JPH07157335A - 撥水皮膜の製造方法 - Google Patents
撥水皮膜の製造方法Info
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- JPH07157335A JPH07157335A JP30258393A JP30258393A JPH07157335A JP H07157335 A JPH07157335 A JP H07157335A JP 30258393 A JP30258393 A JP 30258393A JP 30258393 A JP30258393 A JP 30258393A JP H07157335 A JPH07157335 A JP H07157335A
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Abstract
の膜厚方向でほぼ均一に撥水機能を発揮しうる撥水皮膜
を製造する。 【構成・作用】乳化重合により得られる撥水性微粒子の
ディスパージョンを採用すること、水溶性有機溶剤を含
まない溶媒により調製された金属アルコキシドゾルを採
用すること、加水分解された金属アルコキシドゾルにデ
ィスパージョンを混合すること、フルオロアルキルシラ
ンの存在するコーティング液を採用することにより、撥
水性微粒子同士の凝集を防止できる。
Description
する。本発明により製造される撥水皮膜は、ガラス表面
に撥水性を付与するものとしては、自動車のウインドガ
ラス、ミラーなどに、また、鋼板などの耐久性を向上さ
せるものとして、防錆能力を付与する表面処理などに利
用できる。
ラーに付着した水滴をはじき、視界を良好とすることを
目的として、撥水性ガラスが検討されている。例えばガ
ラス自体を撥水化することが考えられるが、現時点では
技術的に解決すべき課題が多々あり、実用化には至って
いない。そこでガラス基板表面に撥水性の透明皮膜を形
成することが想起され、種々の提案がなされている。
は、金属アルコキシドゾルと撥水性微粒子のディスパー
ジョンとを調整し、金属アルコキシドゾルとディスパー
ジョンとを混合してコーティング液とし、このコーティ
ング液をガラス基板の表面に塗布して塗膜を形成し、こ
の塗膜を焼成して撥水皮膜を形成する方法が開示されて
いる。
を有する微粒子が分散された撥水皮膜をガラス基板表面
に形成することができるため、こうして製造される撥水
性ガラスは撥水皮膜の膜厚方向でほぼ均一に撥水機能を
発揮しうる。
は、例え撥水性微粒子の粒径を可及的に小さくし、これ
により光の散乱を防止したとしても、撥水皮膜に白濁を
生じる場合があった。この場合、撥水性ガラスにおいて
は、視認性の低下を招き、また、鋼板などの表面処理に
おいても、特に外板などに用いられる場合には、撥水皮
膜の白濁による外観変化に伴い、意匠性が損なわれるこ
とがある。
たものであって、撥水皮膜の白濁を有効に防止しつつ、
撥水皮膜の膜厚方向でほぼ均一に撥水機能を発揮しうる
撥水皮膜を製造することを目的とする。
シドゾルを調製するゾル調製工程と、乳化重合により撥
水性微粒子のディスパージョンを得るディスパージョン
調製工程と、該金属アルコキシドゾルと該ディスパージ
ョンとを混合してコーティング液を得るコーティング液
調製工程と、該コーティング液を基板の表面に塗布して
塗膜を形成する塗布工程と、該塗膜を焼成して該撥水性
微粒子を含む金属酸化物の連続相からなる撥水皮膜を形
成する焼成工程と、を行うことを特徴とする。
水溶性有機溶剤を含まない溶媒により金属アルコキシド
ゾルを調製するゾル調製工程と、撥水性微粒子のディス
パージョンを得るディスパージョン調製工程と、該金属
アルコキシドゾルと該ディスパージョンとを混合してコ
ーティング液を得るコーティング液調製工程と、該コー
ティング液を基板の表面に塗布して塗膜を形成する塗布
工程と、該塗膜を焼成して該撥水性微粒子を含む金属酸
化物の連続相からなる撥水皮膜を形成する焼成工程と、
を行うことを特徴とする。
金属アルコキシドゾルを調製するゾル調製工程と、撥水
性微粒子のディスパージョンを得るディスパージョン調
