JP4612101B1 - フープタイプのイヤリング又はピアス及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のフープタイプのイヤリングやピアスに比べて、前側から見た場合に宝石の輝きが優れており、また横から見た場合には、実際よりも宝石が多くセットされているように見え、輝きに優れるフープタイプのイヤリング又はピアスを提供する。
【解決手段】
宝石をリングに沿って、一列に連続的にセットされたフープタイプのイヤリング又はピアスにおいて、宝石の連続セッティングが、前側半環状部では、リングの外周面に設けられ、後側半環状部ではリングの内周面に設けられ、宝石の位置が、リングの下半分において、リングの外周面からリングの内周面に次第に変化し、かつ、宝石の面がなるべく前方を向くようにリング表面にセットしたフープタイプのイヤリング又はピアス。
【選択図】図2

Description

本発明は、フープタイプのイヤリング又はピアス及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、前側表面部から後側内面部にかけて、ダイヤモンドなどの宝石が連続的にひねりを加えながらセットされており、かつ耳朶に装着した場合、各宝石のクラウン部の表面が、できるだけ顔の正面方向に向くようにセットされたフープタイプのイヤリング又はピアスであって、従来のフープタイプのイヤリングやピアスに比べて、前側から見た場合に宝石の輝きが優れており、また横から見た場合、実際よりも宝石が多くセットされているように見え、輝きに優れるフープタイプのイヤリング又はピアス、及びこのものを効果的に製造する方法に関するものである。
従来、装身具としてのイヤリングを耳朶に取付け身飾りをするために、イヤリングにネジ式の挟着具が取付けられていて、そのネジ式の挟着具により耳朶に挟着させてイヤリングを耳朶に取付けている。
また、耳朶に取付けて身飾りをするための装身具としては、前記イヤリングの他にピアスがある。ピアスを耳朶に取付けるために、取付け用の取付孔を耳朶に設けて、その取付孔にピアスのピンを挿通させて取付けている(例えば、特許文献1参照)。
前記のイヤリングやピアスの基本デザインとしては、ドロップタイプ(飾りが吊り下がるタイプ)、ボタンタイプ(耳朶にぴったりとくっつくタイプ)及びフープタイプ(輪状タイプ)がある。
フープタイプのイヤリングやピアスにおいては、リング状地金にダイヤモンドなどの宝石をセットする場合、通常リング状地金の前側表面部の上部から下端までの領域と、後側内面部の上部から下端までの領域のみに宝石がセットされている。すなわち、前側表面部の宝石と、後側内面部の宝石とは、不連続にセットされている。従って、従来の宝石がセットされたフープタイプのイヤリングやピアスは、横から見ると不連続であることがはっきり分かり、輝きが少なく光の反射が散漫となる問題があった。
また、前記リング状地金に宝石をセットする場合、通常宝石のクラウン部の表面がリング状地金の面に平行になるようにセットされていた。従って、従来の宝石がセットされたフープタイプのイヤリングやピアスを前側から見た場合、前側表面部の上部や下部、後側内面部の上部や下部にセットされている宝石は充分な輝きが発揮されないという問題があった。
特開2003−9917号公報
本発明は、このような事情のもとで、耳朶に装着した場合、各宝石のクラウン部の表面が、できるだけ顔の正面方向に向くようにセットされたフープタイプのイヤリング又はピアスであって、従来のフープタイプのイヤリングやピアスに比べて、顔の前方方向から見た場合に宝石の輝きが優れており、また横方向から見た場合も、フープの地金面の露出が
少なく、実際よりも宝石が多くセットされているように豪華に見え、輝きに優れる飽和溶解度の50%以上を提供し、さらに、該飽和溶解度の50%以上を効果的に製造する方法を提供することを目的とするものである。
