JPH07149634A - 連続投与用抗腫瘍剤 - Google Patents

連続投与用抗腫瘍剤

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JPH07149634A
JPH07149634A JP22751394A JP22751394A JPH07149634A JP H07149634 A JPH07149634 A JP H07149634A JP 22751394 A JP22751394 A JP 22751394A JP 22751394 A JP22751394 A JP 22751394A JP H07149634 A JPH07149634 A JP H07149634A
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JP
Japan
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group
antitumor agent
agent according
cancer
substituent
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Withdrawn
Application number
JP22751394A
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English (en)
Inventor
Shuichi Ikeyama
崇一 池山
Toshihiro Yamamoto
敏弘 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】優れた抗腫瘍剤を提供する。 【構成】血管新生阻害活性を有するフマギロール誘導体
またはその塩と殺細胞作用を有する白金錯体とを組み合
わせてなる連続投与用抗腫瘍剤。 【効果】極めて低い投与量で優れた抗腫瘍活性を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は血管新生阻害作用を有す
るフマギロール誘導体またはその塩(以下、単にTNP
と略記することがある)と殺細胞作用を有する白金錯体
とを組み合わせてなる連続投与用抗腫瘍剤に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】最近の癌薬物療法は殺細胞作用による腫
瘍細胞死を目的とした化学療法剤の使用がその主流を占
めている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら現在使用
可能な化学療法剤は有用な薬効を示すものの、正常細胞
に対する毒性も強い。逆に副作用を抑えた投与量では抗
腫瘍効果も弱く、満足すべきものではない。 近年、新しい癌薬物療法として血管新生阻害剤の開発研
究が盛んに行われ、数多くの前臨床試験成績も報告され
ている〔例、アドバンシス・イン・キャンサー・リサー
チ(Advances in Cancer Research),43,175 (1
985)等〕。固型腫瘍の増殖には血管新生が必須であ
り、腫瘍組織では血管内皮細胞の増殖は極めて活発であ
る。一方、正常な成人では生殖に関与する組織を除いて
は血管新生は認められず血管内皮細胞のターンオーバー
も月単位である。従って血管内皮細胞の増殖を選択的に
阻害する血管新生阻害剤は、従来の癌化学療法剤に比べ
て副作用が顕著に低減された新しい機序の抗腫瘍剤とな
る可能性が示唆されている。6−O−(N−クロロアセ
チルカルバモイル)フマギロールは血管内皮細胞の増殖
に対して低濃度、広範囲(例えば30pg/mlないし3μg
/ml)で、静細胞的阻害作用を示し、またチューブ形成
を選択的に阻害することが見いだされた血管新生特異的
阻害剤のひとつであり〔バイオケミカル・アンド・バイ
オフィジカル・リサーチ・コミュニケーションズ(Bioch
emical and Biophysical Research Communicatioms),
174,1070(1991)〕、この化合物は直接増殖
阻害作用が弱い腫瘍細胞を移植した担癌動物に全身投与
しても血管新生阻害作用に基づく腫瘍増殖抑制作用なら
びに延命効果を示すことが報告されている〔ネイチャー
(Nature),348,555(1990)〕。さらに、上記
の6−O−(N−クロロアセチルカルバモイル)フマギロ
ールと他の薬剤との併用については、ホルモン剤のタモ
キシフェン(Tamoxifen)との併用によるホルモン依存
性乳癌の治療効果が報告されている〔インターナショナ
ルジャーナル オブ オンコロジー(International Jou
rnal of Oncology),,525(1993)〕。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の問
題点に鑑み、より強力な抗腫瘍作用を示し、なおかつよ
り安全性の高い抗腫瘍剤を得るべく鋭意研究を続けたと
ころ、6−O−(N−クロロアセチルカルバモイル)フマ
ギロールとシスプラチンとを組み合わせて担癌動物に連
続投与すると優れた治療効果が得られることを見いだ
し、さらにこれらの知見にもとづき種々検討の結果、本
発明を完成した。すなわち、本発明は、(1)血管新生
阻害活性を有するフマギロール誘導体またはその塩と殺
細胞作用を有する白金錯体とを組み合わせてなる連続投
与用抗腫瘍剤、(2)フマギロール誘導体が一般式:
【化2】 〔式中、R1は水素を、R2はハロゲン、N(O)mR
56、N+567・X-、S(O)nR5またはS+56
・X-(式中、R5、R6およびR7はそれぞれ置換基を有
していてもよい炭化水素基もしくは置換基を有していて
もよい複素環基を、X-はカウンターアニオンを、mは
0または1を、nは0ないし2の整数を示す。また、R
5とR6とは隣接する窒素原子もしくは硫黄原子と共に縮
環していてもよい含窒素または含硫黄複素環基を形成し
ていてもよく、これらの縮環していてもよい含窒素また
は含硫黄複素環基は置換基を有していてもよい)を示す
か、または、R1とR2とで結合手を示し、R3は置換基
を有していてもよい2−メチル−1−プロペニル基また
は置換基を有していてもよいイソブチル基を示し、Aは
酸素原子またはNR8(式中、R8は水素、それぞれ置換
