JPH07164891A - オープンカーの車体構造 - Google Patents

オープンカーの車体構造

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JPH07164891A
JPH07164891A JP31646593A JP31646593A JPH07164891A JP H07164891 A JPH07164891 A JP H07164891A JP 31646593 A JP31646593 A JP 31646593A JP 31646593 A JP31646593 A JP 31646593A JP H07164891 A JPH07164891 A JP H07164891A
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Toshifumi Suzuki
俊史 鈴木
Satoru Nakano
哲 中野
Kiyoshi Sakurai
潔 櫻井
Tomonori Otsubo
智範 大坪
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Abstract

(57)【要約】 【目的】幌部が展開状態をとるクローズド状態もしくは
幌部が折畳状態とされて格納室部に格納されるオープン
状態をとるオープンカーを構成するにあたり、オープン
状態におかれたもとでの荷室容積の増大が容易に図られ
るものとなす。 【構成】車室部分の上部を覆う展開状態と覆わない折畳
状態とを選択的にとる幌部5が備えられた車体本体2に
移動可能に設けられ、車室部分の後方となる位置におい
て、幌部5が折畳状態をとって格納される格納室部10
を形成する幌格納室形成部15と、幌部5が折畳状態に
あるとき、幌格納室形成部15に、その下方に形成され
る車体本体2の後部内に連なる空間部20の容積を変化
させる移動を行わせるモータ23L,23Rを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車室部分の上部を覆う
展開状態と覆わない折畳状態とを選択的にとる幌部が備
えられるとともに、その幌部が折畳状態とされて格納さ
れる格納室部が設けられて成るオープンカーの車体構造
に関する。
【0002】
【従来の技術】固定されたルーフ部に代えて、車体本体
とは別体に設けられた幌部によって車室部分の上部を覆
うようにした、所謂、ソフトトップ型のオープンカー
が、例えば、特開昭 63-188520号公報にも記載されてい
る如くに、折畳可能とされる幌部を備えたものとして知
られている。このようなソフトトップ型のオープンカー
にあっては、折畳可能とされる幌部が、通常、伸縮移動
可能とされた骨組構体、及び、その骨組構体に張られた
幌布を有するものとして構成される。斯かる幌部は、車
室部分の上部を覆う展開状態をとるものとされるとき、
骨組構体が伸長状態をとって幌布をその内側から支持す
るものとされ、それにより、オープンカーが、その車室
部分を外界から遮断することができる、所謂、クローズ
ド状態におかれることになり、また、車室部分の上部を
覆わない折畳状態をとるものとされるときには、骨組構
体が、幌布を伴って収縮状態をとり、車体本体における
車室部分の後方となる位置に格納され、それにより、オ
ープンカーが、その車室部分が開放空間を成すものとさ
れる、所謂、オープン状態におかれることになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、展開状態
と折畳状態とを選択的にとる幌部が備えられるオープン
カーにあっては、一般に、車体本体における車室部分の
後方に、折畳状態におかれた幌部が格納される格納室部
が設けられるとともに、その格納室部に折畳状態をもっ
て格納された幌部を覆うカバー部が備えられる。そし
て、幌部が展開状態をとるクローズド状態にあるもとで
は、格納室部が荷室として利用され得るものとなり、荷
室容積全体の増大を図ることができることになる。それ
に対して、幌部が折畳状態をもって格納室部に格納され
