JPH0715291U - シート状物のスリッター - Google Patents

シート状物のスリッター

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JPH0715291U
JPH0715291U JP4402693U JP4402693U JPH0715291U JP H0715291 U JPH0715291 U JP H0715291U JP 4402693 U JP4402693 U JP 4402693U JP 4402693 U JP4402693 U JP 4402693U JP H0715291 U JPH0715291 U JP H0715291U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】上刃9の外周縁と、下刃8a、8bの外周縁と
の接触、押圧力が不安定化する欠点を解消したスリッタ
ーを提供すること。 【構成】回転軸2に所定間隔をおいて複数の環状の上刃
9を固定し、回転軸1に所定間隔を置き、かつ、その軸
方向に移動自在に複数の環状の下刃8a、8bを挿入す
る。そして、上刃9のそれぞれを、複数の環状の下刃8
a、8bで挟持すると共に、皿ばね5で所定の押圧力で
押圧する。また、下刃と下刃との間の回転軸1に、外周
に溝10aを有する位置決めリング10を挿入し、これ
を係合リング11で支持軸3の軸方向に移動することに
より、位置決めリング10を介して下刃8a、8bの傾
斜角度を調整する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、シート状物、特に電解コンデンサの電極箔として用いられるアルミ ニューム箔や、プリント回路材料として用いられる銅箔などの金属箔(以下、金 属箔シートと称する)を複数の条片に切断するシート状物のスリッターの改良に 関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、金属箔シートを複数の条片に切断するスリッターとしては、特公昭61 −4636号公報に開示されたスリッターが知られている。
【0003】 このスリッターは、図3に示すように、回転軸1に一定間隔をおいて固定され た片凌ぎ状の環状の薄刃7を、相対する回転軸2に固定された環状の厚刃4aの 軸方向へ押し当てて切断する所謂ゲーベル式スリッターや、図5に示すように、 相対する平行回転軸1、2のそれぞれに固定された環状の厚刃4bを互いに噛み 合せて切断する所謂ギャング式スリッターである。
【0004】 しかし、アルミニューム箔や銅箔のように延性が高く、加工歪みを生じ易い軟 質の金属箔シート21aを連続して多条の条片に切断する場合、図3のゲーベル 式スリッターでは、常に薄刃7の周側面7aが相対する厚刃4aの周側面4cに 押圧されているため、金属箔シートの切断面は剪断によるシャープで美しいもの が得られるが、その製品の切口は、図4のAのように変形する。また、切断され た製品の一方の側縁が薄刃7によって、厚刃4a間の隙間に押し込まれ、曲げ荷 重を受け、伸びるため、製品の切口は、図4のBにみられる波形(いわゆるフレ ア)を形成する。さらに切断された一方の側縁が伸び、他方の側縁よりも長くな るため、図4のCのようなキャンバーを生じる欠点がある。
【0005】 一方、図5に示したギャング式スリッターでは、ゲーベル式スリッターと異な り相対する厚刃間にわずかな噛み合い隙間Sがあるため、この隙間に金属箔シー トの端部が挟み込まれ易く、隙間方向への曲げ歪みを受けてシャープで美しい切 断面が得られないという欠点がある。
【0006】 これら両方式のスリッターの欠点を一挙に解消し、金属箔シートの両端部共に シャープで美しい切断面を得るスリッターとして、上記公報では、図6に示すよ うに、一対の回転軸1、2のそれぞれに、一対の環状の厚刃4dと薄刃6aとを 交互に配置すると共に、回転軸2の薄刃6aを相対する回転軸1の厚刃4dに対 して皿ばね5によって常に押圧するようにしたスリッターを提案している。この スリッターは、両方の回転軸の各回転刃間にスペーサー16が固定されており、 また、図7に示すように、切断された製品21aの送り出し側において、スリッ ターの回転軸1、2と平行に配置した一対の支持にそれぞれ軸方向に間隔をおい て複数のセパレータリング15を設け、このセパレータリングを各回転刃間に交 錯させると共に、各薄刃6aを皿ばね5で押圧する方向とは逆の方向に押圧する ものである。
