JPH07156431A - サ−マルプリンタヘッドおよびその熱処理装置と方法 - Google Patents

サ−マルプリンタヘッドおよびその熱処理装置と方法

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JPH07156431A
JPH07156431A JP5310174A JP31017493A JPH07156431A JP H07156431 A JPH07156431 A JP H07156431A JP 5310174 A JP5310174 A JP 5310174A JP 31017493 A JP31017493 A JP 31017493A JP H07156431 A JPH07156431 A JP H07156431A
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heating resistor
thermal printer
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隆 小原
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明は動作時に発熱抵抗体のリ−ド線が
接続された所定方向両端部が熱によって早期に劣化する
のを防止したサ−マルプリンタヘッドを提供することに
ある。 【構成】 基板9aと、この基板に設けられた発熱抵抗
体9bと、この発熱抵抗体の所定方向両端部に接続され
たリ−ド線9cとを有し、上記発熱抵抗体の電気抵抗値
は、上記所定方向の中央部分が両端部分よりも高く設定
されていることを特徴とするサ−マルプリンタヘッド。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は薄膜からなる発熱抵抗
体によって形成されるサ−マルプリンタヘッドおよびそ
の熱処理装置と方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、サ−マルプリンタヘッドは基板
に発熱抵抗体を設け、この発熱抵抗体の所定方向両端部
にリ−ド線が接続されてなる。このようなサ−マルプリ
ンタヘッドは、発熱抵抗体の材料としてTa−SiO
2 、Nb−SiO2 、Zr−SiO2 、Cr−SiO2
などの金属とSiO2 を組み合わせたものをタ−ゲット
材とし、スパッタリング法により膜厚200〜5000
オングストロ−ムの上記発熱抵抗体が形成される。
【0003】上記発熱抵抗体は、スパッタリングしたま
まの状態ではサ−マルプリンタヘッドとしての使用時に
発熱温度で抵抗値が低下して流れる電流が増加し、その
電流によりさらに発熱量が増えるため、さらに電流が過
大に流れる。その結果、最終的には発熱抵抗体がそれ自
体の発熱により破壊されるに至りることがある。
【0004】このような現象は発熱抵抗体の結晶構造の
微細粒子の組織が使用による経時変化を起こし、その発
熱抵抗体の抵抗値が低下するためであると考えられてい
る。そのため、上記発熱抵抗体を上述した方法で形成し
たならば、その発熱抵抗体の結晶化状態をより安定化さ
せるために、通電エ−ジングまたは加熱炉内でのアニ−
リングまたはレ−ザ光照射によるレ−ザアニ−ルなどの
熱処理を行うようにしている。それによって、発熱抵抗
体は発熱により抵抗値が低下するのをなくすことができ
る。
【0005】ところで、サ−マルプリンタヘッドの動作
時、従来の発熱抵抗体は温度上昇がその所定方向におい
て一様であった。そのため、発熱抵抗体からの熱は、そ
の所定方向両端部に接続されたリ−ド線に伝導し易いた
め、サ−マルプリンタヘッドの動作が長時間にわたるよ
うな場合、上記リ−ド線の蓄熱量が増大し、その熱で発
熱抵抗体の、上記リ−ド線が接続された所定方向両端部
が早期に劣化し易いということがあった。発熱抵抗体の
両端部が劣化すると、印字品質の低下を招いたり、印字
速度を向上させることができないなどのことが生じる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来は発
熱抵抗体の周辺部、とくにリ−ド線が接続された所定方