るオープン状態にあるもとでは、格納室部が荷室として
利用できないことになり、従って、クローズド状態にあ
る場合と異なり、荷室容積全体の増大を図ることが困難
とされるという問題がある。
【0004】斯かる点に鑑み、本発明は、車室部分の上
部を覆う展開状態と覆わない折畳状態とを選択的にとる
ものとされる幌部が備えられ、幌部が展開状態をとるク
ローズド状態もしくは幌部が折畳状態をもって格納室部
に格納されるオープン状態におかれるオープンカーを構
成するにあたり、オープンカーがオープン状態におかれ
たもとにあっても、その荷室容積の増大が容易に図られ
るものとされるオープンカーの車体構造を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成すべ
く、本発明の第1の態様に係るオープンカーの車体構造
は、車室部分の上部を覆う展開状態と覆わない折畳状態
とを選択的にとる幌部が備えられた車体本体に移動可能
に設けられ、車体本体内の車室部分の後方となる位置に
おいて、幌部が折畳状態をとって格納される格納室部を
形成する幌格納室形成部と、幌格納室形成部を移動させ
る駆動手段とが備えられ、駆動手段が、幌部が格納室部
に格納された折畳状態にあるとき、幌格納室形成部に、
その下方に形成される車体本体の後部内に連なる空間部
の容積を変化させる移動を行わせることができるものと
されて、構成される。
【0006】また、本発明の第2の態様に係るオープン
カーの車体構造は、車室部分の上部を覆う展開状態と覆
わない折畳状態とを選択的にとる幌部が備えられた車体
本体に設けられ、車体本体内の上記車室部分の後方とな
る位置において、幌部が折畳状態をとって格納される格
納室部を形成する幌格納室形成部と、幌部の一部を成す
カバー部とが備えられ、カバー部が、幌部が展開状態を
とるとき車室部分の上部を覆う位置に配され、また、幌
部が折畳状態をとるとき、幌格納室形成部により形成さ
れる格納室部を開状態とすべく回動可能な状態におかれ
たもとで、折畳状態におかれて格納室部に格納された幌
部を覆うものとされて、構成される。
【0007】
【作用】上述の如くに構成される本発明の第1の態様に
係るオープンカーの車体構造にあっては、車体本体内に
おける車室部分の後方に設けられる幌格納室形成部が、
それにより形成される格納室部に折畳状態をとる幌部が
格納されるもとにおいて、駆動手段により、例えば、車
体本体に対して上下方向に折畳状態をとる幌部を伴って
移動せしめられ、それによって、その下方に形成される
車体本体の後部内に連なる空間部の容積を変化させるも
のとされる。従って、オープンカーが、幌部が折畳状態
とされて格納室部に格納されるオープン状態におかれた
もとでは、幌格納室形成部の下方に形成される空間部
が、その容積が必要に応じて増大せしめられて荷室の一
部として利用される得るものとなされ、その結果、荷室
容積全体の増大が容易に図られることになる。
【0008】また、本発明の第2の態様に係るオープン
カーの車体構造にあっては、車室部分の上部を覆う展開
状態と覆わない折畳状態とを選択的にとる幌部の一部
が、幌部が展開状態をとるときには、車室部分の上部を
覆う位置に配され、幌部が折畳状態におかれて格納室部
に格納されるときには、格納室部に格納された幌部を覆
う状態をとり、しかも、格納室部を開状態とすべく回動
するものとされるカバー部により構成される。従って、
オープンカーが、幌部が折畳状態とされて格納室部に格
納されるオープン状態におかれたもとでは、格納室部内
においてそこに格納された幌部を覆う状態におかれたカ
バー部の下方に形成される、幌部によって占められない
空間が、荷室の一部として利用される得るものとなさ
れ、その結果、荷室容積全体の増大が容易に図られるこ
とになる。
【0009】
【実施例】図2は、本発明に係るオープンカーの車体構
造の一例を、それが適用されたオープンカーと共に示
す。
【0010】図2に示されるオープンカー1において
は、フロントウインドシールド3が組み付けられた車体
本体2に対して、一点鎖線により示される如くの展開状
態と、実線により示される如くの折畳状態とを選択的に
