JPH0672405U - ピアスイヤリング - Google Patents

ピアスイヤリング

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JPH0672405U
JPH0672405U JP2016493U JP2016493U JPH0672405U JP H0672405 U JPH0672405 U JP H0672405U JP 2016493 U JP2016493 U JP 2016493U JP 2016493 U JP2016493 U JP 2016493U JP H0672405 U JPH0672405 U JP H0672405U
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guide
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JP2016493U
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喜博 穂坂
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有限会社穂坂工芸
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Abstract

(57)【要約】 【目的】イヤリング本体の一方の部材に設けたピンを耳
たぶの孔に挿入し、このピンへ他方の部材に設けた抜止
め部をはめ込むようにしたピアスイヤリングに関する。 【構成】イヤリング本体を構成する一対の部材の一端
を、軸受部と軸受部内にはめ込まれる回転部とし、両者
を軸を介して他端の開放端部が突き合わされる方向に開
閉自在に軸着し、一方の部材の開放端部には外周上に第
1の係止部を備えたピンを設け、他方の部材の開放端部
には、その内周側に上記第1の係止部に係合する第2の
係止部を備え、かつ入口を広く奥に向かって内向きに傾
斜させながら狭くした、上記ピンの長さ方向に向けての
進入を可能とするガイドを設け、上記一対の部材が耳た
ぶの厚みに応じて決められる閉鎖角度以上に閉じるのを
禁止する回転規制片を、上記回転部内周側を回転部軸穴
の反対側に延長して形成し、この回転規制片を上記軸受
部を有する部材の内周の底面に係合するようにしたこと
を特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案はピアス式のイヤリングに関し、特に表裏一対の部材で構成されたイ ヤリング本体の各部材を軸で連結して開閉自在とし、一方の部材の開放端部に設 けたピンを耳たぶの孔に挿入したのち、このピンへ他方の部材の開放端部に設け た抜止め部をはめ込むようにして、ピンを耳たぶの裏側で簡単に止めることがで きるようにしたピアスイヤリングに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図13に代表的なピアスイヤリングの従来例を示す。すなわち背面にピン52 を取付けた装飾体51と、中央部にピン貫通孔55を有する基板54と、基板5 4の両端を延長して互いに対向する方向に屈曲させた一対の弾発性の円形のルー プ56とを備えた、キャッチと称する止め金具53とで構成されている。しかし ながら、止め金具の着脱が面倒で、止め金具自体も紛失しやすいため、ピンを取 付けた装飾体と止め金具とを一体化することが要請されていた。
【0003】 そのため、特開昭60−242805号公報に示すように、収容開口41の内 周に単なる突起状の係止部42を形成し、ピンにもこの係止部42に対応する突 起(図示せず)を形成したものが開発されている[図11(イ)参照]。
【0004】 また、本考案者が先に提案した、イヤリング本体を構成する一対の部材31, 31’の一端を、軸37を介して他端の開放端部が突き合わされる方向に開閉自 在に軸着し、一方の部材31の開放端部には外周上に第1の係止部33を備えた ピン32を、他方の部材31’の開放端部には内周側に上記ピン32の長さ方向 に向けての進入を可能とし、かつ上記第1の係止部33に係合する第2の係止部 34を備えたガイド35を設け、さらにピン32の先端を突き当ててそれ以上の 進入を禁止するストッパ36を形成するとともに、第1の係止部33が第2の係 止部34方向に付勢される弾性をピン32に持たせたものも公知である(図12 参照)。
【0005】
【考案が解決しようとする問題点】
しかしながら、ピンを取付けた装飾体と止め金具とを一体化した上記2種類の ピアスイヤリングにおいて、前者のピアスイヤリングにおいては、ピンの先端が 上記突起状の係止部42に突き当たって内周側に曲げられやすく、使用中にピン と係止部との係合が緩んで抜けやすいという重大な欠点がある。また後者のピア スイヤリングについて後記したのと同様の欠点をも有している。
【0006】 また後者のピアスイヤリングにおいては、使用中に軸着部分が緩んでしまい、 一対の部材31,31’を閉じる操作に際し、一方の部材31の開放端部に設け たピン32が、他方の部材31’の開放端部に設けたガイド35から外れた位置 (他方の部材31’の開放端部の側面)を通過してしまってピン32が止まって いないため、耳たぶの穴から簡単に抜け落ちたり、ガイド35の入口が狭いため ガイド35の端面にピン32の先端が突き当たって、それ以上強く押すとピン3 2が内向きに曲がったり、左右に曲がったり、あるいは係止部の溝の部分が折れ たりしてピン32の第1の係止部33がガイド内の第2の係止部34に係合でき なくなり、使用に耐えなくなってしまう欠点がある。
【0007】 この考案は上記の欠点を解消することを目的とするもので、ピンを耳たぶの裏 側で簡単に止めることができるようにするため、ピンの先端が他方の部材の開放 端部のガイド位置に正確に導かれ、第1の係止部を第2の係止部へ確実にはめ込 むことができるようにしたもので、かつまた繰返し使用しても長期間にわたって ピンの弾性力や付勢力が落ちず、何ら故障のないピアスイヤリングを提供しよう とするものである。
【0008】
【問題点を解決するための手段】