基を有していてもよい低級アルキル基またはアリール基
を示す)を示し、R4は水素、それぞれ置換基を有してい
てもよい炭化水素基またはアシル基を示す〕で表される
化合物である上記(1)記載の抗腫瘍剤、(3)R1
2とで結合手を示す上記(2)記載の抗腫瘍剤、
(4)R5、R6またはR7で示される炭化水素基が直鎖
または分枝状のC1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、
2-6アルキニル基、C3-6シクロアルキル基、C3-6
クロアルケニル基、C7-13アラルキル基またはC6-10
リール基である上記(2)記載の抗腫瘍剤、(5)Aが
酸素原子である上記(2)記載の抗腫瘍剤、(6)R3
が2−メチル−1−プロペニル基である上記(2)記載
の抗腫瘍剤、(7)R4が置換基を有するカルバモイル
基である上記(2)記載の抗腫瘍剤、(8)フマギロー
ル誘導体が6−O−(N−クロロアセチルカルバモイル)
フマギロールである上記(1)記載の抗腫瘍剤、(9)
フマギロール誘導体が6−O−(N−メチルカルバモイ
ル)フマギロールである上記(1)記載の抗腫瘍剤、
(10)フマギロール誘導体またはその塩がシクロデキ
ストリン誘導体との複合体である上記(1)記載の抗腫
瘍剤、(11)シクロデキストリン誘導体がマルトシル
−β−シクロデキストリンである上記(10)記載の抗
腫瘍剤、(12)白金錯体がDNAのアルキル化作用を
有する白金錯体である上記(1)記載の抗腫瘍剤、(1
3)白金錯体がシスプラチン、カルボプラチン、ネダプ
ラチン、ゼニプラチン、エンロプラチン、ロバプラチ
ン、オルマプラチン、ロボプラチンまたはセブリプラチ
ンである上記(1)記載の抗腫瘍剤、(14)白金錯体
がシスプラチンである上記(13)記載の抗腫瘍剤、
(15)治療されるべき腫瘍が、悪性黒色腫、悪性リン
パ腫、消化器癌、肺癌、膵臓癌、食道癌、乳癌、肝臓
癌、卵巣癌、子宮癌、前立腺癌、脳腫瘍、カポジ肉腫、
血管腫、骨肉腫または筋肉腫である上記(1)記載の抗
腫瘍剤、(16)治療されるべき腫瘍が、乳癌、肝臓
癌、前立腺癌、消化器癌、肺癌、脳腫瘍またはカポジ肉
腫である上記(15)記載の抗腫瘍剤、(17)血管新
生阻害活性を有するフマギロール誘導体またはその塩と
殺細胞作用を有する白金錯体とを組み合わせてなり、各
成分を対象物に2回以上投与することを特徴とする抗腫
瘍剤、および(18)血管新生阻害活性を有するフマギ
ロール誘導体またはその塩を含有してなる製剤と殺細胞
作用を有する白金錯体とを組み合わせたことを特徴とす
る連続投与用腫瘍治療セットを提供するものである。
【0005】本発明で用いる血管新生阻害活性を有する
フマギロール誘導体(TNP)としては、血管内皮細胞
の増殖を選択的に静細胞的阻害する活性を保持するもの
であればよく、例えば一般式(I):
【化3】 〔式中、R1は水素を、R2はハロゲン、N(O)mR
56、N+567・X-、S(O)nR5またはS+56
・X-(式中、R5、R6およびR7はそれぞれ置換基を有
していてもよい炭化水素基もしくは置換基を有していて
もよい複素環基を、X-はカウンターアニオンを、mは0
または1を、nは0ないし2の整数を示す。また、R5
6とは隣接する窒素原子または硫黄原子と共に縮環し
ていてもよい含窒素または含硫黄複素環基を形成してい
てもよく、これらの縮環していてもよい含窒素または含
硫黄複素環基は置換基を有していてもよい)を示すか、
または、R1とR2とで結合手を示し、R3は置換基を有
していてもよい2−メチル−1−プロペニル基または置
換基を有していてもよいイソブチル基を示し、Aは酸素
原子またはNR8(式中、R8は水素、それぞれ置換基を
有していてもよい低級アルキル基またはアリール基を示
す)を示し、R4は水素、それぞれ置換基を有していても
よい炭化水素基またはアシル基を示す〕で表される化合
物(以下、化合物(I)と略記することもある)またはそ
の塩である。上記一般式(I)中、R2で示されるハロゲ
ンとしては、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げ
られる。また、R1とR2とで結合手を示すときはエポキ
シ環を形成する。
【0006】R5、R6またはR7で示される置換基を有
していてもよい炭化水素基の炭化水素基としては、例え
ば直鎖または分枝状の炭素数1〜6のアルキル基(例、
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イ
ソブチル、sec−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘ
キシルなど)、直鎖または分枝状の炭素数2〜6のアル
ケニル基(例、ビニル、アリル、2−ブテニル、メチル
アリル、3−ブテニル、2−ペンテニル、4−ペンテニ
ル、5−ヘキセニルなど)、直鎖または分枝状の炭素数
2〜6のアルキニル基(例、エチニル、プロパルギル、
2−ブチン−1−イル、3−ブチン−2−イル、1−ペ
ンチン−3−イル、3−ペンチン−1−イル、4−ペン
チン−2−イル、3−ヘキシン−1−イルなど)、炭素
数3〜6のシクロアルキル基(例、シクロプロピル、シ
クロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなど)、
炭素数3〜6のシクロアルケニル基(例、シクロブテニ
ル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘキ
サジエニルなど)、炭素数7〜13のアラルキル基(例、
ベンジル、1−フェネチル、2−フェネチルなど)、炭
素数6〜10のアリール基(例、フェニル、ナフチルな
ど)などが挙げられる。
【0007】R5、R6またはR7で示される置換基を有
していてもよい複素環基の複素環基としては、例えばヘ
テロ原子(例、窒素、酸素、硫黄など)を1〜4個含む5
または6員複素環基(例、2−フリル、2−チエニル、
4−チアゾリル、4−イミダゾリル、4−ピリジル、
1,3,4−チアジアゾール−2−イル、5−テトラゾリ
ルなど)などが挙げられる。該複素環基は、炭素原子の
他に1〜3個のヘテロ原子(例、窒素、酸素、硫黄など)
を含んでいてもよい5または6員環(例、ベンゼン、ピ
リジン、シクロヘキサンなど)と縮合して2環性縮合環
