JP3069152B2 - 複合型制振材料用粘弾性組成物 - Google Patents

複合型制振材料用粘弾性組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複合型制振材料用の粘
弾性組成物に係わり、さらに詳しくは、機械や構造物の
振動を減衰させ、騒音を低減させることができる振動吸
収能の高い複合型制振材料を製造する際に使用される粘
弾性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、静かな居住空間を求めて家電製
品、自動車、工作機械等からの振動による騒音を防ぐ技
術開発が急がれている。このような動向に対応して、騒
音源や振動源である金属材料に対して制振性能を付与す
ることや、その制振性能の向上を図ることが要請されて
いる。そこで従来より、かかる制振性能を発揮する材料
の一つとして、2つの金属層の中間に粘弾性樹脂からな
る粘弾性中間層を挟み込んだ3層構造を有する複合型制
振材料が提案されている。そしてこれら複合型制振材料
は、例えば、自動車のオイルパンやエンジンカバー、ホ
ッパのシュート部、搬送設備のストッパー、家電機器、
その他金属加工機械の振動低減部材や振動防止が望まれ
る精密機械の構造部材等において検討され採用されてい
る。
【0003】複合型制振材料の2つの金属層を構成する
金属材料としては、互いに相対面し、中間に粘弾性樹脂
を挟み込んで制振材料を構成しうるものであればよく、
金属板と成形プラスチック板のように異なる材質の層が
積層されたものであってもよい。ここでいう金属層を形
成する金属としては、特に限定されるものではないが、
通常、鉄、アルミニュウム、銅、鉛、あるいは、これら
を一成分とする合金類、さらには亜鉛、錫、クロム等で
メッキされた金属材料、及びエポキシ樹脂、メラミン樹
脂等で表面処理されたものであってもよい。
【0004】ところで、このような複合型制振材料の制
振性能は一般にその粘弾性中間層の性能に依存してい
る。複合型制振材料の制振性能は損失係数で表すことが
できる。通常、粘弾性中間層をなす樹脂のガラス転移温
度の近傍にあるピーク特性温度で最も優れた制振性能が
発揮されることが知られている。
【0005】複合型制振材料の粘弾性中間層をなす材料
としては、従来、制振性だけを優先して熱可塑性樹脂を
使用することが主に検討されてきた。提案されたものと
してはポリアマイド(特開昭56−159号公報)、エ
チレン−酢酸ビニル共重合(特開昭57−34号公
報)、ポリビニルブチラール(特公昭55−27号公
報)等がある。
【0006】また飽和ポリエステル樹脂に架橋剤として
有機過酸化物及び充填剤を配合した組成物(特公昭53
−9794号公報)、線状非晶質ポリエステル樹脂に酸
無水物、エポキシ化合物を配合した熱硬化性樹脂組成物
(特開昭63−75056号公報)も知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、複合型制振
材料に要求される特性としては、損失係数が大きいこ
と、及び中間層の樹脂と金属層との接着強度、特に剪断
接着強度、T剥離強度が高いことが重要である。しかも
複合型制振材料は、200℃程度まで加熱される焼き付
け塗装工程を経ることもあるので、高温での剪断接着強
度も要求される。
【0008】上記従来の粘弾性組成物で製造される複合
型制振材料においては、これらいずれかの性能に問題が
あり、充分満足の行くものではなかった。特に0℃〜5
0℃の常温域で優れた制振性能を発揮するためには、硬
化物のガラス転移温度が常温もしくはそれ以下である必
要があるのに対して、剪断接着強度は常温、高温を問わ
ず高いことが要求されるが、この剪断接着強度はガラス
転移温度を越えると急激に低下するので、これらの要求
性能を同時に満足するものはなかった。
【0009】非晶質ポリエステル樹脂を硬化剤としてポ
リイソシアネート化合物を用いて硬化させた塗膜も(特
公昭53−9794号公報)、非晶質ポリエステル樹脂
を酸無水化合物及び多価エポキシ化合物で硬化させた硬
化膜も充分な剪断接着強度、まして高温での剪断接着強
