JPH07242544A - 抗腫瘍剤 - Google Patents

抗腫瘍剤

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JPH07242544A
JPH07242544A JP3121794A JP3121794A JPH07242544A JP H07242544 A JPH07242544 A JP H07242544A JP 3121794 A JP3121794 A JP 3121794A JP 3121794 A JP3121794 A JP 3121794A JP H07242544 A JPH07242544 A JP H07242544A
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JP
Japan
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group
antitumor agent
agent according
antimetabolite
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JP3121794A
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English (en)
Inventor
Shuichi Ikeyama
崇一 池山
Masuo Yamaoka
万寿夫 山岡
Toshihiro Yamamoto
敏弘 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 新規抗腫瘍剤の提供。 【構成】 血管新生阻害活性を有するフマギロール誘導
体またはその塩と代謝拮抗剤型抗癌物質とを組み合わせ
てなる抗腫瘍剤、および血管新生阻害活性を有するフマ
ギロール誘導体またはその塩からなる製剤と代謝拮抗剤
型抗癌物質からなる製剤とをセットにしたことを特徴と
する併用投与用腫瘍治療キット。 【効果】 腫瘍を保持する哺乳動物の治療に有用であ
り、担癌動物の延命および癌転移抑制に著効を奏し、高
い安全性および臨床的有用性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は抗腫瘍剤に関する。さら
に詳しくは、本発明は、血管新生阻害作用を有するフマ
ギロール誘導体またはその塩(以下、単にTNPと略記
することがある)と代謝拮抗剤型抗癌物質とを組み合わ
せてなる抗腫瘍剤に関する。
【0002】
【従来技術および課題】最近の癌薬物療法は殺細胞作用
による腫瘍細胞死を目的とした化学療法剤の使用がその
主流を占めている。しかしながら現在使用可能な化学療
法剤は有用な薬効を示すものの、正常細胞に対する毒性
も強い。逆に副作用を抑えた投与量では抗腫瘍効果も弱
く、満足すべきものではない。近年、新しい癌薬物療法
として血管新生阻害剤の開発研究が盛んに行われ、数多
くの前臨床試験成績も報告されている[例、アドバンシ
ス・イン・キャンサー・リサーチ(Advances in Can
cer Research), 43, 175(1985)等]。固型腫
瘍の増殖には血管新生が必須であり、腫瘍組織では血管
内皮細胞の増殖は極めて活発である。一方、正常な成人
では生殖に関与する組織を除いては血管新生は認められ
ず血管内皮細胞のターンオーバーも月単位である。従っ
て血管内皮細胞の増殖を選択的に阻害する血管新生阻害
剤は、従来の癌化学療法剤に比べて副作用が顕著に低減
された新しい機序の抗腫瘍剤となる可能性が示唆されて
いる。
【0003】6−O−(N−クロロアセチルカルバモイ
ル)フマギロールは血管内皮細胞の増殖に対して低濃
度、広範囲(例えば30pg/ml〜3μg/ml)で、静細胞
的阻害作用を示し、またチューブ形成を選択的に阻害す
ることが見いだされた血管新生特異的阻害剤のひとつで
あり[バイオケミカル・アンド・バイオフィジカル・リ
サーチ・コミュニケーションズ(Biochemical and B
iophysical ResearchCommunications),174, 1
070(1991)]、この化合物は直接増殖阻害作用が
弱い腫瘍細胞を移植した担癌動物に全身投与しても血管
新生阻害作用に基づく腫瘍増殖抑制作用ならびに延命効
果を示すことが報告されている[ネイチャー(Nature),
348, 555(1990)]。さらに、上記の6−O−
(N−クロロアセチルカルバモイル)フマギロールと他の
薬剤との併用については、ホルモン剤のタモキシフェン
(Tamoxifen)との併用によるホルモン依存性乳癌の治療
効果が報告されている[インターナショナル・ジャーナ
ル・オブ・オンコロジー(International Journal o
f Oncology),, 525(1993)]。また、血管新
生阻害物質を使用したものとして、血管新生阻害物質と
血管内塞栓剤とを含有する血管内塞栓剤が公知である
(特開平5−969号公報)。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、より強力
な抗腫瘍作用を示し、なおかつより安全性の高い抗腫瘍
剤を得るべく鋭意研究を続けたところ、血管新生阻害作
用を有するフマキロール誘導体またはその塩と代謝拮抗
剤型抗癌物質とを組み合わせて担癌動物に投与すると優
れた治療効果が得られることを見いだし、さらにこれら
の知見にもとづき種々検討の結果、本発明を完成した。
【0005】すなわち、本発明は、(1)血管新生阻害
活性を有するフマギロール誘導体またはその塩と代謝拮
抗剤型抗癌物質とを組み合わせてなる抗腫瘍剤、(2)
フマギロール誘導体が一般式(I):
【0006】
【化4】
【0007】[式中、R1は水素を、R2はハロゲン、N
(O)mR56、N+567・X-、S(O)nR5またはS
+56・X-(式中、R5、R6およびR7はそれぞれ置換
基を有していてもよい炭化水素基または複素環基を、X
-はカウンターアニオンを、mは0または1を、nは0な
いし2の整数を示す。また、R5とR6とは隣接する窒素
原子または硫黄原子と共に縮環していてもよい含窒素ま
たは含硫黄複素環基を形成していてもよく、これらの縮
環していてもよい含窒素または含硫黄複素環基は置換基
を有していてもよい。)を示すか、またはR1とR2とで
結合手を示し、R3はそれぞれ置換基を有していてもよ
い2−メチル−1−プロペニル基またはイソブチル基を
示し、Aは酸素原子またはNR8(式中、R8は水素、ま
たはそれぞれ置換基を有していてもよい低級アルキル基
もしくはアリール基を示す。)を示し、R4は水素、また
はそれぞれ置換基を有していてもよい炭化水素基もしく
はアシル基を示す。]で表される化合物またはその塩であ
る上記(1)記載の抗腫瘍剤、(3)一般式(I)で表
されるフマギロール誘導体において、R1とR2とで結合
手を示し、またはR1が水素でR2がN(O)mR56、N+
567・X-、S(O)nR5またはS+56・X-;A
が酸素原子またはNH;R3がそれぞれ置換基を有して
いてもよい2−メチル−1−プロペニルまたはイソブチ
ル基;およびR4が水素または置換基を有していてもよ
いカルバモイル基である上記(2)記載の抗腫瘍剤、
(4)一般式(I)で表されるフマギロール誘導体にお
いて、R1とR2とで結合手を示す上記(3)記載の抗腫
瘍剤、(5)一般式(I)で表されるフマギロール誘導
体において、R2がS+56・X-(R5およびR6は独立
して炭化水素基、およびX-はハロゲン化物イオンであ
る)である上記(3)記載の抗腫瘍剤、(6)一般式
(I)で表されるフマギロール誘導体において、R5
たはR6で示される炭化水素基が、直鎖状または分枝鎖
状のC1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アル
キニル基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルケ
ニル基、C7-13アラルキル基またはC6-10アリール基で
ある上記(5)記載の抗腫瘍剤、(7)フマギロール誘
導体が6−O−(N−クロロアセチルカルバモイル)フマ
ギロールである上記(1)記載の抗腫瘍剤、(8)フマ
ギロール誘導体が6−O−(N−メチルカルバモイル)フ
マギロールである上記(1)記載の抗腫瘍剤、(9)フ
マギロール誘導体がシクロデキストリン誘導体と複合体
を形成している上記(1)記載の抗腫瘍剤、(10)フ
マギロール誘導体がマルトシル−β−シクロデキストリ
ンと複合体を形成している上記(9)記載の抗腫瘍剤、