基(例、8−キノリル、8−プリニルなど)などを形成し
ていてもよい。R5とR6とが隣接する窒素原子と共に形
成していてもよい含窒素複素環基としては、窒素原子の
他に1〜3個のヘテロ原子(例、窒素、酸素、硫黄など)
を含んでいてもよい4〜7員環の含窒素複素環基(例、
ピロリジン−1−イル、ピペリジノ、モルホリノ、ピペ
ラジン−1−イルなど)などが挙げられる。R5とR6
が隣接する硫黄原子と共に形成していてもよい含硫黄複
素環基としては、硫黄原子の他に1〜3個のヘテロ原子
(例、窒素、酸素、硫黄など)を含んでいてもよい4〜7
員環の含硫黄複素環基(例、テトラヒドロチオフェン−
1−イル、1,4−チオキサン−1−イルなど)などが挙
げられる。R5とR6とが隣接する窒素原子または硫黄原
子と共に形成していてもよい含窒素または含硫黄複素環
基は5または6員環(例、ベンゼン、ピリジン、ピラジ
ン、ピリミジン、ピリダジン、シクロヘキサンなど)と
縮環(縮合)して2環性縮合環基(例、イソインドリル−
2−イル、2−イソキノリル、1,3−ジヒドロベンゾ
〔c〕チオフェン−2−イル、2,3−ジヒドロベンゾ
〔b〕チオフェン−1−イル、1,2,4,5−テトラヒ
ドロベンゾ〔d〕チエピン−3−イル、1,3−ジヒド
ロチエノ〔3,4−c〕ピリジン−2−イル、5,7−ジ
ヒドロチエノ〔3,4−b〕ピラジン−6−イル、5,7
−ジヒドロチエノ〔3,4−d〕ピリダジン−6−イル
など)などを形成していてもよい。
【0008】R8で示される置換基を有していてもよい
低級アルキル基の低級アルキル基としては、例えば炭素
数1〜6のアルキル基(例、メチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチ
ル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシルなど)などが挙
げられる。R8で示される置換基を有していてもよいア
リール基のアリール基としては、炭素数6〜10のアリ
ール基(例、フェニル、ナフチルなど)などが挙げられ
る。R4で示される置換基を有していてもよい炭化水素基
としては、上記したR5、R6またはR7で示される置換
基を有していてもよい炭化水素基で詳記したもの等が挙
げられる。なお、R4で表される炭化水素基がアルケニ
ル基のときは、無置換のものが好ましい。
【0009】R4で示される置換基を有していてもよい
アシル基としては、それぞれ置換基を有していてもよい
カルボン酸アシル、スルホン酸アシル、カルバモイル、
チオカルバモイル、スルファモイルなどの酸の残基(該
当する酸より導かれるアシル基)などが挙げられ、例え
ば、それぞれ置換基を有していてもよいアルカノイル、
アロイル、複素環カルボニル、カルバモイル、チオカル
バモイル、アリールスルホニル、アルキルスルホニル、
スルファモイル、アルコキシカルボニル、アリールオキ
シカルボニルなどが挙げられる。上記した置換基を有し
ていてもよいアルカノイル基のアルカノイル基として
は、炭素数1〜6のアルカノイル基(例、ホルミル、ア
セチル、プロピオニル、イソプロピオニル、ブチリル、
ペンタノイル、ヘキサノイルなど)などが挙げられる。
置換基を有していてもよいアロイル基のアロイル基とし
ては、炭素数7〜11のアロイル基(例、ベンゾイル、
1−ナフトイル、2−ナフトイルなど)などが挙げられ
る。
【0010】置換基を有していてもよい複素環カルボニ
ル基における複素環カルボニル基としては、ヘテロ原子
(例、窒素、酸素、硫黄など)を1〜4個含む5または6
員複素環カルボニル基(例、2−フロイル、2−テノイ
ル、ニコチノイル、イソニコチノイルなど)などが挙げ
られる。置換基を有していてもよいアリールスルホニル
基のアリールスルホニル基としては、炭素数6〜10の
アリールスルホニル基(例、ベンゼンスルホニル、1−
ナフチルスルホニル、2−ナフチルスルホニルなど)な
どが挙げられる。置換基を有していてもよいアルキルス
ルホニル基のアルキルスルホニル基としては、炭素数1
〜6のアルキルスルホニル基(例、メチルスルホニル、
エチルスルホニルなど)などが挙げられる。置換基を有
していてもよいアルコキシカルボニル基のアルコキシカ
ルボニル基としては、炭素数2〜7のアルコキシカルボ
ニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニ
ル、イソブトキシカルボニルなど)などが挙げられる。
置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基
のアリールオキシカルボニル基としては、炭素数7〜1
1のアリールオキシカルボニル基(例、フェノキシカル
ボニル、1−ナフチルオキシカルボニル、2−ナフチル
オキシカルボニルなど)などが挙げられる。
【0011】R3で示される置換基を有していてもよい
2−メチル−1−プロペニル基または置換基を有してい
てもよいイソブチル基の置換基としては、例えばヒドロ
キシル基、アミノ基、低級(C1-3)アルキルアミノ基
(例、メチルアミノ、エチルアミノ、イソプロピルアミ
ノなど)、ジ低級(C1-3)アルキルアミノ基(例、ジメ
チルアミノ、ジエチルアミノなど)などが挙げられる。
これらのうち、ヒドロキシル基およびジ低級(C1-3
アルキルアミノ基が好ましく、特にジメチルアミノ基が
好ましい。R5、R6またはR7で示されるそれぞれ置換
基を有していてもよい炭化水素基または複素環基、R5
とR6とが隣接する窒素原子もしくは硫黄原子と共に縮
環していてもよく、置換基を有していてもよい含窒素ま
たは含硫黄複素環基、R8で示されるそれぞれ置換基を
有していてもよい低級アルキル基またはアリール基、お
よびR4で示されるそれぞれ置換基を有していてもよい
炭化水素基またはアシル基(例、アルカノイル基、アロ
イル基、複素環カルボニル基、カルバモイル基、チオカ
ルバモイル基、アリールスルホニル基、アルキルスルホ
ニル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、
またはアリールオキシカルボニル基など)の置換基の数
は1〜3個が好ましい。
【0012】該置換基としては、例えば、C1-6アルキ
ル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、
