JPH07151678A - 赤外顕微鏡 - Google Patents

赤外顕微鏡

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JPH07151678A
JPH07151678A JP32974093A JP32974093A JPH07151678A JP H07151678 A JPH07151678 A JP H07151678A JP 32974093 A JP32974093 A JP 32974093A JP 32974093 A JP32974093 A JP 32974093A JP H07151678 A JPH07151678 A JP H07151678A
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JP
Japan
Prior art keywords
infrared
absorbance
functional group
sample
substance
Prior art date
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JP32974093A
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English (en)
Inventor
Shiro Tsuji
史郎 辻
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Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 着目物質以外の物質の影響を極力排除して、
高精度の2次元分析マッピング(又は線分析)を行なえ
るようにする。 【構成】 各点(x,y)において測定した試料の吸光
度スペクトルA(ν)と着目物質の物質吸光度スペクト
ルパターンF(ν)とを、波数又は波長毎に乗算し、積
分する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、試料に微小な赤外線ビ
ームを照射し、透過又は反射してくる赤外線のスペクト
ルを測定することにより照射点の分析を行なうととも
に、照射点を1次元又は2次元走査することにより試料
の線分析(1次元分析)又は面分析(2次元分析)を行
なう赤外顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】試料に連続赤外線を照射すると、連続赤
外線は試料に固有の波長(通常、複数)において吸収を
受ける。赤外域の光子エネルギは、ほぼ有機物の官能基
の結合エネルギ(一般には、分子又は結晶の振動エネル
ギ)に相当するため、試料を透過又は反射してくる赤外
線の吸収ピークを検出し、既知の官能基の吸収ピークと
照合することにより、試料に含まれる官能基を特定する
ことができる。また、この結果を他の情報と組み合わせ
ることにより、物質を特定することができる。なお、ピ
ーク深さ(吸光度スペクトルとした場合はピーク高さ)
を測定することにより、定量分析を行なうこともでき
る。
【0003】試料に照射する赤外線を細く絞り、試料を
1次元的又は2次元的に移動させることにより、試料の
線分析又は面分析を行なうことができる。近年の赤外顕
微鏡には、このような1次元、2次元分析機能を備えた
ものがある。
【0004】面分析を行ない、分析結果を2次元マップ
として表示する場合、複数の物質(又は官能基)の分析
結果を混在させるとマップが非常に見づらいものとな
る。このため、通常は或る1つの物質(官能基)に着目
し、その物質の存在/非存在(又は濃度)のみを表示す
る。従って、従来の2次元マッピング赤外顕微鏡では、
試料を透過した(又は反射された)赤外線のうち、特定
の着目物質(官能基)のピークを含む狭い波数(又は波
長)範囲の赤外線のみを取り出し、強度を測定してい
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】有機物には極めて多数
の官能基が存在し、しかも通常、各官能基は複数の吸収
ピークを有する。従って、或る官能基に着目し、その最
大吸収ピークを中心にして狭い波数範囲(ウィンドウ)
を設定したとしても、他の官能基の吸収ピークがそのウ
ィンドウ内に入ることは十分あり得る。このため、従来
の赤外顕微鏡による2次元マッピングでは、他の官能基
の吸収ピークの混入による測定誤差が大きいという問題
点があった。
【0006】本発明はこのような課題を解決するために
成されたものであり、その目的とするところは、高精度
の2次元マッピング(又は線分析)を行なうことのでき
る赤外顕微鏡を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に成された本発明に係る赤外顕微鏡は、 a)各種既知物質の赤外線の波数又は波長毎の吸収度を表
わす物質吸光度スペクトルパターンを記憶する物質吸光
度スペクトルパターン記憶手段と、 b)試料で吸収を受けた赤外線の波数又は波長毎の吸収度