とるものとされる幌部5が装着されている。幌部5は、
リアウインドシールド形成部7を有し、展開状態とされ
ることにより、車体本体2内における車室部分の上部及
び後部を覆う使用状態におかれて、オープンカー1をク
ローズド状態におかれるものとなし、また、折畳状態と
されることにより、車体本体2内における車室部分の上
部及び後部を覆わない非使用状態におかれて、オープン
カー1をオープン状態におかれるものとなす。
【0011】幌部5の折畳状態は、図3に示される如
く、幌部5を構成する複数の骨組部材8Aと骨組部材8
Aに係合せしめられた幌布8Bとが収縮せしめられるこ
とによってとられ、折畳状態をとるものとされた幌部5
は、車体本体2内における車室部分に配置された運転席
11及び助手席12の後方に形成される格納室部10に
格納される。格納室部10は、車体本体2内における車
室部分の後方となる位置に、車体本体2に対して上下方
向に移動可能に設けられた幌格納室形成部15によって
形成される。
【0012】幌格納室形成部15は、折畳状態におかれ
た幌部5が載置される底板部15Aと、幌部5を回動可
能に支持する回動軸16が夫々取り付けられた左右リア
フェンダー部2L及び2Rに各々対向する左方壁部15
L及び右方壁部15Rと、車体本体2の後部内に形成さ
れてリッド4Aを備えるものとされるトランク室4との
境界を形成する後方壁部15Bと、底板部15Aから車
室部分のフロア部14に向かって伸びる下方板部15C
とを有して構成されている。また、幌格納室形成部15
における底板部15Aは、その下方に、トランク室4に
連なる空間部20を形成するものとされており、この空
間部20は、幌格納室形成部15の車体本体2に対する
上下方向の移動に応じて容積を変化させる可変容積空間
部とされる。
【0013】また、図2に示される如く、幌格納室形成
部15によって形成される格納室部10内には、折畳状
態とされて格納室部10に格納される幌部5に当接する
幌状態判別スイッチ6が設けられており、幌状態判別ス
イッチ6は、幌部5が展開状態をとるときオフ状態とさ
れるとともに、幌部5が折畳状態におかれるときオン状
態とされる。
【0014】幌格納室形成部15における左方壁部15
L及び右方壁部15Rの夫々には、図1に示される如
く、上下方向に伸びるラック21が固定されて設けられ
ている。また、車体本体2の左リアフェンダー部2Lに
おける左方壁部15Lに設けられたラック21に対向す
る部分、及び、右リアフェンダー部2Rにおける右方壁
部15Rに設けられたラック21に対向する部分には、
ステー22を介して幌格納室形成部15の下方に位置す
る車体構成部材18により支持された、減速機付きのモ
ータ23L及び23Rが夫々配されている。モータ23
L及び23Rの夫々における回転軸にはピニオンギア2
4が取り付けられており、モータ23Lに取り付けられ
たピニオンギア24及びモータ23Rに取り付けられた
ピニオンギア24は、幌格納室形成部15の左方壁部1
5Lに設けられたラック21、及び、右方壁部15Rに
設けられたラック21に夫々係合している。
【0015】さらに、左リアフェンダー部2L及び右リ
アフェンダー部2Rの夫々の内側には、図示が省略され
ているが、車体上下方向に伸びて幌格納室形成部15に
係合するガイド部材が設けられていて、それにより、幌
格納室形成部15は、モータ23L及び23Rの回転軸
の回動が左方壁部15L及び右方壁部15Rに夫々設け
られたラック21を介して伝達され、モータ23L及び
23Rの回転軸の回転方向に応じて、それに格納された
折畳状態をとる幌部5を伴って昇降せしめられ、図3に
示される如くの、空間部20の容積を比較的小なるもの
となす下方位置,図4に示される如くの、空間部20の
容積を比較的大なるものとなす上方位置、及び、斯かる
下方位置と上方位置との間の位置を適宜選択的にとる。
【0016】モータ23L及び23Rの夫々は、幌部5
が折畳状態におかれて幌状態判別スイッチ6がオン状態
とされたもとで、図示が省略された操作スイッチが、例
えば、オープンカー1の運転者によって操作されること