度を有するものではなかった。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者はかかる相反す
る要求性能を同時に満足するべく鋭意検討した結果、
エポキシドで変性した水酸基含有多官能高分子量線状ポ
リエステル樹脂及び/またはジエポキシドで変性した水
酸基含有多官能高分子量分岐状ポリエステル樹脂からな
るジエポキシド変性水酸基含有ポリエステル樹脂は、
「水酸基を分子末端のみならず、エポキシ基の開環に
より生じた水酸基を分子の中程に含有するため、架橋密
度を高めることができる」、「しかも適度に分岐し、
水酸基も適度に分布したポリエステル樹脂を水酸基と反
応性を有する硬化剤を用いて硬化させた膜のガラス転移
に基ずくtanδの分布は幅広い温度域で高い値を示
す」、「同時に剪断接着強度も幅広い温度範囲で高い
値を示す」等の特徴を有することを見い出し本発明に想
到した。
【0011】ここで本発明の組成物を詳細に説明する
と、ジエポキシド変性水酸基含有ポリエステル樹脂とし
ては、テレフタル酸及び/又はイソフタル酸を必須とし
た芳香族ジカルボン酸を必須のジカルボン酸成分として
使用し、必要ならば、さらに脂肪族及び/又は脂環式ジ
カルボン酸をも併用し、他方、二価アルコール成分とし
て、アルキレングリコールを主体とする二価のアルコー
ルを使用して常法に従ってポリエステル化せしめて得ら
れる線状の中間体ポリエステル樹脂及び/又は前記成分
にさらに三官能以上のポリカルボン酸及び/又はポリオ
ールを使用して得られる分岐状の中間体ポリエステル樹
脂にジエポキシドを反応せしめて得られるものであっ
て、かつ数平均分子量が4000以上のものなどが挙げ
られる
【0012】ジエポキシドと反応せしめられる中間体ポ
リエステル樹脂としては、特に末端酸基数と末端水酸基
数との比(酸基数/水酸基数)が0.1以上で、かつ、
数平均分子量が2000〜12000、好ましくは30
00〜10000なる範囲のものが好適である。この中
間体ポリエステル樹脂の分子量が2000未満であると
きは、該樹脂を高分子量化するために使用されるジエポ
キシドの使用量が増えることになり、その結果生成する
ジエポキシド変性水酸基含有ポリエステル樹脂自体の官
能基の量が多くなりすぎて、常温域での制振性能が不十
分な値を示す。逆に、この分子量が12000を超える
と結果的には生成するジエポキシド変性水酸基含有ポリ
エステル樹脂の官能基が少なすぎて、高温域の剪断接着
強度の高い値が得られない。
【0013】ここにおいて、上記したテレフタル酸及び
/又はイソフタル酸を必須とした芳香族ジカルボン
しては、これらのテレフタル酸又はイソフタル酸のそれ
ぞれを単独で使用するか、あるいは併用するかを基本と
して、これらの他に、フタル酸、メチルフタル酸、エチ
ルテレフタル酸、又はナフタレンジカルボン酸の如き、
テレフタル酸及びイソフタル酸以外の各種の化合物を包
含した形で用いることが出来る。
【0014】また、本発明において必要に応じて加えら
れる前記の脂肪族及び/又は脂環式ジカルボン酸の代表
的なものを挙げれば、テトラヒドロフタル酸、メチルテ
トラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘ
キサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタ
ル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、マ
レイン酸、フマル酸、イタコン酸、コハク酸、グルタル
酸、アジピン酸、アゼライン酸、ピメリン酸、スベリン
酸、セバシン酸、二量体脂肪酸などがある。これらの脂
肪族及び/又は脂環式ジカルボン酸は要求される温度制
振性能に応じて加えられる。
【0015】また、中間体ポリエステル樹脂の重要な構
成成分である二価アルコールとして代表的なものは、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレ
ングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタ
