JP2000055809A - 顕微ラマン分光装置及び顕微ラマン分光測定方法 - Google Patents

顕微ラマン分光装置及び顕微ラマン分光測定方法

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JP2000055809A
JP2000055809A JP10228891A JP22889198A JP2000055809A JP 2000055809 A JP2000055809 A JP 2000055809A JP 10228891 A JP10228891 A JP 10228891A JP 22889198 A JP22889198 A JP 22889198A JP 2000055809 A JP2000055809 A JP 2000055809A
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laser
light
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Shinichi Takahashi
進一 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 波数分解能0.01cm-1程度の測定精度を実現で
きる顕微ラマン分光装置及び顕微ラマン分光測定方法を
提供する。 【解決手段】 レーザー光源1から放射された2つの波
長のレーザー光はプリズム4によって、励起レーザー光
2、基準レーザー光3に分けられる。励起レーザー光2
は、光学系を通過した後、試料8上に照射され、後方ラ
マン散乱光を発生させる。ラマン散乱光は、ハーフミラ
ー6によって反射され、分光器11に導かれ分光され
る。基準レーザー光3は減衰板14によってのラマン散
乱光と同程度の強度まで減衰され、分光器11に導かれ
て分光される。室温の変化による分光器のドリフト等に
より、ラマン散乱光の検出スペクトル位置は、本来の位
置からずれる恐れがあるが、基準レーザー光3の検出ス
ペクトル位置を基準にして補正することにより、正しい
ラマン散乱光の検出スペクトル位置を決定することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化学、物理学、医
学、薬学等の様々な分野で、組成や構造の解析に広く利
用されている、顕微ラマン分光装置及び顕微ラマン分光
測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ラマン分光法はレーザー光源からの光束
を試料に照射し、光束の当たった所から発生するラマン
散乱光のスペクトルが、試料中に存在する化学種や分子
によって異なることを利用して、試料表面の二次元的な
物性の分布解析を行う方法である。
【0003】近年になって、分光素子や検出器等の光学
系の精度が上がったことにより、顕微鏡の対物レンズで
レーザーを絞り、より細かい分解能で二次元的なラマン
分光法を行うことが可能になった。ラマン分光法の応用
として、ラマン散乱光のシフト量から物質の内部応カの
分布を測定することも可能である。
【0004】図4に従来の顕微ラマン分光装置の一例を
示す。レーザー光源31から出射されたレーザー光32
は、プリズム33、反射鏡34、ハーフミラー35等を
介して、顕微鏡対物レンズ36によって集光されて試料
37に照射される。試料37からのラマン散乱光は顕微
鏡対物レンズ36に取り込まれ、ハーフミラー35で反
射され、縮小レンズ38によって分光器スリット39上
に焦点を結んでいる。分光器40で分光されたラマン散
乱光のスペクトル分布は、一次元検出器41によって検
出される。このようにして、ラマン散乱光のスペクトル
分布を測定することにより、物質の同定や結晶構造の変
化等を分析できる。
【0005】なお、試料37はX‐Yステージ42上に
配置され、X−Yステージ42を移動することによって
試料37の被検査部を走査することが可能である。これ
により試料37の二次元分析も可能となる。
【0006】また、ラマン分光法の応用として、結晶格
子に働く応力の大きさを測定することも可能である。す
なわち、結晶格子に引っ張り応力が働くと、格子間隔が
小さくなり格子振動の工ネルギーが小さくなるために、
ラマン散乱のピークは低波数側にシフトする。よって、
このシフト量を測定することにより、結晶格子に働く応
力の大きさを測定できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】顕微ラマン分光装置で
応カを測定する場合、例えばシリコンを試料としたとき
に、ラマン散乱光のピーク値が、100MPaの応力に対し
て0.4cm-1だけ、引っ張リ応力の際には低波数側にシフ
トし、圧縮応力の際には高波数側にシフトする。従っ
て、2〜3MPa以下の精度でシリコンの応カを測定する
ためには、0.01 cm-1以下の波数測定精度が必要であ
る。
【0008】しかしながら、室温の変化による、分光器
のドリフトや検出器の波数分解能の限界等に起因して、
従来の顕微ラマン分光装置では、高々数cm-1程度の波数
分解能しか得られず、波数分解能0.01cm-1程度の測定精
度を実現するのは非常に困難であった。
【0009】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、従来のものより遥かに高精度で、波数分解能0.
