JPH07153618A - 超電導磁石装置 - Google Patents

超電導磁石装置

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JPH07153618A
JPH07153618A JP22333894A JP22333894A JPH07153618A JP H07153618 A JPH07153618 A JP H07153618A JP 22333894 A JP22333894 A JP 22333894A JP 22333894 A JP22333894 A JP 22333894A JP H07153618 A JPH07153618 A JP H07153618A
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superconducting magnet
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武志 五味
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 超電導コイルの励消磁中に内槽容器に発生す
る渦電流損失を抑え、超電導コイルを冷却する冷媒の蒸
発量を低減できる超電導磁石装置を得ること。 【構成】 超電導線材を巻回してなる超電導コイル1
と、超電導コイル1を冷媒に浸漬して収納し表面に低電
気抵抗材3を設けてなる内槽容器2と、内槽容器2を真
空断熱して収納する外槽容器5とを備え、地上コイルと
対向して車体側に設けられた超電導磁石装置において、
内槽容器2は表面の渦電流の流路で一部低電気抵抗材3
の断絶部を有しこの断絶部で渦電流の流路の高電気抵抗
部分11を形成するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は超電導磁気浮上車など
に利用される超電導磁石に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図40は例えば特開平3−52203号
公報に記載された従来の超電導磁石装置で内槽容器に収
納された超電導コイルの一部断面を示す斜視図、図41
は図40における内槽容器の外観を示す斜視図、図42
は超電導磁石装置全体の概略構成を示す一部断面した斜
視図である。また、図43は超電導磁石装置が装着され
た超電導磁気浮上列車とその軌道の概略構成を示す断面
図である。図において、1は超電導素線をレーストラッ
クに巻回してなる超電導コイル、2は超電導コイル1を
囲いかつ、レーストラックの対向する直線部に支持柱2
aを2カ所有して形成され浸漬する冷媒の例えば液体ヘ
リウムの流通路1aを要して超電導コイル1を収納する
内槽容器で強度部材であるステンレス鋼板等の板材で製
作されている。3は内槽容器2の全表面に施された例え
ば銅メッキでなる低電気抵抗材、4は内槽容器2を取り
囲む輻射シールド板で通常は液体窒素または蒸発したヘ
リウムガスによって冷却される。5は上記各設備を外部
と断熱状態に収納する真空を維持するための外槽容器で
ある。なお、図43で6は浮上案内用地上コイル、7は
推進用地上コイル、8は列車の台車台枠、9は列車の車
体、10は地上コイル6,7が装着されている軌道側壁
である。
【0003】次に動作について説明する。超電導コイル
1は内槽2に浸漬する冷媒(例えば液体ヘリウム)によ
って極低温に冷却され超電導状態となる。この状態で超
電導コイル1に電流を流すことにより、強力な磁界を発
生する超電導磁石となる。輻射シールド板4は外部から
の輻射熱が内槽に侵入するのを防止するよう構成され、
さらに外槽5は内部を真空断熱とすることにより対流を
防ぐ構造となっている。また、内槽容器2表面に設けら
れている低電気抵抗材3によって、外槽容器5の外部の
磁界変動または振動等により発生する内槽容器2周辺の
磁界変動は磁気的にシールドされる。図43で示すよう
に、超電導磁気浮上列車の台車台枠8に搭載されている
超電導磁石の磁束が軌道側壁10に装着されている地上
コイル6,7に鎖交してコイルに誘導電流を流し、この
誘導電流による磁界と超電導電磁石に流れる電流との間
の磁気的反作用を利用して車体を浮上させ走行させるも
のである。
【0004】ここで、超電導磁石の冷媒の蒸発の要因と
なる渦電流損失について、超電導磁気浮上列車が浮上走
行中の高調波磁場に起因する場合と、超電導コイルの励
消磁中(励磁途中および消磁途中)の磁場変動に起因す
る場合を以下に説明する。前者の走行中の地上コイルか
らの高調波磁場に起因する渦電流の流路は図44−
(A)で示す矢線ように内槽容器の分割流路を形成す
る。地上コイルからの高調波磁場の時間変化率(周波数
ω)は大きく、渦電流の流路の抵抗値をR、インダクタ
ンスをL、渦電流回路の電気的時定数をτとすると、ω
L》R(=ω》1/τ)となり 渦電流i=e/〔(ωL)2+R21/2≒(ωφ)/ωL=φ/L(一定) e;高調波磁場変動による誘起電圧(=ωφ) 渦電流iが一定値となるため渦電流損失We=i2Rと
なり、渦電流回路の抵抗が小さいほど内槽表面の渦電流
損失が小さくなる。低電気抵抗材3は渦電流による発熱
を低減するために内槽容器表面に設けられている。
【0005】さらに超電導磁石装置が振動した場合、超
電導コイルと外槽容器、及び内槽容器の相対振動により
内槽容器表面で渦電流損失が発生する。そのメカニズム
は以下のようである、例えば500km/hrで走行中
の磁気浮上列車に搭載された超電導磁石装置は地上コイ
ルからの変動磁界により309Hzで加振される。ここ
で強磁界を発生している超電導コイルが振動すると、本
来、静磁場であるはずの磁場分布が変動する。この磁場
変動は外槽容器に渦電流を誘起する。外槽の渦電流は変
動磁界をつくり、この変動磁界により内槽表面に渦電流
が発生する。この渦電流により内槽容器において発熱が
生じる。
【0006】次に後者の超電導コイルの励消磁中の磁場
変動に起因する渦電流の流路は図44−(B)で示すよ
うに内槽容器に沿った矢線のようになる。超電導コイル
の励消磁中は、磁場の時間変化率(周波数ω)は小さ
く、ωL《R(=ω《1/τ)の条件が成立し、 渦電流i=e/〔(ωL)2+R21/2≒e/R e;磁場変動による誘起電圧(一定) となり、抵抗が小さい場合に大きな渦電流が発生するた
めに、内槽容器表面に低電気抵抗材3を設けたことによ
り渦電流損失は大きくなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の超電導磁石は以
上のように構成されているため、地上コイルからの高調
波変動磁界に対しては、内槽表面の低電気抵抗材3によ
り渦電流損失が小さくなり内槽2の渦電流による発熱を
低減できるが、超電導磁石の励消磁中に対しては内槽2
の抵抗が小さい程、大きな渦電流を生じ、渦電流による
発熱が増大し、超電導コイル1を冷却する冷媒を蒸発さ
せるなど問題点があった。即ち、これまでに高調波磁界
と励磁時の緩やかな変動磁界の両者に対して損失を抑制
できる、内槽容器を有する超電導磁石装置はなかった。
【0008】この発明は、上記のような問題点を解消す
るためになされたもので、超電導コイルの励消磁中に内
槽に発生する渦電流損失を抑え、高調波変動磁界の印加
時と励消磁時の変動磁界の両者に対して、内槽容器の渦
電流による発熱を低減でき、冷媒の蒸発量を節約できる
超電導磁石装置を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明に係る請求項1
の超電導磁石装置は、超電導線材を巻回してなる超電導
コイルと、超電導コイルを冷媒に浸漬して収納し表面に
低電気抵抗材を設けてなる内槽容器と、内槽容器を真空
断熱して収納する外槽容器とを備え、地上コイルと対向
して車体側に設けられた超電導磁石装置において、内槽
容器は表面の渦電流の流路で一部低電気抵抗材の断絶部
を有しこの断絶部で渦電流の流路の高電気抵抗部分を形
成するようにしたものである。
【0010】また、請求項2の超電導磁石装置は、請求
項1において高電気抵抗部分を超電導コイルの励消磁中
に内槽表面に発生する渦電流の流路に設けたものであ
る。
【0011】また、請求項3の超電導磁石装置は、請求
項1において高電気抵抗部分を地上コイルからの高調波
変動磁界に起因して内槽表面に発生する渦電流の流路に
は設けないようにしたものである。
【0012】また、請求項4の超電導磁石装置は、請求
項1において高電気抵抗部分を地上コイルからの高調波
変動磁界に起因して内槽表面に発生する渦電流の流路お
よび高調波変動磁界が印加される側の内槽表面以外で、
超電導コイルの励消磁中に内槽表面に発生する渦電流の
流路に設けたものである。
【0013】また、請求項5の超電導磁石装置は、内槽
表面の高電気抵抗部分を跨ぎ低電気抵抗材間を超電導線
材により電気的に短絡したものである。
【0014】また、請求項6の超電導磁石装置は、請求
項5において低電気抵抗材間の超電導線材に隣接して外
部電源より通電可能なヒータ線を設けたものである。
【0015】また、請求項7の超電導磁石装置は、請求
項5において低電気抵抗材間の超電導線材にヒータ線を
隣接させかつ,ヒータ線と直列に閉回路を構成する渦電
流回路を設けたものである。
【0016】また、請求項8の超電導磁石装置は、請求
項5において低電気抵抗材間の超電導線材の臨界電流値
が超電導コイルの励消磁中に内槽容器表面に発生する電
流値より低く、地上コイルからの高調波変動磁界に起因
して内槽容器表面に発生する電流値より高くしたもので
ある。
【0017】また、請求項9の超電導磁石装置は、超電
導線材を巻回してなる超電導コイルと、該超電導コイル
を冷媒に浸漬して収納し表面に低電気抵抗材を設けてな
る内槽容器と、該内槽容器を真空断熱して収納する外槽
容器とを備え、地上コイルと対向して車体側に設けられ
た超電導磁石装置において、内槽容器は表面の渦電流の
流路で一部低電気抵抗材の断絶部を有しこの断絶部で渦
電流の流路の高電気抵抗部分を形成するとともに、内槽
容器及び低電気抵抗材と電気的に絶縁され高電気抵抗部
分を覆う低電気抵抗カバーを設けたものである。
【0018】また、請求項10の超電導磁石装置は、超
電導線材を巻回してなる超電導コイルと、該超電導コイ
ルを冷媒に浸漬して収納し表面に低電気抵抗材を設けて
