JPH07150098A - 水性蛍光インク - Google Patents

水性蛍光インク

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JPH07150098A
JPH07150098A JP30255593A JP30255593A JPH07150098A JP H07150098 A JPH07150098 A JP H07150098A JP 30255593 A JP30255593 A JP 30255593A JP 30255593 A JP30255593 A JP 30255593A JP H07150098 A JPH07150098 A JP H07150098A
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acid
polyester resin
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soluble
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郷司 前田
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泰業 堀田
Tetsuo Shimomura
哲生 下村
Yozo Yamada
陽三 山田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 色相、耐光堅牢度、耐ブリ−ド性に優れる水
系蛍光インクの提供。 【構成】 イオン性基含有ポリエステル、油溶性蛍光染
料、水溶性有機化合物を溶解混練し、水を添加して水分
散化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗料、印刷、絵の具、
筆記具、蛍光マ−カ−、蛍光トナ−、蛍光マ−キング、
繊維、防火標識、消化器具、火災報知器、危険標識、注
意標識等に用いられる蛍光インクに関し、さらに詳しく
は水性の蛍光インクに関する。
【0002】
【従来の技術】蛍光を有する化合物としては、無機系、
有機系の多数のものが知られている。ここにいう蛍光と
は狭い意味での蛍光(残光の短いもの)と燐光(残光が
長いもの・蓄光)とを含めたものである。無機系の化合
物としてはタングステン酸カルシウム、タングステン酸
マグネシウム、塩化カリウム・タリウム、ふっ化亜鉛・
マンガン、硫化カルシウム・ビスマス、硫化ストロンチ
ウム・サマリウム・セリウム、硫化亜鉛・銀、硫化亜鉛
・銅、硫化亜鉛カドミウム・銀、硫化亜鉛カドミウム・
銅、硫化亜鉛・銅・コバルト、珪酸バリウム・鉛、珪酸
亜鉛・マンガン、燐酸カルシウム・セリウム、ハロ燐酸
カルシウム・アンチモン・マンガン、ほう酸カドミウム
・マンガン、フルオロゲルマニウム酸マグネシウム・マ
ンガンが知られているこれらは顔料型を示すものであ
り、蛍光灯、夜光塗料、ブラウン管等に利用されてい
る。これら無機系の蛍光顔料は刺激放射線として陰極
線、紫外線、X線等が必要であり、可視光線による刺激
にて蛍光を発する物は少ない。そのため、ポップアッ
プ、ディスプレイ等の昼光下での使用目的にはあまり用
いられていない。有機系化合物としては、9,10−ジ
アニリノアントラセン、2−ヒドロキシ−1−ナフタル
ダジン、2−アニリノ−4−(2,5−ジクロロベンゾ
イルアミノ)−1,9−ピリミドアントロン、1,4−
ビス(β−シアノ−β−カルボエトキシ−ビニル)ベン
ゼン等が知られている。これらは顔料型を示すものであ
る。
【0003】染料型を示す蛍光化合物としては、酸性染
料型のものあるいは、塩基性染料(カチオン染料)型の
ものが多く知られている。酸性染料型のものとしてカラ
−インデックスに記載されているものとして「C.I.
Acid Yellow 73」、「C.I.Acid
Yellow 87」、「C.I.Acid Red
51」、「C.I.Acid Red 52」、
「C.I.Acid Red 89」、「C.I.Ac
id Red 92」、塩基性染料型のものとして、
「C.I.Basic Yellow 1」、「C.
I.Basic Yellow 9」、「C.I.Ba
sic Yellow 40」、「C.I.Basic
Orange 15」、「C.I.Basic Re
d 1」、「C.I.Basic Red 2」、
「C.I.Basic Red 12」、「C.I.B
asic Red 13」、「C.I.Basic R
ed 14」、「C.I.Basic Red 1
5」、「C.I.Basic Red 36」、「C.
I.Basic Violet 7」、「C.I.Ba
sic Violet 10」、「C.I.Basic
Violet 11」、「C.I.Basic Vi
olet 15」、「C.I.Basic Viole
t 16」、「C.I.Basic Violet 2
7」、「C.I.Basic Blue 1」、「C.