01cm-1程度の測定精度を実現できる顕微ラマン分光装置
及び顕微ラマン分光測定方法を提供することを課題とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の第1の手段は、ラマン散乱光を励起するレーザー光
を、光学系を介して試料に照射し、当該試料からのラマ
ン散乱光を光学系を介し、分光器により分光する顕微ラ
マン分光装置であって、前記ラマン散乱光を励起するレ
ーザー光の波長とは異なった波長を有するレーザー光
を、基準となるレーザー光として分光器に導入する手段
を設けたことを特徴とする顕微ラマン分光装置(請求項
1)である。
【0011】本手段においては、ラマン散乱光を励起す
るレーザー光とは別に基準となるレーザー光を分光器に
導入しているために、室温の変化、機械的誤差による分
光器のドリフトを補正することが可能になる。さらに、
試料によっては、基準となるレーザー光の波長を、ラマ
ン散乱光の波長近傍の波長とすることによって、一次元
検出器の波数分解能を向上させることができる。これら
の理由により、本手段においては、高波数分解能での測
定が可能となる。
【0012】前記課題を解決するための第2の手段は、
前記第1の手段であって、ひとつのレーザー光源から2
つ以上の異なった波長を有するレーザー光を同時に発生
させ、光学系によって当該レーザー光の光路を、異なっ
た波長を有するレーザー光毎に分割し、その内の一つの
波長のレーザー光をラマン散乱光を励起するレーザー光
として利用し、残りのレーザー光を、前記基準となるレ
ーザー光として使用することを特微とする顕微ラマン分
光装置(請求項2)である。
【0013】本手段においては、一つのレーザー光源か
ら放出される異なった波長を有する2つ以上のレーザー
光うち、一つをラマン散乱光を励起するレーザー光とし
て利用し、残りのレーザー光を、基準となるレーザー光
として使用している。よって、レーザー光源が一つで済
み、構成が簡単になるという特徴を有する。
【0014】前記課題を解決するための第3の手段は、
前記第1の手段であって、少なくとも2台以上の、各々
異なった波長のレーザー光を放出するレーザー光源を備
え、その内のひとつのレーザー光源から発生するレーザ
ー光を、ラマン散乱光を励起するレーザー光として使用
し、残りのレーザー光を、前記基準となるレーザー光と
して使用することを特微とする顕微ラマン分光装置(請
求項3)である。
【0015】本手段においては、各々異なった波長のレ
ーザー光を放出するレーザー光源を備えているので、前
記第2の手段に比してレーザー光源の個数は多くなるも
のの、1個のレーザー光源から出る波長を分光するよう
な装置を必要としない。又、使用するレーザー光の波長
を比較的自由に選べるという特長を有する。
【0016】前記課題を解決するための第4の手段は、
前記第1の手段から第3の手段のうちのいずれかであっ
て、基準となるレーザー光を減衰させる減衰板を備えた
ことを特徴とするもの(請求項4)である。
【0017】本手段においては、減衰板により基準とな
るレーザー光を減衰させることができるため、基準とな
るレーザー光の強度を、ラマン散乱光と同程度の強さま
で減衰させることができる。よって、ラマン散乱光分光
した光を検出する検出器の出力が、基準となるレーザー
光に対して飽和するようなことがなくなり、ラマン散乱
光と基準となるレーザー光の双方を確実に検出すること
が可能となる。
【0018】前記課題を解決するための第5の手段は、
前記第1の手段から第3の手段のうちのいずれかであっ
て、基準となるレーザー光を散乱させる散乱板を備えた
ことを特徴とするもの(請求項5)である。
【0019】本手段においては、散乱板により基準とな
るレーザー光を散乱させて弱めることができるため、基
準となるレーザー光の強度を、ラマン散乱光と同程度の
強さまで減衰させることができる。よって、ラマン散乱
光分光した光を検出する検出器の出力が、基準となるレ
ーザー光に対して飽和するようなことがなくなり、ラマ
ン散乱光と基準となるレーザー光の双方を確実に検出す
ることが可能となる。
【0020】前記課題を解決するための第6の手段は、
前記第1の手段から第5の手段のいずれかであって、ラ
マン散乱光を励起するレーザー光の波長としてArイオン
レーザーの476.5nmの波長を用い、基準となるレーザー
光の波長としてArイオンレーザーの488.0nmの波長を用
いることを特微とするもの(請求項6)である。
【0021】Ar(アルゴン)イオンレーザーは、476.5n
mと488.0nmの2つの波長の持つレーザー光を同時に放射