ブチル、イソブチル、sec−ブチル、ペンチル、イソペ
ンチル、ヘキシルなど)、C2-6アルケニル基(例、ビニ
ル、アリル、2−ブテニル、メチルアリル、3−ブテニ
ル、2−ペンテニル、4−ペンテニル、5−ヘキセニル
など)、C2-6アルキニル基(例、エチニル、プロパルギ
ル、2−ブチン−1−イル、3−ブチン−2−イル、1
−ペンチル−3−イル、3−ペンチル−1−イル、4−
ペンチル−2−イル、3−ヘキシン−1−イルなど)、
3-6シクロアルキル基(例、シクロプロピル、シクロブ
チル、シクロペンチル、シクロヘキシルなど)、C3-6
クロアルケニル基(例、シクロブテニル、シクロペンテ
ニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニルな
ど)、C6-10アリール基(例、フェニル、ナフチルな
ど)、アミノ基、モノC1-6アルキルアミノ基(例、メチ
ルアミノ、エチルアミノ、イソプロピルアミノなど)、
ジC1-6アルキルアミノ基(例、ジメチルアミノ、ジエチ
ルアミノなど)、アジド基、ニトロ基、ハロゲン(例、フ
ッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、ヒドロキシル基、C
1-4アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシなど)、C
6-10アリールオキシ基(例、フェノキシ、ナフチルオキ
シなど)、C1-6アルキルチオ基(例、メチルチオ、エチ
ルチオ、プロピルチオなど)、C6-10アリールチオ基
(例、フェニルチオ、ナフチルチオなど)、シアノ基、カ
ルバモイル基、カルボキシル基、C1-4アルコキシカル
ボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニ
ルなど)、C7-11アリールオキシカルボニル基(例、フェ
ノキシカルボニル、1−ナフチルオキシカルボニル、2
−ナフチルオキシカルボニルなど)、カルボキシ−C1-4
アルコキシ基(例、カルボキシメトキシ、2−カルボキ
シエトキシなど)、C1-6アルカノイル基(例、ホルミ
ル、アセチル、プロピオニル、イソプロピオニル、ブチ
リル、ペンタノイル、ヘキサノイルなど)、C7-11アロ
イル基(例、ベンゾイル、1−ナフトイル、2−ナフト
イルなど)、C1-6アルキルスルホニル基(例、メチルス
ルホニル、エチルスルホニルなど)、C6-10アリールス
ルホニル基(例、ベンゼンスルホニル、1−ナフチルス
ルホニル、2−ナフチルスルホニルなど)、C1-6アルキ
ルスルフィニル基(例、メチルスルフィニル、エチルス
ルフィニルなど)、C6-10アリールスルフィニル基(例、
ベンゼンスルフィニル、1−ナフチルスルフィニル、2
−ナフチルスルフィニルなど)、ヘテロ原子(例、窒素、
酸素、硫黄など)を1〜4個含む5または6員複素環基
(例、2−フリル、2−チエニル、4−チアゾリル、4
−イミダゾリル、4−ピリジル、1,3,4−チアジアゾ
ール−2−イル、5−テトラゾリルなど)、ヘテロ原子
(例、窒素、酸素、硫黄など)を1〜4個含む5または6
員複素環カルボニル基(例、2−フロイル、2−テノイ
ル、ニコチノイル、イソニコチノイルなど)、ヘテロ原
子(例、窒素、酸素、硫黄など)を1〜4個含む5または
6員複素環チオ基(例、4−ピリジルチオ、2−ピリミ
ジルチオ、1,3,4−チアジアゾール−2−イルチオ、
5−テトラゾリルチオなど)などが挙げられ、さらに複
素環チオ基はベンゼン環が縮合して2環性縮合環チオ基
(例、2−ベンゾチアゾリルチオ、8−キノリルチオな
ど)を形成していてもよい。また、R4が、それぞれジ置
換のカルバモイル基、チオカルバモイル基またはスルフ
ァモイル基を示す場合、カルバモイル基、チオカルバモ
イル基またはスルファモイル基はその窒素原子とともに
含窒素複素環〔例、ピロリジン−1−イル、ピペリジ
ノ、モルフォリノ、ピペラジン−1−イル、4−メチル
ピペラジン−1−イル、4−フェニルピペラジン−1−
イルなどのような、窒素原子の他に1〜3個のヘテロ原
子(例、窒素、酸素、硫黄など)を含んでいてもよい4〜
7員環含窒素複素環など〕を形成していてもよい。
【0013】また、R5、R6またはR7で示されるそれ
ぞれ置換基を有していてもよい炭化水素基または複素環
基における置換基、R5とR6とが隣接する窒素原子また
は硫黄原子と共に縮環していてもよく、置換基を有して
いてもよい含窒素または含硫黄複素環基における置換
基、R8で示されるそれぞれ置換基を有していてもよい
低級アルキル基またはアリール基における置換基、およ
びR4で示されるそれぞれ置換基を有していてもよい炭
化水素基またはアシル基(例、アルカノイル基、アロイ
ル基、複素環カルボニル基、カルバモイル基、チオカル
バモイル基、アリールスルホニル基、アルキルスルホニ
ル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基また
はアリールオキシカルボニル基等)における置換基は、
さらに置換可能な位置に1〜3個の置換基を有していて
もよい。
【0014】該置換基としては、例えば、上記のC1-6
アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、
3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルケニル基、C
6-10アリール基、アミノ基、モノC1-6アルキルアミノ
基、ジC1-6アルキルアミノ基、アジド基、ニトロ基、
ハロゲン、ヒドロキシル基、C1-4アルコキシ基、C
6-10アリールオキシ基、C1-6アルキルチオ基、C6-10
アリールチオ基、シアノ基、カルバモイル基、カルボキ
シル基、C1-4アルコキシカルボニル基、C7-11アリー
ルオキシカルボニル基、カルボキシC1-4アルコキシ
基、C1-6アルカノイル基、ハロゲノC1-6アルカノイル
基、C7-11アロイル基、C1-6アルキルスルホニル基、
6-10アリールスルホニル基、C1-6アルキルスルフィ
ニル基、C6-10アリールスルフィニル基、5または6員
複素環基、5または6員複素環カルボニル基、5または
6員複素環チオ基等が挙げられる。
【0015】X-で示されるカウンターアニオンとして
は、例えば、ハロゲンイオン(例、ヨードイオン、ブロ
