JPH07157581A - 白色ポリエステルフィルム - Google Patents

白色ポリエステルフィルム

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Publication number
JPH07157581A
JPH07157581A JP5304029A JP30402993A JPH07157581A JP H07157581 A JPH07157581 A JP H07157581A JP 5304029 A JP5304029 A JP 5304029A JP 30402993 A JP30402993 A JP 30402993A JP H07157581 A JPH07157581 A JP H07157581A
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JP
Japan
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film
polyester film
crease
less
white polyester
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JP5304029A
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English (en)
Inventor
Kenji Tsunashima
研二 綱島
Yukio Kawazu
幸雄 河津
Kenji Uhara
賢治 鵜原
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】見かけ密度が1.0g/cm3 未満で、折れじ
わ指数が1.5以下であることを特徴とする白色ポリエ
ステルフィルム。 【効果】本発明のポリエスエルフィルムは、以下の効果
を有する。 (1)見かけ密度が1.0g/cm3 未満と小さく、ク
ッション性が高く、柔軟性があり、印字特性にすぐれさ
らに折れじわのつきにくくしかも目立ちにくい白色ポリ
エステルフィルムが得られる。 (2)表面にポリエステルを主体とした不織布層をラミ
ネートすることにより、上記特性に加えてインキ等の吸
収性、接着性にすぐれたフィルムを得ることができ、ま
た、白色性、光沢性、描画性、遮光性などの特性を自由
に付与できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低密度で、折れじわの
つきにくく、しかもしわの目立ちにくい白色性に富む白
色ポリエステルフィルムに関するものである。さらに詳
しくは、紙の代用品、すなわちカード、ラベル、シー
ル、宅配便伝票、ビデオプリンタ用受像紙、バーコード
プリンタ用受像紙、ポスター、地図、無塵紙、表示板、
白板、印画紙、複写用紙などの主として受容体基材とし
て用いられる白色ポリエステルフィルムに関するもので
ある。
【0002】
【従来技術】ポリエステルに二酸化チタンや炭酸カルシ
ウムなどの無機物を多量に添加して白色ポリエステルフ
ィルムを得ることはよく知られている。また、ポリエス
テルにポリプロピレンなどのポリオレフィンを添加して
低密度白色ポリエステルフィルムを得ることもよく知ら
れている。
【0003】ところがこれらの単層白色フィルムでは見
掛け密度が1g/cm3 以下にならないばかりか、フィ
ルム表層に無機物やポリオレフィンが直接表層に露出し
ているために印刷性の悪さやロール汚れに起因する生産
性の低さ、さらにはうすい表層が剥離・劈開をおこしや
すいなどの理由で該白色ポリエステルフィルムの表層に
別のポリエステルフィルムをラミネートすることなどで
対処されてきた(例えば特開平2−26739、特開平
3−76727など)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このフ
ィルムには次のような課題があった。
【0005】(1)生産性・印刷性・劈開性などの改良
に重点をおき、表層フィルム厚みを増加させると、該白
色フィルムを折った時や剥離したのちに、折れじわが顕
著に目立ち見ぐるしいものとなる。
【0006】(2)見かけ密度を1.0g/cm3
上、好ましくは1.2g/cm3 以上と高くすると折れ
じわ性の問題も解決できるが、コスト高になるばかりか
クッション性に乏しくなり、受容体などにはヘッドタッ
チ性が悪くなり使えなくなる。
【0007】本発明は、低密度で、印刷性、受容性、生
産性、劈開性にすぐれ、しかも折れじわの発生しにく
く、かつ折れじわの目立ちにくい白色ポリエステルフィ
