JPH07156350A - プリントラミネート体 - Google Patents

プリントラミネート体

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JPH07156350A
JPH07156350A JP30405893A JP30405893A JPH07156350A JP H07156350 A JPH07156350 A JP H07156350A JP 30405893 A JP30405893 A JP 30405893A JP 30405893 A JP30405893 A JP 30405893A JP H07156350 A JPH07156350 A JP H07156350A
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JP
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laminate
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JP30405893A
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Shigehiko Abe
成彦 阿部
Kenichi Nakamura
賢一 中村
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Tosoh Corp
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Tosoh Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】光沢および透明性に優れ、カールのないプリン
トラミネート体を提供し、更に厚みの厚いプリントラミ
ネート用フィルムを使用した透明性、光沢および剛性に
優れ、印刷物の立体感に優れたプリントラミネート体を
提供する。 【構成】ポリプロピレン系樹脂を押出して得られるスメ
クチック結晶構造を有するフィルムの少なくとも片面に
接着層を設け、該フィルムと印刷体とを接着層を介して
接着させてなるプリントラミネート体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は透明性および光沢に優
れ、カールのないプリントラミネート体に関する。更に
前述のプリントラミネート体において、プリントラミネ
ート用フィルムとして厚みの厚いフィルムを使用した透
明性、光沢および剛性に優れ、印刷物の立体感に優れた
プリントラミネート体に関する。
【0002】
【従来の技術】印刷されたテレフォンカード、ポスタ
ー、下敷、雑誌等の印刷体にはその印刷面の保護、耐水
性・耐油性の付与、艶出し、美粧性の付与等のため、印
刷面にプラスチックフィルムを貼り合わせた物が多い。
このような処理を当業界では一般に「プリントラミネー
ト」と呼称している。そしてこのプリントラミネート用
プラスチックフィルムとして二軸延伸ポリプロピレンフ
ィルムが広く用いられている。しかし二軸延伸ポリプロ
ピレンフィルムは光沢に優れるが、加熱による印刷体と
の貼り合わせ時に収縮しやすく、このためプリントラミ
ネート体がカールして商品価値を損なう。
【0003】また特にテレフォンカード、下敷、ポスタ
ー等の用途に使用されるプリントラミネート体において
は、剛性を付与したり、印刷物が浮き上がって見えるよ
うな立体感を付与するため、厚みの厚いプリントラミネ
ート用フィルムを用いることが必要となるが、該フィル
ムとして二軸延伸ポリプロピレンフィルムを使用する
と、加熱による収縮のため光沢が失われてしまうという
問題がある。更にこのような厚みの厚いプリントラミネ
ート用フィルムとしてキャスト成形またはインフレーシ
ョン成形によって得られた厚い無延伸フィルムを用いて
も、ダイラインによる表面荒れが生じる。そのためかか
るダイラインを消失させるため加熱延展処理工程を必要
とするが、通常の加熱延展処理条件では延展性に欠ける
ため、ダイラインが消失せず得られるプリントラミネー
ト体の商品価値が劣るという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は光沢お