製工程と、該金属アルコキシドゾルの加水分解の後、該
金属アルコキシドゾルと該ディスパージョンとを混合し
てコーティング液を得るコーティング液調製工程と、該
コーティング液を基板の表面に塗布して塗膜を形成する
塗布工程と、該塗膜を焼成して該撥水性微粒子を含む金
属酸化物の連続相からなる撥水皮膜を形成する焼成工程
と、を行うことを特徴とする。
金属アルコキシドゾルを調製するゾル調製工程と、撥水
性微粒子のディスパージョンを得るディスパージョン調
製工程と、フルオロアルキルシランの存在下、該金属ア
ルコキシドゾルと該ディスパージョンとを混合し、コー
ティング液を得るコーティング液調製工程と、該コーテ
ィング液を基板の表面に塗布して塗膜を形成する塗布工
程と、該塗膜を焼成して該撥水性微粒子を含む金属酸化
物の連続相からなる撥水皮膜を形成する焼成工程と、を
行うことを特徴とする。
ゾルを調製する。金属アルコキシドとしては、Si(O
R)4 で表わされるシリコンアルコキシドを主として採
用し、チタンアルコキシド、ジルコニウムアルコキシ
ド、アルミニウムアルコキシド等を含有することができ
る。請求項2記載のように、水溶性有機溶剤、特にエタ
ノール等のアルコール性溶剤を含まない溶剤により金属
アルコキシドゾルを調製することが好ましい。
性微粒子のディスパージョンを得る。撥水性微粒子とし
ては、フッ素微粒子が好適であり、例えばテトラフルオ
ロエチレンの単独重合体(PTFE)粒子、テトラフル
オロエチレンとヘキサフルオロプロペンとの共重合体
(FEP)粒子、あるいはポリ(トリフルオロエチル・
α−フルオロアクリレート)粒子、ポリ(ペンタフルオ
ロプロピル・α−フルオロアクリレート)粒子等の含フ
ッ素アクリル粒子等を採用することができる。請求項1
記載のように、乳化重合により得られるディスパージョ
ンを水性分散状態を維持したまま用いることが好まし
い。フッ素樹脂微粒子のディスパージョンは、通常5〜
70重量%の固形分含量を有し、より好ましくは10〜
40重量%を有する。
ルコキシドゾルとディスパージョンとを混合し、コーテ
ィング液を得る。請求項3記載のように、金属アルコキ
シドゾルを加水分解した後、金属アルコキシドゾルとデ
ィスパージョンとを混合することが好ましい。また、請
求項4記載のように、フルオロアルキルシランの存在
下、コーティング液を得ることが好ましい。この場合、
ゾル調製工程及びディスパージョン調製工程の少なくと
も一方でフルオロアルキルシランを存在させることがで
きる。金属アルコキシドゾルと撥水性微粒子のディスパ
ージョンとの好ましい混合割合は、最終的に形成される
撥水皮膜に占める撥水性微粒子の割合として、撥水性と
耐摩耗性との両観点から、10〜75体積%、より好ま
しくは50〜75体積%が望ましい。
としてのガラス基板の表面に塗布して塗膜を形成する。
基板としては、特に制限されず、例えばガラス基板とし
ては、珪酸ガラス、珪酸アルカリガラス、鉛アルカリガ
ラス、ソーダ石灰ガラス、カリ石灰ガラス、バリウムガ
ラスなどの珪酸塩ガラス、B2 O3 及びSiO2 を有す
る硼珪酸ガラス、P2 O5 を含有する燐酸塩ガラスなど
から選択して用いることができるが、ガラス基板の他、
各種の鋼板、セラミックなどを用いることができる。塗
布工程は、ディッピング、スピンコート、スプレーなど
の公知の塗布手段で行うことができる。塗膜厚は特に制
限されないが、乾燥時で通常1000〜200nmとさ
れる。
膜を形成する。通常、焼成に先立って水や溶媒を除去す
る乾燥工程が行われる。この焼成工程により得られる撥
水皮膜は、金属酸化物の連続相の中に撥水性微粒子が均
一に分散しているものであり、ガラスのような高い透明
性を有する。
ーティング液中の撥水性微粒子同士の凝集にあることを
発見した。そして、鋭意研究を重ねた結果、乳化重合に
より得られる撥水性微粒子のディスパージョンを水性分
散状態を維持したまま用いることこと、水溶性有機溶剤
を含まない溶媒により調製された金属アルコキシドゾル
を採用すること、加水分解された金属アルコキシドゾル
にディスパージョンを混合すること、フルオロアルキル
