JPH0714758Y2 - １缶３回路式給湯装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、開栓の当初から所望の温度の湯を供給するこ
とができる所謂即湯化を行うと共に、その即湯化を利用
して風呂の追焚きおよび暖房をも行うことができるよう
にした１缶３回路式給湯装置に関するものである。

〔従来の技術〕

給湯と風呂の追焚きおよび暖房の３機能を有する給湯装
置としては、２缶３回路式または３缶３回路式のものが
知られている。

第10図は２缶３回路式の従来の給湯装置の構成を示すも
のである。第10図において、1aは給湯用バーナ、2aは同
熱交換器を示し、給湯栓（図示を省略した）を開くと流
水をフローセンサ３が検知し、その検知信号に基づいて
マイコン制御部により主ガス電磁弁４および分岐ガス電
磁弁5aを開くと共に比例弁６を制御して設定温度に対応
するガス量にてバーナ1aを燃焼させ、さらに出湯温度を
サーミスタ７により検知してその検出値に基づいて温度
補正を行ない、かくして給湯栓から設定温度の給湯を行
なうように構成されている。なお、上記は一般的な給湯
器と同様である。

また、1bは風呂の追焚き用および暖房用のバーナ、2bは
同熱交換器で、この熱交換器はシスターン８から出てシ
スターン８に戻る循環管路に接続されていて、ポンプ９
の駆動およびバーナ1bの燃焼によりシスターン８中の水
を循環加熱し、そのシスターン８中に配設した水−水熱
交換器10により浴槽中の湯を加熱するように構成されて
いる。なお、11は前記追焚き用のポンプ、5bはバーナ1b
用の分岐電磁弁、12は熱交換器2bの出湯温検知用サーミ
スタである。

また、前記シスターンからシスターンに至る循環管路の
途中に電磁弁13を配設すると共に、その電磁弁13の上流
側と下流側とに電磁弁14,15を有する暖房往管と暖房復
管とを接続し、電磁弁13を閉じると共に電磁弁14,15を
開き、ポンプ９を駆動すると共にバーナ1bを燃焼せしめ
ることにより暖房を行なうことができるように構成され
ている。

なお、前記各電磁弁の開閉およびポンプの駆動並びにバ
ーナの燃焼などは、図示を省略したマイコン制御部によ
り行なうものである。

〔考案が解決しようとする課題〕

前記の如き従来技術は、バーナおよび熱交換器よりなる
缶体が少なくとも２ケ必要なため、それだけ機器が大型
化すると共にコスト高になるという問題がある。

また、前記の従来例は、給湯栓を開いた際、しばらくは
冷水が給湯栓から流出し、ある時間が経過しないと設定
温度の湯が得られないという問題がある。

本考案は、前記の如き従来技術の問題点を改善し、ミキ
シングバルブを開くと直ちに設定温度の湯を供給するこ
とができる所謂即湯化を行なうと共に、その即湯化を利
用して、風呂の湯張りおよび追焚きと暖房とを行なうこ
とができる１缶３回路式給湯装置を提供せんとするもの
である。

〔課題を解決するための手段〕

本考案、前記の如き目的を達成するため、熱交換器によ
り加熱された湯を送出する出湯管の先端の給湯栓をミキ
シングバルブとし、該ミキシングバルブの直前と熱交換
器に至る給水管とを戻り管路により接続すると共に、そ
の途中に循環ポンプを配設した１缶と出湯管，戻り管
路，給水管とよりなる循環回路を構成し、かつ、該循環
回路の出湯管より分岐して循環ポンプの吸引側に至る戻
り管路のバイパス回路を設けると共に、そのバイパス回
路中に水−水熱交換器を配設し、その水−水熱交換器に
風呂追焚き回路および暖房回路の熱交換部を配設し、そ
の暖房用熱交換部は暖房ポンプを介して暖房往管と暖房
戻管との間に接続し、他方の風呂追焚用熱交換部は、風
呂ポンプおよび三方弁を介して風呂往管と風呂戻管との
間に接続すると共に、前記出湯管に接続した戻り管と前
記三方弁の流入口との間を自動湯張弁を有する風呂湯張
り管路を介して接続し、かつ、その風呂湯張り管路と前
記給水管とを自動ミキシングバルブおよび給水管路を介
して接続したことを特徴とする。

〔作用〕

本考案の給湯装置は、前記の如き構成よりなるので、熱
交換器により加熱された高温水は循環回路を常時流れて
いて、ミキシングバルブを開くとその高温水と水とがミ
キシングバルブにおいて混合されて直ちに所望温度の給
湯を行なうことができ、また、風呂の追焚きまたは暖房
を行ないたいときには、水−水熱交換器を有するバイパ
ス回路に前記高温水を流入させ、その水−水熱交換器に
より浴槽中の湯を循環加熱させ、あるいは、暖房管路の
湯を加熱し乍ら循環させることができる。

