JPH0715970Y2

JPH0715970Y2 - 循環式駐車装置

Info

Publication number: JPH0715970Y2
Application number: JP2446289U
Authority: JP
Inventors: 憲治本岡; 敬三山根
Original assignee: Shinmaywa Industries Ltd
Current assignee: Shinmaywa Industries Ltd
Priority date: 1989-03-03
Filing date: 1989-03-03
Publication date: 1995-04-12
Anticipated expiration: 2004-03-03
Also published as: JPH02115859U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は循環式駐車装置に関する。

（従来の技術）駐車装置として、車両を載せる複数のパレットを、互い
に並設された２本の横移送路と、この両横移送路を結ぶ
２本の縦移送路とで循環できるように構成した水平循環
式のものは一般に知られている。上記横移送路は一対の
平行に横方向に延びる横移送レールを備えたものであっ
て、複数のパレットが、該移送路の長手方向に隣り合う
パレット間に設けた連結器にて連結された状態で該横移
送レールに支持され、ピッチ送り手段を用いて移送され
るようになっている。

すなわち、上記横移送レールは、上記パレットを支持し
てその移送を案内するものであって、そのレール高さは
その全長にわたって一定になされている。また、ピッチ
送り手段は、横移送レール上の１つのパレットに係合し
これを上記連結器で連結された他のパレットと共にピッ
チ送りするものである。そして、上記連結器の構成は、
例えば第７図に示すように、パレットｐの両端に逆Ｕ字
状の係合部ａを有する係合部材ｂと、係合部ａに嵌まる
Ｉ字状の係合部ｃを有する係合部材ｄとを設け、隣り合
うパレットｐ同士を上記係合部材b,dにて連結するよう
になっているのが通常である。

上記連結器の場合、係合部材b,dは、パレットｐの移送
方向においては互いの係合部の上記移送方向に相対する
係合面同士の当該係合によって隣り合うパレット同士を
連結するが、左右方向及びパレットｐ同士が上下に離れ
る方向では互いに相手から離脱することができる。つま
り、この左右方向での離脱が自在であることにより、パ
レットｐは縦移送路での移送によって横移送路の端部に
位置するパレットｐに対して係合離脱できるものであ
り、また、上下方向での離脱が可能であることにより、
パレットｐはその昇降によって移送路上のパレットｐに
係合離脱できるものである。

（考案が解決しようとする課題）ところで、上記両係合部材b,dにおいては、その係合離
脱を円滑にするため、係合部a,cの係合面間に若干の遊
びが設けられているのが通常である。従って、従来のよ
うに、水平な横移送レールの場合、各パレットｐが横移
送路上に停止している状態では、隣り合うパレットｐの
係合部材b,dに、第７図に示すようにＩ字状係合部ｃの
両側の係合面間に隙間ｓができているものと、第８図及
び第９図に示すように片側の係合面間にのみ隙間ｓがで
きているものとが生ずることがある。

しかし、上述のように、それぞれの隣り合うパレットp,
pの係合面間に隙間を生じていると、すべてのパレット
ｐを一方向にピッチ送りした際に、隙間を生じていた各
係合面がその当接により同時に衝突音を発し、大きな騒
音になる不具合がある。

すなわち、本考案は、パレットの移動に伴う騒音の発生
を低減できる循環式駐車装置を提供することにある。

（課題を解決するための手段）本考案は、このような課題に対して、パレットの移送レ
ールに傾斜をつけることによい、各パレットが自重でそ
の係合部材の係合面を隣りのパレットの係合部材の係合
面に当接せしめた状態になるようにして、上記騒音の発
生を防止するものである。

すなわち、その具体的な手段は、車両を載せるためのパレットを移送する４本の移送路を
矩形状に配置してパレットを循環せしめる循環路が構成
され、上記４本の移送路のうちの少なくとも１組の互い
に平行な２本の移送路は、複数のパレットを該移送路の
長手方向に相隣るパレット間に設けられる連結器にて連
結した状態で支持しその移送を案内する一対の平行な移
送レールと、この移送レール上の少なくとも１つのパレ
ットに係合しこれを上記連結器で連結された他のパレッ
トと共にピッチ送りする移送手段とを備えている循環式
駐車装置において、上記連結器は、互いに移送路の長手方向に対峙し当該係
合する係合面を各々有し該係合面同士の当該係合によっ
て隣り合うパレット同士を連結した状態とする一対の係
合部材からなり、この両係合部材の各々が隣り合うパレ
ット同士を連結するよう各パレットの上記長手方向にお
ける両端に設けられており、上記移送レールを備えた移送路のうちの少なくとも一の
移送路の移送レールは、各パレットが自重でその係合部
材の係合面を隣りのパレットの係合部材の係合面に当接
せしめた状態になるように移送路の長手方向に傾斜して
いることを特徴とするものである。