(11)代謝拮抗剤型抗癌物質が、一般式(II):
【0008】
【化5】
【0009】[式中、R9は水素、置換されていてもよい
テトラヒドロ−2−フリル基またはアルキルカルバモイ
ル基を、およびYはハロゲンを示す]で表される化合物
またはその塩、またはこれとウラシルとを組み合わせて
なるものである上記(1)記載の抗腫瘍剤、(12)血
管新生阻害活性を有するフマギロール誘導体またはその
塩と上記(11)記載の代謝拮抗剤型抗癌物質のみとを
組み合わせてなる上記(11)記載の抗腫瘍剤、(1
3)一般式(II)で表される代謝拮抗剤型抗癌物質にお
いて、Yがフッ素または臭素である上記(11)記載の
抗腫瘍剤、(14)一般式(II)で表される代謝拮抗剤
型抗癌物質において、R9が水素、テトラヒドロ−2−
フリル基、β−D−5−デオキシリボフラノシル基、β
−D−2−デオキシリボフラノシルまたはアルキルカル
バモイル基である上記(11)記載の抗腫瘍剤、(1
5)代謝拮抗剤型抗癌物質が、フルオロウラシル、テガ
フール、テガフール・ウラシル、カルモフール、ドキシ
フルリジンまたはブロクスウリジンである上記(13)
記載の抗腫瘍剤、(16)代謝拮抗剤型抗癌物質が葉酸
拮抗剤である上記(1)記載の抗腫瘍剤、(17)代謝
拮抗剤型抗癌物質としての葉酸拮抗剤が、一般式(II
I):
【0010】
【化6】
【0011】[式中、(A)環はピロールまたはピロリン
環を、R10は水素、フッ素、アルキル基、アルケニル基
またはアルキニル基を、−COOR11および−COOR
12は同一または異なってエステル化されていてもよいカ
ルボキシル基を、R13はアミノ基またはヒドロキシル基
を、R14は水素、アミノ基またはヒドロキシル基を、k
は2ないし4の整数をそれぞれ示し、R10はk個の繰り
返しにおいてそれぞれ異なってもよい。また、R13また
はR14がヒドロキシル基を示す場合、これらは互変異性
により窒素原子と一緒になってアミドを形成していても
よい。]で表される化合物またはその塩である上記(1
6)記載の抗腫瘍剤、(18)代謝拮抗剤型抗癌物質と
しての葉酸拮抗剤が、N−[4−[3−(2,4−ジアミノ
−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル)プロ
ピル]ベンゾイル]−L−グルタミン酸である上記(1
6)記載の抗腫瘍剤、(19)代謝拮抗剤型抗癌物質と
しての葉酸拮抗剤が、N−[4−[3−(2−アミノ−4
−ヒドロキシ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5
−イル)エチル]ベンゾイル]−L−グルタミン酸である
上記(16)記載の抗腫瘍剤、(20)代謝拮抗剤型抗
癌物質が、フルオロウラシル、テガフール、テガフール
・ウラシル、カルモフール、ドキシフルリジンまたはN
−[4−[3−(2,4−ジアミノ−7H−ピロロ[2,3−
d]ピリミジン−5−イル)プロピル]ベンゾイル]−L−
グルタミン酸である上記(1)記載の抗腫瘍剤、(2
1)代謝拮抗剤型抗癌物質が、フルオロウラシル、ドキ
シフルリジンまたはN−[4−[3−(2,4−ジアミノ−
7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル)プロピ
ル]ベンゾイル]−L−グルタミン酸である上記(20)
記載の抗腫瘍剤、および(22)血管新生阻害活性を有
するフマギロール誘導体またはその塩からなる製剤と代
謝拮抗剤型抗癌物質からなる製剤とをセットにしたこと
を特徴とする併用投与用腫瘍治療キットに関する。
【0012】本発明で用いる血管新生阻害活性を有する
フマギロール誘導体としては、血管内皮細胞の増殖を選
択的に静細胞的阻害する活性を保持するものであればよ
く、例えば一般式(I):
【0013】
【化7】
【0014】[式中、R1は水素を、R2はハロゲン、N
(O)mR56、N+567・X-、S(O)nR5またはS
+56・X-(式中、R5、R6およびR7はそれぞれ置換
基を有していてもよい炭化水素基または複素環基を、X
-はカウンターアニオンを、mは0または1を、nは0な
いし2の整数を示す。また、R5とR6とは隣接する窒素
原子または硫黄原子と共に縮環していてもよい含窒素ま
たは含硫黄複素環基を形成していてもよく、これらの縮
環していてもよい含窒素または含硫黄複素環基は置換基
を有していてもよい。)を示すか、またはR1とR2とで
結合手を示し、R3はそれぞれ置換基を有していてもよ
い2−メチル−1−プロペニル基またはイソブチル基を
示し、Aは酸素原子またはNR8(式中、R8は水素、ま
たはそれぞれ置換基を有していてもよい低級アルキル基
もしくはアリール基を示す。)を示し、R4は水素、また
はそれぞれ置換基を有していてもよい炭化水素基もしく
はアシル基を示す。]で表されるフマギロール誘導体また
はその塩等が挙げられる。上記一般式(I)中、R2で示
されるハロゲンとしては、例えばフッ素、塩素、臭素、
ヨウ素が挙げられる。またR1とR2とで結合手を示すと
きはエポキシ環を形成する。
【0015】R5、R6またはR7で示される置換基を有
していてもよい炭化水素基の炭化水素基としては、例え
ば直鎖状もしくは分枝状の炭素数1〜6のアルキル基
(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、イソブチル、sec−ブチル、ペンチル、イソペンチ
ル、ヘキシルなど)、炭素数2〜6のアルケニル基(例、
ビニル、アリル、2−ブテニル、メチルアリル、3−ブ
テニル、2−ペンテニル、4−ペンテニル、5−ヘキセ
ニルなど)、炭素数2〜6のアルキニル基(例、エチニ
ル、プロパルギル、2−ブチン−1−イル、3−ブチン
−2−イル、1−ペンチン−3−イル、3−ペンチン−
1−イル、4−ペンチン−2−イル、3−ヘキシン−1
−イルなど)、炭素数3〜6のシクロアルキル基(例、シ
クロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロ
ヘキシルなど)、炭素数3〜6のシクロアルケニル基
(例、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキ
セニル、シクロヘキサジエニルなど)、炭素数7〜13
のアラルキル基(例、ベンジル、1−フェネチル、2−
フェネチルなど)、炭素数6〜10のアリール基(例、フ
ェニル、ナフチルなど)などが挙げられる。
【0016】R5、R6またはR7で示される置換基を有
していてもよい複素環基の複素環基としては、例えばヘ
テロ原子(例、窒素、酸素、硫黄など)を1〜4個含む5
または6員複素環基(例、2−フリル、2−チエニル、
4−チアゾリル、4−イミダゾリル、4−ピリジル、
1,3,4−チアジアゾール−2−イル、5−テトラゾリ
ルなど)などが挙げられる。該複素環基は、炭素原子の
他に1〜3個のヘテロ原子 (例、窒素、酸素、硫黄な
ど)を含んでいてもよい5または6員環(例、ベンゼ
ン、ピリジン、シクロヘキサンなど)と縮合して2環性
縮合環基(例、8−キノリル、8−プリニルなど)などを
形成していてもよい。R5とR6とが隣接する窒素原子と
共に形成していてもよい含窒素複素環基としては、窒素
原子の他に1〜3個のヘテロ原子 (例、窒素、酸素、硫
黄など)を含んでいてもよい4〜7員環の含窒素複素環
基(例、ピロリジン−1−イル、ピペリジノ、モルホリ
ノ、ピペラジン−1−イルなど)などが挙げられる。R5
とR6とが隣接する硫黄原子と共に形成していてもよい
含硫黄複素環基としては、硫黄原子の他に1〜3個のヘ
テロ原子 (例、窒素、酸素、硫黄など)を含んでいても
よい4〜7員環の含硫黄複素環基(例、テトラヒドロチ
オフェン−1−イル、1,4−チオキサン−1−イルな
ど)などが挙げられる。
【0017】R5とR6とが隣接する窒素原子または硫黄
原子と共に形成していてもよい含窒素または含硫黄複素
環は5または6員環(例、ベンゼン、ピリジン、ピラジ
ン、ピリミジン、ピリダジン、シクロヘキサンなど)と
縮環(縮合)して2環性縮合環基(例、イソインドリン−
2−イル、2−イソキノリル、1,3−ジヒドロベンゾ
[c]チオフェン−2−イル、2,3−ジヒドロベンゾ[b]
チオフェン−1−イル、3,4−ジヒドロ−1H−2−
ベンゾピラン−2−イル、3,4−ジヒドロ−2H−1
−ベンゾピラン−1−イル、1,2,4,5−テトラヒド
ロベンゾ[d]チエピン−3−イル、1,3−ジヒドロチエ
ノ[3,4−c]ピリジン−2−イル、5,7−ジヒドロチ
エノ[3,4−b]ピラジン−6−イル、5,7−ジヒドロ
チエノ[3,4−d]ピリダジン−6−イルなど)などを形
