JPH07158691A - 車両の振動低減装置 - Google Patents

車両の振動低減装置

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JPH07158691A
JPH07158691A JP30761893A JP30761893A JPH07158691A JP H07158691 A JPH07158691 A JP H07158691A JP 30761893 A JP30761893 A JP 30761893A JP 30761893 A JP30761893 A JP 30761893A JP H07158691 A JPH07158691 A JP H07158691A
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vibration
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憲彦 中尾
Naoki Ikeda
直樹 池田
Eiichi Miyahiro
栄一 宮広
Hiroshi Somai
浩史 仙井
Shingo Harada
真悟 原田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 振動源としてのエンジン2と車体1のフレー
ム1aとの間に、アクチュエータ5の作動により加振力
を発生する加振用エンジンマウント4を設け、エンジン
2から車体1へ伝達される振動が低減されるよう、アク
チュエータ5に電気信号を出力する場合に、エンジンマ
ウント4の故障状態を確実にかつ未然に防止する。 【構成】 アクチュエータ5に出力されるアクチュエー
タ駆動信号の電圧値aが制限値a0 よりも増大したこと
を検出し、このときには、適応フィルタ20で最適化演
算により演算される駆動信号の全ての係数に、制限値a
0 をアクチュエータ駆動信号の電圧値aで割った値a0
/aを掛けて駆動信号の電圧値aを規制することによ
り、アクチュエータ5に出力される駆動信号に規制を加
えるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車体上の振動源から
車体へ伝達される振動が低減されるようにアクチュエー
タにて加振力を発生させて車体振動を低減するようにし
た車両の振動低減装置に関し、特に、アクチュエータの
故障状態を防止するフェイルセイフ対策に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、エンジン等の車両用パワーユ
ニットを車体に支持するための支持装置として、例えば
特開昭61−2939号公報に開示されるものでは、車
体フレームに対しエンジン等のパワーユニットを支持す
るように取り付けられ、該車体フレームを、内蔵した加
振用の電磁石等で加振することによってパワーユニット
から車体フレームに伝達される振動を低減するようにな
されている。つまり、このものはアクチュエータの機能
を有し、このアクチュエータによって車体振動の位相に
対して逆位相でかつ同振幅の振動を車体フレームに付与
することにより、車両振動を有効に低減するようにして
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
ものでは、電磁石等の作動により加振力を発生するの
で、その電磁石等に過大な電流が流れたとき等には、そ
の電磁石等が焼き付いてアクチュエータの故障状態とな
る。このため、振動低減制御を安定して行うには、この
アクチュエータの故障状態を未然に防止する対策が必要
である。
【0004】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、上記加振用アクチュエー
タについての所定の状態をモニタするようにすることに
より、アクチュエータが故障状態に陥るのを確実にかつ
未然に防止しようとすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべ
く、この発明では、電磁石等のアクチュエータに出力さ
れる電気信号の出力値を常時監視し、この出力値が所定
以上に高くなったときを異常状態と見做して、電気信号