ンジオール、1,5−ペンタンジオール、イソペンチル
グリコール、1,6−ヘキサンジオールもしくはネオペ
ンチルグリコールの如きアルキレングリコールを挙げら
れる。これらの他1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル、ビスヒドロキシエチル・テレフタレート、水添ビス
フェノールA、水添ビスフェノールAのアルキレンオキ
サイド付加物あるいはジエチレングリコールなどの芳香
族グリコール、脂環式グリコール又は上記した如きアル
キレングリコール以外の脂肪族グリコールなども必要に
応じて適量併用することができる。またモノエポキシ化
合物もグリコール成分として併用できることは勿論であ
る。
【0016】分岐状の中間体ポリエステル樹脂を生成す
るために用いられる三官能以上のポリカルボン酸及び/
又はポリオールの使用割合は、ポリカルボン酸にあって
は酸全成分中0.3〜7モル%の範囲であり、ポリオー
ルにあっては全アルコール成分中0.1〜7モル%の範
囲である。最適の使用範囲としては両成分ともに0.5
〜5モル%である。カルボン酸が0.3モル%未満ある
いはポリオールが0.1モル%未満であると、巾広い温
度域で期待される制振性能および剪断接着強度が得られ
ない。逆に、それぞれの成分使用量が7モル%を越える
ときは、剪断接着強度のみに優れ、制振性能の低い複合
型制振材料を与えるものになる。また樹脂製造時または
樹脂溶液の保存時に中間体ポリエステル樹脂がゲル化す
る危険性も出てくる。上記「三官能以上のポリカルボン
酸」の代表的なものとしては、トリメリット酸、ピロメ
リット酸、トリメシン酸またはシクロペンタンテトラカ
ルボン酸などがあげられる。他方、上記した「三官能以
上のポリオール」の代表的なものとしては、グリセリ
ン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、
ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、又は
マンニットなどが挙げられる。
【0017】さらに、中間体ポリエステル樹脂と反応せ
しめられる前記ジエポキシドとは該樹脂中のカルボキシ
ル基と反応性のあるエポキシ基を分子中に2個有するも
のを指称し、その代表的なものとしては「エピコート
828(オランダ国シェル社製のビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂;エポキシ当量=184〜194)」、「エ
ピコート 1001(同上;エポキシ当量=450〜5
00)」、もしくは「エピコート 1004(同上;エ
ポキシ当量=875〜975)」の如きビスフェノール
型エポキシド類、グリセリンジグリシジルエーテルもし
くはネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、
1,6ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ポリエ
チレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレ
ングリコールジグリシジルエーテルの如き脂肪族エーテ
ル型ジエポキシド類、「ユノックス201(アメリカ国
ユニオン・カーバイド社製の脂環式ジエポキシド
類)」、もしくは「ユノックス 207(同上)」の如
き脂環族ジエポキシド類、あるいはジグリシジルフタレ
ート、ジグリシジルテトラヒドロフタレートもしくはダ
イマー酸のジグリシジルエステルの如きエステル型ジエ
ポキシド類などがある。
【0018】そして、このジエポキシドを前記した中間
体ポリエステル樹脂に付加反応させるには該樹脂中の末
端カルボキシル基数対ジエポキシド化合物中のエポキシ
基数の比(カルボキシル基/エポキシ基)が0.5〜4
となる範囲でジエポキシドを使用するのが適当である。
尚、このエポキシド付加反応、前記したポリエステル樹
脂の製法は公知慣用の方法で遂行できる。また従来公知
の触媒も用いることができる。
【0019】また、中間体ポリエステル樹脂とジエポキ
シドとの反応の際に使用される有機溶剤としては、ベン