を表わす測定吸光度スペクトルを検出する測定吸光度ス
ペクトル検出手段と、 c)測定吸光度スペクトルと着目物質の物質吸光度スペク
トルパターンとを波数又は波長毎に乗算し、積分するこ
とにより、積分吸光度を算出する手段とを備えることを
特徴としている。
【0008】
【作用】試料で吸収を受けた赤外線の波数(又は波長)
毎の吸収度を表わす測定吸光度スペクトルには、試料に
含まれる多数の物質の吸光度ピークが混在する。しか
し、これを、或る特定の着目物質の吸光度スペクトルパ
ターンと乗算すると、着目物質の吸光度ピークと一致す
るピークは大きな値となるが、それ以外の吸光度ピーク
は(物質吸光度スペクトルパターンのベースラインと乗
算されることになるため)ほぼゼロになる。従って、こ
のような乗算値を、着目物質の複数の吸光度ピークを含
む波数(又は波長)範囲内で積分することにより、たと
え、着目物質の1つの吸光度ピークの極く近傍に、偶
然、着目物質以外の物質の吸光度ピークが存在していた
としても、全てのピークが一致することはあり得ないた
め、着目物質以外の物質の影響はそのピークのみに及ぶ
だけであり、他のピークの乗算値と合算した中では相対
的に小さな影響でしかない。従って、着目物質の分析を
高精度で行なうことができる。
【0009】
【実施例】本発明の一実施例を図1〜図6により説明す
る。本実施例の2次元マッピング機能付赤外顕微鏡は図
1に示すように、顕微鏡部11と制御部12とで構成さ
れる。顕微鏡部11は、赤外線光源、干渉光学系及び赤
外線検出器を本体部15の内部に備え、下部のコンデン
サ光学系18(透過モードの場合)又は上部の対物光学
系17(反射モードの場合)から、集束した干渉赤外線
をステージ16上の試料に照射する。ステージ16は、
焦点調節のためにZ軸方向(上下方向)に移動可能であ
ると共に、後述の2次元マッピング分析のためにX,Y
方向においても移動可能となっている。なお、焦点調節
及び試料観察のために、目視用の鏡筒13及びビデオカ
メラ用鏡筒14が備えられている。
【0010】本実施例の赤外顕微鏡では、制御部12は
パーソナルコンピュータ(パソコン)により構成されて
いる。パソコン本体内には、CPU34、ROM35、
RAM36の他に、顕微鏡部11の高速フーリエ変換器
(FFT)29からの信号をA/D変換するA/D変換
器31、及び、顕微鏡部11のステージ16をX,Y,
Z方向に移動させるための制御信号を出力するためのイ
ンタフェイス(I/F)32が備えられている。なお、
33はパソコン本体内のバスラインを表わし、30は顕
微鏡部11側のステージ移動モータ(MX、MY、MZ)
26、27、28用インタフェイスである。
【0011】本実施例の赤外顕微鏡により試料の面分析
を行なう場合の手順を、図6のフローチャートにより説
明する。まず、操作者がマップを作成しようとする目的
の官能基を決定し、キーボード(KB)23等の入力装
置により制御部12に指示する(ステップS1)。CP
U34は指定された官能基の吸光度スペクトルのデータ
をROM35又はハードディスク(HD)22より読み
出す(ステップS2)。なお、ROM35又はハードデ
ィスク(HD)22内には予め、多数の官能基の吸光度
データが波数ν(又は波長λ)毎に数値化され、格納さ
れている。
【0012】次に、CPU34はステージX,Y方向移
動用モータ(MX、MY)26、27のドライバ(DR)
に制御信号を送り、指定された走査開始位置にステージ
16を移動させる。なお、現在のステージ16の位置を
原点とし、そこから走査を開始するようにしてもよい。
そして、集束した赤外線を試料に照射する(ステップS
3)。次に、顕微鏡部11の本体部15内の干渉光学系
の可動鏡(図示せず)を移動させることにより照射赤外
線の強度を変化させてゆき、試料を透過した(又は試料
により反射された)赤外線の強度を赤外線検出器(P)
25で測定する(ステップS4)。
【0013】赤外線検出器25から出力される赤外線強
度信号は高速フーリエ変換器(FFT)29で波数スペ
クトル(又は波長スペクトル)を表わす信号A(ν;
x,y)に変換され、制御部12に送られる(ステップ
S5)。なお、高速フーリエ変換は制御部12内で行な
ってもよい。測定された波数スペクトル信号A(ν;
x,y)はA/D変換器31によりデジタル化された
後、先に読み出された指定官能基の吸光度スペクトルF
(ν)のデータを用いて次のような積分演算が行なわれ
る。 I(x,y)=∫[νL→νU]A(ν;x,y)・F(ν)dν …(1) ただし、∫[νL→νU]は区間[νL,νU]内での定積分を
表わす。積分区間[νL,νU]は、指定官能基毎にその指
定官能基の主要な吸光度ピークが含まれる範囲を定めて
もよいし、予め(指定官能基の種類に拘らず)一定の値
を定めておいてもよい。この演算結果の値は、RAM3
6に記憶される(ステップS6)。
【0014】次に、試料の指定された範囲内の全点で測
定が行なわれたか否かが判定され(ステップS7)、未
測定点が残っている場合にはステージを次の測定点
(x,y)に移動させ(ステップS8)、上記ステップ