（作用）上記循環式駐車装置の少なくとも一の移送路において
は、移送手段に係合しているパレットは、その係合によ
り移動が拘束されているが、他のパレットは、移送レー
ルが傾斜しているため、自重で上記移動が拘束されてい
るパレットに対して接近する方向あるいは離隔する方向
に移動した状態になる。これにより、各パレットはその
係合部材の係合面を隣りのパレットの係合部材の係合面
に当接せしめた状態を保つことになる。よって、移送手
段にてその係合しているパレットをピッチ送りすると、
各パレットは隣り合うもの同士の係合面を当接させた状
態のまま、ピッチ送りされることになる。

（考案の効果）従って、本考案によれば、パレットの移送レールに傾斜
をつけ、各パレットが自重でその係合部材の係合面を隣
りのパレットの係合部材の係合面に当接せしめた状態に
なるようにしたから、パレットのピッチ送りの際の係合
面同士の衝突を防止することができ、パレットの移送に
伴う騒音を低減することができる。

（実施例）以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図および第２図には循環式駐車装置を上下２層にし
て設けた駐車設備が示されている。

同図において、１は上層駐車装置、２は下層駐車装置で
あり、建造物３の地下に設けられている。上層駐車装置
１は、車両を載せるためのパレット４を支持してその移
送を案内する一対の平行に横方向に延びる横移送レール
5,5をそれぞれ備え、互いに平行になるよう並設された
第１と第２の両横移送路6,7と、この両横移送路6,7の両
端部の外側方に設けられ、両横移送路6,7間でパレット
４を移動させる第１と第２の両縦移送路8,9とによりパ
レット４を循環せしめる矩形状の循環路を構成してい
る。各横移送路6,7の中央位置にはパレット４を横移動
させる横移送手段10が設けられている。下層駐車装置２
も上層駐車装置１と実質的には同じ構成である。

まず、上記両横移送路6,7の各横移送レール5,5は、パレ
ット４の下面の車輪4aを係合させて、その複数のパレッ
ト４を移送路長手方向に相隣る各パレット間に設けられ
る連結器11にて連結した状態で支持し、その移送を案内
するものである。この場合、横移送レール5,5は、地下
フロアに組み上げた支柱，梁等からなる支持体12に固定
して支持されている。そして、上記横移送手段10は、駆
動手段13にて垂直軸まわりに回転されるクランクアーム
14と、このクランクアーム14の両端にパレット４の下面
に設けた溝部材15に係合する一対のローラとを備えてい
る。本例の場合、この横移送手段10は、そのローラを横
移送路長手方向の中央に位置する１つのパレット４に係
合し、これを上記連結器11で連結された他のパレット４
と共に、クランクアーム14の回転によりパレット１つ分
ピッチ送りするようになっている。

一方、上記縦移送路8,9は、それぞれ第１横移送路６側
の２つのスプロケット16,16と第２横移送路７側の２つ
のスプロケット17,17とに懸回して上記横移送レール5,5
と直交する縦方向に走行可能に配設された２本のエンド
レスのコンベアチェーン18,18を備える。そして、この
両コンベアチェーン18,18には、それぞれ上記横移送レ
ール５と平行に延び２本１組で上記車輪4aを係合させて
移動可能に支持する複数の移動レール19がこのコンベア
チェーン18の走行可能に沿って配置して架設されてい
る。

また、上記第１縦移送路８を挾んで第１横移送路６の反
対側には、地上の車両の入出庫口20と上層と下層の駐車
装置1,2の三者間でパレット４を昇降せしめる昇降手段2
1が設けられている。この昇降手段21は、パレット載置
台22をガイド23に係合し、モータ24で走行せしめるコン
ベアチェーン（図示省略）に結合してなるものである。

しかして、上記横移送路6,7の各横移送レール5,5は、第
４図にその形状を誇張して示す如く、横移送路長手方向
の中央が高くなるよう湾曲してその長手方向に傾斜して
いる。