I.Basic Blue3」、「C.I.Basic
Blue 9」、等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】さて蛍光性の水性イン
クを作製する場合には、以上述べてきた蛍光性の染顔料
のうち、水溶性染料を用いるのが一般的である。水溶性
の蛍光染料の多くは水に対する溶解度が高く、鮮明高彩
度にて強い蛍光を有するものを得ることができる。しか
しながら、その多くは耐光堅牢度が不十分であり、昼光
下に長時間放置することにより次第に蛍光強度が低下し
てしまう。また水溶性染料であるがゆえに耐水性に劣
り、乾燥後に水に浸されるとインクが流れ出してしま
う。以上、従来より用いられてきた蛍光インクについて
述べてきたが、これら従来技術により得られる蛍光イン
クは必ずしも万全ではなく以下に述べるような改良され
るべき問題点を有している。 本発明者らはかかる状況
に鑑み、耐光性・耐水性に優れた水性蛍光インクを実現
するべく鋭意研究を重ねた結果、次なる発明に到達し
た。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、水に
不溶ないしは難溶性でかつ有機溶剤に可溶である蛍光染
料を含有する、平均粒子径が1μm以下であり、20〜
1000eq. /ton の範囲にてイオン性基を含有するポ
リエステル樹脂の微粒子が水系媒体中に微分散してなる
水性蛍光インクである。
【0006】本発明におけるポリエステル系樹脂として
は飽和ポリエステル系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂
いずれも用いることができる。本発明におけるポリエス
テル樹脂とは、主として、多価カルボン酸樹脂とグリコ
−ル成分とからなる。ポリエステル樹脂に用いられる多
価カルボン酸類としては、例えば、テレフタル酸、イソ
フタル酸、オルソフタル酸、1,5−ナフタルレンジカ
ルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェン
酸、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、4
−スルホフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7ジカ
ルボン酸、5〔4−スルホフェノキシ〕イソフタル酸、
スルホテレフタル酸、およびまたはそれらの金属塩、ア
ンモニウム塩などの芳香族ジカルボン酸、p−オキシ安
息香酸、p−(ヒドロキシエトキシ)安息香酸などの芳
香族オキシカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼラ
イン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族
ジカルボン酸、フマ−ル酸、マレイン酸、イタコン酸、
ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、等の不
飽和脂肪族、および、脂環族ジカルボン酸等を、また多
価カルボン酸としては他にトリメリット酸、トリメシン
酸、ピロメリット酸等の三価以上の多価カルボン酸等を
例示できる。
【0007】ポリエステル樹脂に用いられる多価アルコ
−ル類としては脂肪族多価アルコ−ル類、脂環族多価ア
ルコ−ル類、芳香族多価アルコ−ル類等を例示できる。
脂肪族多価アルコ−ル類としては、エチレングリコ−
ル、プロピレングリコ−ル、1,3−プロパンジオ−
ル、2,3−ブタンジオ−ル、1,4−ブタンジオ−
ル、1,5−ペンタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ
−ル、ネオペンチルグリコ−ル、ジエチレングリコ−
ル、ジプロピレングリコ−ル、2,2,4−トリメチル
−1,3−ペンタンジオ−ル、ポリエチレングリコ−
ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレング
リコ−ル等の脂肪族ジオ−ル類、トリメチロ−ルエタ
ン、トリメチロ−ルプロパン、グリセリン、ペンタエル
スリト−ル等のトリオ−ルおよびテトラオ−ル類等を例
示できる。脂環族多価アルコ−ル類としては1,4−シ
クロヘキサンジオ−ル、1,4−シクロヘキサンジメタ
ノ−ル、スピログリコ−ル、水素化ビスフェノ−ルA、
水素化ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド付加物お
よびプロピレンオキサイド付加物、トリシクロデカンジ
オ−ル、トリシクロデカンジメタノ−ル等を例示でき
る。
【0008】芳香族多価アルコ−ル類としてはパラキシ
レングリコ−ル、メタキシレングリコ−ル、オルトキシ
レングリコ−ル、1,4−フェニレングリコ−ル、1,
4−フェニレングリコ−ルのエチレンオキサイド付加
物、ビスフェノ−ルA、ビスフェノ−ルAのエチレンオ
キサイド付加物およびプロピレンオキサイド付加物等を
例示できる。さらにポリエステルポリオ−ルとして、ε
−カプロラクトン等のラクトン類を開環重合して得られ
る、ラクトン系ポリエステルポリオ−ル類等を例示する
ことができる。ポリエステル高分子末端の極性基を封鎖
し、トナ−帯電特性の環境安定性を改善する目的におい
て単官能単量体がポリエステルに導入される場合があ
る。単官能単量体としては、安息香酸、クロロ安息香
酸、ブロモ安息香酸、パラヒドロキシ安息香酸、スルホ
安息香酸モノアンモニウム塩、スルホ安息香酸モノナト
リウム塩、シクロヘキシルアミノカルボニル安息香酸、
n-ドデシルアミノカルボニル安息香酸、タ−シャルブチ
ル安息香酸、ナフタレンカルボン酸、4−メチル安息香
酸、3メチル安息香酸、サリチル酸、チオサリチル酸、
フェニル酢酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、
オクタンカルボン酸、ラウリル酸、ステアリル酸、およ
びこれらの低級アルキルエステル、等のモノカルボン酸
類、あるいは脂肪族アルコ−ル、芳香族アルコ−ル、脂
環族アルコ−ル等のモノアルコ−ルを用いることができ
る。
【0009】本発明におけるポリエステル樹脂の主成分
のより具体的な例として、(1) 芳香族系単量体を80mo
l%以上含有する多価カルボン酸類、と、エチレングリコ
−ル0〜90mol%、プロピレングリコ−ル100〜10
mol%とから得られるポリエステル樹脂、(2) 芳香族系単
量体を80mol%以上含有する多価カルボン酸類、と、
2,3−ブタンジオ=|ル5〜80mol%、エチレングリ
コ−ル20〜95mol%とから得られるポリエステル樹
脂、(3) 芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カ
ルボン酸類、と、C2 〜C4の脂肪族系グリコ−ル類7