なる内槽容器と、該内槽容器を真空断熱して収納する外
槽容器とを備え、地上コイルと対向して車体側に設けら
れた超電導磁石装置において、内槽容器は表面の渦電流
の流路で一部低電気抵抗材の断絶部を有しこの断絶部で
渦電流の流路の高電気抵抗部分を形成するとともに、断
絶部の一方側の低電気抵抗材と電気的に連結し断絶部の
他方側の低電気抵抗材および高電気抵抗部分と電気的に
絶縁され高電気抵抗部分を覆う低電気抵抗カバーを設け
たものである。
【0019】また、請求項11の超電導磁石装置は、請
求項9または10において、低電気抵抗カバーが重複部
を有する複数の組み合わせでなり、互いの重複部を電気
的に絶縁して形成したものである。
【0020】また、請求項12の超電導磁石装置は、超
電導線材を巻回してなる超電導コイルと、該超電導コイ
ルを冷媒に浸漬して収納し表面に低電気抵抗材を設けて
なる内槽容器と、該内槽容器を真空断熱して収納する外
槽容器とを備え、地上コイルと対向して車体側に設けら
れた超電導磁石装置において、地上コイルからの高調波
変動磁界に起因する振動で外槽容器との相対変位が大き
い内槽容器表面部分の対応位置を覆って低電気抵抗カバ
ーを設けたものである。
【0021】また、請求項13の超電導磁石装置は、超
電導線材を巻回してなる超電導コイルと、該超電導コイ
ルを冷媒に浸漬して収納し高電気抵抗材で形成された内
槽容器と、該内槽容器を真空断熱して収納する外槽容器
とを備え、地上コイルと対向して車体側に設けられた超
電導磁石装置において、内槽容器を覆いその内側空間と
通じて内槽容器内に冷媒が流通するように形成された低
電気抵抗容器と、該低電気抵抗容器内と通じる上方の冷
媒路に設けられ、冷媒路を超電導コイルの励消磁中は閉
路に高調波磁界の印加中は開路に操作する開閉手段を設
けたものである。
【0022】また、請求項14の超電導磁石装置は、超
電導線材を巻回してなる超電導コイルと、該超電導コイ
ルを冷媒に浸漬して収納し表面に低電気抵抗材を設けて
なる内槽容器と、該内槽容器を真空断熱して収納する外
槽容器とを備え、地上コイルと対向して車体側に設けら
れた超電導磁石装置において、内槽容器は表面の渦電流
の流路で一部低電気抵抗材の断絶部を有しこの断絶部で
渦電流の流路の高電気抵抗部分を形成するとともに、高
電気抵抗部分をそれぞれ覆いその内側空間を通じて内槽
容器内に冷媒が流通するように形成された低電気抵抗容
器を設けかつ、低電気抵抗容器内と通じる上方の冷媒路
に冷媒路を超電導コイルの励消磁中は閉路に高調波磁界
の印加中は開路に操作する開閉手段を設けたものであ
る。
【0023】また、請求項15の超電導磁石装置は、超
電導線材を巻回してなる超電導コイルと、該超電導コイ
ルを冷媒に浸漬して収納し表面に低電気抵抗材を設けて
なる内槽容器と、該内槽容器を真空断熱して収納する外
槽容器とを備え、地上コイルと対向して車体側に設けら
れた超電導磁石装置において、内槽容器は表面の渦電流
の流路で一部低電気抵抗材の断絶部を有しこの断絶部で
渦電流の流路の高電気抵抗部分を形成するとともに、高
電気抵抗部分に外部から連動操作可能な高電気抵抗部分
を低電気抵抗で短絡させる電気スイッチを設けたもので
ある。
【0024】また、請求項16の超電導磁石装置は、請
求項9〜12のいずれかにおいて、低電気抵抗カバーと
して超電導フィルムあるいは超電導板が貼り付けてある
ものである。
【0025】また、請求項17の超電導磁石装置は、請
求項9〜12のいずれかにおいて、低電気抵抗カバーに
絶縁被覆を有さない超電導線で編まれたメッシュを用い
たものである。
【0026】また、請求項18の超電導磁石装置は、請
求項9〜12のいずれかにおいて、低電気抵抗カバーは
その縁に超電導線を取り付けて形成されたものである。
【0027】また、請求項19の超電導磁石装置は、請
求項17または18において、超電導線として内部安定
化超電導線を用いたものである。
【0028】また、請求項20の超電導磁石装置は、請
求項9〜12のいずれかにおいて、低電気抵抗カバー,
あるいは超電導フィルム,あるいは超電導板に複数の貫
通孔を有しているものである。
【0029】また、請求項21の超電導磁石装置は、請
求項17において、超電導線で編んだメッシュは圧延さ
れているものである。
【0030】また、請求項22の超電導磁石装置は、請
求項21において、メッシュは圧延した後に400℃以
下の熱処理温度で焼鈍されているものである。
【0031】また、請求項23の超電導磁石装置は、請
求項16または17において、低電気抵抗カバーの外部
磁力線に対向する面でその端部に面に対して垂直方向の
磁場成分が生じないようにまるみをつけたものである。
【0032】また、請求項24の超電導磁石装置は、請
求項16,17および24のいずれかにおいて、低電気
抵抗カバーの外部磁力線に対向する面についてその端部
での臨界電流密度を中央付近に比べ小さくなるよう端部
の安定化材料を中央付近より多くしたものである。
【0033】また、請求項25の超電導磁石装置は、超
電導線材を巻回してなる超電導コイルと、該超電導コイ
ルを冷媒に浸漬して収納し表面に低電気抵抗材を設けて
なる内槽容器と、該内槽容器を真空断熱して収納する外
槽容器とを備え、地上コイルと対向して車体側に設けら
れた超電導磁石装置において、内槽容器は表面の渦電流
の流路で一部低電気抵抗材の断絶部を有しこの断絶部で
渦電流の流路の高電気抵抗部分を形成するとともに、断
絶部と並列に取り付けられた超電導体あるいは高電気抵
抗マトリックスを有する超電導線に低電気抵抗カバーが
具備され、かつ超電導体あるいは超電導線にヒータ線が
取り付けられているものである。
【0034】また、請求項26の超電導磁石装置は、請
求項25において、ヒータの近傍に温度計を設けたもの
である。
【0035】また、請求項27の超電導磁石装置は、超
電導線材を巻回してなる超電導コイルと、該超電導コイ
ルを冷媒に浸漬して収納し表面に低電気抵抗材を設けて
なる内槽容器と、該内槽容器を真空断熱して収納する外
槽容器とを備え、地上コイルと対向して車体側に設けら
れた超電導磁石装置において、内槽容器は内槽容器が電
磁力で変形するのを防止する電磁力支持部材の表面の過
電流の流路で一部低電気抵抗材の断絶部を有し、この断
絶部で高電気抵抗部分を形成するとともに、電磁力支持
部材と片端あるいは両端が電気的に絶縁され高電気抵抗
部分を覆う低電気抵抗カバーを設けたものである。
【0036】また、請求項28の超電導磁石装置は、超
電導線材を巻回してなる超電導コイルと、該超電導コイ
ルを冷媒に浸漬して収納し表面に低電気抵抗材を設けて
なる内槽容器と、該内槽容器を真空断熱して収納する外
槽容器とを備え、地上コイルと対向して車体側に設けら
れた超電導磁石装置において、内槽容器が電磁力で変形
するのを防止する電磁力支持部材が電気的絶縁材料を中
間に挟んで形成しているものである。
【0037】また、請求項29の超電導磁石装置は、請
求項28において、電磁力支持部材の支持方向に引っ張
り力の調整手段を設けたものである。
【0038】
【作用】この発明の請求項1における超電導磁石装置
は、低電気抵抗材の断絶部で渦電流の流路の高電気抵抗
部分を形成する。
【0039】また、請求項2における超電導磁石装置
は、低電気抵抗材の断絶部が超電導コイルの励消磁中の
変動磁界で発生する内槽容器表面の渦電流の流路の一部
を高電気抵抗部分として渦電流を小さく抑え渦電流損失
を低減させる。
【0040】また、請求項3における超電導磁石装置
は、低電気抵抗材の断絶部を地上コイルからの高調波磁
場に起因する渦電流の流路を避けて設けたので、励消磁
中に発生する渦電流の流路に高電気抵抗部分を含むこと
になり流路の抵抗が高くなり渦電流は小さく内槽容器の
渦電流損失が抑えられ、かつ高調波磁界により発生する
渦電流は高電気抵抗部分を流路とせず内槽容器の渦電流
損失を抑えれる。
【0041】また、請求項4における超電導磁石装置
は、低電気抵抗材の断絶部を地上コイルからの高調波変
動磁界が印加される側の内槽容器面以外に形成したので
高調波磁界を磁気シールドし超電導コイルに発生する渦
電流損失を抑えれる。
【0042】また、請求項5における超電導磁石装置
は、低電気抵抗材の断絶部を跨ぎ低電気抵抗材間を電気
的に短絡する超電導線材が臨界値を越えて常電導転移し
たときは高電気抵抗となり、励消磁中に発生する渦電流
は高電気抵抗部分と高電気抵抗の超電導線材を流路と
し、内槽容器の渦電流損失を抑えれる。
【0043】また、請求項6における超電導磁石装置
は、低電気抵抗材間の超電導線材に隣接させたヒータ線
が超電導コイルの励消磁中は超電導線材を加熱して常電
導状態にし、内槽容器に発生する渦電流が高電気抵抗部
分と常電導状態の超電導線材を流路とし内槽の渦電流損
失が抑えられ、一方、走行中はヒータ加熱は停止され超
電導線材が超電導状態となるため、地上コイルからの高
調波磁界による渦電流は低電気抵抗部分と超電導状態の
超電導線材を流路とし内槽容器の渦電流損失を抑えれ
る。
【0044】また、請求項7における超電導磁石装置
は、ヒータ線と直列に閉回路を構成する渦電流回路で励
消磁中は超電導コイルのつくる変動磁界によりヒータ線
に誘導電流が流れ超電導線材が加熱され常電導状態とな
り、一方、走行中はヒータ線に高調波磁界による誘導電
流は流れず超電導線材は超電導状態となり前項と同様に
内槽容器の渦電流損失を抑えれる。
【0045】また、請求項8における超電導磁石装置
は、低電気抵抗材を短絡している超電導線材の臨界電流
値が超電導コイルの励消磁中に発生する渦電流値よりも
低く、地上コイルからの高調波磁界により発生する渦電
流値より高くなっているため、励消磁中は超電導線材が
常電導状態となり、渦電流は高電気抵抗材を流路とし、
一方、走行中は地上コイルからの高調波磁界による渦電
流が超電導線材の臨界値に比べ微小であるため、超電導
線材は超電導状態となり前項と同様に内槽容器の渦電流
損失を抑えれる。
【0046】また、請求項9における超電導磁石装置
は、低電気抵抗材の断絶部で渦電流の流路の高電気抵抗
部分を形成したことに加え、高電気抵抗部分を覆う低電
気抵抗カバーが走行中には外部変動磁界で渦電流を誘起
されこれにより高電気抵抗部分は磁気遮蔽されるため、
高電気抵抗部分における渦電流による損失を低減する。
