JP3122709B2 - 超電導磁石装置 - Google Patents

超電導磁石装置

Info

Publication number
JP3122709B2
JP3122709B2 JP2662995A JP2662995A JP3122709B2 JP 3122709 B2 JP3122709 B2 JP 3122709B2 JP 2662995 A JP2662995 A JP 2662995A JP 2662995 A JP2662995 A JP 2662995A JP 3122709 B2 JP3122709 B2 JP 3122709B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
superconducting
electric resistance
magnet device
eddy current
low electric
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2662995A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08222427A (ja
Inventor
雅雄 沖
秀成 赤木
吉洋 地蔵
武志 五味
正夫 守田
和威 妹尾
晴之 米谷
元昭 寺井
正壽 忍
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Central Japan Railway Co
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Central Japan Railway Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp, Central Japan Railway Co filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2662995A priority Critical patent/JP3122709B2/ja
Publication of JPH08222427A publication Critical patent/JPH08222427A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3122709B2 publication Critical patent/JP3122709B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Insulating Of Coils (AREA)
  • Control Of Vehicles With Linear Motors And Vehicles That Are Magnetically Levitated (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は磁気浮上式鉄道車両等
に利用される超電導磁石装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図33は、例えば特願平6−22333
8号に記載された従来の超電導磁石装置の要部断面を示
す斜視図、図34は超電導磁石装置全体の概略構成の要
部断面を示す斜視図である。図において、1は超電導素
線をレーストラック状に巻回し樹脂含浸してなる超電導
コイル、2は非磁性体である例えばステンレス鋼からな
り、内部に超電導コイル1を収納するとともに液体ヘリ
ウムなどの冷媒が貯蔵されている内槽容器で、その表面
には銅メッキなどで形成される低電気抵抗層3を有する
とともに低電気抵抗層3が断絶、即ち銅メッキ処理され
ていない高電気抵抗部4が形成される。5は内槽容器2
を取り囲み室温部からの輻射熱を断熱する輻射シールド
板で通常は液体窒素または蒸発したヘリウムガスによっ
て冷却される。6は内槽容器2,輻射シールド板5等を
外部と断熱状態に収納する真空を維持するための外槽容
器である。
【0003】次に、この超電導磁石装置を利用した磁気
浮上式鉄道システムについて説明する。図35は磁気浮
上式鉄道システムの一例を示す断面図である。図におい
て、7は超電導磁石で、上記超電導コイル1,内槽容器
2,輻射シールド板5,外槽容器6等および液体ヘリウ
ムなどの冷媒を貯蔵するためのタンクなどから構成さ
れ、台枠8に固定される。9は車体で台枠8の上に空気
バネなどを介して搭載される。10は地上側に設置され
た側壁浮上方式の浮上案内コイル、11は地上側に設置
された推進コイルである。
【0004】車両走行時には、超電導コイル1と浮上案
内コイル10との間には車両を浮上させるための上下方
向の浮上力、および車両を軌道中心に保つための左右方
向の案内力が働く。超電導コイル1と推進コイル11と
の間には車両を推進させるための前後方向の推進力が働
く。これらの浮上力、案内力、推進力には、地上コイル
配置にともなう磁場変動による脈動成分が含まれてお
り、超電導磁石7は速度に比例した高周波電磁外乱を受
ける。高周波電磁外乱に起因して内槽容器2の表面には
渦電流が発生し、渦電流発熱となり内槽容器2の内部に
貯蔵されている液体ヘリウムの蒸発量が増加する。この
ときの高周波電磁外乱による渦電流発熱Qは、内槽容器
2の電気抵抗値をR、インダクタンスをL、電磁外乱に
よる発生誘導電圧をeとすると、2πfL》Rの条件
で、 Q=i2R=[e/〔(2πf・L)2+R21/22R≒〔e/(2πf・L)〕2R. となり、内槽容器の電気抵抗値Rに比例する。冷凍機を
含むクローズドなシステムの実現には、走行時の発熱量
を上記渦電流発熱を含めて冷凍機の能力以下とする必要
があり、従来の超電導磁石装置では、内槽容器2の表面
に低電気抵抗層3を設けて内槽容器の電気抵抗値Rを低
減することにより高周波電磁外乱に起因する渦電流発熱
を低減している。
【0005】また、図36は、例えば特開平5−176
415号公報に記載された他の従来超電導磁石装置の要
部を示す一実施例の斜視図である。図において、1は超
電導コイル、2は内槽容器である。12はそれぞれ内槽
容器2の内外縁部を1ターンを構成するように施工され
た閉電流路であり超電導線よりなる。この超電導線は1
ターンを構成するように施工されているため、超電導状
態となった場合は完全反磁性の性質により外部からの変
動磁界に対してその侵入を妨げるように誘導電流が流
れ、変動磁界はシールドされる。この結果、内槽容器2
の表面に高周波電磁外乱に起因する渦電流発熱が低減さ
れる。
【0006】また、図37は、上記同公報に記載された
他の実施例の要部を示す斜視図である。図において、1
は超電導コイル、2は内槽容器である。14は超電導メ
ッシュ回路であり、超電導線材を絶縁しない状態で超電
導線材を異方向にならべ、線材間の接続抵抗を減少させ
てメッシュ状に形成したものである。この超電導メッシ
ュ回路を超電導状態として磁気シールド効果をもたせる
ことにより渦電流発熱の低減を図っている。
【0007】一方、超電導コイル1の励磁時および消磁
時には磁界変動が緩やかであり、このときの渦電流発熱
Qは、2πfL《Rの条件で、 Q=i2R=[e/〔(2πf・L)2+R21/22R≒e2/R となり、内槽容器の電気抵抗値Rに反比例する。冷凍機
を含むクローズドなシステムの実現には、励消磁時に消
費する液体ヘリウム量を上記渦電流発熱による消費量も
含めて冷凍機のガスヘリウム回収能力以下とする必要が
あり、上記図33の超電導磁石装置では、内槽容器2の
表面に部分的に低電気抵抗層3を実施しない高電気抵抗
部4を設けて、内槽容器2の表面の電気抵抗値Rを大き
くすることにより励消磁時の渦電流発熱を低減してい
る。また、上記図36の超電導磁石装置では、12の超
電導線による閉電流路に電気ヒータ13を設け、励消磁
時にはこの電気ヒータ13に通電して閉電流路12の一
部を常電導に転移させて電気抵抗値Rを大きくすること
により、励消磁時の渦電流発熱を低減している。また、