本発明者は、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、宝石が特定の様式でセットされたフープタイプのイヤリング又はピアスがその目的に適合し得ること、そしてこのものは、特定の工程を含む製造方法により、効率よく製造し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
[1]耳朶に装着するための所定長さの間隙を有するリング状地金の前側表面部及び後側内面部に、複数の宝石がセットされてなり、かつ耳朶にフープを装着した際に、フープを半分に分割する水平面と接する前側の交点B及び後側の交点Dの2つの交点を結ぶ直線L方向の顔正面方向に対する外側への角度が0〜45度の方向に向けて宝石をセットされたフープタイプのイヤリング又はピアスにおいて、前側半環状部及び後側半環状部に分け、前側半環状部の頂点をA点、最下点をC点、該A点とC点との中間点をB点とし、後側半環状部の頂点をE点、最下点をC点、該E点と前記C点との中間点をD点とした場合、各宝石のクラウン部表面の垂直中心線方向のフープ面への投影線が前記水平直線L方向に対する交差鋭角Xが、
(1)前記のA点からB点にかけての領域においては、A点における交差鋭角X45〜60度からB点における0度にまで漸減すること、
(2)前記のB点からC点にかけての領域においては、B点における交差鋭角X0度からC点における交差鋭角X45〜60度にまで漸増するとともに、宝石のフープ地金への設置位置は、B点で、フープ前側表面部から連続的にひねりを加えながらC点においてはフープの側面に変化してセットされ、
(3)前記のC点からD点にかけての領域においては、C点における交差鋭角X45〜60度からD点における交差鋭角X0度にまで漸減するとともに、宝石のフープ地金への設置位置は、C点におけるフープの側面から、連続的にひねりを加えながらD点においてはフープの後ろ側内面部に変化してセットされ、
(4)前記のD点からE点にかけての領域においては、D点における交差鋭角X0度からEにおける交差鋭角X45〜60度に漸増すること、
を特徴とするフープタイプのイヤリング又はピアス、
[2]宝石が1/20〜1/50カラットのダイヤモンドである上記[1]項に記載のフープタイプのイヤリング又はピアス、及び
[3]上記[1]又は[2]項に記載のフープタイプのイヤリング又はピアスの製造方法であって、
(a)三次元図面作成ソフトを用いて得られたフープ形状のデータを基に、ワックス造型物を作製する工程、(b)上記(a)工程で得られたワックス造型物を基にゴム型を作製する工程、(c)上記(b)工程で得られたゴム型に融解したワックスを流し込み、ワックス原型を作製する工程、(d)上記(c)工程で得られたワックス原型を用いて鋳型を作製し、次いで該鋳型に地金材料の溶融物を流し込み、所定形状のリング状地金を鋳造する工程、及び(e)上記(d)工程で得られたリング状地金を研磨仕上げ後、耳朶装着用の金具を取付けたのち、宝石を、隣接する宝石の両端が互いに重なるように設置する工程を有することを特徴とするフープタイプのイヤリング又はピアスの製造方法、
を提供するものである。
本発明によれば、前側表面部から後側内面部にかけて、ダイヤモンドなどの宝石が連続的にひねりを加えながらセットされており、かつ耳朶に装着した場合、各宝石のクラウン部の表面が、できるだけ顔の正面方向に向くようにセットされたフープタイプのイヤリング又はピアスであって、従来のフープタイプのイヤリングやピアスに比べて、前側から見た場合に宝石の輝きが優れており、また横から見た場合、実際よりも宝石が多くセットされているように見える、輝きに優れるフープタイプのイヤリング又はピアス、並びにその効果的な製造方法を提供することができる。
本発明のフープタイプのイヤリング又はピアスを説明するための各部位を示す図である。 本発明のフープタイプのイヤリング又はピアスの右耳用における、宝石がセットされる前のリング状地金の一例の側面図である。 図2に示す右耳用リング状地金の前方から見た前面図である。 通常の連続セッティングされた宝石の側面図である。 本発明の隣接する宝石の両端が互いに重なるように設置された連続セッティングされた宝石の側面図である。