よび透明性に優れ、カールのないプリントラミネート体
を提供することにある。更に前述のプリントラミネート
体において厚みの厚いプリントラミネート用フィルムを
使用した透明性、光沢および剛性に優れ、印刷物の立体
感に優れたプリントラミネート体を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題の
解決のため鋭意検討を重ねた結果、プリントラミネート
用プラスチックフィルムとして結晶構造がスメクチック
構造であるポリプロピレン系樹脂からなるフィルムを用
いることにより、前記の課題を解決できることを見いだ
し本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、ポリ
プロピレン系樹脂を押出して得られるスメクチック結晶
構造を有するフィルムの少なくとも片面に接着層を設
け、該フィルムと印刷体とを接着層を介して接着させて
なるプリントラミネート体である。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。
【0007】本発明のプリントラミネート体においてプ
リントラミネート用フィルムの原料として用いられるポ
リプロピレン系樹脂とは、室温キシレン可溶分から求め
たアイソタクテイック指数が好ましくは80%以上、更
に好ましくは95%以上のプロピレンの結晶性単独重合
体および/またはプロピレンと他の少量の1種以上のα
−オレフィンとの結晶性ランダム共重合体である。また
上記共重合体における共重合コモノマーであるα−オレ
フィンとしては、エチレン、1−ブテン、4−メチル−
1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネ
ン、1−デセン等の例を挙げることができる。このプロ
ピレンと他の少量の1種以上のα−オレフィンとの共重
合体を具体的に例示すると、0.5〜20モル%の1−
ブテンを含有するプロピレン/1−ブテン共重合体、
0.5〜20モル%のエチレンを含有するプロピレン/
エチレン共重合体、0.5〜20モル%のエチレンと
0.5〜20モル%の1−ブテンを含有するプロピレン
/エチレン/1−ブテン共重合体等が挙げられる。なお
アイソタクテイック指数の測定方法を次に示す。
【0008】〔アイソタクテイック指数の測定方法〕試
料を環流冷却管に接続した三角フラスコを用いて加熱キ
シレンに溶解後、室温で冷却し不溶分をろ過する。ろ液
を加熱乾固後100℃で1時間真空乾燥し、次式: キシレン可溶分=((加熱乾固後のろ液の重量)/(試
料採取量))×100 によりキシレン可溶分を求め、次式: アイソタクテイック指数=100−(キシレン可溶分) によりアイソタクテイック指数を求める。
【0009】上記ポリプロピレン系樹脂のメルトフロー
レート(以下、「MFR」と略すことがある。JIS
K6758,230℃,荷重2.16kg)は特に限定
するものではないが、1〜20g/10分が好ましく、
5〜10g/10分が更に好ましい。ポリプロピレン系
樹脂のMFRをこの範囲とすることによりスメクチック
構造の結晶が効率的に得られ、また樹脂の成形加工性及
び引張強度、剛性等の機械的強度が良好となり好まし
い。
【0010】上記ポリプロピレン系樹脂を用いて接着層
を設ける前に結晶構造がスメクチック構造を有するフィ
ルムを製造するには、例えば一般に用いられるキャスト
成形機またはインフレーション成形機を用いてポリプロ
ピレン系樹脂をその融点より40℃以上高い樹脂温度で
ダイより溶融押出し後、直ちに60℃以下、好ましくは
30℃以下の冷却媒体、または該冷却媒体にて冷却され
た表面温度が60℃以下、好ましくは30℃以下の金属
ロール、冷却マンドレル等の金属体に接触させる方法を
採用することができる。このときの冷却媒体は特に限定
するものではないが、取り扱いが容易であることから水
または氷水が好ましく用いられる。
【0011】上記ポリプロピレン系樹脂中には、本発明
の効果を損なわない程度の範囲内で、必要に応じ酸化防
止剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、滑剤、光安定
剤、紫外線吸収剤、充填剤、有機過酸化物、可塑剤、透
明化剤、造核剤等の一般に熱可塑性プラスチックに用い
られる添加剤を添加してもよい。
