JPH07155213A - ピアスイヤリング - Google Patents

ピアスイヤリング

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JPH07155213A
JPH07155213A JP25304894A JP25304894A JPH07155213A JP H07155213 A JPH07155213 A JP H07155213A JP 25304894 A JP25304894 A JP 25304894A JP 25304894 A JP25304894 A JP 25304894A JP H07155213 A JPH07155213 A JP H07155213A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ピンを耳たぶの裏側で簡単に止めることができ
るようにしたピアスイヤリングに関する。 【構成】イヤリング本体を構成する一対の部材の一端
を、それぞれ二又の軸受部と、軸受部内にはめ込まれる
回転部とし、両者を軸を介して他端の開放端部が突き合
わされる方向に開閉自在に軸着し、一方の部材の開放端
部には外周上に第1の係止部を備えたピンを設け、他方
の部材の開放端部には、その内周側に上記第1の係止部
に係合する第2の係止部を備えたピアスイヤリングにお
いて、上記軸受部と回転部とで構成される軸着部分にお
いて、上記軸受部を軸受部軸穴の両側に所定の厚さと長
さを有するよう形成したことを特徴とする。 【効果】ピンの耐久性を飛躍的に向上させることがで
き、ピンを耳たぶの裏側で簡単に止めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案はピアス式のイヤリング
に関し、特に表裏一対の部材で構成されたイヤリング本
体の各部材を軸で連結して開閉自在とし、一方の部材の
開放端部に設けたピンを耳たぶの孔に挿入したのち、こ
のピンへ他方の部材の開放端部に設けた抜止め部をはめ
込むようにして、ピンを耳たぶの裏側で簡単に止めるこ
とができるようにしたピアスイヤリングに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】図12に代表的なピアスイヤリングの従
来例を示す。すなわち背面にピン52を取付けた装飾体
51と、中央部にピン貫通孔55を有する基板54と、
基板54の両端を延長して互いに対向する方向に屈曲さ
せた一対の弾発性の円形のループ56とを備えた、キャ
ッチと称する止め金具53とで構成されている。しかし
ながら、止め金具の着脱が面倒で、止め金具自体も紛失
しやすいため、ピンを取付けた装飾体と止め金具とを一
体化することが要請されていた。
【0003】そのため、図11(特開昭60−2428
05号公報参照)に示すように、軸43を有するヒンジ
44で連結した一対の部材41,42の一方の部材41
の開放端部には、ピン45を取り付け、他方の部材42
の開放端部には、収容開口47の内周に単なる突起状の
係止部48を形成し、ピン45にもこの係止部48に対
応する溝46を形成したものが開発されている。
【0004】
【考案が解決しようとする問題点】しかしながら、ピン
を取付けた装飾体と止め金具とを一体化した上記ピアス
イヤリングにおいては、ピン45の先端が上記突起状の
係止部48に突き当たって内周側に曲げられやすく、使
用中にピン45と係止部48との係合が緩んで抜けやす
いという重大な欠点がある。
【0005】また、上記ヒンジ44構造においては回転
運動はするが、左右方向のぶれを止める手だてが軸43
のみなので、緩みやすいという欠点があった。そのた
め、固めに軸着すると回転しにくくなって使用に堪えな
くなり、緩めに軸着すると使用中に軸着部分が緩んでぶ
れやすくなってしまう。
【0006】上記のぶれは、一対の部材41,42を閉
じる操作に際し、一方の部材41の開放端部に設けたピ
ン45が、他方の部材42の開放端部に設けた収容開口
47から外れた位置(他方の部材42の開放端部の側
面)を通過してしまい、耳たぶの裏側で簡単にセットで
きなくなることはもちろん、ピン45が収容開口47内
に止まっていないという結果を招くことになる。すなわ
ち、ピン45が耳たぶの穴から簡単に抜け落ちてしま
う。
【0007】さらに、収容開口47の入口が狭いため収
容開口47の端面にピン45の先端が突き当たって、そ
れ以上強く押すとピン45が内向きに曲がったり、左右
に曲がったり、あるいはピン45の溝46の部分が折れ
たりしてピン45の溝46が収容開口47内の係止部4
8に係合できなくなり、使用に耐えなくなってしまう欠
点がある。
【0008】この考案は上記の欠点を解消することを目
的とするもので、ピンを耳たぶの裏側で簡単に止めるこ
とができるようにするため、ピンの先端が他方の部材の
開放端部のガイド位置に正確に導かれ、ピンの係止部を
ガイドの係止部へ確実にはめ込むことができるようにし
たもので、かつまた繰返し使用しても長期間にわたって
ピンの弾性力や付勢力が落ちず、何ら故障のないピアス
イヤリングを提供しようとするものである。
【0009】
【問題点を解決するための手段】すなわちこの考案のピ
アスイヤリングは、イヤリング本体を構成する一対の部
材の一端を、それぞれ二又の軸受部と、軸受部内にはめ
込まれる回転部とし、両者を軸を介して他端の開放端部
が突き合わされる方向に開閉自在に軸着し、一方の部材
の開放端部には外周上に第1の係止部を備えたピンを設
け、他方の部材の開放端部には、その内周側に上記第1
の係止部に係合する第2の係止部を備えたピアスイヤリ
ングにおいて、上記軸受部と回転部とで構成される軸着
部分において、上記軸受部を軸受部軸穴の両側に所定の
厚さと長さを有するよう形成したことを特徴とするもの
である。
【0010】またこの考案のピアスイヤリングは、イヤ
リング本体を構成する一対の部材の一端を、両者を軸を
介して他端の開放端部が突き合わされる方向に開閉自在
に軸着し、一方の部材の開放端部には外周上に第1の係
止部を備えたピンを設け、他方の部材の開放端部には、
その内周側に上記第1の係止部に係合する第2の係止部
を備え、かつ入口を広く奥に向かって内向きに傾斜させ
ながら狭くした、上記ピンの長さ方向に向けての進入を
可能とするガイドを設け、また第1の係止部を第2の係
止部方向に付勢する弾性をピンに持たせたことを特徴と
するものである。
【0011】さらにこの考案のピアスイヤリングは、イ
ヤリング本体を構成する一対の部材の一端を、両者を軸
を介して他端の開放端部が突き合わされる方向に開閉自
在に軸着し、一方の部材の開放端部には外周上に第1の
係止部を備えたピンを設け、他方の部材の開放端部に
は、その内周側に上記第1の係止部に係合する第2の係
止部を備え、かつ入口を広く奥に向かって内向きに傾斜
させながら狭くした、上記ピンの長さ方向に向けての進
入を可能とするガイドを設け、また狭くした端部に外側
方向に向かう段差を形成して第2の係止部とし、また第
1の係止部を第2の係止部方向に付勢する弾性をピンに
持たせたことを特徴とするものである。
【0012】さらにこの考案のピアスイヤリングは、イ
ヤリング本体を構成する一対の部材の一端を、それぞれ
二又の軸受部と、軸受部内にはめ込まれる回転部とし、
両者を軸を介して他端の開放端部が突き合わされる方向
に開閉自在に軸着し、一方の部材の開放端部には外周上
に第1の係止部を備えたピンを設け、他方の部材の開放
