2)成分に由来するメトキシシリル部位とビスフェノール型エポキシ樹脂に由来するエポキシ基を有している。このメトキシシリル部位は、溶剤の蒸発や加熱処理により、又は水分(湿気)との反応により、相互に結合した硬化物を形成する。かかる硬化物は、ゲル化した微細なシリカ部位(シロキサン結合の高次網目構造)を有するものである。従って、(A)成分中に含まれるメトキシ基は、用いた(a−2)成分のメトキシル基の60モル%以上を保持しているのが好ましい。またエポキシ基は後述するポリカルボン酸系エポキシ樹脂用硬化剤(C)(以下、(C)成分という)と反応するものである。
本発明に用いるアクリルポリマー(B)(以下、(B)成分という)としては、ガラス転移温度が20℃以下であり、接着剤硬化物に柔軟性を付与し、且つ耐熱性を損なわないものであれば公知の物を制限なく使用することができる。ガラス転移点が20℃を超える場合には、接着剤硬化物の柔軟性が悪化するため好ましくない。なお、(B)成分のガラス転移温度は、−50〜20℃とすることにより、(A)成分など他成分と混合が容易となる為、溶剤を減らせ、粘度調整が容易となることから好ましく、さらに−50〜0℃とすることが季節要因等気温の影響を受け難く特に好ましい。このような(B)成分としては、カルボキシル基、ヒドロキシル基からなる群から選ばれた少なくとも一つの官能基を有するものであって、一般的に、(1)アクリル酸エステル、α−置換アクリル酸エステルを主成分とし、これに架橋点として上記官能基の少なくとも1個を含有させてなる重合体、又は(2)上記官能基を有するモノマーの少なくとも1個を上記主成分であるモノマーとグラフト重合させたポリマーがあげられる。具体的には、アクリル酸エステル又はα−置換アクリル酸エステル(b−1)(以下、(b−1)成分という)の1種を主成分とした構成成分に、エポキシ基含有モノマー(b−2)(以下、(b−2)成分という)、カルボキシル基含有モノマー(b−3)(以下、(b−3)成分という)、ヒドロキシル基含有モノマー(b−4)(以下、(b−4)成分という)からなる群から選ばれた少なくとも一つの官能基を有するモノマーを共重合させたものである。(b−1)成分としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、オクチルアクリレート等があげられる。(b−2)成分としては、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル類、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等があげられる。(b−3)成分としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸等があげられる。(b−4)成分としては、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート等の多価アルコールのジメタクリレート類、メトキシメチルアクリレート等のアルコキシアクリレート等があげられる。これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。 さらに、必要に応じて他のビニルモノマー、例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル等を共重合させてもよい。 なお、上記(B)成分としては、市販の物をそのまま使用しても良い。市販のアクリルポリマーとしては、例えば、アロンタックS−1511L、S−1511X、S−1515、S−1517(商品名 東亞合成(株)社製)、トアアクロンAR−601、AR−602、AR−603(商品名 (株)トウペ社製)が、ニポールAR−31、AR−51、AR−54(商品名 日本ゼオン(株)社製)、ノックスタイトPA−301、PA−501、PA−502(商品名 NOK(株)社製)、テイサンレジンWS−022、WS−023、SG−51、SG−80(商品名 ナガセケムテックス(株)社製)等があげられる。これらは単独で又は併せて用いられる。なお、(B)成分は、エポキシ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基のいずれの官能基を有していてもよいが、これらのなかでも硬化層の密着性に優れることからカルボキシル基、ヒドロキシル基を有するものが好ましい。(B)成分の配合割合は特に限定はされないが、接着剤硬化物と導体との層間密着性の点から、(A)成分の硬化残分に対して20〜200重量%であるのが好ましい。当該配合割合が20重量部未満であれば、導体に対する硬化層の密着性が不十分となり、また200重量部を超えると耐熱性が低下する傾向がある。なお、(A)成分の硬化残分は次のようにして求められる。すなわち、(A)成分と1当量のトリエチレンテトラミンを混合し、当該混合液をアルミカップ(50mm径)に約1gを秤り取り(計量(i))、これを100℃で1時間、続いて200℃で2時間乾燥、硬化させて再計量(計量(ii))し、下式から算出する。