上記図37の超電導磁石装置では、超電導メッシュ回路
14を島(アイランド)状に施工して発生する渦電流ル
ープを小さくすることにより励消磁中の渦電流発熱を低
減している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の超電導磁石装置
は以上のような構成でそれぞれ渦電流発熱に対応するた
めの処置がなされているが、それぞれ次のような問題点
があった。特願平6−223338号を示す図33で
は、内槽容器2の表面に部分的に低電気抵抗層3を実施
していない高電気抵抗部4が存在するため、地上コイル
からの高周波電磁外乱より高電気抵抗部4に渦電流が発
生した場合、過大な渦電流発熱が発生する。また、図3
6の超電導磁石装置では、1ターンを構成するように超
電導線が施工されており、超電導線が超電導状態の場
合、内槽容器の電気抵抗値Rが非常に小さくなり励消磁
時の渦電流発熱は非常に大きくなる。このため、この超
電導磁石装置では電気ヒータ13を設けて、励消磁時に
は閉電流路12を常電導に転移させる必要があり、この
ときの電気ヒータ13の発熱により、励消磁時に消費す
る液体ヘリウムの損失が問題となる。また、図37の超
電導磁石装置では、高周波電磁外乱を磁気シールドする
ために超電導メッシュ14を施工しているが、超電導メ
ッシュ14により有効な磁気シールド効果を得るために
は、超電導線のメッシュ間隔を10mm以下程度とする
ことが推奨されているが、この場合施工する超電導メッ
シュ14に使用する超電導線が多大となり、重量が増大
する。また、図36や図37の超電導線を施工した超電
導磁石装置では、超電導線の施工を例えば半田付けで低
電気抵抗層の上に行っており、超電導線に磁気シールド
誘導電流が流れて、超電導コイルがつくる磁界との間に
電磁力が作用した場合、ヒートサイクルや加振力に対し
て長期的な信頼性に問題がある。また、車両走行時には
超電導磁石を固定している台枠8が0.5〜10Hz程
度の低周波で振動することが予想され、この低周波振動
に起因して内槽容器2の表面には振動振幅の2乗に比例
した大きな渦電流発熱が発生する。この低周波振動に起
因する渦電流は前述の高周波電磁外乱による渦電流とは
流路が異なるため従来の超電導磁石装置では、この低周
波振動に起因する渦電流発熱低減の有効な対策は実施で
きておらず、実際の走行時には冷凍機を含むクローズド
なシステムの実現が困難になるという問題点があった。
【0009】この発明は、上記のような問題点を解消す
るためになされたもので、車両走行時の高周波電磁外乱
に起因する渦電流発熱の低減、励消磁時の緩やかな変動
磁界に起因する渦電流発熱の低減、車両走行時の台枠の
低周波振動に起因する渦電流発熱の低減が可能な超電導
磁石装置を得ることを目的とする。また、超電導部材の
施工方法として、強固な機械的強度を有する固定を行う
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明に係る請求項1
の超電導磁石装置は、超電導線材をレーストラック状に
巻回してなる超電導コイルと、該超電導コイルを冷媒に
浸漬して収納し表面に低電気抵抗層を有し且つ表面の渦
電流の流路で一部低電気抵抗層が断絶され渦電流の高電
気抵抗部を形成してなる内槽容器と、該内槽容器を真空
断熱して収納する外槽容器とを備え、地上コイルと対向
して車体側に載置された超電導磁石装置において、低電
気抵抗層部には第1の超電導部材を付設し、高電気抵抗
部には低電気抵抗層間を電気的に短絡する第2の超電導
部材を設けたものである。
【0011】また、この発明に係る請求項2の超電導磁
石装置は、請求項1において、内槽容器を超電導コイル
巻回部が多角形の断面形状をなし、第1の超電導部材ま
たは第2の超電導部材または第1と第2の超電導部材を
多角形の角部近傍に沿って付設したものである。
【0012】また、この発明に係る請求項3の超電導磁
石装置は、請求項1において、第1の超電導部材または
第2の超電導部材または第1と第2の超電導部材を内槽
容器に誘導される渦電流が集中する箇所に沿って付設し
たものである。
【0013】また、この発明に係る請求項4の超電導磁
石装置は、請求項1〜3のいずれかにおいて、第1の超
電導部材を内槽容器がなすレーストラック状の面にはし
ご状に付設したものである。
【0014】また、この発明に係る請求項5の超電導磁
石装置は、請求項1〜4のいずれかにおいて、第1の超
電導部材を内槽容器の荷重支持部の周囲に閉ループを形
成して付設したものである。
【0015】また、この発明に係る請求項6の超電導磁
石装置は、請求項1〜5のいずれかにおいて、第1の超
電導部材を浮上走行時地上側の下側浮上コイルに対向す
る箇所に閉ループを形成して付設したものである。
【0016】また、この発明に係る請求項7の超電導磁
石装置は、請求項1において、第1および第2の超電導
部材が地上コイルからの外部変動磁界により内槽容器に
誘導される渦電流の最大値でクエンチしないようにした
ものである。
【0017】また、この発明に係る請求項8の超電導磁
石装置は、請求項1において、第1および第2の超電導
部材を、地上側の浮上コイルの中心位置に対向する超電
導コイルの浮上走行時の位置より下側に付設されたもの
の合計の電流容量が上側に付設されたものの合計の電流
容量より大きくしてあるものである。
【0018】また、この発明に係る請求項9の超電導磁
石装置は、請求項1において、第2の超電導部材を第1
の超電導部材よりクエンチ時の発生抵抗が大きくしてあ
るものである。
【0019】また、この発明に係る請求項10の超電導
磁石装置は、請求項1において、第1の超電導部材なら
びに第2の超電導部材の両端を内槽容器表面と低電気抵
抗層間に付設したものである。
【0020】また、この発明に係る請求項11の超電導
磁石装置は、請求項1において、第2の超電導部材を内
槽容器表面間に、地上コイル側には高熱伝導物を、反地
上コイル側には熱絶縁物を介しているものである。
【0021】また、この発明に係る請求項12の超電導
磁石装置は、請求項1において、高電気抵抗部が中間に
低電気抵抗層を有する分割高電気抵抗部でなり、第2の
超電導部材が中間の低電気抵抗層と接着しているもので
ある。
【0022】また、この発明に係る請求項13の超電導
磁石装置は、請求項1において、第2の超電導部材に励
消磁時に作動するヒータを付設したものである。
【0023】また、この発明に係る請求項14の超電導
磁石装置は、請求項1において、第2の超電導部材を覆
って高電気抵抗部に一端側が低電気抵抗層と電気的に接
続し他端側が低電気抵抗層と電気的に絶縁された低電気
抵抗板を設けたものである。
【0024】また、この発明に係る請求項15の超電導
磁石装置は、請求項14において、低電気抵抗板の表面
に第3の超電導部材を付設したものである。
【0025】また、この発明に係る請求項16の超電導
磁石装置は、請求項1〜15のいずれかにおいて、内槽
容器に接続される配管表面に低電気抵抗層を設けたもの
である。
【0026】また、この発明に係る請求項17の超電導
磁石装置は、請求項16において、配管表面の低電気抵
抗層に第4の超電導部材を付設したものである。
【0027】
【作用】この発明の請求項1における超電導磁石装置
は、第1及び第2の超電導部材が超電導状態となり、完
全反磁性の性質により外部からの変動磁界に対してその
侵入を妨げるように誘導電流が流れるため、内槽容器表
面へ鎖交する磁束はシールドされ渦電流発熱が低減す
る。なお、超電導部材に流れる誘導電流は電気抵抗がゼ
ロとなることからこれによる発熱が極微となる。
【0028】また、請求項2における超電導磁石装置
は、内槽容器の多角形の断面形状の角部に沿って第1の
超電導部材または第2の超電導部材または第1と第2の
超電導部材を付設したことにより、角部近傍の渦電流密
度が高い箇所が効果的に磁気シールドされる。
【0029】また、この発明に係る請求項3の超電導磁
石装置は、内槽容器に誘導される渦電流が集中する箇所