の出力値自体に規制をかけるようにした。
【0006】すなわち、図1に示すように、請求項1の
発明では、車体1と振動源2との間に配設され、電気信
号により加振力を発生するアクチュエータ4と、振動源
2から車体1へ伝達される振動が低減されるように上記
アクチュエータ4に電気信号を出力する制御手段24と
を備えた車両の振動低減装置に対して、上記制御手段2
4から出力される電気信号の出力値が所定値よりも増大
したことを検出する電気信号検出手段28と、この電気
信号検出手段28の出力を受け、上記電気信号の出力値
が所定値よりも増大したときに、制御手段24から出力
される電気信号に規制を加える規制手段29とを設け
る。
【0007】請求項2の発明では、上記制御手段24
は、最適化演算により電気信号を生成してアクチュエー
タ4に出力するようにしたものとし、規制手段29は、
最適化演算により演算される演算値を規制するように構
成する。
【0008】請求項3の発明では、上記電気信号検出手
段28は、振動源2の情報に基づいて所定値を変更する
ように構成されたものとする。その場合、請求項4の発
明では、上記振動源2の情報はその振動周波数とする。
【0009】一方、請求項5の発明では、電気信号検出
手段28は、アクチュエータ4の情報に基づいて所定値
を変更するように構成されたものとする。そのとき、請
求項6の発明では、上記アクチュエータ4の情報はその
温度とする。
【0010】
【作用】上記の構成により、請求項1の発明では、制御
手段24からアクチュエータ4に出力される電気信号の
出力値が所定値よりも増大したとき、そのことが電気信
号検出手段28により検出され、この検出手段28の出
力を受けた規制手段29により、制御手段24からアク
チュエータ4に出力される電気信号に規制が加えられ
る。このため、アクチュエータ4に過大な電流が流れて
その焼付き等によりアクチュエータ4が故障するのを確
実にかつ未然に防止することができる。
【0011】請求項2の発明では、制御手段24からア
クチュエータ4に出力される電気信号の出力値が所定値
よりも増大したことが電気信号検出手段28により検出
されると、この検出手段28の出力を受けた規制手段2
9により、制御手段24において最適化演算により演算
される演算値が規制される。この演算値の規制により、
アクチュエータ4に出力される電気信号に規制が加えら
れ、アクチュエータ4の故障を確実にかつ未然に防止で
きる。
【0012】請求項3の発明では、電気信号検出手段2
8において制御手段24からアクチュエータ4に出力さ
れる電気信号の出力値と比較される所定値は、振動源2
の情報に基づいて変更されるので、アクチュエータ4の
故障状態の判定基準を振動源2の状態に応じて適正に設
定でき、振動源2の状態に対応した振動低減制御を有効
に行いつつ、アクチュエータ4の故障を防止することが
できる。
【0013】請求項4の発明では、電気信号検出手段2
8において電気信号の出力値と比較される所定値は、振
動源2の振動周波数に基づいて変更される。このため、
振動周波数により変化するアクチュエータ4の抵抗値を
考慮して所定値を変化させることができ、振動源2の低
周波から高周波までの広い振動域で振動低減制御を有効
に行いつつ、アクチュエータ4の故障を防止することが
できる。
【0014】請求項5の発明では、電気信号検出手段2
8においてアクチュエータ4に出力される電気信号の出
力値と比較される所定値は、アクチュエータ4の情報に
基づいて変更されるので、アクチュエータ4の故障状態
の判定基準をアクチュエータ4自体の状態に応じて適正
に設定でき、このアクチュエータ4の状態に対応した振
動低減制御を有効に行いつつ、アクチュエータ4の故障
を防止することができる。
【0015】請求項6の発明では、電気信号検出手段2
8において電気信号の出力値と比較される所定値は、ア
クチュエータ4の温度に基づいて変更される。このた
め、温度により変化するアクチュエータ4の抵抗値を考
慮して所定値を変化させることができ、低温から高温ま
での広い温度域で振動低減制御を有効に行いつつ、アク
チュエータ4の故障を防止することができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図8において、1は車両(図示例では自動車)の