向両端部の温度が他の部分に比べて上昇し易いため、そ
の部分が早期に劣化し易いということがあった。
【0007】この発明の第1の目的は、発熱抵抗体のリ
−ド線が接続された両端部分が発熱しずらいようにした
サ−マルプリンタヘッドを提供することにある。第2の
目的は、発熱抵抗体のリ−ド線が接続された両端部分が
発熱しずらいようにサ−マルプリンタヘッドを熱処理す
るための熱処理装置を提供することにある。
【0008】第3の目的は、発熱抵抗体のリ−ド線が接
続された両端部分が発熱しずらいようにサ−マルプリン
タヘッドを熱処理するための熱処方法を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載された第
1の発明は、基板と、この基板に設けられた発熱抵抗体
と、この発熱抵抗体の所定方向両端部に接続されたリ−
ド線とを有し、上記発熱抵抗体の電気抵抗値は、上記所
定方向の中央部分が両端部分よりも高く設定されている
ことを特徴とする。
【0010】請求項2に記載された第2の発明は、基板
に発熱抵抗体を設け、この発熱抵抗体の所定方向両端部
にリ−ド線が接続されたサ−マルプリンタヘッドの上記
発熱抵抗体にレ−ザ光を照射してその電気抵抗値を設定
する熱処理装置において、上記レ−ザ光を出力するレ−
ザ発振器と、このレ−ザ発振器から出力されたレ−ザ光
が入射し出射側におけるそのパタ−ンの強度分布を中央
部分が両端部分よりも低くなるよう変調する光学手段と
を具備し、この光学手段から出射したレ−ザ光はそのパ
タ−ンの強度の低い部分が上記発熱抵抗体の所定方向中
央部分を照射するよう設定されてなることを特徴とす
る。
【0011】請求項4に記載された第3の発明は、基板
に発熱抵抗体を設け、この発熱抵抗体の所定方向両端部
にリ−ド線が接続されたサ−マルプリンタヘッドの上記
発熱抵抗体にレ−ザ光を照射してその電気抵抗値を設定
する熱処理方法において、上記発熱抵抗体の所定方向中
央部分を両端部分よりも強度の低いレ−ザ光で照射する
ことを特徴とする。
【0012】
【作用】第1の発明によれば、発熱抵抗体のリ−ド線が
接続された両端部に比べて中央部分の電気抵抗値が高く
設定されることで、両端部の発熱を中央部分に比べて低
く押さえることができる。
【0013】第2、第3の発明によれば、発熱抵抗体の
リ−ド線が接続された両端部に比べて中央部分の電気抵
抗値が高くなるよう、上記発熱抵抗体を熱処理すること
ができる。
【0014】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図面を参照して
説明する。図1はこの発明の熱処理装置を示し、この熱
処理装置はYAGレ−ザなどのレ−ザ発振器1を備えて
いる。このレ−ザ発振器1から出力されたレ−ザ光Lは
ミラ−2で反射して光ファイバ3の一端に設けられた入
射光学系4に入射する。
【0015】なお、上記光ファイバ3には、図示しない
がレ−ザ光Lとともに、He−Neレ−ザなどから出力
された目視可能なガイド光が光軸を同じにして入射する
ようになっている。
【0016】上記光ファイバ3の出射端には出射光学系
5が設けられ、この出射光学系5から出射したレ−ザ光
Lはガラスなどの透光材によって形成された角柱部材6
の入射端面6aに入射する。角柱部材6に入射したレ−
ザ光Lはその内部で反射を繰り返すことで強度分布が均
一化され、その出射端面6bから角柱部材6の断面形状
に対応した矩形状のパタ−ンに成形されて出射する。
【0017】上記角柱部材6の出射端面6bには、その
所定方向中心部分に、その方向と直交する方向の全長に
わたって帯状の遮光体7が設けられている。この遮光体
7は上記角柱部材6の出射端面6bから出射するレ−ザ
光Lの光量を制限するためのもので、たとえばスリガラ
スなどのような光を散乱したり、半透明膜などのような
透過光量を制限する物質によって形成されている。
【0018】上記角柱部材6の出射端面6b側には対物
光学系8が設けられている。上記出射端面6bから出射
したレ−ザ光Lは上記対物光学系8によって集束されて
サ−マルプリンタヘッド9を照射する。このサ−マルプ
リンタヘッド9はYテ−ブル11上に載置されている。
このYテ−ブル11はXテ−ブル12上にY方向に沿っ
