JP2947948B2 - 薄膜サーマルヘッドの抵抗体トリミング方法 - Google Patents

薄膜サーマルヘッドの抵抗体トリミング方法

Info

Publication number
JP2947948B2
JP2947948B2 JP3005295A JP529591A JP2947948B2 JP 2947948 B2 JP2947948 B2 JP 2947948B2 JP 3005295 A JP3005295 A JP 3005295A JP 529591 A JP529591 A JP 529591A JP 2947948 B2 JP2947948 B2 JP 2947948B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resistance value
trimming
pulse
heating resistor
thermal head
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP3005295A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04261872A (ja
Inventor
士郎 田中
繁範 大田
和宏 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP3005295A priority Critical patent/JP2947948B2/ja
Publication of JPH04261872A publication Critical patent/JPH04261872A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2947948B2 publication Critical patent/JP2947948B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electronic Switches (AREA)
  • Apparatuses And Processes For Manufacturing Resistors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サーマルヘッドにおい
て薄膜技術により形成される発熱抵抗体の抵抗値を設定
範囲内に調整する抵抗体トリミング方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】各種印画出力装置に用いられるサーマル
ヘッドは、ヘッド基板上に複数の発熱抵抗体が形成さ
れ、この発熱抵抗体が選択的に電力付勢されて感熱印画
が行われる。サーマルヘッドにおいて印加時における濃
度むらなどを生じる抵抗値のバラツキには、下記の3種
類がある。
【0003】(1)ヘッド間のバラツキ、すなわち同一
規格のサーマルヘッドであっても、各ヘッド毎の平均抵
抗値にバラツキが生じる。
【0004】(2)ヘッド内のバラツキ、すなわち単一
のサーマルヘッド内における発熱抵抗体の抵抗値のバラ
ツキである。
【0005】(3)隣接ドット間のバラツキ、すなわち
単一のサーマルヘッド内の隣接する発熱抵抗体間のバラ
ツキ。
【0006】ここで厚膜サーマルヘッドにおいて、発熱
抵抗体はペースト状の抵抗体材料を印刷にて電気絶縁性
基板上に形成するため、抵抗値のバラツキは、この印刷
精度に最も左右され、したがって前記ヘッド内および隣
接ドット間のバラツキが大きく、ヘッド間のバラツキは
ヘッド毎の平均抵抗値のバラツキであるため、比較的小
さくなることが知られている。一方、薄膜のサーマルヘ
ッドの場合、スパッタリングや蒸着などにより、抵抗体
材料層を形成した後、所定のパターン形状にエッチング
して発熱抵抗体として形成する。これにより抵抗値のバ
ラツキは、隣接ドット間のバラツキとしてはたとえば±
0.5%程度と小さく、ヘッド内のバラツキも比較的小
さいことが知られている。一方、同一膜厚の薄膜をヘッ
ド毎に毎回形成することが困難であるため、ヘッド間の
バラツキは比較的大きくなる。
【0007】このとき設計された印画濃度を実現するた
めに、各発熱抵抗体の抵抗値は均一である必要がある。
しかし厚膜技術による発熱抵抗体の抵抗値は、±25%
以上のバラツキを有しているため、発熱抵抗体の形成後
に発熱抵抗体に電圧パルスを印加して抵抗値を低下さ
せ、バラツキを可及的に抑制するトリミング技術が採用
されている。
【0008】このようなトリミングを行う第1の従来例
として、発熱抵抗体の初期抵抗値が目標抵抗値より大き
い場合、初期電圧V0のトリミングパルスを印加して抵
抗値を低下させ、その後、抵抗値が目標抵抗値以下にな
るまで、増加分ΔVずつ電圧を増加させたトリミングパ
ルスを印加する方式が知られている。しかしこの方式で
は、各発熱抵抗体の抵抗値を高精度で均一化するには、
前記初期電圧V0および増加分ΔVを比較的小さな値に
設定する必要があり、各発熱抵抗体毎に印加すべきトリ
ミングパルス数が増大し、トリミング工程に時間を要し
てしまい生産効率が低下してしまうという問題点を有し
ている。
【0009】第2の従来技術として、下記のトリミング
法が知られている。すなわち、サーマルヘッドを製造す
るにあたり、同一ロット内や同一基板内では、各発熱抵
抗体に同一のトリミングパルスを印加した際の抵抗値の
変化状態に規則性や再現性が見られる現象に着目し、印
加するトリミングパルスの電圧値と抵抗値Rの変化率Δ
R/Rとの間の相関関係すなわち校正曲線を予め求めて
おき、この校正曲線に従って初期電圧V0を決定し、こ
の初期電圧V0を印加することによって抵抗値を可及的
に目標抵抗値に近付ける。この後、増加分ΔVずつ電圧
を増加させたパルスを印加して抵抗値を漸減させてい
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記第2の従来例によ
れば、従来から印刷などの厚膜技術によって製造された
厚膜サーマルヘッドに対する抵抗値の調整は、比較的充
