JPS6311545Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はガス給湯装置、特に配管中の水を常時
設定温度に加熱維持しておき、給湯開始と同時に
設定温度の湯を供給するようにしたガス瞬間式給
湯装置に関する。

（従来の技術） 従来、この種のガス給湯装置としては本願と同
一出願人の出願に係る特願昭59−90707号（特開
昭60−233445号）がある。

このものは、ガス量を調整して湯温を制御する
ガス瞬間式給湯機であつて、少なくとも水量、入
水温度、設定温度をガス量制御の要素とする給湯
機の給湯管路から戻り管路を分岐し、該戻り管路
を上記水量検出のために給水管路に設けた水量セ
ンサーの上流側において給水管路に接続して給水
管路、熱交換器、給湯管路、及び戻り管路からな
る環状管路を形成し、戻り管路にポンプと逆止弁
を設けたものであるが、ポンプの駆動により環状
管路を循環流動する湯が給水管路の上流側に逆流
する恐れがあり、また給湯時以外は上記環状管路
は密閉管路となつているため加熱による内部流体
の膨張によりポンプが損傷する恐れある。更に給
水側の圧力によりポンプが損傷する恐れもある。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案が解決しようとする問題は、上記特願昭
59−90707号のものを改良し、循環流動する湯が
給水側に逆流するのを防止すると共に、循環する
湯の膨張による圧力増加や、給水側の圧力による
ポンプの損傷を防止することである。

（問題を解決するための手段） 上記問題を解決するために本考案が講ずる技術
的手段は、ガス量を調整して湯温を制御する瞬間
式給湯機であつて、少なくとも水量、入水温度、
設定温度をガス量制御の要素とする給湯機の給湯
管路からポンプと逆止弁を備える戻り管路を分岐
し、該戻り管路を上記水量検出のために給水管路
に設けた水量センサーの上流側において給水管路
に接続して給水管路、熱交換器、給湯管路、及び
戻り管路からなる環状管路を形成し、上記給水管
路には分岐管路接続部より上流側に減圧弁と逆止
弁を、環状管路中の適所には過圧逃し弁を夫々設
けるものである。

（作 用） 而して、給水側の圧力は減圧弁で減圧され、環
状管路内の湯の膨張に伴う該管路内の圧力上昇に
よる過剰圧は過圧逃し弁により除去される。また
ポンプの吐出圧力による循環水の給水管路上流側
への流動は給水管路に設けた逆止弁により阻止さ
れる。

（実施例） 以下、本考案の実施の一例を図に基づいて説明
する。

図中１１は給湯機で、ガス配管１２を介して供
給されるガスがバーナー１３で燃焼し、給水管路
３を介して供給される水が熱交換器５で加熱さ
れ、給湯管路１を経て水栓等、給湯器具１４へ流
れるようになつている。

そして、ガス配管１２には上流側より順次第
１、第２電磁弁１５，１６、ガバナー１７及び比
例弁１８が設けられる。

一方、給水管路３には上流側から順次、逆止弁
７、減圧弁６、水量センサー４、及び入水温セン
サー１９が、給湯管路１には出湯温センサー２０
が夫々設けられる。

また、上記給湯管路１は、出来るだけ給湯器具
１４の近くから戻り管路２を分岐し、該戻り管路
２の他端を水量センサー４と減圧弁６の間におい
て給水管路３に接続する。

従つて、給水管路３、熱交換器５、給湯管路１
及び戻り管路２を経て水量センサー４の手前にお
いて給水管路３に戻る環状管路ａが構成されるこ
とになる。

上記戻り管路２には流量が２／分程度の小能
力のポンプ８を設けると共にポンプ８の上流側に
逆止弁９、更にその上流側に過圧逃し弁１０を
夫々設ける。

而して、この給湯機１１はバーナー１３の燃焼
量を制御装置２１により自動的に制御される。

制御装置２１は、フイードフオワード制御とフ
イードバツク制御を組み合わせて湯温を制御する
従来公知の手段を備えるもので、流量、入水温
度、設定温度、出湯温度、熱交換器の熱効率、比
例ゲイン等の要素に基づいて必要熱量を演算し、
この演算された必要熱量に応じてガス量を可変す
る。