0〜95mol%、トリシクロデカン骨格を有するモノand/
or多価アルコ−ルA類5〜30mol%とから得られるポリ
エステル樹脂、(4) 芳香族系単量体を80mol%以上含有
する多価カルボン酸類、と、C2 〜C4の脂肪族系グリ
コ−ル類70〜95mol%、ヒドロキシメチルトリシクロ
デカン5〜30mol%とから得られるポリエステル樹脂、
(5) 芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボ
ン酸類、と、C2 〜C4の脂肪族系グリコ−ル類70〜
95mol%、トリシクロデカンジメタノ−ル5〜30mol%
とから得られるポリエステル樹脂、(6) 芳香族系単量体
を80mol%以上含有する多価カルボン酸類、と、C2 〜
C4の脂肪族系グリコ−ル類70〜95mol%、シクロヘ
キサン骨格を有するモノand/or多価アルコ−ル類5〜3
0mol%とから得られるポリエステル樹脂、(7) 芳香族系
単量体を80mol%以上含有する多価カルボン酸類、と、
C2 〜C4の脂肪族系グリコ−ル類70〜95mol%、シ
クロヘキサンジオ−ル5〜30mol%とから得られるポリ
エステル樹脂、(8) 芳香族系単量体を80mol%以上含有
する多価カルボン酸類、と、C2 〜C4の脂肪族系グリ
コ−ル類70〜95mol%、水添ビフェノ−ル5〜30mo
l%とから得られるポリエステル樹脂、(9) 芳香族系単量
体を80mol%以上含有する多価カルボン酸類、と、C2
〜C4の脂肪族系グリコ−ル類70〜95mol%、水添ビ
スフェノ−ルA5〜30mol%とから得られるポリエステ
ル樹脂、(10)ナフタレン骨格を有するモノand/or二価以
上のカルボン酸1〜20mol%を含む芳香族系単量体を8
0mol%以上含有する多価カルボン酸類、と、C2 〜C4
の脂肪族系グリコ−ル類70〜100mol%、脂環族系単
量体0〜30mol%を含有する多価アルコ−ル類、とから
得られるポリエステル樹脂、等を例示することができ
る。
【0010】ここに、「芳香族系単量体」はテレフタル
酸and/orイソフタル酸であることが好ましい。テレフタ
ル酸とイソフタル酸の比率は、テレフタル酸含有率/イ
ソフタル酸含有率=90〜40/10〜60[mol%]が
好ましく、さらに、テレフタル酸含有率/イソフタル酸
含有率=80〜50/20〜50[mol%]、またさらに
テレフタル酸含有率/イソフタル酸含有率=85〜60
/15〜40[mol%]が好ましい。本発明においては、
芳香族系単量体としてトリメリット酸and/orトリメシン
酸and/orピロメリット酸を2〜5mol%含有することがで
きる。本発明においてはかかる多価カルボン酸に加え、
さらに三価以上の多価アルコ−ルの併用を容認するもの
であるが、その目的はポリエステル樹脂の分子量分布を
広げるためであり、樹脂をゲル化させることが目的では
ない。樹脂のゲル化は特にポリエステル重合装置からの
樹脂の取り出しを困難とし、生産性の著しい低下を招
く。本発明においては実質的にゲル化が無く、より具体
的にはクロロホルム不溶分が0.5重量%以下、好まし
くは0.25重量%以下となることが必要である。本発
明におけるポリエステル樹脂は、芳香族系単量体とし
て、分岐アルキル基を置換基として有する安息香酸5〜
20mol%を含有するすることが好ましい。置換基として
分岐アルキル基を有する安息香酸としてはタ−シャルブ
チル安息香酸の使用が好ましい。ポリエステル系樹脂の
中でも特に好ましく用いられる樹脂は、酸成分として芳
香族多価カルボン酸を用い、アルコ−ル成分として脂肪
族、およびまたは脂環族の多価アルコ−ルを用いたもの
である。本発明におけるポリエステル樹脂の酸価は3mg
KOH/g以下であることが好ましく、1mgKOH/g
がさらに好ましく、なおさらに0.5mgKOH/gを越
えないように調整することが好ましい。
【0011】さらに本発明においては、かかるポリエス
テル樹脂がイオン性基含有樹脂である必要がある。ポリ
エステル樹脂に含まれるイオン性基としては、カルボキ
シル基、スルホン酸基、硫酸基、リン酸基、もしくはそ
れらの塩(水素塩、金属塩)等のアニオン性基、または
第1級ないし第3級アミン基等のカチオン性基であり、
好ましくは、カルボキシル基、カルボン酸アンモニウム
塩基、スルホン酸基、スルホン酸アルカリ金属塩基であ
る。
【0012】特にポリエステル樹脂に共重合可能なスル
ホン酸金属塩基含有化合物としては、スルホテレフタル
酸、5−スルホイソフタル酸、4−スルホフタル酸、4
−スルホナフタレン−2,7ジカルボン酸、5〔4−ス
ルホフェノキシ〕イソフタル酸等の金属塩をあげること
ができる。また特にイオン性基を高分子末端に導入する
場合にはスルホ安息香酸等を用いることができる。金属
塩としてはLi、Na、K、Mg、Ca、Cu、Fe等
の塩があげられ、特に好ましいものはNa塩である。ま
たカチオン性のイオン性基をポリエステル樹脂に導入す
るために用いる単量体としては2−アミノプロパン−
1,3−ジオ−ル、2−ジメチルアミノプロパン−1,
3−ジオ−ル、2−ジエチルアミノプロパン−1,3−
ジオ−ル、ジメチルアミノエタノ−ル、ジエチルアミノ
エタノ−ル、ジエチルアミノプロパノ−ル、ジ(ヒドロ
キシエチル)アミン、ジ(ヒドロキシブチル)アミン、
トリ(ヒドロキシエチル)アミン、トリ(ヒドロキシブ
チル)アミン等が好ましく用いられる。 これらのうち
特に、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、あるいはス
ルホ安息香酸を用いることが好ましい。さらにスルホン
酸塩の基とカルボン酸塩の基とを併用しても良い。これ
らイオン性基の含有量は、20〜1000eq./to
nの範囲が必須であり、30〜500eq./tonの
範囲が好ましく50〜200eq./tonの範囲がさ
らに好ましい。
【0013】本発明に用いられる樹脂のガラス転移点は
40℃以上であることが好ましくさらには50℃以上、
またさらには60℃以上、なおさらには65℃以上であ
ることが好ましい。
【0014】本発明において用いられる蛍光染料は水に
対して不溶ないしは難溶性の染料である。蛍光染料とし
ては公知のものを適宜自由に選択して用いることがで
き、また複数の蛍光染料を配合することもでき、さらに
蛍光染料と蛍光を有さない通常の染顔料とを組み合わせ
ることも可能である。さらに蛍光色の得られにくい色調
においては公知通常の染顔料と蛍光増白剤とを組合せ、
疑似的に蛍光を持たせることもできる。具体的には
「C.I.Disperse Yellow 82」、
「C.I.Disperse Yellow 12
4」、「C.I.Solvent Yellow 9
4」、「C.I.Disperse Red 60」、
「C.I.Solvent Red43」、「C.I.