端部には、その内周側に上記第1の係止部に係合する第
2の係止部を設け、さらに軸受部と回転部とで構成され
る軸着部分において、上記一対の部材が耳たぶの厚みに
応じて決められる閉鎖角度以上に閉じるのを禁止する回
転規制片を、上記回転部内周側を回転部軸穴の反対側に
延長して形成し、この回転規制片を上記軸受部を有する
部材の内周の底面に係合するようにしたことを特徴とす
るものである。
【0013】さらにまたこの考案のピアスイヤリング
は、イヤリング本体を構成する一対の部材の一端を、軸
を介して他端の開放端部が突き合わされる方向に開閉自
在に軸着し、一方の部材の開放端部には外周上に第1の
係止部を備えたピンを設け、他方の部材の開放端部に
は、その内周側に上記第1の係止部に係合する第2の係
止部を備えたピアスイヤリングにおいて、上記ピンを縦
長断面となるよう圧延したことを特徴とするものであ
る。
【0014】そして上記において、ピンの先端を突き当
ててそれ以上の進入を禁止するストッパを、ガイドに設
けた第2の係止部から所定の位置に設けたことも特徴と
している。
【0015】
【作用】このように構成されたこの考案のピアスイヤリ
ングにおいては、ピンの耐久性を飛躍的に向上させるこ
とができ、ピンを耳たぶの裏側で簡単に止めることがで
きる。
【0016】すなわちこの考案においては、ピンは一対
の円弧状部材で構成されるイヤリング本体のほぼ円周上
に位置している。そして、軸着部分の軸受部が所定の厚
さと長さを有するように強化してあるので、一対の部材
が横方向にぶれることがなく、ピンの先端が他方の部材
の開放端部のガイド位置に正確に導かれる。
【0017】また、上記ピンの長さ方向に向けての進入
を可能とするガイドが、入口を広く奥に向かって内向き
に傾斜させながら狭くしてあるので、ピンがガイドを通
過する過程において、ピンは傾斜面に沿って移動する間
に徐々に内側にたわむように曲げられる。このような無
理なく内側に傾斜させたガイドによってピンに無理がか
からず、長期間の使用に耐え得る故障のないピアスイヤ
リングが提供できるのである。
【0018】またさらに、一対の部材を閉じる操作をし
たときに、ピンがガイドの外側に外れて一対の部材が交
差してしまった場合、従来のものではテコの原理で軸受
部の間隔が広がってしまい、軸着部分ががたついてピン
が左右に横振れするため、ピンをガイドに確実に導くこ
とができなくなってしまうのに対し、この考案において
はピンの第1の係止部がガイド内の第2の係止部位置に
ある場合の閉鎖角度以上に押し込まれることがなく、軸
受部の間隔が広がることがないので、ピンをガイドに確
実に導くことができる。
【0019】さらに一対の部材の軸着部分に多少でもぶ
れがあると、ピンがぶれることになる。このような場合
には入口の広いガイドを有しているので、このガイドが
横ぶれを吸収してピンの先端が他方の部材のガイド内の
傾斜面の位置に正確に導かれ、第1の係止部を第2の係
止部へ確実にはめ込むことができる。さらにその際、回
転規制片によってピンの第1の係止部がガイド内の第2
の係止部以上に押し込まれるのが防止できるので、ピン
の先端の径はイヤリング本体の円周上の位置よりも小さ
くなることがない。したがってピンの弾性力を損なうこ
とがなく、かつ付勢力も衰えることがない。
【0020】そして、上記ピンの長さ方向に向けての進
入を可能とするガイドを入口を広く奥に向かって内向き
に傾斜させながら狭くするととともに、この狭くした端
部に外側方向に向かう段差を形成して第2の係止部とし
たので、自分自身の弾性の範囲内でガイドの内側を徐々
にたわめられながら進入してきたピンは、最後に第1の
係止部がガイド内の第2の係止部、すなわち段差に係合
する。その際、段差がピンの第1の係止部から先の部分
の高さより深く形成されているので、ピンの先端にガイ
ドの内側方向に向かって加えられていたたわませようと
する力は解除され、ピンは緊張から解きほぐされて進入
前に近い円周で係合される。
【0021】さらに、ピンのガイドへの誘導と装着が耳
たぶの裏側で行なわれるこの考案のピアスイヤリングの
使用に際し、上述のようにピンの先端が左右に振れない
で他方の部材の開放端部のガイド位置に正確に導かれる
ので、一対の部材を開いて耳たぶにピンを差し込むこと
により、片手で、しかもワンタッチで耳たぶへ取り付
け、取り外すことができる。なおそれでも多少ピンが左
右に横振れした場合、ガイドがこの横振れを吸収するの
でなんら支障がない。
【0022】以上のように、この考案のピアスイヤリン
グによれば、繰返し使用しても長期間にわたって何ら故
障のないピアスイヤリングを提供することができる。
【0023】
【実施例】以下図面に基づき実施例について説明する。
【0024】図1ないし図10において、イヤリング本
体11は一対の円弧状部材1,1’で構成され、一端を
軸8を介して軸着するとともに、開放端部を突き合わせ
る方向に回転自在に連結してある。9は上記部材1,
1’に装飾として取り付けた宝石である。
【0025】この部材1,1’は上記円弧状に限らず、
一対の部材1,1’間に耳たぶをはさみこむことができ
る形状であれば、楕円形、矩形、菱形、三角形等の種々
の形状とすることができる。またその断面も適宜決定す
ることができるが、耳たぶへ吊り下げることから、ピア
スイヤリング自体が重いと耳たぶの穴が大きくなり、ピ
アスイヤリングを取外した時に目立ってしまうことを避
けるため、なるべく軽くしたいという理由で、所定の厚
さの樋状に形成することが望ましい。
【0026】そして、上記一方の円弧状部材1の開放端
部には、その外周上にV字ないしU字の溝状の第1の係
止部3を設けたピン2がロー付けによって突設されてい
る。ピン2は好ましくは円弧状部材1,1’の円弧に沿
って所定の曲率で曲げられている。もしピン2が直線状
で、一方の円弧状部材1の開放端部にロー付けされてい
る場合において、円弧状部材1,1’の両者は軸8を中
心として回転し、開放端部が突き合わされる。その際、
ピン2の先端は傾斜面6へ進入して行く過程においてピ
ン2にはテコの作用が働き、ピン2がロー付けされてい
る箇所が内側に曲がってしまうおそれがある等の欠点が
生じる。そこでこの欠点をなくすこととして、ピン2を
ロー付けした後にピン2を縦長断面となるよう幅方向に
圧延するなどして弾性力、付勢力ともに強化しておくこ
とが望ましい。なおピン2として弾性のある素材を選ん
だにしても、ピン2をロー付けする工程においてピン2
は高温にさらされてなまってしまい、やわらかくなって
弾性力、付勢力ともに低下するのである。また、前記の
ようにピン2を直線状でロー付けした場合には、テコの
原理が加わるという前提に立てば、これを解消しなけれ
ばならない。そこでロー付けされたピン2を曲げるなど
の方法がよいのである。曲げた後、ピン2を縦長断面と
なるよう幅方向に圧延するなどして弾性力、付勢力とも
に強化しておくことが望ましい。また前記のような方法
から考えるならば、ピン2にかかる力を分散させる必要
があり、ピン2を所定の曲率で曲げ、かつピン2を縦長
断面となるよう幅方向に圧延するなどして弾性力、付勢
力ともに強化しておくことが望ましい。一対の円弧状部
材1,1’において、一方の円弧状部材1の開放端部に
ピン2を素材を選んで弾性のある丸線でロー付けによっ
て突設する。このピン2を円弧状部材1,1’の円弧に
沿って所定の曲率で曲げる。この曲げられた丸線のピン
2を縦長断面となるように幅方向に圧延し、弾性力、付
勢力ともに強化し、所定の箇所に第1の係止部3を設け
