JPH0782174A - 抗腫瘍剤 - Google Patents

抗腫瘍剤

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JPH0782174A
JPH0782174A JP5232057A JP23205793A JPH0782174A JP H0782174 A JPH0782174 A JP H0782174A JP 5232057 A JP5232057 A JP 5232057A JP 23205793 A JP23205793 A JP 23205793A JP H0782174 A JPH0782174 A JP H0782174A
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JP
Japan
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antitumor
type
salt
pyrimidine derivative
compound
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JP5232057A
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Seiji Akiyama
清次 秋山
Koichiro Otsu
紘一郎 大津
Hiroshi Akimoto
浩 秋元
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】優れた効果を有する抗腫瘍剤の提供。 【構成】式 【化1】 〔式中、A環はピロールまたはピロリン環を、Xはアミ
ノ基またはヒドロキシ基を、Yは水素、アミノ基または
ヒドロキシ基を、Rは水素、フッ素、アルキル基、アル
ケニル基またはアルキニル基を、−COOR1および−
COOR2は同一または異なってエステル化されていて
もよいカルボキシ基を、nは2ないし4の整数をそれぞ
れ示し、Rはn個の繰り返しにおいてそれぞれ異なって
もよい。〕で表わされる縮合ピリミジン誘導体とタイプ
I抗腫瘍性化合物とを組み合わせてなる抗腫瘍剤。 【効果】抗腫瘍作用の相乗効果。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた抗腫瘍作用を有
する縮合ピリミジン誘導体とタイプI抗腫瘍性化合物と
を組み合わせてなる抗腫瘍剤に関する。
【0002】
【従来の技術】今日の癌治療は、早期の癌については手
術療法、ホルモン療法および放射線療法が有効な治療手
段として、転移した癌ならびに再発した癌については抗
腫瘍剤による薬物療法が有効な治療手段として頻用され
ている。現在癌の薬物療法には多くの抗腫瘍剤が使用さ
れているが、これらは生体に及ぼす副作用が強く、しば
しば末梢血液細胞の減少や骨髄への重篤な障害を惹起す
ることが報告されており(内科、64巻(4)、694-701頁、
1989年)、患者にとって満足すべき治療法として完成さ
れていない。従って、副作用の発現を軽減させるために
少ない使用量で安全かつ顕著な効果を示す治療法が求め
られていた。
【0003】葉酸代謝拮抗剤メソトレキサート(MTX)
は白血病を中心とした癌の治療薬として古くから臨床で
用いられている。葉酸およびその関連化合物は、生体内
におけるギ酸やホルムアルデヒド等に由来するC1単位
の運搬体として、核酸生合成系、アミノ酸・ペプチド代
謝系およびメタン生成系等の各種酵素反応の補酵素の役
割を担っている。特に、核酸生合成系においては、2つ
の経路、すなわちプリン合成系ならびにチミジン合成系
におけるホルミル化反応に必須である。通常、葉酸がそ
の生物活性を発揮するには、2段階に還元を受けて活性
補酵素型に変換されなくてはならない。MTXおよびその
周辺化合物は、この2段階の還元を支配する酵素、ジヒ
ドロ葉酸還元酵素(DHFR)と強く結合し、ジヒドロ葉酸
からテトラヒドロ葉酸への還元を抑制する。しかしなが
ら、固形腫瘍に対するMTXの薬効は顕著ではないため、
固形腫瘍に優れた薬効を示す新規葉酸代謝拮抗剤の研究
が進められてきた。その結果、MTXのように6員環−6
員環を基本骨格とする縮合複素環化合物群以外に、6員