分に行われる。第2の従来例を用いて抵抗値を調整した
際の目標抵抗値に対する接近の程度、すなわち制御性は
−3%〜+0%程度となる。しかもこの値はもとの発熱
抵抗体毎の抵抗値に依存しないので、トリミング処理後
の厚膜サーマルヘッドの抵抗値のバラツキはサーマルヘ
ッド間で±1.5%、サーマルヘッド内で±1.5%、
隣接発熱抵抗体間で±3%となる。これは厚膜サーマル
ヘッドの初期の抵抗値のバラツキが通常±25%以上で
あることからすると、バラツキの改善を行うには、充分
な技術といえる。
【0011】一方、近年、蒸着やスパッタリングなどの
薄膜技術により製造される薄膜サーマルヘッドが用いら
れている。この薄膜サーマルヘッドの場合、隣接発熱抵
抗体間の初期抵抗値のバラツキは±1%前後であり、濃
度むらを起こさない中間調表示が可能な画像用の薄膜サ
ーマルヘッドには、隣接発熱薄膜抵抗体間の抵抗値のバ
ラツキは±0.5%程度が要求されている。このため、
前記第2の従来例は薄膜サーマルヘッドにおけるトリミ
ング技術としては、極めて不充分である。
【0012】また、前記第2の従来技術を薄膜サーマル
ヘッドのトリミングに応用した場合を想定しても、下記
の3つの問題点を生じるため、目標抵抗値への制御性は
極めて悪いものとなる。
【0013】(1)従来の技術は、電圧を漸増したトリ
ミングパルスを印加することにより、抵抗値が低下する
ことを前提にしているけれども、実施例において説明さ
れるように、本件発明者は印加されるパルスの条件によ
っては抵抗値が必ずしも下がるとは限らないことを確認
した。したがってパルス印加後の抵抗値が印加前の抵抗
値より低下していないとの理由で、印加される電圧を漸
増させた場合、実際の抵抗値は目標抵抗値から逆に遠ざ
かってしまい、発熱抵抗体を破壊してしまう場合も生じ
る。
【0014】(2)一定電圧レベルV0のトリミングパ
ルスを印加しても、ヘッド毎あるいは発熱抵抗体毎の抵
抗値により抵抗値の変化率が大きく異なるため、校正曲
線の作成が不可能である。
【0015】(3)トリミングにおける前記増加分ΔV
=0として初期電圧V0を繰返し印加するようにしても
抵抗値の変化率が大きく、このトリミングパルスの印加
で目標抵抗値より下がりすぎた抵抗値になる場合が多
い。
【0016】本発明の目的は、上述の技術的課題を解消
し、作業性が良好で、しかも高精度で設定抵抗値の範囲
内に調整が可能な薄膜サーマルヘッドの抵抗体トリミン
グ方法を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、サーマルヘッ
ドの電気絶縁性基板上に直線状に配列された複数の発熱
抵抗体の抵抗値を設定範囲内とすべく発熱抵抗体に大気
雰囲気の下でトリミングパルスを印加することによって
トリミングする方法であって、 サーマルヘッドの複数の発熱抵抗体に対して一定の電圧
値で幅の短いトリミングパルスを印加し第1段アニール
を施して発熱抵抗体の抵抗値を低下させた後に、これら
発熱抵抗体の抵抗値を測定し、測定抵抗値が設定範囲よ
りも高い発熱抵抗体に対しては上記トリミングパルスと
同じパルス幅で電圧値がより高いトリミングパルスを印
加して発熱抵抗体に第2段以降のアニールを施し抵抗値
をさらに低下させるとともに、測定抵抗値が設定範囲よ
りも低い発熱抵抗体に対しては低電圧でパルス幅の長い
トリミングパルスを印加して発熱抵抗体の少なくとも一
部を酸化し抵抗値を上昇させることによって複数の発熱
抵抗体の抵抗値が設定範囲内に入るようにすることを特
徴とする薄膜サーマルヘッドの抵抗体トリミング方法。
である。
【0018】
【作用】本発明に従えば、各発熱抵抗体のトリミング
は、大気雰囲気下で発熱抵抗体に高い電圧で短いパルス
幅または低い電圧で長いパルス幅のトリミングパルスを
印加して行われる。これによって発熱抵抗体の少なくと
も一部を酸化して抵抗値を上昇させるトリミングを効率
よく進行させることができ、特に長時間を要する抵抗値
を上昇させるために要する時間を短縮できる。
【0019】製造された発熱抵抗体は、一般に抵抗値が
設定範囲より高いことが多く、このため複数の発熱抵抗
体に第1段アニールが施され抵抗値が低下させられ、測
定される。測定抵抗値が設定範囲内に入ればトリミング
は終了する。測定抵抗値が設定範囲より高い発熱抵抗体
は、抵抗値が設定範囲内になるか、または設定範囲以下
になるまで第2段アニールが施される。また測定抵抗値
が設定範囲以下にされた発熱抵抗体は低電圧でパルス幅
の長いトリミングパルスが印加され、抵抗値が上昇さ
れ、抵抗値が設定範囲内にされる。したがって複数の発
熱抵抗体の抵抗値が設定範囲内に入り、トリミングを終
了する。
【0020】これにより発熱抵抗体のトリミングを行う
際に、発熱抵抗体の破壊が生じる事態を防ぐことがで
き、作業性の向上とトリミングの効率化とを併せて図る
ことができる。
【0021】
【実施例】図1は本発明のトリミング方法を用いて製造
される薄膜サーマルヘッド(以下、サーマルヘッドと略
す)21の構成を説明するための断面図である。サーマ
ルヘッド21は、たとえばアルミニウムなどの金属材料
から成る放熱板22を備え、この上にヘッド基板23が
接着剤層32で固着される。ヘッド基板23上には、図
1の紙面と垂直方向に多数の発熱抵抗体24が直線状に
形成され、またこの発熱抵抗体24の配列方向と並行に
配列され、発熱抵抗体24と図示しない電極にて接続さ
れた複数の駆動回路素子25が配置される。これらの駆
動回路素子25は合成樹脂材料から成る保護層26で被
覆される。
【0022】ヘッド基板23上にはたとえばスクリーン
印刷などの厚膜技術にて蓄熱層35が形成され、また厚
膜共通電極層27がヘッド基板23の外周に沿って形成
される。蓄熱層35上には発熱抵抗体層34、共通電極
層36および複数の個別電極37が形成され、直線上の
複数の発熱抵抗体24が構成される。発熱抵抗体24
は、たとえばスパッタリングなどの薄膜技術により形成
される耐摩耗層39を介して、プラテンローラ31との
間で感熱紙32に感熱印字を行う。またこの発熱抵抗体