すなわちこの考案のピアスイヤリングは、イヤリング本体を構成する一対の部 材の一端を、それぞれ二又の軸受部と、軸受部内にはめ込まれる回転部とし、両 者を軸を介して他端の開放端部が突き合わされる方向に開閉自在に軸着し、一方 の部材の開放端部には外周上に第1の係止部を備えたピンを設け、他方の部材の 開放端部には、その内周側に上記第1の係止部に係合する第2の係止部を備え、 かつ入口を広く奥に向かって内向きに傾斜させながら狭くした、上記ピンの長さ 方向に向けての進入を可能とするガイドを設け、また第1の係止部を第2の係止 部方向に付勢する弾性をピンに持たせ、さらに軸受部と回転部とで構成される軸 着部分において、上記軸受部を軸受部軸穴の両側に所定の厚さと長さを有するよ う形成するとともに、上記一対の部材が耳たぶの厚みに応じて決められる閉鎖角 度以上に閉じるのを禁止する回転規制片を、上記回転部内周側を回転部軸穴の反 対側に延長して形成し、この回転規制片を上記軸受部を有する部材の内周の底面 に係合するようにしたことを特徴とするものである。
【0009】 またガイド内の第2の係止部を、上記ガイドの傾斜面の後端に設けた後端より 外側方向に向かう段差によって形成したことも特徴としている。
【0010】 なおかつ、ピンの先端を突き当ててそれ以上の進入を禁止するストッパを、ガ イドに設けた第2の係止部から所定の位置に設けたことも特徴としている。
【0011】
【作用】
このように構成されたこの考案のピアスイヤリングにおいては、ピンの耐久性 を飛躍的に向上させることができ、ピンを耳たぶの裏側で簡単に止めることがで きる。
【0012】 すなわち、この考案においてはピンを一対の円弧状部材で構成されるイヤリン グ本体のほぼ円周上に位置させている。そして、ピンの先端が他方の部材の開放 端部のガイド位置に正確に導かれ、第1の係止部を第2の係止部へ確実にはめ込 むことができる。さらにその際、回転規制片によってピンの第1の係止部がガイ ド内の第2の係止部以上に押し込まれるのが防止できるので、ピンの先端の径は イヤリング本体の円周上の位置よりも小さくなることがない。したがってピンの 弾性力を損なうことがなく、かつ付勢力も衰えることがない。
【0013】 また、一対の部材を閉じる操作をしたときに、ピンがガイドの外側に外れて一 対の部材が交差してしまった場合、従来のものではテコの原理で軸受部の間隔が 広がってしまい、軸着部分ががたついてピンが左右に横振れするため、ピンをガ イドに確実に導くことができなくなってしまうのに対し、この考案においてはピ ンの第1の係止部がガイド内の第2の係止部位置にある場合の閉鎖角度以上に押 し込まれることがなく、軸受部の間隔が広がることがないので、ピンをガイドに 確実に導くことができる。
【0014】 さらに、ピンのガイドへの装着が耳たぶの裏側で行なわれるこの考案のピアス イヤリングの使用に際し、上述のようにピンの先端が左右に振れないで他方の部 材の開放端部のガイド位置に正確に導かれるので、一対の部材を開いて耳たぶに ピンを差し込むことにより、片手で、しかもワンタッチで耳たぶへ取り付け、取 り外すことができる。なおそれでも多少ピンが左右に横振れした場合、ガイドが この横振れを吸収するのでなんら支障がない。
【0015】 以上のように、この考案のピアスイヤリングによれば、繰返し使用しても長期 間にわたって何ら故障のないピアスイヤリングを提供することができる。
【0016】
【実施例】
以下図面に基づき実施例について説明する。
【0017】 図1ないし図10において、イヤリング本体11は一対の円弧状部材1,1’ で構成され、一端を軸8を介して軸着するとともに、開放端部を突き合わせる方 向に回転自在に連結してある。9は上記部材1,1’に装飾として取り付けた宝 石である。
【0018】 この部材1,1’は上記円弧状に限らず、一対の部材1,1’間に耳たぶをは さみこむことができる形状であれば、楕円形、矩形、菱形、三角形等の種々の形 状とすることができる。またその断面も適宜決定することができるが、耳たぶへ 吊り下げることから、ピアスイヤリング自体が重いと耳たぶの穴が大きくなり、 ピアスイヤリングを取外した時に目立ってしまうことを避けるため、なるべく軽 くしたいという理由で、所定の厚さの樋状に形成することが望ましい。
【0019】 そして、上記一方の円弧状部材1の開放端部には、その外周上にV字ないしU 字の溝状の第1の係止部3を設けたピン2がロー付けによって突設されている。 ピン2は好ましくは円弧状部材1,1’の円弧に沿って所定の曲率で曲げられて おり、円弧状部材1,1’の開放端部が突き合わされる際には、両者は軸8を中 心として回転するので上記円弧よりもやや大きい径の円を描くようにして突き合 わされる。なお第1の係止部3の溝の深さは、ピン2の太さに応じて変わるが、 強度上ほぼピンの太さの約半分、ないしそれよりもやや大きめにしておく必要が ある。
【0020】 また他方の部材1’の開放端部には、上記ピン2の進入を可能とするガイド5 が形成してある。このガイド5は、図10の拡大斜視図に示すようにほぼ円錐形 断面を有し、かつその一部を切り欠いて溝状としてある。すなわち、ガイド5は 開放端部側から入口を広く、奥に向かって徐々に狭くなる半割りの円錐状端面を 有する傾斜面6からなっている。したがってこのガイド5により、ピン2が多少 左右に振れても第2の係止部4内に確実に導かれるので、ピン2はガイド5内に スムーズにはめ込まれる。さらに上記傾斜面6は奥に向かって内向きに伸びるよ う形成されているので、ピン2は傾斜面6に沿って移動する間に自己の弾性の範 囲内で徐々に内側に撓められ、反発力が高められている。
【0021】 このガイド5の端末には、上記第1の係止部3に係合する第2の係止部4が円 弧状部材1’の内周面に形成されている。図では、この第2の係止部4は、上記 ガイド5の傾斜面6の後端に設けた、後端より外側方向に向かう段差として形成 されている。こうすることによってピン2の先端の第1の係止部3が第2の係止 部4を通過すると、ピン2は上記反発力によって径を広げる方向に動き、第1の 係止部3が第2の係止部4に係合する。その際、ピン2にかけられていた上記反 発力が解除されるのでピン2には無理な負荷がかからず、ピン2の弾性を長期間 に渡って維持することができる。しかも上述のようにピン2はその弾性以上に内 周側に曲げられないため、使用中にピン2の第1の係止部3とガイド5内の第2 の係止部4との係合が緩んで抜けやすくなることがない。なお上記ピン2の先端 にも、先細りの傾斜面6’を形成しておくことが望ましい。
【0022】 上記ピン2には、その第1の係止部3が第2の係止部4方向に付勢される弾性 を持たせておくことが必要である。この弾性はピン2の素材を選んで弾性のある ものとした上、ピン2を縦長断面となるよう幅方向に圧延するなどして弾性力を 強化しておくことが望ましい。ピン2は、円弧状部材1,1’の開放端部が突き 合わされる際には、それ自体の円弧よりもやや大きい径の円を描くようにして突 き合わされるので、ガイド5の傾斜面6に鋭角で突き当たり、上記弾性と相まっ て無理なくガイド5の傾斜面6に沿って滑りながら移動する。そしてピン2の第 1の係止部3がガイド5内の上記第2の係止部4にはめ込まれたときに停止する 。