シランの存在するコーティング液を採用することによ
り、撥水性微粒子同士の凝集を防止できることを発見
し、本発明を完成するに至った。すなわち、 (1)粉末状の撥水性微粒子を単に界面活性剤の存在下
で水に分散させたディスパージョンでは、その物性から
撥水性微粒子が凝集、沈澱しやすい。しかし、乳化重合
により得られる撥水性微粒子のディスパージョンでは、
凝集性の低い撥水性微粒子が形成されるため、分散性が
向上し、撥水皮膜の白濁が防止される。特に、撥水性微
粒子として、含フッ素アクリル樹脂粒子を採用すれば、
ディスパージョン中で撥水性微粒子の形状が均一になり
やすく、極めて小径の撥水性微粒子が得られるため、一
層分散性が向上し、撥水皮膜の白濁が一層防止される。
て、アルコール等の水溶性有機溶剤を用いなければ、撥
水性微粒子界面の水和層の破壊を防止して水和層を維持
できるため、撥水性微粒子の分散安定性が向上し、撥水
皮膜の白濁が防止される。 (3)金属アルコキシドゾルの加水分解後に撥水性微粒
子のディスパージョンを混合することにより、金属アル
コキシドの凝集沈澱傾向を軽減することができるため、
撥水性微粒子の分散性を向上することができ、撥水皮膜
の白濁が低減される。
粒子のディスパージョンを分散させる際、あるいは乳化
重合による撥水性微粒子のディスパージョン調製の際、
フルオロアルキルシランを介在させれば、フルオロアル
キルシランが撥水性微粒子界面に水和層を形成する核と
して機能し、撥水性微粒子界面に水和層を形成するた
め、撥水性微粒子の分散性が向上し、撥水皮膜の白濁が
防止される。
明する。 〔実施例1〕実施例1の製造方法は、請求項1の発明を
具体化したものである。 (1)ゾル調製工程 テトラエトキシシラン 200 g エタノール 426.5 g を1リットルのビーカ中で2時間攪拌混合する。そし
て、 水 83 g 0.1N塩酸水溶液 100 g を加えて混合し、攪拌する。こうして、金属アルコキシ
ドゾルを調製する。 (2)ディスパージョン調製工程 容量1lの攪拌機付ステンレス製オートクレーブに、 水 500 g 乳化剤(C7F15COONH4 ) 1.0 g を仕込み、脱気する。この後、モノマー(CF2=CF2 )を
オートクレーブ内圧が10kgf/cm2 になるまで仕
込み、 過硫酸アンモニウム 10 mg を加えて温度70℃で攪拌しながら反応を行なう。反応
中、モノマーを連続的に供給し、内圧は常に10kgf
/cm2 を保った。3時間後、反応を終了し、生成した
ディスパージョンを取り出す。こうして乳化重合により
得られたディスパージョンは、樹脂濃度が20重量%、
微粒子の平均粒径が0.15μmであった。 (3)コーティング液調製工程 ディスパージョン 400 g を1lのビーカに入れ、静かに攪拌しながら金属アルコ
キシドゾルを全量添加していく。こうして、コーティン
グ液を得る。 (4)塗布工程 コーティング液中にソーダ石灰製ガラス基板を浸漬し、
引き上げ速度60mm/minで引き上げてウェット塗膜を形
成した。 (5)焼成工程 ウェット塗膜が形成されたガラス基板の水及びエタノー
ルを乾燥させた後、大気下、250℃にて60分間焼成
して撥水皮膜を形成した。 (6)評価 得られた撥水性ガラスのJIS−R3212によるヘイ
ズ値と、水との接触角とを測定する(以下、同様。)。
この結果、この撥水性ガラスは、ヘイズ値が1.0%で
あり、良好な透明性を示すことがわかる。また、この撥
水性ガラスは、接触角が100度であり、良好な値を示
すことがわかる。
重合により得られたディスパージョンを添加しているた
め、金属アルコキシドゾル中での微粒子の分散安定性が
向上し、その結果としてヘイズ値を一層低下できること
がわかる。 〔実施例2〕実施例2の製造方法も、請求項1の発明を
具体化したものである。 (1)ゾル調製工程 テトラエトキシシラン 200 g エタノール 426.5 g を1リットルのビーカ中で2時間攪拌混合する。そし
て、 水 83 g 0.1N塩酸水溶液 100 g を加えて混合し、攪拌する。こうして、金属アルコキシ