硬化残分(%)=(計量(ii)−トリエチレンテトラミン重量)×100/計量(i)
本発明に用いる(C)成分としては、公知のポリカルボン酸系硬化剤を使用することができる。具体的には、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、3,6−エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサクロルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチル−3,6−エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸が、あげられる
本発明の接着剤組成物をプリント配線板用接着剤として用いる場合には、前記の通り、Bステージ及びCステージを経て、目的とするプリント配線板とされるが、Bステージでは、プリント配線板用接着剤の揮発分((A)成分中の製造用溶剤、当該樹脂(A)のメトキシシリル部位のゾル−ゲル硬化反応により副生するメタノール、接着剤組成物中の溶剤(D)(以下、(D)成分という))の残存率を低減させることにより、引き続くCステージでの気泡発生を防ぐ必要がある。しかしながら、当該Bステージでは、引き続いて得られるCステージ層の導体に対する層間密着性も考慮する必要がある。すなわち、Bステージの接着シートが導体と密着させる温度で十分な表面タックを発現しうるよう、エポキシを残存させておく必要があり、そのためBステージにおいては当該樹脂(A)のエポキシ基との硬化が進行しない潜在性硬化剤を用いることが好ましい。このような潜在性硬化剤としては、フェノール樹脂系硬化剤が最適である。
メトキシシリル部位のゾル−ゲル硬化反応ではアルコールが発生するため、(A)成分中のエポキシ基と、(C)成分との間で、エポキシ基の開環・架橋反応による硬化が進行した後に当該アルコールが発生した場合、接着剤硬化物に発泡やクラックが生じる恐れがある。そこで、有機スズ触媒等のゾルゲル硬化促進剤を添加する必要があるが、当該促進剤はアクリルポリマーに含有されるカルボン酸、水酸基等の官能基と錯化し、結果として接着剤組成物のポットライフが短くなる恐れがある
上記のBステージやCステージでの設計観点も考慮すると、(C)成分の配合割合は、接着剤組成物中に存在するエポキシ基1当量に対して(C)成分中の活性水素を有する官能基が0.5〜1.2当量の範囲であるのが好ましい。
本発明に用いる(D)成分は、接着剤組成物の粘度を調整するために用いる。例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン系、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系、トルエン、キシレン等の芳香族系、セロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート等のセロソルブ系、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール等のアルコール類、ジメチルホルムアミドなどの非プロトン性極性溶媒があげられる。これらの中では、乾燥後の溶剤の残存率が少ないことから、沸点が70〜150℃程度のものを用いることが好ましい。なお、(A)成分の製造用溶剤を選定するのと同じ理由から、これらの中でもメチルエチルケトンが最も好ましい。(D)成分の配合割合は特に限定されず、接着剤組成物の塗布方法に応じて適宜決定すればよい。
本発明の接着剤組成物は、上記の各種必須構成成分、すなわち、(A)成分、(B)成分、(C)成分を配合して調製される。このようにして得られた接着剤組成物は、プリント配線板用接着剤、TABテープ用接着剤等として用いることができる。
本発明の接着剤組成物の組成は、その用途に応じて適宜に調整できるが、通常は、当該接着剤組成物から得られる接着剤硬化物中のシリカ換算重量が7〜41重量%になるよう配合するのが好ましい。なお、同換算重量が15〜25重量%の場合には、接着剤硬化物の耐熱性、基材との密着性が優れており、特に好ましい。ここでシリカ換算重量とは、接着剤組成物中に含まれる(A)成分の製造に用いた(a−2)成分をゾル−ゲル硬化反応せしめて得られるシリカの重量をいう。当該接着剤組成物から得られる接着剤硬化物中のシリカ換算重量の調整方法としては、(A)成分、(B)成分、(C)成分の配合比を上記記載の比率の範囲内で調整する方法の他に、その他の固形成分を含有させる方法や(a−2)成分を添加する方法がある。このようなその他の固形成分としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂(a−2)の他、従来公知のノボラック型エポキシ樹脂、水添エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。