ルムを提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、見かけ密度が
1.0g/cm3 未満で、折れじわ指数が1.5以下で
あることを特徴とする白色ポリエステルフィルムに関す
るものである。
【0009】本発明における白色ポリエステルフィルム
の見かけ密度は1.0g/cm3 未満であり、好ましく
は0.4g/cm3 以上0.95g/cm3 未満であ
り、さらに好ましくは0.5g/cm3 以上0.9g/
cm3 未満である。見かけ密度が1.0g/cm3 以上
であると、コストが安くならないため紙に対する競争力
がないばかりか、クッション性に劣り印字性などが悪化
する。また、見かけ密度が0.4g/cm3 未満である
と内部の微細気泡の量が多すぎるため劈開強度が250
g/15mm以上となりにくく、またフィルムの強度が
弱くなり、もろいものとなる恐れがあるためである。
【0010】なお、本発明における白色ポリエステルフ
ィルムの劈開強度は250g/15mm以上であること
が好ましい。さらに好ましくは300g/15mm以
上、より好ましくは350g/15mm以上である。劈
開強度が250g/15mm未満であると、例えば、ラ
ベル、シール用途に用いた場合再剥離するときにフィル
ム表層が劈開破壊されやすい。
【0011】本発明でいうポリエステルとは、ジオール
とジカルボン酸とから縮重合によって得られるポリマー
であり、ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフ
タル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン
酸、セバチン酸、などで代表されるものであり、またジ
オールとは、エチレングリコール、トリメチレングリコ
ール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメ
タノールなどで代表されるものである。具体的には例え
ば、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラメチレン
テレフタレート、ポリエチレン−p−オキシベンゾエー
ト、ポリ−1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフ
タレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボ
キシレートなどがあげられる。本発明の場合、特にポリ
エチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが
好ましい。
【0012】もちろん、これらのポリエステルはホモポ
リエステルであっても、コポリエステルであっても良
く、共重合成分としては例えば、ジエチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコー
ルなどのジオール成分、アジピン酸、セバシン酸、フタ
ル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン
酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などのジカルボ
ン酸成分があげられる。
【0013】また本発明における白色ポリエステルと
は、ポリエステルからなる層中に無数の微細な気泡を含
有したものであって、この微細な気泡によって光を散乱
し、白色不透明としたものである。このとき、白色度、
光学濃度を増すために、無機粒子をポリエステル中に添
加することは好ましい。無機粒子としてはタルク、酸化
マグネシウム、石コウ、硫酸バリウム、炭酸マグネシウ
ムなどがあるが、炭酸カルシウム、二酸化チタン、硫酸
バリウムなどが無機粒子としては好ましい。また白色度
を高めるために、蛍光増白剤を添加することも好まし
い。
【0014】本発明における白色ポリエステルフィルム
の光学濃度は、0.7以上1.6以下であることが好ま
しい。さらに好ましくは、0.8以上1.6以下であ
る。光学濃度が0.7未満であると、フィルムの隠蔽性
が小さいため裏側が透けて見え、好ましくない。また、
光学濃度が1.6を超えるためには、多量の微細気泡を
含まねばならず、フィルムの強度が弱くなり好ましくな
い。
【0015】また、白色ポリエステルフィルムの白色度
は、80%以上110%以下が好ましい。さらに、色差
計で求めた色調b値は−3以下、好ましくは−4以下−
20以上であるのがよい。b値が小さいほど見かけのフ
ィルムの白さが向上し、高級なイメージを与えるもので
ある。
【0016】さらに本発明の白色ポリエステルフィルム
の光沢度は10%未満、好ましくは8%未満であるのが