に沿って、第1の超電導部材または第2の超電導部材ま
たは第1と第2の超電導部材を付設したことにより、渦
電流密度が高い箇所が効果的に磁気シールドされる。
【0030】また、請求項4における超電導磁石装置
は、レーストラック状の面に第1の超電導部材をはしご
状に付設したことにより、少量の部材で磁気シールドが
効果的に細分化される。
【0031】また、請求項5における超電導磁石装置
は、内槽容器の荷重支持部の周囲に第1の超電導部材で
閉ループを形成したことにより、渦電流密度の高い荷重
支持部近傍が効果的に磁気シールドされる。
【0032】また、請求項6における超電導磁石装置
は、地上側の下側コイルに対向する箇所に第1の超電導
部材で閉ループを形成したことにより、内槽容器のレー
ストラック部に介在する電磁力サポート部の渦電流密度
が高い箇所が効果的に磁気シールドされる。
【0033】また、請求項7における超電導磁石装置
は、第1および第2の超電導部材は地上コイルからの外
部変動磁界によって流れる渦電流の総量に対しクエンチ
しない電流容量を有しているので、超電導状態を維持し
て磁気シールド作用により渦電流が低減され発熱が少な
くなる。
【0034】また、請求項8における超電導磁石装置
は、コイル中心より下側に付設する超電導部材の電流容
量を上側に付設する超電導部材の電流容量より大きくし
ていることにより、台枠の低周波振動により主として下
側に大きく渦電流が発生した場合でも超電導部材はクエ
ンチしない。
【0035】また、請求項9における超電導磁石装置
は、第2の超電導部材は第1の超電導部材よりクエンチ
時の発生抵抗を大きくしていることにより、励消磁時に
超電導部材がクエンチした場合、高電気抵抗部の第2の
超電導部材は発熱量が第1の超電導部材より大きくクエ
ンチ状態を維持できると共に、渦電流回路の高抵抗を確
保できる。
【0036】また、請求項10における超電導磁石装置
は、第1の超電導部材ならびに第2の超電導部材の端部
が内槽容器表面と低電気抵抗層間で固定されたことによ
り超電導部材と内槽容器表面が接触し超電導部材の冷却
効率が向上するとともに接着強度が向上する。
【0037】また、請求項11における超電導磁石装置
は、地上コイル側において、第2の超電導部材と内槽容
器表面間の高熱伝導物が冷却効率を向上させ超電導部材
の耐クエンチ性を向上させる。また、反地上コイル側に
おいて、第2の超電導部材と内槽容器表面間の熱絶縁物
が断熱性を向上させるため励消磁時に超電導部材が一旦
クエンチすればクエンチ状態が維持でき、励消磁時の渦
電流発熱を低減する。
【0038】また、請求項12における超電導磁石装置
は、第2の超電導部材が分割高電気抵抗部の低電気抵抗
層と接着していることにより、第2の超電導部材の冷却
効率を向上させることが可能となる。
【0039】また、請求項13における超電導磁石装置
は、第2の超電導部材にヒータ線を付設したことによ
り、励消磁時ヒータの作動で第2の超電導部材を適時ク
エンチさせることが可能となる。
【0040】また、請求項14における超電導磁石装置
は、高電気抵抗部と短絡することなしに第2の超電導部
材を低電気抵抗板で覆うことにより、励消磁時における
高電気抵抗部にその機能を維持させかつ、高電気抵抗部
に直接到達する高周波変動磁界を磁気シールドすること
が可能となる。
【0041】また、請求項15における超電導磁石装置
は、低電気抵抗板の表面に第3の超電導部材を付設した
ことにより、低電気抵抗板に鎖交する磁界をシールドす
ることが可能となる。
【0042】また、請求項16における超電導磁石装置
は、内槽容器に接続される配管表面に低電気抵抗層を設
けたことにより、配管の電気抵抗値を低減し渦電流発熱
を減少させる。
【0043】また、請求項17における超電導磁石装置
は、配管表面の低電気抵抗層に第4の超電導部材を付設
したことにより、配管の渦電流発熱の低減が強化され
る。
【0044】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の実施例1を図について説明
する。図1はこの発明の超電導磁石装置の要部を示す斜
視図である。図において、2〜4は従来と同様でありそ
の説明は省略する。2aは内槽容器2のこの場合矩形断
面でなるレーストラック部、2bは内槽容器2の電磁力
サポート部、2cは電磁力サポート部2bに設けられた
荷重支持部を示す。15は内槽容器2の低電気抵抗層3
表面に付設された第1の超電導部材のここでは超電導線
で、15aは矩形断面のレーストラック部2aの角部近
傍に沿って付設された超電導線、15bはレーストラッ
ク部2aにはしご状に付設された超電導線、15cは荷
重支持部2cフランジ周囲に付設された超電導線、15
dは浮上走行時に下側浮上案内コイルに対向する箇所に
閉ループを作するように付設された超電導線である。1
6は内槽容器2の高電気抵抗部4に付設した第2の超電
導部材のここでは超電導線で、後述するように第1の超
電導線より発生抵抗が大きい材料を使用している。
【0045】ここで、この発明における構成の動作を説
明するにあたり、従来の構成での車両走行時に内槽容器
2表面に発生する渦電流が大きいと考えられる条件につ
いて、渦電流分布の解析結果を図2〜図10に示す。図
2〜図4は浮上走行時の浮上案内コイル10からの高周
波電磁外乱が内槽容器2の表面に印加された場合の渦電
流分布、図5〜図7は浮上走行時の推進コイル11から
の高調波電磁外乱が印加された場合の渦電流分布、図8
〜図10は浮上走行時の台枠8の低周波振動時の渦電流
分布である。なお、図2,図5,図8は各条件における
正面側の渦電流分布をベクトル表示したもので、それぞ
れ(A)に電流路を(B)に電流密度分布を示してい
る。図3,図6,図9は地上コイル側および台枠側の下
側直線部の内槽容器レーストラック断面の渦電流分布を
表示したもので、それぞれ(A)と(B)でその分布状
態を示している。図4,図7,図10は内槽容器側面の
外周面および内周面の渦電流密度分布を表示したもの
で、それぞれ(A)と(B)でその分布状態を示したも
のである。この解析結果に基づいてそれぞれ渦電流が集
中している部位に対応して渦電流低減処置をするもので
あり、超電導線の付設箇所が選定されていて重量増加が
抑制されている。
【0046】図1に示す超電導磁石装置では、図2〜図
10の車両走行時の各条件での渦電流解析結果におい
て、渦電流が集中する内槽容器2表面に第1の超電導線
15および第2の超電導線16が付設されている。内槽
容器2表面は冷媒により極低温に冷却されており、内槽
容器2表面に付設されたそれぞれの超電導線は超電導状
態となる。このため、外部からの変動磁界に対してその
侵入を妨げるように誘導電流が誘起され、付設箇所での
変動磁界のシールドが可能となり、車両走行時の渦電流
発熱を低減することができる。超電導状態であるのでそ
れぞれの超電導線に上記磁気シールド誘導電流が流れる
ことにより、超電導線自身にジュール発熱が発生するこ
ともない。
【0047】また、第1の超電導線15aが矩形断面内
槽容器2のレーストラック部2aの角部近傍の長手方向
すなわちレーストラックの周回方向に沿って付設されて
いるので、図2,図5の解析結果に対応して矩形断面の
角部近傍に集中して流れる渦電流に対し有効に磁気シー
ルドしている。なお、内槽容器2の電磁力サポート部2
bに対しても断面角部近傍に超電導線を、さらに荷重支
持部2cの周囲にも超電導線を付設してあるが、これも
同様の効果があることはいうまでもない。
【0048】さらに、レーストラック部にはしご状に付
設された第1の超電導線は外部の変動磁界に対して少量
の部材で磁気シールドが細分化して効果的に達成でき渦
電流発熱を低減できる。
【0049】次に、内槽容器2の低電気抵抗層3部に付
設した第1の超電導線15および高電気抵抗部4に付設
した第2の超電導線16に発生する渦電流解析結果の最
大値を、図2〜図10の条件時の場合について1例とし