上記連結器11は、第３図に示す如く、互いに横移送路長
手方向に対峙する当接係合可能な係合部25a,26aを有す
る一対の係合部材25,26からなる。すなわち、係合部材2
5の係合部25aは、上記長手方向における断面が逆Ｕ字状
になっており、一方、係合部材26の係合部26aは、上記
係合部材25の係合部25aに嵌まるよう同様の断面がＩ字
状になっている。よって、両係合部材25,26は、係合部2
5aに係合部26aが嵌まった状態で上記Ｉ字状係合部26aの
両側に、それぞれ上記長手方向に対向して当接する係合
面25b,26bと、係合面25c,26cとを有することになる。そ
して、上記各係合部材25,26は、上記係合面25bと26bと
の当接、あるいは係合面25cと係合面26cとの当接によ
り、隣り合うパレット4,4同士を連結できるよう、各パ
レット４の上記長手方向における両端に設けられてい
る。

この場合、上記逆Ｕ字状係合部25aの係合面25b,25cの間
隔は、上記Ｉ字状係合部26aの厚さよりも寸法が大きく
なされている。よって、この両係合部25a,26aが嵌合し
た状態では、係合面25b,26b間に隙間S₁ができる場合
と、係合面25c,26c間に隙間S₂ができる場合と、この隙
間S₁と隙間S₂の双方ができる場合とが生じ得ることにな
る。

従って、上記横移送レール5,5においては、横移送路長
手方向における中央の横移送手段10に係合しているパレ
ット４（Ｃ）は、その係合により移動が拘束されている
が、他のパレット４は、横移送レール5,5が上記中央か
らその両端に向かって下降傾斜しているため、第４図に
示す如く、上記移動が拘束されている中央のパレット４
から上記両端に向かって離隔するよう、自重で若干移動
した状態になる。これにより、パレット4,4間の各連結
器11は、すべて係合面25c,26cを当接せしめ、係合面25
b,26b間に隙間S₁を形成した状態に整合される。この場
合、横移送レール5,5の勾配は1/200〜1/500程度あれば
でよい。

また、上述の如く、連結器11は、一方の係合部材25の係
合部25aが逆Ｕ字状で、他方の係合部材26の係合部26aが
Ｉ字状であるから、横移送路長手方向と直交する縦方向
及びパレット4,4同士が上下に離れる方向では、係合部
材25,26は互いに相手から離脱することができる。つま
り、この縦方向での離脱が自在であることにより、パレ
ット４は縦移送路8,9での移送によって横移送路6,7の端
部に位置するパレット４に対して係合離脱できるもので
あり、また、上下方向での離脱が可能であることによ
り、パレット４はその昇降によって縦移送路8,9のパレ
ット４に係合離脱できるものである。

次に、上記駐車設備での入出庫及びパレット４の循環移
動について説明する。

車両は地上の入出庫口20から昇降手段21のパレット４に
移され、この昇降手段21から上層駐車装置１もしくは下
層駐車装置２へ移される。そして、各パレット４は、基
本的には第１縦移送路８から第１横移送路６に送られ、
第２縦移送路9,第２横移送路７を経て第１縦移送路９に
至る循環を行なうようになっている。また、出庫にあた
っては、該当する車両を載せたパレット４が最短距離で
上記昇降手段21の場所に移動できるよう各パレット４が
横移送路6,7及び縦移送路8,9で適宜の循環方向に移送さ
れるものである。

この場合の各パレット４の移送は、第１及び第２の縦移
送路8,9における第１横移送路６側あるいは第２横移送
路７側に空きスペースを形成して行われる。つまり、そ
の空きスペースに横移送路6,7からパレット４を送り込
むことにより、横移送路6,7でのパレット４の移送がで
きるものである。そして、上記横移送路6,7と縦移送路
8,9との間でのパレット４の移送は、縦移送路8,9の２本
１組の移動レール19を横移送路6,7の一対の横移送レー
ル5,5に接続して行われる。

しかして、上記横移送路6,7におけるパレット４の移送
においては、第４図において、パレット群が例えば右方
向Ａに移送される場合、横移送路長手方向の中央よりも
左側に位置する各パレット４は、横移送手段10による中
央のパレット４のピッチ送りにより、これに牽引されて
右方向にピッチ送りされる。この場合は、横移送レール
５の傾斜によりパレット４の自重が作用する方向とピッ
チ送り方向とが逆であるから、各連結器11は係合面25c,
26cを当接せしめた（係合面25b,36b間に隙間S₁を形成し
た）状態が積極的に保たれることになり、パレット４の
移送開始から移送終了に至るまで各連結器11のガタつき
による騒音は発生しない。