好ましい。光沢度が10%以上になると折れじわのあと
が見えやすくなり、印刷欠点となって商品価値を大きく
低下させてしまうためである。
【0017】また本発明の白色ポリエステルフィルムの
折れじわ指数は1.5以下、好ましくは0.9〜1.2
の範囲にあることが必要である。1.5を超えると折れ
じわが目立って印刷が美しく見えず、重大な商品欠点と
なるためである。逆に0.9よりも小さくなると印字
性、クッション性が劣る様になることがあるためであ
る。
【0018】本発明における白色ポリエステル層に添加
する非相溶なポリオレフィン樹脂としては、ポリエステ
ルと混合してフィルムを成形しうるものであればどのよ
うなものであってもよいが、ポリ−3−メチルブテン−
1、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリビニル−t−
ブタン、1,4−トランス−ポリ−2,3−ジメチルブ
タジエン、ポリビニルシクロヘキサン、ポリスチレン、
ポリメチルスチレン、ポリジメチルスチレン、ポリフル
オロスチレン、ポリ−2−メチル−4−フルオロスチレ
ン、ポリビニル−t−ブチルエーテル、セルローストリ
アセテート、セルローストリプロピオネート、ポリビニ
ルフルオライド、ポリクロロトリフルオロエチレンなど
から選ばれた融点200℃以上のポリマーである。本発
明の場合には価格、熱安定性、ポリエステルとの分散
性、などの点から、ポリ−4−メチルペンテン−1、セ
ルローストリアセテートおよびその変性体が特に好まし
い。もちろん該非相溶なポリオレフィン樹脂の融点は2
00℃以上、好ましくは210℃以上、さらに好ましく
は220℃以上であることが必要で、200℃未満だ
と、ポリエステルフィルム中での該非相溶なポリオレフ
ィン樹脂の分散形状が球形をとらず、層状の偏平な形状
をとることが多く、また、クッション性の高いポリエス
テルフィルムが得られないためである。また、該非相溶
なポリオレフィン樹脂の融点は、300℃以下、好まし
くは280℃以下、さらに好ましくは260℃以下であ
るのが好ましい。これはポリエステルの溶融押出温度以
下でないと該非相溶なポリオレフィン樹脂が溶解しない
ためである。
【0019】該非相溶なポリオレフィン樹脂の添加量と
しては、好ましくは3〜30重量%、さらに好ましくは
5〜20重量%である。添加量が3重量%未満である
と、本発明ポリエステルフィルムの見かけ密度が1.0
g/cm3 未満のものが得にくいばかりか、白色度が8
0%以上の白いポリエステルフィルムになりにくく、さ
らには、クッション率が10%以上と高いクッション性
に優れたポリエステルフィルムを得ることが困難である
ためである。また、逆に該非相溶なポリオレフィン樹脂
の添加量が30重量%を超えると、本発明ポリエステル
フィルムの機械的性質が劣ったものになるばかりか、熱
寸法安定性にも劣り、150℃の熱収縮率が5%以上と
大きくなるなどの欠点を有しているためである。
【0020】次に、低密度化剤とは、ポリエステルに添
加して密度を小さくする効果を持つ化合物のことであ
り、特定の化合物のみその効果が認められる。
【0021】例えば、ポリエチレングリコール、メトキ
シポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレン
グリコール、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイ
ド共重合体、さらにはドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム、アルキルスルホネートナトリウム塩、グリセリ
ンモノステアレート、テトラブチルホスホニウムパラア
ミノベンゼンスルホネートなどで代表されるものであ
る。本発明フィルムの場合、特に分子量500〜300
00、好ましくは1000〜10000のポリエチレン
グリコールが好ましい。低密度化剤の添加によってポリ
エステルフィルムの密度を0.1g/cm3 以上小さく
することが出来るのである。さらに、この低密度化剤の
添加によって、ポリエステルフィルムの白色度が向上
し、折れじわが入りにくく表面が平滑化するのみなら
ず、耐劈開性が向上し、さらにポリエステルの延伸性も
大巾に向上するという効果もある。本発明における低密
度化剤の添加量としては、好ましくは0.1〜5重量
%、さらに好ましくは0.5〜3重量%である。添加量
が0.1重量%未満であると、ポリエステルフィルムが
低密度化せず、ソフトなフィルムとはならずポリエステ
ルフィルムの見かけ密度として1.0g/cm3 未満、
好ましくは0.90g/cm3 、さらに好ましくは0.