24は集積回路素子として実現される駆動回路素子25
により制御される。駆動回路素子25には絶縁層28で
被覆された前記個別電極37が接続されると共に、駆動
回路素子25に発熱抵抗体24を駆動する信号などを入
力し、絶縁層28で被覆された外部接続端子29が接続
され、駆動回路素子25およびその周辺を被覆して合成
樹脂材料などからなる保護層26が形成される。
【0023】本発明は、ヘッド基板23上に発熱抵抗体
層34、共通電極36および複数の個別電極37が形成
された段階で、これらによって規定される複数の発熱抵
抗体24毎の抵抗値をトリミングして均一化しようとす
るものである。上記のサーマルヘッド21に対して実験
を行った結果、以下の事実が判明した。
【0024】(1)耐摩耗層39を形成する前に、大気
雰囲気中でトリミングパルスを印加する。このときパル
ス幅を適宜選択することにより、発熱抵抗体24の抵抗
値を下げるだけでなく、上げることができる。この実験
結果の概要は図2のグラフに示される。すなわち横軸に
印加電力、縦軸に発熱抵抗体24の抵抗値変化率ΔR/
Rを取ると、印加されるトリミングパルスのパルス幅を
変化させることにより、得られる特性曲線が大きく変化
することが確認された。図2図示のラインL1,L2,
L3は、相互にパルス幅が異なる場合を示しており、対
応するパルス幅をWL1,WL2,WL3(必要な場合
はWLで総称する)で表すとこれらの関係は、
【0025】
【数1】WL1>WL2>WL3 である。
【0026】すなわちパルス幅WLが比較的長い場合に
は、ラインL1に示されるように印加電力を増大すると
抵抗値は増大する。一方、パルス幅WLが比較的短い場
合には、ラインL3に示されるように閾値電力Pth未
満の範囲Aでは抵抗値は変化しないが、閾値電力Pth
以上の範囲B程度に印加電力を増大すると抵抗値は減少
する。またパルス幅WL1,WL3の中間のパルス幅W
L2では、ラインL2に示されるように、印加電力Pの
程度によって抵抗値の上昇現象と下降現象との双方が現
れる。すなわち印加電力に関する閾値電力Pth未満の
印加電力の範囲Aでは、抵抗値は印加電力の増大に従い
最初は低下率が次第に増大するが、或る点で低下率は減
少して0となる。閾値電力Pth以上の印加電力Pの範
囲では、印加電力Pの増大に従い抵抗値は次第に上昇す
る。
【0027】このようにトリミングパルスのパルス幅W
Lによって、発熱抵抗体24の抵抗値の変化の方向が上
昇または下降のいずれをも取り得る現象は図3を参照し
て、下記のように説明される。すなわちトリミングパル
ス印加によって発熱抵抗体24の抵抗値が変化するの
は、発熱抵抗体層34自身の発熱によるアニール効果、
すなわち発熱抵抗体層34の結晶化と、同じく発熱抵抗
体層34自身の発熱による酸化とによるものである。こ
のうちアニール効果は、発熱抵抗体層34の結晶化の進
行である点で抵抗値の下降現象として現れ、また酸化は
抵抗値の上昇現象として現れる。
【0028】図3(1)のように印加されるトリミング
パルスのパルス幅WL1を比較的長くかつ印加電圧を低
く設定したときの発熱抵抗体層34は、印加電圧V1が
比較的低いために温度は急速および大幅な上昇を見せ
ず、一方、パルス幅WL1が比較的長いため比較的低い
温度が長時間続くことになる。発熱抵抗体層34におけ
るアニール効果の進行状態は温度により決定されるもの
であり、この場合の温度T1はアニール効果を発生させ
る温度Taに到達しておらず、前記アニール効果による
抵抗値の下降現象は生じない。しかしながら酸化現象を
発生させる温度Tox以上の温度であり、しかもこの状
態が比較的長時間継続されるので、発熱抵抗体層34に
酸化が進行し抵抗値が上昇する。
【0029】一方、印加されるトリミングパルスを図4
(1)に示すように、そのパルス幅WL3が比較的短く
かつ印加電圧V2が比較的高い場合、発熱抵抗体層34
の温度変化は図4(2)に示される状態となる。すなわ
ち発熱抵抗体層34は、急速に昇温し前記アニール効果
が生じる温度Taを越えた温度T2に到達する。一方、
パルス幅WL3が比較的短いため温度T2はほとんど持
続せず、急速に室温に復帰する。この場合、温度T2に
対応してアニール効果が進行し、発熱抵抗体層34の抵
抗値は下降する。一方、前記酸化が生じる温度Toxを
越えている期間が比較的短いため、酸化はほとんど発生
せず、抵抗値の上昇は生じない。
【0030】すなわちトリミングパルスのパルス幅WL
と印加電力とを適宜選択することにより、前述したアニ
ール効果と酸化とのいずれが支配的な現象となるかを制
御することができる。すなわち発熱抵抗体層34の抵抗
値を上昇あるいは下降させる制御を行うことができる。
【0031】(2)図4(1)に示されるように、発熱
抵抗体層34において抵抗値の下降のみを生じさせるパ
ルス幅WL3のトリミングパルスを印加する場合、トリ
ミングパルスのパルス幅WL3を固定しておけばトリミ
ングパルス印加前の抵抗値が発熱抵抗体24毎に異なっ
ていても、同一の印加電力を印加することにより各発熱
抵抗体24は、ほぼ一定の抵抗値変化率を示す。一方、
図3(1)に示すような抵抗値上昇のみを生じさせるパ
ルス幅WL1のトリミングパルスを印加する場合も同様
であり、印加電力が同一であればトリミングパルス印加
前の抵抗値が発熱抵抗体24毎に異なっていても、ほぼ
一定の抵抗値変化率を示す。
【0032】これらを総合すると、図2に示したライン
L1,L3の特性曲線は、各発熱抵抗体24毎の抵抗値
には依存しないと結論できる。
【0033】上述の現象は下記のように説明される。発
熱抵抗体層34の抵抗値を変化させる要因であるアニー
ル効果や酸化は、その進行状態は上述したように、印加
されるトリミングパルスの状態に対応した発熱抵抗体層
34自身の図3(2)および図4(2)に示したような
温度変化の特性により決定されるものである。したがっ
てパルス幅WLと印加電力Pとが同一であれば発熱抵抗
体24の抵抗値が相互に異なっている場合であっても、
発熱抵抗体24毎の温度の時間変化の特性は、各発熱抵
抗体24間で同一となり、前述したようにほぼ一定の抵