成していてもよい。
【0018】R8で示される置換基を有していてもよい
低級アルキル基の低級アルキル基としては、炭素数1〜
6の直鎖状または分枝状のアルキル基(例、メチル、エ
チル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、
sec−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシルなど)
などが挙げられる。R8で示される置換基を有していて
もよいアリール基のアリール基としては、炭素数6〜1
0のアリール基(例、フェニル、ナフチルなど)などが挙
げられる。R4で示される置換基を有していてもよい炭
化水素基としては、上記したR5、R6またはR7で示さ
れる置換基を有していてもよい炭化水素基で詳記したも
の等が挙げられる。なお、R4で表される炭化水素基が
アルケニル基のときは、無置換ものが好ましい。
【0019】R4で示される置換基を有していてもよい
アシル基としては、それぞれ置換基を有していてもよい
カルボン酸アシル、スルホン酸アシル、カルバモイル、
チオカルバモイル、スルファモイルなどの酸の残基(該
当する酸より導かれるアシル基)などが挙げられ、例え
ば、それぞれ置換基を有していてもよいアルカノイル、
アロイル、複素環カルボニル、カルバモイル、チオカル
バモイル、アリールスルホニル、アルキルスルホニル、
スルファモイル、アルコキシカルボニル、アリールオキ
シカルボニルなどが挙げられる。好ましくは置換基を有
していてもよいカルバモイルである。上記した置換基を
有していてもよいアルカノイル基のアルカノイル基とし
ては、炭素数1〜6のアルカノイル基(例、ホルミル、
アセチル、プロピオニル、イソプロピオニル、ブチリ
ル、ペンタノイル、ヘキサノイルなど)などが挙げられ
る。置換基を有していてもよいアロイル基のアロイル基
としては、炭素数7〜11のアロイル基(例、ベンゾイ
ル、1−ナフトイル、2−ナフトイルなど)などが挙げ
られる。
【0020】置換基を有していてもよい複素環カルボニ
ル基における複素環カルボニル基としては、ヘテロ原子
(例、窒素、酸素、硫黄など)を1〜4個含む5または6
員複素環カルボニル基(例、2−フロイル、2−テノイ
ル、ニコチニル、イソニコチニルなど)などが挙げられ
る。置換基を有していてもよいアリールスルホニル基の
アリールスルホニル基としては、炭素数6〜10のアリ
ールスルホニル基(例、ベンゼンスルホニル、1−ナフ
チルスルホニル、2−ナフチルスルホニルなど)などが
挙げられる。置換基を有していてもよいアルキルスルホ
ニル基のアルキルスルホニル基としては、炭素数1〜6
のアルキルスルホニル基(例、メチルスルホニル、エチ
ルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチルスルホニ
ル、ペンチルスルホニルなど)などが挙げられる。置換
基を有していてもよいアルコキシカルボニル基のアルコ
キシカルボニル基としては、炭素数2〜7のアルコキシ
カルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカル
ボニル、イソブトキシカルボニルなど)などが挙げられ
る。
【0021】置換基を有していてもよいアリールオキシ
カルボニル基のアリールオキシカルボニル基としては、
炭素数7〜11のアリールオキシカルボニル基(例、フ
ェノキシカルボニル、1−ナフチルオキシカルボニル、
2−ナフチルオキシカルボニルなど)などが挙げられ
る。R3で示されるそれぞれ置換基を有していてもよい
2−メチル−1−プロペニルまたはイソブチル基の置換
基としては、例えば、ヒドロキシル基、アミノ基、低級
(C1-3)アルキルアミノ基(例、メチルアミノ、エチ
ルアミノ、イソプロピルアミノなど)、ジ低級
(C1-3)アルキルアミノ基(例、ジメチルアミノ、ジ
エチルアミノなど)などが挙げられる。これらのうち、
ヒドロキシル基およびジ低級(C1-3)アルキルアミノ
基、特にジメチルアミノ基が好ましい。
【0022】R5、R6またはR7で示されるそれぞれ置
換基を有していてもよい炭化水素基または複素環基、R
5とR6とが隣接する窒素原子または硫黄原子と共に縮環
していてもよい含窒素または含硫黄複素環基、R8で示
されるそれぞれ置換基を有していてもよい低級アルキル
基またはアリール基、およびR4で示されるそれぞれ置
換基を有していてもよい炭化水素基またはアシル基
(例、アルカノイル基、アロイル基、複素環カルボニル
基、カルバモイル基、チオカルバモイル基、アリールス
ルホニル基、アルキルスルホニル基、スルファモイル
基、アルコキシカルボニル基、またはアリールオキシカ
ルボニル基など)は、これらの可能な位置に1〜3個の
置換基を有していてもよい。
【0023】該置換基としては、例えばC1-6アルキル
基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブ
チル、イソブチル、sec−ブチル、ペンチル、イソペン
チル、ヘキシルなど)、C2-6アルケニル基(例、ビニ
ル、アリル、2−ブテニル、メチルアリル、3−ブテニ
ル、2−ペンテニル、4−ペンテニル、5−ヘキセニル
など)、C2-6アルキニル基(例、エチニル、プロパルギ
ル、2−ブチン−1−イル、3−ブチン−2−イル、1
−ペンチン−3−イル、3−ペンチン−1−イル、4−
ペンチン−2−イル、3−ヘキシン−1−イルなど)、
3-6シクロアルキル基(例、シクロプロピル、シクロブ
チル、シクロペンチル、シクロヘキシルなど)、C3-6
クロアルケニル基(例、シクロブテニル、シクロペンテ
ニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニルな
ど)、C6-10アリール基(例、フェニル、ナフチルな
ど)、アミノ基、モノC1-6アルキルアミノ基(例、メチ
ルアミノ、エチルアミノ、イソプロピルアミノなど)、
ジC1-6アルキルアミノ基(例、ジメチルアミノ、ジエチ
ルアミノなど)、アジド基、ニトロ基、ハロゲン(例、フ
ッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、ヒドロキシル基、C
1-4アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシなど)、C
6-10アリールオキシ基(例、フェノキシ、ナフチルオキ
シなど)、C1-6アルキルチオ基(例、メチルチオ、エチ
ルチオ、プロピルチオなど)、C6-10アリールチオ基
(例、フェニルチオ、ナフチルチオなど)、シアノ基、カ
ルバモイル基、カルボキシル基、C1-4アルコキシカル
ボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニ
ルなど)、C7-11アリールオキシカルボニル基(例、フェ
ノキシカルボニル、1−ナフチルオキシカルボニル、2
−ナフチルオキシカルボニルなど)、カルボキシ−C1-4
アルコキシ基(例、カルボキシメトキシ、2−カルボキ
シエトキシなど)、C1-6アルカノイル基(例、ホルミ
ル、アセチル、プロピオニル、イソプロピオニル、ブチ
リル、ペンタノイル、ヘキサノイルなど)、C7-11アロ
イル基(例、ベンゾイル、1−ナフトイル、2−ナフト
イルなど)、C1-6アルキルスルホニル基(例、メチルス
ルホニル、エチルスルホニルなど)、C6-10アリールス
ルホニル基(例、ベンゼンスルホニル、1−ナフチルス
ルホニル、2−ナフチルスルホニルなど)、C1-6アルキ
ルスルフィニル基(例、メチルスルフィニル、エチルス
ルフィニルなど)、C6-10アリールスルフィニル基(例、
ベンゼンスルフィニル、1−ナフチルスルフィニル、2
−ナフチルスルフィニルなど)、ヘテロ原子(例、窒素、
酸素、硫黄など)を1〜4個含む5または6員複素環基
(例、2−フリル、2−チエニル、4−チアゾリル、4
−イミダゾリル、4−ピリジル、1,3,4−チアジアゾ
ール−2−イル、5−テトラゾリルなど)、ヘテロ原子
(例、窒素、酸素、硫黄など)を1〜4個含む5または6
員複素環カルボニル基(例、2−フロイル、2−テノイ
ル、ニコチニル、イソニコチニルなど)、ヘテロ原子
(例、窒素、酸素、硫黄など)を1〜4個含む5または6
員複素環チオ基(例、4−ピリジルチオ、2−ピリミジ
ルチオ、1,3,4−チアジアゾール−2−イルチオ、5
−テトラゾリルチオなど)などが挙げられ、さらに複素
環チオ基はベンゼン環が縮合して2環性縮合環チオ基
(例、2−ベンゾチアゾリルチオ、8−キノリルチオな
ど)を形成していてもよい。これら置換基のうち、C1-6