85g/cm3 以下になりにくいためである。逆に添加
剤が5重量%を超えると低密度化の効果が認められなく
なるばかりか、該フィルムの白色度が低下し、b値が正
の大きな値になってしまうためである。
【0022】次に非相溶なポリオレフィン樹脂がポリエ
ステルフィルム中で球形に近い形状であること、すなわ
ち形状係数は1〜4の範囲であることが好ましい。ポリ
エステルフィルムに非相溶なポリオレフィン樹脂が添加
されていても、その非相溶なポリオレフィン樹脂の形状
によって得られるフィルム特性、特にフィルムの密度と
クッション率との相関性、熱寸法安定性、表面あらさ、
白色性などに大きな相異点が生じてくる。すなわち、非
相溶なポリオレフィン樹脂の形状が球形に近い場合、層
状に分散している場合に比べて、低密度化できるのみな
らず、白色度、クッション率の高い、折れじわの入りに
くい、熱寸法安定性のよいフィルムが得られるのであ
る。このように球形に近い形状で分散させるには、ポリ
エステルに添加する非相溶なポリオレフィン樹脂の粘
度、相溶性パラメーター、融点、さらには低密度化剤の
種類、添加量などに強く依存するため、予測することは
非常にむずかしい。球形に近い形状とは、フィルム中に
分散する非相溶なポリオレフィン樹脂の長径と短径との
比が1〜4、好ましくは1〜2の範囲のものをいう。
【0023】さらに、この非相溶なポリオレフィン樹脂
を核としてポリエステルフィルム中に発生する無数の微
細な気泡(ボイド)の長手方向または巾方向の長さは、
該ボイド内にある非相溶なポリオレフィン樹脂の長手方
向又は巾方向の長さの、10倍未満、好ましくは5倍未
満、さらに好ましくは3倍未満であるのが、折れじわ発
生の防止に好ましい。
【0024】本発明の白色ポリエステルフィルムとし
て、上述したボイドを有する白色ポリエステルフィルム
の表層に10μm以下の薄い他のポリエステル層を積層
しておいてもよい。
【0025】本発明の白色ポリエステルフィルムの代表
的な例は該白色ポリエステルフィルムの表層に不織布を
積層した構造のものである。不織布の製法は特に限定さ
れるものではなく、例えばメルトブロー、スパンボン
ド、フラッシュ紡糸などがあるが、本発明の場合、特に
メルトブロー法、低配向スパンボンド法が有効である。
不織布の糸径は0.01〜20μmが好ましく、さらに
好ましくは0.1〜10μmの範囲のもの、目付は1〜
200g/m2 が好ましく、さらに好ましくは2〜50
g/m2 のもの、孔径は1〜50μmが好ましく、さら
に好ましくは5〜30μmのもの、空隙率は30〜98
%が好ましく、さらに好ましくは50〜95%のもの、
網目は3〜300メッシュのものが好ましい。もちろん
不織布は短繊維であっても長繊維であってもよい。該不
織布のポリマーはポリエステルであると接着剤なしで製
膜工程中で該白色ポリエステルフィルムと一挙に貼り合
わせることが出来るために特に好ましい。該不織布がポ
リエステルの場合ポリマーの固有粘度(η)としては
0.45以上が好ましく、さらに好ましくは0.55以
上、より好ましくは0.62以上であるのがよい。
【0026】次に、本発明の白色ポリエステルフィルム
の製造方法について説明するが、かかる例に限定される
ものでない。
【0027】ポリエステルのチップ及び好ましくはポリ
アルキレングリコールをポリエステルに重合反応中ある
いは重合完了時に添加したマスターチップを十分に真空
乾燥した後に、ポリオレフィン系樹脂のチップを混合
し、270〜300℃に加熱された押出機に供給し、T
ダイよりシート状に成形する。また、別のポリエステル
層を積層する場合、別に乾燥したポリエステルのチップ
を別の押出機に供給し、Tダイ内で積層してシート状に
成形する。このとき、無機粒子を添加する場合、ポリエ
ステルのチップに無機粒子のマスターチップを混合して
真空乾燥し、押出機に供給する。なお、ポリアルキレン
グリコールは、ポリエステル重合時あるいは重合完結時
に添加してマスターチップ化するのが好ましいが、必ず
しもこの限りでない。また、3成分を予めペレタイザー
などで混練しておいてもよい。
【0028】該ポリエステルに静電荷を印加するなどの
密着手段を用いて、10〜50℃に冷却された冷却ドラ
ムに密着して冷却固化し、未延伸キャストフィルムを得
る。一方、ポリエステルなどのポリマーを別の押出機に
供給してメルトブロー法やスパンボンド法などにより不
織布を得る。このとき貼り合わせる場所にもよるが、フ
ィルムと共に延伸することが出来る様に不織布の配向度