ムイオン、クロルイオンなど)、硫黄イオン、リン酸イ
オン、硝酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボ
レートイオン、メタンスルフェートイオン、p−トリル
スルフェートイオン、ベンゼンスルフェートイオン、水
酸イオン、有機酸のカルボキシレートイオン(例、オキ
ザレートイオン、マレエートイオン、フマレートイオ
ン、サクシネートイオン、シトレートイオン、ラクテー
トイオン、トリフルオロアセテートイオン、ラクトビオ
ネートイオン、アセテートイオン、プロピオネートイオ
ン、タータレートイオン、エチルサクシネートイオンな
ど)などが挙げられる。
【0016】化合物(I)は分子内に不斉中心をもち光学
活性を有するがその絶対構造は原料のフマギロールに基
づくものであり、特に明示のない場合はフマギロールの
絶対構造と一致するものを意味する。シクロヘキサン環
上の置換基の結合様式は、
【化4】 場合を示す。化合物(I)においては、R1とR2とで結合
手を示すか、R1が水素でR2がN(O)mR56、N+5
67・X-、S(O)nR5またはS+56・X-である
化合物が好ましい。R1とR2とで結合手を示す化合物が
特に好ましい。Aは、酸素原子またはNHが好ましい。
とりわけ酸素原子が好ましい。R3は、それぞれ(1)
ヒドロキシル基もしくは(2)ジアルキルアミノ基で置
換されていてもよい2−メチル−1−プロペニルまたは
イソブチル基が好ましい。とりわけ2−メチル−1−プ
ロペニル基が好ましい。
【0017】R4は、水素または置換基を有するカルバ
モイル基が好ましい。とりわけ置換基を有するカルバモ
イル基が好ましく、該置換基としては、(1)C1-6
ルキル基もしくは(2)ハロゲンで置換されていてもよ
いC1-6アルカノイル基が特に好ましい。化合物(I)
のうち好ましいものとしては、例えば、6−O−(N−
クロロアセチルカルバモイル)フマギロール、6α−
(N’−クロロアセチルウレイド)−6−デオキシフマ
ギロール、4−(N’−クロロアセチルウレイド)−2
−(1,2−エポキシ−1,5−ジメチル−4−ヘキセニ
ル)−1−(1,3−ジヒドロベンゾ〔c〕チオフェン
−2−イリオ)−3−メトキシシクロヘキサノールクロ
リド、6−O−(N−メチルカルバモイル)フマギロー
ルなどが挙げられる。6−O−(N−クロロアセチルカ
ルバモイル)フマギロールおよび6−O−(N−メチル
カルバモイル)フマギロールが特に好ましい。
【0018】化合物(I)が分子内に酸性置換基(例、カ
ルボキシルなど)あるいは塩基性置換基(例、アミノ、モ
ノ低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、含窒素
複素環基など)を有する場合には、生理学的に受容され
る塩を形成していてもよい。その塩の例としては、無機
塩基との塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸と
の塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩などが挙げられ
る。これらの塩類を生成させうる無機塩基としてはアル
カリ金属(例、ナトリウム、カリウムなど)、アルカリ土
類金属(例、カルシウム、マグネシウムなど)などが、有
機塩基としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチ
ルアミン、ピリジン、ピコリン、N,N−ジベンジルエ
チレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、ジシクロヘ
キシルアミンなどが、無機酸としては、例えば、塩酸、
臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などが、有機酸として
は、例えば、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ
酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、メタンスルホン
酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸など
が、塩基性または酸性アミノ酸としては、例えば、アル
ギニン、リジン、オルニチン、アスパラギン酸、グルタ
ミン酸などが用いられる。これらの塩のうち塩基との塩
(すなわち、無機塩基との塩、有機塩基との塩、塩基性
アミノ酸との塩)は化合物(I)の置換基中のカルボキシ
ル基と、また、酸との塩(すなわち無機酸との塩、有機
酸との塩、酸性アミノ酸との塩)は化合物(I)の置換基
中のアミノ基、モノ低級アルキルアミノ基、ジ低級アル
キルアミノ基、含窒素複素環基などと形成しうる塩を意
味する。
【0019】また、化合物(I)が分子内にジ低級アルキ
ルアミノ基、含窒素複素環基または含窒素芳香族複素環
基などを有する場合にはこれらの基中の窒素原子がさら
にアルキル化されて4級アンモニオ基(例、トリメチル
アンモニオ、N−メチルピリジニル、N−メチルピロリ
ジン−1−イリウムなど)を形成していてもよく、カウ
ンターアニオンとしては上記のX-で示したカウンター
アニオンと同様のカウンターアニオンが挙げられる。一
般式(I)で表される化合物またはその塩は、微生物の生
産するフマギリン(fumagillin)の加水分解産物フマギロ
ール(fumagillol)〔ターベル、ディー・エス(Tarbell,
D. S. )ら、ジャーナル オブ アメリカン ケミカル
ソサイエティ(J. Am. Chem. Soc. ) 83、3096
(1961)〕を出発物質として用いることによって製造
でき、例えば特開平1−279828号(EP−A−3
25,199)、特開平3−7270号(EP−A−3
59,036)、特開平3−7222号(EP−A−3
57,061)、特開平3−14571号(EP−A−
386,667)、特開平3−7271号(EP−A−
387,650)、特開平3−279376号(EP−
A−415,294)、特開平2−76866号(EP
−A−354,787)、EP−A−354,787など
に記載の方法またはこれらに準じた方法により製造でき
る。
【0020】本発明で用いる血管新生阻害活性を有する