ドゾルを調製する。 (2)ディスパージョン調製工程 容量1lのスターラ及び温度計付丸底フラスコに、 水 400 g モノマー 100 g (トリフルオロエチル・α−フルオロアクリレート) 乳化剤(C7F15COONH4 ) 1.0 g 連鎖移動剤(C12H25SH) 4.0 g 過硫酸アンモニム 0.5 g を仕込み、窒素気流中、60℃で約2時間反応を行な
う。こうして乳化重合により得られたディスパージョン
は、樹脂濃度が18.5重量%、微粒子の平均粒径が
0.10μmであった。 (3)コーティング液調製工程、(4)塗布工程及び
(5)焼成工程を実施例1と同様に行なう。 (6)評価 得られた撥水性ガラスは、ヘイズ値が0.6%であり、
良好な透明性を示すことがわかる。また、この撥水性ガ
ラスは、接触角が100度であり、良好な値を示すこと
がわかる。
も、金属アルコキシドゾル中での微粒子の分散安定性が
向上し、その結果としてヘイズ値を一層低下できること
がわかる。また、この撥水性ガラスでは、実施例1のP
TFE粒子の代わりに、ポリ(トリフルオロエチル・α
−フルオロアクリレート)粒子を採用したことにより、
金属アルコキシドゾル中での分散安定性が向上し、ヘイ
ズ値を一層低下できることがわかる。
フルオロエチル・α−フルオロアクリレート)粒子によ
り、修飾性に優れる。 〔実施例3〕実施例3の製造方法は、請求項1、2、3
の発明を具体化したものである。 (1)ゾル調製工程 テトラエトキシシラン 200 g 水 83 g 0.1N塩酸水溶液 100 g を1リットルのビーカ中で2時間攪拌混合する。塩酸水
溶液存在下で2時間攪拌することにより、金属アルコキ
シドゾルは加水分解される。こうして、水溶性有機溶剤
を含まない溶媒により加水分解された金属アルコキシド
ゾルを調製する。 (2)ディスパージョン調製工程 容量1lのスターラ及び温度計付丸底フラスコに、 水 400 g モノマー 100 g (ペンタフルオロプロピル・α−フルオロアクリレー
ト) 乳化剤(C7F15COONH4 ) 1.0 g 連鎖移動剤(C12H25SH) 4.0 g 過硫酸アンモニム 0.5 g を仕込み、窒素気流中、60℃で約2時間反応を行な
う。こうして乳化重合により得られたディスパージョン
は、樹脂濃度が19.7重量%、微粒子の平均粒径が
0.10μmであった。 (3)コーティング液調製工程、(4)塗布工程及び
(5)焼成工程を実施例1と同様に行なう (6)評価 得られた撥水性ガラスは、ヘイズ値が0.4%であり、
良好な透明性を示すことがわかる。また、この撥水性ガ
ラスは、接触角が100度であり、良好な値を示すこと
がわかる。
アルコキシドゾルを加水分解し、さらに金属アルコキシ
ドゾルからエタノールを排除しているため、金属アルコ
キシドゾル中での微粒子の分散安定性が向上し、その結
果としてヘイズ値を一層低下できることがわかる。ま
た、この撥水性ガラスでは、実施例2のポリ(トリフル
オロエチル・α−フルオロアクリレート)粒子の代わり
に、ポリ(ペンタフルオロプロピル・α−フルオロアク
リレート)粒子を採用したことにより、金属アルコキシ
ドゾル中での分散安定性が向上し、ヘイズ値を一層低下
できることがわかる。
タフルオロプロピル・α−フルオロアクリレート)粒子
により、修飾性に優れる。 〔実施例4〕実施例4の製造方法は、請求項1、2、
3、4の発明を具体化したものである。 (1)ゾル調製工程 テトラエトキシシラン 200 g フルオロアルキルシラン 5.5 g (CF3(CF2)7C2H4Si(OCH3)3) 水 83 g 0.1N塩酸水溶液 100 g を1リットルのビーカ中で2時間攪拌混合する。こうし
て、フルオロアルキルシランの存在下、水溶性有機溶剤
を含まない溶媒により加水分解された金属アルコキシド
ゾルを調製する。 (2)ディスパージョン調製工程、(3)コーティング
液調製工程、(4)塗布工程及び(5)焼成工程を実施
例1と同様に行なう。 (6)評価 得られた撥水性ガラスは、ヘイズ値が0.3%であり、
良好な透明性を示すことがわかる。また、この撥水性ガ
ラスは、接触角が110度であり、良好な値を示すこと
がわかる。
にフルオロアルキルシランの存在下でコーティング液を