さらに、浴槽への湯張りを行ないたいときには、自動湯
張弁を開いて出湯管に接続された戻り管路およびその戻
り管路に接続された風呂湯張り管路を介して給水とミキ
シングバルブされた適温の湯張りを行なうことができ
る。

このように、本考案によれば、１缶式でありながら、即
湯と、風呂の湯張りおよび追焚きと、暖房との３つの機
能を果たすことができる。

〔実施例〕

以下、第１図ないし第９図について本考案の実施の一例
を説明する。

第１図は本考案による給湯装置の全体構成を示すもの
で、101はバーナ、102は熱交換器を示し、バーナ101に
はガス電磁弁103および比例弁104を介して制御部（図示
していない）により演算された量のガスを供給して例え
ば3.5号から16号の給湯を行なうものである。105は排気
フアンである。前記熱交換器102には、減圧弁106、逆止
弁107、フローセンサFSを順次介装させた給水管108から
水を供給し、熱交換器102によって加熱された温水を出
湯管109を介してミキシングバルブ110から給湯し得るよ
うに構成している。

本考案においては、出湯管109の先端側のミキシングバ
ルブ110の直前と前記給水管108との間を逆止弁111を有
する戻り管路112によって接続して、熱交換器102−出湯
管109−戻り管路112−給水管108からなる循環回路を構
成し、かつ、その循環回路の給水管中に循環ポンプ113
および膨張弁114を配設し、給湯を行なっていないとき
でも循環ポンプ113を運転して、ある設定温度例えば80
℃〜85℃の温水を循環させるじょうにする。135は前記
循環温水の温度を検出するサーミスタで、循環温水が85
℃に達するとバーナ101を消失させ、80℃以下になると
再びバーナに着火させるように構成する。

また、前記出湯管109と循環ポンプ113の上流側の給水管
108との間に前記戻り管路112のバイパス管115を接続
し、そのバイパス管115に、暖房・風呂弁116と定量オリ
フイス117の並列管路、および水−水熱交換器118、並び
に逆止弁119を介装させ、常態においては暖房・風呂弁1
16は閉じているが、水−水熱交換器118には定量オリフ
イス117を介して前記循環温水の一部が流入して循環す
るように構成する。

前記水−水熱交換器118には、暖房用の熱交換部120と風
呂追焚き用の熱交換部121とが配設されており、その暖
房用熱交換部120は、暖房ポンプ122とリザーブタンク12
3とを介して暖房往管124と暖房戻管125に接続されてい
る。

また、前記風呂追焚き用の熱交換部121の一端は風呂往
管126に接続され、他端は風呂ポンプ127と自動湯張ダブ
ル送り弁128とに接続されており、他方、前記出湯管109
に接続した戻り管路112に風呂への湯張り管路129を接続
し、その湯張り管路を自動ミキシングバルブ130、自動
湯張弁131を介してシスターン132に接続し、そのシスタ
ーン132の下端を三方弁133を介して前記風呂用ポンプ12
7と自動湯張ダブル送り弁128とに接続し、その自動湯張
ダブル送り弁128と三方弁133の接続部を風呂戻り管138
に接続する。また、前記自動湯張弁131の上流側に給水
管108に接続した自動ミキシングバルブ134を接続してい
る。136は暖房回路用のサーミスタ、137は風呂追焚き用
のサーミスタで、これらのサーミスタによりそれぞれの
湯温を検出し、それが設定温度に達したことを検出する
と前記バーナを消化せしめるようにする。

本考案の給湯装置は、前記の如く構成されているので、
１缶式でありながら、以下述べるようにして開弁当初か
らの即湯と、風呂の湯張りおよび追焚きと、暖房とを行
なうことができる。

給湯 第２図に示すように、循環ポンプ113をオンにしてお
き、ミキシングバルブ110を開くと、流水をフローセン
サFSが検出して排気フアン105を駆動し、それが一定回
転数に達するとイグナイター（図示を省略した）および
ガス電磁弁103をオンさせてバーナ101に着火させ、その
バーナ炎をフレームロッド（図示を省略した）が検知す
ると、イグクナイターをオフさせると共にガス比例弁10
4を制御して設定温度（例えば80℃）の給湯を行なう。
そして、その後ミキシングバルブ110を閉じると、ガス
電磁弁103が閉じると共に排気フアン105は停止するが、
循環ポンプ113は駆動を継続して循環ポンプ113→熱交換
器102→出湯管109→戻り管路112→逆止弁111→循環ポン
プ113と湯を循環させ、その循環系の湯温が80℃以下に
なるとサーミスタ135がそれを検出して制御部に信号を
送り、再び排気フアン105を駆動すると共にバーナ101に
着火させて循環系の湯を加熱し、それが85℃に達すると
ガス電磁弁103を閉じる。従って、その後ミキシングバ
ルブ110を開くと、80〜85℃の高温水と水とが混合され
た適温の湯を直ちに得ることができる。上記循環中の状
態を示すと第３図に太線で示すとおりである。