フマギロール誘導体は、その塩としてもよく、また公知
の製剤学的製造法に準じて製剤化された複合体としても
よい。例えば水に対する溶解度を高めて吸収を促進し、
薬理活性を高める目的で該フマギロール誘導体をシクロ
デキストリン誘導体との複合体として使用してもよい。
シクロデキストリン誘導体としては、シクロデキストリ
ン(例、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリ
ン、γ-シクロデキストリン、δ-シクロデキストリン
等)またはその誘導体が用いられる。シクロデキストリ
ン誘導体としては、例えば糖残基で置換されたシクロデ
キストリンがあげられ、例えばグルコシル-α-,-β-,
-γ-,-δ-シクロデキストリン、マルトシル-α-,-β
-,-γ-,-δ-シクロデキストリン、マルトトリオシル-
α-,-β-,-γ-,-δ-シクロデキストリン、ジマルト
シル-α-,-β-,-γ-,-δ-シクロデキストリン等が挙
げられる。これらの中でマルトシル-α-,-β-,-γ-,
-δ-シクロデキストリン、グルコシル-α-,-β-,-γ
-,-δ-シクロデキストリンが好ましく、さらにマルト
シル-β-シクロデキストリンが特に好ましい。上記フマ
ギロール誘導体またはその塩とシクロデキストリン誘導
体との複合体の製造法としては、例えば特開平4−29
7,469号に記載の方法(例、フマギロール誘導体ま
たはその塩およびシクロデキストリン誘導体を水に溶解
し、室温(−10℃〜35℃)〜80℃で撹拌し、溶液
とする方法、及び、得られた溶液をろ過、凍結乾燥して
粉末化する方法など)またはそれに準じた方法が採用さ
れる。
【0021】本発明で用いる殺細胞作用を有する白金錯
体としては、例えばDNAのアルキル化作用を有する白
金錯体などが挙げられる。このような白金錯体として
は、例えばシスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチ
ン、ゼニプラチン、エンロプラチン、ロバプラチン、オ
ルマプラチン、ロボプラチン、セブリプラチンなどが挙
げられる。好ましくはシスプラチンである。
【0022】本発明の連続投与用抗腫瘍剤は、通常、こ
れらの有効成分を薬理学的に許容され得る担体もしくは
賦形剤と混合してなる医薬組成物として経口または非経
口的に用いられる。例えば、各有効成分をあらかじめ水
溶液としたもの、各有効成分を凍結乾燥することによっ
て固型状の混合物としたもの、各有効成分の水溶液とし
たものを凍結乾燥することによってそれぞれ固型状とし
たもの、有効成分のいずれかが水溶液で別の有効成分が
凍結乾燥することにより固型状としたもの、各有効成分
を別個に製剤として組み合わせたセットなどの形態が挙
げられる。本発明の連続投与用抗腫瘍剤は、これらの有
効成分を、公知の製剤学的製造法に準じ、所望により製
剤学的に許容され得る希釈剤、賦形剤などを用い、混合
して一剤として投与できる。また、それぞれの有効成分
を別途、所望により製剤学的に許容され得る希釈剤、賦
形剤などを用い、製剤化し、用時希釈剤等を用いて一剤
として投与することができる。さらに、前記したように
それぞれ別途製剤化したものを組み合わせておき、これ
らを別個に、同時に、または時間差をおいて、同一対象
に対して同一経路または異なった経路で投与する剤形と
することもできる。いずれの投与方法を採用する場合に
おいても、本発明の連続投与用抗腫瘍剤中の有効成分で
ある血管新生阻害活性を有するフマギロール誘導体また
はその塩、および殺細胞作用を有する白金錯体の各々を
2回以上対象物に投与する。
【0023】本発明の抗腫瘍剤が溶液である場合は、水
性溶剤(例えば、蒸留水等)、水溶性溶剤(例えば、生理
的食塩水,リンゲル液等)、油性溶剤(例えば、ゴマ油,
トウモロコシ油,オリーブ油等)等の溶剤を用いて、常
套手段により調製される。この際、所望により溶解補助
剤(例えば、サリチル酸ナトリウム,酢酸ナトリウム
等)、緩衝剤(例えば、クエン酸ナトリウム,グリセリン
等)、等張化剤(例えば、ブドウ糖,転化糖等)、安定剤
(例えば、ヒト血清アルブミン,ポリエチレングリコー
ル等)、保存剤(例えば、ベンジルアルコール,フェノー
ル等)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウム,塩酸
プロカイン等)等の添加剤を用いることもできる。製剤
中におけるTNP、白金錯体の含量は調剤により種々異
なるが、例えば溶液の場合、溶液における白金錯体の濃
度は、好ましくは約0.05〜5mg/ml、さらに好まし
くは約0.1〜1mg/mlである。また溶液におけるTN
Pの濃度は好ましくは約0.1〜100mg/mlである。
特に、TNPの濃度は、皮下または静脈内投与の場合、
約5〜50mg/mlが、点滴の場合、約0.1〜4mg/ml
が好ましい。
【0024】使用するTNPの量は、殺細胞作用を有す
る白金錯体との個々の組み合わせによって異なるが、例
えば白金錯体の約0.5〜1000倍(重量比)であ
る。さらに好ましくは約1〜1000倍(重量比)であ
る。経口投与のための組成物としてはさらに、錠剤、丸
剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、シロップ剤、乳剤、懸
濁剤などが挙げられる。かかる組成物は自体公知の方法
によって製造され、担体もしくは賦形剤として、乳糖、
でんぷん、ショ糖、ステアリン酸マグネシウムなどが用
いられる。非経口投与のためには、例えば、注射剤、坐
剤、外用剤などとすることができ、注射剤としては例え
ば、静脈注射剤、皮下注射剤、筋肉内注射剤、点滴注射
剤などとして用いられる。注射剤は通常適当なアンプル
に充填されて提供される。坐剤としては例えば、直腸坐
剤、膣坐剤等が挙げられ、外用剤としては例えば軟膏剤
(クリームを含む)、経鼻投与製剤、経皮製剤等が挙げら
れる。
【0025】たとえば外用剤とするには、自体公知の方
法に従い、本発明の組成物を固状、半固状または液状の
外用剤とすることができる。たとえば、上記固状のもの
としては、本発明の組成物をそのまま、あるいは賦形剤
(例、グリコール、マンニトール、デンプン、微結晶セ
ルロースなど)、増粘剤(例、天然ガム類、セルロース
誘導体、アクリル酸重合体など)などを添加、混合して