調製しているため、金属アルコキシドゾル中での微粒子
の分散安定性が向上し、その結果としてヘイズ値を一層
低下できることがわかる。また、この撥水性ガラスの撥
水皮膜の硬度は、フルオロアルキルシラン未添加にて作
製した撥水皮膜が100Hvであったのに対し、150
Hvであり、優れた耐摩耗性も示すことがわかる。 〔実施例5〕実施例5の製造方法も、請求項1、2、
3、4の発明を具体化したものである。 (1)ゾル調製工程 テトラエトキシシラン 200 g フルオロアルキルシラン 5.5 g (CF3(CF2)7C2H4Si(OCH3)3) 水 83 g 0.1N塩酸水溶液 100 g を1リットルのビーカ中で2時間攪拌混合する。こうし
て、フルオロアルキルシランの存在下、水溶性有機溶剤
を含まない溶媒により加水分解された金属アルコキシド
ゾルを調製する。 (2)ディスパージョン調製工程、(3)コーティング
液調製工程、(4)塗布工程及び(5)焼成工程を実施
例2と同様に行なう。 (6)評価 得られた撥水性ガラスは、ヘイズ値が0.2%であり、
良好な透明性を示すことがわかる。また、この撥水性ガ
ラスは、接触角が110度であり、良好な値を示すこと
がわかる。
アルコキシドゾル中での微粒子の分散安定性が向上し、
その結果としてヘイズ値を一層低下できることがわか
る。また、この撥水性ガラスでは、ポリ(トリフルオロ
エチル・α−フルオロアクリレート)粒子を採用したこ
とにより、ヘイズ値を一層低下することができることが
わかる。
200Hvであり、優れた耐摩耗性も示すことがわか
る。 〔実施例6〕実施例6の製造方法も、請求項1、2、
3、4の発明を具体化したものである。 (1)ゾル調製工程 テトラエトキシシラン 200 g 水 83 g 0.1N塩酸水溶液 100 g を1リットルのビーカ中で2時間攪拌混合する。こうし
て、水溶性有機溶剤を含まない溶媒により加水分解され
た金属アルコキシドゾルを調製する。 (2)ディスパージョン調製工程 容量1lのスターラ及び温度計付丸底フラスコに、 水 400 g モノマー 100 g (ペンタフルオロプロピル・α−フルオロアクリレー
ト) 乳化剤(C7F15COONH4 ) 1.0 g 連鎖移動剤(C12H25SH) 4.0 g 過硫酸アンモニム 0.5 g フルオロアルキルシラン 5.5 g (CF3(CF2)7C2H4Si(OCH3)3) を仕込み、窒素気流中、60℃で約2時間反応を行な
う。こうして、フルオロアルキルシランの存在下、得ら
れたディスパージョンは、樹脂濃度が19.7重量%、
微粒子の平均粒径が0.12μmであった。 (3)コーティング液調製工程、(4)塗布工程及び
(5)焼成工程を実施例1と同様に行なう。 (6)評価 得られた撥水性ガラスは、ヘイズ値が0.2%であり、
良好な透明性を示すことがわかる。また、この撥水性ガ
ラスは、接触角が100度であり、良好な値を示すこと
がわかる。
アルコキシドゾル中での微粒子の分散安定性が向上し、
その結果としてヘイズ値を一層低下できることがわか
る。また、撥水皮膜の硬度は250Hvであり、優れた
耐摩耗性も示すことがわかる。 〔実施例7〕実施例7の製造方法は、請求項2、3、4
の発明を具体化したものである。 (1)ゾル調製工程 テトラエトキシシラン 200 g フルオロアルキルシラン 5.5 g (CF3(CF2)7C2H4Si(OCH3)3) 水 83 g 0.1N塩酸水溶液 100 g を1リットルのビーカ中で2時間攪拌混合する。こうし
て、フルオロアルキルシランの存在下、水溶性有機溶剤
を含まない溶媒により加水分解された金属アルコキシド
ゾルを調製する。 (2)ディスパージョン調製工程 水 83 g フッ素系界面活性剤 1 g (ダイキン工業(株)製 ユニダインDS−102) からなる水溶液に、粒径0.2μmの PTFE微粒子 80 g (ダイキン工業(株)製 商品名:ルブロンL−2) をよく攪拌しながら添加する。こうして、ディスパージ
ョンを調製する。 (3)コーティング液調製工程、(4)塗布工程及び
(5)焼成工程を実施例1と同様に行なう。 (6)評価 得られた撥水性ガラスは、ヘイズ値が0.9%であり、