【0012】本発明における溶融ポリプロピレン系樹脂
のスメクチック結晶構造とは、図1に示すように回析角
(2θ)10〜30°の範囲でX線回析をした際に、1
4.6°付近および21.2°付近にのみ2本のブロー
ドなピークが現れる結晶構造を言う。このスメクチック
晶は文献(例えばJOURNAL OF MATERI
ALS SCIENCE 27,4350〜4352,
1992)に記載されているように、60℃以上の温度
で加熱することによりα晶へ転移し、その転移は発熱反
応であることが知られている。種々の結晶構造を有する
ポリプロピレン系樹脂フィルムを示差走査熱量計(以下
「DSC」と略すことがある。)に供すると、一般に低
温側から順次、微結晶の融解に基づくと考えられる吸熱
ピーク、スメクチック晶からα晶の転移に基づく発熱ピ
ークおよびα晶の融解に基づく吸熱ピークが現れる。種
々の結晶構造を有するポリプロピレン結晶中のスメクチ
ック晶の割合Rは、スメクチック晶のα晶への熱転移に
基づく発熱ピーク面積をS1とすると次式により求めら
れる。 R(%)=100S1/S0 (但し式中S0は100%のスメクチック結晶構造を有
するフィルムのα晶への熱転移による発熱ピーク面積で
ある。)ところで上記のスメクチック晶からα晶の転移
に基づく発熱ピークとα晶の融解に基づく吸熱ピークと
は熱履歴を受けると高温側にシフトする傾向にあり、熱
履歴条件によっては上述した3つのピークが近接して現
れるようになる。したがってDSC測定によりスメクチ
ック晶のα晶への熱転移に基づく発熱ピーク面積を求め
るにあたっては各ピークの分離が重要になる。本発明に
おいては後述の実施例に示すような方法でベースライン
を引くことにより各ピークの分離を行った。そして本発
明において接着層を設ける前のプロピレン系樹脂からな
るフィルムの結晶構造中のスメクチック晶の割合Rは好
ましくは5%以上、更に好ましくは10%以上である。
この割合Rが5%未満ではプリントラミネート体の透明
性に劣ることがあり、またポリプロピレン系樹脂フィル
ムの加熱延展処理を必要とする場合の延展性に欠けるた
め、該フィルムのダイラインが消失せず得られるプリン
トラミネート体は光沢に欠け、商品価値に劣る。
【0013】本発明のプリントラミネート体を構成する
ポリプロピレン系樹脂フィルムの厚みは特に限定される
ものではなく、その用途に応じて適宜選択されるが、一
般に雑誌等の保護カバーの用途においては10〜30μ
mが好ましく、下敷、テレホンカード等のプリントラミ
ネート体に剛性や立体感が要求される用途では100μ
m以上が好ましく200μm以上が更に好ましい。
【0014】本発明のプリントラミネート体を構成する
接着層に用いられる接着剤としては、たとえば天然ゴ
ム、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ア
クリロニトリル−ブタジエンゴム、ポリイソプレゴム等
の合成ゴム、ポリアクリル酸エステル、ポリウレタン、
エポキシ樹脂等を主成分とする溶剤型または水性エマル
ジョン型接着剤ならびに感熱接着性樹脂等である。
【0015】上記溶剤型または水性エマルジョン型接着
剤としては、ポリプロピレン系樹脂の融点未満の温度で
印刷体との接着が可能なものが好ましく、該接着剤はス
プレーコート法、エアーナイフ法、キスコート法、グラ
ビアコート法、リバースロールコート法等の従来公知の
方法でポリプロピレン系樹脂フィルムに塗布されたのち
乾燥される。
【0016】また上記の感熱接着性樹脂としては、ポリ
プロピレン系樹脂より融点が低い樹脂ならば特に制限は
なく、例えば高密度、中密度、低密度ポリエチレン、エ
チレンとプロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペ
ンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等の1種以上の少
量のα−オレフィンとの共重合体、エチレンと酢酸ビニ
ルとの共重合体、該エチレン/酢酸ビニル共重合体のケ
ン化物、エチレンとアクリル酸またはメタクリル酸のメ
チル、エチル、n−ブチル、イソブチル等の不飽和カル
ボン酸エステルとの共重合体、エチレンとアクリル酸、
メタクリル酸等の不飽和カルボン酸との共重合体および
その金属塩等が挙げられる。更に上記各樹脂のシラン変