て移動自在に設けられ、Y駆動源13によってY方向に
駆動されるようになっている。上記Xテ−ブル12はX
方向に沿って移動自在に設けられ、X駆動源14によっ
てX方向に駆動されるようになっている。
【0019】上記サ−マルプリンタヘッド9は、図3に
示すようにアルミナなどの絶縁性の基板9a上に帯状の
多数の発熱抵抗体9bが所定の間隔で形成されていて、
その長手方向両端部にはそれぞれアルミニウム製のリ−
ド線9cが接続されてなる。上記発熱抵抗体9bはエ−
ジングあるいはアニ−リングなどによって結晶が安定化
処理されている。
【0020】上記対物光学系8から出射したレ−ザ光L
は、上記発熱抵抗体9bの長さ方向ほぼ全長を照射す
る。その状態で、上記Xテ−ブル12によってYテ−ブ
ル11上に載置されたサ−マルプリンタヘッド9を図3
に矢印で示すX方向に駆動することで、多数の発熱抵抗
体9bが順次照射されることになる。
【0021】なお、角柱部材6は、その出射端面6bに
設けられた遮光体7がXテ−ブル12の駆動方向であ
る、X方向に沿って配置されている。それによって、レ
−ザ光Lのパタ−ンの遮光体7により強度分布が低下さ
せられた部分は、発熱抵抗体9bの所定方向中央部分を
照射することになる。
【0022】上記レ−ザ光Lによる発熱抵抗体9bの照
射部近傍は、図1に示すようにCCDカメラ15によっ
て撮像される。このCCDカメラ15からの撮像信号は
CRT16に表示されるとともに、コントロ−ラ17に
入力される。このコントロ−ラ17は上記CCDカメラ
15からの撮像信号によって上記レ−ザ光Lによるサ−
マルプリンタヘッド9の照射位置を制御するようになっ
ている。
【0023】つぎに、上記構成の装置の作動について説
明する。まず、レ−ザ発振器1を作動させてレ−ザ光L
を出力する。このときのレ−ザ光Lの強度分布は図2
(b)にP1 で示すように、中心部分が高く、周辺部に
ゆくにしたがって低下する、ガウシアン分布となってい
る。
【0024】レ−ザ発振器1から出力されたレ−ザ光L
は、光ファイバ3を伝播して角柱部材6に入射する。こ
の角柱部材6に入射したレ−ザ光Lはその内部で反射を
繰り返すことで強度分布が均一化される。ついで、均一
化されたレ−ザ光Lは、その出射端面6bから矩形状の
パタ−ンで出射する。出射端面6bには遮光体7が設け
られているから、出射端面6bから出射するレ−ザ光L
の強度分布は、図2(c)にP2 で示すように、遮光体
7に対応する部分の強度が他の部分に比べて低下した分
布状態となる。
【0025】上記角柱部材6から出射して対物光学系8
で集束されたレ−ザ光Lは、Yテ−ブル11上に載置さ
れたサ−マルプリンタヘッド9の発熱抵抗体9bを照射
する。つまり、レ−ザ光Lは、遮光体7によって強度分
布が低く変調された図2(c)にP2 で示すパタ−ンで
発熱抵抗体9bを照射する。
【0026】それによって、発熱抵抗体9bは、両端部
にリ−ド線9cが接続された長さ方向中央部分がレ−ザ
光Lのパタ−ンP2 の強度分布が低い部分で照射され、
両端部分が高い部分で照射される。
【0027】上記発熱抵抗体9bの抵抗値は温度依存性
をもっており、照射されるレ−ザ光Lの温度が高い程、
低くなる特性がある。そのため、P2 のパタ−ンで照射
された発熱抵抗体9bの抵抗値Rは、図4(b)に示す
ようにその長さ方向中央部分の抵抗値がリ−ド線9cが
接続された両端部分に比べて低くなる。つまり、発熱抵
抗体9bは、図3に矢印Fで示す印字される紙の進行方
向における前後方向よりも中央部分の抵抗が高く設定さ
れることになる。
【0028】このような熱処理が行われたサ−マルプリ
ンタヘッド9によれば、動作時に通電されると、その発
熱抵抗体9bは抵抗値が高い長さ方向中央部分が、抵抗
値の低い両端部分に比べて発熱量が大きくなる。つま
り、発熱抵抗体9bはリ−ド線9cが接続された長さ方
向両端部分の温度上昇が抑制されることになるから、そ
の両端部分の早期劣化が防止される。それによって、サ
−マルプリンタヘッド9は、長期にわたり高品質の印字
性能と印字速度の高速化とを維持することができる。
【0029】なお、この発明は上記一実施例に限定され
ず、要旨を逸脱しない範囲内で種々変形可能である。た