【0007】 このスリッターは、上記ギャング式スリッターの欠点を改善したもので、ギャ ング式スリッターのように両凌ぎ刃でありながらゲーベル式スリッターのように 薄刃6aを厚刃4dに皿ばね5で押圧させているため、金属箔シートを切断して も両刃の隙間S間に製品が挟まれる心配がない。また、薄刃6aと厚刃4dの外 径が同一であって、両刃間に軸方向の段差がないため、切断された金属箔シート は、薄刃6aと厚刃4dとの間で常に一直線状となり、ゲーベル式スリッターの ようにフレアを生じることもない。また、薄刃6aがセパレータリング15によ って皿バネ5の押圧する方向とは逆の方向に押圧されているため、交錯開始位置 X以外の交錯領域においては厚刃4dと薄刃6aは接触せず、離された状態が保 たれる。そのため製品は交錯開始位置Xにおいてだけ切断されるため、切味は片 凌ぎ刃と同様にシャープになるというものである。
【0008】
【考案が解決しようとする課題】 しかしながら、このスリッターにおいても、厚刃4dの材質が超鋼であるに対 し、薄刃の材質には、通常、弾性変形し易いように例えば工具鋼のように厚刃よ りも柔らかい材質のものが用いられているため、また、図8に示すように、薄刃 6aは、常に皿ばね5によって硬質の厚刃4dに押圧され、かつセパレータリン グ15によって軸方向に歪めた状態で長時間運転されているため、その周側面が まるで厚刃4dに研磨されたような状態になり薄刃6aの外周面には摩耗による バリ状の突起物6cが発生するという欠点があった。一旦、この突起物6cが発 生すると、薄刃6a側の金属箔シート21aの切断面は、切子が残ったり、平滑 性のない粗面状のものとなるなど、品質の悪い金属箔シートしか得られないとい う問題がある。
【0009】 また、薄刃6aは、皿ばね5によって常に押圧され、かつ、セパレータリング 15によって皿ばねで押圧される方向とは逆方向に押圧されているため、高速で 運転すると皿ばね5が回転軸方向に振動する。そのため、交錯開始位置Xにおけ る厚刃の外周縁と薄刃の外周縁との接触、押圧力が不安定になる。厚刃と薄刃の 接触、押圧力が安定しないと、金属箔シートの切断面は変形、フレア及び、キャ ンバー等の欠点が生じる。
【0010】 本考案は、上記問題点に鑑みて成されたもので、厚刃の外周縁と薄刃の外周縁 との接触、押圧力が不安定化する問題を解消し、アルミニューム箔や、銅箔など の軟質金属箔からなるシート状物を複数の条片に連続して切断しても、その切断 面に変形、フレア、キャンバーなどの生じない品質の優れたシート状物を得るこ とのできるスリッターを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本考案の構成は、互いに平行に配置された一対の回 転軸と、該回転軸の一方の回転軸に所定間隔をおいて固定された複数の環状の上 刃と、前記回転軸の他方の回転軸に所定間隔を置き、かつ、その軸方向に移動自 在に配置された複数の環状の下刃とを備え、前記環状の上刃と前記環状の下刃と を互いに交錯せしめたシート状物のスリッターであって、 (イ)前記複数の環状の下刃は、前記複数の上刃のそれぞれを、その両側面か ら挟持すると共に、所定の押圧力で押圧する押圧手段を有する一対の下刃からな り、 (ロ)前記一対の下刃の下刃と下刃との間の回転軸には、外周に溝を有する位 置決めリングが回転軸の軸方向に移動自在に挿入されていると共に、前記一対の 下刃の外径よりも大なる位置には、前記一対の回転軸と平行に支持軸が設けられ 、前記位置決めリングと前記支持軸との間には、先端部が前記溝と係合し、基部 が前記支持軸の軸方向に移動することにより、前記位置決めリングを介して前記 一対の下刃の傾斜角度調整手段が設けられてなるシート状物のスリッターである 。
【0012】 この場合、前記上刃に対する前記下刃の傾斜角度は、0.05°〜0.3°に 設定されているのが好ましい。また、前記一対の下刃の下刃と下刃との間であっ て、かつ、前記位置決めリングと前記下刃との間には、前記シート状物の切断屑 を排除する手段が設けられているのが好ましい。なお、本考案でいう上刃と下刃 とは、それぞれの役割によって定めた呼称であり、上刃とは、回転軸の軸方向に 所定間隔で複数個固定されたもので、その上刃間及び刃厚でシート状物の切断幅 を決める役割を有するものをいい、下刃とは、回転軸の軸方向に複数個移動自在 に挿入された環状の薄刃で、相対する下刃の周側面に直接接触して圧接されるこ とにより、両刃の交錯点に供給されるシート状物を切断するものをいう。