性、カルボン酸変性等の変性体などを挙げることがで
き、これらの単独または2種以上の混合物として使用さ
れる。これら感熱接着性樹脂はポリプロピレン系樹脂と
共に共押出しキャスト成形、共押出しインフレーション
成形等の共押出し成形による方法、ポリプロピレン系樹
脂フィルムを基材とし該感熱接着性樹脂を押出しラミネ
ートする方法等の従来公知の方法でポリプロピレンフィ
ルムに接着層を設けることができる。
【0017】共押出し成形により感熱接着性樹脂からな
る接着層をポリプロピレン系樹脂フィルムに設ける場合
には、前述のようにポリプロピレン系樹脂フィルムがス
メクチック結晶構造を有するように、例えばダイより溶
融押出し後直ちに60℃以下、好ましくは30℃以下の
冷却媒体、または該冷却媒体にて冷却された表面温度が
60℃以下、好ましくは30℃以下の金属ロール、冷却
マンドレル等の金属体に接触させる方法により行うこと
ができる。なお感熱接着性樹脂からなる接着層を設けた
場合は、印刷体との接着性を向上させるためコロナ処
理、オゾン処理、火炎処理、化学薬品処理等の表面処理
を施すことが好ましく、該処理の中ではコロナ処理が特
に好ましい。このコロナ処理は空気中での放電処理より
も酸素濃度が20.9容量%未満の窒素雰囲気下で放電
処理を施すことが更に好ましく、50容量%の炭酸ガス
を含む炭酸ガスと窒素との混合気体雰囲気下で放電処理
を施すことが最も好ましい。
【0018】本発明のプリントラミネート体を構成する
接着層の厚みは、特に限定するものではなく、必要とす
る接着強度等により異なるが、一般的には0.5〜6μ
mである。接着層の厚みが0.5μm未満では印刷体と
の接着性に劣り、6μmを超えても更なる接着性の向上
は見られずコストアップとなる。
【0019】本発明のプリントラミネート体を構成する
印刷体とは、アート紙、コート紙、上質紙、和紙、合成
紙、プラスチックフィルム、不織布等に印刷したもので
あり、これらの印刷体は単層体、積層体のいずれでも良
い。また印刷方式はリトグラフ、オフセット等の平版印
刷、フレキソ印刷、活版印刷等の凸版印刷、エッチン
グ、グラビア印刷等の凹版印刷、シルクスクリーン印
刷、ステンシル等の孔版印刷等の従来公知の方法が採用
される。
【0020】本発明のプリントラミネート体は積層体中
にA/B/CまたはD/E/A/B/Cの構成があれば
良く、上記構成中Aは印刷体、BおよびEは接着層、C
およびDはポリプロピレン系樹脂フィルムである。Bと
EおよびCとDは同じものでも異なるものであっても良
い。
【0021】本発明のプリントラミネート体の製造方法
は特に限定されるものではなく、接着層に用いる接着剤
の種類等により適宜選定される。例えば接着剤として溶
剤型または水性エマルジョン型接着剤を採用した場合
は、スメクチック結晶構造を有するポリプロピレンフィ
ルムに接着剤を塗布し乾燥後、印刷体と接着する方法が
一般的である。該接着方法は特に限定するものではな
く、二本のロールを用いて熱圧着する方法、金属エンド
レスベルトとロールを用いて熱圧着する方法、プレス機
を用いて熱圧着する方法等の従来公知の方法が採用され
る。上記方法において用いられるロールの材質としては
ハードクロムメッキされた金属、ステンレス、セラミッ
ク、ゴム等が挙げられる。二本のロールを用いて熱圧着
させる場合は、ポリプロピレンフィルムを加熱金属ロー
ル側に、印刷体を圧着ゴムロール側に配し、通常80〜
140℃、好ましくは90〜130℃の温度、線圧20
〜120kg/cm、ラミネート速度20〜50m/分
の条件で接着させることが好ましい。またプレス機を用
いる場合は通常80〜140℃、好ましくは90〜13
0℃の温度、圧力50〜150kg/cm2、時間5〜
30分の条件で接着させるのが好ましい。上記接着温度
が80℃未満では充分な接着強度が得られないことがあ
り、140℃を超えるとプリントラミネート体にカール
が生じやすくなる傾向にある。
【0022】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに具体的に説
明するが、本発明はこれらによって限定されるものでは
ない。なお実施例および比較例における性能の測定は下
記の方法によった。
【0023】 光沢 JIS K7105に準拠し光沢度を測定した。