は低くおさえておくことが好ましい。また不織布の結晶
化度を30%未満、好ましくは10%未満にしておかな
いと、ベースのポリエステルフィルムとの接着力が弱く
なり実用上問題となることが多い。
【0029】上記キャストポリエステルフィルムと不織
布とを重ね合わせたのち、80〜150℃に加熱された
ロール群に導き、長手方向に2〜10倍延伸する。つづ
いてフィルムをクリップに把持させてテンター内で90
〜160℃で3〜6倍巾方向に延伸する。必要に応じて
160〜245℃で熱固定する。
【0030】なお、必要に応じて不織布の貼り合わせ場
所はフィルムの長手方向や巾方向延伸後であってもよ
い。さらに不織布は目付や繊維径の異なった不織布同志
の積層品であってもよい。
【0031】さらに該白色フィルムの表面にコロナ放電
処理などの易接着処理をしても、多孔質層を被覆して
も、さらにはエンボス処理、カレンダリング処理などを
行なってもよい。多孔質層を被覆する場合、特開平3−
96332、特開平3−96333などで代表されるヘ
テロ凝集体を用いる方法や、ポリビニルアルコールなど
のバインダーにSiO2 などの粒子を10〜80重量%
と多量添加した方法などが代表的である。
【0032】
【物性の測定ならびに効果の評価方法】本発明の物性値
の評価方法ならびに効果の評価方法は次の通りである。
【0033】(1)表面粗さ JIS−B0601−1976に従い、小坂製モデルS
E−SEを用いカットオフ0.8mm、測定長8mmで
中心線平均表面粗さRaおよび最大表面粗さRtを求め
た(μm)。
【0034】(2)ボイドの平均球相当径 フィルムの製膜工程の機械方向あるいはその垂直方向に
切った断面を走査型電子顕微鏡で1000倍〜5000
倍に拡大した写真を撮り、指定した厚みの範囲の少なく
とも100個以上のボイドのイメージアナライザにか
け、ボイドの面積に相当する円の直径の分布を求めた。
この分布の体積平均径をボイドの平均球相当径とする。
【0035】(3)見かけ密度 四塩化炭素−n−ヘプタン系の密度勾配管によって22
℃での値を用いた。
【0036】(4)光学濃度OD フィルムを150μmの近辺の厚みになるように重ね、
光学濃度計(マクベス社製 TR927)で測定する。
厚みと光学濃度のプロットを行い、150μmの厚みに
相当する光学濃度を厚み150μm換算の光学濃度とし
た。
【0037】(5)白色度 JIS−L1015に基づき、島津製作所(株)製UV
−260を用いて、波長450nmの時の反射率をB
(%)、波長550nmの時の反射率をG(%)とし
て、下記式により白色度(%)を求めた。
【0038】白色度(%)=4B−3G
【0039】(6)色調 フィルムの表面色を、日本電色工業(株)製色差計Σ8
0で測定し、得られたL値、a値、b値で判定した。
【0040】(7)光沢度 JIS−Z8741に基づき測定する。
【0041】(8)熱収縮率 フィルムを幅10mm、長さ250mmにサンプリング
し、長さ方向に200mmの間隔でマークを入れ、間隔
を測定した(L0 mm)。サンプルを直径33cmの円
形の枠に取付け3gのおもりをぶら下げて150℃の熱
風オーブン中で30分回転させながら熱処理した。熱処
理後放冷したのち、マークした間隔を測定し(Lmm)
下記式より求めた。
【0042】 熱収縮率(%)=[(L0 −L)/L0 ]×100
【0043】(9)劈開強度 測定するフィルムにポリウレタン系プライマーを塗布
し、厚み2μmの塗膜を形成し、50℃の温度で未延伸
ポリプロピレンフィルム(厚さ100μm、東レ合成
(株)製)を貼り合わせ、40℃48時間エージングし
た後に、幅15mmに切り、一端を剥して引張試験機に
取り付け、張合わせ部を剥した部分に対し直角に保ち、
測定フィルムと未延伸フィルムを剥離したときの強度を
劈開強度とする。このときの剥離速度は300mm/分
である。このとき、フィルムが破壊されず接着剤層で剥
離したものは除き、5本の平均値をとる。
【0044】(10)形状係数 ボイドの平均径を求める時と同様に、フィルム断面での
非相溶なポリオレフィン樹脂の形状をイメージアナライ
ザーにかけ、100個平均の長径/短径の比率で表わ
す。
【0045】(11)折れじわ指数 白色フィルムを巾25mm、長さ150mmの長方形に
サンプリングし、該フィルムとSUS304、鏡面加工
ステンレス板とを方向が一致するように巾10mm、長
さ100mmの両面テープ(日東電工両面テープNo.