Solvent Red44」、「C.I.Solve
nt Red45」、「C.I.Solvent Re
d49」、さらに「カルコシド・ウラニン・B431
5」、「カルコシド・ロ−ダミン・B・コンク」、「カ
ルコシド・フルオレセント・ブル−」、「カルコマイン
・ブリリアント・フラバイン」、「カルコマイン・ジア
ゾ・スカ−レット・PRD」、「カルコマイン・フルオ
レセント・オレンジ・YF」、「カルコマイン・フルオ
レセント・ピンク・B」、「カルコマイン・フルオレセ
ント・ブル−」、「カルコマイン・フルオレセント・ヴ
ァイオレット・G」、「カルコマイン・フルオレセント
・グリ−ン・G」、「カルコジン・フラバイン・TG・
Ex・コンク」、「カルコジン・イエロ−・Ox」、
「カルコジン・レッド・6G・Ex」、「カルコジン・
レッド・BX」、「カルコ・フルオレセント・イエロ−
・AB」、「カルコ・フルオレセントイエロ−・HE
B」、「カルコ・オ−ラミン・ベ−ス・コンク」、「カ
ルコ・エオシン・J」、「カルコ、ブロモ・54」、
「ロ−ダミン・B・ステアレ−ト・コンク」、「ヴィオ
ランスロン」、「インダンスレン・ヴァイオレット・R
T」、「インダンスレン・ゴ−ルド・オレンジ・G」、
「イソビオランスロン」、「カレドン・ジェイド・グリ
−ン」、「エオシン・エチルエステル」、「ロ−ダミン
・B・エチルエステル」、等を例示できる。これらのう
ち好ましくは「C.I.Disperse Yello
w82」、「C.I.Disperse Yellow
124」、「C.I.Solvent Yellow
94」、「C.I.Solvent Red49」、
が用いられる。
【0015】これら蛍光染料ないし染料、蛍光増白剤等
の、ポリエステル樹脂に対する配合量は特にこれを限定
するものではないが、好ましくは0.1〜40wt%、さ
らに好ましくは1〜30wt%、またさらに好ましくは3
〜20wt%程度が好ましい。
【0016】本発明の蛍光インク粒子は体積平均径Dが
1μm以下であることが必須であり、さらに0.5μm
以下、またさらに0.2μm以下であることが好まし
い。また粒子径の下限は特にこれを限定するものではな
いが、好ましくは0.001μm以上、さらに好ましく
は0.003μm以上、またさらに好ましくは0.01
μm以上であることが好ましい。
【0017】以下、本発明の蛍光インクを具体的に製造
する方法について説明する。かかるポリエステル樹脂の
微粒子分散体は以下に述べる方法にて得ることができ
る。すなわち、イオン性基を含有した場合、本発明にお
けるポリエステル樹脂は水分散性を発現する。水分散性
とは一般にエマルジョンあるいはコロイダルディスパ−
ジョンと称される状態を意味するものである。イオン性
基は水系媒体中において解離し、ポリエステル樹脂と水
との界面に電気二重層を形成する。ポリエステル樹脂が
微細なミクロ粒子として水系内に存在する場合には電気
二重層の働きによりミクロ粒子間には静電的な反発力が
生じ、ミクロ粒子が水系内にて安定的に分散する。
【0018】イオン性基含有ポリエステル樹脂の水分散
体は、イオン性基含有ポリエステル樹脂と水溶性有機化
合物とをあらかじめ混合後に水を加える方法、イオン性
基含有ポリエステル樹脂と水溶性有機化合物と水とを一
括して混合加熱する方法等により得ることができる。ま
たその際に界面活性剤等を併用することもできる。水溶
性有機化合物としてはエタノ−ル、イソプロパノ−ル、
ブタノ−ル、エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−
ル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロ
ソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロ
フラン、ジオキサン等を用いることができる。水溶性有
機化合物はイオン性基含有ポリエステル樹脂を水分散化
した後に共沸等により除去することができるものが好ま
しい。本発明においてポリエステル樹脂粒子に蛍光染料
を含有せしめる方法としては、(1)ポリエステル樹脂
を水溶性有機化合物に溶解するときに蛍光染料を同時に
溶解混合する方法、(2)ポリエステル樹脂の水微分散
体にあらかじめ準備された蛍光染料の水分散体を添加
し、高温分散染色する方法、等を例示できる。
【0019】ポリエステル樹脂微粒子に架橋構造を持た
せることにより蛍光インクの耐熱性、耐溶剤性を高める
ことができる。架橋構造はポリエステル樹脂に、ビニル
系モノマーを含ませて後に重合させることにより得るこ
とができる。この際には前述した不飽和脂肪族多価カル
ボン酸を用いたポリエステル樹脂の使用が好ましい。本
発明では多価カルボン酸成分の5mol%以上程度の不飽和
脂肪族多価カルボン酸を用いることできる。本発明にお
ける不飽和多価カルボン酸としてはフマル酸、マレイン
酸の使用が好ましくさらにフマル酸の使用が好ましい。
不飽和多価カルボン酸の使用は酸成分に対し5mol%以上
が必須であり、20〜50mol%が好ましく、30〜50
mol%がさらに好ましい。
【0020】本発明においてポリエステル樹脂を架橋さ
せるために用いられるビニル系モノマ−としては例えば
アルキル基の炭素数が1〜10である(メタ)アクリル