環−5員環とから形成される縮合複素環(6−5縮合
環)を基本骨格とする葉酸拮抗剤が固形腫瘍に対して優
れた薬効を示すことが見出された(例えば、特開平2-16
7281、USP4,997,883 、EP-A-400,564、EP-A-402,903、E
P-A-418,924、EP-A-431,953、EP-A-434,426、EP-A-438,
261およびUSP4-996,206等)。しかし、これらの6−5
縮合複素環の葉酸代謝拮抗剤とタイプI抗腫瘍性化合物
とを組み合わせて使用することについては従来知られて
いない。一方、タイプI抗腫瘍性化合物としては、種々
のものが知られており、その中において例えば白金錯体
やマイトマイシン等が既に市販されている。白金錯体の
一つであるシスプラチンは、大腸菌の分裂阻害作用を有
することが報告されて以来種々検討され、近年抗腫瘍剤
として広く使用されるようになってきた(「癌ハンドブ
ック」、医薬ジャーナル社、1989年)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】副作用の発現が少なく
安全でかつ優れた抗腫瘍作用を示す抗腫瘍剤の開発が望
まれている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、抗悪性腫
瘍剤について種々検討した結果、式
【化2】 〔式中、A環はピロールまたはピロリン環を、Xはアミ
ノ基またはヒドロキシ基を、Yは水素、アミノ基または
ヒドロキシ基を、Rは水素、フッ素、アルキル基、アル
ケニル基またはアルキニル基を、−COOR1および−
COOR2は同一または異なってエステル化されていて
もよいカルボキシ基を、nは2ないし4の整数をそれぞ
れ示し、Rはn個の繰り返しにおいてそれぞれ異なって
もよい。〕で表わされる縮合ピリミジン誘導体またはそ
の塩とタイプI抗腫瘍性化合物とを組み合わせると、予
想外にも優れた抗腫瘍作用を示し、それぞれ単独で使用
する場合に較べて少ない使用量で安全かつ顕著な抗腫瘍
効果が発揮されることを見出した。本発明者らは、これ
らの知見に基づき本発明を完成した。すなわち、本発明
は、(1)化合物[I]またはその塩とタイプI抗腫瘍性
化合物とを組み合わせてなる抗腫瘍剤、(2)タイプI抗
腫瘍性化合物が白金錯体である第(1)項記載の抗腫瘍
剤、および(3)白金錯体がシスプラチンである第(2)項記
載の抗腫瘍剤に関する。
【0006】上記式中、Rで示されるアルキル基として
は、例えばメチル、エチル、プロピル、iso−プロピ
ル基等の炭素数1ないし3のアルキル基等が用いられ
る。Rで示されるアルケニル基としては、例えばビニ
ル、1−メチルビニル、1−プロペニル、アリル、アレ
ニル基等の炭素数2ないし3のアルケニル基等が用いら
れる。Rで示されるアルキニル基としては、例えばエチ
ニル、1−プロピニル、プロパジル基等の炭素数2ない
し3のアルキニル基等が用いられる。−COOR1およ
び−COOR2で示されるエステル化されていてもよい
カルボキシ基としては、例えば炭素数1ないし5のアル
キル基、置換基(例えばニトロ、メトキシ基等)を1な
いし3個有していてもよいベンジル基または置換基(例
えばニトロ、メトキシ等)を1ないし3個有していても
よいフェニル基等によりエステル化されていてもよいカ
ルボキシ基等が用いられる。該アルキル基としては、例
えばメチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、n
−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert
−ブチル、n−ペンチル、iso−ペンチル、sec−
ペンチル、neo−ペンチル、tert−ペンチル等
が、該置換基を有していてもよいベンジルとしては、例
えばベンジル、ニトロベンジル、メトキシベンジル等
が、また該置換基を有していてもよいフェニルとして
は、例えばフェニル、ニトロフェニル、メトキシフェニ
ル等が用いられる。
【0007】縮合ピリミジン誘導体[I]の塩として
は、薬学的に許容され得る塩基あるいは酸との塩および
四級塩等が用いられる。塩基の塩としては、例えばアル
カリ金属、アルカリ土類金属、非毒性金属、アンモニウ