抗値変化率が得られる。
【0034】(3)発熱抵抗体層34における前述した
ような抵抗値の下降をもたらすアニール効果は、発熱抵
抗体層34内で構成分子の再配列や再結晶を進行させ
る。このため発熱抵抗体24の印加パルス(トリミング
パルスや使用に伴う駆動パルスなど)に対する耐久性は
向上される。一方、抵抗値の上昇をもたらす酸化現象
は、発熱抵抗体24の所定の抵抗値の領域を狭隘化し、
したがって実質的な膜厚を薄くしてしまうことになる。
このため印加パルスに対する耐久性は劣化してしまう。
すなわち発熱抵抗体24の抵抗値を大幅に上昇させる処
理は、発熱抵抗体24を劣化させることになり、寿命が
短くなってしまう。
【0035】以上の各条件を踏まえた上で、前述したよ
うな抵抗値の上昇および下降現象を発熱抵抗体24の抵
抗値の調整に応用する手法について説明する。図4
(1)に示されるように、比較的短いパルス幅WL3の
トリミングパルスを印加した場合、パルス幅WL3を一
定にすると、印加電力と抵抗値変化率との関係が前述し
たように発熱抵抗体24の抵抗値には依存しない状態と
なるが、蓄熱層35の凹凸や発熱抵抗体24の寸法のバ
ラツキなどに起因して、実際には抵抗値変化率にはバラ
ツキを生じてしまう。
【0036】したがって印加電力Pと抵抗値変化率ΔR
/Rとの関係を示すグラフは図5に示されるように、理
想的な対応関係を示すラインL4に対し、ラインL4
a,L4bで囲まれる範囲の幅を有している。したがっ
て第2の従来技術として説明したように、サーマルヘッ
ドを製造する際の同一ロット内のヘッド基板23や、同
一ヘッド基板23内の発熱抵抗体24にトリミングパル
スを印加し、図5ラインL4の校正曲線を得て、この校
正曲線に基づいてトリミングパルスのパルス幅と印加電
力とを決定し、このようなトリミングパルスを発熱抵抗
体24毎に印加したとしても、図5に示すラインL4
a,L4bの間のバラツキにより、抵抗値変化率の高精
度の制御は不可能である。
【0037】たとえば抵抗値を−n%だけ変化させるた
めに、図5ラインL4の校正曲線から対応する印加電力
P0(−n%)のデータを得て、この印加電力を有する
トリミングパルスを印加した場合、実際には図5に示す
幅δの範囲で抵抗値変化率はばらつく。したがって得ら
れる抵抗値変化率は下限で−n−d2%、上限で−n+
d1%(d1+d2=δ)の間でばらつくことになる。
【0038】したがって発熱抵抗体24をトリミングす
るに当たって、1回トリミングパルスを印加した後、さ
らにトリミングパルスを印加することにより抵抗値を上
昇させたり、または下降させる必要がある。このような
処理は下記のような手法で実現できることが確認され
た。
【0039】まず1回目のトリミングパルス印加後、さ
らに抵抗値を下降させる場合、前述したアニール効果の
みを進行させればよい。したがって1回目のトリミング
パルスと同一のパルス幅であって、印加電力を所定電力
ΔPだけ増加させたトリミングパルスを印加する。これ
により発熱抵抗体24は1回目のトリミングパルス印加
時よりさらに高い温度に到達するため、さらにアニール
効果が進行し抵抗値はさらに下降する。
【0040】またさらに抵抗値を下降させるには、さら
に印加電力ΔPだけ電力を増加させてトリミングパルス
の印加を行えばよい。このときパルス幅は比較的短く設
定されるので、上述した酸化現象はほとんど発生しない
が、印加電力ΔPを過小にすると酸化現象が無視できな
くなり、逆に抵抗値の上昇が発生する場合がある。した
がって前記所定の印加電力ΔPは、このような条件を総
合的に勘案して決定される。
【0041】1回目のトリミングパルス印加後に抵抗値
を上昇させる場合、前述した酸化現象のみを進行させれ
ばよく、図2ラインL1のような特性を示す図3(1)
図示のような、比較的パルス幅WL1が長いトリミング
パルスを印加する。これにより発熱抵抗体24は、1回
目のトリミングパルス印加後の温度より基本的に降温
し、アニール効果はほとんど進行せず、酸化現象のみが
進行する。これにより発熱抵抗体24の抵抗値を確実に
上昇することができる。またこの時の印加電力P1を比
較的小さく選ぶことにより、トリミングパルス印加毎の
抵抗値の上昇率をたとえば+0.1〜0.2%程度な
ど、微少程度ずつ変化することができ、発熱抵抗体24
の抵抗値を高精度に制御することができる。
【0042】図6は本発明に従うトリミング装置41の
ブロック図である。トリミング装置41には、サーマル
ヘッド21のヘッド基板23が装着され、抵抗体層51
上の共通電極36と個別電極37とに発熱抵抗体24毎
に個別に探針を接触させるプロービング装置42が設け
られ、プロービング装置42は、切換手段43を介し
て、抵抗値計測計44およびトリミングパルス発生部4
5に接続される。抵抗値計測計44で計測された抵抗値
は、制御装置46内で校正曲線を作成して記憶する校正
曲線作成部47に入力される。ヘッド基板23は、XY
ステージ52上に乗載され、XYステージ52は制御装
置46の制御による位置決め機構53によって基板23
の位置決めを行う。
【0043】前記トリミングパルス発生部45は、基準
パルス発生部48を含み、発生された基準パルスはパル
ス幅調整部49および電圧調整部50を経ることによ
り、後述するようなトリミングパルスとして出力され、
前記切換回路43およびプロービング装置42を介し
て、選択された発熱抵抗体24に印加される。
【0044】図7はサーマルヘッド21を製造する全体
の工程を説明する工程図である。図7工程a1では、前
記サーマルヘッド21上に厚膜共通電極層27や蓄熱層
35を形成する。工程a2では、サーマルヘッド21上
に発熱抵抗体層34を形成し、工程a3では発熱抵抗体
層34上に前記共通電極36および個別電極37を形成
する。工程a4では、詳細は後述するトリミング処理が
行われ、各発熱抵抗体24毎の抵抗値が均一となるよう
に調整された後、工程a5で耐摩耗層39が形成され
る。この後、その他の処理を経て、サーマルヘッド21
が完成する。
【0045】図8は、本発明の一実施例のトリミング処
