JPH0328664B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はガス瞬間湯沸器と水栓の組合せからな
る給湯装置に関する。

本明細書中で水栓とは単水栓に限らずサーモス
タツト式、ミキシングバルブ式、２バルブ式等の
湯水混合栓も含む。

（従来の技術） 従来、給湯装置、特にガス瞬間湯沸器と水栓の
組合せからなる給湯装置として種々の構造があ
り、一例としてガス瞬間湯沸器をガス量により湯
温を制御するような構造となすと共に給湯管路に
演算により要求される必要熱量が湯沸器の能力を
越えるときに自動的に水量を絞る水量バルブを設
けたものがある。

水栓は水量バルブが絞られた湯の供給量が絞ら
れれば、吐出温度を設定温度に保つために湯側に
応じて当然水側も絞られ、開閉弁の閉止直後には
その状態が補正されない。

従つて、水栓の開閉弁閉止後、直ちに水量バル
ブを開くようにした場合、水栓の使用を一旦停止
した後、間を置かずに再び使用すると、水側が絞
られた状態で急激に多量の熱量が水栓に供給れる
ことになり、水栓からは設定温度に対して非常に
高温の湯が吐出されるので非常に危険である。

また従来の給湯装置は水栓の開閉弁閉止後、長
時間経過すると熱交換器から開閉弁迄の配管中の
湯が冷え、開閉弁を開弁してもしばらくの間は上
記冷えた湯が吐出されるので、開弁後直ちに設定
温の湯を得ることができるという問題もあり、上
記した水量バルブによる問題と相俟つて、常に安
定した設定温度の湯を確実に得ることができると
いう具合にはなつていない。

（発明が解決しようとする問題点） 本発明が解決しようとする問題点は、水量バル
ブが絞られた状態で給湯が停止された場合、停止
後所定時間内は水栓に多量の湯を供給しないよう
にすると共に、給湯停止時には配管中の湯を循環
させて設定温度に保温維持するようにすることで
ある。

（問題点を解決するための手段） 上記問題を解決するために本発明が講ずる技術
的手段は、給水管路に設けた流量センサーと入水
温センサー、給湯管路に設けた出湯温センサーと
水量バルブ、給湯管路中途部を給水管路に連絡す
る戻り管路、戻り管路に設けたポンプ、ガス配管
に設けた電磁弁、及びコントローラーを備え、上
記コントローラーには設定温度と各センサーの検
出信号等に基づいて必要熱量を演算し、その演算
値に応じた長さ間隔で電磁弁を開閉せしめる手段
と、必要熱量が給湯機の能力を越えるときに水量
バルブの開度を絞る手段と、水量バルブが絞られ
た状態で給湯が停止されたとき、給湯停止から所
定時間経過後水量バルブを全開状態に復帰せしめ
る手段と、給湯を停止するとポンプを駆動し、給
湯を開始するとポンプの運転を停止する手段を設
けたガス瞬間湯沸器と、該湯沸器から所定温度の
湯を供給して設定吐出温度の温湯を吐出する水栓
とで構成することである。

本発明の構成を第１図に基づいて説明する。

流量センサー、入水温センサーは熱交換器へ供
給される水の流量と温度を検出し、出湯温センサ
ーは熱交換器より流出する湯の温度を検出する。

これら各センサーの検出値と設定温度等に基づ
いて必要熱量演算手段が必要熱量を演算し、その
演算値に応じた長さ間隔で出力を発生する。電磁
弁はこの出力を受け、その長さ間隔で開閉を繰り
返す。

そして、上記必要熱量演算手段の演算値が給湯
機の能力を越えると水量バルブ駆動手段が作動し
て給湯管路に設けた水量バルブを絞る。

給湯が停止され、水量センサーがそれを検知す
るとポンプ駆動手段がポンプを駆動して、配管中
の水を給水管路から熱交換器、給湯管路、戻り管
路を経て再び給水管路に戻すように循環流動させ
ると共に水量バルブ駆動手段が駆動状態にあると
き、即ち水量バルブが絞られた状態にあるときに
は給湯停止から所定時間経過後水量バルブ復帰手
段が水量バルブを全開状態に復帰させる。