アルキル基およびC1-6アルカノイル基が好ましい。ま
た、R4が、それぞれジ置換のカルバモイル基、チオカ
ルバモイル基、もしくはスルファモイル基を示す場合、
カルバモイル基、チオカルバモイル基、もしくはスルフ
ァモイル基はその窒素原子とともに含窒素複素環基
[例、ピロリジン−1−イル、ピペリジノ、モルフォリ
ノ、ピペラジン−1−イル、4−メチルピペラジン−1
−イル、4−フェニルピペラジン−1−イルなどのよう
な、窒素原子の他に1〜3個のヘテロ原子 (例、窒素、
酸素、硫黄など)を含んでいてもよい4〜7員環含窒素
複素環基など]を形成していてもよい。
【0024】また、R5、R6またはR7で示されるそれ
ぞれ置換基を有していてもよい炭化水素基または複素環
基における置換基、R5とR6とが隣接する窒素原子また
は硫黄原子と共に縮環していてもよい含窒素または含硫
黄複素環基における置換基、R8で示されるそれぞれ置
換基を有していてもよい低級アルキル基またはアリール
基における置換基、およびR4で示されるそれぞれ置換
基を有していてもよい炭化水素基またはアシル基 (例、
アルカノイル基、アロイル基、複素環カルボニル基、カ
ルバモイル基、チオカルバモイル基、アリールスルホニ
ル基、アルキルスルホニル基、スルファモイル基、アル
コキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基
等)における置換基は、さらに置換可能な位置に1〜3
個の置換基を有していてもよい。
【0025】該置換基としては例えば、上記のC1-6
ルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C
3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルケニル基、C
6-10アリール基、アミノ基、モノC1-6アルキルアミノ
基、ジC1-6アルキルアミノ基、アジド基、ニトロ基、
ハロゲン、ヒドロキシル基、C1-4アルコキシ基、C
6-10アリールオキシ基、C1-6アルキルチオ基、C6-10
アリールチオ基、シアノ基、カルバモイル基、カルボキ
シル基、C1-4アルコキシカルボニル基、C7-11アリー
ルオキシカルボニル基、カルボキシC1-4アルコキシ
基、C1-6アルカノイル基、ハロゲノC1-6アルカノイル
基、C7-11アロイル基、C1-6アルキルスルホニル基、
6-10アリールスルホニル基、C1-6アルキルスルフィ
ニル基、C6-10アリールスルフィニル基、5または6員
複素環基、5または6員複素環カルボニル基、5または
6員複素環チオ基等が挙げられる。
【0026】X-で示されるカウンターアニオンとして
は、例えばハロゲンイオン(例、ヨードイオン、ブロム
イオン、クロルイオンなど)、硫黄イオン、リン酸イオ
ン、硝酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレ
ートイオン、メタンスルフェートイオン、p−トリルス
ルフェートイオン、ベンゼンスルフェートイオン、水酸
イオン、有機酸のカルボキシレートイオン(例、オキザ
レートイオン、マレエートイオン、フマレートイオン、
サクシネートイオン、シトレートイオン、ラクテートイ
オン、トリフルオロアセテートイオン、ラクトビオネー
トイオン、アセテートイオン、プロピオネートイオン、
タータレートイオン、エチルサクシネートイオンなど)
などが挙げられる。このうち、ハロゲンイオンが好まし
い。
【0027】化合物(I)は分子内に不斉中心をもち光学
活性を有するが、その絶対構造は原料のフマギロールに
基づくものであり、特に明示のない場合はフマギロール
の絶対構造と一致するものを意味する。シクロヘキサン
環上の置換基の結合様式は、
【0028】
【化8】
【0029】場合を表す。化合物(I)においては、R1
とR2とで結合手を示すか、R1が水素でR2がN(O)mR
56、N+567・X-、S(O)nR5またはS+56
・X-である化合物が好ましい。R2がS+56・X
-(R5およびR6は独立して炭化水素基、およびX-はハ
ロゲン化物イオンである)である化合物がより好まし
い。また、R5とR6とが隣接する硫黄原子と共に含硫黄
複素環を形成している場合が好ましく、かかる含硫黄複
素環は5または6員環と縮合して二環性縮合環を形成し
ていてもよい。化合物(I)としては、R1とR2とで結合
手を示す化合物がさらに好ましい。Aは、酸素原子また
はNHが好ましい。とりわけ酸素原子が好ましい。R3
は、ヒドロキシル基またはジアルキルアミノ基でそれぞ
れ置換されていてもよい2−メチル−1−プロペニル基
またはイソブチル基が好ましい。特に、2−メチル−1
−プロペニル基がより好ましい。
【0030】R4は、水素または置換基を有していても
よいカルバモイルが好ましく、置換基を有するカルバモ
イル基がより好ましい。このうち特に、該置換基がC
1-6アルキル基であるもの、または該置換基がハロゲン
で置換されていてもよいC1-6アルカノイル基であるも
のが好ましい。化合物(I)の好ましい具体例としては、
6−O−(N−クロロアセチルカルバモイル)フマギロー
ル、6α−(N'−クロロアセチルウレイド)−6−デソ
キシフマギロール、4−(N'−クロロアセチルウレイ
ド)−2−(1,2−エポキシ−1,5−ジメチル−4−ヘ
キセニル)−1−(1,3−ジヒドロベンゾ[c]チオフェ
ン−2−イリオ)メチル−3−メトキシシクロヘキサノ
ールクロリド、6−O−(N−メチルカルバモイル)フマ
ギロール等が挙げられる。このうち、6−O−(N−ク
ロロアセチルカルバモイル)フマギロールおよび6−O
−(N−メチルカルバモイル)フマギロールが特に好まし
い。
【0031】化合物(I)が分子内に酸性置換基(例、カ
ルボキシルなど)あるいは塩基性置換基(例、アミノ、モ
ノ低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、含窒素
複素環基など)を有する場合には、生理学的に受容され
る塩を形成していてもよい。その塩の例としては、無機
塩基との塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸と
の塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩などが挙げられ
る。これらの塩類を生成させうる無機塩基としてはアル
カリ金属(例、ナトリウム、カリウムなど)、アルカリ土
類金属(例、カルシウム、マグネシウムなど)などが、有
機塩基としては例えばトリメチルアミン、トリエチルア
ミン、ピリジン、ピコリン、N,N−ジベンジルエチレ
ンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、
トリスヒドロキシメチルアミノメタン、ジシクロヘキシ
ルアミンなどが、無機酸としては例えば塩酸、臭化水素
酸、硫酸、硝酸、リン酸などが、有機酸としては例えば
ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、酒石酸、フ
マール酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンス
ルホン酸、p−トルエンスルホン酸などが、塩基性また
は酸性アミノ酸としては例えばアルギニン、リジン、オ
ルニチン、アスパラギン酸、グルタミン酸などが用いら
れる。これらの塩のうち塩基との塩(すなわち無機塩基
との塩、有機塩基との塩、塩基性アミノ酸との塩)は化
合物(I)の置換基中のカルボキシル基と、また酸との塩
(すなわち無機酸との塩、有機酸との塩、酸性アミノ酸
との塩)は化合物(I)の置換基中のアミノ基、モノ低級
アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、含窒素複
素環基などと形成しうる塩を意味する。
【0032】また、化合物(I)が分子内にジ低級アルキ
ルアミノ基、含窒素複素環基または含窒素芳香族複素環
基などを有する場合にはこれらの基中の窒素原子がさら
にアルキル化されて4級アンモニオ基(例、トリメチル
アンモニオ、N−メチルピリジニル、N−メチルピロリ
ジン−1−イリウムなど)を形成していてもよく、カウ
ンターアニオンとしては前記のX-で示したカウンター
アニオンと同様のカウンターアニオンが挙げられる。一
般式(I)で表される化合物またはその塩は、微生物の生
産するフマギリン(fumagillin)の加水分解産物フマギロ
ール(fumagillol)[ターベル、ディー・エス(Tarbell.