【0047】また、請求項10における超電導磁石装置
は、低電気抵抗カバーの一方側が低電気抵抗材断絶部の
一方と電気的に連結されているため取付が強固でかつ容
易にする。
【0048】また、請求項11における超電導磁石装置
は、低電気抵抗カバーが複数で形成されているため低電
気抵抗材の断絶部を広くすることが可能であると同時
に、1つの低電気抵抗カバーを小さくすることができ1
つの低電気抵抗カバーに働く電磁力が小さく固定を容易
にする。
【0049】また、請求項12における超電導磁石装置
は、高調波変動磁界に起因する振動で外槽容器との相対
変位が大きい内槽容器の表面に設けた低電気抵抗カバー
が、相対振動に起因する高調波磁界による渦電流損失を
低減する。
【0050】また、請求項13,14における超電導磁
石装置は、低電気抵抗容器が内槽容器との間の空間の冷
媒量を開閉手段で調節することで低電気抵抗容器の抵抗
値を制御して、励消磁時および高調波磁界印加時の両方
の場合について渦電流損失を低減する。
【0051】また、請求項15における超電導磁石装置
は、低電気抵抗材の断絶部を低電気抵抗で短絡させる電
気スイッチが、高調波磁界が印加されているときは低電
気抵抗材を短絡して断絶部をなくし、励消磁中は低電気
抵抗材を分離させて断絶部をもうける。
【0052】また、請求項16における超電導磁石装置
は、低電気抵抗カバーを形成する超電導フィルムあるい
は超電導板材が常電導の低電気抵抗材と比べて、より低
電気抵抗化を可能とし断絶部の磁気遮蔽を確実にして断
絶部が高調波磁界に曝されることがなくなるため、渦電
流損失が低減する。
【0053】また、請求項17における超電導磁石装置
は、低電気抵抗カバーを形成する超電導で編まれたメッ
シュが前項の作用と同様の理由により渦電流損失を低減
する。また柔軟性があるため取り付けを容易とする。
【0054】また、請求項18における超電導磁石装置
は、低電気抵抗カバーの縁に取り付けられた超電導線が
前項の作用と同様の理由により渦電流損失を低減する。
また、超電導体の量が比較的少量でまかなえる。
【0055】また、請求項19における超電導磁石装置
は、低電気抵抗カバーの縁の超電導線を内部安定化超電
導線としているため、安定化マトリックスの低電気抵抗
率により超電導線同士の接続抵抗が低下し低電気抵抗カ
バーをさらに低電気抵抗化する。
【0056】また、請求項20における超電導磁石装置
は、低電気抵抗カバーを形成する超電導フィルムあるい
は超電導板材の複数の貫通孔が内槽容器表面に固定する
とき余剰接着剤の溢れ口となり接着性および作業性を向
上させる。
【0057】また、請求項21における超電導磁石装置
は、低電気抵抗カバーを形成する超電導メッシュが圧延
されていることにより超電導線間の接触抵抗が低下す
る、さらに、厚さの減少で装置をコンパクト化する。
【0058】また、請求項22における超電導磁石装置
は、圧延された超電導メッシュが焼鈍されていることに
より、圧延で安定化マトリックスの抵抗率が高くなって
いるものを低電気抵抗化する。
【0059】また、請求項23における超電導磁石装置
は、超電導体を適用した低電気抵抗カバーの端部に形成
する丸みが、超電導体内部に侵入する磁界の履歴による
損失(ヒステリシス損失)を低減し、低電気抵抗カバー
の超電導状態の安定性を向上させる。
【0060】また、請求項24における超電導磁石装置
は、超電導体を適用した低電気抵抗カバーで端部に超電
導材の量を少なくし安定化材の量を多くした構成が、遮
蔽電流が低電気抵抗カバーの縁の超電導部材に集中した
とき、超電導状態の安定性が高いため、安定して臨界電
流密度まで遮蔽電流が流れる。
【0061】また、請求項25における超電導磁石装置
は、低電気抵抗材の断絶部と並列に取り付けられた超電
導体あるいは超電導線がヒータによって熱的に超電導状
態,常電導状態、即ち低電気抵抗,高電気抵抗に制御で
き、超電導コイル励消磁時には高抵抗化することで渦電
流損失を低減し、外部からの高調波磁界印加時には超電
導状態にして高電気抵抗部分を低電気抵抗でバイパスす
る。これにより渦電流による損失低減を可能とする。さ
らに低電気抵抗カバーによって超電導体あるいは超電導
線に直接、高調波磁界が印加されないため超電導状態が
安定に保たれる。
【0062】また、請求項26における超電導磁石装置
は、ヒータの近傍の温度計が、温度管理を適切にし、ヒ
ータの焼損等の危険性を回避させるとともに超電導線が
常電導になる最低の温度になるようにヒータで印加する
熱量を設定することを可能とする。
【0063】また、請求項27における超電導磁石装置
は、電磁力支持部材の低電気抵抗材の断絶部および断絶
部を覆う低電気抵抗カバーが、請求項9の作用と同様の
理由により渦電流損失を低減させる。
【0064】また、請求項28における超電導磁石装置
は、電磁力支持部材の電気的絶縁材料によってこの絶縁
部を横切る渦電流は発生せず渦電流による発熱は起こら
ない。
【0065】また、請求項29における超電導磁石装置
は、電磁力支持部材の間に挟んだ電気的絶縁材に加えた
支持方向における引っ張り力の調節手段で内槽容器が超
電導コイルの励磁によって拡張方向に変形しないよう初
期引っ張り応力を与える。
【0066】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の実施例1を図について説明
する。図1はこの発明の実施例1における超電導磁石装
置で内槽容器に収納された超電導コイルの一部断面を示
す斜視図、図2はこの発明の実施例1における超電導磁
石装置で内槽容器の外観を示す斜視図である。図におい
て1ないし3は従来と同様でありその説明は省略する。
11は内槽容器2で低電気抵抗材3の断絶部分を形成す
る高電気抵抗部分で図44−(B)で示す渦電流の流路
に位置して設けられている。
【0067】次に動作について説明する。超電導磁石装
置の超電導コイル1を励消磁中に発生する内槽容器2表
面の渦電流は図44−(B)で示される矢印のように流
れるがこの流路で低電気抵抗材3を設けない高電気抵抗
部分11では渦電流は内槽容器2自体即ち高抵抗である
ステンレス鋼を流れることになり、流路の抵抗が高電気
抵抗となるため内槽容器2に誘導される渦電流を小さく
抑え内槽容器2の渦電流損失が低減する。これにより超
電導コイル1を冷却する冷媒の蒸発を減少させる。
【0068】実施例2.なお、上記実施例1では高電気
抵抗部分11を図44−(B)で示す超電導コイルの励
消磁中に内槽容器2の表面に発生する渦電流の流路に設
けたものを示したが、図3に示すように図44−(A)
で記載した走行中の地上コイルからの高調波磁場に起因
する渦電流の流路を避けて高電気抵抗部分11を配置す
るようにすると、励消磁中に発生する渦電流の流路に高
電気抵抗部分を含むため流路の抵抗が高くなり渦電流は
小さく内槽容器の渦電流損失が抑えられ、かつ、高調波
磁界により発生する渦電流は高電気抵抗部分を流路とせ
ず、渦電流の流路のインダクタンスにより渦電流の大き
さが決まるため、内槽容器2の渦電流損失が抑えられ
る。
【0069】実施例3.また、実施例3は上記実施例1
および2に記載した高電気抵抗部分を、地上コイルから
の高調波変動磁界が印加される側の内槽容器2面以外に
位置させ図4に示すように構成したもので、上記実施例
の動作に加え、高調波磁界を磁気シールドし超電導コイ
ル1に発生する渦電流損失を抑えることができる。
【0070】実施例4.また、上記各実施例では高電気
抵抗部分11は内槽容器2の表面で低電気抵抗材3のな
い構成としたが、図5に示すように高電気抵抗部分11
を挟んだ低電気抵抗材3間に超電導線材12を渡し電気
的に短絡するように構成することによって、超電導線材
12が超電導状態であるとき即ち走行中は内槽容器2の
渦電流は低電気抵抗材と超電導線材12を流路とし、高
調波磁界による内槽容器の渦電流損失が抑えられる。ま
た、超電導線材12が常電導状態であるとき即ち,超電
導コイル励消磁中は内槽容器の渦電流は高電気抵抗部分
を流路とするため、励消磁中の内槽容器2の渦電流損失
が抑えられる。
【0071】実施例5.さらに、上記実施例4における
低電気抵抗材2を短絡する超電導線材12において、超
電導線材12を被覆する安定化材(常電導金属,図示せ
ず)が超電導状態を呈する温度の時10-5〜10-4Ωc
mの高電気抵抗率を有する金属とするようにしたので、
超電導線材12が臨界値を越えて常電導転移したときは
高電気抵抗となり、励消磁中に発生する渦電流は高電気
抵抗部分と高電気抵抗の超電導線材を流路とし、内槽容
器の渦電流損失が抑えられる。
【0072】実施例6.また、図6に示すように実施例
4の超電導線材12にヒータ線13を隣接し外部電源1
4と通電可能に接続するように構成し、超電導コイル1
の励消磁中は、外部電源14によりヒータ線13で超電
導線材12が加熱して常電導状態となり、内槽容器に発
生する渦電流が高電気抵抗部分と常電導状態の超電導線
材12を流路とし、内槽の渦電流損失が抑えられる。一
方、走行中は外部電源14を切り離すため超電導線材1
2が超電導状態となり、地上コイルからの高調波磁界に
よる渦電流は低電気抵抗部分3と超電導状態の超電導線
材を流路とし、内槽容器の渦電流損失が抑えられる。
【0073】実施例7.また、図7に示すように実施例
4の超電導線材12にヒータ線13を隣接しかつ、超電
導コイル1の励消磁中の変動磁界が鎖交するようなヒー
タ線13の閉回路15a,15bを構成するようにした
ので、励消磁中は超電導コイル1のつくる変動磁界によ
りヒータ線13に誘導電流が流れ超電導線材12が加熱
され常電導状態となり、一方、走行中はヒータ線13に
高調波磁界による誘導電流は流れず超電導線材12は超
電導状態となるため、それぞれ上記実施例6と同様の作
用効果を得る。
【0074】実施例8.また、図8に示す実施例8では
低電気抵抗材3を短絡している超電導線材16の臨界電
流値が超電導コイル1の励消磁中に発生する渦電流値よ
りも低く、地上コイルからの高調波磁界により発生する
渦電流値より高くなっているため、励消磁中は内槽容器
表面と超電導線材16に流れる過大な渦電流により超電
導線材16が常電導状態となり、渦電流は高電気抵抗材
を流路とし、一方、走行中は地上コイルからの高調波磁
界による渦電流が微小であるため、超電導線材16が超