粉状の組成物とする。上記液状のものとしては、注射剤
の場合とほぼ同様で、油性あるいは水性懸濁剤とする。
半固状の場合は、水性または油性のゲル剤、あるいは軟
膏剤のものがよい。また、これらはいずれも、pH調節
剤(例、炭酸、リン酸、クエン酸、塩酸、水酸化ナトリ
ウムなど)、防腐剤(例、パラオキシ安息香酸エステル
類、クロロブタノール、塩化ベンザルコニウムなど)な
どを加えてもよい。たとえば坐剤とするには、自体公知
の方法にしたがい、本発明の組成物を油性または水性の
固状、半固状あるいは液状の坐剤とすることができる。
【0026】本発明の抗腫瘍剤は腫瘍を保持する哺乳動
物(例えば、マウス,ラット,家兎,ネコ,イヌ,ウ
シ,ウマ,ヤギ,サル,ヒト等)の治療に有用であり、
これら担癌動物の延命及び癌移転抑制剤に著効を奏す
る。かかる対象疾患としては各種悪性および良性腫瘍、
例えば、悪性黒色腫、悪性リンパ腫、消化器(例、胃、
腸など)癌、肺癌、膵臓癌、食道癌、乳癌、肝臓癌、卵
巣癌、子宮癌、前立腺癌、脳腫瘍、カポジ肉腫、血管
腫、骨肉腫、筋肉腫などが挙げられる。中でも乳癌、肝
臓癌、前立腺癌、消化器癌、肺癌、脳腫瘍、カポジ肉腫
の治療に特に有効である。
【0027】本発明の抗腫瘍剤は低毒性であり、ヒトを
含む哺乳動物に経口的または非経口的に投与することが
できる。なお、所望により前記したと同様に薬理学的、
製剤学的に許容され得る添加剤(例えば、希釈剤、賦形
剤、結合剤、崩壊剤、着色剤、安定化剤など)を混合ま
たはこれらを用いて製剤化したものを使用することもで
きる。本発明の抗腫瘍剤の投与量は剤形、投与方法によ
っても異なるが、例えばマウスに注射剤として投与する
際にはTNP量として1日当たり、約0.1〜200mg
/kgが好ましく、殺細胞作用を有する白金錯体の量とし
ては、1日当たり約0.01〜100mg/kg投与するの
が好ましい。またマウス以外の哺乳動物にはTNP量と
して1日当たり約0.001〜100mg/kgが好まし
く、白金錯体量としては1日当たり約0.001〜10
0mg/kgを投与するのが好ましい。さらに好ましい投与
量は、TNP量として1日当たり約1〜100mg/kg、
白金錯体量として1日当たり約0.01〜50mg/kgで
ある。本発明の抗腫瘍剤においては、TNPと殺細胞作
用を有する白金錯体とを別途製剤化したものを同時に同
一対象に投与することができ、また、時間差をおいて同
一対象に、例えば患者の症状に応じTNP、白金錯体の
順にあるいは逆の順序で投与することができる。
【0028】
【実施例】以下に参考例、実施例および実験例を示し、
本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。 参考例1 6−O−(N−クロロアセチルカルバモイル)フマギロ
ールとマルトシル−β−シクロデキストリンとの包接化
合物の調製 マルトシル−β−シクロデキストリン 719gを水に
溶解したのち、6−O−(N−クロロアセチルカルバモ
イル)フマギロール(以下、化合物Aと略記することも
ある)99gを加え、撹拌機を用い25℃で3時間撹拌
し、4950mlの水溶液を得た。化合物Aがほとんど溶
解したことを確認後、0.22μm のポアサイズを有す
るフィルターでろ過し、得られた薬液を5mlずつバイア
ルに充填し、凍結乾燥し、包接化合物を得た。
【0029】実施例1 参考例1の方法に従って得られた包接化合物30mg(化
合物Aとして3.6mg含有)と、ランダ注(商品名、1m
l中シスプラチン0.5mg含有、日本化薬(製))20m
lとを混合し、バイアルに封入後、凍結乾燥し、化合物
Aとシスプラチンとを含有する製剤を得た。
【0030】実施例2 ランダ注(商品名、1ml中シスプラチン0.5mg含有、
日本化薬(製))50mlバイアルおよび参考例1で得ら
れたバイアルとをそれぞれ5本ずつ1セットにした。 実施例3 参考例1の方法に従って得られた包接化合物247mg
(化合物Aとして30mg含有)と、ランダ注(商品名、
1ml中シスプラチン0.5mg含有、日本化薬(製))2
0mlとを混合し、バイアルに封入後、凍結乾燥し、化合
物Aとシスプラチンとを含有する製剤を得た。
【0031】実験例1 皮下移植腫瘍に対する6−O−(N−クロロアセチルカ
ルバモイル)フマギロール(化合物A)、シスプラチン
の単独および併用連続投与における腫瘍増殖抑制作用 組織培養用シャーレを用い in vitro で継代培養したホ
ルモン非依存性ヒト前立腺癌PC−3細胞株(以下、P
C−3細胞と略記する)を0.25%トリプシンで器壁
からはがし、得られた細胞を10%血清を含むハムF−
12K培地で洗った後、3×107/mlになるようにP
BS(リン酸緩衝液)に懸濁し、その100μlを Balb
/c nu/nuマウス(9週齢、雄)の右側腹部中央に注射
筒(25G針)を用いて移植した。移植17日目に腫瘍
サイズを測定し、平均腫瘍サイズが96〜97mm3 にな
るようにグループ分けをし、次いで以下の方法により調
製した薬物の投与を開始した。腫瘍サイズは長径(a)と
短径(b)をキャリパーで測定し、計算式0.5×a×b
2 から算出した。参考例1で得られた化合物Aとマルト
シル−β−シクロデキストリンとの包接化合物を5%グ
ルコース溶液で投与液量として10μl/gマウス体重
となるように調節し、マウス背部皮下に投与した。シス
プラチンとしてランダ注(商品名、日本化薬(製))を
用い、これを生理食塩水に溶かし、投与液量として10
μl/gマウス体重となるように調製し、マウス腹腔内
に投与した。化合物A単独投与およびシスプラチン単独
投与の場合には、移植17日目に初回の投与を行い、以
後1週間間隔で投与した。化合物Aおよびシスプラチン
を併用投与する場合には移植17日目にシスプラチン
を、移植21日目に化合物Aを投与し、以後1週間間隔
でそれぞれの薬剤の投与を行った。腫瘍移植49日目に
腫瘍増殖抑制作用の評価を以下の方法により行った。移
植49日目に各腫瘍体積を求め、薬物投与開始日の腫瘍
体積を差し引いたのち、薬物投与群(T)とコントロール
群(C)との腫瘍体積比(T/C %)を求めた。結果を
〔表1〕に示す。薬物の投与量は1回当たりの薬物重量
(mg/kg体重)で表した。
【表1】 化合物Aとシスプラチンとの併用により、優れた腫瘍増
殖抑制効果が認められた。