【0024】 外観(透明性、光沢およびダイライン
消失) プリントラミネート用フィルムと印刷体との接着強度が
150g/cmとなる条件で接着して得られたプリント
ラミネート体を目視で観察し次の基準で評価した。 ○:表面がテカテカして非常に光沢があり、印刷物が明
瞭に見える。 ×:表面がぼけて光沢に劣り、印刷物が明瞭に見えず、
ダイラインが残り商品価値に劣る。 △:上記両者の中間。
【0025】 カール プリントラミネート用フィルムと印刷体との接着強度が
100g/cmとなる条件で接着して得られたプリント
ラミネート体から、機械方向に30cm、横方向に10
cmとなるようにサンプリングした試験片を平滑な平面
上に置き、プリントラミネート体のカ−ルを目視で観察
し次の基準で評価した。 ○:カールが全く見られない。 △:ややカールが見られる。 ×:カールが著しい。
【0026】 印刷物の立体感 プリントラミネート体を目視で観察し次の基準で評価し
た。 ○:印刷物の立体感に優れる。 △:印刷物の立体感にやや劣る。 ×:印刷物の立体感に劣る。
【0027】 DSCチャートを得るための測定条件 インフレ−ション成形により得られたフィルムから約5
mgの試料を秤量し、室温から80℃/分の昇温速度で
230℃まで昇温した。
【0028】実施例1 プロピレンの単独重合体(MFR;6g/10分,アイ
ソタクチック指数;98%)を図2に示すインフレーシ
ョン成形機の環状スリット1より樹脂温度230℃で押
出して管状フィルムとし、該フィルムを温度10℃の冷
却水で冷却された冷却マンドレル5および液温10℃の
冷却水を満たした外部冷却液槽8にて冷却し、冷却マン
ドレルを離れた管状フィルムをニップロール14を経て
25m/分の速度で巻取り、厚み200μmのフィルム
を得た。
【0029】得られたフィルムをX線解析装置(日本電
子(株)製JDX−11PA)を用いてX線解析を行っ
たところ図1に示す結晶構造が100%スメクチック結
晶であるX線解析パターンを得た。またこのフィルムを
用いて図3に示すDSCチャートを得た。
【0030】得られたフィルムにロールコーターにてウ
レタン系接着剤を乾燥後の塗布厚が5μmとなるように
塗布し乾燥した。得られたプリントラミネートフィルム
の接着層とオフセット印刷を施した合成紙の印刷側とを
プレス機にて温度110℃、時間10分、圧力100k
g/cm2の条件で圧着しプリントラミネート体を得
た。得られたプリントラミネート体を評価した結果を表
1に示す。本実施例のプリントラミネート体は透明性、
光沢および印刷物の立体感に優れていた。
【0031】比較例1 プロピレンの単独重合体(MFR;6g/10分,アイ
ソタクチック指数;98%)を通常のキャスト成形機を
用いて樹脂温度230℃で押出し速度15m/分で巻き
取り、厚み200μmのフィルムを得た。得られたフィ
ルムを実施例1と同様にX線解析を行ったところ、結晶
構造は図4に示すように100%α晶であった。またこ
のフィルムを用いて図5に示すDSCチャートを得た。
【0032】次に得られたフィルムに実施例1と同様に
接着層を形成し、実施例1と同様にしてプリントラミネ
ート体を得た。得られたプリントラミネート体を評価し
た結果を表1に示す。本比較例のプリントラミネート体
は透明性に劣り、プロピレンフィルムの延展性が悪いた
めプレスによりダイラインが消失せず外観および印刷物
の立体感に劣っていた。
【0033】実施例2〜3 実施例1のインフレーション成形時のフィルム冷却条件
を表1に示す条件とした以外は実施例1と同様にしてフ
ィルムを作製した。得られたフィルムのDSCチャート
は図6に示すようであった。図6のDSCチャート上に
現れる3つのピークの分離を行うため、図5に示される
100%α晶のDSCカーブを参照してベースラインを
引いた。このベースラインを図6上に破線で示す。DS
Cチャートから発熱ピークとベースラインで囲まれた部
分の面積をS1(スメクチック晶のα晶への熱転移に基
づく発熱ピーク面積)として求め、図3に示すDSCチ
ャートよりS0(100%のスメクチック結晶構造を有
するフィルムのα晶への熱転移による発熱ピーク面積)
を求めてR(%)=100S1/S0を計算した。結果
を表1に示す。
【0034】次に実施例1と同様にプリントラミネート
体を得た。得られたプリントラミネート体を評価した結