尚、前記循環流動する水に対しては引きつづき
必要熱量演算手段が必要熱量を演算し、電磁弁開
閉の長さ間隔を制御する。

また、上記ポンプ駆動手段は流量センサーが給
湯再開を検知するポンプの駆動を停止する。

（実施例） 以下、本発明の一実施例を第１図に基づいて説
明する。

給湯装置はガス瞬間湯沸器Ａと、サーモスタツ
トミキシングバルブＢとで構成され、サーモスタ
ツトミキシングバルブＢは感温体としてワツクス
ペレツトを用いた従来周知の構造形態を有してい
る。

湯沸器Ａは、ガス配管１１を介して供給される
ガスがバーナー６で燃焼し、給水管路１を介して
供給される水が熱交換器９で加熱され、給湯管路
４を経てサーモスタツトミキシングバルブＢへ流
れるようになつている。

また、この湯沸器Ａはサーモスタツトミキシン
グバルブＢのできるだけ近くにおいて給湯管路４
から戻り管路８を分岐して該戻り管路８を給水管
路１中途部に接続すると共に戻り管路８には流量
が２／分程度の小能力のポンプ７を設け、サー
モスタツトミキシングバルブＢから出湯していな
いときに配管内の水を給水管路１、熱交換器９、
給湯管路４、戻り管路８により構成される環状の
管路を介して循環させるようになつている。

そして、上記ガス配管１１には上流側より順次
元電磁弁１２、電磁弁１３、ガバナー１４が、給
水管路１には上流側から順次水量センサー２及び
入水温センサー３が、給湯管路４には出湯温セン
サー５及び水量バルブ１０が夫々設けられる。

上記水量センサー２は給水管路１の戻り管路８
接続部より下流側に配置され、水量バルブ１０は
出湯温センサー５より下流側に配置される。

また、元電磁弁１２、電磁弁１３、水量センサ
ー２、入水温センサー３、出湯温センサー５、水
量バルブ１０及びポンプ７は夫々コントローラ１
５に電気的に連絡する。

コントローラー１５は湯沸器Ａの機台内又はコ
ントロールボツクス１６内に配備され、コントロ
ールボツクス１６の運転スイツチ１７の「ON」
作動により、ポンプ７の運転を開始し、同時に元
電磁弁１２を開弁すると共に水量センサー２が検
出した流量、入水温センサー３が検出した入水温
度、コントロールボツクス１６の温度設定部１８
で設定した設定温度、出湯温センサー５が検出し
た出湯温度、熱交換器９の熱効率、比例ゲイン等
の所定の要素に基づいて必要熱量を演算し、この
演算された必要熱量に応じた間隔及び時間で電磁
弁１３を開閉するように構成する。

またコントローラー１５はサーモスタツトミキ
シングバルブＢの使用によりポンプ７の運転を停
止すると共にサーモスタツトミキシングバルブＢ
の使用停止により、使用停止から所定時間、例え
ば３分経過するとポンプ７の運転を再開し、更に
上記演算された必要熱量が湯沸器Ａの能力を越え
るときには水量バルブ１０を絞り、この水量バル
ブ１０を絞つた状態でサーモスタツトミキシング
バルブＢの使用が停止されたときにはポンプ７の
再運転同様所定時間（３分）経過すると水量バル
ブ１０を全開状態に戻すように構成される。

上記、サーモスタツトミキシングバルブＢの使
用は、演算された必要熱量が循環流動する湯
（水）を設定温度に沸し上げ、かつ設定温度に保
温維持するために必要と予想される最大熱量に若
干の余裕をもたせた適当な値、例えば150Kcal／
分を越えるとこにより、またサーモスタツトミキ
シングバルブＢの使用停止は水量センサー２によ
る流量の検出がなくなることにより判断される。

尚、図示していないがバーナー６の近傍には上
記電磁弁１３の開弁に同期して放電するイグナイ
ター、または、運転スイツチ１７の「ON」作動
により着火し、「OFF」作動により消火する種火
用のパイロツトバーナーが設けられるのは勿論で
ある。

而して、サーモスタツトミキシングバルブＢの
開閉弁が閉止されている状態で、コントロールボ
ツクス１６の運転スイツチ１７を「ON」にする
と、元電磁弁１２が開くと共にポンプ７が回転を
開始して配管中の水を給水管路１から熱交換器
９、給湯管路４、戻り管路８を経て水量センサー
２の手前で給水管路１に戻るように循環流動さ
せ、同時にコントローラー１５がこの循環水を設
定温度に沸かし上げるのに必要な熱量を演算し
て、演算された必要熱量に応じた間隔、時間で電
磁弁１３を開閉させる。

