JPH07148528A

JPH07148528A - プレス成形方法

Info

Publication number: JPH07148528A
Application number: JP30001993A
Authority: JP
Inventors: Tetsuya Wakabayashi; 徹也若林; Soko Nanba; 崇興南波; Hiroya Miyaoka; 博也宮岡; Hiroshi Kiyama; 啓木山
Original assignee: Honda Motor Co Ltd
Current assignee: Honda Motor Co Ltd
Priority date: 1993-11-30
Filing date: 1993-11-30
Publication date: 1995-06-13

Abstract

(57)【要約】【目的】本発明はプレス曲げ加工時に曲げ成形部に生
じるスプリングバックを抑制し、同部の剛性を増して成
形精度を向上させるような成形方法に関する。【構成】ブランク材１の曲げ成形部２に下穴３を形成
し、この曲げ成形部２をプレス加工において曲げ加工し
て成形素材４を成形するとともに、この下穴３にバーリ
ング加工を施して内縁フランジｆを形成する。そして、
下穴３を形成することでスプリングバック量を低減さ
せ、下穴３にバーリング加工を施すことで曲げ剛性を高
め形状精度を維持する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はプレス曲げ加工によって
生じる曲げ成形部のスプリングバックを抑制し、同時に
剛性を増して成形精度を向上させるようにした成形方法
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、金属板を容易に曲げることが出
来、しかも曲げ成形部のスプリングバックを抑制するよ
うな方法として、例えば特開昭５５−２２４６８号のよ
うな成形方法が提案されている。この方法は折曲げを機
械によらず手作業で容易に行うことが出来るよう、予め
金属板の折曲げ線に沿ってミシン目状の細孔を穿孔して
おくというものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
方法では折曲げ加工は容易に行えるものの、成形後の剛
性が著しく低下するため成形精度を保持するのが難し
く、製品としての強度的要件を満足しないこともあると
いう問題があった。そこで、成形後も成形精度が保持さ
れ、剛性を低下させないような成形方法が望まれてい
た。

【０００４】

【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め、本発明はプレス加工において曲げ成形部を曲げ加工
するようにしたプレス成形方法において、曲げ成形部に
予め下穴を明けて曲げ加工し、この下穴にバーリング加
工を施すようにした。

【０００５】

【作用】予め曲げ成形部に下穴を明けて曲げ加工するこ
とで、材料の弾性回復によって曲げ角が減少するスプリ
ングバック量が減少し、この下穴にバーリング加工を施
せば剛性が増して成形精度が保持される。

【０００６】

【実施例】本発明のプレス成形方法の実施例について添
付した図面に基づき説明する。図１は本発明の成形方法
を示す工程図、図２は下穴占有率とスプリングバックの
関係を示す実験データ図、図３はバーリング加工による
曲げ剛性の計算結果を示す説明図である。

【０００７】本発明のプレス成形方法は、例えば圧延鋼
板とかアルミ板等の金属板をプレス成形で曲げ加工する
に際し、スプリングバック量を減らし、しかも剛性を向
上させることで成形精度を保持するようにした成形方法
であり、図１に示すように予めブランク材１の曲げ成形
部２に下穴３を明ける工程から開始する。

【０００８】そして、このように下穴３を明けたブラン
ク材１をドロー成形によって成形素材４を成形すると曲
げ成形部２のスプリングバック量が抑制された状態で成
形される。

【０００９】その後、例えばトリム成形で不要部等をカ
ットして最終形状の成形品５を成形する際、下穴３にバ
ーリング加工を行い下穴３の内縁に沿ってフランジｆを
形成する。尚、このようなフランジｆはストレート状に
形成しても良く、或いは段付き状に形成しても良い。

【００１０】そして、このバーリング加工によって曲げ
成形部２の曲げ剛性が高まり、成形精度が維持される。

【００１１】それでは、かかる成形方法によって成形し
た実験結果について説明する。

【００１２】まず、供試材として圧延鋼板（ＳＰＣ）と
アルミ板（５１８２−０）（ＡＬ）を選定し、事前にブ
ランク材１の曲げ成形部２の陵部に沿って下穴３を数箇
所設けた。