車体、2は車体1前部のエンジンルーム3内に配置され
た振動源としてのエンジンであって、このエンジン2は
その下部にて少なくとも1つのエンジンマウント4(1
つのみ図示する)を介して車体1のフレーム1aに弾性
支持されている。
【0017】上記各エンジンマウント4は、加振力を発
生する本発明でいうアクチュエータを構成するもので、
図7に拡大詳示するように、下方に開放された略有底筒
状のケーシング4aと、該ケーシング4aの下端内周縁
部に固着された略中空錐形状の支持ゴム4bと、該支持
ゴム4bの中心孔周面に固着された支持部材4cとを基
本構成として備えている。そして、上記ケーシング4a
の上端面にはエンジン2の下端部にねじ止めされて締結
されるエンジン側挿入ロッド4dが、また支持部材4c
の下端面には上記と同様に車体フレーム1aにねじ止め
されて締結される車体側挿入ロッド4eがそれぞれ突設
されている。
【0018】また、上記ケーシング4aの下端開口部は
支持部材4cを貫通せしめたダイアフラム4fによって
液密状に閉塞され、このケーシング4aとダイアフラム
4fとによって液室4gが形成され、この液室4g内に
オイル等の非圧縮性流体が封入されている。また、この
液室4gは、上記支持ゴム4bによってその上側の主液
室4hと下側の副液室4iとに上下に区画され、上記主
液室4hと副液室4iとの間は支持ゴム4bの側方に形
成した小径のオリフィス4jにより連通されていて、主
液室4hと副液室4iとの流体がオリフィス4jを介し
て相互に流通可能となっている。さらに、ケーシング4
a内の上部には、主液室4hの上壁面を形成する加振板
4kがラバー4mを介して上下移動可能に取り付けら
れ、該加振板4kの上側には、磁界中の電線に電流を流
したときの該電線の受ける磁力により加振板4kを上下
に移動させる動電型アクチュエータ5が配設されてい
る。この動電型アクチュエータ5は、ケーシング4aの
内部上底面に垂設された永久磁石5aと、ケーシング4
aの内部上周面に磁石5aと同心状に取り付けられ、磁
路を形成する継鉄5bと、この継鉄5b及び磁石5a間
の間隙に配置され、かつ加振板4kに接合された電磁コ
イル5cとを備えてなり、電磁コイル5cに加振信号を
出力することにより、加振板4kを上下に振動させて主
液室4hの容積を可変とし、主液室4hと副液室4iと
の間で流体をオリフィス4jを通じて流通させることを
繰り返して支持ゴム4bを上下に振動させ、エンジン2
及び車体1のフレーム1aとの間に上下方向の加振力を
発生させるようになされている。
【0019】再び、図8において、7は車両の例えば左
前輪近傍位置に配置されて車体1の上下加速度を基に車
両の振動を検出する加速度センサからなる振動センサで
あって、該振動センサ7の振動信号はコントローラ8に
入力されており、このコントローラ8により、振動セン
サ7で検出される振動信号(上下加速度信号)に基いて
エンジンマウント4を加振制御して車体1の振動を低減
する構成となっている。
【0020】上記コントローラ8のブロック構成を図6
に示す。同図において、10はエンジン2の点火信号に
基いてエンジン回転の周期を測定するエンジン回転周期
測定回路、11は該周期測定回路10にて測定されたエ
ンジン回転の周期に基いてエンジン2の振動に関連する
リファレンス信号を生成するリファレンス信号生成器で
ある。12は上記振動センサ7からの振動信号を増幅す
る増幅器、13は該増幅器12で増幅された振動信号の
低周波成分を濾波するローパスフィルタ、14は該ロー
パスフィルタ13で濾波された振動信号をアナログ値か
らデジタル値に変換するA/D変換器で、このA/D変
換器14から出力される振動信号は、該振動信号に基い
て上記エンジンマウント4を加振制御する加振信号とし
てのアクチュエータ駆動信号(電気信号)を生成する駆
動信号生成器16に入力されている。
【0021】さらに、17は上記駆動信号生成器16に
て生成される駆動信号をデジタル値からアナログ値に変
換するD/A変換器、18は該D/A変換器17からの
駆動信号の低周波成分を濾波するローパスフィルタ、1
9は該ローパスフィルタ18で濾波された駆動信号を増
幅する増幅器であって、該増幅器19で増幅された駆動