ムおよび置換アンモニウムとの塩、具体的にはナトリウ
ム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、
アルミニウム、亜鉛、アンモニウム、トリメチルアンモ
ニウム、トリエチルアンモニウム、トリエタノールアン
モニウム、ピリジニウム、置換ピリジニウム等との塩が
用いられる。酸の塩としては、例えば塩酸、硫酸、硝
酸、リン酸、ホウ酸等の鉱酸塩、シュウ酸、酒石酸、酢
酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、ベンゼンス
ルホン酸、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホ
ン酸等の有機酸との塩等が用いられる。四級塩として
は、例えば臭化メチル、ヨウ化メチル、メタンスルホン
酸メチルエステル、ベンゼンスルホン酸メチルエステ
ル、p−トルエンスルホン酸メチルエステル等との塩が
用いられる。好ましい塩は例えばナトリウム、カリウム
またはリチウムとの塩等である。
【0008】化合物[I]の好ましい例としては、N−
[4−[3−(2,4−ジアミノ−7H−ピロロ[2,
3−d]ピリミジン−5−イル)プロピル]ベンゾイ
ル]−L−グルタミン酸(以下、化合物Aと略称する)
等が用いられる。タイプI抗腫瘍性化合物は、殺細胞作
用による分類のタイプII以外の抗腫瘍性化合物であっ
て、タイプIaおよびタイプIbの抗腫瘍性化合物を意
味する(「癌ハンドブック」、佐藤武男編、医薬ジャー
ナル社、(1989年)、第137-138頁記載)。in vitroにお
ける殺細胞作用による分類では、タイプIaは時間に関
係なく濃度依存性に作用する薬剤であり、タイプIbは
濃度依存性であるが時間にも依存性がある薬剤である。
タイプIa抗腫瘍性化合物としては、例えばナイトロジ
ェンマスタード系アルキル化剤(例えばサイクロフォス
ファミド、クロラムブチル、メルファラン等)、アルキ
ルスルホン酸系アルキル化剤(例えばブスルファン
等)、ニトロソウレア系アルキル化剤またはプロカルバ
ジン等が用いられる。タイプIb抗腫瘍性化合物として
は、例えばポドフィロトキシン誘導体、白金錯体(例え
ばシスプラチン、カルボプラチン等)または抗腫瘍性抗
生物質(例えばダウノルビシン、ドキソルビシン、ミト
ザントロン、アクラシノマイシン、アクチノマイシン
D,ブレオマイシン、ペプレオマイシン、マイトマイシ
ン、アドリアマイシン等)等が用いられる。好ましくは
タイプIb抗腫瘍性化合物であり、より好ましくはシス
プラチンまたはカルボプラチン等の白金錯体、マイトマ
イシンまたはアドリアマイシン等が用いられ、さらに好
ましくはシスプラチンまたはマイトマイシン等である。
【0009】本発明の抗腫瘍性剤は、縮合ピリミジン誘
導体[I]またはその塩とタイプI抗腫瘍性化合物とが
組み合わせて用いられる限り、両者を同時にまたは時間
差をおいて使用してもよい。例えば、本発明の組み合わ
せてなる抗腫瘍剤は、上記の縮合ピリミジン誘導体また
はその塩とタイプI抗腫瘍性化合物とを、公知の製剤学
的製造に準じ、所望により製剤学的に許容され得る希釈
剤、腑形剤等を用い、混合して一剤として投与すること
ができる。また、それぞれを別途、所望により製剤学的
に許容され得る希釈剤、腑形剤等を用い、常法に従って
別々に製剤化した後に同時にまたは時間差をおいて投与
することができる。一剤として投与する場合の使用割合
は、本発明抗腫瘍剤に対して縮合ピリミジン誘導体15な
いし50重量%、タイプI抗腫瘍性化合物40ないし80重量
%であり、好ましくは縮合ピリミジン誘導体25ないし35
重量%、タイプI抗腫瘍性化合物60ないし80重量%であ
る。さらに、それぞれ別途に製剤化したものを、同時に
または時間差をおいて、同一対象に対して同一経路また
は異なった経路で投与することもできる。縮合ピリミジ
ン誘導体[I]またはその塩とタイプI抗腫瘍性化合物
を別々に常法に従って製剤化したものを時間差をおいて
別個に投与する場合は、例えばタイプI抗腫瘍性化合物
を投与した直後ないし36時間後に縮合ピリミジン誘導体
[I]またはその塩を第1回目投与し、第1回目投与後
20ないし60時間後に縮合ピリミジン誘導体[I]または
その塩を第2回目投与し、さらに所望により、第2回目