【0032】実験例2 皮下移植腫瘍に対する化合物A、シスプラチンの単独お
よび併用連続投与における腫瘍増殖抑制作用 PC−3細胞担癌マウスを実験例1と同様の方法で作成
し、移植17日目に腫瘍サイズを測定し、平均腫瘍サイ
ズが108〜109mm3 になるようにグループ分けを
し、次いで薬物投与を開始した。薬物の調製、腫瘍サイ
ズの測定、腫瘍増殖抑制作用の評価等は実験例1で示し
た方法に従って行った。化合物A単独投与およびシスプ
ラチン単独投与の場合には移植17日目に初回の投与を
行い、以後1週間間隔で投与した。併用投与方法につい
ては、移植17日目にシスプラチンを、移植21日目に
化合物Aを投与し、以後1週間間隔でそれぞれの薬剤の
投与を行った場合を併用1とした。移植17日目に化合
物Aを、移植21日目にシスプラチンを投与し、以後1
週間間隔でそれぞれの薬剤の投与を行った場合を併用2
とした。移植17日目に化合物Aおよびシスプラチンを
同時に投与し、以後1週間間隔でそれぞれの薬剤の投与
を行った場合を併用3とした。腫瘍移植42日目に腫瘍
増殖抑制作用の評価を実験例1の方法に準じて行った。
結果を〔表2〕に示す。
【表2】 併用1、2および3のいずれの投与スケジュールにおい
ても化合物Aとシスプラチンとの併用による優れた腫瘍
増殖抑制効果が認められた。
【0033】
【発明の効果】血管新生阻害活性を有するフマギロール
誘導体またはその塩と殺細胞作用を有する白金錯体とを
組み合わせて連続投与することにより、優れた抗腫瘍作
用効果が得られると共に副作用の軽減が認められた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31:28) (A61K 31/38 31:28)

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】血管新生阻害活性を有するフマギロール誘
    導体またはその塩と殺細胞作用を有する白金錯体とを組
    み合わせてなる連続投与用抗腫瘍剤。
  2. 【請求項2】フマギロール誘導体が一般式: 【化1】 〔式中、R1は水素を、R2はハロゲン、N(O)mR
    56、N+567・X-、S(O)nR5またはS+56
    ・X-(式中、R5、R6およびR7はそれぞれ置換基を有
    していてもよい炭化水素基もしくは置換基を有していて
    もよい複素環基を、X-はカウンターアニオンを、mは
    0または1を、nは0ないし2の整数を示す。また、R
    5とR6とは隣接する窒素原子もしくは硫黄原子と共に縮
    環していてもよい含窒素または含硫黄複素環基を形成し
    ていてもよく、これらの縮環していてもよい含窒素また
    は含硫黄複素環基は置換基を有していてもよい)を示す
    か、または、R1とR2とで結合手を示し、R3は置換基
    を有していてもよい2−メチル−1−プロペニル基また
    は置換基を有していてもよいイソブチル基を示し、Aは
    酸素原子またはNR8(式中、R8は水素、それぞれ置換
    基を有していてもよい低級アルキル基またはアリール基
    を示す)を示し、R4は水素、それぞれ置換基を有してい
    てもよい炭化水素基またはアシル基を示す〕で表される
    化合物である請求項1記載の抗腫瘍剤。
  3. 【請求項3】R1とR2とで結合手を示す請求項2記載の
    抗腫瘍剤。
  4. 【請求項4】R5、R6またはR7で示される炭化水素基
    が直鎖または分枝状のC1-6アルキル基、C2-6アルケニ
    ル基、C2-6アルキニル基、C3-6シクロアルキル基、C
    3-6シクロアルケニル基、C7-13アラルキル基またはC
    6-10アリール基である請求項2記載の抗腫瘍剤。
  5. 【請求項5】Aが酸素原子である請求項2記載の抗腫瘍
    剤。
  6. 【請求項6】R3が2−メチル−1−プロペニル基であ
    る請求項2記載の抗腫瘍剤。
  7. 【請求項7】R4が置換基を有するカルバモイル基であ
    る請求項2記載の抗腫瘍剤。
  8. 【請求項8】フマギロール誘導体が6−O−(N−クロ
    ロアセチルカルバモイル)フマギロールである請求項1
    記載の抗腫瘍剤。
  9. 【請求項9】フマギロール誘導体が6−O−(N−メチ
    ルカルバモイル)フマギロールである請求項1記載の抗
    腫瘍剤。
  10. 【請求項10】フマギロール誘導体またはその塩がシク
    ロデキストリン誘導体との複合体である請求項1記載の
    抗腫瘍剤。
  11. 【請求項11】シクロデキストリン誘導体がマルトシル
    −β−シクロデキストリンである請求項10記載の抗腫
    瘍剤。
  12. 【請求項12】白金錯体がDNAのアルキル化作用を有
    する白金錯体である請求項1記載の抗腫瘍剤。
  13. 【請求項13】白金錯体がシスプラチン、カルボプラチ
    ン、ネダプラチン、ゼニプラチン、エンロプラチン、ロ
    バプラチン、オルマプラチン、ロボプラチンまたはセブ
    リプラチンである請求項1記載の抗腫瘍剤。
  14. 【請求項14】白金錯体がシスプラチンである請求項1
    3記載の抗腫瘍剤。
  15. 【請求項15】治療されるべき腫瘍が、悪性黒色腫、悪
    性リンパ腫、消化器癌、肺癌、膵臓癌、食道癌、乳癌、
    肝臓癌、卵巣癌、子宮癌、前立腺癌、脳腫瘍、カポジ肉
    腫、血管腫、骨肉腫または筋肉腫である請求項1記載の
    抗腫瘍剤。
  16. 【請求項16】治療されるべき腫瘍が、乳癌、肝臓癌、
    前立腺癌、消化器癌、肺癌、脳腫瘍またはカポジ肉腫で
    ある請求項15記載の抗腫瘍剤。
  17. 【請求項17】血管新生阻害活性を有するフマギロール
    誘導体またはその塩と殺細胞作用を有する白金錯体とを
    組み合わせてなり、各成分を対象物に2回以上投与する
    ことを特徴とする抗腫瘍剤。
  18. 【請求項18】血管新生阻害活性を有するフマギロール
    誘導体またはその塩を含有してなる製剤と殺細胞作用を
    有する白金錯体とを組み合わせたことを特徴とする連続
    投与用腫瘍治療セット。
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