る。また第1の係止部をピン2の先端に近い所定の位置
にピン2の外周上にV字ないしU字状の溝として設け
る。上記の第1の係止部3は、回転規制片23およびス
トッパ7のかね合いを考慮して設けなければならない。
すなわち、一対の円弧状部材1,1’を閉じる操作をし
たとき、第1の係止部3が第2の係止部4に係合したと
きに、回転規制片23の外周底面が軸受部21を有する
樋状の部材1’の内周の底面24に係合し、ピン2の弾
性力および付勢力を保護するよう作用する。上記のよう
なかね合いを考え合わせて第1の係止部3をピン2の外
周上に設ければよい。なお、ストッパ7とのかね合いも
考えなければならない。ストッパ7は、上記のようなか
ね合いから設計されたピン2の第1の係止部3からピン
2の先端までの長さと等しくなるように設けられてい
る。そして円弧状部材1,1’の開放端部が突き合わさ
れる際には、両者は軸8を中心として回転するので上記
円弧よりもやや大きい径の円を描くようにして突き合わ
される。なお第1の係止部3の溝の深さは、ピン2の太
さに応じて変わるが、強度上ほぼピンの太さの約半分、
ないしそれよりもやや大きめにしておく必要がある。上
記ピン2の先端にも、先細りの傾斜面6’を形成してお
くことが望ましい。
【0027】また他方の部材1’の開放端部には、上記
ピン2の進入を可能とするガイド5が形成してある。こ
のガイド5は、図10の拡大斜視図に示すようにほぼ円
錐形断面を有し、かつその一部を切り欠いて溝状として
ある。すなわち、ガイド5は開放端部側から入口を広
く、奥に向かって徐々に狭くなる半割りの円錐状断面を
有する傾斜面6からなっている。したがってこのガイド
5により、ピン2が多少左右に振れても第2の係止部4
内に確実に導かれるので、ピン2はガイド5内にスムー
ズにはめ込まれる。さらに上記傾斜面6は奥に向かって
内向きに伸びるよう形成されているので、ピン2は傾斜
面6に沿って移動する間に自己の弾性の範囲内で徐々に
内側に撓められ、反発力が高められている。
【0028】このガイド5の端末には、上記第1の係止
部3に係合する第2の係止部4が円弧状部材1’の内周
面に形成されている。図では、この第2の係止部4は、
上記ガイド5の傾斜面6の後端に設けた、後端より外側
方向に向かう段差として形成されている。こうすること
によってピン2の先端の第1の係止部3が第2の係止部
4を通過すると、ピン2は上記反発力によって径を広げ
る方向に動き、第1の係止部3が第2の係止部4に係合
する。その際、図3のhで示すように段差がピンの第1
の係止部3から先の部分の高さよりも深く形成されてい
るので、ピン2にかけられていた上記反発力が解除さ
れ、ピン2には無理な負荷がかからず、ピン2の弾性を
長期間に渡って維持することができる。しかも上述のよ
うにピン2はその弾性以上に内周側に曲げられないた
め、使用中にピン2の第1の係止部3とガイド5内の第
2の係止部4との係合が緩んで抜けやすくなることがな
い。
【0029】上記ピン2には、その第1の係止部3が第
2の係止部4方向に付勢される弾性を持たせておくこと
が必要である。そしてピン2は、円弧状部材1,1’の
開放端部が突き合わされる際には、それ自体の円弧より
もやや大きい径の円を描くようにして突き合わされるの
で、ガイド5の傾斜面6に鋭角で突き当たり、上記弾性
と相まって無理なくガイド5の傾斜面6に沿って滑りな
がら移動する。そしてピン2の第1の係止部3がガイド
5内の上記第2の係止部4にはめ込まれたときに停止す
る。
【0030】さらに、上記円弧状部材1’の内周面の第
2の係止部4より奥の位置には、上記ピン2の先端を突
き当てて、それ以上の進入を禁止するストッパ7が、円
弧の中心方向に向けて形成されている。このストッパ7
は上記ガイド5内の第2の係止部4までの距離が、ピン
2の第1の係止部3からピン2の先端までの長さとほぼ
等しくなるよう構成されているので、上記ピン2が進入
して第1の係止部3が第2の係止部4に係合したとき、
ピン2の先端もストッパ7に突き当たってピン2はその
位置で停止する。またストッパ7は宝石9の台座、ある
いはデザイン上から生じる突起や障害物を利用し、ピン
2の第1の係止部3からピン2の先端までの長さとほぼ
等しい箇所に上記突起や障害物を設ければ、ストッパ7
として機能させることができる。
【0031】上記軸8の軸着部分は、図7ないし図9の
ように、上記一対の部材1,1’の一端を、それぞれ二
又の軸受部21と軸受部21内にはめ込まれる板状の回
転部22とし、両者を軸穴8’に装着した軸8を介して
開閉自在に連結している。
【0032】上記軸着部分の軸受部21は軸受部軸穴
8’の両側において、回転部22の回転半径よりも長く
形成し、かつ二又のそれぞれにおいて所定の厚さを有す
るようにしてあるので、上記一対の部材1,1’の開閉
操作に際し、一方の部材の開放端部に設けたピン2の先
端が他方の部材の開放端部に設けたガイド5の位置に正
確にはめ込まれるよう導かれる。なお軸受部21は所定
の厚さを有しているので、一対の部材1,1’の開閉操
作等では二又の軸受部21間が広がって緩んでしまうこ
とがない。したがってピン2は左右に振れることなく、
ガイド5に確実に挿入される。
【0033】なお一対の部材1,1’が交差してしまっ
た場合は回転規制片23が有効に機能するが、軸受部2
1を所定の厚さと長さを有するようにすることで交差の
際の欠点が確実に解消できる。またこの軸受部21に
は、図1、図5等で示すように軸穴8’に軸8を差し込
んで一対の部材1,1’を軸着してあり、図では軸8が
目で見えるように示されている。しかしながら、軸8は
軸穴8’に差し込んだ後、軸受部21の外側からロー付
けやカシメ等で抜け止めし、さらに研磨されているの
で、実際には目では見ることはできない。このロー付け
やカシメ、研磨等の工程においても上記の軸受部21の
所定の厚さと長さとが必要かつ重要な役目を果たすので
ある。
【0034】23は、上記一対の部材1,1’の軸着部
分において、その一方の部材1の端部に設けた回転部2
2の内径側を回転部軸穴8’の反対側に向かって、部材
1のなす円弧上に延長するよう形成した回転規制片であ
る。
【0035】上記一対の部材1,1’は、開放端部を閉
じてピン2をガイド5に挿入し、第1の係止部3が第2
の係止部4に結合したときに固定される。また上記回転
規制片23も、第1の係止部3が第2の係止部4に結合
したときに、軸受部21を有する樋状の部材1’の内周
の底面24に係合してそれ以上の回転を規制する。した
がって、ピン2はその弾性力以上の負荷を受けることが
なく、第2の係止部4方向に付勢させる弾性力を保ち、
大幅な耐久性の向上を図ることができる。ただし、上記
一対の部材1,1’が幅広であったり、その軸着部分が
幅広に形成されているときには、一対の部材1,1’の
それぞれの軸着部分の端面が必ず突き合わされて回転規
制片として機能するので、これを上記構造の回転規制片
23に置き換えることができる。なお第1の係止部3を
第2の係止部4に結合したとき、ピン2は一対の部材
1,1’間で、主に耳たぶの厚みに等しい幅で露出して
いる。
【0036】上述のようにこの回転規制片23により、
ピン2の第1の係止部3がガイド5内に付設した第2の
係止部4位置より以上に押し込まれ、ピン2がその弾性
力以上に内向きに曲げられてしまって、再び第1の係止
部3が第2の係止部4に引っ掛からなくなり、耳たぶか
ら脱落したり、使用に耐えなくなるのを防止できる。