信号は上記各エンジンマウント4の動電型アクチュエー
タ5に出力される。
【0022】また、コントローラ8にはアクセル開度を
検出するアクセル開度センサ9からの信号が入力されて
いる。
【0023】上記駆動信号生成器16は、その駆動信号
の生成のアルゴリズムとして、最小自乗法(Least Mean
Square Method=LMS)の適応アルゴリズムが用いら
れる。この最小自乗法の適応アルゴリズムを用いた駆動
信号生成器16の内部構成を図5に示す。同図におい
て、20は上記リファレンス信号生成器11により生成
されたリファレンス信号の位相及びゲインを調整して所
定のアクチュエータ駆動信号を生成するデジタルフィル
タからなる適応フィルタ、21はデジタルフィルタで、
これは、駆動信号生成器16の駆動信号の出力によりエ
ンジンマウント4が加振されて車両に振動が励起し、こ
の車両振動が振動センサ7で検出されてその振動信号が
駆動信号生成器16に入力されるまでの伝達特性Hをモ
デル化したものである。22は振動センサ7からの振動
信号に収束係数α(0<α<1)を乗算する収束係数乗
算回路、23はこの収束係数乗算回路22で収束係数α
が掛け合わされた振動信号に上記デジタルフィルタ21
を通過したリファレンス信号を掛け合わせて、上記適応
フィルタ20のフィルタ係数を逐次更新する信号を出力
する乗算器である。そして、上記適応フィルタ20、デ
ジタルフィルタ21、収束係数乗算回路22及び乗算器
23により制御手段としての制御部24が構成されてお
り、この制御部24により、振動センサ7からの振動信
号及び収束係数αに基いて適応フィルタ20のフィルタ
係数を更新して駆動信号を適宜調整し、該駆動信号でエ
ンジンマウント4を駆動制御して、その車両に付加する
振動の位相及び振幅をエンジン2の振動と逆位相で同振
幅とし、車両の振動を低減するようになされている。
【0024】さらに、駆動信号生成器16には、上記エ
ンジン回転周期測定回路10からのエンジン回転周期信
号及び適応フィルタ20から出力される駆動信号をそれ
ぞれ入力して、適応フィルタ20のフィルタ係数を制限
するフィルタ係数制限回路26が設けられている。
【0025】このフィルタ係数制限回路26において行
われる信号処理動作の具体例を図2のフローチャート図
により説明するに、まず、最初のステップS1で、適応
フィルタ20からエンジンマウント4の動電型アクチュ
エータ5に出力されるアクチュエータ駆動信号の電圧値
aを入力し、ステップS2では駆動信号電圧値aの制限
値(本発明でいう所定値)をa0 として決定する。この
制限値a0 の決定は、エンジン回転周期測定回路10で
測定されるエンジン回転周期を基にした振動周波数fに
応じて行う。すなわち、アクチュエータ駆動信号に対す
る制限は電圧値で行われるが、図3に示すように、エン
ジンマウント4の動電型アクチュエータ5に対する電気
抵抗Rはその駆動周波数fに応じて変化するので(尚、
図3の電気抵抗R(f)のピークは共振点で、これを避
けた範囲Aが使用される)、動電型アクチュエータ5の
駆動エネルギーを一定にするためには駆動周波数fに応
じて電圧の制限値a0 を変更する必要がある。具体的
に、駆動電圧をV、駆動電流をIとすると、駆動エネル
ギーEは、 E(w)=V×I=V2 /R(f) となる。従って、エネルギー制限値をE0 とすると、 E0 =a0 2 /R(f) a0 ={R(f)×E0 }1/2 となり、動電型アクチュエータ5の電気抵抗R(f)に
応じた制限値a0 が決定される。そして、図3に示す如
く、電気抵抗R(f)は駆動周波数fの増加に応じて増
大するので、制限値a0 は駆動周波数f、従ってエンジ
ン2の振動周波数の増加に応じて大きくなるように決定
される。
【0026】上記ステップS2の後はステップS3に進
み、駆動信号の電圧値aが制限値a0 よりも大きいか否
かを判定する。この判定がa≦a0 のNOのときにはそ
のままリターンするが、a>a0 のYESのときにはス
テップS4に進み、適応フィルタ20の全ての係数にa
0 /aを掛けた後、リターンする。
【0027】この実施例では、上記ステップS1〜S3
により、上記制御部24からエンジンマウント4の動電
型アクチュエータ5に出力される電気信号としての駆動