てまとめると以下の表のようになる。 渦電流解析結果によるシールド超電導線に発生する電流の最大値の比較(表) (浮上系6次加振時(100Hz)の高電気抵抗部の電流値をIとする) 超電導線に発生する電流 高電気抵抗部(max) 低電気抵抗層部 浮上系6次加振時(100Hz) I 0.4I 推進系3次加振時(50Hz) 1.2I 0.7I 低周波振動時(2Hz) 25.4I 11.7I 発生する渦電流は、台枠8の低周波振動時が最も大きく
高電気抵抗部4で浮上系6次加振時の25.4倍となっ
ている。ここでは付設してある第1および第2の超電導
線がクエンチする電流容量の下限値I0をI0>I+1.
2I+25.4Iと規定してあるので、いずれの現象が
同時に起こった場合でもクエンチせず、超電導線により
渦電流発熱が低減できる。
【0050】また、図8の台枠8の低周波振動時の渦電
流分布ベクトル図をみると、超電導コイル1中心より下
方に発生する渦電流は、超電導コイル上方に発生する渦
電流より大きくなっている。これより超電導コイル1中
心より下方に付設する第1および第2の超電導線15,
16の電流容量を、例えば付設する本線を増加する等の
手段により、超電導コイル1中心より上方に付設する超
電導線より大きくしておくことにより、台枠8の低周波
振動時における上下の渦電流のアンバランスが発生した
場合でも超電導線のクエンチの発生を防ぐことができ、
超電導線による渦電流発熱の低減が可能となる。なお、
地上コイル配置の変更や車両運動モードの変化等によ
り、渦電流分布が変化した場合には、発生する渦電流分
布に応じて電流密度の高いところに電流容量の大きな超
電導線を配置してやればよい。
【0051】また、内槽容器2の低電気抵抗層3に付設
する第1の超電導線15を例えばCu−NbTiとし、
高電気抵抗部4に付設する第2の超電導線16をCu−
NbTiよりクエンチ時の発生抵抗が大きい例えばCu
Ni−NbTiとしているので、励消磁時等に、これら
の超電導線がクエンチした場合、高電気抵抗部4の発生
抵抗は低電気抵抗層3部の発生抵抗より大きくなる。こ
れより、励消磁時に高電気抵抗部4の第2の超電導線1
6がクエンチした場合、高電気抵抗部4の第2の超電導
線16は発熱量が大きいため超電導状態に復帰しにく
く、内槽容器2表面の電気抵抗を高抵抗として維持でき
るため励消磁時の渦電流発熱を低減できる。
【0052】実施例2.なお、実施例1では浮上走行時
に下側浮上案内コイル10に対向する箇所に閉ループを
作するように第1の超電導線15dを付設したものを示
したが、図8の渦電流解析結果から、台枠8の低周波振
動に起因する渦電流が電磁力サポート2bにも発生して
いることから、この第1の超電導線15dを電磁力サポ
ート2b表面部も含め付設し閉ループを形成(図示はな
い)することにより、電磁力サポート2bに発生する渦
電流発熱を低減することが可能である。
【0053】実施例3.また、実施例1では内槽容器2
のレーストラック部2aの低電気抵抗層3に第1の超電
導線15bをはしご状に付設したものを示したが、実施
例3として図11に示すようにはしご状をさらに細分化
する15eを設けることにより、内槽容器2のレースト
ラック部2aに発生する渦電流発熱をさらに低減でき
る。
【0054】実施例4.また、実施例1では内槽容器2
の電磁力サポート部2bの荷重支持部2cの周囲に第1
の超電導線15cが一重巻きのものを示したが、これを
平面上に巻き数を増加すれば、荷重支持部に発生する渦
電流発熱をさらに低減できる。
【0055】実施例5.また、実施例1では第1の超電
導線15を内槽容器2の正面側に付設したものを示した
が、図3,図6,図9の渦電流分布図の比較的電流密度
の高い箇所、即ち実施例5として図12に示すように側
面部にも第1の超電導線15fを付設したものである。
なお、図13は第1の超電導線15gを正面側と同様配
置で付設したものであり、側面部で発生する渦電流発熱
の低減が可能となる。
【0056】実施例6.また、実施例1では第2の超電
導線16を高電気抵抗部4面の上、下縁の近傍に付設し
たものを示したが、実施例6として図14に示すように
高電気抵抗部4の面に均等配置で付設したものである。
励消磁は上記従来技術で説明のとおり発生する渦電流は
内槽容器2の電気抵抗値Rに制限される(レジスタンス
リミット)領域であり、この場合は発生する渦電流は電
気抵抗値が一定であれば内槽容器2表面を均等に流れ
る。この渦電流による発熱を効果的に低減することが可
能である。さらに、渦電流解析の結果、台枠8の低周波
振動時に発生する渦電流についても一部レジスタンスリ
ミット領域であるため、均等に超電導線を付設すること
により、このレジスタンスリミット領域の渦電流に起因
する発熱を低減することができる。
【0057】実施例7.図15,図16は、この発明の
実施例7の要部を示す斜視図である。内槽容器2の高電
気抵抗部4に施工した第2の超電導線16の固定方法と
して、まず内槽容器2の表面に第2の超電導線16を施
工した後に低電気抵抗層3を処理したものである。図1
5は、高電気抵抗部4に施工する第2の超電導線16と
して角線を内槽容器表面端部に施工した場合の1例を示
したものであり、図16は、丸線を内槽容器表面に均等
に施工した場合の1例を示したものである。図17は図
15の線XVII−XVIIに沿った断面図である。図
18は図16の線XVIII−XVIIIに沿った断面
図である。
【0058】低電気抵抗材料は一般に熱伝導度がよく、
第1の超電導線16の上から低電気抵抗層3を実施する
ことにより、超電導線16の冷却効果が向上し、冷却不
足による超電導線の耐クエンチ性の低下を防止すること
ができる。また、超電導線16の上から低電気抵抗層3
を実施するので、低電気抵抗層3の上から超電導線16
を施工する場合に比べて、超電導線の接着強度を確保で
きる。本実施例は、高電気抵抗部4に施工する超電導線
16の場合であるが、低電気抵抗層部3に施工する第1
の超電導線の固定にも適応できることは言うまでもな
い。
【0059】実施例8.図19,図20は、この発明の
実施例8の要部を示す斜視図である。図19は高電気抵
抗部4に施工する第2の超電導線16として角線を内槽
容器表面端部に施工した場合の1例を示したものであ
り、図20は、丸線を内槽容器表面に均等に施工した場
合の1例を示したものである。図21は図19の線XX
I−XXIに沿った断面図である。図22は図20の線
XXII−XXIIに沿った断面図である。
【0060】本実施例では、高電気抵抗部4に施工する
第2の超電導線16の施工において、軌道側(地上コイ
ル側)の超電導材料は例えばハンダなどの高熱伝導物1
7を介して内槽容器2表面に施工している。これより、
地上コイルからの電磁外乱を多く受ける軌道側に施工し
た超電導線は、冷却効率が向上するため超電導線の耐ク
エンチ性が向上するため、超電導材料による磁気シール
ド効果が向上する。超電導線がクエンチした場合でも、
高熱伝導物17を介して発熱を放散することにより超電
導状態に復帰しやすくしている。
【0061】一方、台枠側の超電導材料は例えばFRP
などの熱絶縁物18を介して内槽容器2の表面に施工し
ている。これより、地上コイルからの電磁外乱が比較的
少ない台枠側の超電導線は、励消磁時に一旦クエンチす
ると、クエンチによる発熱が放散されずにクエンチ状態
を持続でき、励消磁時の渦電流発熱が低減できる。クエ
ンチの誘発は、ヒータの設置あるいは施工する超電導線
の電流容量の設定によって可能である。本実施例では施
工した超電導線は一旦クエンチすればクエンチが持続す
るため、たとえば、ヒータ投入で超電導線を一旦クエン
チさせれば後はヒータの必要がなく、ヒータを投入し続
けるすることによる励消磁時の消費液体ヘリウム量を低
く抑えられる。
【0062】実施例9.図23,図24は、この発明の
他の実施例の要部を示す斜視図である。図23は、高電
気抵抗部4に施工する第2の超電導線16として角線を
内槽容器表面端部に施工した場合の1例を示したもので
あり、図24は、丸線を内槽容器表面に均等に施工した
場合の1例を示したものである。