酸アルキル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸
フェニル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、グリシ
ジル(メタ)アクリレ−ト、等の(メタ)アクリル酸エ
ステル類、メチルビニルケトン、フェニルビニルケト
ン、メチルイソプロペニルケトン等の不飽和ケトン類、
蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルブタン酸
ビニル等のビニルエステル類、メチルビニルエ−テル、
エチルビニルエ−テル、プロピルビニルエ−テル、等の
ビニルエ−テル類、ハロゲン化ビニルおよびハロゲン化
ビニリデン類、アクリルアミドおよびそのアルキル置換
体、スチレン、ジビニルベンゼン、スチレンのアルキル
置換体、スチレンのハロゲン置換体、アリルアルコ−ル
およびそのエステルまたはエ−テル類、アクロレイン、
メタアクロレイン等のビニルアルデヒド類、アクリロニ
トリル、メタクリロニトリル、シアン化ビニリデン等の
ビニルモノマ−、ならびにアクリル酸、メタクリル酸、
フマル酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン
酸およびこれらの塩類、ビニルスルホン酸、アクリルス
ルホン酸、パラスチレンスルホン酸等の不飽和炭化水素
スルホン酸およびそれらの塩類、二重結合を有するリン
酸エステル類、およびその塩類、ピリジン、ビニルピロ
リドン、ビニルイミダゾ−ル、ビニルカルバゾ−ル、ジ
メチルアミノエチル(メタ)アクリレ−ト、ジエチルア
ミノエチル(メタアクリレ−ト等を用いることができ
る。 またこれらに加えてシロキサン類、ラクトン類、
ラクタム類、エポキシ化合物等の開環 重合系モノマ−
を併用してもよい。
【0021】反応開始剤としては特に制限される物では
なく公知の開始剤を使用すればよい。例えばベンゾイル
パ−オキサイド、パラクロロベンゾイルパ−オキサイ
ド、2,4−ジクロロベンゾイルパ−オキサイド、カプ
リリルパ−オキサイド、ラウルイルパ−オキサイド、ア
セチルパ−オキサイド、メチルエチルケトンパ−オキサ
イド、シクロヘキサノンパ−オキサイド、ビス(1−ヒ
ドロキシシクロヘキシルパ−オキサイド)、ヒドロキシ
ヘプチルパ−オキサイド、t−ブチルハイドロパ−オキ
サイド、p−メンタンパ−オキサイド、クメンハイド
ロ、2,5−ジメチルヘキシル−2,5−ジヒドロパ−
オキサイド、ジ−t−ブチルパ−オキサイド、ジクミル
パ−オキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(パ−
オキシベンゾエ−ト)、t−ブチルパ−ベンゾエ−ト、
t−ブチルパ−アセテ−ト、t−ブチルパ−オクテ−
ト、t−ブチルパ−オキシイソブチレ−ト、ジ−t−ブ
チルジ−パ−フタレ−ト、過酸化琥珀酸等の有機過酸化
物系開始剤、アゾイソブチルニトリル、ジスオキシベン
ゾイル、フェニルアセトアルデヒド、フェニルピロ葡萄
糖、ピナコン酸誘導体等の開始剤を用いることができ
る。反応促進剤としてはコバルト系、バナジウム系、マ
ンガン系、第3級アミン系、第4級アンモニウム塩系、
メルカプタン系等の反応促進剤を用いることができる。
【0022】ポリエステル樹脂に架橋構造を付与する具
体的な方法としては例えば以下に述べるシ−ド重合法を
示すことができる。ここにいうシ−ド重合とは水分散体
中のポリエステル樹脂の微分散粒子をシ−ド粒子とし、
ビニルモノマ−にてシ−ド粒子を膨潤せしめて、シ−ド
粒子内にてビニルモノマ−を重合させる方法である。こ
の際にポリエステル樹脂に不飽和結合が存在すればビニ
ルモノマ−の一部がポリエステル樹脂の不飽和結合と反
応し、グラフトないしは架橋構造が生成する。より具体
的には、イオン性基を含有する不飽和ポリエステル樹脂
を水分散化し、得られた水分散体に反応開始剤を溶解し
たモノマ−を滴下・撹拌し、微分散したポリエステル樹
脂粒子が十分にモノマ−を吸収膨潤した後(モノマ−の
粗大滴が消失したことを確認した後)に系の温度を上昇
させ架橋反応を生じせしめる事により目的を達すること
ができる。不飽和結合とビニルモノマ−の比は特にこれ
を限定するものではないが、不飽和結合に対するビニル
モノマ−の量がmol比にて好ましくは1〜10倍、よ
り好ましくは1.5〜5倍、さらに好ましくは2〜3倍
程度である。
【0023】本発明では蛍光インクに酸化防止剤を添加
することができる。添加の方法としては蛍光染料の添加
と同様の手法を用いることができる。本発明における酸
化防止剤とは、連鎖開始疎外剤、ラジカル連鎖禁止剤
(一次酸化防止剤)、過酸化物分解剤(二次酸化防止
剤)、相乗剤等の総称である。連鎖開始疎外剤としては
紫外線吸収剤、光安定剤、金属不活性剤、オゾン劣化防
止剤、等を、例示できる。紫外線吸収剤、光安定剤とし
てはフェニルサリチレ−ト、モノグリコ−ルサリチレ−
ト、タ−シャルブチルフェニルサリチレ−ト等のサリチ
レ−ト系化合物、2−ヒドロキシ−4−アルコキシベン
ゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物、2(2'-ヒド
ロキシ−5'-メチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2