したが って、上刃と下刃の配設位置は、上下に配置された一対の回転軸に対し、いずれ の刃がいずれの回転軸に設けられていてもよい。また、上刃と下刃の材質は、公 知の如何なるものでも使用することができるが、上刃と下刃の側面は、一定の接 触角度(図1の接触角度θ1 、θ2 )を保ちながら下刃の周側面が上刃の周側面 に一定の押圧力で押圧されるのがシャープで美しい切断面を得られるから、上刃 と下刃の材質は、硬質で変形しにくいものが好ましく、具体的には工具鋼、高速 度鋼、超鋼、セラミックなどを用いるのが好ましい。この場合、両刃共に同材質 のものを用いた場合は、同一材質間でも硬度差ができるように選択するのがよい 。なお、上記材質のものを用いた場合、上刃の刃厚は、本考案の構成上、上刃の 刃厚に等しいシート状物が屑として廃棄されることから経済上、薄いものが好ま しいが、1.5〜2.5mmとするのが好ましい。これに対し、下刃の刃厚は、 狭い製品幅のシート状物を得る場合に備えるため、薄いものが好ましいが、下刃 の周側面を上刃の周側面に押圧したとき永久変形しない厚さであることが好まし い。
【0013】 位置決めリングの厚さは、上刃の刃厚よりわずかに薄く、かつ、位置決めリン グを挿入せしめる溝を設けられる厚さである。具体的な厚さは、下刃の外周径と 、シート状物の厚さ、スリット条件等によって異なるが、一対の下刃の周側面が リングに接触するように挟持したときに形成される、下刃周側面の上刃周側面に 対する接触角度(図1の接触角度θ1 、θ2 )が0.05°〜0.3°の範囲に 調整できる厚さにするのが好ましい。この厚さにすると上刃と下刃間に噛み合い 隙間がなくなるため、シャープで美しい切断面のシート状物を得ることができる 。
【0014】 下刃の角度調整手段としては、先端部が位置決めリングの溝と係合し、基部が 支持軸の軸方向に移動するものであれば、如何なるものでもよいが、例えば、支 持軸をネジ軸とし、このネジ軸に外径が上記溝と係合する係合リングを挿入する と共に、この係合リングを上記ネジ軸と螺合するメネジが設けられた一対のカラ ーで挟持する手段や、あるいは上記係合リングを油圧、空圧シリンダ等により支 持軸方向に移動する手段とすることができる。上記係合リングは、棒状部材であ ってもよいことは勿論である。この場合、上記係合リング等の係合部材は、他の 傾斜角度調整手段のものと独立して支持軸方向に移動できることが必要である。 位置決めリングと係合リング等の係合部材の材質としては、両者が接触したとき の摩耗量が小さいほど長時間運転しても傾斜角度が安定するから、硬質で変形し にくいものが好ましい。具体的には、上刃と下刃の材質と同様、位置決めリング の材質には工具鋼、高速度鋼、超鋼、セラミックなどを用い、係合リング等には 、工具鋼、高速度鋼などを用いるのが好ましい。この場合も両リング共に同材質 のものを用いた場合は、同一材質間でも硬度差ができるように選択する。
【0015】
【作用】
以上のように構成されたシート状物のスリッターは、シート状物の切断を継続 するにしたがって上刃に対する下刃の傾斜角度が不安定になると、その都度、回 転軸を停止し、下刃の傾斜角度調整手段を支持軸上で移動させ、位置決めリング を介して下刃の上刃に対する傾斜角度が適正な傾斜角度に調整される。
【0016】 したがって、スリッターは、常に最適の切断条件でシート状物を切断すること ができ、切断されたシート状物の切断面には、フレアやキャンバー等のないシャ ープで美しい切断面を有する製品が得られる。
【0017】
【実施例】
以下、本考案の内容をその一実施例を示す図面に基づいて具体的に説明する。 図1は、本考案に係るシート状物のスリッターの切断部の縦断面図、図2は、 図示しない引取装置で図の右方向に連続して引取られつつある金属箔シート21 を、複数の環状の上刃9と環状の下刃8a、8bとによって、金属箔シート21 aと屑21bとに切断している状態を示す概略断面図である。
【0018】 図において、回転軸1、2は、切断された金属シート21aを介して互いに、 平行に配置されており、それぞれの回転軸の少なくとも一方は、図示しない駆動 装置で積極回転されている。そして、それぞれの回転軸1、2には、複数の環状 の上刃9と、環状の下刃8a、8bとが一定の間隔をおいて固定されている。す なわち、回転軸2には、刃先の両側がシート状物表面に対してほぼ直角となるよ うに両凌ぎ状に凌がれた複数の上刃9の間に、リング状のスペーサー16が嵌挿 され、回転軸2の両端部に設けられた図示しないナットで締めつけられることに よって一体化されている。また、回転軸1には、刃先形状が上刃9と同様の両凌 ぎ刃である一対の環状の下刃8a、8bが上刃9を挟み込むように複数個一定間 隔で配置されている。これら上刃9と、下刃8a、8b間の噛合い深さH1とし ては、特に限定するものではないが、切断すべきシート状物の厚さが0.5mm 以下の場合は、0.2〜0.5mmの範囲内となるように両刃の外径、または回 転軸の軸間距離を適宜調節するのが好ましい。