S4からS6の処理を繰り返す。
【0015】ここで、上記式(1)の積分の意味を図3
及び図4を用いて説明する。指定官能基の吸光度スペク
トルF(ν)が図3(a)に示すような形状であるとす
る。試料の或る測定点B(図4)に、この指定官能基が
多く含まれている場合、測定される赤外線の吸光度スペ
クトルAB(ν)は図3(b)の実線のように、指定官
能基の吸光度スペクトルF(ν)と良く一致する。この
場合、式(1)の積分値は大きな値となる。一方、別の
点Cには指定官能基がほとんど含まれていないとする
と、測定される吸光度スペクトルAC(ν)は図3
(c)の実線のように、指定官能基の吸光度スペクトル
F(ν)とは全く異なった形状となる。この場合、たと
え偶然に測定吸光度スペクトルの1つのピークp2が指
定官能基のピークに近い位置に存在したとしても、他の
ピーク位置p1、p3では指定官能基の吸光度カーブはベ
ースラインであるため、その積はゼロに近い。従って、
全体として、点Cにおける式(1)の積分値は、点Bに
おける積分値と比較すると相対的に非常に小さな値とな
る。従って、これらの分析値を分析範囲の各点(x,
y)に対してプロットした分析マップ(図4)において
は、指定官能基の存在点と非存在点とが高精度に分離さ
れている。
【0016】上述の例では、測定データA(ν)に対し
て、指定官能基のスペクトルカーブF(ν)そのものを
重み付けデータとして乗算し、積分したが、図5(a)
に示すように、指定官能基のスペクトルカーブF(ν)
をモジュレートしながら、単純化した重み付けデータ
(ピーク位置のみで所定の重みw1〜w3を有し、他の部
分ではゼロとなる矩形状データ)を使用することもでき
る。また、図5(b)に示すように、重み付けも行なわ
ず、指定官能基のピーク位置のみで測定データA(ν)
を積分するようにしてもよい。すなわち、式(1)の代
わりに、 I(x,y)=∫[ν1L→ν1U]F(ν)dν +∫[ν2L→ν2U]F(ν)dν +∫[ν3L→ν3U]F(ν)dν …(2) という式を用いてもよい。これらの場合には、多数の官
能基のデータを記憶するための領域を節約することがで
き、計算時間も短縮することができる。
【0017】なお、上記説明では重み付け用カーブとし
て官能基のピークデータを用いたが、官能基以外の化学
結合部のピークデータを用いて、その化学結合の存在マ
ップを作成することも、勿論可能である。
【0018】
【発明の効果】本発明に係る赤外顕微鏡では、たとえ、
着目物質の1つの(例えば、最高の)吸光度ピークの極
く近傍に、偶然、着目物質以外の物質の吸光度ピークが
存在していたとしても、全てのピークが一致することは
あり得ないため、スペクトル同士の積算値の積分値にお
いては、着目物質以外の物質の影響は最小限に止めら
れ、着目物質の分析を高精度に行なうことができる。
【0019】なお、本発明に係る赤外顕微鏡で用いる方
法は、2次元マッピング及び線分析を行なう場合に特に
有効であるが、点分析のみを行なう赤外顕微鏡にも応用
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例である2次元マッピング赤
外顕微鏡の構成を示す側面図。
【図2】 実施例の2次元マッピング赤外顕微鏡の電気
的構成を示すブロック図。
【図3】 着目物質(官能基)の吸光度スペクトルF
(ν)と測定吸光度スペクトルA(ν)との関係を示す
グラフ。
【図4】 2次元マップの一例を示す斜視図。
【図5】 本発明の変形例を示す説明図。
【図6】 実施例の2次元マッピング赤外顕微鏡の動作
を示すフローチャート。
【符号の説明】
11…顕微鏡部 13…目視鏡筒 14…ビデオカメラ用
鏡筒 15…本体部 16…X−Y移動ステ
ージ 17…対物光学系 18…コンデンサ光学
系 25…赤外線検出器 26…ステージ移動モ
ータ 29…高速フーリエ変換器 30…ステージモータドライバ用インタフェイス 12…制御部 21…CRT 22…ハードディスク 23…キーボード 31…A/D変換器 32…インタフェイス 33…バス 34…CPU 35…ROM 36…RAM

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a)各種既知物質の赤外線の波数又は波長
    毎の吸収度を表わす物質吸光度スペクトルパターンを記
    憶する物質吸光度スペクトルパターン記憶手段と、 b)試料で吸収を受けた赤外線の波数又は波長毎の吸収度
    を表わす測定吸光度スペクトルを検出する測定吸光度ス
    ペクトル検出手段と、 c)測定吸光度スペクトルと着目物質の物質吸光度スペク
    トルパターンとを波数又は波長毎に乗算し、積分するこ
    とにより、積分吸光度を算出する手段とを備えることを
    特徴とする赤外顕微鏡。
JP32974093A 1993-11-30 1993-11-30 赤外顕微鏡 Pending JPH07151678A (ja)

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