従つてバーナー６は演算された必要熱量に応じ
た間隔、時間で間歇的に燃焼して、上記循環して
いる水を加熱する。

この際、バーナー６の間歇燃焼がコントローラ
ー１５により火の着いている時間と火の消えてい
る時間の比を上記演算に基づいて制御されるの
で、循環流動する水は設定温度まで沸き上げら
れ、かつ設定温度に保温維持される。

次に、サーモスタツトミキシングバルブＢを開
けば、先ず配管中の既に設定温度まで沸き上げら
れている湯がサーモスタツトミキシングバルブＢ
に供給され、続いて給水管路１から新たに供給さ
れた水が設定温度に加熱されて供給される。

この際、ポンプ７は運転を停止し、また万一演
算された必要熱量が湯沸器Ａの能力を越えると水
量バルブ１０が絞られ、流量を落として能力範囲
内に収める。

そして、この水量バルブ１０が絞られた状態で
サーモスタツトミキシングバルブＢの使用が停止
されると、停止から所定時間（３分）経過後バル
ブ１０は全開状態に戻り、同時にポンプ７は運転
を再開する。

従つて、配管中の湯は再び循環流動しつつ設定
温度に維持され、サーモスタツトミキシングバル
ブＢの次の使用を待つ。

尚、上記説明において湯沸器は、バーナーを間
歇燃焼させ、その燃焼時間と消火時間の比によつ
て湯温を制御する方式のものについて述べたが、
本発明の湯沸器をガス量により湯温を制御する方
式のもの、あるいは上記両方式を組合せたものと
することも可能である。

（効果） 本発明は上記の構成であるから以下の利点を有
する。

(1) 水量バルブが絞られた状態で水栓の使用を停
止した場合、上記水量バルブは所定時間の間は
絞られた状態に保たれているので、その間に水
栓が再使用されても急激に多量の熱湯が流れる
ことはなく、水栓から熱い湯が吐出して火傷を
負う等の危険がない。

また所定時間経過後は水量バルブは全開の状
態に戻るが、その間に各種水栓から熱交換器に
至る給湯管路の湯温が放熱により冷却し、水栓
が再使用されても熱い湯が出るようなことはな
く、設定された所定の湯温が吐出される。

(2) 給湯を停止すると、配管内の水が給水管熱交
換器、給湯管路、戻り管路を経て給水管路に戻
るように循環流動し、その過程で常時設定温度
に加熱維持されるので、再び給湯するときに
は、この予め設定温度に加熱維持されている湯
が水栓にまず給湯されることになるをもつて最
初から設定温度の湯が供給される。

(3) 上記(1)、(2)が相俟つて、いかなるでも常に設
定温度の湯を安定的かつ確実に吐出すことがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の構成を説明する説明図、第２
図は本発明の一実施例を示す給湯装置の概略構成
図である。 Ａ……ガス瞬間湯沸器、Ｂ……水栓、１……給
水管路、２……流量センサー、３……入水温セン
サー、４……給湯管路、５……出湯温センサー、
６……バーナー、９……熱交換器、１０……水量
バルブ、１３……電磁弁。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 給水管路に設けた流量センサーと入水温セン
   サー、給湯管路に設けた出湯温センサーと水量バ
   ルブ、給湯管路中途部を給水管路に連絡する戻り
   管路、戻り管路に設けたポンプ、ガス配管に設け
   た電磁弁、及びコントローラを備え、上記コント
   ローラーには設定温度と各センサーの検出信号等
   に基づいて必要熱量を演算し、その演算値に応じ
   た長さ間隔で電磁弁を開閉せしめる手段と、必要
   熱量が給湯機の能力を越えるときに水量バルブの
   開度を絞る手段と、水量バルブが絞られた状態で
   給湯が停止されたとき、給湯停止から所定時間経
   過後水量バルブを全開状態に復帰せしめる手段
   と、給湯を停止するとポンプを駆動し、給湯を開
   始するとポンプの運転を停止する手段を設けたガ
   ス瞬間湯沸器と、該湯沸器から所定温度の湯を供
   給して設定吐出温度の温湯を吐出する水栓とで構
   成したことを特徴とする給湯装置。