電導状態のままであり、渦電流は低電気抵抗材と超電導
線材を流路とし、それぞれ上記実施例6と同様の作用効
果を得る。
【0075】実施例9.また、上記実施例8では低電気
抵抗材3を短絡している超電導線材16が単数のものを
示したが図9に記載するように複数構成として、臨界電
流値の合計が超電導コイルの励磁中に内槽容器2表面に
発生する電流値より低く、地上コイルからの高調波変動
磁界に起因して内槽容器2表面に発生する電流値より高
くなるよう1本当たりの臨界電流値と構成本数を選定す
るようにしてもよい。
【0076】実施例10.以下、この発明の実施例10
を図について説明する。図10はこの発明の実施例10
における超電導磁石装置の構成を示す斜視図である。図
において、2,3,11は実施例1の図1と同様であり
その説明は省略する。17は高電気抵抗部分11を覆う
例えばアルミニューム等でなる低電気抵抗カバー、18
は低電気抵抗カバー17と低電気抵抗材3の間に介在す
る絶縁材料である。
【0077】次に動作について説明する。励消磁時に内
槽容器2表面に生じる渦電流の回路の電気的時定数をτ
としたとき、内槽容器2の一部に高電気抵抗部分11が
あることにより、電気抵抗が大きく、励消磁時の変動磁
界周波数ωについて、ω《1/τの条件が成立し、損失
の低減が可能である。しかし、地上コイルから高調波変
動磁界に対してはω》1/τとなり、渦電流回路の抵抗
に比例した損失が起こる。本実施例では、高電気抵抗部
分11が高調波磁界にさらされない様に遮蔽するため
に、高電気抵抗部分11を覆う、内槽容器2と電気的に
絶縁された低電気抵抗カバー17を有する構成としてい
る。外部変動磁界によって低電気抵抗カバー17に誘起
される渦電流によって、高電気抵抗部分11は磁気遮蔽
されるために、高電気抵抗部分11における渦電流によ
る損失を低減できる。または低電気抵抗カバー17と低
電気抵抗材料3を絶縁材料18を介してオーバラップさ
せているわけであるが、このオーバラップする面積を広
くするほど、外部変動磁界印加時の損失が低減できるの
は言うまでもない。
【0078】実施例11.なお、実施例10では低電気
抵抗カバー17が両端側とも絶縁材料18を介在して取
り付けたものを示したが、実施例11として図11に示
すように一端側のみ低電気抵抗材3に電気的に連結、例
えば半田接続19するようにしてもよい。
【0079】このような構成にすることで実施例10と
同様の効果が得られる。また製作に於いて低電気抵抗カ
バー17の片側を内槽容器2表面の低電気抵抗材料3
に、例えば半田付け等の手法で強固に取り付けることが
可能である。またたとえば低電気抵抗材料が銅であれば
銅メッキすることで低抵抗材料3と低電気抵抗カバー1
7を同じ材料で接続できる。このような構成の低電気抵
抗カバー17を絶縁材料18を介して低電気材料3と広
くオーバラップさせればさせるほど、高電気抵抗部分1
1を流れる渦電流が低減され、損失は低下する。
【0080】実施例12.また、実施例10では低電気
抵抗カバー17が1枚で高電気抵抗部分11を覆うもの
を示したが、実施例12として図12および図13に示
すように複数の低電気抵抗カバー17aを互いに、ある
いは内槽容器2と電気的に絶縁18された状態で重複さ
せて取り付けるようにしてもよい。複数の低電気抵抗カ
バー17aを取り付けることで、高電気抵抗部分11を
広くすることが可能であると同時に、1つの低電気抵抗
カバー17aを小さくすることができ、1つの低電気抵
抗カバー17aにはたらく電磁力が小さくできるために
固定が容易である。
【0081】実施例13.さらに、実施例12では複数
の低電気抵抗カバー17aが低電気抵抗材3または高電
気抵抗部分11と絶縁材料18で電気的に絶縁状態のも
のを示したが、実施例13として図14に示すように低
電気抵抗カバー17aの片端が内槽容器2と電気的,機
械的に、溶接,ろう付け,半田付けなどで結合するよう
にすれば、実施例12の作用効果に加え低電気抵抗カバ
ー17aを強固に固定することができる。
【0082】実施例14.以下、この発明の実施例14
を図について説明する。図15はこの発明の実施例14
における超電導磁石装置の部分断面した構成を示す斜視
図である。図において、2は内槽容器、5は内槽容器2
を全体的に囲う外槽容器、20は内槽容器2の所定表面
に取り付けられた低電気抵抗カバーである。
【0083】一般に外槽容器5はアルミニウムでできて
いるため内槽容器2が外槽容器5に対して相対振動を起
こすと、内槽容器2に収納された超電導コイル1の磁場
によって外槽容器5に渦電流が発生する、この渦電流に
よってつくられる高調波磁界が内槽容器2に印加される
と渦電流損失の原因となる。内槽容器2の振動は固有の
振動モードを有するため、相対振動によって渦電流が発
生する箇所は限定される。低電気抵抗カバー20をこの
ような箇所に集中的につけることで、相対振動に起因す
る高調波磁界による渦電流損失が低減できる。ここに示
す図15では曲げの共振が生じた際に有効な、低電気抵
抗カバー20を示している。曲げに対しては内槽の両端
で渦電流21が発生するので、この箇所に低電気抵抗カ
バー20を取り付けている。図中の白抜き矢印22は振
動方向を示している。
【0084】なお、上記実施例10〜14に記載の低電
気抵抗カバーを製作するとき、低抵抗板材料(例えば純
アルミ板や銅板)を加工した後に焼鈍をする。これによ
り加工時に生じた電気抵抗率の増加が解消される。ま
た、前記低電気抵抗カバーは内槽容器に比べ寸法が小さ
いため、容易に焼鈍可能である。
【0085】実施例15.以下、この発明の実施例15
を図について説明する。図16はこの発明の実施例15
における超電導磁石装置の要部構成を示す斜視図、図1
7は図16における線XVII−XVIIに沿った断面
図である。図において、1は超電導コイル、23は高電
気抵抗材料で形成された内槽容器、24は内槽容器23
の表面と所定空間24aを有し全体的に覆う低電気抵抗
材料で形成される容器で、上部に室温で操作可能な開閉
手段のバルブ25を有している。26は内槽容器23と
容器24間に空間を得るように固定された熱伝導率の小
さい材料、例えばGFRPでなる間隔片、23aは内槽
容器23の下方に設けられ所定空間24aと連通させる
穴である。
【0086】この超電導磁石装置の動作原理は、まず励
消磁時には上部バルブ25を閉じておく。ここで低電気
抵抗容器24の表面が渦電流の発生で加熱されると内槽
容器23と低電気抵抗容器24の間の空間でヘリウムガ
スが溜まり低電気抵抗容器24は液体ヘリウムで冷却さ
れなくなる。これにより低電気抵抗容器24の温度がさ
らに上昇し、低電気抵抗容器24の抵抗率が大きくな
り、渦電流が低減されるために、蒸発量は低下する。一
方、高調波磁界が印加されているときは、上部のバルブ
25を開けておく。この時、空間は液体ヘリウムで満た
されているために低電気抵抗容器24は常に冷却されて
おり、抵抗が小さいために渦電流損失は小さく蒸発量が
低減される。
【0087】実施例16.なお、実施例15では高電気
抵抗材料で形成された内槽容器23全体を低電気抵抗材
料で形成された容器24で覆い形成された冷媒溜めの空
間24aの連通路に操作バルブ25を設けたものを示し
たが、実施例16として図18,19に示すように表面
に低電気抵抗材3を設けてなる内槽容器2で低電気抵抗
材3の断絶部11(高電気抵抗部分)のみを低電気抵抗
材料で形成された容器27で内槽容器2表面と所定空間
27aを有して覆いそれぞれの上部側に室温で操作可能
なバルブ25を設けるようにしてもよい。図中、28は
容器で覆われた部分の内槽容器下方に設けられた所定空
間27aと連通する穴である。
【0088】動作原理は実施例16に示したものと同様
であるが、上記の機構を部分的に用いることで、複雑な
形状をした内槽容器2に対しても取り付けることが比較
的容易となる。
【0089】実施例17.以下、この発明の実施例17
を図について説明する。図20はこの発明の実施例17
における超電導磁石装置の構成を示すもので、(A)に
その斜視図を(B)に(A)における線B−Bに沿った
部分断面図を示す。図において、2は内槽容器、3は低
電気抵抗材、11は低電気抵抗材の断絶部でなる高電気
抵抗部分、29は低電気抵抗材料で形成され室温部から
操作可能なスイッチであり高電気抵抗部分11に取り付
けてある。30は開閉機構30aを有しスイッチ29を
駆動(開閉)するための操作棒で、電気絶縁性の低熱伝
導率の材料でなる。
【0090】この実施例に於ける動作原理について記
す。励消磁時には棒30を室温部から引っ張りスイッチ
29を開く。この時、渦電流は高電気抵抗部分11を流
れることになり、磁界変動が遅く電流路の抵抗が大きい
場合、つまりω《1/τの条件が成立するために損失が
低下する。また高調波磁界が印加されているときには、
スイッチ29を閉じておく。この時表面の電気抵抗は小
さく磁界変動が早い場合、つまりω》1/τの条件が成
立する。このため電気抵抗率が低いほど損失は低下し、
蒸発量は小さくなる。
【0091】実施例18.以下、この発明の実施例18
を図について説明する。図21はこの発明の実施例18
における超電導磁石装置の構成を示すもので、(A)に
その斜視図を(B)に(A)における矢視Bの詳細断面
図を示す。図において、2,3,11,18は実施例1
0と同様でありその説明は省略する。31は超電導フィ
ルムあるいは超電導板でなる低電気抵抗カバーである。
【0092】超電導フィルムあるいは超電導板でなる低
電気抵抗カバーの取り付け方法としては実施例10から
13に示すいずれの方法で行っても同様の効果が得られ
る。超電導フィルムあるいは超電導板は電気抵抗零であ
るためにいずれの周波数においても完全に高電気抵抗部
分11を完全に磁気遮蔽するため、渦電流による発熱が
低減される。なお、図21−(B)に示すように超電導
フィルムあるいは超電導板でなる低電気抵抗カバー31
として超電導部分31aと安定化マトリックス31b、
例えば銅、アルミなどの多層構造のものを用いると変動
磁界に対する超電導状態の安定化が向上する。
【0093】実施例19.実施例18で低電気抵抗カバ
ーとして超電導フィルムあるいは超電導板31を用いた
ものを示したが、実施例19として図22に示すように