信号の電圧値aが制限値a0 よりも増大したことを検出
するようにした電気信号検出手段28が構成されてい
る。
【0028】また、ステップS4により、上記電気信号
検出手段28の出力を受け、動電型アクチュエータ5へ
の駆動信号の電圧値aが制限値a0 よりも増大したとき
に、適応フィルタ20で最適化演算により演算される全
ての係数にa0 /aを掛けて電圧値aを制限値a0 未満
の値に規制し、制御部24から動電型アクチュエータ5
に出力される駆動信号に規制を加えるようにした規制手
段29が構成されている。
【0029】次に、上記実施例の作用について説明す
る。エンジン2が運転状態にあるとき、その点火信号が
コントローラ8に入力され、そのエンジン回転周期測定
回路10でエンジン2の回転周期が計測され、リファレ
ンス信号生成器11において、上記回転周期信号を基に
エンジン回転周期に対応したリファレンス信号が生成さ
れ、このリファレンス信号は駆動信号生成器16に入力
される。駆動信号生成器16では、リファレンス信号の
位相及びゲインが適応フィルタ20で調整されて駆動信
号が生成され、この駆動信号はD/A変換器17でアナ
ログ信号に変換された後に加振用アクチュエータとして
のエンジンマウント4の動電型アクチュエータ5に出力
され、該エンジンマウント4の作動により振動が発生す
る。
【0030】また、これと同時に、車体1の上下方向の
振動が振動センサ7により検出され、この振動センサ7
からの振動信号はA/D変換器14でデジタル信号に変
換されて駆動信号生成器16に入力される。この駆動信
号生成器16では、入力された振動信号に収束係数乗算
回路22で収束係数αが掛け合わされ、次いでデジタル
フィルタ21を通過したリファレンス信号と乗算器23
において掛け合わされる。そして、この乗算器23の出
力信号により、上記振動センサ7にて検出される振動信
号の自乗和が最小になるようにLMSアルゴリズムによ
り上記適応フィルタ20のフィルタ係数が逐次更新さ
れ、この適応フィルタ20のフィルタ係数の更新により
振動信号が低減されるようにリファレンス信号の位相及
びゲインが逐次調整されて最適化される。このことで、
エンジンマウント4により発生した振動は振動センサ7
の位置でエンジン2からの振動と互いに打ち消し合っ
て、該振動センサ7で検出される車体1の振動を低減で
き、エンジン2の上下振動が発生していても車体1が振
動するのを有効に防止することができる。
【0031】そして、上記コントローラ8では、その駆
動信号生成器16のフィルタ係数制限回路26におい
て、適応フィルタ20から動電型アクチュエータ5に出
力されるアクチュエータ駆動信号の電圧値aとその制限
値a0 との大小が常時比較され、駆動信号の電圧値aが
制限値a0 以下のときに上記の制御が行われる。
【0032】これに対し、アクチュエータ駆動信号の電
圧値aが制限値a0 よりも大きいときには、適応フィル
タ20の全ての係数にa0 /aが掛けられ、適応フィル
タ20で最適化演算により演算される駆動信号の電圧値
aが全て制限値a0 未満の値に規制される。この駆動信
号の規制の結果、動電型アクチュエータ5に過大な電流
が流れてその焼付き等によりエンジンマウント4が故障
するのを確実にかつ未然に防止することができる。
【0033】その場合、上記フィルタ係数制限回路26
においてアクチュエータ駆動信号の電圧値aと比較され
る制限値a0 は、エンジン2の回転周期に対応した振動
周波数に基づいて変更されるため、エンジンマウント4
の故障状態の判定基準をエンジン2の運転状態に応じて
適正に設定でき、図3に示す如く、動電型アクチュエー
タ5の駆動周波数f、つまりエンジン2の振動周波数に
より変化する動電型アクチュエータ5の抵抗値R(f)
を考慮して電圧値aの制限値a0 を変化させることがで
き、エンジン2の低周波から高周波までの広い振動域、
換言するとエンジン2の低回転域から高回転域までの広
い回転域で振動低減制御を有効に行いつつ、エンジンマ
ウント4の故障を防止することができる。
【0034】尚、上記実施例では、エンジン2の情報を
振動周波数としているが、この他、エンジン2の異常振
動を検出して、そのときに駆動信号の電圧制限値a0 を
変更するようにするようにしてもよい。