【0063】本実施例では、高電気抵抗部4を分割した
幅の合計(a+b)が必要とする高電気抵抗部の長さと
等しくなるように2つの高電気抵抗部4a,4bに分割
し、分割した高電気抵抗部の間に低電気抵抗層3bを設
けたものである。高電気抵抗部4a,4bに施工する第
2の超電導線16は低電気抵抗層3a,3b,3cにお
いて接着されている。
【0064】各高電気抵抗幅の合計が必要とする高電気
抵抗部の長さと等しくなるように分割されているので、
分割した高電気抵抗部全体の電気抵抗は等しく、高電気
抵抗部としての機能が持続でき、励消磁時の緩やかな変
動磁界に起因する渦電流発熱の低減は本実施例において
も可能である。
【0065】高電気抵抗部4に施工する第2の超電導線
16は、極低温に冷却された低電気抵抗層3a,3b,
3cの表面と接触しているため、第2の超電導線4の冷
却効果が向上し、冷却不足による第2の超電導線4の耐
クエンチ性の低下を防止できると共に第2の超電導線4
の剛性が向上し耐クエンチ性が向上する。
【0066】また、本実施例においては、実施例8にお
ける高熱伝導物17の機能を低電気抵抗層3bが兼ねて
いるため、台枠側の超電導線を熱絶縁物を介して固定す
ることにより、本実施例は実施例8と同様の効果を得る
ことができる。
【0067】実施例10.図25,図26は、この発明
の実施例10の要部を示す斜視図である。高電気抵抗部
4に施工された第2の超電導線16にヒータ線19が施
工されている。このため、ヒータ線に通電し発熱させる
ことで第2の超電導線16をクエンチさせることができ
る。ヒータにより第2の超電導線16をクエンチさせる
ことによりスリット部が高電気抵抗として機能すること
ができ、励消磁時の緩やかな変動磁界に起因する渦電流
発熱の低減が可能である。
【0068】また、第2の超電導線16の固定に際して
熱絶縁物18を介すると、第2の超電導線16がクエン
チした場合の発熱が内槽容器表面に放散せずクエンチ状
態を維持できるため、ヒータ線に通電し続ける必要がな
く、ヒータ線の発熱による冷媒の消費量を低減すること
ができる。
【0069】図25は各第2の超電導線16施工箇所ご
とにヒータ線19を施工した実施例、図26はいくつか
の第2の超電導線16にヒータ線を直列に施工した実施
例であり、直列に施工することにより外部からの通電電
流配線の低減も可能である。
【0070】実施例11.図27はこの発明の実施例1
1の要部を示す斜視図、図28,図29はそれぞれ図2
7における線XXVIII−XXVIII,線XXIX
−XXIXに沿った断面図である。高電気抵抗部4に施
工された第2の超電導線16の上から低電気抵抗層3の
断絶部に対して電気的片持ちとなるように低電気抵抗板
20が施工されているため、高電気抵抗部4は電気的に
短絡されることはなく、高電気抵抗の機能を維持でき、
励消磁時の渦電流発熱の低減が可能である。また、高電
気抵抗部4に直達する外部変動磁界は低電気抵抗板20
により磁気シールドすることが可能であり、直達磁界に
起因する渦電流発熱の低減を低減することが可能であ
る。本実施例では低電気抵抗板20は、はちまき状に施
工された高電気抵抗部4を、軌道側、台枠側、内周側、
外周側いずれの面にも施工したことを示しているが、発
熱低減効果の大きい箇所のみに施工することも可能であ
る。
【0071】実施例12.実施例11では高電気抵抗部
4に付設された第2の超電導線16を低電気抵抗板20
で覆ったものを示したが、実施例12として実施例11
の断面図と同等部を図30,図31で示すように、低電
気抵抗板20の表面に第3の超電導部材のここでは超電
導線21を付設し、実施例11の効果に加えて、低電気
抵抗板20に鎖交する変動磁界を第3の超電導線21に
より磁気シールドすることにより、渦電流発熱をさらに
低減することができる。
【0072】実施例13.図32は、この発明の実施例
13における超電導磁石装置の要部を示す斜視図であ
る。図中で図1と同一符号は同等品を示す。2dは内槽
容器2に接続されている冷媒ガス回収配管で表面にはメ
ッキ等の低電気抵抗層を有している。22は配管2dの
表面に付設されている第4の超電導部材のここでは超電
導線である。このため、内槽容器の接続配管2d部で発
生する渦電流発熱に対してもその低減が可能である。
【0073】以上の実施例では、内槽容器の超電導コイ
ル巻回部の断面形状が矩形の場合について説明したが、
例えば三角形、菱形などの四角形、六角形、または矩形
の角部をカットした八角形などの多角形の場合において
も、超電導部材を内槽容器に誘導される渦電流が集中す
る多角形の角部近傍に沿って付設することにより、矩形
の角部近傍に沿って付設したのと同様に渦電流発熱を低
減することができる。
【0074】さらに、多角形以外の例えば楕円形、レー
ストラックの周形、または矩形の角部を曲線でカットし
た形状など断面形状の外周が曲線や直線で構成される場
合においても、超電導部材を内槽容器に誘導される渦電
流が集中する箇所に沿って付設することにより、同様に
渦電流発熱を低減することができる。
【0075】
【発明の効果】以上のように、この発明の請求項1によ
れば、超電導線材をレーストラック状に巻回してなる超
電導コイルと、該超電導コイルを冷媒に浸漬して収納し
表面に低電気抵抗層を有し且つ表面の渦電流の流路で一
部低電気抵抗層が断絶され渦電流の高電気抵抗部を形成
してなる内槽容器と、該内槽容器を真空断熱して収納す
る外槽容器とを備え、地上コイルと対向して車体側に載
置された超電導磁石装置において、低電気抵抗層部には
第1の超電導部材を付設し、高電気抵抗部には低電気抵
抗層間を電気的に短絡する第2の超電導部材を設けたの
で、内槽容器表面へ鎖交する磁束は超電導部材によって
磁気シールドすることが可能となり渦電流発熱が低減で
きる超電導磁石装置が得られる効果がある。
【0076】また、この発明の請求項2によれば、内槽
容器を多角形の断面形状とし、第1の超電導部材または
第2の超電導部材または第1と第2の超電導部材を多角
形の角部近傍に沿って付設したので、角部近傍の渦電流
密度が高い箇所が効果的に磁気シールドされ渦電流発熱
が低減できる。
【0077】また、この発明の請求項3によれば、内槽
容器に誘導される渦電流が集中する箇所に沿って第1の
超電導部材または第2の超電導部材または第1と第2の
超電導部材を付設したので、渦電流密度が高い箇所が効
果的に磁気シールドされ、渦電流発熱が低減できる。
【0078】また、この発明の請求項4によれば、第1
の超電導部材を内槽容器がなすレーストラック状の面に
はしご状に付設したので、少量の部材で磁気シールドが
効果的に細分化され渦電流発熱が低減できる。
【0079】また、この発明の請求項5によれば、第1
の超電導部材を内槽容器の荷重支持部の周囲に閉ループ
を形成して付設したので、渦電流密度の高い荷重支持部
近傍が効果的に磁気シールドされ渦電流発熱が低減でき
る。
【0080】また、この発明の請求項6によれば、第1の
超電導部材を浮上走行時地上側の下側浮上コイルに対向
する箇所に閉ループを形成して付設したので、内槽容器
のレーストラック部に介在する電磁力サポート部の渦電
流密度が高い箇所が効果的に磁気シールドされ渦電流発
熱が低減できる。
【0081】また、この発明の請求項7によれば、第1
および第2の超電導部材が地上コイルからの外部変動磁
界により内槽容器に誘導される渦電流によりクエンチし
ないので、超電導状態を維持して磁気シールドによる発
熱がなく渦電流発熱を低減できる。
【0082】また、この発明の請求項8によれば、第1
および第2の超電導部材を、地上側の浮上コイルの中心
位置に対向する超電導コイルの浮上走行時の位置より下
側に付設されたものの合計の電流容量が上側に付設され
たものの合計の電流容量より大きくしたので、台枠の低
周波振動により渦電流が発生した場合でも超電導部材は
クエンチすることなく、超電導部材による渦電流発熱の
低減ができる。
【0083】また、この発明の請求項9によれば、第2
の超電導部材は第1の超電導部材よりクエンチ時の発生