【0019】 ところで本考案のスリッターは、一対の下刃8a、8bの間の回転軸1に、上 刃9の刃厚よりわずかに薄い厚さの溝付の位置決めリング10が、その内径を回 転軸1の外径よりもわずかに大きく形成されることによって、回転軸方向に移動 自在に挿入されている。
【0020】 5は、下刃8a、8bを相対する上刃9に押圧するためのリング状の皿ばねで 、その外周部がそれぞれの下刃8a、8b先端部近傍に接触した状態で装着され ており、ばね自身の有する反発力によって下刃8a、8bの切り凌ぎ面(周側面 )が、相対する上刃9の周側面に常に押圧、接触すると共に、下刃8a、8bの 側面が、位置決めリング10の周側面に押圧、接触するようにされている。この ばねの反発力による押圧力の強さは、刃の外径や金属箔シートの切断性を考慮し た押圧力、すなわち良好な切断面が得られると共に、相接触する上刃と下刃の周 側面が余り摩耗しない程度の押圧力に設定するのが好ましく、具体的には、1. 5〜2.5kg程度に設定するのが好ましい。
【0021】 ところで本考案では、下刃8a、8bで最適の押圧力を上刃9に付加する手段 として、一対の下刃8aと8bの中央に皿ばね5に適正な押圧力を付与させるリ ング状のスペーサー17が配置されている。
【0022】 また、回転軸3には、外周部にねじ部19が設けられ、このねじ部と螺合する 一対のリング位置決めナット18で挟持されるように、係合リング11が配置さ れている。この係合リングの先端を位置決めリング10の溝部10aに挿入した 後、位置決めリング10が上刃9に対し、一直線になるように一対のリング位置 決めナット18で調節し、回転軸3に固定するようにしたものである。すなわち 、本実施例では、上記位置決めリング10、係合リング11、リング位置決めナ ット18で下刃の傾斜角度調整手段22を構成している。なお、12は、切断屑 排出ガイドであり、弓形の棒状部材の構成とされており、一対の下刃8a、8b 間であって、かつ、位置決めリング10と上刃9との間を貫通している。
【0023】 このような下刃の傾斜角度調整手段を設けると、全ての下刃周側面の上刃周側 面に対する接触角度θ1 、θ2 (θ1 =θ2 )を偏りなく、均一に設定すること ができる。
【0024】 なお、刃組み構成では、二枚の上刃間の長さL1が製品となる金属箔シート2 1aの切断幅に対応し、上刃9の刃厚に等しい長さL2が切断屑21bの切断幅 に対応しており、その切断屑は、一対の下刃8a、8bの周側面に挾まれて、下 刃に巻込まれるが、切断屑排出ガイド12によって強制的に装置外に排出させる ことができる。
【0025】 上述した本考案のスリッターで切断できるシート状物としては、上記アルミニ ューム箔や、銅箔などの金属箔シートの他、合成樹脂製フィルム紙や、これらを 互いに積層したシート状物にも好適に適用できることは勿論である。
【0026】 図1の本考案に係るシート状物のスリッターにおいて、回転軸2に、上刃9と して材質がタングステンカーバイトコバルト系の超鋼合金、外径が60.5mm 、刃厚L2が2mmのものを切断幅L1が26mmとなるように固定した。
【0027】 一方、回転軸1には、下刃8a、8bとして材質が工具鋼(SKD11)で、 外径が60.5mm、刃厚が2mmのものを下刃5の両周側面を挟持するように 配置した。一対の下刃8a、8b間には、材質が超鋼で、外径が54mm、厚さ が1.9mm、溝部深さが5mm、幅が1mmの位置決めリング10を配置した 。皿ばね5は、材質がクロムナバジウム系ばね鋼で、外径が55mm、内径が4 0mm、板厚が0.2mmのものを図1に示すように、下刃8a、8bの周側面 を押圧する向きに装着した。回転軸1、2の軸径は、共に40mmで軸間距離を 60.25mmとした。したがって、下刃8a、8bと上刃9との噛み合い深さ H1は、0.25mmで、接触角度θ1 、θ2 は、いずれも0.05°である。 一方、回転軸1、3の軸間距離は、47mmとした。したがって、位置決めリ ング10と係合リング11との噛み合い深さH2は、1mmである。そして、回 転軸3には、材質が工具鋼(SKD−11)で、外径が42mm、内径が22m m、厚さが1mmの係合リング11と、リング位置決めナット18を交互に装着 し、係合リング11の先端を位置決めリング10の溝部に挿入し、位置決めリン グ10の中心と上刃9の中心とが一直線上になるようにリング位置決めナット1 8を回転させて調節した。