ゼン、トルエン、キシロールの如き芳香族炭化水素類、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンの如きケ
トン類、また酢酸エチル、酢酸ブチルの如きエステル類
の中でも比較的低沸点の溶剤が複合型制振材料の製造に
は有利である。
【0020】本発明の組成物を構成するもう一方の成分
である水酸基と反応性を有する硬化剤としては、アミノ
樹脂、ポリイソシアネート化合物、ブロックイソシアネ
ート化合物、多価カルボン酸の無水物、及び多価エポキ
シ化合物より選ばれる1種以上からなるものである。こ
こにおいて、このアミノ樹脂として代表的なものは、メ
ラミン、ベンゾグアナミンの如きアミノトリアジン系化
合物、あるいは尿素、チオ尿素の如き尿素系化合物とホ
ルムアルデヒドあるいはその同効物質とを公知の方法に
より反応させて得られる縮合物、またこれらの縮合物を
アルコール類でエーテル化せしめたものなどである。他
方ポリイソシアネート化合物としては、ヘキサメチレン
ジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシ
アネートの如き脂肪族ジイソシアネート類、キシリレン
ジイソシアネート、トリレンジイソシアネートの如き芳
香族ジイソシアネート類、あるいはこれら芳香族ジイソ
シアネートあるいはこれら芳香族ジイソシアネート類の
核水添化物、またはイソホロンジイソシアネートの如き
脂環式ジイソシアネート類などが代表的なものとして挙
げられ、さらにはこれらジイソシアネート類の環状3量
体あるいは多価アルコールとの付加物などをも挙げるこ
とができる。また、ブロックイソシアネート化合物と
は、上記イソシアネート化合物をブロック化せしめたも
ので、ブロック化剤としては、フェノール系、ラクタム
系、活性メチレン系、アルコール系、メルカプタン系、
活性アミド系、イミド系、アミン系、アミダゾール系、
尿素系、オキシム系、あるいは亜硫酸系などの中から選
ばれる慣用のものが挙げられる。さらにかかるブロック
化ジイソシアネート類の解離触媒としては、ジブチルチ
ンジラウレートの如きスズ化合物を含む慣用のものが使
用できる。多価カルボン酸の無水物としては、無水マレ
イン酸、無水イタコン酸等の酸無水基含有不飽和単量体
と共重可能な他の単量体と共重合させることにより得ら
れるようなものでよい。また、トリメリット酸、テトラ
ヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水
ヘット酸、無水ハイミック酸、無水マレイン酸、無水イ
タコン酸、無水ピロメリット酸、グリセロールトリス
(トリメリテート)、又はエチレングリコールジ(トリ
メリテート)などの中から1種以上を用いることが出来
る。次に、多価エポキシ化合物としては、前記中間体ポ
リエステル樹脂の変性に用いたものもそのまま用いるこ
とができるが、さらに官能度を2から3あるいは4と高
めるほうが有利である。例えば、ソルビトールポリグリ
シジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエー
テル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、
トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシ
アヌレート、グリセロールポリグリシジルエーテル、ト
リメチロールプロパンポリグリシジルエーテルなどの中
より1種以上を用いることができる。
【0021】前記アミノ樹脂、ポリイソシアネート化合
物、ブロックイソシアネート化合物、多価カルボン酸の
無水物及び/又は多価エポキシ化合物等の硬化剤は単独
あるいは併用して用いられる。それぞれの硬化剤の使用
量はジエポキシド変性水酸基含有ポリエステル樹脂との
重量比(該ポリエステル樹脂:硬化剤)で99:1〜6
0:40であり、より好ましくは95:5〜75:25
の範囲内である。
【0022】ジエポキシド変性水酸基含有ポリエステル
樹脂は架橋されて、接着強度、制振性能等の諸特性が満
足される。この架橋反応は使用する硬化剤及び組み合わ