【0023】 さらに、上記円弧状部材1’の内周面の第2の係止部4より奥の位置には、上 記ピン2の先端を突き当てて、それ以上の進入を禁止するストッパ7が、円弧の 中心方向に向けて形成されている。このストッパ7は上記ガイド5内の第2の係 止部4までの距離が、ピン2の第1の係止部3からピン2の先端までの長さとほ ぼ等しくなるよう構成されているので、上記ピン2が進入して第1の係止部3が 第2の係止部4に係合したとき、ピン2の先端もストッパ7に突き当たってピン 2はその位置で停止する。
【0024】 上記軸8の軸着部分は、図7ないし図9のように、上記一対の部材1,1’の 一端を、それぞれ二又の軸受部21と軸受部21内にはめ込まれる板状の回転部 22とし、両者を軸穴8’に装着した軸8を介して開閉自在に連結している。
【0025】 上記軸着部分の軸受部21は軸受部軸穴8’の片側において、後述の回転規制 片23方向に向けて回転部22の回転半径よりも長く形成し、かつ二又のそれぞ れにおいて所定の厚さを有するようにしてあるので、上記一対の部材1,1’の 開閉操作に際し、一方の部材の開放端部に設けたピン2の先端が他方の部材の開 放端部に設けたガイド5の位置に正確にはめ込まれるよう導かれる。なお軸受部 21は所定の厚さを有しているので、一対の部材1,1’の開閉操作等では二又 の軸受部21間が広がって緩んでしまうことがない。したがってピン2は左右に 振れることなく、ガイド5に確実に挿入される。
【0026】 23は、上記一対の部材1,1’の軸着部分において、その一方の部材1の端 部に設けた回転部22の内径側を回転部軸穴8’の反対側に向かって、部材1の なす円弧上に延長するよう形成した回転規制片である。
【0027】 上記一対の部材1,1’は、開放端部を閉じてピン2をガイド5に挿入し、第 1の係止部3が第2の係止部4に結合したときに固定される。また上記回転規制 片23も、第1の係止部3が第2の係止部4に結合したときに、軸受部21を有 する樋状の部材1’の内周の底面24に係合してそれ以上の回転を規制する。し たがって、ピン2はその弾性力以上の負荷を受けることがなく、第2の係止部4 方向に付勢させる弾性力を保ち、大幅な耐久性の向上を図ることができる。なお 第1の係止部3を第2の係止部4に結合したとき、ピン2は一対の部材1,1’ 間で、主に耳たぶの厚みに等しい幅で露出している。
【0028】 上述のようにこの回転規制片23により、ピン2の第1の係止部3がガイド5 内に付設した第2の係止部4位置より以上に押し込まれ、ピン2がその弾性力以 上に内向きに曲げられてしまって、再び第1の係止部3が第2の係止部4に引っ 掛からなくなり、耳たぶから脱落したり、使用に耐えなくなるのを防止できる。
【0029】 また、一対の部材1,1’を閉じる操作をしたときに、ピン2がガイド5の外 側に外れて一対の部材1,1’が交差してしまった場合、従来のものではテコの 原理で軸受部21の間隔が広がってしまい、軸着部分ががたついてピンが左右に 振れるため、ピン2をガイド5に確実に導くことができなくなってしまうのに対 し、上記実施例においては、回転規制片23によりピン2の第1の係止部3がガ イド5内の第2の係止部4位置に相当する閉鎖角度以上に押し込まれることがな く、軸受部21の間隔が広がることがないので、ピン2をガイド5に確実に導く ことができる。すなわち、耳たぶの裏側でピン2にガイド5を簡単にはめ込むこ とができる。
【0030】 回転規制片23によって、一対の部材1,1’が所定の円弧の位置で係止され るよう調整するには、回転規制片23の下面ないしこれと係合する部材1’の内 周の底面24のいずれかに対し、研削ないし肉盛り等の加工を施せばよい。
【0031】 上記実施例のピアスイヤリングを使用するときは、図5に示すように一対の部 材1,1’を開き、通常のイヤリングと同様に、ピン2を耳たぶのピアス挿入用 の孔に通したのち、耳たぶから突出したピン2の先端に他方の円弧状部材1’の 開放端部を嵌挿すればよい。このとき、ピン2は傾斜面6’が円弧状部材1’の 開放端部に形成したガイド5の傾斜面6に滑りながら進入し、ピン2の先端が第 2の係止部4を乗り越えて第1の係止部3が第2の係止部4と係合し[図11( ロ)]、円弧状部材1は円弧状部材1’に保持される。このときのピン2にかか る負荷は小さく、ピン2が曲がったり付け根から内周側に倒されてしまうことも ない。したがってピン2の耐久性が大幅に向上する。
【0032】 なおピン2はストッパ7および回転規制片23により、第1の係止部3が第2 の係止部4の位置より奥のほうに押込まれるのを禁止されているので、ピン2が 上記弾性の範囲を越えて屈曲することがない。そのため、ピン2のなす円弧が小 さくなってしまい、第1の係止部3が第2の係止部4から簡単に外れてピンが抜 けやすくなってしまうということもない。
【0033】 上記一対の部材1,1’で構成される円が小さい径のときは、部材1,1’の 剛性が高いために、一対の部材1,1’の軸着部分に設けられている回転規制片 23が有効に機能するのでストッパ7は不要である。しかしながら、一対の部材 1,1’の径が大きくなると、所定の厚さの、例えば樋状に形成した一対の部材 1,1’そのものの肉厚を薄くする必要上、一対の部材1,1’自体がたわんで しまう。すると、回転規制片23が他方の部材1’の内周の底面24に係合し、 第1の係止部3が第2の係止部4に結合した位置以上にピン2が押し込まれてし まう。したがって、そのような場合にはガイド5内の第2の係止部4の奥にもス トッパ7を設けておく必要がある。
【0034】 この考案においては、ピンの先端が円弧状部材に収納されるため装飾性を損な うことがなく、前面側および後面側に配置される一対の部材1,1’の、どちら を耳たぶの前面側にして使用してもよい。すなわち、一対の部材1,1’のそれ ぞれに取り付ける宝石類を変えたり、あるいはそれぞれの部材1,1’の地金を 変えたり、またデザインを変化させることにより、1つのピアスイヤリングを2 種類のピアスイヤリングと同様に使用することができる。
【0035】
【考案の効果】