風呂自動湯張 前記の如くして湯を循環しているとき、リモコンの自動
湯張りスイッチをオンすると、第４図に示すように、自
動ミキシングバルブ130および134、自動湯張弁131、自
動湯張ダブル送り弁128を開くと共に、三方弁133をシス
ターン132から風呂ポンプ127側へと連通させ、風呂ポン
プ127を駆動して、熱交換部121を経由した風呂往管126
と自動湯張ダブル送り弁128を経由した風呂戻り管138と
の２径路を経て浴槽中に給湯する。なお、このとき、シ
スターンへの注湯は自動ミキシングバルブにより適温と
する。そして、浴槽中への湯張り量をフローセンサFSに
より検出し、それが設定値に達すると自動湯張弁131、
自動湯張ダブル送り弁128を閉じると共に、三方弁133の
シスターン側を閉じる。この状態を図示すると第５図に
太線で示したとおりである。

風呂追焚き 浴槽中に湯張りした後、追焚きをし度い場合には、リモ
コンの風呂追焚きスイッチをオンすると、第６図に示す
ように、暖房・風呂弁116を開くと共に、風呂ポンプ127
を駆動し、浴槽中の湯を風呂戻管138から三方弁133、風
呂ポンプ127を経て水−水熱交換器118の熱交換部121に
送って水−水熱交換器により加熱し、風呂往管126を経
て浴槽中に戻す。そして、その湯温をサーミスタ137で
検出し、それが80℃以下の場合のみ給湯フローチャート
（第２図）のＡからＢの工程で運転し、湯温が85℃以上
であることを検出するとガス電磁弁103を閉じると共
に、フアン105を停止させる。この状態を図示すると第
７図に太線で示すとおりである。

暖房 暖房時には、リモコンの暖房スイッチをオンすると、第
８図に示すように、暖房・風呂弁116を開くと共に、暖
房ポンプ122を駆動し、暖房戻管125から吸引した暖房用
の水（湯）をリザーブタンク123、暖房ポンプ122、水−
水熱交換器118の熱交換部120、暖房往管124を経由して
暖房器に供給する。そして、このときの湯温をサーミス
タ136により検出し、それが80℃以下のときには給湯フ
ローチャート（第２図）のＡからＢの工程で運転し、湯
温が85℃以上であることを検出するとガス電磁弁103を
閉じると共に、フアン105を停止させる。この状態を図
示すると第９図に太線で示すとおりである。

〔考案の効果〕

以上述べたように、本考案によれば、１缶式でありなが
ら、即湯と、風呂の湯張りおよび追焚きと、暖房との３
つの機能を果たすことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す全体構成図、第２図は
給湯時のフローチャート、第３図は第２図に示すフロー
チャート時の湯の流れを示す図、第４図は風呂自動湯張
時のフローチャート、第５図は第４図に示すフローチャ
ート時の流れを示す図、第６図は風呂追焚き時のフロー
チャート、第７図は第６図に示すフローチャート時の流
れを示す図、第８図は暖房時のフローチャート、第９図
は第８図に示すフローチャート時の湯の流れを示す図で
ある。第10図は従来例を示す構成図である。 101…バーナ、102…熱交換器、103…ガス電磁弁、104…
比例弁、105…排気フアン、FS…フローセンサ、108…給
水管、109…出湯管、110…ミキシングバルブ、112…戻
り管路、113…循環ポンプ、115…バイパス管、116…暖
房・風呂弁、118…水−水熱交換器、122…暖房ポンプ、
124…暖房往管、125…暖房戻管、126…風呂往管、138…
風呂戻管、127…風呂ポンプ、128…自動湯張ダブル送り
弁、130,134……自動ミキシングバルブ、131…自動湯張
弁、132…シスターン、133…三方弁、135,136,137…サ
ーミスタ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】熱交換器により加熱された湯を送出する出
   湯管の先端の給湯栓をミキシングバルブとし、該ミキシ
   ングバルブの直前と熱交換器に至る給水管とを戻り管路
   により接続すると共に、その途中に循環ポンプを配設し
   た１缶と出湯管，戻り管路，給水管とよりなる循環回路
   を構成し、かつ、該循環回路の出湯管より分岐して前記
   循環ポンプの吸引側に至る前記戻り管路のバイパス回路
   を設けると共に、そのバイパス回路中に水−水熱交換器
   を配設し、その水−水熱交換器に風呂追焚き回路および
   暖房回路の熱交換部を配設し、その暖房用熱交換部は暖
   房ポンプを介して暖房往管と暖房戻管との間に接続し、
   他方の風呂追焚用熱交換部は、風呂ポンプおよび三方弁
   を介して風呂往管と風呂戻管との間に接続すると共に、
   前記出湯管に接続した戻り管と前記三方弁の流入口との
   間を自動湯張弁を有する風呂湯張り管路を介して接続
   し、かつ、その風呂湯張り管路と前記給水管とを自動ミ
   キシングバルブおよび給水管路を介して接続したことを
   特徴とする１缶３回路式給湯装置。