絶縁被覆を取り除いた超電導線32aを編んで形成され
る超電導メッシュ32を低電気抵抗カバーとして用いる
ようにしても良い。超電導メッシュ32の取り付け方法
としては実施例10から13に示すいずれの方法で行っ
ても同様の効果が得られる。超電導メッシュ32は低電
気抵抗であるため、高電気抵抗部分11を効率よく磁気
遮蔽するため、渦電流による発熱が低減される。なお、
この超電導メッシュ32を低電気抵抗の低融点金属たと
えば半田などで含浸することにより、機械的に高強度
で、且つ低電気抵抗な低電気抵抗カバーが得られる。
【0094】実施例20.実施例19で低電気抵抗カバ
ーとして超電導メッシュ32を用いたものを示したが、
実施例20として図23に示すように、実施例10で示
した低電気抵抗カバー17の縁に超電導線33を低接続
抵抗になるように、低融点金属例えば半田34などを用
いて取り付ける構成の低電気抵抗カバー35にしてもよ
い。超電導線33を縁に有する低電気抵抗カバー35の
取り付け方法としては実施例10から13に示すいずれ
の方法で行っても同様の効果が得られる。低電気抵抗カ
バー35は、その縁に超電導線33を有することで等価
的に低電気抵抗になるために、高電気抵抗部分11を効
率よく磁気遮蔽するため、渦電流による発熱が低減され
る。
【0095】なお、縁に取り付ける超電導線を超電導テ
ープとすれば低電気抵抗カバー35の厚みを薄くでき
る。また酸化物超電導体のテープなども適用により低電
気抵抗カバー35の磁場遮蔽性能が向上する。
【0096】実施例21.図24は、この発明の実施例
21を説明する要部を示すもので、実施例19および2
0で述べた超電導線として、内部安定化超電導線36を
用いたものである。内部安定化超電導線36は超電導体
部分36aの外側の安定化マトリックス36bの厚さが
薄いため超電導線同士の接続抵抗を小さくすることが可
能となる。
【0097】実施例22.実施例10から13あるいは
実施例18から20の構成の内槽容器を製作するとき、
低電気抵抗カバーの取り付け方法について実施例22と
して図25及び図26によって説明する。図25では例
えばセラミックなどを用いた絶縁ボルト37によるもの
で電気絶縁ボルト37で固定することで低電気抵抗カバ
ーを強固に内槽容器に取り付けることが可能である。ま
た、図26では低電気抵抗カバーを電気絶縁性の接着剤
38で貼りつけるもので、この方法は製作が容易であ
る。
【0098】実施例23.実施例10から13あるいは
実施例18,19の構成の内槽容器において、低電気抵
抗カバーの形状の一例を図27によって説明する。図の
ように、いくつかに分割された低電気抵抗板状材料39
をはりつけた後、メッキ処理を施すことで一体化して形
成される低電気抵抗カバーを有した様子を示している。
ここでメッキ40で低電気抵抗板材料39は電気的に結
合されるために複雑な形状の低電気抵抗カバーの製作が
容易である。当然、低融点金属で結合させても同様の効
果が得られる。
【0099】実施例24.図28は、この発明の実施例
24の要部を示す斜視図である。実施例10から13に
記載されて低電気抵抗カバー17あるいは実施例18に
記載された、超電導フィルムあるいは超電導板31が複
数の貫通穴41を有している。38は電気絶縁性の接着
剤である。貫通孔41を有する超電導フィルムあるいは
板31を用いることにより、接着で超電導フィルムある
いは板31を内槽容器2表面に固定するとき、余分な接
着剤38が貫通孔41から溢れるために、接着剤38層
の厚さを制御しやすいのと同時に作業性も向上する。さ
らに貫通孔41から溢れた接着剤38が硬化したとき、
内槽容器2表面と低電気抵抗カバー17間の剪断強度が
向上する。
【0100】実施例25.図29は、この発明の実施例
25の要部を示す斜視図である。実施例19に記載の超
電導磁石装置において、超電導線32aで編んだ超電導
メッシュ32を圧延することで製作された低電気抵抗カ
バーを有している。圧延により超電導線32a間の接触
抵抗は低下すると考えられる。また厚さが減少し、超電
導材料の占積率も向上することから、超電導磁石装置の
コンパクト化が実現できる。
【0101】なお、実施例25で示した超電導磁石装置
において、超電導線32aで編んだ超電導メッシュ32
を圧延した後に400度以下の熱処理温度で焼鈍したも
のを低電気抵抗カバーとすれば、圧延加工後の超電導線
32aにおいては安定化マトリックスの抵抗率が高くな
っているものを、必要な形状に低電気抵抗カバーを加工
した後で焼鈍することにより低電気抵抗化が図れる。な
お400℃以下の焼鈍温度では超電導体の劣化はない。
【0102】実施例26.図30は、この発明の実施例
26の要部を示す斜視図である。上記実施例18および
19に記す超電導磁石装置に於いて、超電導フィルムあ
るいは超電導板31あるいは超電導メッシュ32の端部
での面に対して垂直方向の磁束の集中を緩和するよう
に、端部にまるみをつけている。図中42は磁力線であ
る。このため超電導体内部に侵入する磁界の履歴による
損失(ヒステリシス損失)が低減できるため、超電導材
料を用いた低電気抵抗カバーにおいて超電導状態の安定
性が向上する。
【0103】実施例27.図31は、この発明の実施例
27の要部を示す斜視図である。上記実施例18および
19に記す超電導磁石装置に於いて、超電導フィルムあ
るいは超電導板31あるいは超電導メッシュ32の端部
での臨界電流密度を中央付近に比べ小さくしている。図
中43は超電導部分、44は安定化材料、45は磁力線
である。ここで、超電導フィルムあるいは超電導板にお
いて端部で低電気抵抗金属でなる安定化材料44の量を
多くしておくことにより、このような構成の低電気抵抗
カバーが完全に外部磁界を遮蔽したとき端部で超電導部
分43において安定に臨界電流まで遮蔽電流が流れるこ
とが可能である。
【0104】実施例28.図32は、この発明の実施例
28の要部を示す斜視図である。実施例10から13あ
るいは18から20に記載の超電導磁石装置に於いて、
高電気抵抗部分11と並列に取り付けられた超電導体あ
るいは高電気抵抗マトリックスを有する超電導線の上
に、低電気抵抗カバーが取り付けられている。さらに超
電導体あるいは超電導線46の近傍にヒータ線47が取
り付けられている。ヒータ線47を用いて、超電導体あ
るいは超電導線46を超電導状態・常電導状態、言い換
えれば低電気抵抗・高電気抵抗に制御することが可能で
あるために、超電導コイル励磁時には高電気抵抗化する
ことで渦電流損失を低減し、外部からの高調波磁界印加
時には超電導状態にして高電気抵抗部分スリット部分を
低電気抵抗でバイパスすることで高電気抵抗部分11を
跨いで流れる様な、比較的大きな渦電流経路に対しても
渦電流による損失低減が可能になる。また超電導体ある
いは超電導線46に直接、高調波磁界が印加されないた
め超電導状態が安定に保たれる。
【0105】実施例29.図33は、この発明の実施例
29の要部を示す斜視図である。上記実施例28では、
ヒータ線47を用いて高電気抵抗部分11の超電導体4
6をON−OFFすることで励磁時、及び高調波磁界印
加時の渦電流損失を低減したものに加え、温度計48を
用いて、超電導体46近傍の温度をモニターし、超電導
体46が常電導状態になる最低の温度になるようヒータ
線47で印加する熱量を決定する。一般に内槽容器表面
は真空状態にあるため、ヒータ線47で熱を印加する
時、予想外に高温になってしまい、ヒータ線47を焼損
する恐れがある。ヒータ線部47近傍に温度計を装備す
ることでこのような危険性を回避できる。また、超電導
体46が常電導になる最低の温度になるようにヒータ線
47で印加する熱量を設定することが可能であるため液
体ヘリウムの蒸発量も低減できる。
【0106】実施例30.図34は、この発明の実施例
30の要部を示す斜視図である。超電導コイル1を内蔵
する内槽容器2が電磁力で変形するのを防止する高電気
抵抗材でなる電磁力支持部材49の表面に低電気抵抗材
3が備えられており、低電気抵抗材3の断絶部を有し高
電気抵抗部分11を形成し、かつ高電気抵抗部分6を覆
う電磁力支持部材49と電気的に絶縁された低電気抵抗
カバー50を有している。超電導コイル1を励磁すると
き、電磁力支持部分49を通る渦電流経路が高電気抵抗
であるため、励磁時の渦電流損失が低減される。また高
調波変動磁界が外部から印加されるときには、低電気抵
抗カバー50が存在するために高電気抵抗部分11での
渦電流損失は小さい。ここで低電気抵抗カバーの配置方
法として、実施例10から13のいずれのものを適用し
たとしても同様の効果が得られる。
【0107】実施例31.図35は、この発明の実施例
31の要部を示す斜視図である。内槽容器2が電磁力で
変形するのを防止する電磁力支持部材49が絶縁材料5
1の間に挟まれているため、超電導コイル1励磁中に渦
電流が電磁力支持部材49を流れることがないため渦電
流発熱が低減される。
【0108】実施例32.この発明の実施例32を図3
6について記す。実施例31に記載の絶縁材料51を間
に挟む電磁力支持部材49に於いて、絶縁材料51aと
金属部分49aの取り付け部をテーパー状にしている。
超電導コイル1励磁時の電磁力は拡張方向のみにかかる
ので、図36の線XXXVII−XXXVIIに沿った
断面図37に記す方向のテーパーになっていれば電磁力
に対して強度が高い。
【0109】なお、絶縁材料51aの外周に図38に示
すように円筒型あるいはリング形状の高強度部材52を
設ければ絶縁材料51aと金属部分49aの接続部の強
度を向上させることができる。
【0110】実施例33.図39は、この発明の実施例
33の要部を示す断面図である。上記実施例32に記載
の電磁力支持部材49について、引っ張り機構、例えば
両端側にネジ穴を有し回転させて螺合した金属部分49
a同士を引っ張る引っ張り調節手段53を有する構造に
したものであるため、内槽容器2が超電導コイル1の励
磁によって拡張方向に変形しないように初期引っ張り応
力をかけることが可能である。また初期引っ張り力を設
定した後にゆるみ止めの手段、例えば溶接などを施して
おくと、さらに高強度になる。
【0111】
【発明の効果】以上のように、この発明の請求項1によ
れば超電導線材を巻回してなる超電導コイルと、超電導
コイルを冷媒に浸漬して収納し表面に低電気抵抗材を設