まず、本発明のフープタイプのイヤリング又はピアスについて説明する。
本発明のフープタイプのイヤリング又ピアスは、耳朶に装着するための所定長さの間隙を有するリング状地金の前側表面部及び後側内面部に複数の宝石がセットされてなり、かつ耳朶に装着した際に、図1のフープを半分に分割する水平面と接する前側の交点B及び後側の交点Dの2つの交点を結ぶ直線L方向の顔正面方向に対する宝石の外側への傾斜角度が0〜45度の範囲内である宝石をセットしたフープタイプのイヤリング又はピアスにおいて、前側半環状部及び後側半環状部に分け、前側半環状部の頂点をA点、最下点をC点、該A点とC点との中間点をB点とし、後側半環状部の頂点をE点、最下点をC点、該E点と前記C点との中間点をD点とした場合、各宝石のクラウン部表面の垂直方向が前記水平直線L方向に対する交差鋭角Xが、
(1)前記のA点からB点にかけての領域においては、A点における交差鋭角X45〜60度からB点における0度にまで漸減すること、
(2)前記のB点からC点にかけての領域においては、B点における交差鋭角X0度からC点における交差鋭角X45〜60度にまで漸増するとともに、宝石のフープ地金への設置位置は、B点で、フープ前側表面部から連続的にひねりを加えながらC点においてはフープの側面に変化してセットされ、
(3)前記のC点からD点にかけての領域においては、C点における交差鋭角X45〜60度からD点における交差鋭角X0度にまで漸減するとともに、宝石のフープ地金への設置位置は、C点におけるフープの側面から、連続的にひねりを加えながらD点においてはフープの後ろ側内面部に変化してセットされ、
(4)前記のD点からE点にかけての領域においては、D点における交差鋭角X0度からEにおける交差鋭角X45〜60度に漸増するフープタイプのイヤリング又はピアスである。
図1は、本発明のフープタイプのイヤリング又はピアス(以下、単に「イヤリング/ピアス」と称することがある。)を説明するためのフープ地金の各部位を示す図であり、この図1及び図2〜3のフープ地金の側面図及び全面図に基づいて、当該イヤリング/ピアスについて説明する。図2〜3は、宝石がセットされる台座が示されているが宝石は記載されていない。宝石は、図の4本のスティックで囲まれた領域にセットされる。
本発明のイヤリング/ピアスは、耳朶に装着するための所定長さの間隙(A〜E間)を有するリング状地金のA−B−C領域で示される前側表面部及びE−D−C領域で示される後側内面部に複数の宝石が連続的にセットされており、かつ耳朶に装着した際に、これら宝石の正面方向は、顔正面方向から見て直線Lの外側への角度が0〜45度の範囲に向いている。
この角度が0度であると、当該イヤリング/ピアスを前側から見た場合に、宝石の向く面はほぼ正面となるので、宝石輝きは良好となる。しかし、多くの場合、耳朶に装着された左右のイヤリング/ピアスのリングの後部が外側に最大45度程度まで開くことがありこの場合でも、直線L方向の顔正面方向に対する外側への角度が45度であれば、当該イヤリング/ピアスを前側から見た場合の宝石の輝きは損なわれることはない。
従って、直線L方向の顔正面方向に対する外側への角度が0〜45度であれば、実際の使用において、宝石の輝きは、良好に保たれる。
本発明のイヤリング/ピアスを、前側半環状部(A−B−C部)及び後側半環状部(E−D−C部)に分け、前側半環状部の頂点をA点、最下点をC点、該A点とC点との中間点をB点とし、後側半環状部の頂点をE点、該E点と前記C点との中間点をD点とした場合、各宝石のクラウン部表面の前記直線L方向に対する交差鋭角Xは、前述の(1)〜(4)の通りである。
本発明は、A点からB点にかけての領域においてA点における交差鋭角X45〜60度からB点における0度にまで漸減することが必要である。A点における交差鋭角Xを60度を越えると、前側から当該イヤリング/ピアスを見た場合、A点における宝石の輝きが損なわれる。また、A点における交差鋭角Xを、45度未満にすることは、宝石をセットすることが困難になる。