とえば、レ−ザ光のパタ−ンを矩形状に成形し、その強
度分布を均一化する手段は、中実な角柱部材に代わり、
内面が反射面に形成された角筒状の部材(カライドスコ
−プ)であっても差支えない。
【0030】
【発明の効果】以上述べたように請求項1に記載された
第1の発明によれば、所定方向両端部にリ−ド線が接続
された発熱抵抗体の電気抵抗値を、上記所定方向の中央
部分が両端部分よりも高くなるよう設定されたサ−マル
プリンタヘッドを提供することができる。
【0031】請求項2に記載された第2の発明と、請求
項4に記載された第3の発明によれば、サ−マルプリン
タヘッドの所定方向両端部にリ−ド線が接続された発熱
抵抗体の電気抵抗値を、上記所定方向の中央部分が両端
部分よりも高くなるよう熱処理する熱処理装置およびそ
の方法を提供することができる。
【0032】そのため、これらの発明によれば、動作時
に上記発熱抵抗体に通電されると、リ−ド線が接続され
た両端部分の発熱量が中央部分に比べて低下するから、
その両端部分の早期劣化を防止し、印字品質の向上や印
字速度の高速化を計ることができるサ−マルプリンタヘ
ッドおよびその熱処理装置と方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例の熱処理装置の全体構成を
示す斜視図。
【図2】同じくレ−ザ光の強度分布を変調するための角
柱部材の斜視図およびその入射端面と出射端面における
レ−ザ光の強度分布図。
【図3】同じくサ−マルプリンタヘッドの一部分の拡大
変面図。
【図4】同じくサ−マルプリンタヘッドの発熱抵抗体を
照射するレ−ザ光の強度分布とそのレ−ザ光によって照
射された発熱抵抗体の所定方向に沿う抵抗値を示す説明
図。
【符号の説明】
1…レ−ザ発振器、6…角柱部材、7…遮光体、9…サ
−マルプリンタヘッド、9a…基板、9b…発熱抵抗
体、9…リ−ド線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B23K 26/00 E

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、この基板に設けられた発熱抵抗
    体と、この発熱抵抗体の所定方向両端部に接続されたリ
    −ド線とを有し、上記発熱抵抗体の電気抵抗値は、上記
    所定方向の中央部分が両端部分よりも高く設定されてい
    ることを特徴とするサ−マルプリンタヘッド。
  2. 【請求項2】 基板に発熱抵抗体を設け、この発熱抵抗
    体の所定方向両端部にリ−ド線が接続されたサ−マルプ
    リンタヘッドの、上記発熱抵抗体にレ−ザ光を照射して
    その電気抵抗値を設定する熱処理装置において、 上記レ−ザ光を出力するレ−ザ発振器と、このレ−ザ発
    振器から出力されたレ−ザ光が入射し出射側におけるそ
    のパタ−ンの強度分布を中央部分が両端部分よりも低く
    なるよう変調する光学手段とを具備し、この光学手段か
    ら出射したレ−ザ光はそのパタ−ンの強度の低い部分が
    上記発熱抵抗体の所定方向中央部分を照射するよう設定
    されてなることを特徴とするサ−マルプリンタヘッドの
    熱処理装置。
  3. 【請求項3】 上記光学手段は、断面矩形状の導光体か
    らなり、その一端面から入射するレ−ザ光を矩形状のパ
    タ−ンに成形するとともに、出射側にはそのパタ−ンの
    所定方向中央部分におけるレ−ザ光の透過量を規制する
    遮光体が設けられてなることを特徴とする請求項2記載
    のサ−マルプリンタヘッドの熱処理装置。
  4. 【請求項4】 基板に発熱抵抗体を設け、この発熱抵抗
    体の所定方向両端部にリ−ド線が接続されたサ−マルプ
    リンタヘッドの、上記発熱抵抗体にレ−ザ光を照射して
    その電気抵抗値を設定する熱処理方法において、 上記発熱抵抗体の所定方向中央部分を両端部分よりも強
    度の低いレ−ザ光で照射することを特徴とするサ−マル
    プリンタヘッドの熱処理方法。
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