理を行うに当たって必要なトリミングパルスの各種条件
を設定する処理を説明する工程図である。本実施例で
は、トリミングされるヘッド基板23は、同一ロット内
のヘッド基板23であれば、または同一ヘッド基板23
内の発熱抵抗体24であれば、抵抗値変化に規則性、再
現性が現れるという事実を応用する。すなわちトリミン
グ対象となるヘッド基板23と同一規格で同一ロット内
でサンプルヘッド基板を設定し、これに図6図示のトリ
ミング装置41を用いて、トリミングパルスの印加テス
トを行い下記のパルス条件1〜3を求めておく。
【0046】(条件1)1パルスを印加したとき、抵抗
値が下がるパルス幅WLdを工程d1で求め、当該パル
ス幅WLdにおいて、印加電力を種々変更してテストパ
ルスを印加する。このテストパルスの印加による抵抗値
変化率を計測し、図5図示のラインL4に示す校正曲線
を得る。この校正曲線より当該パルス幅WLdにおい
て、抵抗値変化率ΔR/Rが−1%、−2%、…、−n
%となる印加電力P0(−1%),P0(−2%),
…,P0(−n%)を工程d2にて求める。
【0047】(条件2)上記条件1で求めたパルス幅W
Ldにおいて、1パルス印加して抵抗値を下降させた
後、さらに抵抗値をd1%(例として2〜3%)下げる
に必要な増加電力ΔPを工程d3で求める。
【0048】(条件3)1パルス印加したとき抵抗値が
上昇するパルス幅WLuを工程d4で求め、当該パルス
幅WLuにおいて印加電力を種々変更したテストパルス
を印加し、これによる抵抗値の変化率を計測する。この
ようにして図9に示すラインL5の校正曲線を得る。こ
の校正曲線L5から当該パルス幅WLuにおいて、抵抗
値をd2%(例として0.2〜0.3%)上げるに必要
な印加電力P1を工程d5で求める。
【0049】工程d6では、実際のトリミングを行うに
際して目標抵抗値に対し、ほぼ目標抵抗値に一致してい
ると見なされる抵抗値の設定範囲±δ1%を設定し、制
御装置46に記憶する。トリミングして得られる各発熱
抵抗体24の抵抗値Rが数2の範囲にあるとき、設定範
囲内にあると判断される。
【0050】
【数2】
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】図10は本発明の実施例のトリミング処理
の詳細を説明するフローチャートであり、図11、図1
2はトリミングを行った時の発熱抵抗体24の変化の状
態を表すグラフである。ステップe1では、図5を参照
して説明したようにパルス条件1〜3を求めて校正曲線
記憶部47に記憶しておく、ステップe2では、プロー
ビング装置42をトリミングすべきヘッド基板23に装
着し、発熱抵抗体24の初期抵抗値R0を測定する。ス
テップe3では、必要変化量−DRを演算する。すなわ
ちサーマルヘッド21の仕様において目標抵抗値Rfは
予め設定されており、
【0055】
【数4】−DR=(Rf−R0)/R0*100[%] を演算する。
【0056】ステップe4では、前記必要変化量DRだ
け抵抗値を下げるために、ステップe1で求めた条件1
のパルス幅WLdと印加電圧P0(−DR%)とを求め
る。ステップe5では、パルス幅WLdと印加電力P0
とから印加電圧V0
【0057】
【数5】
【0058】を演算し、これらのデータに基づいて基準
パルス発生部48で発生された基準パルスがパルス幅調
整部49および電圧調整部50で調整された後、切換部
43およびプロービング装置42を介して発熱抵抗体2
4に印加される。
【0059】ステップe6では、切換手段43は、抵抗
値計測計44側に切換えられ、1回目のパルス印加後の
抵抗値Rが抵抗値計測計44で計測される。ステップe
7では、この抵抗値Rが目標抵抗値Rfに対して一致し
たと見なされる設定範囲内にあるかどうか、すなわち前
記第2式が成立するかどうかを判断する。図12の計測
点P1のように成立すれば当該発熱抵抗体24に対する
トリミング処理は終了し、他の発熱抵抗体24に対する
トリミング処理に移り、全部の発熱抵抗体24の処理が
終了すると次のサーマルヘッドのトリミング処理に移
る。
【0060】ステップe7の判断が否定であって、図1
2の計測点P2のように当該発熱抵抗体24の抵抗値を
さらに低下させる必要がある場合、処理はステップe8
に移り、新たにパルス条件を設定してこのパルスを印加
する。このパルスのパルス幅は前回印加したトリミング
パルスのパルス幅と同一のパルス幅WLdであって、か
つ前記条件2で求めた増加電力ΔPが加算された印加電
力P0+iΔP(i=1,2,…)から印加電圧V1
【0061】
【数6】
【0062】を求め、プロービング装置42を介して発
熱抵抗体24に印加する。
【0063】この後、処理はステップe9に移り、抵抗
値を計測し、パルス印加前後の抵抗値を比較する。すな
わちステップe8におけるトリミングパルス印加後の抵
抗値をRa、トリミングパルス印加前の抵抗値をRbと
したときに、ステップe10で抵抗値Raが抵抗値Rb
より大きいかどうかを判断する。この判断が肯定、すな
わち図11の計測点P4が得られた場合であれば、抵抗
値を低下させようとして印加されたトリミングパルスに
より、逆に抵抗値が上昇したことになり、図11計測点
P4のように発熱抵抗体24の抵抗値は許容範囲内にな
く、しかも制御不能な特性を示していることになり、こ
のとき、ステップe11でトリミング失敗としてヘッド
基板23自身を不良品と判断してトリミング処理を終了
する。ステップe10の判断が否定のときは、ステップ
e7に戻る。
【0064】前記ステップe7の判断が否定であって、
図12計測点P5のように、得られた抵抗値が目標抵抗
値に対して上昇させる必要がある場合、処理はステップ
e12に移り、前記条件3で求めたパルス幅WLu、印
加電力P1から印加電圧V2
【0065】
【数7】
【0066】のトリミングパルスを発生し、発熱抵抗体
24に印加する。この後、処理はステップe13に移
り、再びパルス印加後の抵抗値を計測する。次に処理は
ステップe14に移る。ここでは、ステップe7と同
様、抵抗値が目標抵抗値Rfに対して一致したと見なさ