本発明のC点及びE点の交差鋭角X45〜60度においても、E点における交差鋭角X45〜60度と同様の状況となる。
これに対し、従来技術のイヤリング/ピアスでは、フープの中心を通る線上の方向に、セットされていたので、B点及びD点においてのみ宝石は正面を向き、C点及びE点では上下方向を向いていて、全体としての宝石の輝きは大きく低下していた。
また、図2の側面図に見られるように、本願発明のフープの宝石の台座は、図2の右方の前方側では、リングの外側に位置しているが、図2の左方の後方側では、リングの内側に位置している。そして、リングの前方の下半分から、台座の位置は、次第に変化して、C点で、完全に横方向になり、この横方向から引き続いて、次第に変化して、後方のD点で、台座は、完全にリングの内側表面に位置している。
本発明のイヤリング/ピアスは、この図の台座に、宝石をセットしたものであるので、宝石は、台座と同様に、リングの外側表面の位置のリングの前方の下半分から次第に変化して後方のD点で、リングの内側表面にセットされる。
本発明では、このリングの外側から内側への宝石のセット位置のひねりによって、正面からイヤリング/ピアスを見た場合に、フープの地金は殆ど見えず、あたかも、リングの全周に宝石がセットされている用に見える。また、側面から見た場合も、リングの下半分のフープの地金の露出が減少して、多数の宝石がセットされているように見える。
従来のイヤリング/ピアスにおいては、リング状地金にダイヤモンドなどの宝石をセットする場合、通常リング状地金の前側表面部の上部から下端までの領域(A−B−C部)と、後側内面部の上部から下端までの領域(E−D−C部)のみに宝石がセットされている。すなわち、前側表面部の宝石と、後側内面部の宝石とは、不連続にセットされており、従って、従来の宝石がセットされたイヤリング/ピアスは、横から見ると不連続であることがはっきり分かり、美観が損なわれていた。
これに対し、本発明においては、B−C点の中間点近傍から連続的にひねりを加えながら宝石がセットされることにより、前記C点近傍からE点にかけて、後側半環状部の内面側に宝石がセットされるために、横から見た場合、実際よりも宝石が多くセットされているように見え、良好な輝きを発揮する。
従来技術のように、前方は、外側に宝石がセットされ、後方は、内側にセットされていて、中間の次第に変化するひねりがない場合には、本発明のC点近傍の横方向の宝石のセットがないので、フープのリングの地金の側面は全て露出して、側面から見た、フープリングの地金の露出面積が大きくなり、当然ながら、宝石の輝きが減少する。
[リング状地金]
本発明のイヤリング/ピアスにおいて、ダイヤモンドなどの宝石がセットされるリング状地金の材質としては特に制限はなく、従来フープタイプのイヤリング/ピアスのリング状地金として用いられているものの中から、任意のものを適宜選択して使用することができる。例えばプラチナ(Pt1000)、プラチナとパラジウムの合金(Pt950、Pt900、Pt850);ゴールド(K18);K18のカラーバリエーションであるイエローゴールド、レッドゴールド、ピンクゴールド、グリーンゴールド、ホワイトゴールド、ステンレス、鉄、チタン、銀、真鍮などを用いることができる。
[宝石]
本発明のイヤリング/ピアスにおいて、前記のリング状地金にセットされる宝石の種類としては、クラウン部が形成されるようにカットし得るものであればよく、特に制限されず、例えばダイヤモンド、ルビー、サファイア、エメラルド、アクアマリン、スピネル、ジルコン、アメジスト、ガーネットなどのほか、各種の人造宝石、模造宝石などを挙げることができる。これらの中でダイヤモンドが好適である。
クラウン部を形成するカットとしては、例えばブリリアンカットが知られている。このクラウン部は、研摩されたブリリアンカットの宝石のガードルから上の部分を指す。
本発明のイヤリング/ピアスにおいて、前記のリング状地金にセットされる宝石の大きさとしては、例えば宝石がダイヤモンドである場合、1/20〜1/50カラットのものが好ましい。