このように構成されたこの考案のピアスイヤリングにおいては、ピンを耳たぶ の裏側で簡単に止めることができるようになるばかりでなく、ピンの耐久性を飛 躍的に向上させることができる。
【0036】 すなわち、ピンの先端が他方の部材の開放端部のガイド位置に正確に導かれ、 第1の係止部を第2の係止部へ確実にはめ込むことができる。さらにその際、回 転規制片によってピンの第1の係止部がガイド内の第2の係止部以上に押し込ま れるのが防止できるので、ピンの径は小さくなることがない。したがってピンの 弾性力を損なうことがなく、かつ付勢力も衰えることがない。
【0037】 また、一対の部材を閉じる操作をしたときに、ピンがガイドの外側に外れて一 対の部材が交差してしまった場合、従来のものではテコの原理で軸受部の間隔が 広がってしまい、軸着部分ががたついてピンが左右に横振れするため、ピンをガ イドに確実に導くことができなくなってしまうのに対し、この考案においてはピ ンの第1の係止部がガイド内の第2の係止部位置にある場合の閉鎖角度以上に押 し込まれることがなく、軸受部の間隔が広がることがないので、ピンをガイドに 確実に導くことができる。
【0038】 さらに、ピンのガイドへの装着が耳たぶの裏側で行なわれるこの考案のピアス イヤリングの使用に際し、上述のようにピンの先端が左右に振れないで他方の部 材の開放端部のガイド位置に正確に導かれるので、一対の部材を開いておくこと により、片手で、しかもワンタッチで耳たぶへ取り付け、取り外すことができる 。なおそれでも多少ピンが左右に横振れした場合、ガイドがこの横振れを吸収す るのでなんら支障がない。
【0039】 以上のように、この考案のピアスイヤリングによれば、繰返し使用しても長期 間にわたって何ら故障のないピアスイヤリングを提供することができる。
【提出日】平成6年6月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案はピアス式のイヤリングに関し、特に表裏一対の部材で構成されたイ ヤリング本体の各部材を軸で連結して開閉自在とし、一方の部材の開放端部に設 けたピンを耳たぶの孔に挿入したのち、このピンへ他方の部材の開放端部に設け た抜止め部をはめ込むようにして、ピンを耳たぶの裏側で簡単に止めることがで きるようにしたピアスイヤリングに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図12に代表的なピアスイヤリングの従来例を示す。すなわち背面にピン52 を取付けた装飾体51と、中央部にピン貫通孔55を有する基板54と、基板5 4の両端を延長して互いに対向する方向に屈曲させた一対の弾発性の円形のルー プ56とを備えた、キャッチと称する止め金具53とで構成されている。しかし ながら、止め金具の着脱が面倒で、止め金具自体も紛失しやすいため、ピンを取 付けた装飾体と止め金具とを一体化することが要請されていた。
【0003】 そのため、図11(特開昭60−242805号公報参照)に示すように、軸 43を有するヒンジ44で連結した一対の部材41,42の一方の部材41の開 放端部には、ピン45を取り付け、他方の部材42の開放端部には、収容開口4 7の内周に単なる突起状の係止部48を形成し、ピン45にもこの係止部48に 対応する溝46を形成したものが開発されている。
【0004】
【考案が解決しようとする問題点】
しかしながら、ピンを取付けた装飾体と止め金具とを一体化した上記ピアスイ ヤリングにおいては、ピン45の先端が上記突起状の係止部48に突き当たって 内周側に曲げられやすく、使用中にピン45と係止部48との係合が緩んで抜け やすいという重大な欠点がある。
【0005】 また、上記ヒンジ44構造においては回転運動はするが、左右方向のぶれを止 める手だてが軸43のみなので、緩みやすいという欠点があった。そのため、固 めに軸着すると回転しにくくなって使用に堪えなくなり、緩めに軸着すると使用 中に軸着部分が緩んでぶれやすくなってしまう。
【0006】 上記のぶれは、一対の部材41,42を閉じる操作に際し、一方の部材41の 開放端部に設けたピン45が、他方の部材42の開放端部に設けた収容開口47 から外れた位置(他方の部材42の開放端部の側面)を通過してしまい、耳たぶ の裏側で簡単にセットできなくなることはもちろん、ピン45が収容開口47内 に止まっていないという結果を招くことになる。すなわち、ピン45が耳たぶの 穴から簡単に抜け落ちてしまう。
【0007】 さらに、収容開口47の入口が狭いため収容開口47の端面にピン45の先端 が突き当たって、それ以上強く押すとピン45が内向きに曲がったり、左右に曲 がったり、あるいはピン45の溝46の部分が折れたりしてピン45の溝46が 収容開口47内の係止部48に係合できなくなり、使用に耐えなくなってしまう 欠点がある。
【0008】 この考案は上記の欠点を解消することを目的とするもので、ピンを耳たぶの裏 側で簡単に止めることができるようにするため、ピンの先端が他方の部材の開放 端部のガイド位置に正確に導かれ、ピンの係止部をガイドの係止部へ確実にはめ 込むことができるようにしたもので、かつまた繰返し使用しても長期間にわたっ てピンの弾性力や付勢力が落ちず、何ら故障のないピアスイヤリングを提供しよ うとするものである。
【0009】
【問題点を解決するための手段】
すなわちこの考案のピアスイヤリングは、イヤリング本体を構成する一対の部 材の一端を、それぞれ二又の軸受部と、軸受部内にはめ込まれる回転部とし、両 者を軸を介して他端の開放端部が突き合わされる方向に開閉自在に軸着し、一方 の部材の開放端部には外周上に第1の係止部を備えたピンを設け、他方の部材の 開放端部には、その内周側に上記第1の係止部に係合する第2の係止部を備えた ピアスイヤリングにおいて、上記軸受部と回転部とで構成される軸着部分におい て、上記軸受部を軸受部軸穴の両側に所定の厚さと長さを有するよう形成したこ とを特徴とするものである。
【0010】 またこの考案のピアスイヤリングは、イヤリング本体を構成する一対の部材の 一端を、両者を軸を介して他端の開放端部が突き合わされる方向に開閉自在に軸 着し、一方の部材の開放端部には外周上に第1の係止部を備えたピンを設け、他 方の部材の開放端部には、その内周側に上記第1の係止部に係合する第2の係止 部を備え、かつ入口を広く奥に向かって内向きに傾斜させながら狭くした、上記 ピンの長さ方向に向けての進入を可能とするガイドを設け、また第1の係止部を 第2の係止部方向に付勢する弾性をピンに持たせたことを特徴とするものである 。