れる設定範囲内にあるかどうか、すなわち前記第2式が
成立するかどうかを判断する。図12の計測点P6のよ
うに、成立すれば、当該発熱抵抗体24の処理は終了し
て他の発熱抵抗体24のトリミング処理に移る。
【0067】ステップe14の判断が否定であって、第
12図の計測点P7のように抵抗値がまだ低く、さらに
上昇させる必要がある場合には、ステップe12に戻
り、再び前記パルス幅WLu、電圧レベルV2のトリミ
ングパルスの印加と抵抗値の測定を繰返し、ステップe
14の判断が肯定となった時点で、前述したように終了
する。
【0068】
【0069】上記実施例において、抵抗値をトリミング
パルスを印加しながら上昇させる過程においてパルス印
加前の抵抗値Rbのほうがパルス印加後の抵抗値Raよ
り大きい場合、すなわち抵抗値を上昇させるためのトリ
ミングパルスにより抵抗値が逆に低下してしまう場合が
存在する。このような場合、1回毎のパルス印加の抵抗
値上昇率が実際には+0.1〜+0.2%程度と最大±
0.5%程度はある抵抗値計測計44の測定誤差よりも
小さいためである場合が多く、さらに複数回のトリミン
グパルスを印加することにより、確実に抵抗値が上昇す
ることが確認された。したがってこのような場合では、
そのままトリミング処理を続行する。
【0070】以上の実施例では、抵抗値を低下させるた
めのトリミングパルスの印加により逆に抵抗値が上昇し
た場合、さらにトリミングパルス印加を続行すると抵抗
値が目標抵抗値から逆に遠ざかり、発熱抵抗値24の破
壊をもたらす場合がある。本実施例では、このような事
態を回避しており、トリミングによる前記破壊などの不
所望な事態を防止する。
【0071】前記条件3で説明したように、抵抗値を上
昇させるための印加電圧V2による抵抗値の変化率は、
0.2〜0.3%程度に選ばれており、極めて微少であ
る。このため薄膜サーマルヘッド21における目標抵抗
値への制御性の要求がたとえば±0.3%程度の設定範
囲であっても、抵抗値が設定範囲を飛び越えて上昇する
ことがなく、高精度に抵抗値のトリミングを実行するこ
とができる。このような処理をヘッド基板23のすべて
の発熱抵抗体24に対して行えば、ヘッド基板23間に
おける抵抗値のバラツキ±0.3%、ヘッド基板23内
の抵抗値のバラツキ±0.3%、隣接する発熱抵抗体2
4間の抵抗値のバラツキ±0.6%となる高精度に抵抗
値が調整されたサーマルヘッド21を実現できる。また
トリミングの実施を大気雰囲気で行うので、発熱抵抗体
24の酸化を効率よく進行させることができる。
【0072】また本実施例のトリミング処理は、ステッ
プe5における1回目のトリミングパルスにより抵抗値
Riを可及的に目標抵抗値Rfに近くなるようにパルス
条件を設定している。このためサーマルヘッド21の全
体のトリミング処理に必要なパルス数を削減することが
でき、トリミング処理全体の処理速度を向上でき、生産
性が向上される。
【0073】前述の実施例では、発熱抵抗体24毎にト
リミング処理を行うようにしたが、抵抗値計測計44や
トリミングパルス発生部45を複数組ずつ備えるように
して、複数の発熱抵抗体24に対するトリミング処理を
平行して処理するようにしてもよい。また発熱抵抗体2
4の抵抗値を変化させる手段は、前記トリミングパルス
の印加に限らず、たとえばレーザー光を照射して、レー
ザー光強度と照射時間とにより図5および図11に示し
た校正曲線を得るようにしてもよい。
【0074】
【発明の効果】本発明によれば、サーマルヘッドの複数
の発熱抵抗体が第1段アニールを施され、抵抗値が測定
される。測定抵抗値が設定範囲より高い発熱抵抗体に
は、第2段アニールを抵抗値が設定範囲内になるか設定
範囲以下になるまで施される。一方測定抵抗値が設定範
囲以下になった発熱抵抗体には、低電圧でパルス幅の長
いトリミングパルスを印加され設定範囲内に抵抗値が入
るように抵抗値が上昇される。これらのトリミングパル
スの印加は、大気雰囲気下で行われるので、発熱抵抗体
の酸化を効率よく進行させることができ、トリミングに
要する時間を短縮できる。
【0075】
【0076】これにより発熱抵抗体のトリミングを行う
際に、発熱抵抗体の破壊が生じる事態を防ぐことがで
き、作業性の向上とトリミングの効率化とを併せて図る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の対象となるサーマルヘッド21の断面
図である。
【図2】トリミングパルスのパルス幅を種々変化した際
の印加電力と抵抗値変化率との関係を示すグラフであ
る。
【図3】比較的長いパルス幅のトリミングパルスの波形
と発熱抵抗体24の温度の時間変化とを示すグラフであ
る。
【図4】比較的短いパルス幅のトリミングパルスの波形
と発熱抵抗体24の温度の時間変化を示すグラフであ
る。
【図5】パルス幅を一定にした際の印加電力と抵抗値変
化率との関係を示すグラフである。
【図6】トリミング装置41のブロック図である。
【図7】サーマルヘッド21の全体の製造工程を説明す
る工程図である。
【図8】パルス条件設定処理を説明する工程図である。
【図9】パルス幅を一定にしたときの印加電力と抵抗値
変化率との関係を示すグラフである。
【図10】トリミング処理を説明する工程図である。
【図11】抵抗値を下降させる処理過程において、ある
ステップから抵抗値が下からなくなり、目標値まで低下
しない場合のグラフである。
【図12】正常に抵抗値が設定範囲内に制御された場合
のグラフである。
【符号の説明】
21 サーマルヘッド 23 ヘッド基板 24 発熱抵抗体 41 トリミング装置 44 抵抗値計測計 45 トリミングパルス発生部 47 校正曲線記憶部 49 パルス幅調整部 50 電圧調整部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−83050(JP,A) 特開 昭63−59548(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41J 2/335 H01C 17/22