せにより、金属材料間に樹脂組成物層が形成された後の
加熱で容易に進行する場合もあるが、各官能基間の反応
を容易に進行させるために、あるいは製造ラインに合わ
せた適当な反応速度にするために各種触媒を使用するこ
とが出来る。
【0023】本発明の組成物の硬化後の接着強度をさら
に向上させるためにはシランカップリング剤の使用も効
果的である。シランカップリング剤としては、カルボキ
シル基、エポキシ基と反応性を有する官能基を持ったシ
ランカップリング剤が好ましい。このようなシランカッ
プリング剤としては、γ−アミノプロピルトリメトキシ
シラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−
アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルトリイソプロピオキシシラン、N−(アミルエチ
ル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミ
ノ基を含有するアミン系シランカップリング剤や、
(3,4−エポキシ−シクロヘキシル)エチル−トリメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシ
ラン等のエポキシ基を含有するエポキシ系シランカップ
リング剤等が効果的である。
【0024】本発明の組成物を用いて複合型制振材料を
製造する方法については、特に制限されるものではない
が、代表的な方法としては、鋼板に塗料状の樹脂溶液を
塗工した後、溶媒を蒸発させて乾燥し鋼板を加熱圧着す
ることにより貼り合わせる方法、本発明の組成物の溶融
物を鋼板に塗工する方法、剥離性基材上に本発明の組成
物を形成し、鋼板に移行させて鋼板を加熱圧着して貼合
わせる方法等を採用することが出来る。
【0025】また、上記組成物に充填剤として導電性固
体物質を配合することにより、導電性を付与し、得られ
る制振材料をスポット溶接可能な材料とすることができ
る。このような目的で使用される導電性物質としては、
ステンレス、亜鉛、スズ、銅、黄銅、ニッケル等の金属
粉を粉末状、フレーク状、ファイバー状等に加工した金
属物質や、銅メッキ処理したガラスフレーク等の金属メ
ッキ処理を施したものや、カーボンブラック、グラファ
イト、カーボンファイバー等の導電性炭素質物質を挙げ
ることができる。尚、これ以外にも必要に応じて各種の
充填剤や酸化防止剤等の各種添加剤を使用することがで
きる。
【0026】
【実施例】次に、本発明を実施例によって説明するが、
これはあくまで一態様でしかなく、本発明は実施例のみ
によって限定されるものではない。また文中「部」
「%」は全て重量基準を示す。
【0027】参考例1〔多官能性高分子量分岐状ポリエ
ステル樹脂(A−I)の調製例〕 テレフタル酸228部、イソフタル酸76部、セバチン
酸92部、エチレングリコール69部、1,6ヘキサン
ジオール113部、トリメチロールプロパン3部、およ
びモノブチルチンオキサイド0.5部を反応器に仕込
み、窒素ガス気流下で6時間以内に220℃になるよう
に徐々に昇温させ同温度に4時間保持する。ついで脱水
を促進するため15部のキシロールを還流させながら滴
下し、さらに220℃に反応温度を保持しつつ反応を続
けて酸価15で水酸基価が4なる中間体ポリエステル樹
脂を得た。このものの数平均分子量は6200であっ
た。しかるのち、この中間体ポリエステル樹脂をキシレ
ン/酢酸ブチル(重量比70/30)混合溶剤に溶解し
て不揮発分を60%に調整しこれに「デナコールEX−
920〔長瀬産業(株)より販売されている、ポリプロ
ピレングリコールのジグリシジルエーテル:エポキシ当
量=180〕」22.5部および2−メチル−イミダゾ
ール0.2部を加え、125℃に昇温して11時間加熱
反応せしめた。反応後キシレン・酢酸ブチルを加えて不
揮発分を40%に調整し酸価1.5および数平均分子量
12600なる多官能性高分子量分岐状ポリエステル樹
脂溶液を得た。この樹脂溶液の粘度はガードナー法でZ
3 −Z4 であった。以下、これを「ポリエステル樹脂溶
液(A−I)」と略記する。