【００１３】そして、この下穴３は直径５mmのものを所
定ピッチ間隔で穿設し、下穴占有率１０〜４５％の数種
類の供試材でテストした。ここで、下穴占有率（％）と
は、板幅に対して下穴３の全幅が占める率であり、下穴
占有率（％）＝｛（穴径×穴数）／板幅｝×１００で表
される。

【００１４】そして、例えば穴ピッチ間隔２３mmで２個
の下穴３を設けることで下穴占有率を１０％の供試材と
し、穴ピッチ間隔２０mmで４個の下穴３を設けることで
下穴占有率を２０％の供試材とし、穴ピッチ間隔１５mm
で６個の下穴３を設けることで下穴占有率を３０％の供
試材とし、穴ピッチ間隔１０mmで９個の下穴３を設ける
ことで下穴占有率を４５％の供試材として、それぞれの
供試材を用いてドロー加工し、成形後の成形素材４のス
プリングバック量を測定したものが図２の通りである。

【００１５】つまり、この実験結果から、下穴占有率が
上昇するに連れてスプリングバック量が減少しているこ
とが明らかになり、形状凍結性が向上していることが判
る。

【００１６】これは、下穴占有率の上昇に伴って下穴３
周辺に応力が集中するようになり、平均応力が増加し、
これによって曲げ成形部２の伸びが拡大することでスプ
リングバック量が減少するものと思われる。

【００１７】次に、このように成形した成形素材４に対
してバーリング加工を施すが、この場合の曲げ剛性につ
いてバーリング加工を行わない場合等と比較して説明す
る。

【００１８】図３は、曲げ成形部に沿ったＡ−Ａ断面に
下穴を形成しない場合と、下穴を形成した場合と、下穴
にバーリング加工を施した場合のそれぞれの諸元を示し
ている。そして下穴を形成しない場合の諸元がに示さ
れ、下穴を形成した場合の諸元がに示され、バーリン
グ加工を施した場合の諸元がに示されているが、それ
ぞれの場合の断面２次モーメントは次のようになる。

【００１９】

【数１】

【００２０】そして、材料の縦弾性係数をＥとし、断面
２次モーメントをＩとすると、曲げ剛性はＥＩで示さ
れ、このＥＩが大きいほど曲げ剛性が強くなる。そして
Ｅは材質によって一定であることから、Ｉを大きくすれ
ば剛性を高めることが出来る。

【００２１】そこで、上記数式を比較すると、当然Ｉx₂
はＩx₁より小さくなり、また、ａ、ｂ、ｃ、ｎを適切に
設定すれば、Ｉx₃をＩx₁より大きくすることが出来る。
つまり、Ｉx₃＞Ｉx₁＞Ｉx₂となる。

【００２２】つまり、下穴３にバーリング加工を施すこ
とで曲げ剛性が高まり、成形精度を維持出来ることが判
る。

【００２３】従って、本案のように曲げ成形部２に下穴
３を形成して曲げ成形すれば、スプリングバック量が抑
制されて精度向上が図られ、この下穴３にバーリング加
工を施すことで形状精度を維持することが出来る。

【００２４】勿論、バーリング加工は曲げ加工と同時に
行うようにしても良い。

【００２５】

【発明の効果】以上のように、本発明のプレス成形方法
は、予め曲げ成形部に下穴を明けて曲げ加工すること
で、スプリングバック量を低減させ、この下穴にバーリ
ング加工することで曲げ剛性を高めるようにしたため、
成形精度が維持され、品質向上に寄与する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の１例を示す工程図

【図２】下穴を形成してスプリングバック量を測定した
実験結果図

【図３】曲げ成形部をＡ−Ａ線断面とした断面図

【符号の説明】

１ブランク材２曲げ成形部３下穴

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者木山啓埼玉県狭山市新狭山１丁目10番地１ホンダエンジニアリング株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】プレス加工において曲げ成形部を曲げ加
工するようにしたプレス成形方法において、前記曲げ成
形部に予め下穴を明けて曲げ加工し、この下穴にバーリ
ング加工を施すことを特徴とするプレス成形方法。