500)で貼り合わせる。次に該白色フィルムの非接着
部の端部をもち上げ、ステンレスとの180°剥離(剥
離速度300mm/分)を長軸方向に行ない、接着部1
00mmを全部剥離する。剥離後の白色フィルムの非接
着部で、接着部から常に巾方向に3.0mmはなれた長
手方向にそって表面粗さRa、Rtを測定する。
【0046】かくして得られたRa、Rtと、接着剥離
を行なう前のRa0 、Rt0 とから次のように折れじわ
指数を定義する。
【0047】折れじわ指数=Ra/Ra0 この指数が1.5を超えると折れじわが目立つようにな
り、1.0に近いほど折れじわが入りにくいことにな
る。
【0048】
【実施例】本発明を実施例にもとづいて説明する。
【0049】実施例1 ポリエチレンテレフタレート(固有粘度[η]=0.6
5)を88重量%、ポリ−4−メチルペンテン−1(三
井石油化学(株)TPX−D820)を10重量%、分
子量4000のポリエチレングリコールを2重量%を混
合した原料を押出機Aに供給し、常法により285℃で
溶融してTダイ3層複合口金の中央層に導入した。
【0050】一方、上記ポリエチレンテレフタレート9
0重量%に、炭酸カルシウム(平均粒径0.8μm)を
10重量%した該原料を押出機Bに供給し、常法により
285℃で溶融してTダイ3層複合口金の両表層にうす
くラミネートして、該溶融体シートを表面温度25℃に
保たれた冷却ドラム上に静電荷法で密着冷却固化させ
た。
【0051】一方、ポリエチレンテレフタレート(固有
粘度[η]=0.60)をメルトブロー法により不織布
を作った。該不織布の[η]は0.58、目付は50g
/m2 、平均糸径は0.3μm、糸の複屈折は0.00
2、密度は1.336g/cm3 からなる不織布であっ
た。
【0052】3層のポリエチレンテレフタレートフィル
ムと不織布とを重ね合わせ、ロール式長手方向延伸機に
供給し、110℃で1.8倍延伸後、さらに95℃で
2.8倍延伸し、25℃に冷却した。つづいてテンター
に導き98℃に加熱された雰囲気中で巾方向に4.0倍
延伸後、225℃で巾方向に3%リラックスさせながら
熱固定を行ない、厚さ180μmの白色ポリエステルフ
ィルムを得た。該フィルムの厚さは不織布20μm、フ
ィルム160μm(表層5μmずつ、中央層150μ
m)からなる見かけ上4層からなるものであった。得ら
れたフィルムの特性を表1に示した。
【0053】
【表1】 この様に得られた白色ポリエステルフィルムは、見かけ
密度が小さく、クッション性に優れ白色度や光学濃度が
高く、熱寸法安定性にすぐれ、しかも折れじわが入りに
くく、かつつきにくいフィルムであることがわかる。こ
のフィルムはビデオプリンター用などの受容紙やラベル
などの受容体として利用しうることがわかる。
【0054】比較例1、比較例2 実施例1で不織布を貼り合わせないで、あとは全く実施
例1と同様にして厚さ160μmの3層フィルムを得た
のを比較例1とする。
【0055】また、実施例1で添加したポリ−4−メチ
ルペンテン−1の添加量を3重量%に減量し、ポリエチ
レンテレフタレートを95重量に増量し、しかも表層に
は不織布を貼り合せない以外は全く実施例1と同様にし
て厚さ180μmの3層フィルムを得たのを比較例2と
した。結果を表2に示した。
【0056】
【表2】 このように見かけ密度が小さく、しかも折れじわの入り
にくいフィルムは不織布などを貼り合わせて光沢度を小
さくしたもののみ達成できることが判る。
【0057】実施例2 実施例1で得られたフィルムを120℃に加熱された鏡
面カレンダリングロールに通して、表面を平滑化(平均
表面粗さRaは0.1μm)したのち、不織布が貼り合
わさった面に、酸化ケイ素を80重量%、ポリビニルア
ルコール20重量%を含む水分散液をコーティングし、
乾燥させ、厚さ5μmの多孔質被覆層をつけた。この被
覆層は多孔質で、しかも表面が平滑であるため、溶融型
や昇華型インキの受容体、オフセット印刷用受容体など
にすぐれたインキ吸収性・密着性を示した。
【0058】実施例3 実施例1で用いたメルトブロー法不織布の代わりにスパ
ンボンド法不織布を変える以外は、実施例1と全く同様
にして白色ポリエステルフィルムを得た。スパンボンド