【0037】また、一対の部材1,1’を閉じる操作を
したときに、ピン2がガイド5の外側に外れて一対の部
材1,1’が交差してしまった場合、従来のものではテ
コの原理で軸受部21の間隔が広がってしまい、軸着部
分ががたついてピンが左右に振れるため、ピン2をガイ
ド5に確実に導くことができなくなってしまうのに対
し、上記実施例においては、回転規制片23によりピン
2の第1の係止部3がガイド5内の第2の係止部4位置
に相当する閉鎖角度以上に押し込まれることがなく、軸
受部21の間隔が広がることがないので、ピン2をガイ
ド5に確実に導くことができる。すなわち、耳たぶの裏
側でピン2にガイド5を簡単にはめ込むことができる。
【0038】回転規制片23によって、一対の部材1,
1’が所定の円弧の位置で係止されるよう調整するに
は、回転規制片23の外周底面ないしこれと係合する部
材1’の内周の底面24のいずれかに対し、研削ないし
肉盛り等の加工を施せばよい。
【0039】上記実施例のピアスイヤリングを使用する
ときは、図5に示すように一対の部材1,1’を開き、
通常のイヤリングと同様に、ピン2を耳たぶのピアス挿
入用の孔に通したのち、耳たぶから突出したピン2の先
端に他方の円弧状部材1’の開放端部を嵌挿すればよ
い。このとき、ピン2は傾斜面6’が円弧状部材1’の
開放端部に形成したガイド5の傾斜面6に滑りながら進
入し、ピン2の先端が第2の係止部4を乗り越えて第1
の係止部3が第2の係止部4と係合し、円弧状部材1は
円弧状部材1’に保持される。このときのピン2にかか
る負荷は小さく、ピン2が曲がったり付け根から内周側
に倒されてしまうこともない。したがってピン2の耐久
性が大幅に向上する。
【0040】なおピン2はストッパ7および回転規制片
23により、第1の係止部3が第2の係止部4の位置よ
り奥のほうに押込まれるのを禁止されているので、ピン
2が上記弾性の範囲を越えて屈曲することがない。その
ため、ピン2のなす円弧が小さくなってしまい、第1の
係止部3が第2の係止部4から簡単に外れてピンが抜け
やすくなってしまうということもない。
【0041】上記一対の部材1,1’で構成される円が
小さい径のときは、部材1,1’の剛性が高いために、
一対の部材1,1’の軸着部分に設けられている回転規
制片23が有効に機能するのでストッパ7は不要であ
る。しかしながら、一対の部材1,1’の径が大きくな
ると、所定の厚さの、例えば樋状に形成した一対の部材
1,1’そのものの肉厚を薄くする必要上、一対の部材
1,1’自体がたわんでしまう。すると、回転規制片2
3が他方の部材1’の内周の底面24に係合し、第1の
係止部3が第2の係止部4に結合した位置以上にピン2
が押し込まれてしまう。したがって、そのような場合に
はガイド5内の第2の係止部4の奥にもストッパ7を設
けておく必要がある。
【0042】この考案においては、ピンの先端が円弧状
部材に収納されるため装飾性を損なうことがなく、前面
側および後面側に配置される一対の部材1,1’の、ど
ちらを耳たぶの前面側にして使用してもよい。すなわ
ち、一対の部材1,1’のそれぞれに取り付ける宝石類
を変えたり、あるいはそれぞれの部材1,1’の地金を
変えたり、またデザインを変化させることにより、1つ
のピアスイヤリングを2種類のピアスイヤリングと同様
に使用することができる。
【0043】
【考案の効果】このように構成されたこの考案のピアス
イヤリングにおいては、ピンを耳たぶの裏側で簡単に止
めることができるようになるばかりでなく、ピンの耐久
性を飛躍的に向上させることができる。
【0044】すなわち、ピンの先端が他方の部材の開放
端部のガイド位置に正確に導かれ、第1の係止部を第2
の係止部へ確実にはめ込むことができる。さらにその
際、回転規制片によってピンの第1の係止部がガイド内
の第2の係止部以上に押し込まれるのが防止できるの
で、ピンの径は小さくなることがない。したがってピン
の弾性力を損なうことがなく、かつ付勢力も衰えること
がない。
【0045】また、一対の部材を閉じる操作をしたとき
に、ピンがガイドの外側に外れて一対の部材が交差して
しまった場合、従来のものではテコの原理で軸受部の間
隔が広がってしまい、軸着部分ががたついてピンが左右
に横振れするため、ピンをガイドに確実に導くことがで
きなくなってしまうのに対し、この考案においてはピン
の第1の係止部がガイド内の第2の係止部位置にある場
合の閉鎖角度以上に押し込まれることがなく、軸受部の
間隔が広がることがないので、ピンをガイドに確実に導
くことができる。
【0046】さらに、ピンのガイドへの装着が耳たぶの
裏側で行なわれるこの考案のピアスイヤリングの使用に
際し、上述のようにピンの先端が左右に振れないで他方
の部材の開放端部のガイド位置に正確に導かれるので、
一対の部材を開いておくことにより、片手で、しかもワ
ンタッチで耳たぶへ取り付け、取り外すことができる。
なおそれでも多少ピンが左右に横振れした場合、ガイド
がこの横振れを吸収するのでなんら支障がない。
【0047】以上のように、この考案のピアスイヤリン
グによれば、繰返し使用しても長期間にわたって何ら故
障のないピアスイヤリングを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案のピアスイヤリングの一実施例を示す
側面図である。
【図2】1対の部材を分解した状態の側面図である。
【図3】断面図である。
【図4】1対の部材1,1’を開いた状態の断面図であ
る。
【図5】1対の部材1,1’を開いた状態の斜視図であ
る。
【図6】1対の部材1,1’を開いた状態の平面図であ
る。
【図7】要部拡大横断面図である。
【図8】要部拡大縦断面図である。
【図9】A−A’断面図である。
【図10】要部拡大斜視図である。
【図11】従来例の側面図である。
【図12】他の従来例の側面図である。
【符号の説明】
1,1’ 部材 2 ピン 3 第1の係止部 4 第2の係止部 5 ガイド 6,6’傾斜面 7 ストッパ 8 軸 8’ 軸穴 9 宝石 11 イヤリング本体 21 軸受部 22 回転部 23 回転規制片 24 軸受部を有する部材の内周の底面
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年10月31日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 ピアスイヤリング
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はピアス式のイヤリング
に関し、特に表裏一対の部材で構成されたイヤリング本
体の各部材を軸で連結して開閉自在とし、一方の部材の
開放端部に設けたピンを耳たぶの孔に挿入したのち、こ
のピンへ他方の部材の開放端部に設けた抜止め部をはめ
込むようにして、ピンを耳たぶの裏側で簡単に止めるこ
とができるようにしたピアスイヤリングに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】図12に代表的なピアスイヤリングの従
来例を示す。すなわち背面にピン52を取付けた装飾体
51と、中央部にピン貫通孔55を有する基板54と、
基板54の両端を延長して互いに対向する方向に屈曲さ
せた一対の弾発性の円形のループ56とを備えた、キャ
ッチと称する止め金具53とで構成されている。しかし
ながら、止め金具の着脱が面倒で、止め金具自体も紛失
しやすいため、ピンを取付けた装飾体と止め金具とを一