【0028】参考例2〔多官能性高分子量分岐状ポリエ
ステル樹脂(A−II)の調製例〕 ポリエステル化成分をテレフタル酸50部、イソフタル
酸50部、アジピン酸224部、エチレングリコール7
4部、ネオペンチルグリコール122部、およびトリメ
チロールプロパン3部なる組成に変更し、かつ、モノブ
チルチンオキサイドに代わる同量の「Fascat41
00」(米国M&T社製モノブチルスズ酸)を使用する
以外は、参考例1と同様にして、酸価10、水酸基価1
8、および数平均分子量3100なる中間体ポリエステ
ル樹脂を得た。以後も「デナコールEX−920」に代
えて「エピクロン 1050−70X〔大日本インキ化
学工業(株)製のビスフェノールA型エポキシ樹脂:エ
ポキシ当量=450〜500〕」を150部用いた以外
は参考例1と同様の操作を繰り返して、不揮発分が40
%でガードナー粘度がZ4 であって酸価1.3、数平均
分子量10200である多官能性高分子量分岐状ポリエ
ステル(A−II)を得た。
【0029】参考例3〔高分子量線状ポリエステル樹脂
(A−III)の調製例〕 テレフタル酸226部、イソフタル酸75部、セバチン
酸92部、エチレングリコール70部、1,6−ヘキサ
ンジオール115部、およびモノブチルチンオキサイド
0.5部を反応容器に仕込み、窒素ガス気流下に6時間
220℃に昇温し、その後も同温度に4時間保持する。
次いで、15部のキシロールを還流させながら滴下し、
さらに220℃で16時間反応を続行させて、酸価5
水酸基価6、および数平均分子量5800なる中間体
リエステル樹脂を得た。ジエポキシドとして「エピクロ
ン 1050−70X」を64.2部加え120℃で6
時間反応を行い、得られた樹脂の数平均分子量は120
00であった。しかる後、このポリエステル樹脂をキシ
レン/酢酸ブチル(70/30)に溶解させて不揮発分
40%に調製したところガードナー粘度Yなるポリエス
テル(A−III)を得た。
【0030】実施例1〜6 参考例1〜2において得られた各多官能性高分子量ポリ
エステル樹脂溶液及び参考例3において得られたポリエ
ステル樹脂溶液のそれぞれ100部に対して硬化剤とし
てポリイソシアネート、ブロックイソシアネート樹脂、
酸無水物を表1に示した量だけ加え、クリヤー塗料を得
た。この塗料状組成物を0.4mm厚の冷延鋼板に塗工
し、160℃で2分乾燥した後、2枚の鋼板を貼合わ
せ、220℃で2分間加熱圧着して粘弾性中間層の厚さ
50ミクロンの制振材料を得た。T剥離接着強度はJI
S K−6854にもとずき50mm/minsの引っ張り速
度で評価し、剪断接着強度はJIS−K−6850に基
ずき5mm/minsの引っ張り速度で評価した。制振性能は
機械インピーダンス法500Hzで測定した。結果を表1
に示す。
【0031】
【表1】
【0032】表1の結果から、実施例1〜6の組成物は
いずれも180℃下における剪断強度が充分な値を示し
ていること、および制振性能に優れていることがわか
る。又T剥離強度にも優れている。従って本発明によれ
ば、制振性能、常温下の剪断強度、高温下の剪断強度お
よびT剥離強度のいずれをも備えた複合型制振材料用粘
弾性組成物を提供できることが確認できた。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように本発明の複合型制
振材料用粘弾性組成物は、ジエポキシド変性水酸基含有
ポリエステル樹脂と、水酸基に対して反応性を有する硬
化剤とからなるものなので、制振性能、常温下の剪断強
度、高温下の剪断強度およびT剥離強度を兼備したもの
となる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F16F 15/02 F16F 15/02 Q (72)発明者 上垣 忠義 兵庫県加古川市神野町石守575−19 (72)発明者 斉藤 隆司 兵庫県加古川市平岡町二俣1011 (72)発明者 石田 隆一 兵庫県神戸市灘区岸地通4−1−11 (56)参考文献 特開 平1−198622(JP,A) 特開 昭63−75056(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 18/00 - 18/87 C08G 59/00 - 59/72 C08L 67/00 - 67/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシドで変性した水酸基含有多官