また、前記接着剤組成物には、エポキシ硬化促進剤を含有させ、エポキシ樹脂と硬化剤との硬化反応を促進させ、銅箔などの基材の貼り合わせ後に行う接着剤組成物の硬化の温度を下げ、硬化時間を短縮することができる。例えば、1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの三級アミン類;2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾールなどのイミダゾール類;トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィンなどの有機ホスフィン類;テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボレートなどのテトラフェニルボロン塩などをあげることができる。当該硬化促進剤は(A)成分の硬化残分に対して、0.05〜5重量%の割合で使用するのが好ましい。
本発明の接着剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、充填剤、離型剤、表面処理剤、難燃剤、粘度調節剤、可塑剤、抗菌剤、防黴剤、レベリング剤、消泡剤、着色剤、安定剤、カップリング剤等を配合してもよい。
本発明の接着剤組成物は、通常、70〜210℃程度に加熱することにより、接着剤硬化物とすることができる。当該硬化物は、通常、室温での貯蔵弾性率(E´)が10〜10Pa程度、150℃での貯蔵弾性率(E´)が106〜108Pa程度、周波数が1MHzでの誘電率が3〜4、誘電正接が0.01〜0.04、線膨張係数が100〜500ppm/Kである。なお、硬化においては、まず、70〜150℃で硬化を行った後、さらに150℃〜210℃程度で硬化を行う2段階硬化とすることが、ボイド等の発生を抑制することができるため好ましい。
本発明の接着シートは、本発明の接着剤組成物を基材に塗布し、70〜150℃にて半硬化させることにより得られる。基材としては特に制限されず、用途に応じて公知のものを制限なく使用することができる。具体的には、例えば、ポリイミド、ポリエーテルイミド、芳香族ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリマー、又はフレキシブルエポキシ/ガラスクロスなどからなる複合材料などのシートやフィルムなどが挙げられる。なお、ここでいう液晶ポリマーとは、溶融時に液晶状態を示すポリマーであれば特に制限されず、公知のものを制限なく使用できる。このようなものの例としては、例えば、4,4´−ビフェノールやハイドロキノン等のジオール成分と、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等のジカルボン酸成分を重縮合反応させたものや、さらに、2−ヒドロキシナフトエ酸やポリエチレンテレフタレート等の成分を共重合したものなどが挙げられる。なお、ノバキュレート(商品名 三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)、ザイダー(商品名 新日本石油化学(株)製)、ロッドラン(商品名 ユニチカ(株)社製)、ベクトラ(商品名 ポリプラスチックス社製)、シベラス(商品名 東レ(株)社製)、スミカスーパー(商品名 住友化学工業(株)社製)、ゼナイト(商品名 DuPont社製)等の市販の液晶ポリマーを使用しても良い。特に、プリント配線板やTABテープに用いる場合には、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、液晶ポリマーなどのフィルムを用いることが、耐熱性等の点から好ましい。
本発明の積層体とは、前記接着剤組成物を用い、基材と金属箔を積層することにより得られる。基材としては、前記接着シートに用いられる基材をそのまま使用することができるが、特に、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド及び液晶ポリマーからなる群より選ばれるいずれか一種からなる基材を用いることが、耐熱性等の点から好ましい。また、金属箔としては、当該積層体の用途に応じて各種公知のものを用いることができる。具体的には、金箔、銀箔、銅箔、ニクロム箔などが挙げられるが、特にプリント配線板やTABテープ等に用いる場合には、銅箔、ニクロム箔が好ましい。なお、本発明の積層体は、その耐熱性等の特性から、プリント配線板やTABテープ等に好適に用いることができる。