抵抗が大きいので、励消磁時に超電導部材がクエンチし
た場合、第2の超電導部材は発熱量が大きくクエンチ状
態を維持し励消磁時の渦電流発熱の低減ができる。
【0084】また、この発明の請求項10によれば、第
1の超電導部材ならびに第2の超電導部材の両端を内槽
容器表面と低電気抵抗層間に付設したので、超電導部材
の冷却効率が向上するとともに電磁外乱印加時の超電導
線の機械的強度を向上させる。
【0085】また、この発明の請求項11によれば、第
2の超電導部材を内槽容器表面間に、地上コイル側には
高熱伝導物を、反地上コイル側には熱絶縁物を介してい
るので、地上コイル側では第2の超電導部材の耐クエン
チ性を向上させ、反地上コイル側ではクエンチした状態
を維持し励消磁時の渦電流発熱を低減できる。
【0086】また、この発明の請求項12によれば、高
電気抵抗部が中間に低電気抵抗層を有する分割高電気抵
抗部でなり、第2の超電導部材が中間の低電気抵抗層と
接着しているので、第2の超電導部材の冷却効率を向上
させ冷却不足による第2の超電導部材の耐クエンチ性の
低下を防止できると共に第2超電導部材の機械的剛性が
向上する。
【0087】また、この発明の請求項13によれば、第
2の超電導部材にヒータを付設したので、励消磁時にヒ
ータを作動させ第2の超電導部材をクエンチさせること
により高電気抵抗部が高電気抵抗として機能することが
でき、励消磁時の緩やかな変動磁界に起因する渦電流発
熱の低減が可能である。
【0088】また、この発明の請求項14によれば、第
2の超電導部材を覆って高電気抵抗部に一端側が低電気
抵抗層と電気的に接続し他端側が低電気抵抗層と電気的
に絶縁された低電気抵抗板を設けたので、励消磁時にお
ける高電気抵抗部にその機能を維持させ、かつ高電気抵
抗部に直接到達する変動磁界を磁気シールドすることが
でき、直達磁界に起因する渦電流発熱を低減できる。
【0089】また、この発明の請求項15によれば、低
電気抵抗板の表面に第3の超電導部材を付設したので、
低電気抵抗板に鎖交する磁界をシールドすることができ
変動磁界に起因する渦電流発熱がさらに低減できる。
【0090】また、この発明の請求項16によれば、内
槽容器に接続される配管表面に低電気抵抗層を設けたの
で、配管の電気抵抗値を低減し渦電流発熱を減少させ
る。
【0091】また、この発明の請求項17によれば、配
管表面の低電気抵抗層に第4の超電導部材を付設したの
で、配管の渦電流発熱の低減が強化される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例1における超電導磁石装置
の要部構成を示す斜視図である。
【図2】 浮上案内コイルからの電磁外乱に起因する渦
電流密度分布を解析した説明図である。
【図3】 浮上案内コイルからの電磁外乱に起因する渦
電流密度分布を解析した説明図である。
【図4】 浮上案内コイルからの電磁外乱に起因する渦
電流密度分布を解析した説明図である。
【図5】 推進コイルからの電磁外乱に起因する渦電流
密度分布を解析した説明図である。
【図6】 推進コイルからの電磁外乱に起因する渦電流
密度分布を解析した説明図である。
【図7】 推進コイルからの電磁外乱に起因する渦電流
密度分布を解析した説明図である。
【図8】 台枠の低周波振動に起因する渦電流密度分布
を解析した説明図である。
【図9】 台枠の低周波振動に起因する渦電流密度分布
を解析した説明図である。
【図10】 台枠の低周波振動に起因する渦電流密度分
布を解析した説明図である。
【図11】 この発明の実施例3における超電導磁石装
置の要部構成を示す斜視図である。
【図12】 この発明の実施例5における超電導磁石装
置の要部構成を示す斜視図である。
【図13】 この発明の実施例5における超電導磁石装
置の要部構成を示す斜視図である。
【図14】 この発明の実施例6における超電導磁石装
置の要部構成を示す斜視図である。
【図15】 この発明の実施例7における超電導磁石装
置の要部構成を示す部分斜視図である。
【図16】 この発明の実施例7における超電導磁石装
置の要部構成を示す部分斜視図である。
【図17】 図15における線XVII−XVIIに沿
った断面図である。
【図18】 図15における線XVIII−XVIII
に沿った断面図である。
【図19】 この発明の実施例8における超電導磁石装
置の要部構成を示す部分斜視図である。
【図20】 この発明の実施例8における他の超電導磁
石装置の要部構成を示す部分斜視図である。
【図21】 図19における線XXI−XXIに沿った
断面図である。
【図22】 図20における線XXII−XXIIに沿
った断面図である。
【図23】 この発明の実施例9における超電導磁石装
置の要部構成を示す部分斜視図である。
【図24】 この発明の実施例9における他の超電導磁
石装置の要部構成を示す部分斜視図である。
【図25】 この発明の実施例10における超電導磁石
装置の要部構成を示す部分斜視図である。
【図26】 この発明の実施例10における他の超電導
磁石装置の要部構成を示す部分斜視図である。
【図27】 この発明の実施例11における超電導磁石
装置の要部構成を示す斜視図である。
【図28】 図27における線XXVIII−XXVI
IIに沿った横断面図である。
【図29】 図27における線XXIX−XXIXに沿
った縦断面図である。
【図30】 この発明の実施例12における超電導磁石
装置の要部構成を示す横断面図である。
【図31】 この発明の実施例12における超電導磁石
装置の要部構成を示す縦断面図である。
【図32】 この発明の実施例13における超電導磁石
装置の要部構成を示す斜視図である。
【図33】 従来の超電導磁石装置の要部構成を示す部
分斜視図である。
【図34】 超電導磁石装置全体の概略構成を示す一部
断面斜視図である。
【図35】 超電導磁石装置が装着された超電導磁気浮
上車とその軌道の概略構成を示す断面図である。
【図36】 従来の他の超電導磁石装置の要部構成を示
す部分斜視図である。
【図37】 従来の他の超電導磁石装置の要部構成を示
す部分斜視図である。
【符号の説明】
1 超電導コイル、2 内槽容器、2a レーストラック
部、2b 電磁力サポート部、2c 荷重支持部、2d
配管、3 低電気抵抗層、4 高電気抵抗部(低電気抵抗
層の断絶部分)、6 外槽容器、8 台枠、10 浮上案内
コイル、 11 推進コイル、15 第1の超電導線(第1の超電導
部材)、 15a,15b,15c,15d 第1の超電導線、1
6 第2の超電導線(第2の超電導部材)、17 高熱伝
導物、18 熱絶縁物、19 ヒータ線、20 低電気抵
抗板、21 第3の超電導線(第3の超電導部材)、22
第4の超電導線(第4の超電導部材)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 地蔵 吉洋 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電 機株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 五味 武志 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電 機株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 守田 正夫 尼崎市塚口本町八丁目1番1号 三菱電 機株式会社中央研究所内 (72)発明者 妹尾 和威 尼崎市塚口本町八丁目1番1号 三菱電 機株式会社中央研究所内 (72)発明者 米谷 晴之 尼崎市塚口本町八丁目1番1号 三菱電 機株式会社中央研究所内 (72)発明者 寺井 元昭 名古屋市中村区名駅一丁目1番4号 東 海旅客鉄道株式会社内 (72)発明者 忍 正壽 名古屋市中村区名駅一丁目1番4号 東 海旅客鉄道株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 6/00 ZAA H01F 27/32