けてなる内槽容器と、内槽容器を真空断熱して収納する
外槽容器とを備え、地上コイルと対向して車体側に設け
られた超電導磁石装置において、内槽容器は表面の渦電
流の流路で一部低電気抵抗材の断絶部を有しこの断絶部
で渦電流の流路の高電気抵抗部分を形成するようにし、
請求項2によれば請求項1において高電気抵抗部分を超
電導コイルの励消磁中に内槽表面に発生する渦電流の流
路に設けたので、超電導コイルの励消磁中に変動磁界に
より発生する内槽容器表面の渦電流を小さく抑え渦電流
損失を低減し超電導コイルを冷却する冷媒の蒸発が減少
する超電導磁石装置が得られる効果がある。
【0112】また、請求項3によれば請求項1において
高電気抵抗部分は地上コイルからの高調波変動磁界に起
因して内槽表面に発生する渦電流の流路には設けないよ
うにし、請求項4によれば請求項1において高電気抵抗
部分を地上コイルからの高調波変動磁界に起因して内槽
表面に発生する渦電流の流路および高調波変動磁界が印
加される側の内槽表面以外で、超電導コイルの励消磁中
に内槽表面に発生する渦電流の流路に設けたので、請求
項1の効果に加え地上コイルからの高調波磁界が印加さ
れる内槽容器表面の渦電流の流路が低電気抵抗となり内
槽容器の渦電流損失をより低減できる。
【0113】また、請求項5によれば請求項1において
内槽表面の高電気抵抗部分を跨ぎ低電気抵抗材間を超電
導線材により電気的に短絡し、請求項6によれば低電気
抵抗材間の超電導線材に隣接して外部電源より通電可能
なヒータ線を設け、請求項7によれば請求項5において
低電気抵抗材間の超電導線材にヒータ線を隣接させかつ
ヒータ線と直列に閉回路を構成する渦電流回路を設け、
請求項8によれば請求項5において低電気抵抗材間の超
電導線材の臨界電流値が超電導コイルの励消磁中に内槽
容器表面に発生する電流値より低く、地上コイルからの
高調波変動磁界に起因して内槽容器表面に発生する電流
値より高くしたので、低電気抵抗材の断絶部を短絡した
超電導線材は、常電導状態即ち励消磁中であるときは内
槽容器の渦電流は高電気抵抗部分を流路とするため内槽
容器の渦電流を小さく抑え、超電導状態即ち地上コイル
と作動中であるときは内槽の渦電流は低電気抵抗材と超
電導線材を流路とし高調波磁界による内槽容器の渦電流
損失を低減させ超電導コイルを冷却する冷媒の蒸発を減
少できる効果がある。
【0114】また、請求項9によれば超電導線材を巻回
してなる超電導コイルと、該超電導コイルを冷媒に浸漬
して収納し表面に低電気抵抗材を設けてなる内槽容器
と、該内槽容器を真空断熱して収納する外槽容器とを備
え、地上コイルと対向して車体側に設けられた超電導磁
石装置において、内槽容器は表面の渦電流の流路で一部
低電気抵抗材の断絶部を有し、この断絶部で渦電流の流
路の高電気抵抗部分を形成するとともに、内槽容器及び
低電気抵抗材と電気的に絶縁され高電気抵抗部分を覆う
低電気抵抗カバーを設けたので、請求項1の効果に加え
走行中には外部変動磁界で渦電流を誘起されこれにより
高電気抵抗部分は磁気遮蔽されるため、高電気抵抗部分
における渦電流による損失を低減でき超電導コイルを冷
却する冷媒の蒸発を減少できる。
【0115】また、請求項10によれば超電導線材を巻
回してなる超電導コイルと、該超電導コイルを冷媒に浸
漬して収納し表面に低電気抵抗材を設けてなる内槽容器
と、該内槽容器を真空断熱して収納する外槽容器とを備
え、地上コイルと対向して車体側に設けられた超電導磁
石装置において、内槽容器は表面の渦電流の流路で一部
低電気抵抗材の断絶部を有し、この断絶部で渦電流の流
路の高電気抵抗部分を形成するとともに、断絶部の一方
側の低電気抵抗材と電気的に連結し断絶部の他方側の低
電気抵抗材および高電気抵抗部分と電気的に絶縁され高
電気抵抗部分を覆う低電気抵抗カバーを設けたので、請
求項9の効果に加え低電気抵抗カバーの取付が強度でか
つ容易にできる。
【0116】また、請求項11によれば、請求項9また
は10において、低電気抵抗カバーが重複部を有する複
数の組み合わせでなり、互いの重複部を電気的に絶縁し
て形成したので、低電気抵抗材の断絶部を広くすること
が可能であると同時に、1つの低電気抵抗カバーを小さ
くすることができ1つの低電気抵抗カバーに働く電磁力
が小さく固定を容易にする。
【0117】また、請求項12によれば、超電導線材を
巻回してなる超電導コイルと、該超電導コイルを冷媒に
浸漬して収納し表面に低電気抵抗材を設けてなる内槽容
器と、該内槽容器を真空断熱して収納する外槽容器とを
備え、地上コイルと対向して車体側に設けられた超電導
磁石装置において、地上コイルからの高調波変動磁界に
起因する振動で外槽容器との相対変位が大きい内槽容器
表面部分の対応位置を覆って低電気抵抗カバーを設けた
ので、相対振動に起因する高調波磁界による渦電流損失
が低減でき超電導コイルを冷却する冷媒の蒸発を減少で
きる。
【0118】また、請求項13によれば超電導線材を巻
回してなる超電導コイルと、該超電導コイルを冷媒に浸
漬して収納し高電気抵抗材で形成された内槽容器と、該
内槽容器を真空断熱して収納する外槽容器とを備え、地
上コイルと対向して車体側に設けられた超電導磁石装置
において、内槽容器を覆いその内側空間と通じて内槽容
器内に冷媒が流通するように形成された低電気抵抗容器
と、該低電気抵抗容器内と通じる上方の冷媒路に設けら
れ、冷媒路を超電導コイルの励消磁中は閉路に高調波磁
界の印加中は開路に操作する開閉手段を設け、請求項1
4によれば内槽容器は表面の渦電流の流路で一部低電気
抵抗材の断絶部を有しこの断絶部で渦電流の流路の高電
気抵抗部分を形成するとともに、高電気抵抗部分をそれ
ぞれ覆いその内側空間を通じて内槽容器内に冷媒が流通
するように形成された低電気抵抗容器を設けかつ、低電
気抵抗容器内と通じる上方の冷媒路に冷媒路を超電導コ
イルの励消磁中は閉路に高調波磁界の印加中は開路に操
作する開閉手段を設けたので、低電気抵抗容器が内槽容
器との間の空間の冷媒量を開閉手段で調節することで低
電気抵抗容器の抵抗値を制御して、励消磁時および高調
波磁界印加時の両方の場合について渦電流損失を低減で
き超電導コイルを冷却する冷媒の蒸発を減少できる。
【0119】また、請求項15によれば、超電導線材を
巻回してなる超電導コイルと、該超電導コイルを冷媒に
浸漬して収納し表面に低電気抵抗材を設けてなる内槽容
器と、該内槽容器を真空断熱して収納する外槽容器とを
備え、地上コイルと対向して車体側に設けられた超電導
磁石装置において、内槽容器は表面の渦電流の流路で一
部低電気抵抗材の断絶部を有しこの断絶部で渦電流の流
路の高電気抵抗部分を形成するとともに、高電気抵抗部
分に外部から連動操作可能な高電気抵抗部分を低電気抵
抗で短絡させる電気スイッチを設けたので、電気スイッ
チが高調波磁界が印加されているときは低電気抵抗材を
短絡して断絶部をなくし、励消磁中は低電気抵抗材を分
離させて断絶部が形成でき、励消磁時および高調波磁界
印加時の両方の場合について渦電流損失の低減が効果的
にできる。
【0120】また、請求項16によれば、請求項9〜1
2のいずれかにおいて、低電気抵抗カバーとして超電導
フィルムあるいは超電導板が貼り付けたので、常電導の
低電気抵抗と比べてより低電気抵抗化を可能とし断絶部
の磁気遮蔽を確実にして断絶部が高調波磁界に曝される
ことがなくなるため、渦電流損失が低減できる。
【0121】また、請求項17によれば、請求項9〜1
2のいずれかにおいて、低電気抵抗カバーに絶縁被覆を
有さない超電導線で編まれたメッシュを用いたので、超
電導メッシュが前項の作用と同様の理由で磁気遮蔽を確
実にし、渦電流損失が低減できる。
【0122】また、請求項18によれば、請求項9〜1
2のいずれかにおいて、低電気抵抗カバーはその縁に超
電導線を取り付けて形成されているので、縁に取り付け
た超電導線が前項の作用と同様の理由で渦電流損失を低
減し、構成的には超電導体の量を比較的少量でまかなえ
る。
【0123】また、請求項19によれば、請求項17ま
たは18において、超電導線として内部安定化超電導線
を用いたので、安定化マトリックスの低電気抵抗率によ
り超電導線同士の接続抵抗が低下し、低電気抵抗カバー
をさらに低電気抵抗化できる。
【0124】また、請求項20によれば、請求項9〜1
2のいずれかにおいて、低電気抵抗カバー,あるいは超
電導フィルム,あるいは超電導板に複数の貫通孔を有し
ているので、複数の貫通孔が内槽容器表面に固定すると
き余剰接着剤の溢れ口となり接着性および作業性を向上
させる。
【0125】また、請求項21によれば、請求項17に
おいて、超電導線で編んだメッシュは圧延されているの
で、超電導線間の接触抵抗が低下する、さらに、厚さの
減少で装置のコンパクト化ができる。
【0126】また、請求項22によれば、請求項21に
おいて、メッシュは圧延した後に400℃以下の熱処理
温度で焼鈍されているので、圧延で安定化マトリックス
の抵抗率が高くなっているものを低電気抵抗化すること
ができる。
【0127】また、請求項23によれば、請求項16ま
たは17において、低電気抵抗カバーの外部磁力線に対
向する面でその端部に面に対して垂直方向の磁場成分が
生じないようにまるみをつけたので、超電導内部に侵入
する磁界の履歴による損失(ヒステリシス損失)を低減
し、低電気抵抗カバーの超電導状態の安定性を向上させ
る。
【0128】また、請求項24によれば、請求項16,
17および24のいずれかにおいて、低電気抵抗カバー
の外部磁力線に対向する面についてその端部での臨界電
流密度を中央付近に比べ小さくなるよう端部の安定化材
料を中央付近より多くしたので、遮蔽電流が低電気抵抗
カバーの縁の超電導部分に集中したとき、超電導状態の
安定性が高いため、安定して臨界電流密度まで遮蔽電流
が流れる。
【0129】また、請求項25によれば超電導線材を巻
回してなる超電導コイルと、該超電導コイルを冷媒に浸
漬して収納し表面に低電気抵抗材を設けてなる内槽容器
と、該内槽容器を真空断熱して収納する外槽容器とを備
え、地上コイルと対向して車体側に設けられた超電導磁
石装置において、内槽容器は表面の渦電流の流路で一部
低電気抵抗材の断絶部を有し、この断絶部で渦電流の流
路の高電気抵抗部分を形成するとともに、断絶部と並列
に取り付けられた超電導体あるいは高電気抵抗マトリッ