(2'-ヒドロキシ−5'-オクチルフェニル)ベンゾトリ
アゾ−ル、2[2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6
−テトラハイドロフタルイミド−メチル)−5−メチル
フェニル]ベンゾトリアゾ−ル、2[2'-ヒドロキシ−
3',5'-ビス(α,α'-ジメチルベンジル)フェニル]
−2H−ベンゾトリアゾ−ル、2(2'-ヒドロキシ−
3',5'-ジタ−シャルアミルフェニル)ベンゾトリアゾ
−ル、2(2'-ヒドロキシ−3',5'-ジタ−シャルブチ
ルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2(2'-ヒドロキシ
−3'-タ−シャルブチル−5'-メチルフェニル)ベンゾ
トリアゾ−ル、2(2'-ヒドロキシ−3'-タ−シャルブ
チル−5'-メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリア
ゾ−ル、等のベンゾトリアゾ−ル系化合物、そのほか、
レゾルシノ−ルモノベンゾエ−ト、2'-エチルヘキシル
−2−シアノ−3−フェニルシンナメ−ト、ビス(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケ−
ト等を用いることができる。
【0024】金属不活性剤としてはN−サリシロイル−
N'-アルデヒドヒドラジン、N−サリシロイル−N'-ア
セチルヒドラジン、N,N'-ジフェニル−オキサミド、
N、N'-ジ(2−ヒドロキシフェニル)オキサミド等を
用いることができる。オゾン劣化防止剤としては6−エ
トキシ−2,2,4−トリメチル−1,2ジヒドロキノ
リン、N−フェニル−N'-イソプロピル−p−フェニレ
ンジアミン等を用いることができる。ラジカル連鎖禁止
剤(一次酸化防止剤)としては2,6−ジ−タ−シャル
ブチル−p−クレゾ−ル、2,6−ジ−タ−シャルブチ
ル−フェノ−ル、2,4−ジメチル−6−タ−シャルブ
チルフェノ−ル、ブチルヒドロキシアニソ−ル、2,
2'-メチレンビス(4−メチル−6−タ−シャルブチル
フェノ−ル)、4,4'-ブチリデンビス(3−メチル−
6−タ−シャルブチルフェノ−ル)、4,4'-チオビス
(3−メチル−6−タ−シャルブチルフェノ−ル)、テ
トラキス[メチレン−3(3,5−ジ−タ−シャルブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト]メタ
ン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ
−5−タ−シャルブチルフェニル)ブタン等のフェノ−
ル系化合物、フェニル−β−ナフリルアミン、α−ナフ
チルアミン、N,N'-ジ−イソブチル−p−フェニレン
ジアミン、フェノチアジン、N,N'-ジフェニル−p−
フェニレンジアミン等のアミン系化合物、アスコルビン
酸系化合物等を用いることができる。
【0025】過酸化物分解剤(二次酸化防止剤)として
はジラウリルチオジプロピオネ−ト、ジステアリルチオ
ジプロピオネ−ト、ラウリルステアリツチオジプロピオ
ネ−ト、ジミリスチルチオジプロピオネ−ト、ジステア
リルβ、β'-チオジブチレ−ト、2−メルカプトベンゾ
イミダゾ−ル、ジラウリルサルファイド等の硫黄系化合
物、トリフェニルフォスファイト、トリオクタデシルフ
ォスファイト、トリデシルフォスファイト、トリラウリ
ルトリチオフォスファイト等のりん系化合物、相乗剤と
してはクエン酸、りん酸等を用いることができる。本発
明ではベンゾトリアゾ−ル系、ベンゾフェノン系、ベン
ゾサリシレ−ト系から選択される少なくとも1種の紫外
線吸収剤を用いることが好ましい。これら酸化防止剤の
配合量は結着材樹脂に対し0.01〜5.0重量%、好
ましくは0.02〜1.0重量%、さらに好ましくは
0.05〜0.5重量%程度である。
【0026】本発明においては一重項酸素クエンチャ−
を併用することによりさらに好ましい効果を得られる場
合がある。一重項酸素クエンチャ−としてはジアザビス
シクロオクタン、カロチン等の他ニッケル錯化合物を用
いることができる。ニッケル錯化合物としては、2,
2' −チオ−ビス(4−オクチルフェニル)ニッケル、
ニッケル・アセチルアセトネ−ト、ビス(ジチオベンジ
ル)ニッケル、ビス(4,4'−ジメトキシジチオベンジ
ル)ニッケル、ビス(ジチオベンジル)ニッケルのテト
ラブチルアンモニウム塩、ビス(4, 4' −ジメトキシ
ジチオベンジル)ニッケルのテトタブチルアンモニウム
塩、2, 2' −チオ−ビス(4−タ−シャルオクチルフ
ェノレ−ト)−タ−シャルブチルアミン・ニッケル塩、
2, 2' −チオ−ビス(4−タ−シャルオクチルフェノ
レ−ト)−タ−シャルオクチルアミン・ニッケル塩、
3,5−ジ−タ−シャルブチル−4−ヒドロキシベンジ
ルモノエチルフォスホン酸ニッケル、ジメチルジカルバ
ミン酸ニッケル、ジエチルジカルバミン酸ニッケル、ジ
ブチルジカルバミン酸ニッケル、ジメチルジチオカルバ
ミン酸ニッケル、ジエチルジチオカルバミン酸ニッケ
ル、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル等が好ましく
用いられる。これら一重項酸素クエンチャ−の配合量は
結着材樹脂に対し0.01〜5.0重量%、好ましくは