良好な透明性を示すことがわかる。また、この撥水性ガ
ラスは、接触角が110度であり、良好な値を示すこと
がわかる。
重合のディスパージョンを採用していないものの、金属
アルコキシドゾルからエタノールを排除し、かつアルコ
キサイドの加水分解を行った後、フルオロアルキルシラ
ンの存在下でディスパージョンを添加しているため、金
属アルコキシドゾル中での微粒子の分散安定性が向上
し、その結果としてヘイズ値を一層低下することができ
ることがわかる。
150Hvであり、優れた耐摩耗性も示すことがわか
る。 〔実施例8〕実施例8の製造方法は、請求項2、3の発
明を具体化したものである。 (1)ゾル調製工程 テトラエトキシシラン 200 g 水 83 g 0.1N塩酸水溶液 100 g を1リットルのビーカ中で2時間攪拌混合する。こうし
て、水溶性有機溶剤を含まない溶媒により加水分解され
た金属アルコキシドゾルを調製する。 (2)ディスパージョン調製工程、(3)コーティング
液調製工程、(4)塗布工程及び(5)焼成工程を実施
例7と同様に行なう。 (6)評価 得られた撥水性ガラスは、ヘイズ値が1.3%であり、
未だ良好な透明性を示すことがわかる。また、この撥水
性ガラスは、接触角が100度であり、良好な値を示す
ことがわかる。
ズ値を一層低下することができることがわかる。 〔実施例9〕実施例9の製造方法も、請求項2、3の発
明を具体化したものである。 (1)ゾル調製工程 テトラエトキシシラン 200 g 酢酸エチル 500 g 水 83 g 0.1N塩酸水溶液 100 g を1リットルのビーカ中で2時間攪拌混合する。ここ
で、水溶性有機溶剤を含まない溶媒である酢酸エチルに
よっても金属アルコキシドゾルは加水分解される。こう
して、水溶性有機溶剤を含まない溶媒により加水分解さ
れた金属アルコキシドゾルを調製する。 (2)ディスパージョン調製工程、(3)コーティング
液調製工程、(4)塗布工程及び(5)焼成工程を実施
例7と同様に行なう。 (6)評価 得られた撥水性ガラスは、ヘイズ値が1.4%であり、
未だ良好な透明性を示すことがわかる。また、この撥水
性ガラスは、接触角が100度であり、良好な値を示す
ことがわかる。
ズ値を一層低下することができることがわかる。 〔実施例10〕実施例10の製造方法は、請求項1、
2、3の発明を具体化したものである。 (1)ゾル調製工程 テトラエトキシシラン 200 g 酢酸エチル 500 g 水 83 g 0.1N塩酸水溶液 100 g を1リットルのビーカ中で2時間攪拌混合する。こうし
て、水溶性有機溶剤を含まない溶媒により加水分解され
た金属アルコキシドゾルを調製する。 (2)ディスパージョン調製工程、(3)コーティング
液調製工程、(4)塗布工程及び(5)焼成工程を実施
例1と同様に行なう。 (6)評価 得られた撥水性ガラスは、ヘイズ値が0.7%であり、
良好な透明性を示すことがわかる。また、この撥水性ガ
ラスは、接触角が100度であり、良好な値を示す し
たがって、この撥水性ガラスでも、ヘイズ値を一層低下
することができることがわかる。 〔比較例〕比較例の製造方法は、特開平5−51238
号公報記載の方法である。 (1)ゾル調製工程 テトラエトキシシラン 200 g エタノール 426.5 g を1リットルのビーカ中で混合攪拌する。こうして金属
アルコキシドゾルを調製する。 (2)ディスパージョン調製工程 水 83 g フッ素系界面活性剤 1 g (ダイキン工業(株)製 ユニダインDS−102) からなる水溶液に、粒径0.2μmの PTFE微粒子 80 g (ダイキン工業(株)製 商品名:ルブロンL−2) をよく攪拌しながら添加し、これに、 0.1N塩酸水溶液 100 g 添加し、攪拌する。こうして、ディスパージョンを調製
する。 (3)コーティング液調製工程、(4)塗布工程及び
(5)焼成工程を実施例1と同様に行なう。 (6)評価 得られた撥水性ガラスは、ヘイズ値が2.0%であり、
ほぼ透明であるが、濁りによる白濁が確認された。な
お、この撥水性ガラスは、接触角が100度であり、良
好な値を示すことがわかる。