【0011】 さらにこの考案のピアスイヤリングは、イヤリング本体を構成する一対の部材 の一端を、両者を軸を介して他端の開放端部が突き合わされる方向に開閉自在に 軸着し、一方の部材の開放端部には外周上に第1の係止部を備えたピンを設け、 他方の部材の開放端部には、その内周側に上記第1の係止部に係合する第2の係 止部を備え、かつ入口を広く奥に向かって内向きに傾斜させながら狭くした、上 記ピンの長さ方向に向けての進入を可能とするガイドを設け、また狭くした端部 に外側方向に向かう段差を形成して第2の係止部とし、また第1の係止部を第2 の係止部方向に付勢する弾性をピンに持たせたことを特徴とするものである。
【0012】 さらにこの考案のピアスイヤリングは、イヤリング本体を構成する一対の部材 の一端を、それぞれ二又の軸受部と、軸受部内にはめ込まれる回転部とし、両者 を軸を介して他端の開放端部が突き合わされる方向に開閉自在に軸着し、一方の 部材の開放端部には外周上に第1の係止部を備えたピンを設け、他方の部材の開 放端部には、その内周側に上記第1の係止部に係合する第2の係止部を設け、さ らに軸受部と回転部とで構成される軸着部分において、上記一対の部材が耳たぶ の厚みに応じて決められる閉鎖角度以上に閉じるのを禁止する回転規制片を、上 記回転部内周側を回転部軸穴の反対側に延長して形成し、この回転規制片を上記 軸受部を有する部材の内周の底面に係合するようにしたことを特徴とするもので ある。
【0013】 さらにまたこの考案のピアスイヤリングは、イヤリング本体を構成する一対の 部材の一端を、軸を介して他端の開放端部が突き合わされる方向に開閉自在に軸 着し、一方の部材の開放端部には外周上に第1の係止部を備えたピンを設け、他 方の部材の開放端部には、その内周側に上記第1の係止部に係合する第2の係止 部を備えたピアスイヤリングにおいて、上記ピンを縦長断面となるよう圧延した ことを特徴とするものである。
【0014】 そして上記において、ピンの先端を突き当ててそれ以上の進入を禁止するスト ッパを、ガイドに設けた第2の係止部から所定の位置に設けたことも特徴として いる。
【0015】
【作用】
このように構成されたこの考案のピアスイヤリングにおいては、ピンの耐久性 を飛躍的に向上させることができ、ピンを耳たぶの裏側で簡単に止めることがで きる。
【0016】 すなわちこの考案においては、ピンは一対の円弧状部材で構成されるイヤリン グ本体のほぼ円周上に位置している。そして、軸着部分の軸受部が所定の厚さと 長さを有するように強化してあるので、一対の部材が横方向にぶれることがなく 、ピンの先端が他方の部材の開放端部のガイド位置に正確に導かれる。
【0017】 また、上記ピンの長さ方向に向けての進入を可能とするガイドが、入口を広く 奥に向かって内向きに傾斜させながら狭くしてあるので、ピンがガイドを通過す る過程において、ピンは傾斜面に沿って移動する間に徐々に内側にたわむように 曲げられる。このような無理なく内側に傾斜させたガイドによってピンに無理が かからず、長期間の使用に耐え得る故障のないピアスイヤリングが提供できるの である。
【0018】 またさらに、一対の部材を閉じる操作をしたときに、ピンがガイドの外側に外 れて一対の部材が交差してしまった場合、従来のものではテコの原理で軸受部の 間隔が広がってしまい、軸着部分ががたついてピンが左右に横振れするため、ピ ンをガイドに確実に導くことができなくなってしまうのに対し、この考案におい てはピンの第1の係止部がガイド内の第2の係止部位置にある場合の閉鎖角度以 上に押し込まれることがなく、軸受部の間隔が広がることがないので、ピンをガ イドに確実に導くことができる。
【0019】 さらに一対の部材の軸着部分に多少でもぶれがあると、ピンがぶれることにな る。このような場合には入口の広いガイドを有しているので、このガイドが横ぶ れを吸収してピンの先端が他方の部材のガイド内の傾斜面の位置に正確に導かれ 、第1の係止部を第2の係止部へ確実にはめ込むことができる。さらにその際、 回転規制片によってピンの第1の係止部がガイド内の第2の係止部以上に押し込 まれるのが防止できるので、ピンの先端の径はイヤリング本体の円周上の位置よ りも小さくなることがない。したがってピンの弾性力を損なうことがなく、かつ 付勢力も衰えることがない。
【0020】 そして、上記ピンの長さ方向に向けての進入を可能とするガイドを入口を広く 奥に向かって内向きに傾斜させながら狭くするととともに、この狭くした端部に 外側方向に向かう段差を形成して第2の係止部としたので、自分自身の弾性の範 囲内でガイドの内側を徐々にたわめられながら進入してきたピンは、最後に第1 の係止部がガイド内の第2の係止部、すなわち段差に係合する。その際、段差が ピンの第1の係止部から先の部分の高さより深く形成されているので、ピンの先 端にガイドの内側方向に向かって加えられていたたわませようとする力は解除さ れ、ピンは緊張から解きほぐされて進入前に近い円周で係合される。
【0021】 さらに、ピンのガイドへの誘導と装着が耳たぶの裏側で行なわれるこの考案の ピアスイヤリングの使用に際し、上述のようにピンの先端が左右に振れないで他 方の部材の開放端部のガイド位置に正確に導かれるので、一対の部材を開いて耳 たぶにピンを差し込むことにより、片手で、しかもワンタッチで耳たぶへ取り付 け、取り外すことができる。なおそれでも多少ピンが左右に横振れした場合、ガ イドがこの横振れを吸収するのでなんら支障がない。
【0022】 以上のように、この考案のピアスイヤリングによれば、繰返し使用しても長期 間にわたって何ら故障のないピアスイヤリングを提供することができる。
【0023】
【実施例】
以下図面に基づき実施例について説明する。
【0024】 図1ないし図10において、イヤリング本体11は一対の円弧状部材1,1’ で構成され、一端を軸8を介して軸着するとともに、開放端部を突き合わせる方 向に回転自在に連結してある。9は上記部材1,1’に装飾として取り付けた宝 石である。
【0025】 この部材1,1’は上記円弧状に限らず、一対の部材1,1’間に耳たぶをは さみこむことができる形状であれば、楕円形、矩形、菱形、三角形等の種々の形 状とすることができる。またその断面も適宜決定することができるが、耳たぶへ 吊り下げることから、ピアスイヤリング自体が重いと耳たぶの穴が大きくなり、 ピアスイヤリングを取外した時に目立ってしまうことを避けるため、なるべく軽 くしたいという理由で、所定の厚さの樋状に形成することが望ましい。