【0028】 上記構成のスリッターに、厚さ35mmの銅箔をライン速度50m/分で供給 して切断したところ、銅箔の切断面は、2時間経過後もシャープで美しく、切れ 味も良好であった。
【0029】 また、5時間経過後に運転を休止して、下刃8a、8bの刃面を観察したとこ ろ、上刃9との接触面に摩耗がみられるが、下刃の外周面には図8に示したよう なバリ状の突起物6cは全く発生していなかった。また、銅箔の切断面にも変化 なく、シャープで美しい平滑な切断面が得られた。
【0030】
【考案の効果】
本考案のシート状物のスリッターは、複数の上刃のそれぞれをその両側面から 一対の下刃で挟持すると共に、所定の押圧力で押圧する押圧手段を設け、さらに 上刃に対するそれぞれの下刃の傾斜角度を、位置決めリングを介して適正な傾斜 角度に調整する傾斜角度調整手段を設けたので、上刃に対する下刃の傾斜角度が 不安定になったときは、容易に適正角度に調整することができる。
【0031】 したがって、スリッターは、常に最適の切断条件でシート状物を切断すること ができ、切断されたシート状物の切断面には、フレアやキャンバー等のないシャ ープで美しい切断面を有する製品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係るシート状物のスリッターの一実施
例を示す縦断面図である。
【図2】図1のスリッターのX−X矢視の概略断面図で
ある。
【図3】従来のスリッターの模式図である。
【図4】図3のスリッターで得られた製品の切口の断面
図である。
【図5】図3のスリッターとは異なる実施態様の従来の
スリッターの模式図である。
【図6】図5のスリッターとはさらに異なる実施態様の
従来のスリッターの模式図である。
【図7】図6のスリッターの概略側面図である。
【図8】図6のスリッターの切断状況説明図である。
【符号の説明】
1:回転軸 2:回転軸 3:支持軸 5:皿ばね 8a,8b:下刃 9:上刃 10:位置決めリング 10a:溝 11:係合リング 12:切断屑排出ガイド 15:セパレーターリング 16,17:スペーサー 18:リング位置決めナット 21a:シート状物(製品) 22:傾斜角度調整手段 H1,H2:噛合い深さ L1:広い幅(切断幅) L2:狭い部位(切断屑の幅) S:隙間

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに平行に配置された一対の回転軸と、
    該回転軸の一方の回転軸に所定間隔をおいて固定された
    複数の環状の上刃と、前記回転軸の他方の回転軸に所定
    間隔を置き、かつ、その軸方向に移動自在に配置された
    複数の環状の下刃とを備え、前記環状の上刃と前記環状
    の下刃とを互いに交錯せしめたシート状物のスリッター
    であって、 (イ)前記複数の環状の下刃は、前記複数の上刃のそれ
    ぞれを、その両側面から挟持すると共に、所定の押圧力
    で押圧する押圧手段を有する一対の下刃からなり、 (ロ)前記一対の下刃の下刃と下刃との間の回転軸に
    は、外周に溝を有する位置決めリングが回転軸の軸方向
    に移動自在に挿入されていると共に、前記一対の下刃の
    外径よりも大なる位置には、前記一対の回転軸と平行に
    支持軸が設けられ、前記位置決めリングと前記支持軸と
    の間には、先端部が前記溝と係合し、基部が前記支持軸
    の軸方向に移動することにより、前記位置決めリングを
    介して前記一対の下刃の傾斜角度を調整する傾斜角度調
    整手段が設けられてなるシート状物のスリッター。
  2. 【請求項2】前記上刃に対する前記下刃の傾斜角度は、
    0.05°〜0.3°に設定されてなる請求項1のシー
    ト状物のスリッター。
  3. 【請求項3】前記一対の下刃の下刃と下刃との間であっ
    て、かつ、前記位置決めリングと前記下刃との間には、
    前記シート状物の切断屑を排除する手段が設けられてな
    る請求項1のシート状物のスリッター。
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