する。一方、476.5nmの波長のレーザー光でSiを照射す
ると、488.62nm付近にピークを持つラマン散乱光が発生
する。もう一方のレーザー光の波長488.0nmは、このラ
マン散乱光のピーク波長に近いので、Siを測定する場合
に、基準となるレーザー光として使用するのに都合が良
い。
【0022】前記課題を解決するための第7の手段は、
ラマン散乱光を励起するレーザー光を、光学系を介して
試料に照射し、当該試料からのラマン散乱光を光学系を
介しし、分光器により分光して測定する顕微ラマン分光
測定方法であって、前記ラマン散乱光を励起するレーザ
ー光の波長とは異なった波長を有するレーザー光を、基
準となるレーザー光として分光器に導入し、前記基準と
なるレーザー光を基準としてラマン散乱光の波長を測定
することを特徴とする顕微ラマン分光測定方法(請求項
7)である。本手段は、前記第1の手段と同様の作用効
果を有する。
【0023】前記課題を解決するための第8の手段は、
前記第7の手段であって、ひとつのレーザー光源から2
つ以上の異なった波長を有するレーザー光を同時に発生
させ、光学系によって当該レーザー光の光路を、異なっ
た波長を有するレーザー光毎に分割し、その内の一つの
波長のレーザー光をラマン散乱光を励起するレーザー光
として利用し、残りのレーザー光を、前記基準となるレ
ーザー光として使用することを特微とする顕微ラマン分
光測定方法(請求項8)である。本手段は、前記第2の
手段と同様の作用効果を有する。
【0024】前記課題を解決するための第9の手段は、
少なくとも2台以上の、各々異なった波長のレーザー光
を発生するレーザー光源からの、ひとつのレーザー光を
ラマン散乱光を発生するレーザー光として使用し、残り
のレーザー光を、前記基準となるレーザー光として使用
することを特微とするもの(請求項9)である。本手段
は、前記第3の手段と同様の作用効果を有する。
【0025】前記課題を解決するための第10の手段
は、前記第7の手段から第9の手段のうちのいずれかで
あって、基準となるレーザー光をラマン散乱光と同程度
の強度まで減衰させることを特徴とするもの(請求項1
0)である。本手段は、前記第4の手段と同様の作用効
果を有する。
【0026】前記課題を解決するための第11の手段
は、前記第7の手段から第9の手段のうちのいずれかあ
って、基準となるレーザー光をラマン散乱光と同程度の
強度にまで散乱させることを特徴とするもの(請求項1
1)である。本手段は、前記第6の手段と同様の作用効
果を有する。
【0027】前記課題を解決するための第12の手段
は、前記第7の手段から第11の手段のいずれかであっ
て、ラマン散乱光を励起するレーザー光の波長としてAr
イオンレーザーの476.5nmの波長を用い、基準となるレ
ーザー光の波長としてArイオンレーザーの488.0nmの波
長を用いることを特微とするもの(請求項12)であ
る。本手段は、前記第6の手段と同様の作用効果を有す
る。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の例を
図を用いて詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施
の形態を示すブロック概略図である。図1において、1
は2波長レーザー光源、2は励起レーザー光(476.5n
m)、3は基準レーザー光(488.0nm)、4はプリズム、
5は励起レーザー用反射鏡、6はハーフミラー、7は微
鏡対物レンズ、8はシリコン試料、9は集光レンズ、1
0はスリット、11は分光器、12は一次元検出器、1
3は基準レーザー用反射鏡、14は減衰板、15はX‐
Yステージである。
【0029】本実施の形態においては、シリコンの応力
分布の測定を行っている。2波長レーザー光源1である
アルゴンイオンレーザーから、476.5nmと488.0nmの波長
のレーザー光を同時に出力する。2つの波長のレーザー
光はプリズム4によって、2つの光線に分けられ、波長
476.5nmの励起レーザー光2、波長488.0nmの基準レーザ
ー光3となる。本実施の形態ではプリズム4を一つしか
用いていないが、2つ以上の複数のプリズムを用いるこ
とによりそれぞれのレーザー光の単色性を増すことがが
できる。又、プリズムの代わりに回折格子を用いてもよ
い。
【0030】プリズムによって分割された励起レーザー
光2は、励起レーザー用反射鏡5、ハーフミラー6を介
して顕微鏡対物レンズ7に導かれ、顕微鏡対物レンズ7
によって縮小されたビームはシリコン試料8上に照射さ
れる。励起レーザー光2の照射によって発生するシリコ