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超電導線材をレーストラック状に巻回し
    てなる超電導コイルと、該超電導コイルを冷媒に浸漬し
    て収納し表面に低電気抵抗層を有し且つ上記表面の渦電
    流の流路で一部上記低電気抵抗層が断絶され上記渦電流
    の高電気抵抗部を形成してなる内槽容器と、該内槽容器
    を真空断熱して収納する外槽容器とを備え、地上コイル
    と対向して車体側に載置された超電導磁石装置におい
    て、 上記低電気抵抗層部には第1の超電導部材を付設し、上
    記高電気抵抗部には上記低電気抵抗層間を電気的に短絡
    する第2の超電導部材を設けたことを特徴とする超電導
    磁石装置。
  2. 【請求項2】 内槽容器を多角形の断面形状とし、第1
    の超電導部材または第2の超電導部材または第1と第2
    の超電導部材を上記多角形の角部近傍に沿って付設した
    ことを特徴とする請求項1に記載の超電導磁石装置。
  3. 【請求項3】 第1の超電導部材または第2の超電導部
    材または第1と第2の超電導部材を、内槽容器に誘導さ
    れる渦電流が集中する箇所に沿って付設したことを特徴
    とする請求項1に記載の超電導磁石装置。
  4. 【請求項4】 第1の超電導部材を内槽容器がなすレー
    ストラック状の面にはしご状に付設したことを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれかに記載の超電導磁石装置。
  5. 【請求項5】 第1の超電導部材を内槽容器の荷重支持
    部の周囲に閉ループを形成して付設したことを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれかに記載の超電導磁石装置。
  6. 【請求項6】 第1の超電導部材を浮上走行時地上側の
    下側浮上コイルに対向する箇所に閉ループを形成して付
    設したことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載
    の超電導磁石装置。
  7. 【請求項7】 第1および第2の超電導部材は地上コイ
    ルからの外部変動磁界により内槽容器に誘導される渦電
    流によりクエンチしないことを特徴とする請求項1に記
    載の超電導磁石装置。
  8. 【請求項8】 第1および第2の超電導部材は地上側の
    浮上コイルの中心位置に対向する超電導コイルの浮上走
    行時の位置より下側に付設されたものの合計の電流容量
    が上側に付設されたものの合計の電流容量より大きいこ
    とを特徴とする請求項1に記載の超電導磁石装置。
  9. 【請求項9】 第2の超電導部材を第1の超電導部材よ
    りクエンチ時の発生抵抗が大きいことを特徴とする請求
    項1に記載の超電導磁石装置。
  10. 【請求項10】 第1の超電導部材及び第2の超電導部
    材の両端を内槽容器表面と低電気抵抗層間に付設されて
    いることを特徴とする請求項1に記載の超電導磁石装
    置。
  11. 【請求項11】 第2の超電導部材を内槽容器表面間
    に、地上コイル側には高熱伝導物を反地上コイル側には
    熱絶縁物を介していることを特徴とする請求項1に記載
    の超電導磁石装置。
  12. 【請求項12】 高電気抵抗部が中間に低電気抵抗層を
    有する分割高電気抵抗部でなり、第2の超電導部材が上
    記中間の低電気抵抗層と接着していることを特徴とする
    請求項1に記載の超電導磁石装置。
  13. 【請求項13】 第2の超電導部材に励消磁時に作動す
    るヒータを付設したことを特徴とする請求項1に記載の
    超電導磁石装置。
  14. 【請求項14】 第2の超電導部材を覆って高電気抵抗
    部に一端側が低電気抵抗層と電気的に接続し他端側が低
    電気抵抗層と電気的に絶縁された低電気抵抗板を設けた
    ことを特徴とする請求項1に記載の超電導磁石装置。
  15. 【請求項15】 低電気抵抗板の表面に第3の超電導部
    材を付設したことを特徴とする請求項14に記載の超電
    導磁石装置。
  16. 【請求項16】 内槽容器に接続される配管表面に低電
    気抵抗層を設けたことを特徴とする請求項1〜15のい
    ずれかに記載の超電導磁石装置。
  17. 【請求項17】 配管表面の低電気抵抗層に第4の超電
    導部材を付設したことを特徴とする請求項16に記載の
    超電導磁石装置。
JP2662995A 1995-02-15 1995-02-15 超電導磁石装置 Expired - Lifetime JP3122709B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2662995A JP3122709B2 (ja) 1995-02-15 1995-02-15 超電導磁石装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2662995A JP3122709B2 (ja) 1995-02-15 1995-02-15 超電導磁石装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08222427A JPH08222427A (ja) 1996-08-30
JP3122709B2 true JP3122709B2 (ja) 2001-01-09