クスを有する超電導線に低電気抵抗カバーが具備され、
かつ超電導体あるいは超電導線にヒータ線が取り付けら
れているので、ヒータによって熱的に超電導状態,常電
導状態、即ち低電気抵抗,高電気抵抗に制御でき、超電
導コイル励消磁時には高抵抗化することで渦電流損失を
低減し、外部からの高調波磁界印加時には超電導状態に
して高電気抵抗部分を低電気抵抗でバイパスする。これ
により渦電流による損失低減を可能とする。さらに低電
気抵抗カバーによって超電導体あるいは超電導線に直
接、高調波磁界が印加されないため超電導状態が安定に
保たれる。
【0130】また請求項26によれば、請求項25にお
いて、ヒータの近傍に温度計を設けたので、温度管理を
適切にし、ヒータの焼損等の危険性を回避させるととも
に超電導線が常電導になる最低の温度になるようにヒー
タで印加する熱量を設定することができる。
【0131】また、請求項27によれば、超電導線材を
巻回してなる超電導コイルと、該超電導コイルを冷媒に
浸漬して収納し表面に低電気抵抗材を設けてなる内槽容
器と、該内槽容器を真空断熱して収納する外槽容器とを
備え、地上コイルと対向して車体側に設けられた超電導
磁石装置において、内槽容器は内槽容器が電磁力で変形
するのを防止する電磁力支持部材の表面の過電流の流路
で一部低電気抵抗材の断絶部を有し、この断絶部で高電
気抵抗部分を形成するとともに、電磁力支持部材と電気
的に絶縁され高電気抵抗部分を覆う低電気抵抗カバーを
設けたので、高電気抵抗部分は磁気遮蔽されるため、高
電気抵抗部分における渦電流による損失を低減でき超電
導コイルを冷却する冷媒の蒸発を減少できる。
【0132】また、請求項28によれば、超電導線材を
巻回してなる超電導コイルと、該超電導コイルを冷媒に
浸漬して収納し表面に低電気抵抗材を設けてなる内槽容
器と、該内槽容器を真空断熱して収納する外槽容器とを
備え、地上コイルと対向して車体側に設けられた超電導
磁石装置において、内槽容器が電磁力で変形するのを防
止する電磁力支持部材が電気的絶縁材料を中間に挟んで
形成しているので、絶縁部を横切る渦電流は発生せず渦
電流による発熱は起こらない。
【0133】また、請求項29によれば、請求項28に
おいて、電磁力支持部材の支持方向に引っ張り力の調整
手段を設けたので、内槽容器が超電導コイルの励磁によ
って拡張方向に変形しないよう初期引っ張り応力を与え
ておくことができ、内槽容器を強固にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例1における超電導磁石装置
で内槽容器に収納された超電導コイルの一部断面を示す
斜視図である。
【図2】 この発明の実施例1における超電導磁石装置
で内槽容器の外観を示す斜視図である。
【図3】 この発明の実施例2における超電導磁石装置
で内槽容器の外観を示す斜視図である。
【図4】 この発明の実施例3における超電導磁石装置
で内槽容器の外観を示す斜視図である。
【図5】 この発明の実施例4における超電導磁石装置
で内槽容器の外観を示す斜視図である。
【図6】 この発明の実施例6における超電導磁石装置
で内槽容器に収納された超電導コイルの一部断面を示す
斜視図である。
【図7】 この発明の実施例7における超電導磁石装置
で内槽容器の外観を示す斜視図である。
【図8】 この発明の実施例8における超電導磁石装置
で内槽容器の外観を示す斜視図である。
【図9】 この発明の実施例9における超電導磁石装置
で内槽容器の外観を示す斜視図である。
【図10】 この発明の実施例10における超電導磁石
装置で内槽容器の外観を示す斜視図である。
【図11】 この発明の実施例11における超電導磁石
装置で内槽容器の外観を示す斜視図である。
【図12】 この発明の実施例12における超電導磁石
装置で内槽容器の外観を示す斜視図である。
【図13】 この発明の実施例12における内槽容器の
要部を示す部分断面図である。
【図14】 この発明の実施例13における内槽容器の
要部を示す部分断面図である。
【図15】 この発明の実施例14における超電導磁石
装置で内槽容器の外観を示す斜視図である。
【図16】 この発明の実施例15における超電導磁石
装置で内槽容器の外観を示す斜視図である。
【図17】 図16における線XVII−XVIIに沿
った断面図である。
【図18】 この発明の実施例16における超電導磁石
装置で内槽容器に収納された超電導コイルの一部断面を
示す斜視図である。
【図19】 図18における線XIX−XIXに沿った
断面図である。
【図20】 この発明の実施例17における超電導磁石
装置で内槽容器の構成を示すもので、(A)にその外観
斜視図を(B)に(A)における線B−Bに沿った断面
図を示すものである。
【図21】 この発明の実施例18における超電導磁石
装置で内槽容器の構成を示すもので、(A)にその外観
斜視図を(B)に(A)における矢視Bの詳細断面図を
示すものである。
【図22】 この発明の実施例19における超電導磁石
装置で内槽容器の外観を示す斜視図である。
【図23】 この発明の実施例20における超電導磁石
装置で内槽容器の外観を示す斜視図である。
【図24】 この発明の実施例21における要部の構成
を示す斜視図である。
【図25】 この発明の実施例22における要部の構成
を示す斜視図である。
【図26】 この発明の実施例22における要部の別の
構成を示す斜視図である。
【図27】 この発明の実施例23における超電導磁石
装置で内槽容器の外観を示す斜視図である。
【図28】 この発明の実施例24における超電導磁石
装置で内槽容器の外観を示す斜視図である。
【図29】 この発明の実施例25における要部の構成
を示す斜視図である。
【図30】 この発明の実施例26における要部の構成
を示す斜視図である。
【図31】 この発明の実施例27における要部の構成
を示す斜視図である。
【図32】 この発明の実施例28における要部の構成
を示す斜視図である。
【図33】 この発明の実施例29における要部の構成
を示す斜視図である。
【図34】 この発明の実施例30における超電導磁石
装置で内槽容器の外観を示す斜視図である。
【図35】 この発明の実施例31における超電導磁石
装置で内槽容器の外観を示す斜視図である。
【図36】 この発明の実施例32における超電導磁石
装置で内槽容器の外観を示す斜視図である。
【図37】 図36における線XXXVII−XXXV
IIに沿った断面図である。
【図38】 図37と同等部で別の構成を示す断面図で
ある。
【図39】 この発明の実施例33における要部の構成
を示す斜視図である。
【図40】 従来の超電導磁石装置で内槽容器に収納さ
れた超電導コイルの一部断面を示す斜視図である。
【図41】 図40における内槽容器の外観を示す斜視
図である。
【図42】 超電導磁石装置全体の概略構成を示す一部
断面斜視図である。
【図43】 超電導磁石装置が装着された超電導磁気浮
上車とその軌道の概略構成を示す断面図である。
【図44】 内槽容器表面に発生する渦電流の流路の説
明図で(A)に地上コイルからの高調波磁場に起因する
場合を(B)に超電導コイルの励消磁中の磁場変動に起
因する場合を示すものである。
【符号の説明】
1 超電導コイル、2 内槽容器、3 低電気抵抗材、
5 外槽容器、6,7 地上コイル、11 高電気抵抗
部分(低電気抵抗材の断絶部分)、12 超電導線材
(短絡用)、13 ヒータ線、14 外部電線、15
a,15b 閉回路、17 低電気抵抗カバー、17a
低電気抵抗カバー(複数)、18 絶縁部材、19
半田接続、20 低電気抵抗カバー、21 渦電流、2
2 振動方向、23 内槽容器、23a 連通穴、24
低電気抵抗容器、24a 所定空間、25 上部バル
ブ(開閉手段)、27 低電気抵抗容器、27a 所定
空間、28 連通穴、29 スイッチ、30 操作棒、
30a 開閉機構、31 低電気抵抗カバー、31a
超電導部分、31b 安定化マトリックス、32 超電
導メッシュ、32a 超電導線、33 超電導線、34
半田、35 低電気抵抗カバー、36 内部安定化超
電導線、36a 超電導体部分、36b 安定化マトリ
ックス、41 貫通孔、42 磁力線、43 超電導部
分、44 安定化材料、45 磁力線、46 超電導
線、47 ヒータ線、48 温度計、49 電磁力支持
部材、49a 金属部分、50 低電気抵抗カバー、5
1 絶縁材料、53 引っ張り調節手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 守田 正夫 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社中央研究所内

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超電導線材を巻回してなる超電導コイル
    と、該超電導コイルを冷媒に浸漬して収納し表面に低電
    気抵抗材を設けてなる内槽容器と、該内槽容器を真空断
    熱して収納する外槽容器とを備え、地上コイルと対向し
    て車体側に設けられた超電導磁石装置において、上記内
    槽容器は表面の渦電流の流路で一部上記低電気抵抗材の
    断絶部を有しこの断絶部で上記渦電流の流路の高電気抵
    抗部分を形成するようにしたことを特徴とする超電導磁
    石装置。
  2. 【請求項2】 高電気抵抗部分は超電導コイルの励消磁
    中に内槽容器の表面に発生する渦電流の流路に設けられ
    ていることを特徴とする請求項1に記載の超電導磁石装
    置。
  3. 【請求項3】 高電気抵抗部分は地上コイルからの高調
    波変動磁界に起因して内槽容器の表面に発生する渦電流
    の流路には設けないことを特徴とする請求項1に記載の
    超電導磁石装置。
  4. 【請求項4】 高電気抵抗部分は地上コイルからの高調
    波変動磁界に起因して内槽表面に発生する渦電流の流路
    および上記高調波変動磁界が印加される側の内槽表面以
    外で超電導コイルの励消磁中に上記内槽表面に発生する
    渦電流の流路に設けられていることを特徴とする請求項
    1に記載の超電導磁石装置。
  5. 【請求項5】 内槽表面の高電気抵抗部分を跨ぎ低電気
    抵抗材間を超電導線材により電気的に短絡したことを特