本発明の接着剤組成物をフレキシブルプリント配線基板やTABテープ用接着剤として使用し、積層体を得る場合には、例えば特開平6−338681号公報に記載された方法などを好ましく適用できる。具体的には、本発明の接着剤組成物を用い、耐熱性有機絶縁フィルムに金属箔を積層する。フレキシブルプリント配線基板に使用される耐熱性有機絶縁フィルムとしては、ポリイミド、ポリエーテルイミド、芳香族ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリマー又はフレキシブルエポキシ/ガラスクロスなどからなる複合材料をフィルムとしたものなどが好適である。導体としては、銅箔(具体的には、電解銅箔や圧延銅箔など)、ニクロム箔等が一般的に用いられる。耐熱性有機絶縁フィルムに金属箔を積層するには、耐熱性有機絶縁フィルムに本発明の接着剤組成物を塗布し、Bステージ硬化させるが、得られる接着シートの柔軟性を考慮して、当該硬化層の膜厚が5〜35μm程度になるよう塗布量を調整するのがよい。硬化層の膜厚が5μm未満では充分な接着性が得られず、また35μm以上ではBステージ化に時間を要する為、生産効率が悪い。また、接着シートの作製条件は、通常70〜150℃、1〜30分程度の範囲であればよい。90℃未満では溶剤(D)が残存しやすいため、又はアルコキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂のゾル−ゲル硬化反応が不充分なために、Cステージで接着剤硬化物が発泡する恐れがある。150℃を超えると、アルコキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂(A)のエポキシ基とポリカルボン酸系エポキシ樹脂用硬化剤(C)との反応が過度に進行するため、導体との層間密着性が不十分となる。ついで、得られた接着シート上に銅箔を60〜140℃でラミネートして張り合わせ、130〜210℃程度で0.5〜3時間程度に加熱して、接着シートをCステージ硬化させればよい。
本発明の接着剤組成物をTAB用途、すなわちTAB用接着剤付きテープへ適用する場合には、前記フレキシブルプリント配線基板の作成方法と同様にして、膜厚が10〜15μm程度になるように接着シートを作製し、必要に応じて離型性保護フィルムを張り合わせることにより、TAB用接着剤付きテープが得られる。当該保護フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどが好ましく使用される。また、上記保護フィルム上に接着シートを形成させ、ついでこれに耐熱性有機絶縁フィルムを張り合わせることによってもTAB用接着剤付きテープを作製できる。こうして得られるTAB用接着剤付きテープは、使用時に保護フィルムを取り去り、銅箔、ニクロム箔等にラミネートして使用される。
以下、実施例及び比較例をあげて本発明を具体的に説明する。なお、各例中、%は特記なし限り重量基準である。
製造例1(メトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂(A−1)の製造)
攪拌機、冷却管、温度計を備えた反応装置に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名「エピコート1001」、エポキシ当量480g/eq)800.0g及びMEK960.0gを加え、80℃で溶解した。更にメチルトリメトキシシラン(CHSi(OCH)の部分縮合物でSiの平均個数が3.5である、ポリ(メチルトリメトキシシラン)(多摩化学(株)製、商品名「MTMS−A」)605.0gと触媒としてジブチル錫ラウレート2.3gを加え、80℃で5時間、脱メタノール反応させて、有効成分(硬化後)50%、シリカ換算重量/ビスフェノール型エポキシ樹脂(1)の重量(重量比)が0.54、エポキシ当量1400g/eqのメトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂(A−1)を得た。また、メチルトリメトキシシランの部分縮合物成分のメトキシル基の87モル%が保持されていることが、H-NMRで確認された。
製造例2(メトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂(A−2)の製造)
攪拌機、冷却管、温度計を備えた反応装置に、エピコート1001を600.0g及びMEK941.0gを加え、80℃で溶解した。更にMTMS−A1022.8gと触媒としてジブチル錫ジラウレート4.0gを加え、80℃で5時間、脱メタノール反応させて、有効成分(硬化後)52%、シリカ換算重量/ビスフェノール型エポキシ樹脂(1)の重量(重量比)が1.2、エポキシ当量1930g/eqのメトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂(A−2)を得た。また、メチルトリメトキシシランの部分縮合物成分のメトキシル基の87モル%が保持されていることが、H-NMRで確認された。