0.02〜1.0重量%、さらに好ましくは0.05〜
0.5重量%程度である。
【0027】本発明の水性蛍光インクの固形分濃度は1
〜60wt%、好ましくは5〜50wt%、さらに好ましく
は10〜40wt%の範囲に調製することができる。水性
蛍光インクには、必要に応じて、分散剤、分散安定助剤
である、界面活性剤や高分子分散安定剤を添加しても良
い。また、粒子の湿潤性を高めるために、エチレングリ
コール、ポリエチレングリコ−ル、プロピレングリコ−
ル、グリセリン、各種多価アルコール類を添加しても良
い。更に、インク中に混入する金属イオンを封鎖するた
めに、各種キレート化剤等を添加しても良い。さらに、
インクの保存安定性を向上するために、各種殺菌剤や防
カビ剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等も添加しても良
い。また造膜性を補助するために小量の水溶性溶剤、た
とえば、エタノ−ル、イソプロパノ−ル、ブタノ−ル、
エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、タ−シャルブチ
ルセロソルブ、アセトン、メチルエチルケトン等を添加
してもよい。
【0028】本発明の水性インクにおいては耐水性を有
する樹脂の微粒子内に油溶性の蛍光染料が固溶体の状態
において存在するため、樹脂微粒子が乾燥に伴い造膜し
た場合、非常に強い耐水性を有する。さらに蛍光染料が
マトリクス樹脂中に固溶して存在するため、水溶性染料
が単に基材上において乾燥固化した状態に比較して非常
に高い耐光堅牢性をしめす。さらに本発明ではマトリク
ス樹脂がポリエステル系樹脂であるために汎用性の高い
ポリエステルフィルムへの接着性が高く、環境上の配慮
の高い水系インクとして産業上きわめて意義の高いもの
となる。
【0029】以下に実施例を示し、本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらになんら限定される物で
はない。
【実施例1】 [ポリエステル樹脂(A1)〜(A3)、(A6)の重
合]温度計、撹拌機を備えたオ−トクレ−ブ中に、 テレフタル酸ジメチルエステル 80 重量部、 イソフタル酸ジメチルエステル 80 重量部、 5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチルエステル 6 重量部 エチレングリコ−ル 68 重量部、 ネオペンチルグリコ−ル 114 重量部、および テトラブトキシチタネ−ト 0.1 重量部 を仕込み120〜220℃で120分間加熱してエステ
ル交換反応を行った。次いで、反応系の温度を180℃
に下げ、 フマル酸 20 重量部 ハイドロキノン 0.1 重量部 を加え、200℃にて60分間反応を続け、その後、反
応系の温度を220〜240℃に上げ、系の圧力1〜1
0mmHgとして60分間反応を続けた結果、共重合ポ
リエステル樹脂(A1)を得た。得られた共重合ポリエ
ステル樹脂(A1)の組成、ガラス転移温度、酸価、分
子量、スルホン酸ナトリウム基当量を表1.に示す。ポ
リエステルの組成はNMR分析、ガラス転移温度はDS
C、酸価は滴定、分子量はGPC、スルホン酸ナトリウ
ム基当量はSの定量により求めた。
【0030】以下、原料を変えて同様に重合を行い、表
1.に示すポリエステル樹脂(A2)〜(A3)、(A
6)を得た。 [ポリエステル樹脂(A4)の重合]温度計、撹拌機を
備えたオ−トクレ−ブ中に、 ジメチルテレフタレ−ト 128 重量部、 エチレングリコ−ル 45 重量部、 ビスフェノ−ルAのプロピレンオキサイド付加物 270 重量部 テトラブトキシチタネ−ト 0.1 重量部 を仕込み150〜220℃で180分間加熱してエステ
ル交換反応を行った。次いで反応系の温度を180℃に
下げ、 無水マレイン酸 29 重量部 ハイドロキノン 0.1 重量部 を加え、200℃にて60分間反応を続け、その後、反
応系の温度を220〜240℃に昇温した後、系の圧力
を徐々に減じて30分後に10mmHgとし、60分間
反応を続けた。その後オ−トクレ−ブ中を窒素ガスで置
換し、大気圧とした。温度を200℃に保ち蘭ウ 水トリ
メリット酸を8重量部を加え、60分間反応を行い、表
1.に示す共重合ポリエステル樹脂(A4)を得た。 [ポリエステル樹脂(A5)の重合]温度計、撹拌機を
備えたオ−トクレ−ブ中に、ビスフェノ−ルAのプロピ
レンオキサイド付加物700重量部、無水マレイン酸1
96重量部、ハイドロキノン1重量部を仕込み、反応系
内に窒素ガスを導入し不活性雰囲気に保ち、0.05重
量部のジブチル錫オキサイドを加え200度にて反応さ
せ表1.に示すポリエステル樹脂(A5)を得た。
【0031】
【表1】 なお、表1.中 NDC は 1,5−ナフタレンジカルボン酸 TPA は テレフタル酸 IPA は イソフタル酸 SIP は 5−ナトリウムスルホイソフタル酸 FA は フマル酸 MA は マレイン酸 TMA は トリメリット酸 EG は エチレングリコール NPG は ネオペンチルグリコ−ル BPP は ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付
加物( 平均分子量350) Tg は ガラス転移温度 を示す。
【0032】[ポリエステル水系微分散体の製造]ポリ