Family

ID=12198752

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2662995A Expired - Lifetime JP3122709B2 (ja) 1995-02-15 1995-02-15 超電導磁石装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3122709B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4895860B2 (ja) * 2007-02-23 2012-03-14 三菱電機株式会社 超電導磁石装置
CN115132445B (zh) * 2021-03-29 2024-02-06 中国航天科工飞航技术研究院(中国航天海鹰机电技术研究院) 用于动态超导磁体线圈的冷却骨架及动态超导磁体

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08222427A (ja) 1996-08-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2037267C (en) Superconducting magnetic levitated train, train system method of controlling the same, and superconducting coil for magnetic levitated train
KR100978593B1 (ko) 복합 코어 비선형 리액터 및 유도 수전 회로
JP3122709B2 (ja) 超電導磁石装置
CN111863373B (zh) 具有电磁保护部件的超导磁体
JP4599807B2 (ja) 超電導装置用電流リード
JP2001160516A (ja) 静止誘導電器
JP3144234B2 (ja) 超電導磁石装置
JP2505857B2 (ja) 可動磁石型多相リニアモ―タ
JP3732344B2 (ja) 磁気浮上列車用超電導磁石
JPH0521227A (ja) 超電導磁石
JPH05176415A (ja) 超電導磁石装置
JPH05275755A (ja) クライオスタット
JPS5826500Y2 (ja) 液冷却巻鉄心
JP2003274507A (ja) 誘導集電用コイル装置
JPH0748418B2 (ja) 超電導磁石
JP2693692B2 (ja) 超電導磁石
JP3122493B2 (ja) 超電導コイル装置
JPH0549112A (ja) 磁気浮上列車とその超電導電磁石並びに超電導電磁石用輻射シールドと超電導電磁石用外槽
JP3139925B2 (ja) 超電導磁石装置
JP3268047B2 (ja) 超電導磁石装置
JP3302757B2 (ja) 超電導磁石装置
JP3556444B2 (ja) 超電導磁石用電流リードの製造方法
JPH04354307A (ja) 超電導磁石
JPH06275873A (ja) 超電導磁石装置
JP3263764B2 (ja) 超電導磁石装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071020

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081020

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091020

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091020

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101020

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111020

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121020

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131020

Year of fee payment: 13

EXPY Cancellation because of completion of term