参考例1(接着剤組成物の調製)
製造例1で得たメトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂(A−1)を20.0g、アクリルポリマー(B)としてナガセケムテックス(株)社製、商品名「テイサンレジン WS−023」(ガラス転移点は−25℃)を8.0g、エポキシ樹脂用硬化剤としてフェノールノボラック樹脂(荒川化学工業(株)製、商品名「タマノル759」、水酸基当量106g/eq)を1.06g、芳香族アミン(三井武田ケミカル(株)製、商品名「MDA−220」、アミン当量49.6g/eq)を0.21g、溶剤(D)としてメチルエチルケトンを30.5g加え均一に溶解して接着剤組成物を調製した。(B)成分の配合割合は(A)成分の硬化残分に対して80重量%であった。接着剤組成物中に存在するエポキシ基1当量に対してエポキシ樹脂用硬化剤中の活性水素を有する官能基は1当量である。接着剤硬化物中のシリカ換算重量が18重量%である。
参考例2(接着剤組成物の調製)
製造例1で得たメトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂(A−1)を20.0g、(a−2)成分としてエピコート1001を7.5g、テイサンレジンWS−023を14.0g、タマノル759を2.21g、MDA−220を0.44g、メチルエチルケトンを75.0g加え均一に溶解して接着剤組成物を調製した。(B)成分の配合割合は(A)成分の硬化残分に対して80重量%であった。接着剤組成物中に存在するエポキシ基1当量に対してエポキシ樹脂用硬化剤中の活性水素を有する官能基は1当量である。接着剤硬化物中のシリカ換算重量が13重量%である。
参考例3(接着剤組成物の調製)
製造例2で得たメトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂(A−2)を20.0g、テイサンレジンWS−023を8.0g、タマノル759を1.06g、MDA−220を0.21g、メチルエチルケトンを30.5g加え均一に溶解して接着剤組成物を調製した。(B)成分の配合割合は(A)成分の硬化残分に対して80重量%であった。接着剤組成物中に存在するエポキシ基1当量に対してエポキシ樹脂用硬化剤中の活性水素を有する官能基は1当量である。接着剤硬化物中のシリカ換算重量が28重量%である。
実施例(接着剤組成物の調製)
製造例1で得たメトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂(A−1)を20.0g、ポリカルボン酸系エポキシ樹脂用硬化剤(C)としてメチルヘキサヒドロ無水フタル酸(新日本理化(株)製、商品名「リカシッド MH−700」、酸無水物当量164g/eq)を 2.34g、ゾル−ゲル硬化促進剤としてオクチル酸第1錫(吉富ファインケミカル(株)製、商品名「スタノクト」)を0.19g、エポキシ樹脂用硬化促進剤として、2−エチル−4−メチルイミダゾール(四国化成(株)製、商品名「キュアゾール2E4MZ」)を0.02g、WS−023を8.0g、MEKを33g加え均一に溶解して接着剤組成物を調製した。(B)成分の配合割合は(A)成分の硬化残分に対して80重量%とした。接着剤組成物中に存在するエポキシ基1当量に対して(C)成分中の活性水素を有する官能基は1当量である。接着剤硬化物中のシリカ換算重量が17重量%である。
参考(接着剤組成物の調製)
アクリルポリマー(B)としてナガセケムテックス(株)製、商品名「テイサンレジン SG−300」(ガラス転移点は−50℃)を8.0g、溶剤(D)としてメチルエチルケトンを4.0g加えた以外は実施例1と同じ仕込量で同じ操作を行い、接着剤組成物を調製した。(B)成分の配合割合は(A)成分の硬化残分に対して80重量%であり、接着剤硬化物中のシリカ換算重量が18重量%である。
比較例1(接着剤組成物の調製)
エピコート1001を20.0g、タマノル759を3.09g、MDA−220を0.62g、WS−023を8.0g、メチルエチルケトンを67.0g加え均一に溶解して接着剤組成物を調製した。(B)成分の配合割合は(A)成分の硬化残分に対して80重量%である。接着剤組成物中に存在するエポキシ基1当量に対してエポキシ樹脂用硬化剤中の活性水素を有する官能基は1当量である。
比較例2(接着剤組成物の調製)