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サーマルヘッドの電気絶縁性基板上に直
    線状に配列された複数の発熱抵抗体の抵抗値を設定範囲
    内とすべく発熱抵抗体に大気雰囲気の下でトリミングパ
    ルスを印加することによってトリミングする方法であっ
    て、 サーマルヘッドの複数の発熱抵抗体に対して一定の電圧
    値で幅の短いトリミングパルスを印加し第1段アニール
    を施して発熱抵抗体の抵抗値を低下させた後に、これら
    発熱抵抗体の抵抗値を測定し、測定抵抗値が設定範囲よ
    りも高い発熱抵抗体に対しては上記トリミングパルスと
    同じパルス幅で電圧値がより高いトリミングパルスを印
    加して発熱抵抗体に第2段以降のアニールを施し抵抗値
    をさらに低下させるとともに、測定抵抗値が設定範囲よ
    りも低い発熱抵抗体に対しては低電圧でパルス幅の長い
    トリミングパルスを印加して発熱抵抗体の少なくとも一
    部を酸化し抵抗値を上昇させることによって複数の発熱
    抵抗体の抵抗値が設定範囲内に入るようにすることを特
    徴とする薄膜サーマルヘッドの抵抗体トリミング方法。
JP3005295A 1991-01-21 1991-01-21 薄膜サーマルヘッドの抵抗体トリミング方法 Expired - Lifetime JP2947948B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3005295A JP2947948B2 (ja) 1991-01-21 1991-01-21 薄膜サーマルヘッドの抵抗体トリミング方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3005295A JP2947948B2 (ja) 1991-01-21 1991-01-21 薄膜サーマルヘッドの抵抗体トリミング方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04261872A JPH04261872A (ja) 1992-09-17
JP2947948B2 true JP2947948B2 (ja) 1999-09-13