より得られた撥水性ガラスの撥水皮膜の特性を表1にま
とめて示す。
の製造方法では、特許請求の範囲記載の構成を採用して
いるため、撥水皮膜の白濁を有効に防止しつつ、撥水皮
膜の膜厚方向でほぼ均一に撥水機能を発揮しうる撥水皮
膜を製造することができる。
Claims (4)
- 【請求項1】金属アルコキシドゾルを調製するゾル調製
工程と、乳化重合により撥水性微粒子のディスパージョ
ンを得るディスパージョン調製工程と、該金属アルコキ
シドゾルと該ディスパージョンとを混合してコーティン
グ液を得るコーティング液調製工程と、該コーティング
液を基板の表面に塗布して塗膜を形成する塗布工程と、
該塗膜を焼成して該撥水性微粒子を含む金属酸化物の連
続相からなる撥水皮膜を形成する焼成工程と、を行うこ
とを特徴とする撥水皮膜の製造方法。 - 【請求項2】水溶性有機溶剤を含まない溶媒により金属
アルコキシドゾルを調製するゾル調製工程と、撥水性微
粒子のディスパージョンを得るディスパージョン調製工
程と、該金属アルコキシドゾルと該ディスパージョンと
を混合してコーティング液を得るコーティング液調製工
程と、該コーティング液を基板の表面に塗布して塗膜を
形成する塗布工程と、該塗膜を焼成して該撥水性微粒子
を含む金属酸化物の連続相からなる撥水皮膜を形成する
焼成工程と、を行うことを特徴とする撥水皮膜の製造方
法。 - 【請求項3】金属アルコキシドゾルを調製するゾル調製
工程と、撥水性微粒子のディスパージョンを得るディス
パージョン調製工程と、該金属アルコキシドゾルの加水
分解の後、該金属アルコキシドゾルと該ディスパージョ
ンとを混合してコーティング液を得るコーティング液調
製工程と、該コーティング液を基板の表面に塗布して塗
膜を形成する塗布工程と、該塗膜を焼成して該撥水性微
粒子を含む金属酸化物の連続相からなる撥水皮膜を形成
する焼成工程と、を行うことを特徴とする撥水皮膜の製
造方法。 - 【請求項4】金属アルコキシドゾルを調製するゾル調製
工程と、撥水性微粒子のディスパージョンを得るディス
パージョン調製工程と、フルオロアルキルシランの存在
下、該金属アルコキシドゾルと該ディスパージョンとを
混合し、コーティング液を得るコーティング液調製工程
と、該コーティング液を基板の表面に塗布して塗膜を形
成する塗布工程と、該塗膜を焼成して該撥水性微粒子を
含む金属酸化物の連続相からなる撥水皮膜を形成する焼
成工程と、を行うことを特徴とする撥水皮膜の製造方
法。
Priority Applications (1)
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JP5302583A JP2724802B2 (ja) | 1993-12-02 | 1993-12-02 | 撥水皮膜の製造方法 |
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JP2724802B2 JP2724802B2 (ja) | 1998-03-09 |
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ID=17910731
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JP5302583A Expired - Lifetime JP2724802B2 (ja) | 1993-12-02 | 1993-12-02 | 撥水皮膜の製造方法 |
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-
1993
- 1993-12-02 JP JP5302583A patent/JP2724802B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JP4665371B2 (ja) * | 1999-09-17 | 2011-04-06 | ダイキン工業株式会社 | 無機・有機ハイブリッド材料からなる表面処理剤 |
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