攪拌機、冷却管、温度計、窒素吹き込み口を備えた反応装置に、末端カルボキシル基含有ブタジエンニトリルゴム(宇部興産(株)製、商品名、「HYCAR CTBN1300×31」数平均分子量3500、結合アクリロニトリル含量10%)を142g、ジエポキシ化合物としてビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(商品名「エピコート828」、ジャパンエポキシレジン(株)製、エポキシ当量190g/eq)を29g仕込み、150℃で3時間反応した。反応後、80℃以下まで冷却してからMEKを57g加えてエポキシ基含有合成ゴム75%MEK溶液とした。この溶液を10.7g、MEK溶液を28g加えた以外は実施例1と同じ仕込量で同じ操作を行い、接着剤組成物を調製した。接着剤硬化物中のシリカ換算重量は18重量%である。
比較例3(接着剤組成物の調製)
アクリルポリマー(B)として商品名「ARUFON UH−2020」、東亞合成(株)社製(ガラス転移点は50℃)を8g加えた以外は実施例1と同じ仕込量で同じ操作を行い、接着剤組成物を調製した。
(B)成分の配合割合は(A)成分の硬化残分に対して80重量%である。接着剤硬化物中のシリカ換算重量は18重量%である。
参考例5〜8、実施例2、比較例4〜6(接着シート、接着剤硬化物、積層体の作製)
50μmのポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム(帝人デュポンフィルム(株)製 商品名「テオネックスQ83」)、ポリイミドフィルム(東レ・デュポン(株)製 商品名「カプトンH」)、液晶ポリマーフィルム(ジャパンゴアテックス(株)製 商品名「BIAC」)に、参考例1〜4、実施例1及び比較例1〜3の接着剤組成物を硬化後の厚みが15μmとなるようにロールコーターにて塗布、135℃で3分、乾燥、硬化させ、接着シートを得た。18μm厚の電解銅箔上(古河サーキットフォイル(株)製「F2−WS」(18μm))に前記の樹脂付きフィルムを重ね合わせた後に155℃、2.5時間加熱して、接着剤硬化物層を含む積層体を作製した。
(剥離強度)
参考例5〜8、実施例、及び比較例4〜6の積層体をJIS C−6481に準じて、銅箔とフィルムとの剥離強度を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0004088837
(耐熱性)
参考例5〜8、実施例、及び比較例4〜6で作製した、PENフィルムを用いた積層体を200℃で8時間加熱し、その後のピール強度の減少率を調べた。結果を表2に表す。
Figure 0004088837

表1及び表2から明らかなように、本発明による積層体は、密着性、耐熱性に優れており、通常のプリント配線板はもちろん、多層プリント配線板の製造に最適であることが明らかである。

Claims (9)

  1. ビスフェノール型エポキシ樹脂(a−1)及びメトキシシラン部分縮合物(a−2)を脱アルコール反応させて得られるメトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂(A)、カルボキシル基及び/又は水酸基を有し、ガラス転移点が20℃以下のアクリルポリマー(B)、ポリカルボン酸系エポキシ樹脂用硬化剤(C)を含有することを特徴とする接着剤組成物(ただし、フェノール樹脂を含有するものを除く)。
  2. メトキシシラン部分縮合物(a−2)が、テトラメトキシシラン及び/又はメチルトリメトキシシランの部分縮合物である請求項1記載の接着剤組成物。
  3. メトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂(A)が、メトキシシラン部分縮合物(a−2)のシリカ換算重量/ビスフェノール型エポキシ樹脂(a−1)の重量(重量比)で0.25〜1.2である請求項1又は2に記載の接着剤組成物。
  4. 接着剤硬化物中のシリカ換算重量が7〜41重量%になる請求項1〜3のいずれかに記載の接着剤組成物。
  5. アクリルポリマー(B)の配合量がシラン変性エポキシ樹脂(A)の硬化残分に対し、20〜200重量%である請求項1〜4のいずれかに記載の接着剤組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の接着剤組成物に更に、溶剤(D)を必須成分として含有することを特徴とする接着剤組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の接着剤組成物を硬化させることにより得られる接着剤硬化物。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の接着剤組成物を基材に塗布し、70〜150℃にて半硬化させて得られる接着シート。
  9. 請求項1〜6のいずれかに記載の接着剤組成物を用い、基材と金属箔を積層することにより得られる積層体。
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