    能高分子量線状ポリエステル樹脂及び/又はジエポキシ
    ドで変性した水酸基含有多官能高分子量分岐状ポリエス
    テル樹脂からなるジエポキシド変性水酸基含有ポリエス
    テル樹脂と、水酸基に対して反応性を有する硬化剤とか
    らなる複合型制振材料用粘弾性組成物。
  2. 【請求項2】 ジエポキシド変性水酸基含有ポリエステ
    ル樹脂が、テレフタル酸及び/又はイソフタル酸を必須
    とした芳香族ジカルボン酸とアルキレングリコールを主
    体とする二価アルコールとを主要ポリエステル化成分と
    し、必要に応じてさらに脂肪族ジカルボン酸及び/又は
    脂環式ジオールをも存在させ、これらをポリエステル化
    せしめて得られる、線状の中間体ポリエステル樹脂とジ
    エポキシドとの反応により得られる数平均分子量が40
    00以上のポリエステル樹脂、及び/又は、テレフタル
    酸及び/又はイソフタル酸を必須とした芳香族ジカルボ
    ン酸とアルキレングリコールを主体とする二価アルコー
    ルとを主要ポリエステル化成分とし、さらにこれに全酸
    成分に対して0.3〜7モル%の三官能以上のポリカル
    ボン酸及び/又は全アルコール成分に対して0.1〜7
    モル%の三官能以上のポリオールをも用い、必要に応じ
    てさらに脂肪族ジカルボン酸及び/又は脂環式ジオール
    をも存在させ、これらをポリエステル化せしめて得られ
    る、分岐状の中間体ポリエステル樹脂とジエポキシドと
    の反応により得られる数平均分子量が4000以上のポ
    リエステル樹脂である請求項1記載の複合型制振材料用
    粘弾性組成物。
  3. 【請求項3】 ジエポキシド変性水酸基含有ポリエステ
    ル樹脂が、テレフタル酸及び/又はイソフタル酸を必須
    とした芳香族ジカルボン酸とアルキレングリコールを主
    体とする二価アルコールとを主要ポリエステル化成分と
    し、必要に応じてさらに脂肪族ジカルボン酸及び/又は
    脂環式ジオールをも存在させ、これらをポリエステル化
    せしめて得られる、末端酸基数と末端水酸基数との比が
    0.1以上で、かつ、数平均分子量2000〜120
    00の範囲内にある線状の中間体ポリエステル樹脂とジ
    エポキシドとの反応により得られる数平均分子量が40
    00以上のポリエステル樹脂、及び/又は、テレフタル
    酸及び/又はイソフタル 酸を必須とした芳香族ジカルボ
    ン酸とアルキレングリコールを主体とする二価アルコー
    ルとを主要ポリエステル化成分とし、さらにこれに全酸
    成分に対して0.3〜7モル%の三官能以上のポリカル
    ボン酸及び/又は全アルコール成分に対して0.1〜7
    モル%の三官能以上のポリオールをも用い、必要に応じ
    てさらに脂肪族ジカルボン酸及び/又は脂環式ジオール
    をも存在させ、これらをポリエステル化せしめて得られ
    る、末端酸基数と末端水酸基数との比が0.1以上で、
    かつ数平均分子量が2000〜12000の範囲内にあ
    る分岐状の中間体ポリエステル樹脂とジエポキシドとの
    反応により得られる数平均分子量が4000以上のポリ
    エステル樹脂である請求項1記載の複合型制振材料用粘
    弾性組成物。
  4. 【請求項4】 水酸基と反応性を有する硬化剤が、メラ
    ミン樹脂、ポリイソシアネート化合物、ブロックイソシ
    アネート化合物、多価カルボン酸の無水物、及び多価
    ポキシ化合物より選ばれる1種以上からなるものである
    請求項1記載の複合型制振材料用粘弾性組成物。
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