    徴とする請求項1に記載の超電導磁石装置。
  6. 【請求項6】 低電気抵抗材間の超電導線材に隣接して
    外部電源より通電可能なヒータ線を設けたことを特徴と
    する請求項5に記載の超電導磁石装置。
  7. 【請求項7】 低電気抵抗材間の超電導線材にヒータ線
    を隣接させかつ上記ヒータ線と直列に閉回路を構成する
    渦電流回路を設けたことを特徴とする請求項5に記載の
    超電導磁石装置。
  8. 【請求項8】 低電気抵抗材間の超電導線材の臨界電流
    値が、上記超電導コイルの励消磁中に内槽表面に発生す
    る電流値より低く、地上コイルからの高調波変動磁界に
    起因して上記内槽表面に発生する電流値より高いことを
    特徴とする請求項5に記載の超電導磁石装置。
  9. 【請求項9】 超電導線材を巻回してなる超電導コイル
    と、該超電導コイルを冷媒に浸漬して収納し表面に低電
    気抵抗材を設けてなる内槽容器と、該内槽容器を真空断
    熱して収納する外槽容器とを備え、地上コイルと対向し
    て車体側に設けられた超電導磁石装置において、上記内
    槽容器は表面の渦電流の流路で一部上記低電気抵抗材の
    断絶部を有しこの断絶部で上記渦電流の流路の高電気抵
    抗部分を形成するとともに、上記内槽容器及び上記低電
    気抵抗材と電気的に絶縁され上記高電気抵抗部分を覆う
    低電気抵抗カバーを備えたことを特徴とする超電導磁石
    装置。
  10. 【請求項10】 超電導線材を巻回してなる超電導コイ
    ルと、該超電導コイルを冷媒に浸漬して収納し表面に低
    電気抵抗材を設けてなる内槽容器と、該内槽容器を真空
    断熱して収納する外槽容器とを備え、地上コイルと対向
    して車体側に設けられた超電導磁石装置において、上記
    内槽容器は表面の渦電流の流路で一部上記低電気抵抗材
    の断絶部を有しこの断絶部で上記渦電流の流路の高電気
    抵抗部分を形成するとともに、上記断絶部の一方側の上
    記低電気抵抗材と電気的に連結し上記断絶部の他方側の
    上記低電気抵抗材および上記高電気抵抗部分と電気的に
    絶縁され上記高電気抵抗部分を覆う低電気抵抗カバーを
    備えたことを特徴とする超電導磁石装置。
  11. 【請求項11】 低電気抵抗カバーが重複部を有する複
    数の組み合わせでなり、上記重複部を電気的に絶縁して
    形成したことを特徴とする請求項9または10に記載の
    超電導磁石装置。
  12. 【請求項12】 超電導線材を巻回してなる超電導コイ
    ルと、該超電導コイルを冷媒に浸漬して収納し表面に低
    電気抵抗材を設けてなる内槽容器と、該内槽容器を真空
    断熱して収納する外槽容器とを備え、地上コイルと対向
    して車体側に設けられた超電導磁石装置において、地上
    コイルからの高調波変動磁界に起因する振動で上記外槽
    容器との相対変位が大きい上記内槽容器表面部分の対応
    位置を覆って低電気抵抗カバーを設けたことを特徴とす
    る超電導磁石装置。
  13. 【請求項13】 超電導線材を巻回してなる超電導コイ
    ルと、該超電導コイルを冷媒に浸漬して収納し高電気抵
    抗材で形成された内槽容器と、該内槽容器を真空断熱し
    て収納する外槽容器とを備え、地上コイルと対向して車
    体側に設けられた超電導磁石装置において、上記内槽容
    器を覆いその内側空間と通じて上記内槽容器内に上記冷
    媒が流通するように形成された低電気抵抗容器と、該低
    電気抵抗容器内と通じる上方の冷媒路に設けられ、上記
    冷媒路を上記超電導コイルの励消磁中は閉路に高調波磁
    界の印加中は開路に操作する開閉手段とを備えたことを
    特徴とする超電導磁石装置。
  14. 【請求項14】 超電導線材を巻回してなる超電導コイ
    ルと、該超電導コイルを冷媒に浸漬して収納し表面に低
    電気抵抗材を設けてなる内槽容器と、該内槽容器を真空
    断熱して収納する外槽容器とを備え、地上コイルと対向
    して車体側に設けられた超電導磁石装置において、上記
    内槽容器は表面の渦電流の流路で一部上記低電気抵抗材
    の断絶部を有しこの断絶部で上記渦電流の流路の高電気
    抵抗部分を形成するとともに、上記高電気抵抗部分をそ
    れぞれ覆いその内側空間を通じて上記内槽容器内に上記
    冷媒が流通するように形成された低電気抵抗容器を設け
    かつ、上記低電気抵抗容器内と通じる上方の冷媒路に上
    記冷媒路を上記超電導コイルの励消磁中は閉路に高調波
    磁界の印加中は開路に操作する開閉手段を備えたことを
    特徴とする超電導磁石装置。
  15. 【請求項15】 超電導線材を巻回してなる超電導コイ
    ルと、該超電導コイルを冷媒に浸漬して収納し表面に低
    電気抵抗材を設けてなる内槽容器と、該内槽容器を真空
    断熱して収納する外槽容器とを備え、地上コイルと対向
    して車体側に設けられた超電導磁石装置において、上記
    内槽容器は表面の渦電流の流路で一部上記低電気抵抗材
    の断絶部を有しこの断絶部で上記渦電流の流路の高電気
    抵抗部分を形成するとともに、上記高電気抵抗部分に外
    部から連動操作可能な上記高電気抵抗部分を低電気抵抗
    で短絡させる電気スイッチを備えていることを特徴とす
    る超電導磁石装置。
  16. 【請求項16】 低電気抵抗カバーとして超電導フィル
    ムあるいは超電導板が貼り付けてあることを特徴とする
    請求項9〜12のいずれかに記載の超電導磁石装置。
  17. 【請求項17】 低電気抵抗カバーに絶縁被覆を有さな
    い超電導線で編まれたメッシュを用いたことを特徴とす
    る請求項9〜12のいずれかに記載の超電導磁石装置。
  18. 【請求項18】 低電気抵抗カバーはその縁に超電導線
    を取り付けて形成されていることを特徴とする請求項9
    〜12のいずれかに記載の超電導磁石装置。
  19. 【請求項19】 超電導線として内部安定化超電導線を
    用いたことを特徴とする請求項17または18に記載の
    超電導磁石装置。
  20. 【請求項20】 低電気抵抗カバーとして超電導フィル
    ム,あるいは超電導板に複数の貫通孔を有していること
    を特徴とする請求項9〜12および請求項16のいずれ
    かに記載の超電導磁石装置。
  21. 【請求項21】 超電導線で編んだメッシュは圧延され
    ていることを特徴とする請求項17に記載の超電導磁石
    装置。
  22. 【請求項22】 メッシュは圧延した後に400℃以下
    の熱処理温度で焼鈍されていることを特徴とする請求項
    21に記載の超電導磁石装置。
  23. 【請求項23】 低電気抵抗カバーの外部磁力線に対向
    する面でその端部に上記面に対して垂直方向の磁場成分
    が生じないようにまるみをつけたことを特徴とする請求
    項16または17に記載の超電導磁石装置。
  24. 【請求項24】 低電気抵抗カバーの外部磁力線に対向
    する面についてその端部での臨界電流密度を中央付近に
    比べ小さくなるよう上記端部の安定化材料を上記中央付
    近より多くしたことを特徴とする請求項16,17およ
    び24のいずれかに記載の超電導磁石装置。
  25. 【請求項25】 超電導線材を巻回してなる超電導コイ
    ルと、該超電導コイルを冷媒に浸漬して収納し表面に低
    電気抵抗材を設けてなる内槽容器と、該内槽容器を真空
    断熱して収納する外槽容器とを備え、地上コイルと対向
    して車体側に設けられた超電導磁石装置において、上記
    内槽容器は表面の渦電流の流路で一部上記低電気抵抗材
    の断絶部を有しこの断絶部で上記渦電流の流路の高電気
    抵抗部分を形成するとともに、上記断絶部と並列に取り
    付けられた超電導体あるいは高電気抵抗マトリックスを
    有する超電導線に低電気抵抗カバーが具備され、かつ上
    記超電導体あるいは超電導線にヒータ線が取り付けられ
    ていることを特徴とする超電導磁石装置。
  26. 【請求項26】 ヒータ線の近傍に温度計を備えている
    ことを特徴とする請求項25に記載の超電導磁石装置。
  27. 【請求項27】 超電導線材を巻回してなる超電導コイ
    ルと、該超電導コイルを冷媒に浸漬して収納し表面に低
    電気抵抗材を設けてなる内槽容器と、該内槽容器を真空
    断熱して収納する外槽容器とを備え、地上コイルと対向
    して車体側に設けられた超電導磁石装置において、上記
    内槽容器は上記内槽容器が電磁力で変形するのを防止す
    る電磁力支持部材の表面の過電流の流路で一部上記低電
    気抵抗材の断絶部を有し、この断絶部で高電気抵抗部分
    を形成するとともに、上記電磁力支持部材と片端あるい
    は両端が電気的に絶縁され上記高電気抵抗部分を覆う低
    電気抵抗カバーを備えたことを特徴とする超電導磁石装
    置。
  28. 【請求項28】 超電導線材を巻回してなる超電導コイ
    ルと、該超電導コイルを冷媒に浸漬して収納し表面に低
    電気抵抗材を設けてなる内槽容器と、該内槽容器を真空
    断熱して収納する外槽容器とを備え、地上コイルと対向
    して車体側に設けられた超電導磁石装置において、上記
    内槽容器が電磁力で変形するのを防止する電磁力支持部
    材が電気的絶縁材料を中間に挟んで形成していることを
    特徴とする超電導磁石装置。
  29. 【請求項29】 電磁力支持部材の支持方向に引っ張り
    力の調節手段を備えていることを特徴とする請求項28
    に記載の超電導磁石装置。
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JP2010010632A (ja) * 2008-06-30 2010-01-14 Toshiba Corp 超電導コイル

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