体化することが要請されていた。
【0003】そのため、図11(特開昭60−2428
05号公報参照)に示すように、軸43を有するヒンジ
44で連結した一対の部材41,42の一方の部材41
の開放端部には、ピン45を取り付け、他方の部材42
の開放端部には、収容開口47の内周に単なる突起状の
係止部48を形成し、ピン45にもこの係止部48に対
応する溝46を形成したものが開発されている。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、ピン
を取付けた装飾体と止め金具とを一体化した上記ピアス
イヤリングにおいては、ピン45の先端が上記突起状の
係止部48に突き当たって内周側に曲げられやすく、使
用中にピン45と係止部48との係合が緩んで抜けやす
いという重大な欠点がある。
【0005】また、上記ヒンジ44構造においては回転
運動はするが、左右方向のぶれを止める手だてが軸43
のみなので、緩みやすいという欠点があった。そのた
め、固めに軸着すると回転しにくくなって使用に堪えな
くなり、緩めに軸着すると使用中に軸着部分が緩んでぶ
れやすくなってしまう。
【0006】上記のぶれは、一対の部材41,42を閉
じる操作に際し、一方の部材41の開放端部に設けたピ
ン45が、他方の部材42の開放端部に設けた収容開口
47から外れた位置(他方の部材42の開放端部の側
面)を通過してしまい、耳たぶの裏側で簡単にセットで
きなくなることはもちろん、ピン45が収容開口47内
に止まっていないという結果を招くことになる。すなわ
ち、ピン45が耳たぶの穴から簡単に抜け落ちてしま
う。
【0007】さらに、収容開口47の入口が狭いため収
容開口47の端面にピン45の先端が突き当たって、そ
れ以上強く押すとピン45が内向きに曲がったり、左右
に曲がったり、あるいはピン45の溝46の部分が折れ
たりしてピン45の溝46が収容開口47内の係止部4
8に係合できなくなり、使用に耐えなくなってしまう欠
点がある。
【0008】この発明は上記の欠点を解消することを目
的とするもので、ピンを耳たぶの裏側で簡単に止めるこ
とができるようにするため、ピンの先端が他方の部材の
開放端部のガイド位置に正確に導かれ、ピンの係止部を
ガイドの係止部へ確実にはめ込むことができるようにし
たもので、かつまた繰返し使用しても長期間にわたって
ピンの弾性力や付勢力が落ちず、何ら故障のないピアス
イヤリングを提供しようとするものである。
【0009】
【問題点を解決するための手段】すなわちこの発明のピ
アスイヤリングは、イヤリング本体を構成する一対の部
材の一端を、それぞれ二又の軸受部と、軸受部内にはめ
込まれる回転部とし、両者を軸を介して他端の開放端部
が突き合わされる方向に開閉自在に軸着し、一方の部材
の開放端部には外周上に第1の係止部を備えたピンを設
け、他方の部材の開放端部には、その内周側に上記第1
の係止部に係合する第2の係止部を備えたピアスイヤリ
ングにおいて、上記軸受部と回転部とで構成される軸着
部分において、上記軸受部を軸受部軸穴の両側に所定の
厚さと長さを有するよう形成したことを特徴とするもの
である。
【0010】またこの発明のピアスイヤリングは、イヤ
リング本体を構成する一対の部材の一端を、両者を軸を
介して他端の開放端部が突き合わされる方向に開閉自在
に軸着し、一方の部材の開放端部には外周上に第1の係
止部を備えたピンを設け、他方の部材の開放端部には、
その内周側に上記第1の係止部に係合する第2の係止部
を備え、かつ入口を広く奥に向かって内向きに傾斜させ
ながら狭くした、上記ピンの長さ方向に向けての進入を
可能とするガイドを設け、また第1の係止部を第2の係
止部方向に付勢する弾性をピンに持たせたことを特徴と
するものである。
【0011】さらにこの発明のピアスイヤリングは、イ
ヤリング本体を構成する一対の部材の一端を、両者を軸
を介して他端の開放端部が突き合わされる方向に開閉自
在に軸着し、一方の部材の開放端部には外周上に第1の
係止部を備えたピンを設け、他方の部材の開放端部に
は、その内周側に上記第1の係止部に係合する第2の係
止部を備え、かつ入口を広く奥に向かって内向きに傾斜
させながら狭くした、上記ピンの長さ方向に向けての進
入を可能とするガイドを設け、また狭くした端部に外側
方向に向かう段差を形成して第2の係止部とし、また第
1の係止部を第2の係止部方向に付勢する弾性をピンに
持たせたことを特徴とするものである。
【0012】さらにこの発明のピアスイヤリングは、イ
ヤリング本体を構成する一対の部材の一端を、それぞれ
二又の軸受部と、軸受部内にはめ込まれる回転部とし、
両者を軸を介して他端の開放端部が突き合わされる方向
に開閉自在に軸着し、一方の部材の開放端部には外周上
に第1の係止部を備えたピンを設け、他方の部材の開放
端部には、その内周側に上記第1の係止部に係合する第
2の係止部を設け、さらに軸受部と回転部とで構成され
る軸着部分において、上記一対の部材が耳たぶの厚みに
応じて決められる閉鎖角度以上に閉じるのを禁止する回
転規制片を、上記回転部内周側を回転部軸穴の反対側に
延長して形成し、この回転規制片を上記軸受部を有する
部材の内周の底面に係合するようにしたことを特徴とす
るものである。
【0013】さらにまたこの発明のピアスイヤリング
は、イヤリング本体を構成する一対の部材の一端を、軸
を介して他端の開放端部が突き合わされる方向に開閉自
在に軸着し、一方の部材の開放端部には外周上に第1の
係止部を備えたピンを設け、他方の部材の開放端部に
は、その内周側に上記第1の係止部に係合する第2の係
止部を備えたピアスイヤリングにおいて、上記ピンを縦
長断面となるよう圧延したことを特徴とするものであ
る。
【0014】そして上記において、ピンの先端を突き当
ててそれ以上の進入を禁止するストッパを、ガイドに設
けた第2の係止部から所定の位置に設けたことも特徴と
している。
【0015】
【作用】このように構成されたこの発明のピアスイヤリ
ングにおいては、ピンの耐久性を飛躍的に向上させるこ
とができ、ピンを耳たぶの裏側で簡単に止めることがで
きる。
【0016】すなわちこの発明においては、ピンは一対
の円弧状部材で構成されるイヤリング本体のほぼ円周上
に位置している。そして、軸着部分の軸受部が所定の厚
さと長さを有するように強化してあるので、一対の部材
が横方向にぶれることがなく、ピンの先端が他方の部材
の開放端部のガイド位置に正確に導かれる。
【0017】また、上記ピンの長さ方向に向けての進入
を可能とするガイドが、入口を広く奥に向かって内向き
に傾斜させながら狭くしてあるので、ピンがガイドを通
過する過程において、ピンは傾斜面に沿って移動する間
に徐々に内側にたわむように曲げられる。このような無
理なく内側に傾斜させたガイドによってピンに無理がか
からず、長期間の使用に耐え得る故障のないピアスイヤ
リングが提供できるのである。
【0018】またさらに、一対の部材を閉じる操作をし
たときに、ピンがガイドの外側に外れて一対の部材が交
差してしまった場合、従来のものではテコの原理で軸受
部の間隔が広がってしまい、軸着部分ががたついてピン
が左右に横振れするため、ピンをガイドに確実に導くこ
とができなくなってしまうのに対し、この発明において
はピンの第1の係止部がガイド内の第2の係止部位置に
ある場合の閉鎖角度以上に押し込まれることがなく、軸
受部の間隔が広がることがないので、ピンをガイドに確
実に導くことができる。