次に、本発明のフープタイプのイヤリング/ピアスを製造する方法について説明する。
本発明の製造方法は、前述した様式を有するフープタイプのイヤリング/ピアスを製造する方法であって、
(a)三次元図面作成ソフトを用いて得られたフープ形状のデータを基に、ワックス造型物を作製する工程、
(b)上記(a)工程で得られたワックス造型物を基にゴム型を作製する工程、
(c)上記(b)工程で得られたゴム型に融解したワックスを流し込み、ワックス原型を作製する工程、
(d)上記(c)工程で得られたワックス原型を用いて鋳型を作製し、次いで該鋳型に地金材料の溶融物を流し込み、所定形状のリング状地金を鋳造する工程、及び
(e)上記(d)工程で得られたリング状地金を研磨仕上げ後、耳朶装着用の金具を取付けたのち、宝石を、隣接する宝石の両端が互いに重なるように設置する工程を有することを特徴とする第1項記載のフープタイプのイヤリング又はピアスの製造方法である。
[(a)工程]
この(a)工程は、三次元図面作成ソフトを用いて得られたデータを基に、ワックス造型物を作製し、場合によっては、該ワックス造型物を用いてシルバーを鋳造し、ワックス造型物又はシルバー原型を作製する工程である。
ジュエリーを量産する場合、一般的にはワックス造型物(場合によってはシルバー原型)を製作しゴム型をとるか、鉄型を作りプレス機を使い量産するという二つの方法があるが、プレスは単純な形にしか対応できないというデメリットがあり、一方、本願発明では、ジュエリーは形が細かく複雑なため、ワックス造型物から、一旦形状が安定している銀製のシルバー原型を作り、シルバー原型からゴム型を取る方法が望ましい。
当該(a)工程においては、CAD(Computer Aided Design)に基づく三次元図面作成ソフトを用いて得られたデータを基に、例えばワックスインクジェット式造型機などにより、まず、ワックス造型物を作製する。なお、ワックス造型物を用いて、鋳造する方法としては、従来公知の方法を用いることができる。
[(b)工程]
この(b)工程においては、上記(a)工程で得られたワックス造型物を基に、ゴム型を作成する工程である。
該ゴム型は、例えばアルミニウム枠の中に、シリコーンゴムで目的物のワックス造型物をサンドウィッチ状に挟みこみ、プレス機でプレス、加熱して硬化させたのち、ワックス造型物を取り出すことにより、作製することができる。
[(c)工程]
この(c)工程は、上記(b)工程で得られたゴム型に融解したワックスを、例えば射出機などを用いて流し込み、冷えて固まってから取り出し、ワックス原型(ロストワックスともいう。)を作製する工程である。なお、前記ゴム型は何度でも使用できるため、ロストワックスを何個でも作製することができ、量産が可能となる。
[(d)工程]
この(d)工程は、上記(c)工程で得られたワックス原型(ロストワックス)を用いて鋳型を作製し、次いで該鋳型に地金材料の溶融物を流し込み、所定形状のリング状地金を鋳造する工程である。
この鋳造は、例えば下記の方法により、行うことができる。
まず、鋳型の原料となる液体状の埋没材の中にワックス原型(ロストワックス)を沈め、該埋没材の中に混入している気泡を、減圧機などで脱泡処理したのち、埋没材を固める。次いで固まった鋳型を加熱して、中に埋まっているロストワックスを燃やすことにより、鋳型の中にできた空洞部分に溶解した地金材料を流し込み、冷却して地金材料が固まったのち、鋳型を壊して、中のリング状地金の鋳造物を取り出す。
上記地金材料としては、前述したリング状地金の説明において示した材料を用いることができる。なお、地金材料がイエローゴールドやシルバーの場合には、埋没材として石膏系埋没材が、ホワイトゴールドやプラチナの場合には、シリカ系埋没材が、通常使用される。
[(e)工程]
この(e)工程は、上記(d)工程で得られたリング状地金を研磨仕上げ後、耳朶装着用の金具を取付けたのち、宝石を、隣接する宝石の両端が互いに重なるように設置する工程を行う工程であり、最後に最終仕上げのバフ研磨処理を施すのが普通である。