【0026】 そして、上記一方の円弧状部材1の開放端部には、その外周上にV字ないしU 字の溝状の第1の係止部3を設けたピン2がロー付けによって突設されている。 ピン2は好ましくは円弧状部材1,1’の円弧に沿って所定の曲率で曲げられて いる。もしピン2が直線状で、一方の円弧状部材1の開放端部にロー付けされて いる場合において、円弧状部材1,1’の両者は軸8を中心として回転し、開放 端部が突き合わされる。その際、ピン2の先端は傾斜面6へ進入して行く過程に おいてピン2にはテコの作用が働き、ピン2がロー付けされている箇所が内側に 曲がってしまうおそれがある等の欠点が生じる。そこでこの欠点をなくすことと して、ピン2をロー付けした後にピン2を縦長断面となるよう幅方向に圧延する などして弾性力、付勢力ともに強化しておくことが望ましい。なおピン2として 弾性のある素材を選んだにしても、ピン2をロー付けする工程においてピン2は 高温にさらされてなまってしまい、やわらかくなって弾性力、付勢力ともに低下 するのである。また、前記のようにピン2を直線状でロー付けした場合には、テ コの原理が加わるという前提に立てば、これを解消しなければならない。そこで ロー付けされたピン2を曲げるなどの方法がよいのである。曲げた後、ピン2を 縦長断面となるよう幅方向に圧延するなどして弾性力、付勢力ともに強化してお くことが望ましい。また前記のような方法から考えるならば、ピン2にかかる力 を分散させる必要があり、ピン2を所定の曲率で曲げ、かつピン2を縦長断面と なるよう幅方向に圧延するなどして弾性力、付勢力ともに強化しておくことが望 ましい。一対の円弧状部材1,1’において、一方の円弧状部材1の開放端部に ピン2を素材を選んで弾性のある丸線でロー付けによって突設する。このピン2 を円弧状部材1,1’の円弧に沿って所定の曲率で曲げる。この曲げられた丸線 のピン2を縦長断面となるように幅方向に圧延し、弾性力、付勢力ともに強化し 、所定の箇所に第1の係止部3を設ける。また第1の係止部をピン2の先端に近 い所定の位置にピン2の外周上にV字ないしU字状の溝として設ける。上記の第 1の係止部3は、回転規制片23およびストッパ7のかね合いを考慮して設けな ければならない。すなわち、一対の円弧状部材1,1’を閉じる操作をしたとき 、第1の係止部3が第2の係止部4に係合したときに、回転規制片23の外周底 面が軸受部21を有する樋状の部材1’の内周の底面24に係合し、ピン2の弾 性力および付勢力を保護するよう作用する。上記のようなかね合いを考え合わせ て第1の係止部3をピン2の外周上に設ければよい。なお、ストッパ7とのかね 合いも考えなければならない。ストッパ7は、上記のようなかね合いから設計さ れたピン2の第1の係止部3からピン2の先端までの長さと等しくなるように設 けられている。そして円弧状部材1,1’の開放端部が突き合わされる際には、 両者は軸8を中心として回転するので上記円弧よりもやや大きい径の円を描くよ うにして突き合わされる。なお第1の係止部3の溝の深さは、ピン2の太さに応 じて変わるが、強度上ほぼピンの太さの約半分、ないしそれよりもやや大きめに しておく必要がある。上記ピン2の先端にも、先細りの傾斜面6’を形成してお くことが望ましい。
【0027】 また他方の部材1’の開放端部には、上記ピン2の進入を可能とするガイド5 が形成してある。このガイド5は、図10の拡大斜視図に示すようにほぼ円錐形 断面を有し、かつその一部を切り欠いて溝状としてある。すなわち、ガイド5は 開放端部側から入口を広く、奥に向かって徐々に狭くなる半割りの円錐状断面を 有する傾斜面6からなっている。したがってこのガイド5により、ピン2が多少 左右に振れても第2の係止部4内に確実に導かれるので、ピン2はガイド5内に スムーズにはめ込まれる。さらに上記傾斜面6は奥に向かって内向きに伸びるよ う形成されているので、ピン2は傾斜面6に沿って移動する間に自己の弾性の範 囲内で徐々に内側に撓められ、反発力が高められている。
【0028】 このガイド5の端末には、上記第1の係止部3に係合する第2の係止部4が円 弧状部材1’の内周面に形成されている。図では、この第2の係止部4は、上記 ガイド5の傾斜面6の後端に設けた、後端より外側方向に向かう段差として形成 されている。こうすることによってピン2の先端の第1の係止部3が第2の係止 部4を通過すると、ピン2は上記反発力によって径を広げる方向に動き、第1の 係止部3が第2の係止部4に係合する。その際、図3のhで示すように段差がピ ンの第1の係止部3から先の部分の高さよりも深く形成されているので、ピン2 にかけられていた上記反発力が解除され、ピン2には無理な負荷がかからず、ピ ン2の弾性を長期間に渡って維持することができる。しかも上述のようにピン2 はその弾性以上に内周側に曲げられないため、使用中にピン2の第1の係止部3 とガイド5内の第2の係止部4との係合が緩んで抜けやすくなることがない。
【0029】 上記ピン2には、その第1の係止部3が第2の係止部4方向に付勢される弾性 を持たせておくことが必要である。そしてピン2は、円弧状部材1,1’の開放 端部が突き合わされる際には、それ自体の円弧よりもやや大きい径の円を描くよ うにして突き合わされるので、ガイド5の傾斜面6に鋭角で突き当たり、上記弾 性と相まって無理なくガイド5の傾斜面6に沿って滑りながら移動する。そして ピン2の第1の係止部3がガイド5内の上記第2の係止部4にはめ込まれたとき に停止する。
【0030】 さらに、上記円弧状部材1’の内周面の第2の係止部4より奥の位置には、上 記ピン2の先端を突き当てて、それ以上の進入を禁止するストッパ7が、円弧の 中心方向に向けて形成されている。このストッパ7は上記ガイド5内の第2の係 止部4までの距離が、ピン2の第1の係止部3からピン2の先端までの長さとほ ぼ等しくなるよう構成されているので、上記ピン2が進入して第1の係止部3が 第2の係止部4に係合したとき、ピン2の先端もストッパ7に突き当たってピン 2はその位置で停止する。またストッパ7は宝石9の台座、あるいはデザイン上 から生じる突起や障害物を利用し、ピン2の第1の係止部3からピン2の先端ま での長さとほぼ等しい箇所に上記突起や障害物を設ければ、ストッパ7として機 能させることができる。
【0031】 上記軸8の軸着部分は、図7ないし図9のように、上記一対の部材1,1’の 一端を、それぞれ二又の軸受部21と軸受部21内にはめ込まれる板状の回転部 22とし、両者を軸穴8’に装着した軸8を介して開閉自在に連結している。