【0019】さらに一対の部材の軸着部分に多少でもぶ
れがあると、ピンがぶれることになる。このような場合
には入口の広いガイドを有しているので、このガイドが
横ぶれを吸収してピンの先端が他方の部材のガイド内の
傾斜面の位置に正確に導かれ、第1の係止部を第2の係
止部へ確実にはめ込むことができる。さらにその際、回
転規制片によってピンの第1の係止部がガイド内の第2
の係止部以上に押し込まれるのが防止できるので、ピン
の先端の径はイヤリング本体の円周上の位置よりも小さ
くなることがない。したがってピンの弾性力を損なうこ
とがなく、かつ付勢力も衰えることがない。
【0020】そして、上記ピンの長さ方向に向けての進
入を可能とするガイドを入口を広く奥に向かって内向き
に傾斜させながら狭くするととともに、この狭くした端
部に外側方向に向かう段差を形成して第2の係止部とし
たので、自分自身の弾性の範囲内でガイドの内側を徐々
にたわめられながら進入してきたピンは、最後に第1の
係止部がガイド内の第2の係止部、すなわち段差に係合
する。その際、段差がピンの第1の係止部から先の部分
の高さより深く形成されているので、ピンの先端にガイ
ドの内側方向に向かって加えられていたたわませようと
する力は解除され、ピンは緊張から解きほぐされて進入
前に近い円周で係合される。
【0021】さらに、ピンのガイドへの誘導と装着が耳
たぶの裏側で行なわれるこの発明のピアスイヤリングの
使用に際し、上述のようにピンの先端が左右に振れない
で他方の部材の開放端部のガイド位置に正確に導かれる
ので、一対の部材を開いて耳たぶにピンを差し込むこと
により、片手で、しかもワンタッチで耳たぶへ取り付
け、取り外すことができる。なおそれでも多少ピンが左
右に横振れした場合、ガイドがこの横振れを吸収するの
でなんら支障がない。
【0022】以上のように、この発明のピアスイヤリン
グによれば、繰返し使用しても長期間にわたって何ら故
障のないピアスイヤリングを提供することができる。
【0023】
【実施例】以下図面に基づき実施例について説明する。
【0024】図1ないし図10において、イヤリング本
体11は一対の円弧状部材1,1’で構成され、一端を
軸8を介して軸着するとともに、開放端部を突き合わせ
る方向に回転自在に連結してある。9は上記部材1,
1’に装飾として取り付けた宝石である。
【0025】この部材1,1’は上記円弧状に限らず、
一対の部材1,1’間に耳たぶをはさみこむことができ
る形状であれば、楕円形、矩形、菱形、三角形等の種々
の形状とすることができる。またその断面も適宜決定す
ることができるが、耳たぶへ吊り下げることから、ピア
スイヤリング自体が重いと耳たぶの穴が大きくなり、ピ
アスイヤリングを取外した時に目立ってしまうことを避
けるため、なるべく軽くしたいという理由で、所定の厚
さの樋状に形成することが望ましい。
【0026】そして、上記一方の円弧状部材1の開放端
部には、その外周上にV字ないしU字の溝状の第1の係
止部3を設けたピン2がロー付けによって突設されてい
る。ピン2は好ましくは円弧状部材1,1’の円弧に沿
って所定の曲率で曲げられている。もしピン2が直線状
で、一方の円弧状部材1の開放端部にロー付けされてい
る場合において、円弧状部材1,1’の両者は軸8を中
心として回転し、開放端部が突き合わされる。その際、
ピン2の先端は傾斜面6へ進入して行く過程においてピ
ン2にはテコの作用が働き、ピン2がロー付けされてい
る箇所が内側に曲がってしまうおそれがある等の欠点が
生じる。そこでこの欠点をなくすこととして、ピン2を
ロー付けした後にピン2を縦長断面となるよう幅方向に
圧延するなどして弾性力、付勢力ともに強化しておくこ
とが望ましい。なおピン2として弾性のある素材を選ん
だにしても、ピン2をロー付けする工程においてピン2
は高温にさらされてなまってしまい、やわらかくなって
弾性力、付勢力ともに低下するのである。また、前記の
ようにピン2を直線状でロー付けした場合には、テコの
原理が加わるという前提に立てば、これを解消しなけれ
ばならない。そこでロー付けされたピン2を曲げるなど
の方法がよいのである。曲げた後、ピン2を縦長断面と
なるよう幅方向に圧延するなどして弾性力、付勢力とも
に強化しておくことが望ましい。また前記のような方法
から考えるならば、ピン2にかかる力を分散させる必要
があり、ピン2を所定の曲率で曲げ、かつピン2を縦長
断面となるよう幅方向に圧延するなどして弾性力、付勢
力ともに強化しておくことが望ましい。一対の円弧状部
材1,1’において、一方の円弧状部材1の開放端部に
ピン2を素材を選んで弾性のある丸線でロー付けによっ
て突設する。このピン2を円弧状部材1,1’の円弧に
沿って所定の曲率で曲げる。この曲げられた丸線のピン
2を縦長断面となるように幅方向に圧延し、弾性力、付
勢力ともに強化し、所定の箇所に第1の係止部3を設け
る。また第1の係止部をピン2の先端に近い所定の位置
にピン2の外周上にV字ないしU字状の溝として設け
る。上記の第1の係止部3は、回転規制片23およびス
トッパ7のかね合いを考慮して設けなければならない。
すなわち、一対の円弧状部材1,1’を閉じる操作をし
たとき、第1の係止部3が第2の係止部4に係合したと
きに、回転規制片23の外周底面が軸受部21を有する
樋状の部材1’の内周の底面24に係合し、ピン2の弾
性力および付勢力を保護するよう作用する。上記のよう
なかね合いを考え合わせて第1の係止部3をピン2の外
周上に設ければよい。なお、ストッパ7とのかね合いも
考えなければならない。ストッパ7は、上記のようなか
ね合いから設計されたピン2の第1の係止部3からピン
2の先端までの長さと等しくなるように設けられてい
る。そして円弧状部材1,1’の開放端部が突き合わさ
れる際には、両者は軸8を中心として回転するので上記
円弧よりもやや大きい径の円を描くようにして突き合わ
される。なお第1の係止部3の溝の深さは、ピン2の太
さに応じて変わるが、強度上ほぼピンの太さの約半分、
ないしそれよりもやや大きめにしておく必要がある。上
記ピン2の先端にも、先細りの傾斜面6’を形成してお
くことが望ましい。
【0027】また他方の部材1’の開放端部には、上記
ピン2の進入を可能とするガイド5が形成してある。こ
のガイド5は、図10の拡大斜視図に示すようにほぼ円
錐形断面を有し、かつその一部を切り欠いて溝状として
ある。すなわち、ガイド5は開放端部側から入口を広
く、奥に向かって徐々に狭くなる半割りの円錐状断面を
有する傾斜面6からなっている。したがってこのガイド
5により、ピン2が多少左右に振れても第2の係止部4
内に確実に導かれるので、ピン2はガイド5内にスムー
ズにはめ込まれる。さらに上記傾斜面6は奥に向かって
内向きに伸びるよう形成されているので、ピン2は傾斜
面6に沿って移動する間に自己の弾性の範囲内で徐々に
内側に撓められ、反発力が高められている。
【0028】このガイド5の端末には、上記第1の係止
部3に係合する第2の係止部4が円弧状部材1’の内周
面に形成されている。図では、この第2の係止部4は、
上記ガイド5の傾斜面6の後端に設けた、後端より外側
方向に向かう段差として形成されている。こうすること
によってピン2の先端の第1の係止部3が第2の係止部
4を通過すると、ピン2は上記反発力によって径を広げ
る方向に動き、第1の係止部3が第2の係止部4に係合
する。その際、図3のhで示すように段差がピンの第1
の係止部3から先の部分の高さよりも深く形成されてい
るので、ピン2にかけられていた上記反発力が解除さ