図2〜3のリング状地金に、耳朶装着用の金具を取付けたのち、宝石を隣接する宝石の両端が互いに重なるように設置することによって、本発明のフープタイプのイヤリング又はピアスが得られる。
このようにして得られた本発明のイヤリング/ピアスは、前側表面部から後側内面部にかけて、ダイヤモンドなどの宝石が連続的にひねりを加えながらセットされており、かつ耳朶に装着した場合、各宝石のクラウン部の表面が、できるだけ顔の正面方向に向くようにセットされているため、従来のイヤリング/ピアスに比べて、前側から見た場合に宝石の輝きが優れており、また横から見た場合には、実際よりも宝石が多くセットされているように見え、輝きに優れるなどの効果を奏する。
次に、前記(e)工程において、宝石を隣接する宝石の両端が互いに重なるように設置する態様について、説明する。
通常は、リング表面への宝石の連続的セッティングは、図4のように、隣接する宝石の両端が同じ高さで密着してセットされる。本発明の宝石の連続的セットは、図5のように、宝石の両端の高さが異なり、隣接する宝石の台座の両端部が互いに重なるように設置される。本発明の宝石は、宝石の向く方向を正面側にずらす結果、リング面からの高さが隣の宝石と少し異なるために、台座の隣接両端が揃わない。本発明は隣接端部のずれを利用して、端部ができるだけ重なるように、セッティングする。
その結果、図4では、台座部分の端の厚さがちょうど2倍になるのに対して、図5では台座部分が重なるために、図5の矢印方向への宝石の輝き面積が増加する。すなわち、隣接する宝石の両端が互いに重なるように設置することによって、台座の面積の比率を減少して、連続セッティングされた宝石の外観を良好にする効果があり、さらに宝石の方向が前方に向くようにセッティングされているために光の反射がより効果的に輝く効果がある。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1
リング状地金の材料として、プラチナとパラジウムの合金であるPt900を用い、宝石として、ブリリアンカットされ、クラウン部を有する1/40カラットのダイヤモンドを用いた。
(1)ダイヤモンドがセットされるリング状地金の作製(シルバー原型を作製する態様)
(a)シルバー原型の作製
図2及び図3に示す、宝石がセットされるリング状地金(外径:42.5mm、厚み2.3mm、朶装着部の間隙角:図1における角度θが40度の円弧分)が得られるように、三次元図面作成ソフト[(株)メイコー社製「JCAD3匠」]を用いて得られたデータを基に、まず、ワックスインクジェット式造型機[ソリッドスケープ社製「T−76」]を用いて、ワックス造型物を作製し、さらに該三次元図面作成ソフトを用いて得られたデータを基に、NC加工を施した。次いで、このワックス造型物を用い、常法に従ってシルバーを鋳造し、シルバー原型を作製した。
(b)ゴム型の作製
アルミニウム枠の中に、シリコーンゴムで、上記(a)で得たシルバー原型をサンドウィッチ状に挟み、プレス機でプレス、加熱して硬化させたのち、シルバー原型を取り出すことにより、ゴム型を作製した。
(c)ワックス原型(ロストワックス)の作製
上記(b)で得られたゴム型に融解したワックスを、射出機を用いて流し込み、冷えて固まってから取り出し、ワックス原型(ロストワックス)を作製した。
(d)リング状地金の鋳造
鋳型の原料となる液体状のシリカ系埋没材の中に上記(c)で得たワックス原型(ロストワックス)を沈め、該シリカ系埋没材の中に混入している気泡を、減圧機で脱泡処理したのち、シリカ系埋没材を固める。次いで固まった鋳型を加熱して、中に埋まっているロストワックスを燃やすことにより、鋳型の中にできた空洞部分に溶融したプラチナ合金(Pt900)の地金材料を流し込み、冷却して地金材料が固まったのち、鋳型を壊して、中のリング状地金の鋳造物を取り出した。
このようにして鋳造されたリング状地金を研磨処理することにより、図2の側面図及び図3の前面図で示される、ダイヤモンドがセットされるリング状地金を作製した。
(2)リング状地金へのダイヤモンドのセット