法不織布の固有粘度[η]は0.75、目付は20g/
2 、平均糸径は12μm、糸の複屈折は0.008、
密度は1.339g/cm3 であった。かくして得られ
た白色ポリエステルフィルムの厚さは100μmであ
り、不織布層の厚さは30μm、フィルム層は3μmの
両表層と64μmの中央ボイド層とからなる70μmで
あった。
【0059】白色フィルムの見かけ密度は0.80g/
cm3 、折れじわ指数1.1、劈開強度380g/15
mm、光沢度6%といった特性を有するものであった。
【0060】このように見かけ密度が小さいが、折れじ
わの入りにくいフィルムが得られることがわかり、受容
紙などの用途に広く利用できることがわかる。
【0061】
【発明の効果】本発明のポリエスエルフィルムは、以下
の効果を有する。
【0062】(1)見かけ密度が1.0g/cm3 未満
と小さく、クッション性が高く、柔軟性があり、印字特
性にすぐれさらに折れじわのつきにくくしかも目立ちに
くい白色ポリエステルフィルムが得られる。
【0063】(2)表面にポリエステルを主体とした不
織布層をラミネートすることにより、上記特性に加えて
インキ等の吸収性、接着性にすぐれたフィルムを得るこ
とができ、また、白色性、光沢性、描画性、遮光性など
の特性を自由に付与できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41M 5/00 Z 8808−2H // G03G 7/00 101 M C08L 67:00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 見かけ密度が1.0g/cm3 未満で、
    折れじわ指数が1.5以下であることを特徴とする白色
    ポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】 劈開強度が250g/15mm以上であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の白色ポリエステル
    フィルム。
  3. 【請求項3】 光沢度が10%未満であることを特徴と
    する請求項1または請求項2に記載の白色ポリエステル
    フィルム。
  4. 【請求項4】 白色ポリエステルフィルムの少なくとも
    片側の表層に不織布が積層されていることを特徴とする
    請求項1〜請求項3のいずれかに記載の白色ポリエステ
    ルフィルム。
  5. 【請求項5】 多孔質層を最外層に被覆することを特徴
    とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の白色ポリ
    エステルフィルム。
  6. 【請求項6】 受容体として用いることを特徴とする請
    求項1〜請求項5のいずれかに記載の白色ポリエステル
    フィルム。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6896941B1 (en) 1999-06-01 2005-05-24 Teijin Limited Polyester film for use as an ink image receiving base film and ink
JP2006088610A (ja) * 2004-09-27 2006-04-06 Shikoku Seni Hanbai Kk リサイクル性に優れた繊維ボード掲示板
JP2011202060A (ja) * 2010-03-26 2011-10-13 Toray Ind Inc 空洞含有ポリエステルフィルム
JP2020177118A (ja) * 2019-04-18 2020-10-29 owlking株式会社 電子写真方式印刷機用印刷媒体及び印刷システム

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JP2021120745A (ja) * 2019-04-18 2021-08-19 owlking株式会社 電子写真方式印刷機用印刷媒体の製造方法及び印刷物の製造方法

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