特に、本実施例の横移送手段10は、クランクアーム14の
回転によってパレット４を移送するものであるから、そ
れによる送り速度は正弦カーブ的に変化し、パレット４
は微速状態で移送を開始し、また終えることになる。よ
って、上記連結器11はパレット４の移送に伴って受ける
衝撃が小さく、係合部材25,26同士が軽く当接している
状態でも、つまりは横移送レール５の傾斜が緩やかで
も、上記騒音の発生が防止されることになる。

一方、横移送路長手方向の中央よりも左側に位置する各
パレット４についてみれば、横移送レール５の傾斜によ
りパレット４の自重が作用する方向とピッチ送り方向と
が同じであるから、横移送手段10による中央のパレット
４のピッチ送りにより、各パレット４は自重での移動が
許容されることになる。そして、この場合は、パレット
４の車輪4aと横移送レール５との間に何等かの原因で摩
擦抵抗が大きくなる事情がない限りは、各パレット４は
自重で移動し、各連結器11は係合面25c,26cを当接せし
めた状態が保たれるため、そのガタつきによる騒音は発
生しない。

第５図及び第６図はそれぞれ横移送レールの他の例を第
４図の場合と同様にレール形状を誇張して示すものであ
る。

まず、第５図に示す横移送レール31は、横移送路長手方
向の中央が低くなるように湾曲してその長手方向に傾斜
している。従って、各パレット４は横移送手段10にて移
動が拘束されている中央のパレット４（Ｃ）に接近する
よう、自重で若干移動した状態になる。これにより、パ
レット4,4間の各連結器11は、すべて係合面25b,26bを当
接せしめ、係合面25c,26c間に隙間S₂を形成した状態に
整合されることになる。

また、第６図に示す横移送レール32は、横移送路の一方
から他方へ直線片勾配で傾斜している。従って、横移送
手段10にて移動が拘束されている中央のパレット４より
も高い位置にある各パレット４は、中央のパレット４
（Ｃ）に接近するよう、自重で若干移動した状態にな
り、パレット4,4間の各連結器11は、係合面25b,26bを当
接せしめ、係合面25c,26c間に隙間S₂を形成した状態に
整合される。一方、上記中央のパレット４よりも低い位
置にある各パレット４は、中央のパレット４から上記端
部に向かって離隔するよう、自重で若干移動した状態に
なり、パレット4,4間の各連結器11は、係合面25c,26cを
当接せしめ、係合面25b,26b間に隙間S₁を形成した状態
に整合されることになる。

なお、上述の実施例では横移送手段を横移送路長手方向
の中央に設けたが、この長手方向の端部など他の場所に
設けてもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第６図は本考案の実施例を示し、第１図は駐
車設備の横断面図、第２図は同じく縦断面図、第３図は
連結器の側面図、第４図乃至第６図はそれぞれ傾斜の態
様が異なる移送レール（形状を誇張して示している）に
おける連結器の状態を示す一部省略した側面図、第７図
乃至第９図はそれぞれ従来の駐車装置における連結器の
状態を示す側面図である。 1,2……駐車装置４……パレット５……横移送レール 6,7……横移送路 8,9……縦移送路 10……横移送手段 11……連結器 25,26……係合部材 25a,26a……係合部 25b,25c……係合面 26b,26c……係合面

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】車両を載せるためのパレットを移送する４
本の移送路を矩形状に配置してパレットを循環せしめる
循環路が構成され、上記４本の移送路のうちの少なくと
も１組の互いに平行な２本の移送路は、複数のパレット
を該移送路の長手方向に相隣るパレット間に設けられる
連結器にて連結した状態で支持しその移送を案内する一
対の平行な移送レールと、この移送レール上の少なくと
も１つのパレットに係合しこれを上記連結器で連結され
た他のパレットと共にピッチ送りする移送手段とを備え
ている循環式駐車装置において、上記連結器は、互いに移送路の長手方向に対峙する当該
係合可能な係合面を各々有し該係合面同士の当該係合に
よって隣り合うパレット同士を連結した状態とする一対
の係合部材からなり、この両係合部材の各々が隣り合う
パレット同士を連結するよう各パレットの上記長手方向
における両端に設けられており、上記移送レールを備えた移送路のうちの少なくとも一の
移送路の移送レールは、各パレットが自重でその係合部
材の係合面を隣りのパレットの係合部材の係合面に当接
せしめた状態になるように移送路の長手方向に傾斜して
いることを特徴とする循環式駐車装置。