上記(1)で得られたリング状地金に耳朶装着用の金具を取付けたのち、隣接する宝石の両端が互いに重なるように設置する工程により、1/40カラットのダイヤモンドをセットし、さらに最終仕上げのバフ研磨処理することにより、本発明のフープタイプのイヤリング又はピアスが得られた。
このようにして得られた本発明のダイヤモンドがセットされたイヤリング/ピアスは、耳朶に装着した際に、図1で示す、直線L方向の顔正面方向に対する外側への角度が0〜45度であって、前記直線L方向に対する交差鋭角Xが、前述の条件を(1)〜(4)を充足している。
本発明のフープタイプのイヤリング又はピアスは、従来のフープタイプのイヤリング又はピアスに比べて、前側から見た場合に宝石の輝きが優れており、また横から見た場合には、従来技術のイヤリング/ピアスよりも宝石が多くセットされているように見え、輝きにも優れていて、フープタイプのイヤリング又はピアスとして有用である。
A 前側半環状部の頂点
B 前側半環状部の中間点
C 最下点
D 前側半環状部の中間点
E 後側半環状部の頂点
L 分割直線
X 交差鋭角
θ 朶装着部の間隙角

Claims (3)

  1. 耳朶に装着するための所定長さの間隙を有するリング状地金の前側表面部及び後側内面部に、複数の宝石がセットされてなり、かつ耳朶にフープを装着した際に、フープを半分に分割する水平面と接する前側の交点B及び後側の交点Dの2つの交点を結ぶ直線L方向の顔正面方向に対する外側への角度が0〜45度の方向に向けて宝石をセットされたフープタイプのイヤリング又はピアスにおいて、前側半環状部及び後側半環状部に分け、前側半環状部の頂点をA点、最下点をC点、該A点とC点との中間点をB点とし、後側半環状部の頂点をE点、最下点をC点、該E点と前記C点との中間点をD点とした場合、各宝石のクラウン部表面の垂直中心線方向のフープ面への投影線が前記水平直線L方向に対する交差鋭角Xが、
    (1)前記のA点からB点にかけての領域においては、A点における交差鋭角X45〜60度からB点における0度にまで漸減すること、
    (2)前記のB点からC点にかけての領域においては、B点における交差鋭角X0度からC点における交差鋭角X45〜60度にまで漸増するとともに、宝石のフープ地金への設置位置は、B点で、フープ前側表面部から連続的にひねりを加えながらC点においてはフープの側面に変化してセットされ、
    (3)前記のC点からD点にかけての領域においては、C点における交差鋭角X45〜60度からD点における交差鋭角X0度にまで漸減するとともに、宝石のフープ地金への設置位置は、C点におけるフープの側面から、連続的にひねりを加えながらD点においてはフープの後ろ側内面部に変化してセットされ、
    (4)前記のD点からE点にかけての領域においては、D点における交差鋭角X0度からEにおける交差鋭角X45〜60度に漸増すること、
    を特徴とするフープタイプのイヤリング又はピアス。
  2. 宝石が1/20〜1/50カラットのダイヤモンドである請求項1に記載のフープタイプのイヤリング又はピアス。
  3. 請求項1又は2に記載のフープタイプのイヤリング又はピアスの製造方法であって、
    (a)三次元図面作成ソフトを用いて得られたフープ形状のデータを基に、ワックス造型物を作製する工程、(b)上記(a)工程で得られたワックス造型物を基にゴム型を作製する工程、(c)上記(b)工程で得られたゴム型に融解したワックスを流し込み、ワックス原型を作製する工程、(d)上記(c)工程で得られたワックス原型を用いて鋳型を作製し、次いで該鋳型に地金材料の溶融物を流し込み、所定形状のリング状地金を鋳造する工程、及び(e)上記(d)工程で得られたリング状地金を研磨仕上げ後、耳朶装着用の金具を取付けたのち、宝石を、隣接する宝石の両端が互いに重なるように設置する工程を有することを特徴とするフープタイプのイヤリング又はピアスの製造方法。
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