により、その回転軸を操作スイッチの操作状態に応じた
回転方向をもって回転させる動作状態をとる。それによ
り、幌部5が折畳状態におかれたもとで操作スイッチが
操作されることにより、幌格納室形成部15が、図3に
示される如くの下方位置を限度として、折畳状態をとる
幌部5を伴って下降し、空間部20の容積を縮小する状
態、及び、図4に示される如くの上方位置を限度とし
て、折畳状態をとる幌部5を伴って上昇し、空間部20
の容積を拡大する状態を、選択的にとるものとされる。
そして、このようにして可変容積空間部とされる空間部
20は、トランク室4に連なった荷室として利用され
る。
【0017】従って、幌部5が折畳状態をとって幌格納
室形成部15に格納され、オープンカー1がオープン状
態とされるもとにあっては、幌格納室形成部15の下方
においてトランク室4に連なるものとして形成される空
間部20の容積が必要に応じて増大せしめられ、その容
積が増大された空間部20が荷室の一部として利用でき
るものとされることになり、オープンカー1における荷
室容積全体の増大が図られる。しかも、空間部20は、
トランク室4に連なるものとされることにより、その容
積の拡大が実質的にトランク室4を拡大することとな
り、荷室としての有用性が極めて高いものとされる。
【0018】図5及び図6は、本発明に係るオープンカ
ーの車体構造の他の例をそれが適用されたオープンカー
と共に示す。図5及び図6に示されるオープンカー41
においては、フロントウインドシールド3が組み付けら
れた車体本体42に対して、例えば、合成樹脂製とされ
るカバー部45及びリアウインドシールド形成部7を有
した幌布部46の夫々がその一部を成すものとして設け
られた幌部47が装備されている。
【0019】幌部47は、図6に示される如くに、カバ
ー部45が車室部分の上部を覆うとともに、カバー部4
5に連なる幌布部46が車室部分の後部を覆う展開状態
と、図5に示される如くに、車室部分を覆わないものと
されて、車体本体42内における車室部分に配置された
運転席11及び助手席12の後方に形成された格納室部
48に格納される折畳状態とを、選択的にとるものとさ
れており、展開状態をとるとき、オープンカー41をク
ローズド状態におかれるものとなし、また、折畳状態を
とるとき、オープンカー41をオープン状態におかれる
ものとなす。
【0020】幌部47が折畳状態とされて格納される格
納室部48は、図7及び図8に示される如く、幌格納室
形成部49により形成されている。そして、幌部47に
おける幌布部46を支持する骨組構体を構成する左右一
対の骨組部材47L及び47Rが、幌格納室形成部49
の左右壁部に回動軸50A(一方の回動軸50Aは図に
あらわれない)を介して取り付けられて、幌格納室形成
部49により回動可能に支持されている。斯かる骨組部
材47L及び47Rは、幌部47が折畳状態とされて格
納室部48に格納されたとき、幌格納室形成部49の底
板部49A上から上方に向けて伸びる湾曲部を有してい
る。そして、幌部47におけるカバー部45は、その左
方側縁部45Lの後端部及び右方側縁部45Rの後端部
が、夫々、骨組部材47Lにおける湾曲部の先端及び骨
組部材47Rにおける湾曲部の先端に回動軸50Bを介
して取り付けられたものとされている。
【0021】カバー部45は、幌部47が展開状態にお
かれるときには、回動軸50Aを回転中心とした一対の
骨組部材47L及び47Rの格納室部48から離隔する
方向への回動により、図8において実線により示される
如くに、幌布部46を伴って格納室部48から車体前方
側に移動せしめられ、車室部分の上部を覆うものとさ
れ、また、幌部47が折畳状態とされて格納室部48に
格納されるときには、一対の骨組部材47L及び47R
の格納室部48に近接する方向への回動により、左方側
縁部45L及び右方側縁部45Rに設けられた回動軸5
0Bを回転中心として、図8において一点鎖線により示
される如くの、幌格納室形成部49における前方壁部4
9Bに当接しない第1の回動位置、及び、図8において
二点鎖線により示される如くの、その先端部が幌格納室