【0032】 上記軸着部分の軸受部21は軸受部軸穴8’の両側において、回転部22の回 転半径よりも長く形成し、かつ二又のそれぞれにおいて所定の厚さを有するよう にしてあるので、上記一対の部材1,1’の開閉操作に際し、一方の部材の開放 端部に設けたピン2の先端が他方の部材の開放端部に設けたガイド5の位置に正 確にはめ込まれるよう導かれる。なお軸受部21は所定の厚さを有しているので 、一対の部材1,1’の開閉操作等では二又の軸受部21間が広がって緩んでし まうことがない。したがってピン2は左右に振れることなく、ガイド5に確実に 挿入される。
【0033】 なお一対の部材1,1’が交差してしまった場合は回転規制片23が有効に機 能するが、軸受部21を所定の厚さと長さを有するようにすることで交差の際の 欠点が確実に解消できる。またこの軸受部21には、図1、図5等で示すように 軸穴8’に軸8を差し込んで一対の部材1,1’を軸着してあり、図では軸8が 目で見えるように示されている。しかしながら、軸8は軸穴8’に差し込んだ後 、軸受部21の外側からロー付けやカシメ等で抜け止めし、さらに研磨されてい るので、実際には目では見ることはできない。このロー付けやカシメ、研磨等の 工程においても上記の軸受部21の所定の厚さと長さとが必要かつ重要な役目を 果たすのである。
【0034】 23は、上記一対の部材1,1’の軸着部分において、その一方の部材1の端 部に設けた回転部22の内径側を回転部軸穴8’の反対側に向かって、部材1の なす円弧上に延長するよう形成した回転規制片である。
【0035】 上記一対の部材1,1’は、開放端部を閉じてピン2をガイド5に挿入し、第 1の係止部3が第2の係止部4に結合したときに固定される。また上記回転規制 片23も、第1の係止部3が第2の係止部4に結合したときに、軸受部21を有 する樋状の部材1’の内周の底面24に係合してそれ以上の回転を規制する。し たがって、ピン2はその弾性力以上の負荷を受けることがなく、第2の係止部4 方向に付勢させる弾性力を保ち、大幅な耐久性の向上を図ることができる。ただ し、上記一対の部材1,1’が幅広であったり、その軸着部分が幅広に形成され ているときには、一対の部材1,1’のそれぞれの軸着部分の端面が必ず突き合 わされて回転規制片として機能するので、これを上記構造の回転規制片23に置 き換えることができる。なお第1の係止部3を第2の係止部4に結合したとき、 ピン2は一対の部材1,1’間で、主に耳たぶの厚みに等しい幅で露出している 。
【0036】 上述のようにこの回転規制片23により、ピン2の第1の係止部3がガイド5 内に付設した第2の係止部4位置より以上に押し込まれ、ピン2がその弾性力以 上に内向きに曲げられてしまって、再び第1の係止部3が第2の係止部4に引っ 掛からなくなり、耳たぶから脱落したり、使用に耐えなくなるのを防止できる。
【0037】 また、一対の部材1,1’を閉じる操作をしたときに、ピン2がガイド5の外 側に外れて一対の部材1,1’が交差してしまった場合、従来のものではテコの 原理で軸受部21の間隔が広がってしまい、軸着部分ががたついてピンが左右に 振れるため、ピン2をガイド5に確実に導くことができなくなってしまうのに対 し、上記実施例においては、回転規制片23によりピン2の第1の係止部3がガ イド5内の第2の係止部4位置に相当する閉鎖角度以上に押し込まれることがな く、軸受部21の間隔が広がることがないので、ピン2をガイド5に確実に導く ことができる。すなわち、耳たぶの裏側でピン2にガイド5を簡単にはめ込むこ とができる。
【0038】 回転規制片23によって、一対の部材1,1’が所定の円弧の位置で係止され るよう調整するには、回転規制片23の外周底面ないしこれと係合する部材1’ の内周の底面24のいずれかに対し、研削ないし肉盛り等の加工を施せばよい。
【0039】 上記実施例のピアスイヤリングを使用するときは、図5に示すように一対の部 材1,1’を開き、通常のイヤリングと同様に、ピン2を耳たぶのピアス挿入用 の孔に通したのち、耳たぶから突出したピン2の先端に他方の円弧状部材1’の 開放端部を嵌挿すればよい。このとき、ピン2は傾斜面6’が円弧状部材1’の 開放端部に形成したガイド5の傾斜面6に滑りながら進入し、ピン2の先端が第 2の係止部4を乗り越えて第1の係止部3が第2の係止部4と係合し、円弧状部 材1は円弧状部材1’に保持される。このときのピン2にかかる負荷は小さく、 ピン2が曲がったり付け根から内周側に倒されてしまうこともない。したがって ピン2の耐久性が大幅に向上する。
【0040】 なおピン2はストッパ7および回転規制片23により、第1の係止部3が第2 の係止部4の位置より奥のほうに押込まれるのを禁止されているので、ピン2が 上記弾性の範囲を越えて屈曲することがない。そのため、ピン2のなす円弧が小 さくなってしまい、第1の係止部3が第2の係止部4から簡単に外れてピンが抜 けやすくなってしまうということもない。
【0041】 上記一対の部材1,1’で構成される円が小さい径のときは、部材1,1’の 剛性が高いために、一対の部材1,1’の軸着部分に設けられている回転規制片 23が有効に機能するのでストッパ7は不要である。しかしながら、一対の部材 1,1’の径が大きくなると、所定の厚さの、例えば樋状に形成した一対の部材 1,1’そのものの肉厚を薄くする必要上、一対の部材1,1’自体がたわんで しまう。すると、回転規制片23が他方の部材1’の内周の底面24に係合し、 第1の係止部3が第2の係止部4に結合した位置以上にピン2が押し込まれてし まう。したがって、そのような場合にはガイド5内の第2の係止部4の奥にもス トッパ7を設けておく必要がある。
【0042】 この考案においては、ピンの先端が円弧状部材に収納されるため装飾性を損な うことがなく、前面側および後面側に配置される一対の部材1,1’の、どちら を耳たぶの前面側にして使用してもよい。すなわち、一対の部材1,1’のそれ ぞれに取り付ける宝石類を変えたり、あるいはそれぞれの部材1,1’の地金を 変えたり、またデザインを変化させることにより、1つのピアスイヤリングを2 種類のピアスイヤリングと同様に使用することができる。
【0043】
【考案の効果】
このように構成されたこの考案のピアスイヤリングにおいては、ピンを耳たぶ の裏側で簡単に止めることができるようになるばかりでなく、ピンの耐久性を飛 躍的に向上させることができる。