投与後20ないし60時間後に縮合ピリミジン誘導体[I]
またはその塩を第3回目投与する方法等が用いられる。
別個に投与する場合の各製剤における使用割合は、製剤
に対して縮合ピリミジン誘導体[I]またはその塩10な
いし40重量%、タイプI抗腫瘍性化合物40ないし80重量
%である。
【0010】本発明で用いられる縮合ピリミジン誘導体
[I]またはその塩は、例えば特開平2-167281等に記載
されている方法またはそれに準ずる方法で合成される。
また、抗悪性腫瘍剤に用いるタイプI抗腫瘍性化合物等
は公知の方法またはそれに準ずる方法で合成され、例え
ばシスプラチンまたはマイトマイシン等は上市されてい
るいずれの製品でもよい。本発明の抗腫瘍剤は、通常、
上記成分の縮合ピリミジン誘導体[I]またはその塩、
タイプI抗腫瘍性化合物を薬理学的に許容されうる担体
または賦形剤と混合して常法により一形体または別々の
形体の医薬製剤とし、経口または非経口的に用いられ
る。このような形体としては、例えば成分を水溶液とし
たもの、水溶液としたものを凍結乾燥することによって
固型状のものとしたもの、固型担体を用いて固型状のも
のとしたもの、または成分と溶解液を別個に製剤とした
キット等が用いられる。
【0011】成分を含む製剤が溶液である場合は、水性
溶剤(例えば、蒸留水等)、水溶性溶剤(例えば、生理
的食塩水、リンゲル液等)、油性溶剤(例えば、ゴマ
油、オリーブ油等)等の溶剤を用いて、常套手段により
製造される。この際、所望により溶解補助剤(例えば、
サリチル酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等)、緩衝剤
(例えば、クエン酸ナトリウム、グリセリン等)、等張
化剤(例えば、ブドウ糖、転化糖等)、安定剤(例え
ば、ヒト血清アルブミン、ポリエチレングリコール
等)、保存剤(例えば、ベンジルアルコール、フェノー
ル等)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩
酸プロカイン等)等の添加剤を用いることもできる。溶
液製剤におけるタイプI抗腫瘍性化合物の含有濃度は約
0.05ないし5mg/mlが好ましく、縮合ピリミジン誘導体
[I]またはその塩の含有濃度は約0.005ないし1mg/ml
が好ましい。経口投与のための成分含有製剤としてはさ
らに、錠剤、丸剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、シロッ
プ剤、乳剤、懸濁剤等が用いられる。かかる製剤は自体
公知の方法によって製造され、所望により製剤一般に用
いられる担体または賦形剤、例えば乳糖、澱粉、ショ
糖、ステアリン酸マグネシウム等が用いられる。非経口
投与のためには例えば注射剤、座剤等とすることがで
き、注射剤としては例えば静脈注射剤、皮下注射剤、皮
内注射剤、筋肉内注射剤、点滴注射剤等として用いられ
る。注射液は通常適当なアンプルに充填されて提供され
てもよい。直腸投与に用いられる座剤は自体公知の方法
で調製されることができる。
【0012】本発明の抗腫瘍剤は、さらに他の化学療法
剤および/または他の免疫療法剤を含有することができ
る。他の化学療法剤としては、例えばアドリアマイシ
ン、エトポシド、ビンデシン、ビンクリスチン、サイク
ロフォスファミド、イファファミド、ブレオマイシン、
ペプレオマイシン、フレオマイシン、5−フルオロウラ
シル、ドキソフルジンまたはユーエフティー等の制癌剤
等が用いられ、好ましくはアドリアマイシン、エトポシ
ド、サイクロフォスファミド等である。他の免疫療法剤
としては、例えば微生物または細菌細胞骨格成分、免疫
活性多糖ならびに合成ペプチド等が用いられる。本発明
の抗腫瘍剤は、さらに他の遺伝子組み換え型生理活性物
質を含有することができる。他の遺伝子組み換え型生理
活性物質としては、例えばインターフェロン、インター
ロイキン−2、インターロイキン−3、インターロイキ
ン−6またはインターロイキン−11、コロニー刺激因子
(例えば、G−CSF、MG−CSFまたはM−CSF
等)またはその他の造血因子(例えば、エリスロポイエ
チンまたは血小板増加因子等)等が用いられる。他の免
疫療法剤または他の遺伝子組み換え型生理活性物質をさ