形成部49における前方壁部49Bに当接するものとさ
れ、折畳状態とされて格納室部48に格納された幌部4
7をその上方から覆うことになる第2の回動位置をとる
回動を行うことができる位置に配され、幌格納室形成部
49により形成される格納室部48を開閉する蓋体とし
ての機能を有するものとされる
【0022】カバー部45の車幅方向に伸びる前端部を
成す前方側縁部45Aには、フロントウインドシールド
3を支持するフロントヘッダー51に設けられたラッチ
機構52に係合するストライカ部材53が設けられてい
る。ストライカ部材53は、幌部47が展開状態におか
れるとき、フロントヘッダー51に設けられたラッチ機
構52に係合せしめられて、幌部47の展開状態が維持
されるようになし、また、展開状態におかれた幌部47
が折畳状態に移行せしめられる際には、ラッチ機構52
に対する係合が解除されるものとされる。そして、幌部
47が折畳状態とされて格納室部48に格納されたもと
で、カバー部45に設けられたストライカ部材53に係
合する係合機構55が、幌格納室形成部49における前
方壁部49Bに配設されている。
【0023】係合機構55は、図9に示される如く、カ
バー部45に設けられたストライカ部材53に選択的に
係合するラッチ部材56と、ラッチ部材56にロッド5
7を介して連結されたキー操作部58とを備えている。
キー操作部58は、カバー部45が第2の回動位置をと
るもとでキー操作され、そのキー操作に応じて、図9に
おいて実線により示される如くに、ラッチ部材56にス
トライカ部材53に係合する位置をとらせて、カバー部
45を第2の回動位置に維持するロック状態、もしく
は、図9において一点鎖線により示される如くに、ラッ
チ部材56にストライカ部材53との係合を解除させる
位置をとらせて、カバー部45を第2の回動位置から第
1の回動位置への回動を可能なものとなすアンロック状
態をとる。
【0024】さらに、カバー部45は、その左方側縁部
45L及び右方側縁部45Rに、夫々、回動可能に取り
付けられた一対のサイドカバー部分59L及び59Rを
有している。サイドカバー部分59Lには、図10に示
される如く、カバー部45の左方側縁部45Lに沿って
伸びるロッド60に固着された一対の連結部61(一方
は図にあらわれない)が設けられている。ロッド60は
左方側縁部45Lによって回動可能に支持されており、
骨組部材47Lの湾曲部に近接する端部には、傘歯車6
2が設けられている。傘歯車62は、骨組部材47Lに
固着された回動軸50Bの端部に設けられた大径傘歯車
63に係合しており、カバー部45における左方側縁部
45L及び右方側縁部45Rが、図8において実線及び
一点鎖線により示される如くの骨組部材47L及び47
Rにおける湾曲部の先端からその延長方向に伸びる状態
にあるもとでは、図10において実線により示される如
くに、サイドカバー部分59Lを、カバー部45の内面
に対向する第1の回動位置を維持するものとなし、サイ
ドカバー部分59Lが実質的にカバー部45内に収容さ
れた状態となす。
【0025】大径傘歯車63は、カバー部45が回動軸
50Bを支点として、第1の回動位置から第2の回動位
置へと回動するとき、及び、第2の回動位置から第1の
回動位置へと回動するときの夫々において、傘歯車62
を介して、ロッド60を反時計方向及び時計方向に回動
させる。それにより、サイドカバー部分59Lは、カバ
ー部45の第1の回動位置から第2の回動位置への回動
に伴って、カバー部45の内面に対向する第1の回動位
置から、略180度回転せしめられて、図10において
一点鎖線により示される如くの、カバー部45からその
外方に突出する第2の回動位置へと移行し、また、カバ
ー部45の第2の回動位置から第1の回動位置への回動
に伴って、第2の回動位置から略180度回転せしめら
れて第1の回動位置に戻る。
【0026】サイドカバー部分59Rも、サイドカバー
部分59Lと同様に、カバー部45における右方側縁部
45Rにより回動可能に支持されるとともに傘歯車が設
けられたロッドに連結され、その傘歯車と骨組部材47
Rに固着された回動軸50Bの端部に設けられた大径傘