エステル樹脂(A1)300重量部、油性蛍光染料
「C.I.Disperse Yellow 82」の
コンクケ−キ30重量部、メチルエチルケトン150重
量部、テトラヒドロフラン140重量部を80℃にて溶
解した後80℃の水680部を添加し水分散化した。得
られた水分散体を、蒸留用フラスコに入れ、留分温度が
103℃に達するまで蒸留し、冷却後に水を加え脱溶剤
された粒子径約0.1μmの共重合ポリエステル樹脂の
水系微分散体を得た。粒子径はレ−ザ−散乱法により求
めた。得られた水分散体に湿潤剤としてエチレングリコ
−ル、造膜補助剤としてエタノ−ルを添加し、 ・固形分 20wt% (内、ポリエステル樹脂18wt%、染料2wt%) ・エチレングリコ−ル 5wt% ・エタノ−ル 5wt% ・水 70wt% からなる蛍光インク(B1)を得た。以下同様の方法に
てポリエステル樹脂(A2)、(A3)からそれぞれ
(B2)、(B3)を得た。
【0033】ポリエステル(A4)300部、蛍光染料
「C.I.Disperse Yellow 82」の
コンクケ−キ30重量部、ブタノ−ル100部を加え9
0℃で溶解した後、80℃まで冷却した。さらに共重合
ポリエステルの酸価に等量となるように1Nのアンモニ
ア水溶液を加え、80℃を保持し30分間撹拌した後8
0℃の水500部を添加し共重合ポリエステルの水系微
分散体を得た。さらに得られた水微分散体を蒸留用フラ
スコに入れ、留分温度100℃に達するまで蒸留した後
冷却し、最終的に脱溶剤された固形分濃度30%の共重
合ポリエステルの水微分散体を得た。以下同様に処方し
蛍光インク(B4)を得た。以下同様の方法にてポリエ
ステル樹脂(A5)から(B5)を得た。樹脂ポリエス
テル(A6)を用い同様の操作を行ったが微分散体を得
ることはできなかった。
【0034】
【比較例1】ポリエステル樹脂(A1)300重量部、
メチルエチルケトン150重量部、テトラヒドロフラン
140重量部を80℃にて溶解した後80℃の水680
部を添加し水分散化した。得られた水分散体を、蒸留用
フラスコに入れ、留分温度が103℃に達するまで蒸留
し、冷却後に水を加え脱溶剤された粒子径約0.1μm
の共重合ポリエステル樹脂の水系微分散体を得た。得ら
れた水分散体に酸性染料型蛍光染料「C.I.Acid
Yellow 73」、湿潤剤としてエチレングリコ
−ル、造膜補助剤としてエタノ−ルを添加し、 ・ポリエステル樹脂 18wt% ・染料 2wt% ・エチレングリコ−ル 5wt% ・エタノ−ル 5wt% ・水 70wt% からなる蛍光インク(C1)を得た。
【0035】
【実施例2】蛍光染料を「C.I.Solvent R
ed 49」に代えた以外は実施例1と同様に行い表
2.に示す蛍光インク(D1)〜(D5)を得た。得ら
れた蛍光インクはいずれも昼光下にて美しい青みを帯び
た赤色の蛍光を発した。
【0036】(評価)得られたインクを60℃の環境下
に2週間放置したがいずれのインクも安定性に特に問題
は認められなかった。また同様に−5℃の環境下に2週
間放置したが同様に問題は認められなかった。 得られ
たインクをインクジェットプリンタ−「カラ−イメ−ジ
ジェットIO−735X[シャ−プ(株)製]」に仕込
み、ポリエステル系合成紙クリスパ−1G1111[東
洋紡績(株)製]上にテスト印字を行った。得られた印
字物の色調はいずれも明るい蛍光色であった。印字物の
耐水性を評価する目的にて、得られた印字物を水中に1
0秒間浸漬した後に引き上げ、目視にて観察した。実施
例により得られた印字物には特に問題を認めることがで
きなかった。比較例によるインクを用いた印字物におい
ては蛍光色のにじみ出しが生じた。これらの結果は表
2.表3に示す。得られた印字物を昼光下に1週間保持
し耐光性を評価した。比較例から得られた印字物におい
ては蛍光がほぼ完全に消失していた。実施例により得ら
れた印字物において、ポリエステル樹脂(A1)、(A
4)から得られたものはほぼ蛍光を維持していた。ポリ
エステル樹脂(A2)、(A3)、(A5)から得られ
たものは蛍光の低下がやや見られたものの消失するには
至っていなかった。
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明により得
られる蛍光インクは水性でありながらも得られる乾燥塗
膜には優れた耐水性を発現し、またインク自体の保存安
定性にも優れ、さらに耐光性にも優れた特性を有し、産
業上有益なものであることが示された。本発明の蛍光イ
ンクは水性の蛍光インクとしての用途のみならず、塗
料、インク、ペイント、コ−ティング材等々への添加成
分としても広く用いられるべきものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 陽三 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水に不溶ないしは難溶性でかつ有機溶剤
    に可溶である蛍光染料を含有する、平均粒子径が1μm
    以下であり、20〜1000eq. /ton の範囲にてイオ
    ン性基を含有するポリエステル樹脂の微粒子が水系媒体
    中に微分散してなる水性蛍光インク。
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