Family

ID=11607259

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3005295A Expired - Lifetime JP2947948B2 (ja) 1991-01-21 1991-01-21 薄膜サーマルヘッドの抵抗体トリミング方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2947948B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015160578A1 (en) * 2014-04-18 2015-10-22 Ohmite Manufacturing Co. Method of laser trimming at low and high temperatures

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005086183A1 (en) * 2004-02-03 2005-09-15 International Business Machines Corporation Electrical trimming of resistors
CN110126477B (zh) * 2019-06-11 2020-03-06 山东华菱电子股份有限公司 一种薄膜热敏打印头的修阻方法及装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015160578A1 (en) * 2014-04-18 2015-10-22 Ohmite Manufacturing Co. Method of laser trimming at low and high temperatures

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04261872A (ja) 1992-09-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH08224879A (ja) 液滴エジェクタ閾値調整方法
JP2947948B2 (ja) 薄膜サーマルヘッドの抵抗体トリミング方法
JP2933235B2 (ja) 薄膜サーマルヘッドの抵抗体トリミング方法
JP2831854B2 (ja) 薄膜サーマルヘッドの抵抗体トリミング方法
JPH0326527B2 (ja)
JP2818489B2 (ja) 薄膜サーマルヘッドの抵抗体トリミング方法
JP3321249B2 (ja) サーマルプリントヘッド
JP2810243B2 (ja) サーマルヘッドの抵抗体トリミング方法
JPS62122102A (ja) 感熱記録ヘツド及びその製造方法
JP2938222B2 (ja) サーマルヘッドの抵抗体トリミング装置
US5160941A (en) Method for driving thermal print head to maintain more constant print density
JPH071757A (ja) 熱印刷装置の熱ヘッドの加熱素子の校正方法
JPH05177860A (ja) サーマルヘッドの抵抗体トリミング装置
KR100243427B1 (ko) 서멀헤드의 제조방법
JPH05131666A (ja) サーマルヘツドの製造方法
JP2718289B2 (ja) サーマルヘッドの製造方法
JP2590916B2 (ja) 厚膜型サーマルヘッドの製造方法
JPH0673967B2 (ja) サーマルヘッド発熱体の抵抗値トリミングの方法
JP2818527B2 (ja) サーマルヘッドの製造方法
JP3621444B2 (ja) 薄膜サーマルプリントヘッドのトリミング方法
JPS5968270A (ja) サ−マルヘツド用発熱抵抗体の製造法
JPS6292411A (ja) 厚膜型サ−マルヘツドの製造方法
JP2001063123A (ja) サーマルヘッドのトリミング方法およびサーマルヘッド
JP3262388B2 (ja) サーマルプリンタヘッドの製造方法
JPH06227016A (ja) サーマルヘッドのトリミング方法およびトリミング装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080702

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080702

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090702

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090702

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100702

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100702

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110702

Year of fee payment: 12