歯車との係合により、カバー部45の回動に伴って回転
せしめられて、サイドカバー部分59Lが第1の回動位
置をとるとき、カバー部45の内面に対向する第1の回
動位置をとり、また、サイドカバー部分59Lが第1の
回動位置から第2の回動位置へと移行するとき、第1の
回動位置から略180度回転せしめられて、カバー部4
5からその外方に突出する第2の回動位置をとり、さら
に、サイドカバー部分59Lが第2の回動位置から第1
の回動位置へと移行するとき、第2の回動位置から略1
80度回転せしめられて第1の回動位置に戻る。
【0027】従って、カバー部45が、図6に示される
如くの、車室部分の上部を覆う位置、あるいは、図8に
示される如くの、折畳状態とされて格納室部48に格納
された幌部47を覆わない第1の回動位置をとるときに
は、サイドカバー部分59L及び59Rは、実質的にカ
バー部45内に収容された状態とされる第1の回動位置
におかれ、それにより、オープンカー41の外観を損な
わないものとされる。また、カバー部45が、折畳状態
とされて格納室部48に格納された幌部47をその上方
から覆う第2の回動位置をとるときには、サイドカバー
部分59L及び59Rは、格納室部48に格納された幌
部47をその側方から覆うものとなる第2の回動位置に
おかれ、それにより、図5に示される如くに、幌格納室
形成部49により形成される格納室部48が、カバー部
45及びサイドカバー部分59L及び59Rによって確
実に閉塞される。そして、カバー部45及びサイドカバ
ー部分59L及び59Rによって閉塞される格納室部4
8内においてカバー部45の下方に形成される、折畳状
態とされた幌部47により占められる空間以外の空間
が、荷室として利用される。
【0028】このようにして、幌部47が折畳状態とさ
れて幌格納室形成部49により形成される格納室部48
に格納され、オープンカー41がオープン状態とされる
もとにあっては、カバー部45が、格納室部48を開状
態とする第1の回動位置をとるべく回動され得るものと
されたもとで、第2の回動位置におかれて格納室部48
に格納された幌部47を覆う状態をとり、また、幌部4
7における、カバー部45を除いた、幌布部46及び骨
組構体が、比較的小なる容積をもって折り畳まれた状態
におかれて、幌格納室形成部49により形成される格納
室部48内におけるカバー部45の下方に、折畳状態と
された幌部47により占められない空間が、比較的大な
る容積をもって残され、その空間が荷室として利用され
ることになる。従って、オープンカー41における荷室
容積全体の増大が図られ、しかも、カバー部45が第2
の回動位置におかれて格納室部48に格納された幌部4
7を覆う状態が、キー操作部58に対するキー操作によ
り維持されるので、格納室部48内に荷物が格納された
とき、その荷物の盗難が防止されることになる。
【0029】なお、図7に示される如くに、カバー部4
5における前方側縁部45Aの左右に夫々係合部材65
が取り付けられるとともに、幌格納室形成部49におけ
る前方壁部49Bの左右に夫々被係合部材66が取り付
けられ、カバー部45及び一対のサイドカバー部分59
L及び59Rによって、幌格納室形成部49により形成
される格納室部48が閉塞されるとき、係合部材65及
び被係合部材66が相互係合状態をとるものとされる場
合には、カバー部45及び一対のサイドカバー部分59
L及び59Rが、走行風に起因して発せられる騒音が効
果的に抑制されるものとなされる。
【0030】
【発明の効果】以上の説明から明らかな如く、本発明に
係るオープンカーの車体構造にあっては、オープンカー
が、幌部が折畳状態とされて格納室部に格納されるオー
プン状態におかれたもとでは、車体本体内における車室
部分の後方において格納室部を形成する幌格納室形成部
の下方に、車体本体の後部内に連なるものとして形成さ
れる可変容積空間部が、必要に応じて増大せしめられて
荷室の一部として利用される得るものとされ、あるい
は、幌部の一部を成すカバー部が、幌格納室形成部によ
り形成される格納室部に格納された幌部を覆う状態をと