果を表1に示す。本実施例のプリントラミネート体は透
明性、光沢および印刷物の立体感に優れていた。
【0035】実施例4〜5 実施例1のインフレーション成形時のフィルム冷却条件
およびフィルム厚みを表1に示す条件とした以外は実施
例1と同様にしてフィルムを作製し、接着層を形成し
た。このプリントラミネートフィルムの接着層とオフセ
ット印刷を施した合成紙の印刷側とを80℃に加熱され
た金属鏡面ロール間で線圧100kg/cm、2m/分
の速度で熱圧着ラミネートした。Rの計算結果およびプ
リントラミネート体の評価結果を表1に示す。本実施例
のプリントラミネート体は透明性、光沢に優れカールが
なかった。
【0036】比較例2 比較例1と同様にして厚み25μmのポリプロピレンフ
ィルムを作製し、実施例4と同様にプリントラミネート
体を得た。Rの計算結果およびプリントラミネート体の
評価結果を表1に示す。本比較例のプリントラミネート
体は光沢に優れカ−ルが見られないが透明性に劣るもの
であった。
【0037】比較例3 厚み25μmの2軸延伸ポリプロピレンフィルムを用い
た以外は実施例4と同様にしてプリントラミネート体を
作製した。本比較例のプリントラミネート体は透明性お
よび光沢に優れるがカールが著しかった。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】本発明のプリントラミネ−ト体は透明性
および光沢に優れカールがなく、更にプリントラミネー
ト用フィルムとして厚みの厚いフィルムを使用した場合
は、透明性、光沢、剛性および印刷物の立体感に優れ、
印刷されたテレフォンカード、ポスター、下敷、雑誌等
の印刷体の印刷面の保護、耐水性・耐油性の付与、艶出
し、美粧性の付与等を目的としたプリントラミネ−ト体
として好適に利用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1において用いた結晶構造が100%ス
メクチック結晶であるポリプロピレン系樹脂フィルムの
X線解析パターンを示す図である。
【図2】スメクチック結晶構造を有するポリプロピレン
系樹脂フィルムを得るための装置の一実施例を示す模式
図である。
【図3】実施例1において用いた結晶構造が100%ス
メクチック結晶であるポリプロピレン系樹脂フィルムの
DSCチャートを示す図である。
【図4】比較例1において用いた結晶構造が100%α
晶であるポリプロピレン系樹脂フィルムのX線解析パタ
ーンを示す図である。
【図5】比較例1において用いた結晶構造が100%α
晶であるポリプロピレン系樹脂フィルムのDSCチャー
トを示す図である。
【図6】実施例2において用いた種々の結晶構造を有す
るポリプロピレンフィルムのDSCチャートを示す図で
ある。
【符号の説明】
1:環状スリット 2:管状フィルム 5:冷却マンドレル 8:外部冷却液槽 13:安定板 14:ニップロール

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリプロピレン系樹脂を押出して得られる
    スメクチック結晶構造を有するフィルムの少なくとも片
    面に接着層を設け、該フィルムと印刷体とを接着層を介
    して接着させてなるプリントラミネート体。
  2. 【請求項2】フィルムの厚みが100μm以上である請
    求項1に記載のプリントラミネート体。
JP30405893A 1993-12-03 1993-12-03 プリントラミネート体 Pending JPH07156350A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007116886A1 (ja) 2006-04-03 2007-10-18 J-Film Corporation プリントラミネート体の製造方法、プリントラミネート機及びプリントラミネート体

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007116886A1 (ja) 2006-04-03 2007-10-18 J-Film Corporation プリントラミネート体の製造方法、プリントラミネート機及びプリントラミネート体

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