れ、ピン2には無理な負荷がかからず、ピン2の弾性を
長期間に渡って維持することができる。しかも上述のよ
うにピン2はその弾性以上に内周側に曲げられないた
め、使用中にピン2の第1の係止部3とガイド5内の第
2の係止部4との係合が緩んで抜けやすくなることがな
い。
【0029】上記ピン2には、その第1の係止部3が第
2の係止部4方向に付勢される弾性を持たせておくこと
が必要である。そしてピン2は、円弧状部材1,1’の
開放端部が突き合わされる際には、それ自体の円弧より
もやや大きい径の円を描くようにして突き合わされるの
で、ガイド5の傾斜面6に鋭角で突き当たり、上記弾性
と相まって無理なくガイド5の傾斜面6に沿って滑りな
がら移動する。そしてピン2の第1の係止部3がガイド
5内の上記第2の係止部4にはめ込まれたときに停止す
る。
【0030】さらに、上記円弧状部材1’の内周面の第
2の係止部4より奥の位置には、上記ピン2の先端を突
き当てて、それ以上の進入を禁止するストッパ7が、円
弧の中心方向に向けて形成されている。このストッパ7
は上記ガイド5内の第2の係止部4までの距離が、ピン
2の第1の係止部3からピン2の先端までの長さとほぼ
等しくなるよう構成されているので、上記ピン2が進入
して第1の係止部3が第2の係止部4に係合したとき、
ピン2の先端もストッパ7に突き当たってピン2はその
位置で停止する。またストッパ7は宝石9の台座、ある
いはデザイン上から生じる突起や障害物を利用し、ピン
2の第1の係止部3からピン2の先端までの長さとほぼ
等しい箇所に上記突起や障害物を設ければ、ストッパ7
として機能させることができる。
【0031】上記軸8の軸着部分は、図7ないし図9の
ように、上記一対の部材1,1’の一端を、それぞれ二
又の軸受部21と軸受部21内にはめ込まれる板状の回
転部22とし、両者を軸穴8’に装着した軸8を介して
開閉自在に連結している。
【0032】上記軸着部分の軸受部21は軸受部軸穴
8’の両側において、回転部22の回転半径よりも長く
形成し、かつ二又のそれぞれにおいて所定の厚さを有す
るようにしてあるので、上記一対の部材1,1’の開閉
操作に際し、一方の部材の開放端部に設けたピン2の先
端が他方の部材の開放端部に設けたガイド5の位置に正
確にはめ込まれるよう導かれる。なお軸受部21は所定
の厚さを有しているので、一対の部材1,1’の開閉操
作等では二又の軸受部21間が広がって緩んでしまうこ
とがない。したがってピン2は左右に振れることなく、
ガイド5に確実に挿入される。
【0033】なお一対の部材1,1’が交差してしまっ
た場合は回転規制片23が有効に機能するが、軸受部2
1を所定の厚さと長さを有するようにすることで交差の
際の欠点が確実に解消できる。またこの軸受部21に
は、図1、図5等で示すように軸穴8’に軸8を差し込
んで一対の部材1,1’を軸着してあり、図では軸8が
目で見えるように示されている。しかしながら、軸8は
軸穴8’に差し込んだ後、軸受部21の外側からロー付
けやカシメ等で抜け止めし、さらに研磨されているの
で、実際には目では見ることはできない。このロー付け
やカシメ、研磨等の工程においても上記の軸受部21の
所定の厚さと長さとが必要かつ重要な役目を果たすので
ある。
【0034】23は、上記一対の部材1,1’の軸着部
分において、その一方の部材1の端部に設けた回転部2
2の内径側を回転部軸穴8’の反対側に向かって、部材
1のなす円弧上に延長するよう形成した回転規制片であ
る。
【0035】上記一対の部材1,1’は、開放端部を閉
じてピン2をガイド5に挿入し、第1の係止部3が第2
の係止部4に結合したときに固定される。また上記回転
規制片23も、第1の係止部3が第2の係止部4に結合
したときに、軸受部21を有する樋状の部材1’の内周
の底面24に係合してそれ以上の回転を規制する。した
がって、ピン2はその弾性力以上の負荷を受けることが
なく、第2の係止部4方向に付勢させる弾性力を保ち、
大幅な耐久性の向上を図ることができる。ただし、上記
一対の部材1,1’が幅広であったり、その軸着部分が
幅広に形成されているときには、一対の部材1,1’の
それぞれの軸着部分の端面が必ず突き合わされて回転規
制片として機能するので、これを上記構造の回転規制片
23に置き換えることができる。なお第1の係止部3を
第2の係止部4に結合したとき、ピン2は一対の部材
1,1’間で、主に耳たぶの厚みに等しい幅で露出して
いる。
【0036】上述のようにこの回転規制片23により、
ピン2の第1の係止部3がガイド5内に付設した第2の
係止部4位置より以上に押し込まれ、ピン2がその弾性
力以上に内向きに曲げられてしまって、再び第1の係止
部3が第2の係止部4に引っ掛からなくなり、耳たぶか
ら脱落したり、使用に耐えなくなるのを防止できる。
【0037】また、一対の部材1,1’を閉じる操作を
したときに、ピン2がガイド5の外側に外れて一対の部
材1,1’が交差してしまった場合、従来のものではテ
コの原理で軸受部21の間隔が広がってしまい、軸着部
分ががたついてピンが左右に振れるため、ピン2をガイ
ド5に確実に導くことができなくなってしまうのに対
し、上記実施例においては、回転規制片23によりピン
2の第1の係止部3がガイド5内の第2の係止部4位置
に相当する閉鎖角度以上に押し込まれることがなく、軸
受部21の間隔が広がることがないので、ピン2をガイ
ド5に確実に導くことができる。すなわち、耳たぶの裏
側でピン2にガイド5を簡単にはめ込むことができる。
【0038】回転規制片23によって、一対の部材1,
1’が所定の円弧の位置で係止されるよう調整するに
は、回転規制片23の外周底面ないしこれと係合する部
材1’の内周の底面24のいずれかに対し、研削ないし
肉盛り等の加工を施せばよい。
【0039】上記実施例のピアスイヤリングを使用する
ときは、図5に示すように一対の部材1,1’を開き、
通常のイヤリングと同様に、ピン2を耳たぶのピアス挿
入用の孔に通したのち、耳たぶから突出したピン2の先
端に他方の円弧状部材1’の開放端部を嵌挿すればよ
い。このとき、ピン2は傾斜面6’が円弧状部材1’の
開放端部に形成したガイド5の傾斜面6に滑りながら進
入し、ピン2の先端が第2の係止部4を乗り越えて第1
の係止部3が第2の係止部4と係合し、円弧状部材1は
円弧状部材1’に保持される。このときのピン2にかか
る負荷は小さく、ピン2が曲がったり付け根から内周側
に倒されてしまうこともない。したがってピン2の耐久
性が大幅に向上する。
【0040】なおピン2はストッパ7および回転規制片
23により、第1の係止部3が第2の係止部4の位置よ
り奥のほうに押込まれるのを禁止されているので、ピン
2が上記弾性の範囲を越えて屈曲することがない。その
ため、ピン2のなす円弧が小さくなってしまい、第1の
係止部3が第2の係止部4から簡単に外れてピンが抜け
やすくなってしまうということもない。
【0041】上記一対の部材1,1’で構成される円が
小さい径のときは、部材1,1’の剛性が高いために、
一対の部材1,1’の軸着部分に設けられている回転規
制片23が有効に機能するのでストッパ7は不要であ
る。しかしながら、一対の部材1,1’の径が大きくな
ると、所定の厚さの、例えば樋状に形成した一対の部材
1,1’そのものの肉厚を薄くする必要上、一対の部材
1,1’自体がたわんでしまう。すると、回転規制片2
3が他方の部材1’の内周の底面24に係合し、第1の