D.S.)ら、ジャーナル オブ アメリカン ケミカ
ル ソサイエティ(J.Am.Chem.Soc.)83、30
96(1961)]を出発物質として用いることによって
製造でき、例えば特開平1−279828号(EP−A
−325,199)、特開平3−7270号(EP−A
−359,036)、特開平3−7222号(EP−A
−357,061)、特開平3−14571号(EP−
A−386,667)、特開平3−7271号(EP−
A−387,650)、特開平3−279376号(E
P−A−415,294)、特開平2−76866号
(EP−A−354,787)公報などに記載の方法ま
たはそれに準じた方法により製造できる。該化合物の物
理化学的および生物学的性質は、これら公報に詳細に記
載されている。
【0033】本発明で用いる血管新生阻害活性を有する
フマギロール誘導体は、その塩としてもよく、また公知
の製剤学的製造法に準じて製剤化された複合体としても
よい。例えば水に対する溶解度を高めて吸収を促進し、
薬理活性を高める目的で該フマギロール誘導体をシクロ
デキストリン誘導体との複合体として使用してもよい。
かかるシクロデキストリン誘導体としては、マルトシル
−β−シクロデキストリンが好ましい。上記フマギロー
ル誘導体またはその塩とシクロデキストリン誘導体との
複合体の製造法としては、例えば特開平4−29746
9号公報に記載の方法(例、フマギロール誘導体または
その塩およびシクロデキストリン誘導体を水に溶解し、
室温(−10℃〜35℃)〜80℃で攪拌する方法など)
またはそれに準じた方法が採用される。
【0034】本発明で用いる代謝拮抗剤型抗癌物質とし
ては、例えばウラシル誘導体、シトシン誘導体、葉酸拮
抗剤、プリン誘導体などが挙げられる。このうち好まし
くは、ウラシル誘導体、葉酸拮抗剤である。ウラシル誘
導体としては、例えば一般式(II):
【0035】
【化9】
【0036】[式中、R9は水素、置換されていてもよい
テトラヒドロ−2−フリル基またはアルキルカルバモイ
ル基、およびYはハロゲンを示す]で表される化合物ま
たはその塩、またはこれとウラシルとを組み合わせてな
るものが挙げられる。上記一般式(II)中、R9で示さ
れる置換されていてもよいテトラヒドロ−2−フリル基
の置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、C1-6
ルキル基(例、メチル、エチル、プロピルなど)、ヒド
ロキシC1-6アルキル基(例、ヒドロキシメチル、ヒド
ロキシエチルなど)などが挙げられる。R9で示される
アルキルカルバモイル基としては、C1-8アルキルカル
バモイル基、例えば、メチルカルバモイル、エチルカル
バモイル、プロピルカルバモイル、ブチルカルバモイ
ル、ペンチルカルバモイル、ヘキシルカルバモイル、ヘ
プチルカルバモイル、オクチルカルバモイルなどが挙げ
られる。このうち特に、ヘキシルカルバモイルが好まし
い。R9は、好ましくは、水素、テトラヒドロ−2−フ
リル基、β−D−5−デオキシリボフラノシル基、β−
D−2−デオキシリボフラノシル基またはアルキルカル
バモイル基である。Yで示されるハロゲンとしては、例
えばフッ素、臭素、塩素、ヨウ素が挙げられる。このう
ち、フッ素および臭素が好ましい。かかるウラシル誘導
体としては、例えば、フルオロウラシル(5−FU)、テ
ガフール、テガフール・ウラシル(UFT)、カルモフー
ル(HCFU)、ドキシフルリジン(5'−DFUR)、ブ
ロクスウリジン(BUdR)などが挙げられる。これらの
ウラシル誘導体は、商業的に入手可能かまたは、例えば
米国特許第2802005号、英国特許1168391
号、ガン(Gann)69、763(1978)、特開昭5
2−78886号、米国特許4071680号、特開昭
57−130996号公報等に記載の方法またはそれに
準じた方法により製造することができる。
【0037】シトシン誘導体としては、例えば、シタラ
ビン(Ara−C、CA)、エノシタビン(BH−AC)、塩
酸アンシタビン(Cyclo−C)などが挙げられる。これら
はいずれも商業的に入手可能である。葉酸拮抗剤として
は、例えば一般式(III):
【0038】
【化10】
【0039】[式中、(A)環はピロールまたはピロリン
環を、R10は水素、フッ素、アルキル基、アルケニル基
またはアルキニル基を、−COOR11および−COOR
12は同一または異なってエステル化されていてもよいカ
ルボキシル基を、R13はアミノ基またはヒドロキシル基
を、R14は水素、アミノ基またはヒドロキシル基を、k
は2ないし4の整数をそれぞれ示し、R10はk個の繰り
返しにおいてそれぞれ異なってもよい。また、Xまたは
14がヒドロキシル基を示す場合、これらは互変異性に
より窒素原子と一緒になってアミドを形成していてもよ
い。]で表される化合物またはその塩(特開平2−16
7281号公報参照)が挙げられる。上記一般式(II
I)中、R10で示されるアルキル基としては、例えば炭
素数1〜3のアルキル基(例、メチル、エチル、プロピ
ル、iso−プロピルなど)などが挙げられる。R10で示
されるアルケニル基としては、例えば炭素数2〜3のア
ルケニル基(例、ビニル、1−メチルビニル、1−プロ
ペニル、アリル、アレニルなど)などが挙げられる。
【0040】R10で示されるアルキニル基としては、例
えば炭素数2〜3のアルキニル基(例、エチニル、1−
プロピニル、プロパルギルなど)などが挙げられる。−
COOR11または−COOR12で示されるエステル化さ
れていてもよいカルボキシル基としては、例えば炭素数
1〜5のアルキル基、置換基(例、ニトロ、メトキシな
ど)を有していてもよいベンジル基または置換基(例、
ニトロ、メトキシなど)を有していてもよいフェニル基
などによりエステル化されたカルボキシル基などが挙げ
られる。該アルキル基としては、例えばメチル、エチ
ル、プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチ
ル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、iso−
ペンチル、sec−ペンチル、neo−ペンチル、tert−ペン
チルなどが、該置換基を有していてもよいベンジルとし
ては、ベンジル、ニトロベンジル、メトキシベンジルな
どが、また該置換基を有していてもよいフェニルとして
は、フェニル、ニトロフェニル、メトキシフェニルなど
が挙げられる。
【0041】好ましくは、(A)環はピロール環、R10
水素、R11は水素、R12は水素、R13はアミノ基または
水酸基、R14は水素または水酸基、kは2または3であ
る。一般式(III)で表される化合物のうち特に、N−
[4−[3−(2,4−ジアミノ−7H−ピロロ[2,3−d]
ピリミジン−5−イル)プロピル]ベンゾイル]−L−グ
ルタミン酸およびN−[4−[3−(2−アミノ−4−ヒ
ドロキシ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イ
ル)エチル]ベンゾイル]−L−グルタミン酸が好まし
い。この一般式(III)で表される化合物は、例えば特
開平2−167281号公報に記載の方法により製造す
ることができる。
【0042】他の葉酸拮抗剤として、例えば、メトトレ
キサート(MTX)、10−エチル−10−デアザアミ