ン試料8からの後方ラマン散乱光は、顕微鏡対物レンズ
7によって集光され、励起光の光路と同一の光路を反対
方向にたどり、ハーフミラー6によって反射され、縮小
レンズ9によって分光器スリツト10上に焦点を結ぶ。
【0031】一方、基準レーザー光3はプリズム4で分
離された後に、基準レーザー用反射鏡13によって反射
され減衰板14によってシリコン試料からのラマン散乱
光と同程度の強度まで減衰される。そして、ハーフミラ
ー6を介してラマン散乱光と同様に縮小レンズ9によっ
て分光器スリット10上に焦点を結ぶ。本実施例では、
基準レーザー光3の強度を減衰させるために減衰板14
を用いているが、基準レーザー光3の強度を減衰させる
手段は、減衰板に限定する必要はない。例えば、基準レ
ーザー用反射鏡13の代わりに散乱板を配置して、基準
レーザー光3を散乱させることによってラマン散乱光と
同程度の強度まで減衰させて、分光器11内に導くこと
も可能である。
【0032】分光器11で分光されたシリコンからのラ
マン散乱光と基準レーザー光3のスペクトルは、一次元
検出器12によって検出される。一次元検出器として
は、CCDアレイやPSDを使用することができる。
【0033】室温の変化による分光器のドリフト等によ
り、ラマン散乱光の検出スペクトル位置は、本来の位置
からずれる恐れがあるが、この場合、基準レーザー光3
の検出スペクトル位置も同様にずれる。基準レーザー光
3の波長は既知であるので、基準レーザー光3の検出ス
ペクトル位置を基準にして、ラマン散乱光の検出スペク
トル位置を補正することにより、正しいラマン散乱光の
検出スペクトル位置を決定することができる。
【0034】シリコン試料は、X−Yステージ15上に
配置されているので、X−Yステージ15を駆動して、
試料8上の検出位置を走査することにより、二次元分布
の物性評価、応カ評価を行うことができる。
【0035】図2に、前記の実施の形態である額微ラマ
ン分光装置によって得られたスペクトルの一例を示す。
横軸には一次元検出器12のチャンネル数を示し、縦軸
にはスペクトル強度を示している。右側のピーク20が
488.0nmの基準となるレーザー光に対応するピークであ
る。左側のピーク21が、476.5nmのレーザー光で励起
されたシリコンのラマン散乱光のストークス線で、ピー
ク波長は488.62nmである。このように、シリコン試料か
らのラマン散乱光はアルゴンイオンレーザーの励起線で
ある476.5nmの波長のレーザー光で励起した時に、同様
のアルゴンイオンレーザーの励起線の波長である488.0n
mの近傍にピーク波長を持つ。
【0036】本実施の形態では、487.4〜489.7nmの波長
域を1024chの一次元検出器で観察しているので、1c
h当たりの波数分解能は約0.1cm-1以下になる。これ
は、従来の顕微ラマン分光装置の波数分解能である数cm
-1の1/10以下の波数分解能である。
【0037】従来技術においても、一次元検出器の1c
h当たりの分解能を上げることは可能であったが、たと
え1ch当たりの分解能をあげても、前記のように分光
器のドリフト等により、検出されるラマン散乱光の波長
の絶対値そのものが変動するので、正確な値を検出する
ことができなかった。これに対し、本手段においては、
ラマン散乱光の波長の近くで、波長が正確に分かってい
る基準レーザー光が入射されているので、基準レーザー
光のスペクトルを絶対値の基準として採用することによ
り、分解能の高い一次元検出器を使用すれば、高い波数
分解能で、しかも絶対値を正確に測定することができ
る。
【0038】図3は、本発明の第2の実施例を示すブロ
ック概略図である。以下の図面においては、本発明の実
施の形態における前出の図において示されたものと同じ
構成要素には、同じ符号を付してその説明を省略する。
図3において、16は第1のレーザー光源(単色)、1
7は第2のレーザー光源(単色)、18はプリズムであ
る。本実施の形態も、前記第1の実施の形態と同じく、
シリコンの応力分布の測定を行う例である。
【0039】第1のレーザー光源16であるアルゴンイ
オンレーザーから、波長476.5nmの励起レーザー光2を
放射する。励起レーザー光2はプリズム4によって、さ
らに単色化されノイズ成分となる他の波長の光が除去さ
れる。本実施の形態ではプリズム4を一つしか用いてい
ないが、2つ以上の複数のプリズムを用いることにより
それぞれのレーザー光の単色性を増すことができる。
又、プリズムの代わりに回折格子を用いてもよい。励起
レーザー光2は、励起レーザー用反射鏡5、ハーフミラ
ー6を介して顕微鏡対物レンズ7に導かれ、対物レンズ