【0035】また、上記実施例では、エンジンマウント
4の動電型アクチュエータ5に出力される駆動信号の電
圧値aの電圧制限値a0 をエンジン回転に対応した振動
周波数に応じて変化させているが、この他、動電型アク
チュエータ5の温度tに応じて変化させるようにするこ
ともできる。
【0036】すなわち、動電型アクチュエータ5の温度
tを検出する温度センサ(図示せず)を設けておき、こ
の温度センサの温度信号をコントローラ8の駆動信号生
成器16におけるフィルタ係数制限回路26に入力させ
る。そして、図4に示すように、エンジンマウント4の
動電型アクチュエータ5に対する電気抵抗Rは温度tに
応じて変化し、動電型アクチュエータ5の駆動エネルギ
ーを一定にするためには温度tに応じて電圧の制限値a
0 を変更する必要があることから、 E(w)=V×I=V2 /R(t) E0 =a0 2 /R(t) a0 ={R(t)×E0 }1/2 となり、制限値a0 を温度tの増加に応じて大きくなる
ように決定する。
【0037】こうすることで、フィルタ係数制限回路2
6においてアクチュエータ駆動信号の電圧値aと比較さ
れる制限値a0 は、エンジンマウント4の温度に基づい
て変更されることとなり、温度tにより変化する動電型
アクチュエータ5の抵抗値R(t)を考慮して電圧制限
値a0 を変化させることができ、低温から高温までの広
い温度域で振動低減制御を有効に行いつつ、エンジンマ
ウント4の故障を防止することができる。
【0038】また、このエンジンマウント4の温度t以
外に、例えばエンジンマウント4自体の能力を検出し
て、それに応じて制限値a0 を変更するようにすること
もできる。
【0039】さらに、上記実施例では、アクチュエータ
を動型アクチュエータとしているが、その他、電磁石に
電流を流して該電磁石の発生する磁力を利用する電磁型
アクチュエータを採用することもできる。
【0040】また、上記実施例では、エンジン2を車体
1に支持するエンジンマウント4をアクチュエータとし
た場合であるが、本発明は、車両における他の振動源、
例えば変速機等の振動を、動電型アクチュエータを持っ
たアクチュエータの加振力により低減する場合にも適用
することができる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よると、車体と振動源との間に、電気信号により加振力
を発生するアクチュエータを設け、振動源から車体へ伝
達される振動が低減されるよう、上記アクチュエータに
制御手段から電気信号を出力するようにした車両の振動
低減装置において、アクチュエータに出力される電気信
号の出力値が所定値よりも増大したことを検出手段で検
出し、このときには、出力される電気信号に規制を加え
るようにしたことにより、焼付き等によりアクチュエー
タが故障するのを確実にかつ未然に防止でき、振動低減
制御を安定して行うことができる。
【0042】請求項2の発明によると、制御手段は、最
適化演算により電気信号を生成してアクチュエータに出
力するものとし、この電気信号の出力値が所定値よりも
増大したときには、制御手段で最適化演算により演算さ
れる演算値を規制するようにしたことにより、上記請求
項1の発明と同様に、アクチュエータに出力される電気
信号に規制を加えてアクチュエータの故障を確実にかつ
未然に防止できる。
【0043】請求項3の発明によると、上記検出手段
を、振動源の情報に基づいて所定値を変更するように構
成したことにより、アクチュエータの故障状態の判定基
準を振動源の状態に応じて適正に設定して、振動源の状
態に対応した振動低減制御を有効に行いつつ、アクチュ
エータの故障を防止できる。
【0044】請求項4の発明によると、上記振動源の情
報をその振動周波数としたことにより、振動周波数によ
り変化するアクチュエータの抵抗値を考慮して所定値を
変化させ、振動源の低周波から高周波までの広い振動域
で振動低減制御を有効に行いつつ、アクチュエータの故
障を防止できる。
【0045】請求項5の発明によれば、検出手段を、ア
クチュエータの情報に基づいて所定値を変更するように
構成したことにより、アクチュエータの故障状態の判定
基準をその状態に応じて適正に設定でき、アクチュエー
タの状態に対応した振動低減制御を有効に行いつつ、ア