ノプテリン(10−EDAM)、N−[5−[N−(3,4
−ジヒドロ−2−メチル−4−オキソキナゾリン−6−
イルメチル)−N−メチルアミノ]−2−テノイル]−L
−グルタミン酸(D−1694)などが挙げられる。こ
れらはジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサ
イティ(J. Am. Chem.Soc.)71、1753(194
9)、特開昭56−51482号、特開平1−1253
73号公報等に記載の方法によりそれぞれ製造できる。
【0043】プリン誘導体としては、例えばメルカプト
プリン(6−MP)、チオイノシン(6−MPR)などが挙
げられる。これらはいずれも商業的に入手可能である。
本発明で使用する代謝拮抗剤型抗癌物質は、好ましく
は、フルオロウラシル(5−FU)、テガフール、テガ
フール・ウラシル(UFT)、カルモフール(HCF
U)、ドキシフルリジン(5'−DFUR)、N−[4−
[3−(2,4−ジアミノ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリ
ミジン−5−イル)プロピル]ベンゾイル]−L−グルタ
ミン酸またはN−[4−[3−(2−アミノ−4−ヒドロ
キシ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル)
エチル]ベンゾイル]−L−グルタミン酸である。このう
ち特に、フルオロウラシル(5−FU)、ドキシフルリ
ジン(5'−DFUR)およびN−[4−[3−(2,4−
ジアミノ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イ
ル)プロピル]ベンゾイル]−L−グルタミン酸が好まし
い。
【0044】本発明の抗腫瘍剤は、通常、上記有効成
分、すなわちTNP、代謝拮抗剤型抗癌物質を薬理学的
に許容され得る担体もしくは賦形剤と混合してなる医薬
組成物として経口または非経口的に用いられる。例え
ば、各有効成分をあらかじめ水溶液としたもの、各有効
成分を凍結乾燥することによって固型状の混合物とした
もの、各有効成分の水溶液としたものを凍結乾燥するこ
とによってそれぞれ固型状としたもの、有効成分のいず
れかが水溶液で別の有効成分が凍結乾燥することにより
固型状としたもの、各有効成分を別個に製剤としたキッ
トなどが挙げられる。本発明の抗腫瘍剤は、これらの有
効成分を、公知の製剤学的製造法に準じ、所望により製
剤学的に許容され得る希釈剤、賦形剤などを用い、混合
して一剤として投与できる。また、それぞれの有効成分
を別途、所望により製剤学的に許容され得る希釈剤、賦
形剤などを用い、製剤化し、用時希釈剤等を用いて一剤
として投与することができる。さらに、上記したように
それぞれ別途製剤化したものをキットとしておき、これ
らを別個に、同時に、または時間差をおいて、同一対象
に対して同一経路または異なった経路で投与する剤形と
することもできる。さらに、本発明の抗腫瘍剤は、薬理
活性を有する他の成分を含んでいてもよいが、代謝拮抗
剤型抗癌物質としてウラシル誘導体を使用する場合は、
本発明の抗癌剤は、好ましくは、有効成分としてのTN
Pと該ウラシル誘導体のみの組み合わせからなる。
【0045】本発明の抗腫瘍剤が溶液である場合は、水
性溶剤(例えば、蒸留水等)、水溶性溶剤(例えば、生理
的食塩水, リンゲル液等)、油性溶剤(例えば、ゴマ油、
トウモロコシ油, オリーブ油等)等の溶剤を用いて、常
套手段により調製される。この際、所望により溶解補助
剤(例えば、サリチル酸ナトリウム, 酢酸ナトリウム
等)、緩衝剤(例えば、クエン酸ナトリウム, グリセリン
等)、等張化剤(例えば、ブドウ糖, 転化糖等)、安定剤
(例えばヒト血清アルブミン, ポリエチレングリコール
等)、保存剤(例えば、ベンジルアルコール, フェノール
等)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウム, 塩酸プ
ロカイン等)等の添加剤を用いることもできる。製剤中
におけるTNP、代謝拮抗剤型抗癌物質の含量は調剤に
より種々異なるが、例えば溶液における代謝拮抗剤型抗
癌物質の濃度は、好ましくは約0.05〜50mg/ml、
さらに好ましくは約0.1〜20mg/mlである。また溶
液におけるTNPの濃度は好ましくは約0.1〜100m
g/mlである。特に、TNPの濃度は、皮下または静脈
内投与の場合、約5〜50mg/mlが、点滴の場合、約
0.1〜4mg/mlが好ましい。
【0046】経口投与のための組成物としてはさらに、
錠剤、丸剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、シロップ剤、
乳剤、懸濁剤などが挙げられる。かかる組成物は自体公
知の方法によって製造され、坦体もしくは賦形剤とし
て、乳糖、でんぷん、ショ糖、ステアリン酸マグネシウ
ムなどが用いられる。非経口投与のためには、例えば、
注射剤、坐剤、外用剤などとすることができ、注射剤と
しては例えば、静脈注射剤、皮下注射剤、筋肉内注射
剤、点滴注射剤などとして用いられる。注射剤は通常適
当なアンプルに充填されて提供される。坐剤としては例
えば、直腸坐剤、膣坐剤等が挙げられ、外用剤としては
例えば軟膏剤(クリームを含む)、経鼻投与製剤、経皮製
剤等が挙げられる。
【0047】例えば外用剤とするには、自体公知の方法
に従い、本発明の組成物を固状、半固状または液状の外
用剤とすることができる。例えば、上記固状のものとし
ては、本発明の組成物をそのまま、あるいは賦形剤
(例、グリコール、マンニトール、デンプン、微結晶セ
ルロース等)、増粘剤(例、天然ガム類、セルロース誘導
体、アクリル酸重合体等)などを添加、混合して粉状の
組成物とする。上記液状のものとしては、注射剤の場合
とほぼ同様で、油性あるいは水性懸濁剤とする。半固状
の場合は、水性または油性のゲル剤、あるいは軟膏剤の
ものがよい。また、これらはいずれも、pH調節剤(例、
炭酸、リン酸、クエン酸、塩酸、水酸化ナトリウム
等)、防腐剤(例、パラオキシ安息香酸エステル類、クロ
ロブタノール、塩化ベンザルコニウム等)等を加えても
よい。たとえば坐剤とするには、自体公知の方法に従
い、本発明の組成物を油性または水性の固状、半固状あ
るいは液状の坐剤とすることができる。
【0048】本発明の抗腫瘍剤は腫瘍を保持する哺乳動
物(例えば、マウス, ラット, 家兎,ネコ, イヌ, ウシ,
ウマ, ヤギ, サル, ヒト等)の治療に有用であり、これ
ら担癌動物の延命および癌移転抑制剤に著効を奏する。
かかる対象疾患としては各種悪性および良性腫瘍、例え
ば、悪性黒色腫、悪性リンパ腫、消化器(例、胃、腸な
ど)癌、肺癌、膵臓癌、食道癌、乳癌、肝臓癌、卵巣
癌、子宮癌、前立腺癌、脳腫瘍、カポジ肉腫、血管腫、
骨肉腫、筋肉腫などが挙げられる。中でも乳癌、肝臓
癌、前立腺癌、消化器癌、肺癌、脳腫瘍、カポジ肉腫の
治療に特に有効である。
【0049】本発明の抗腫瘍剤は低毒性であり、ヒトを
含む哺乳動物に経口的または非経口的に投与することが
できる。なお、所望により上記したと同様に薬理学的、
製剤学的に許容され得る添加剤(例えば、希釈剤、賦形
剤、結合剤、崩壊剤、着色剤、安定化剤等)を混合また
はこれらを用いて製剤化したものを使用することもでき