によって縮小されたビームはシリコン試料8上に照射さ
れる。励起レーザー光2の照射によって発生するシリコ
ン試料からの後方ラマン散乱光は、顕微鏡対物レンズ7
によって集光され、励起光の光路と同一の光路を反対方
向にたどり、ハーフミラー6によって反射され、縮小レ
ンズ9によって分光器スリット10上に焦点を結ぶ。
【0040】第2のレーザー光源17であるアルゴンイ
オンレーザーから、波長488.0nmの基準レーザー光3を
放射する。基準レーザー光3は、励起レーザー光2と同
様にプリズム18によって単色化された後に、基準レー
ザー用反射鏡13で反射され、減衰板14によってシリ
コン試料からのラマン散乱光と同程度の強度まで減衰さ
れる。そして、ハーフミラー6を介してラマン散乱光と
同様に縮小レンズ9によって分光器スリット10上に焦
点を結ぶ。
【0041】本実施の形態では、基準レーザー光3の強
度を減衰させるために減衰板14を用いているが、基準
レーザー光3の強度を減衰させる手段は、減衰板に限定
する必要はない。例えば、基準レーザー用反射銃13の
代わりに散乱板を配置して、基準レーザー光3を散乱さ
せることによってラマン散乱光と同程度の強度まで減衰
させて、分光器11内に導くことも可能である。
【0042】分光器11で分光されたシリコンからのラ
マン散乱光と基準レーザー光3のスペクトルは、一次元
検出器12によって検出される。一次元検出器として
は、CCDアレイやPSDを使用することができる。
【0043】本実施の形態で、高精度のラマン散乱分光
測定ができる理由は、前記第1の実施の形態で述べた理
由と同じである。又、本実施の形態においても、X−Y
ステージ15を駆動して、二次元分布の物性評価、応カ
評価を行うことができる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、ラマン散乱光を励起するレーザー光の波長とは異な
った波長を有するレーザー光を、基準となるレーザー光
として分光器に導入しているので、この基準レーザー光
の波長を基準として分光器の特性を補正することが可能
となり、室温の変化・機械的誤差による分光器のドリフ
トを補正することが可能になる。さらに、試料によって
はラマン散乱光の近傍の波長の基準となるレーザー光を
用いることによって、一次元検出器の波数分解能を向上
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す概略ブロック
図である。
【図2】本発明の実施の形態である顕微ラマン分光装置
によって得られたシリコン試料のラマン散乱光と基準レ
ーザー光のスペクトル分布を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態を示す概略ブロック
図である。
【図4】従来の顕微ラマン分光装置を示す概略ブロック
図である。
【符号の説明】
1・・・2波長レーザー光源 2・・・励起レーザー光(476.5nm) 3・・・基準レーザー光(488.0nm) 4・・・プリズム 5・・・励起レーザー用反射鏡 6・・・ハーフミラー 7・・・顕微鏡対物レンズ 8・・・シリコン試料 9・・・集光レンズ 10・・・スリット 11・・・分光器 12・・・一次元検出器 13・・・基準レーザー用反射鏡 14・・・減衰板 15・・・X‐Yステージ 16・・・第一のレーザー光源 17・・・第二のレーザー光源 18・・・プリズム 20・・・基準となるレーザー光(488.0nm)のスペク
トルピーク 21・・・シリコンからのラマン散乱線(488.62nm)の
スペクトルピーク

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラマン散乱光を励起するレーザー光を、
    光学系を介して試料に照射し、当該試料からのラマン散
    乱光を光学系を介し、分光器により分光する顕微ラマン
    分光装置であって、前記ラマン散乱光を励起するレーザ
    ー光の波長とは異なった波長を有するレーザー光を、基
    準となるレーザー光として分光器に導入する手段を設け
    たことを特徴とする顕微ラマン分光装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の顕微ラマン分光装置で
    あって、ひとつのレーザー光源から2つ以上の異なった
    波長を有するレーザー光を同時に発生させ、光学系によ
    って当該レーザー光の光路を、異なった波長を有するレ
    ーザー光毎に分割し、その内の一つの波長のレーザー光
    をラマン散乱光を励起するレーザー光として利用し、残