【0044】 すなわち、ピンの先端が他方の部材の開放端部のガイド位置に正確に導かれ、 第1の係止部を第2の係止部へ確実にはめ込むことができる。さらにその際、回 転規制片によってピンの第1の係止部がガイド内の第2の係止部以上に押し込ま れるのが防止できるので、ピンの径は小さくなることがない。したがってピンの 弾性力を損なうことがなく、かつ付勢力も衰えることがない。
【0045】 また、一対の部材を閉じる操作をしたときに、ピンがガイドの外側に外れて一 対の部材が交差してしまった場合、従来のものではテコの原理で軸受部の間隔が 広がってしまい、軸着部分ががたついてピンが左右に横振れするため、ピンをガ イドに確実に導くことができなくなってしまうのに対し、この考案においてはピ ンの第1の係止部がガイド内の第2の係止部位置にある場合の閉鎖角度以上に押 し込まれることがなく、軸受部の間隔が広がることがないので、ピンをガイドに 確実に導くことができる。
【0046】 さらに、ピンのガイドへの装着が耳たぶの裏側で行なわれるこの考案のピアス イヤリングの使用に際し、上述のようにピンの先端が左右に振れないで他方の部 材の開放端部のガイド位置に正確に導かれるので、一対の部材を開いておくこと により、片手で、しかもワンタッチで耳たぶへ取り付け、取り外すことができる 。なおそれでも多少ピンが左右に横振れした場合、ガイドがこの横振れを吸収す るのでなんら支障がない。
【0047】 以上のように、この考案のピアスイヤリングによれば、繰返し使用しても長期 間にわたって何ら故障のないピアスイヤリングを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案のピアスイヤリングの一実施例を示す
側面図である。
【図2】1対の部材を分解した状態の側面図である。
【図3】断面図である。
【図4】1対の部材1,1’を開いた状態の断面図であ
る。
【図5】1対の部材1,1’を開いた状態の斜視図であ
る。
【図6】1対の部材1,1’を開いた状態の平面図であ
る。
【図7】要部拡大横断面図である。
【図8】要部拡大縦断面図である。
【図9】A−A’断面図である。
【図10】要部拡大斜視図である。
【図11】(イ)は従来例におけるピン先端の軌跡を示
すガイド部分の断面図、(ロ)はこの実施例におけるピ
ン先端の軌跡を示すガイド部分の断面図である。
【図12】従来例の側面図である。
【図13】他の従来例の側面図である。
【符号の説明】
1,1’ 部材 2 ピン 3 第1の係止部 4 第2の係止部 5 ガイド 6,6’ 傾斜面 7 ストッパ 8 軸 8’ 軸穴 9 宝石 11 イヤリング本体 21 軸受部 22 回転部 23 回転規制片 24 軸受部を有する部材の内周の底面
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年6月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【考案の名称】 ピアスイヤリング
【実用新案登録請求の範囲】
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案のピアスイヤリングの一実施例を示す
側面図である。
【図2】1対の部材を分解した状態の側面図である。
【図3】断面図である。
【図4】1対の部材1,1’を開いた状態の断面図であ
る。
【図5】1対の部材1,1’を開いた状態の斜視図であ
る。
【図6】1対の部材1,1’を開いた状態の平面図であ
る。
【図7】要部拡大横断面図である。
【図8】要部拡大縦断面図である。
【図9】A−A’断面図である。
【図10】要部拡大斜視図である。
【図11】従来例の側面図である。
【図12】他の従来例の側面図である。
【符号の説明】 1,1’ 部材 2 ピン 3 第1の係止部 4 第2の係止部 5 ガイド 6,6’傾斜面 7 ストッパ 8 軸 8’ 軸穴 9 宝石 11 イヤリング本体 21 軸受部 22 回転部 23 回転規制片 24 軸受部を有する部材の内周の底面
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図11
【補正方法】変更
【補正内容】
【図11】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図12
【補正方法】変更
【補正内容】
【図12】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図13
【補正方法】削除

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イヤリング本体を構成する一対の部材の
    一端を、それぞれ二又の軸受部と、軸受部内にはめ込ま
    れる回転部とし、両者を軸を介して他端の開放端部が突
    き合わされる方向に開閉自在に軸着し、一方の部材の開
    放端部には外周上に第1の係止部を備えたピンを設け、
    他方の部材の開放端部には、その内周側に上記第1の係
    止部に係合する第2の係止部を備え、かつ入口を広く奥
    に向かって内向きに傾斜させながら狭くした、上記ピン
    の長さ方向に向けての進入を可能とするガイドを設け、
    また第1の係止部を第2の係止部方向に付勢する弾性を
    ピンに持たせ、さらに軸受部と回転部とで構成される軸
    着部分において、上記軸受部を軸受部軸穴の両側に所定
    の厚さと長さを有するよう形成するとともに、上記一対
    の部材が耳たぶの厚みに応じて決められる閉鎖角度以上
    に閉じるのを禁止する回転規制片を、上記回転部内周側
    を回転部軸穴の反対側に延長して形成し、この回転規制
    片を上記軸受部を有する部材の内周の底面に係合するよ
    うにしたことを特徴とするピアスイヤリング。
  2. 【請求項2】 ガイド内の第2の係止部が、上記ガイド
    の傾斜面の後端に設けた後端より外側方向に向かう段差
    によって形成されてなる請求項1記載のピアスイヤリン
    グ。
  3. 【請求項3】 ピンの先端を突き当ててそれ以上の進入
    を禁止するストッパを、ガイドに設けた第2の係止部か
    ら所定の位置に設けた請求項1記載のピアスイヤリン
    グ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20000050756A (ko) * 1999-01-14 2000-08-05 연규 핀 귀걸이의 제조방법과 그 제품의 구조
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