クチュエータの故障を防止できる。
【0046】請求項6の発明によれば、上記アクチュエ
ータの情報をその温度としたことにより、温度により変
化するアクチュエータの抵抗値を考慮して所定値を変化
させ、低温から高温までの広い温度域で振動低減制御を
有効に行いつつ、アクチュエータの故障を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成図である。
【図2】本発明の実施例においてフィルタ係数制限器で
行われる信号処理動作を示すフローチャート図である。
【図3】動電型アクチュエータの駆動周波数に応じて変
化する電気抵抗値の特性を示す特性図である。
【図4】動電型アクチュエータの温度に応じて設定する
電圧制限値の特性を示す特性図である。
【図5】駆動信号生成器の構成を示すブロック図であ
る。
【図6】コントローラのブロック図である。
【図7】マウントの拡大縦断面図である。
【図8】本発明の実施例の全体構成図である。
【符号の説明】
1 車体 2 エンジン(振動源) 4 エンジンマウント 5 動電型アクチュエータ 7 振動センサ 8 コントローラ 16 駆動信号生成器 20 適応フィルタ 24 制御部(制御手段) 26 フィルタ係数制限回路 28 電気信号検出手段 29 規制手段 a アクチュエータ駆動信号の電圧値(電気信号の出力
値) a0 制限値(所定値)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 仙井 浩史 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 原田 真悟 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体と振動源との間に配設され、電気信
    号により加振力を発生するアクチュエータと、 振動源から車体へ伝達される振動が低減されるように上
    記アクチュエータに電気信号を出力する制御手段とを備
    えた車両の振動低減装置において、 上記制御手段から出力される電気信号の出力値が所定値
    よりも増大したことを検出する電気信号検出手段と、 上記電気信号検出手段の出力を受け、上記電気信号の出
    力値が所定値よりも増大したときに、制御手段から出力
    される電気信号に規制を加える規制手段とを備えたこと
    を特徴とする車両の振動低減装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の車両の振動低減装置にお
    いて、 制御手段は、最適化演算により電気信号を生成して出力
    するように構成され、 規制手段は、最適化演算により演算される演算値を規制
    するように構成されていることを特徴とする車両の振動
    低減装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の車両の振動低減装置にお
    いて、 電気信号検出手段は、振動源の情報に基づいて所定値を
    変更するように構成されていることを特徴とする車両の
    振動低減装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の車両の振動低減装置にお
    いて、 振動源の情報は、振動源の振動周波数であることを特徴
    とする車両の振動低減装置。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の車両の振動低減装置にお
    いて、 電気信号検出手段は、アクチュエータの情報に基づいて
    所定値を変更するように構成されていることを特徴とす
    る車両の振動低減装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の車両の振動低減装置にお
    いて、 アクチュエータの情報は、その温度であることを特徴と
    する車両の振動低減装置。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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