る。本発明の抗腫瘍剤の投与量は剤形、投与方法によっ
ても異なるが、例えばマウスに注射剤として投与する際
にはTNP量として1日当たり、約0.1〜200mg/k
gが、代謝拮抗剤型抗癌物質の量としては、1日当たり
約0.01〜1000mg/kgがそれぞれ好ましい。また
マウス以外の哺乳動物にはTNP量として1日当たり約
0.001〜100mg/kgが、代謝拮抗剤型抗癌物質の
量としては1日当たり約0.1〜5000mg/kgずつ投
与するのが好ましい。さらに好ましい投与量は、TNP
量として1日当たり約1〜100mg/kg、代謝拮抗剤型
抗癌物質の量として1日当たり約0.1〜1000mg/k
gである。本発明の抗腫瘍剤においては、TNPと代謝
拮抗剤型抗癌物質とを別途製剤化したものを同時に同一
対象に投与することができ、また、時間差をおいて同一
対象に、例えば患者の症状に応じTNP、代謝拮抗剤型
抗癌物質の順にあるいは逆の順序で投与することができ
る。
【0050】
【実施例】以下に参考例、実施例および実験例を示し、
本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。 参考例1 6−O−(N−クロロアセチルカルバモイル)フマギロー
ルとマルトシル−β−シクロデキストリンとの包接化合
物の調製 10リットル ビーカー中で水4950mlに、マルトシ
ル−β−シクロデキストリン719gを溶解したのち、
6−O−(N−クロロアセチルカルバモイル)フマギロー
ル(以下、化合物Aと略記することもある)99gを加
え、攪拌機を用い25℃で3時間攪拌した。化合物Aが
ほとんど溶解したことを確認後、0.22μmのポアサイ
ズを有するフィルターでろ過し、得られた薬液を5mlず
つバイアルに充填し、凍結乾燥し、包接化合物が得られ
た。
【0051】実施例1 参考例1の方法に従って得られた包接化合物100mg
と、5−FU協和(商品名、1ml中にフルオロウラシル
50mg含有、協和醗酵、以下5−FUと略す)0.4mlと
を混合し、バイアルに封入後、凍結乾燥し、化合物Aと
フルオロウラシルを含有する製剤を得た。
【0052】実施例2 5−FU協和(商品名、1ml中にフルオロウラシル50m
g含有、協和醗酵)5mlアンプルおよび参考例1で得られ
たバイアルとをそれぞれ5本ずつ1セットにした。
【0053】実施例3 フルツロンカプセル100(商品名、1カプセル中にド
キシフルリジン(5'−DFUR)100mg含有、日本ロ
シュ、以下5'−DFURと略す)カプセル10本および
参考例1で得られたバイアル1本を1セットにした。
【0054】実験例1 皮下移植腫瘍に対する6−O−(N−クロロアセチルカ
ルバモイル)フマギロール(化合物A)、5−FUの単独
および併用投与における腫瘍増殖抑制作用 組織培養用シャーレを用いインビトロ(in vitro)で
継代培養したヒト胃癌AZ−521細胞株(以下、AZ
−521細胞と略記する)を0.25%トリプシンで器壁
からはがし細胞を10%血清を含むMEM培地で洗った
のち3×107/mlになるようにPBS(リン酸緩衝液)
に懸濁し、その100μlをBalb/c nu/nu マウス
(7週齢、雌)の右側腹部中央に注射筒(25G針)を用い
て移植した。移植6日目に腫瘍サイズを測定し平均腫瘍
サイズが105〜123mm3になるようにグループ分け
をし薬物投与を開始した。腫瘍サイズは長径(a)と短径
(b)をキャリバーで測定し、計算式0.5×a×b2から算
出した。参考例1で得られた化合物Aとマルトシル−β
−シクロデキストリンとの包接化合物を5%グルコース
溶液で投与液量として10μl/g マウス体重となるよ
うに調節し背部皮下に投与した。5−FUは生理食塩水
に溶かし、投与液量として10μl/g マウス体重とな
るように調製し、静脈内に投与した。化合物A単独投与
の場合には移植6日目に初回の投与を行い、以後1週間
間隔で投与した。5−FU単独投与の場合には移植6日
目から10日目まで連続投与し、次いで移植13、1
5、17、20、22、27日目に投与した。併用投与
の場合には移植6日目に化合物Aおよび5−FUを投与
し、以後単独投与の場合と同じスケジュールでそれぞれ
の薬剤の投与を行った。腫瘍移植31日目に腫瘍増殖抑
制作用の評価を以下の方法により行った。移植31日目
に各腫瘍体積を求め、薬物投与開始日の腫瘍体積を差し
引いたのち、薬物投与群(T)とコントロール群(C)との
腫瘍体積比(T/C %)を求めた。結果を表1に示す。
薬物の投与量は1回当たりの薬物重量(mg/kg 体重)で
表した。
【0055】
【表1】
【0056】化合物Aと5−FUとの併用により、それ
ぞれ単独で用いた場合よりも優れた腫瘍増殖抑制効果が
認められた。
【0057】実験例2 マウスの皮下に移植したマウスのMeth A線維肉腫に
対する抗腫瘍作用 体重約20gの雌のBALB/c マウスの皮下に1×1
6個のMeth A線維肉腫細胞を移植し、腫瘍移植後1
日目から薬物投与を開始した。N−[4−[3−(2,4−
ジアミノ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イ
ル)プロピル]ベンゾイル]−L−グルタミン酸(以下、
化合物Bと称する)は腫瘍移植後1日目から3日目まで
3日間マウスの静脈内に連続投与し、化合物Aは腫瘍移
植後4日目に1回マウスの皮下に投与した。化合物Bは
生理食塩水に溶解し、投与液量として0.2ml/20g
マウス体重となるよう調製した。化合物Aはアラビアゴ
ムと共に乳鉢でよくすりつぶし懸濁液とし、投与液量と
して0.2ml/20g マウス体重となるよう調製した。
抗腫瘍効果の評価は腫瘍移植後10日目の腫瘍重量を測
定し、各実験群の平均体重を求め、薬物処理群(T)と薬
物無処理対照群(C)との腫瘍重量比(T/C %)を求め
て、判定した。結果を表2に示す。薬物の1日当たりの
投与量はマウスの体重1kgあたりの薬物重量(mg)で表し
た。
【0058】
【表2】
【0059】化合物Aと化合物Bを併用した場合、それ
ぞれ単独で用いた場合に比べて優れた増殖抑制効果が認
められた。化合物Aと化合物Bを併用した際の化合物A
の使用量は、単独で用いた場合の半分量であるにもかか
わらず、併用した場合の方が優れた増殖抑制効果が認め
られた。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、新規抗腫瘍剤が提供さ
れる。本発明の抗腫瘍剤は、腫瘍を保持する哺乳動物の
治療に有用であり、担癌動物の延命および癌転移抑制に
著効を奏する。また、低毒性であるため安全に投与され
る。しかも、経口、非経口を問わず種々の形態での投与
が可能であり臨床的にも有用性が高い。

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 血管新生阻害活性を有するフマギロール
    誘導体またはその塩と代謝拮抗剤型抗癌物質とを組み合
    わせてなる抗腫瘍剤。
  2. 【請求項2】 フマギロール誘導体が一般式(I): 【化1】 [式中、R1は水素を、R2はハロゲン、N(O)mR56
    +567・X-、S(O)nR5またはS+56・X
    -(式中、R5、R6およびR7はそれぞれ置換基を有して
    いてもよい炭化水素基または複素環基を、X-はカウン
    ターアニオンを、mは0または1を、nは0ないし2の整