係止部3が第2の係止部4に結合した位置以上にピン2
が押し込まれてしまう。したがって、そのような場合に
はガイド5内の第2の係止部4の奥にもストッパ7を設
けておく必要がある。
【0042】この発明においては、ピンの先端が円弧状
部材に収納されるため装飾性を損なうことがなく、前面
側および後面側に配置される一対の部材1,1’の、ど
ちらを耳たぶの前面側にして使用してもよい。すなわ
ち、一対の部材1,1’のそれぞれに取り付ける宝石類
を変えたり、あるいはそれぞれの部材1,1’の地金を
変えたり、またデザインを変化させることにより、1つ
のピアスイヤリングを2種類のピアスイヤリングと同様
に使用することができる。
【0043】
【発明の効果】このように構成されたこの発明のピアス
イヤリングにおいては、ピンを耳たぶの裏側で簡単に止
めることができるようになるばかりでなく、ピンの耐久
性を飛躍的に向上させることができる。
【0044】すなわち、ピンの先端が他方の部材の開放
端部のガイド位置に正確に導かれ、第1の係止部を第2
の係止部へ確実にはめ込むことができる。さらにその
際、回転規制片によってピンの第1の係止部がガイド内
の第2の係止部以上に押し込まれるのが防止できるの
で、ピンの径は小さくなることがない。したがってピン
の弾性力を損なうことがなく、かつ付勢力も衰えること
がない。
【0045】また、一対の部材を閉じる操作をしたとき
に、ピンがガイドの外側に外れて一対の部材が交差して
しまった場合、従来のものではテコの原理で軸受部の間
隔が広がってしまい、軸着部分ががたついてピンが左右
に横振れするため、ピンをガイドに確実に導くことがで
きなくなってしまうのに対し、この発明においてはピン
の第1の係止部がガイド内の第2の係止部位置にある場
合の閉鎖角度以上に押し込まれることがなく、軸受部の
間隔が広がることがないので、ピンをガイドに確実に導
くことができる。
【0046】さらに、ピンのガイドへの装着が耳たぶの
裏側で行なわれるこの発明のピアスイヤリングの使用に
際し、上述のようにピンの先端が左右に振れないで他方
の部材の開放端部のガイド位置に正確に導かれるので、
一対の部材を開いておくことにより、片手で、しかもワ
ンタッチで耳たぶへ取り付け、取り外すことができる。
なおそれでも多少ピンが左右に横振れした場合、ガイド
がこの横振れを吸収するのでなんら支障がない。
【0047】以上のように、この発明のピアスイヤリン
グによれば、繰返し使用しても長期間にわたって何ら故
障のないピアスイヤリングを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のピアスイヤリングの一実施例を示す
側面図である。
【図2】1対の部材を分解した状態の側面図である。
【図3】断面図である。
【図4】1対の部材1,1’を開いた状態の断面図であ
る。
【図5】1対の部材1,1’を開いた状態の斜視図であ
る。
【図6】1対の部材1,1’を開いた状態の平面図であ
る。
【図7】要部拡大横断面図である。
【図8】要部拡大縦断面図である。
【図9】A−A’断面図である。
【図10】要部拡大斜視図である。
【図11】従来例の側面図である。
【図12】他の従来例の側面図である。
【符号の説明】 1,1’ 部材 2 ピン 3 第1の係止部 4 第2の係止部 5 ガイド 6,6’傾斜面 7 ストッパ 8 軸 8’ 軸穴 9 宝石 11 イヤリング本体 21 軸受部 22 回転部 23 回転規制片 24 軸受部を有する部材の内周の底面

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イヤリング本体を構成する一対の部材の
    一端を、それぞれ二又の軸受部と、軸受部内にはめ込ま
    れる回転部とし、両者を軸を介して他端の開放端部が突
    き合わされる方向に開閉自在に軸着し、一方の部材の開
    放端部には外周上に第1の係止部を備えたピンを設け、
    他方の部材の開放端部には、その内周側に上記第1の係
    止部に係合する第2の係止部を備えたピアスイヤリング
    において、上記軸受部と回転部とで構成される軸着部分
    において、上記軸受部を軸受部軸穴の両側に所定の厚さ
    と長さを有するよう形成したことを特徴とするピアスイ
    ヤリング。
  2. 【請求項2】 イヤリング本体を構成する一対の部材の
    一端を、両者を軸を介して他端の開放端部が突き合わさ
    れる方向に開閉自在に軸着し、一方の部材の開放端部に
    は外周上に第1の係止部を備えたピンを設け、他方の部
    材の開放端部には、その内周側に上記第1の係止部に係
    合する第2の係止部を備え、かつ入口を広く奥に向かっ
    て内向きに傾斜させながら狭くした、上記ピンの長さ方
    向に向けての進入を可能とするガイドを設け、また第1
    の係止部を第2の係止部方向に付勢する弾性をピンに持
    たせたことを特徴とするピアスイヤリング。
  3. 【請求項3】 イヤリング本体を構成する一対の部材の
    一端を、両者を軸を介して他端の開放端部が突き合わさ
    れる方向に開閉自在に軸着し、一方の部材の開放端部に
    は外周上に第1の係止部を備えたピンを設け、他方の部
    材の開放端部には、その内周側に上記第1の係止部に係
    合する第2の係止部を備え、かつ入口を広く奥に向かっ
    て内向きに傾斜させながら狭くした、上記ピンの長さ方
    向に向けての進入を可能とするガイドを設け、また狭く
    した端部に外側方向に向かう段差を形成して第2の係止
    部とし、また第1の係止部を第2の係止部方向に付勢す
    る弾性をピンに持たせたことを特徴とするピアスイヤリ
    ング。
  4. 【請求項4】 イヤリング本体を構成する一対の部材の
    一端を、それぞれ二又の軸受部と、軸受部内にはめ込ま
    れる回転部とし、両者を軸を介して他端の開放端部が突
    き合わされる方向に開閉自在に軸着し、一方の部材の開
    放端部には外周上に第1の係止部を備えたピンを設け、
    他方の部材の開放端部には、その内周側に上記第1の係
    止部に係合する第2の係止部を設け、さらに軸受部と回
    転部とで構成される軸着部分において、上記一対の部材
    が耳たぶの厚みに応じて決められる閉鎖角度以上に閉じ
    るのを禁止する回転規制片を、上記回転部内周側を回転
    部軸穴の反対側に延長して形成し、この回転規制片を上
    記軸受部を有する部材の内周の底面に係合するようにし
    たことを特徴とするピアスイヤリング。
  5. 【請求項5】 イヤリング本体を構成する一対の部材の
    一端を、軸を介して他端の開放端部が突き合わされる方
    向に開閉自在に軸着し、一方の部材の開放端部には外周
    上に第1の係止部を備えたピンを設け、他方の部材の開
    放端部には、その内周側に上記第1の係止部に係合する
    第2の係止部を備えたピアスイヤリングにおいて、上記
    ピンを縦長断面となるよう圧延したことを特徴とするピ
    アスイヤリング。
  6. 【請求項6】 ピンの先端を突き当ててそれ以上の進入
    を禁止するストッパを、ガイドに設けた第2の係止部か
    ら所定の位置に設けた請求項1ないし5のいずれかに記
    載のピアスイヤリング。
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