らに含有させる場合の量としては、治療において安全に
用いられている量である。
【0013】
【作用】本発明の抗腫瘍剤は哺乳動物(例えば、マウ
ス、ネコ、イヌ、牛、馬、山羊、家兎、ヒト等)等の腫
瘍の治療または予防に有用であり、例えば腫瘍を保持す
る哺乳動物の延命に著効を奏する。すなわち、治療効果
を高め、患者の生存期間の延長を来する抗腫瘍剤として
安全に使用することができる。かかる対象疾患としては
各種白血病、悪性リンパ腫、骨肉腫、悪性黒色腫、卵巣
癌、肺癌、胃癌、大腸癌、食道癌、頭頸部癌、脳腫瘍等
が挙げられる。
【0014】本発明の抗腫瘍剤を投与するには、固型の
ものはそのまま経口的に、水溶液のものである場合には
そのまま注射剤として用いる。該組成物が凍結乾燥によ
り固型状のものである場合には、蒸留水または生理的食
塩水等を用いて溶解し注射用溶解液として用いることも
できる。なお、所望により例えば同様の単糖類、糖アル
コール類、アミノ酸等を含有し、pH調整された溶解液で
溶解後使用することもできる。本発明の抗腫瘍剤はヒト
を含む哺乳動物等に経口的または非経口的に投与するこ
とができ、例えば胃癌、肺癌または大腸癌等の疾患に有
用である。本発明の抗腫瘍剤の投与量は、一剤として投
与する場合、使用する有効成分(縮合ピリミジン誘導体
[I]またはその塩、タイプI抗腫瘍性化合物)によっ
て異なるが、例えば、マウスに注射剤として投与する際
には約0.01ないし500mg/kg、好ましくは0.1ないし50mg/
kg、マウス以外の哺乳動物に注射剤として投与する際に
は約0.001ないし0.5mg/kg、好ましくは0.01ないし0.1mg
/kg、座剤として投与する際には約0.01ないし20mg/kg、
好ましくは0.5ないし5mg/kg、点滴剤として投与する際
は約0.01ないし2mg/kg、好ましくは0.05ないし1mg/kg、
経口剤として投与する際には、約0.2ないし20mg/kg、好
ましくは0.5ないし10mg/kgであり、その投与回数は1日
1ないし3回である。また、有効成分を別々の製剤とし
て投与する場合、使用する有効成分によって異なるが、
例えば、マウスに注射剤として投与する際には縮合ピリ
ミジン誘導体[I]またはその塩0.01ないし500mg/kg、
好ましくは0.1ないし50mg/kg、タイプI抗腫瘍性化合物
0.1ないし10mg/kg、好ましくは1ないし5mg/kg、マウ
ス以外の哺乳動物に注射剤として投与する際には縮合ピ
リミジン誘導体[I]またはその塩0.001ないし0.5mg/k
g、好ましくは0.01ないし0.1mg/kg、タイプI抗腫瘍性
化合物0.05ないし5mg/kg、好ましくは0.1ないし2mg/k
g、座剤として投与する際には縮合ピリミジン誘導体
[I]またはその塩0.01ないし20mg/kg、好ましくは0.5
ないし5mg/kg、タイプI抗腫瘍性化合物0.05ないし5m
g/kg、好ましくは0.1ないし1mg/kg、点滴剤として投与
する際は縮合ピリミジン誘導体[I]またはその塩0.01
ないし2mg/kg、好ましくは0.05ないし1mg/kg、タイプ
I抗腫瘍性化合物0.05ないし2mg/kg、好ましくは0.05
ないし1mg/kg、経口剤として投与する際は縮合ピリミ
ジン誘導体[I]またはその塩0.2ないし20mg/kg、好ま
しくは0.5ないし10mg/kg、タイプI抗腫瘍性化合物0.1
ないし20mg/kg、好ましくは0.5ないし10mg/kgである。
その投与回数については縮合ピリミジン誘導体[I]ま
たはその塩は1日1ないし3回、タイプI抗腫瘍性化合
物は1日1ないし3回であって、各有効成分を含有する
製剤の投与に時間差例えば4ないし80時間、好ましくは
20ないし50時間差を設けて投与するのがよい。
【0015】
【実施例】本発明はさらに下記の実験例および実施例で
詳しく説明されるが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。 実施例1 ヌードマウスの皮下に移植したヒト胃癌NUGC-4に対する
本発明抗腫瘍剤の抗腫瘍作用を示す。体重約25gの雌のB
ALB/c-nu/nuマウス(ヌードマウス)の皮下に約1mm3
大きさのヒトの胃癌(NUGC-4 株)をトロアカールを用