    数を示す。また、R5とR6とは隣接する窒素原子または
    硫黄原子と共に縮環していてもよい含窒素または含硫黄
    複素環基を形成していてもよく、これらの縮環していて
    もよい含窒素または含硫黄複素環基は置換基を有してい
    てもよい。)を示すか、またはR1とR2とで結合手を示
    し、R3はそれぞれ置換基を有していてもよい2−メチ
    ル−1−プロペニル基またはイソブチル基を示し、Aは
    酸素原子またはNR8(式中、R8は水素、またはそれぞ
    れ置換基を有していてもよい低級アルキル基もしくはア
    リール基を示す。)を示し、R4は水素、またはそれぞれ
    置換基を有していてもよい炭化水素基もしくはアシル基
    を示す。]で表される化合物またはその塩である請求項1
    記載の抗腫瘍剤。
  3. 【請求項3】 一般式(I)で表されるフマギロール誘
    導体において、R1とR2とで結合手を示し、またはR1
    が水素でR2がN(O)mR56、N+567・X-、S
    (O)nR5またはS+56・X-;Aが酸素原子またはN
    H;R3がそれぞれ置換基を有していてもよい2−メチ
    ル−1−プロペニルまたはイソブチル基;およびR4
    水素または置換基を有していてもよいカルバモイル基で
    ある請求項2記載の抗腫瘍剤。
  4. 【請求項4】 一般式(I)で表されるフマギロール誘
    導体において、R1とR2とで結合手を示す請求項3記載
    の抗腫瘍剤。
  5. 【請求項5】 一般式(I)で表されるフマギロール誘
    導体において、R2がS+56・X-(R5およびR6は独
    立して炭化水素基、およびX-はハロゲン化物イオンで
    ある)である請求項3記載の抗腫瘍剤。
  6. 【請求項6】 一般式(I)で表されるフマギロール誘
    導体において、R5またはR6で示される炭化水素基が、
    直鎖状または分枝鎖状のC1-6アルキル基、C2-6アルケ
    ニル基、C2-6アルキニル基、C3-6シクロアルキル基、
    3-6シクロアルケニル基、C7-13アラルキル基または
    6-10アリール基である請求項5記載の抗腫瘍剤。
  7. 【請求項7】 フマギロール誘導体が6−O−(N−ク
    ロロアセチルカルバモイル)フマギロールである請求項
    1記載の抗腫瘍剤。
  8. 【請求項8】 フマギロール誘導体が6−O−(N−メ
    チルカルバモイル)フマギロールである請求項1記載の
    抗腫瘍剤。
  9. 【請求項9】 フマギロール誘導体がシクロデキストリ
    ン誘導体と複合体を形成している請求項1記載の抗腫瘍
    剤。
  10. 【請求項10】 フマギロール誘導体がマルトシル−β
    −シクロデキストリンと複合体を形成している請求項9
    記載の抗腫瘍剤。
  11. 【請求項11】 代謝拮抗剤型抗癌物質が、一般式(I
    I): 【化2】 [式中、R9は水素、置換されていてもよいテトラヒドロ
    −2−フリル基またはアルキルカルバモイル基を、およ
    びYはハロゲンを示す]で表される化合物またはその
    塩、またはこれとウラシルとを組み合わせてなるもので
    ある請求項1記載の抗腫瘍剤。
  12. 【請求項12】 血管新生阻害活性を有するフマギロー
    ル誘導体またはその塩と請求項11記載の代謝拮抗剤型
    抗癌物質のみとを組み合わせてなる請求項11記載の抗
    腫瘍剤。
  13. 【請求項13】 一般式(II)で表される代謝拮抗剤型
    抗癌物質において、Yがフッ素または臭素である請求項
    11記載の抗腫瘍剤。
  14. 【請求項14】 一般式(II)で表される代謝拮抗剤型
    抗癌物質において、R9が水素、テトラヒドロ−2−フ
    リル基、β−D−5−デオキシリボフラノシル基、β−
    D−2−デオキシリボフラノシルまたはアルキルカルバ
    モイル基である請求項11記載の抗腫瘍剤。
  15. 【請求項15】 代謝拮抗剤型抗癌物質が、フルオロウ
    ラシル、テガフール、テガフール・ウラシル、カルモフ
    ール、ドキシフルリジンまたはブロクスウリジンである
    請求項13記載の抗腫瘍剤。
  16. 【請求項16】 代謝拮抗剤型抗癌物質が葉酸拮抗剤で
    ある請求項1記載の抗腫瘍剤。
  17. 【請求項17】 代謝拮抗剤型抗癌物質としての葉酸拮
    抗剤が、一般式(III): 【化3】 [式中、(A)環はピロールまたはピロリン環を、R10
    水素、フッ素、アルキル基、アルケニル基またはアルキ
    ニル基を、−COOR11および−COOR12は同一また
    は異なってエステル化されていてもよいカルボキシル基
    を、R13はアミノ基またはヒドロキシル基を、R14は水
    素、アミノ基またはヒドロキシル基を、kは2ないし4
    の整数をそれぞれ示し、R10はk個の繰り返しにおいて
    それぞれ異なってもよい。また、R13またはR14がヒド
    ロキシル基を示す場合、これらは互変異性により窒素原
    子と一緒になってアミドを形成していてもよい。]で表
    される化合物またはその塩である請求項16記載の抗腫
    瘍剤。
  18. 【請求項18】 代謝拮抗剤型抗癌物質としての葉酸拮
    抗剤が、N−[4−[3−(2,4−ジアミノ−7H−ピロ
    ロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル)プロピル]ベンゾイ
    ル]−L−グルタミン酸である請求項16記載の抗腫瘍
    剤。
  19. 【請求項19】 代謝拮抗剤型抗癌物質としての葉酸拮
    抗剤が、N−[4−[3−(2−アミノ−4−ヒドロキシ
    −7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル)エチ
    ル]ベンゾイル]−L−グルタミン酸である請求項16記
    載の抗腫瘍剤。
  20. 【請求項20】 代謝拮抗剤型抗癌物質が、フルオロウ
    ラシル、テガフール、テガフール・ウラシル、カルモフ
    ール、ドキシフルリジンまたはN−[4−[3−(2,4−
    ジアミノ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イ
    ル)プロピル]ベンゾイル]−L−グルタミン酸である請
    求項1記載の抗腫瘍剤。
  21. 【請求項21】 代謝拮抗剤型抗癌物質が、フルオロウ
    ラシル、ドキシフルリジンまたはN−[4−[3−(2,4
    −ジアミノ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−
    イル)プロピル]ベンゾイル]−L−グルタミン酸である
    請求項20記載の抗腫瘍剤。
  22. 【請求項22】 血管新生阻害活性を有するフマギロー
    ル誘導体またはその塩からなる製剤と代謝拮抗剤型抗癌
    物質からなる製剤とをセットにしたことを特徴とする併
    用投与用腫瘍治療キット。
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