    りのレーザー光を、前記基準となるレーザー光として使
    用することを特微とする顕微ラマン分光装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の顕微ラマン分光装置で
    あって、少なくとも2台以上の、各々異なった波長のレ
    ーザー光を放出するレーザー光源を備え、その内のひと
    つのレーザー光源から発生するレーザー光を、ラマン散
    乱光を励起するレーザー光として使用し、残りのレーザ
    ー光を、前記基準となるレーザー光として使用すること
    を特微とする顕微ラマン分光装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3のうちいずれか1
    項に記載の顕微ラマン分光装置であって、前記基準とな
    るレーザー光を減衰させる減衰板を備えたことを特徴と
    する顕微ラマン分光装置。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項3のうちいずれか1
    項に記載の顕微ラマン分光装置であって、前記基準とな
    るレーザー光を散乱させる散乱板を備えたことを特徴と
    する顕微ラマン分光装置。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5のうちいずれか1
    項に記載の顕微ラマン分光装置であって、ラマン散乱光
    を励起するレーザー光の波長としてArイオンレーザーの
    476.5nmの波長を用い、基準となるレーザー光の波長と
    してArイオンレーザーの488.0nmの波長を用いることを
    特微とする顕微ラマン分光装置。
  7. 【請求項7】 ラマン散乱光を励起するレーザー光を、
    光学系を介して試料に照射し、当該試料からのラマン散
    乱光を光学系を介し、分光器により分光して測定する顕
    微ラマン分光測定方法であって、前記ラマン散乱光を励
    起するレーザー光の波長とは異なった波長を有するレー
    ザー光を、基準となるレーザー光として分光器に導入
    し、前記基準となるレーザー光を基準としてラマン散乱
    光の波長を測定することを特徴とする顕微ラマン分光測
    定方法。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の顕微ラマン分光測定方
    法であって、ひとつのレーザー光源から2つ以上の異な
    った波長を有するレーザー光を同時に発生させ、光学系
    によって当該レーザー光の光路を、異なった波長を有す
    るレーザー光毎に分割し、その内の一つの波長のレーザ
    ー光をラマン散乱光を励起するレーザー光として利用
    し、残りのレーザー光を、前記基準となるレーザー光と
    して使用することを特微とする顕微ラマン分光測定方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項7に記載の顕微ラマン分光測定方
    法であって、少なくとも2台以上の、各々異なった波長
    のレーザー光を発生するレーザー光源からの、ひとつの
    レーザー光をラマン散乱光を発生するレーザー光として
    使用し、残りのレーザー光を、前記基準となるレーザー
    光として使用することを特微とする顕微ラマン分光測定
    方法。
  10. 【請求項10】 請求項7から請求項9のうちいずれか
    1項に記載の顕微ラマン分光測定方法であって、前記基
    準となるレーザー光をラマン散乱光と同程度の強度まで
    減衰させることを特徴とする顕微ラマン分光測定方法。
  11. 【請求項11】 請求項7から請求項9のうちいずれか
    1項に記載の顕微ラマン分光測定方法であって、前記基
    準となるレーザー光をラマン散乱光と同程度の強度にま
    で散乱させることを特徴とする顕微ラマン分光測定方
    法。
  12. 【請求項12】 請求項7から請求項11のうちいずれ
    か1項に記載の顕微ラマン分光測定方法であって、ラマ
    ン散乱光を励起するレーザー光の波長としてArイオンレ
    ーザーの476.5nmの波長を用い、基準となるレーザー光
    の波長としてArイオンレーザーの488.0nmの波長を用い
    ることを特微とする顕微ラマン分光測定方法。
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