いて移植し、腫瘍移植後24時間目から薬物投与を開始し
た。シスプラチン(CDDP)は腫瘍移植後24時間目に1回
だけマウスの腹腔内に投与し、化合物Aは24時間目より
2日に1回計3回マウスの腹腔内に投与した。いずれの
薬物も生理食塩水(溶解液)に溶解し、投与液量として
0.2ml/20gマウス体重となるように調製した。抗腫瘍効
果の評価は腫瘍移植後の腫瘍の増殖状況を観察して行っ
た。すなわち、各腫瘍の長径と短径をノギスで計測して
腫瘍体積(=長径×(短径)2÷2)を測定し、その平均
および標準誤差を求めた。また、各実験群で平均腫瘍重
量を求め、薬物処理群(T)と薬物無処理対照群(C)と
の腫瘍重量比(T/C%)を指標とした。なお、薬物の1日
当たりの投与量はマウスの体重1kgあたりの薬物重量
(mg)で、腫瘍体積は(×102mm3)で表わした。
【表1】
【0016】実施例2 ヌードマウスの皮下に移植したヒト結腸癌col-3-Jck に
対する本発明抗腫瘍剤の抗腫瘍作用を示す。体重約25g
の雌のBALB/c-nu/nuマウス(ヌードマウス)の皮下に約
1mm3の大きさのヒトの結腸癌(col-3-Jck株)をトロア
カールを用いて移植し、腫瘍移植後24時間目から薬物投
与を開始した。マイトマイシン(MMC)は腫瘍移植後24
時間目に1回だけマウスの腹腔内に投与し、化合物Aは
24時間目より2日に1回計3回マウスの腹腔内に投与し
た。いずれの薬物も生理食塩水(溶解液)に溶解し、投
与液量として0.2ml/20gマウス体重となるように調製し
た。抗腫瘍効果の評価は実施例1と同様にして行った。
【表2】 表1および表2の結果より、本発明の縮合ピリミジン誘
導体[I]またはその塩とタイプI抗腫瘍性化合物とを
組み合わせてなる抗腫瘍剤は、それぞれを単独で使用し
た場合には抗腫瘍効果を示さない投与量であるにもかか
わらず、抗腫瘍作用が相乗し治療効果が増強されること
は明らかである。
【0017】実施例3 上記の割合で、各成分を混合したのち注射用蒸留水20ml
に溶解し、メンブランフィルター(孔径0.02μm)を用
いて濾過した。得られた濾液を無菌的に1mlずつバイア
ル瓶に分注して凍結乾燥し、注射用製剤を調製した。本
注射用製剤は、用時注射用蒸留水5mlに溶解する。 実施例4 上記の割合で、各成分を混合したのち注射用蒸留水20ml
に溶解し、ヒト血清アルブミン(HSA)を0.5%になるよ
うに添加してメンブランフィルター(孔径0.02μm)を
用いて濾過した。得られた濾液を無菌的に1mlずつバイ
アル瓶に分注して凍結乾燥し、注射用製剤を調製した。
本注射用製剤は、用時注射用蒸留水5mlに溶解する。
【0018】
【発明の効果】本発明は、縮合ピリミジン誘導体[I]
またはその塩とタイプI抗腫瘍性化合物とを組み合わせ
ることにより、抗腫瘍作用が相乗して腫瘍の治療効果が
増強する、有用性および安全性の高い新しい抗腫瘍剤を
提供することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (A61K 31/505 33:24)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 【化1】 〔式中、A環はピロールまたはピロリン環を、Xはアミ
    ノ基またはヒドロキシ基を、Yは水素、アミノ基または
    ヒドロキシ基を、Rは水素、フッ素、アルキル基、アル
    ケニル基またはアルキニル基を、−COOR1および−
    COOR2は同一または異なってエステル化されていて
    もよいカルボキシ基を、nは2ないし4の整数をそれぞ
    れ示し、Rはn個の繰り返しにおいてそれぞれ異なって
    もよい。〕で表わされる縮合ピリミジン誘導体またはそ
    の塩とタイプI抗腫瘍性化合物とを組み合わせてなる抗
    腫瘍剤。
  2. 【請求項2】タイプI抗腫瘍性化合物が白金錯体である
    請求項1記載の抗腫瘍剤。
  3. 【請求項3】白金錯体がシスプラチンである請求項2記
    載の抗腫瘍剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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