り、しかも、格納室部を開状態とすべく回動するものと
されて、格納室部内においてカバー部の下方に形成され
る空間のうちの、幌部によって占められる部分以外の部
分が、荷室の一部として利用される得るものとされ、そ
の結果、オープンカーにおけるオープン状態をとるもと
での荷室容積全体の増大を、容易に図ることができるこ
とになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るオープンカーの車体構造の一例に
おける要部を示す断面図である。
【図2】本発明に係るオープンカーの車体構造の一例を
それが適用されたオープンカーと共に示す平面図であ
る。
【図3】図2に示される例の動作説明に供される図であ
る。
【図4】図2に示される例の動作説明に供される図であ
る。
【図5】本発明に係るオープンカーの車体構造の他の例
をそれが適用されたオープンカーと共に示す斜視図であ
る。
【図6】図5に示される例が適用されたオープンカーに
おける、図5に示される状態とは異なる状態を示す斜視
図である。
【図7】図5及び図6に示される例の構成の説明に供さ
れる斜視図である。
【図8】図5及び図6に示される例の動作説明に供され
る側面図である。
【図9】図5及び図6に示される例に備えられた係合機
構の動作説明に供される図である。
【図10】図5及び図6に示される例に備えられたサイ
ドカバー部分の説明に供される図である。
【符号の説明】
1,41 オープンカー 2,42 車体本体 4 トランク室 5,47 幌部 6 幌状態判別スイッチ 8A,47L,47R 骨組部材 8B,46 幌布部 10,48 格納室部 15,49 幌格納室形成部 20 空間部 23L,23R モータ 45 カバー部 53 ストライカ部材 55 係合機構 59L,59R サイドカバー部分 62 傘歯車 63 大径傘歯車
フロントページの続き (72)発明者 大坪 智範 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車室部分の上部を覆う展開状態と覆わない
    折畳状態とを選択的にとる幌部が備えられた車体本体に
    移動可能に設けられ、該車体本体内の上記車室部分の後
    方となる位置において、上記幌部が上記折畳状態をとっ
    て格納される格納室部を形成する幌格納室形成部と、 上記幌部が上記格納室部に格納された折畳状態にあると
    き、上記幌格納室形成部に、該幌格納室形成部の下方に
    形成される上記車体本体の後部内に連なる空間部の容積
    を変化させる移動を行わせることができる駆動手段と、
    を備えて構成されるオープンカーの車体構造。
  2. 【請求項2】駆動手段が、幌格納室形成部の車体本体に
    対する高さ位置を変化させることができるものとされた
    ことを特徴とする請求項1記載のオープンカーの車体構
    造。
  3. 【請求項3】車室部分の上部を覆う展開状態と覆わない
    折畳状態とを選択的にとる幌部が備えられた車体本体に
    設けられ、該車体本体内の上記車室部分の後方となる位
    置において、上記幌部が折畳状態をとって格納される格
    納室部を形成する幌格納室形成部と、 上記幌部の一部を成し、該幌部が上記展開状態をとると
    き上記車室部分の上部を覆う位置に配され、上記幌部が
    上記折畳状態をとるとき、上記格納室部を開状態とすべ
    く回動可能とされて、上記折畳状態におかれて上記格納
    室部に格納された幌部を覆うものとされるカバー部と、
    を備えて構成されるオープンカーの車体構造。
  4. 【請求項4】カバー部が、該カバー部における左右側端
    部に夫々回動可能に取り付けられ、幌部が折畳状態にお
    かれて格納室部に格納されているもとにおける上記カバ
    ー部の回動に伴って該カバー部に対して回動する、一対
    のサイドカバー部分を有するものとされたことを特徴と
    する請求項3記載のオープンカーの車体構造。
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