上記流量は水量センサー３により、入水温度は
入水温センサー１９により、出湯温度は出湯温セ
ンサー２０により夫々検出されて、制御装置２１
に信号で入力され、設定温度はコントロールボツ
クス２２の温度設定部２３で設定されて制御装置
２１に入力される。

そして、制御装置２１は上記演算された必要熱
量に応じて比例弁１８の開度を変化させる。

尚、第１、第２電磁弁１５，１６はコントロー
ルボツクス２２に設けた運転スイツチ２４の
ON，OFFにより開閉し、両方の電磁弁１５，１
６が開弁するとバーナー１３が着火するようにな
つている。

上記、制御装置２１は給湯機１１の機台内又は
コントロールボツクス２２内に設けられる。

尚、図中２５は、給湯量が多く、設定温度の湯
を出湯するために給湯機１１の最大能力以上のガ
ス量が必要となり、給湯温度をガス量により制御
できなくなつたとき、その設定温度における限界
水量以上の湯を流さないように給水量を絞る水量
バルブであり、制御装置２１と連絡し、制御装置
２１からの信号に基づいて作動する。

而して、先ず給湯器具１４の湯側バルブが閉止
されている状態で、コントロールボツクス２２の
運転スイツチ２４を「入」にすると、出湯温セン
サー２０が該部の水温が設定温度になつていない
のを検知し、同時にポンプ８が回転を始め、電磁
弁１５，１６が開いてバーナー１３が燃焼を始め
る。

従つて、配管中の水はポンプ８の作動により給
水管路３から、熱交換器５、給湯管路１、戻り管
路２を経て給水管路３の水量センサー４の手前に
戻るように環状管路ａを循環流動し、熱交換器５
通過時に加熱される。

上記バーナー１３の燃焼は制御装置２１により
ガスのインプツト量を上記演算に基づいて制御さ
れるので、循環流動する水は先ず設定温度まで沸
き上げられ、以後設定温度に維持される。

この際、環水管路ａは閉回路となつているた
め、該管路ａ内を循環する水は温度の上昇に伴い
膨張して管内圧力が上昇するが、圧力が一定以上
になると過圧逃し弁１０が作動して上昇圧力を逃
がす。

また、環状管路ａを循環流動する水（湯）は給
水管路３の戻り管路接続部より上流側に設けた逆
止弁７により給水管路３の上流側への逆流を防止
される。

次に、給湯器具１４の湯側バルブを開けば、先
ず配管中の既に設定温度まで沸き上げられている
湯が給湯器具１４に供給され、続いて給水管路３
から減圧弁６で減圧されて新たに供給された水が
設定温度に加熱されて供給される。

尚、給湯器具１４による湯の使用時には水量、
入水温度等が、前述の循環流動時、即ち湯の不使
用時とは当然変化するが、それに応じてガスのイ
ンプツト量は制御装置２１において演算され比例
弁１８を介して引き続き最適に制御され、確実に
設定温度の湯を供給しつづける。

この際、ポンプ８は作動を継続しているが、能
力が小さいため給湯管路１の湯を戻り管路２に引
き込んで、給湯器具１４に十分な湯が供給される
のを阻害するようなことはない。

そして、給湯器具１４の湯側バルブを閉止すれ
ば給湯機１１への新たな水の供給は停止され、配
管中の湯は再び循環流動しつつ設定温度に維持さ
れ、給湯器具１４の次の使用を待つ。

以上の説明では給湯機運転中はポンプを常に作
動するようにしたが給湯中、即ち給湯器具から湯
を出している間はポンプの作動を中止するように
なすことも任意である。

（効 果） 本考案は上記の構成であるから以下の利点を有
する。

(1) 配管中の水を常時設定温度に加熱維持するた
めには配管中の水を循環流動させて、これを必
要な熱量で加熱しながら設定温度に制御する必
要があり、水を循環流動させるためには給湯管
路を戻り管路を介して給水管路に連絡する環状
管路が当然必要となる。ところが、この環状管
路は、給湯時以外は密閉回路となるため、該管
路内の循環流動する水の温度上昇に伴う膨張に
より管路内圧力が上昇するが、本考案は環状管
路に過圧逃し弁を設けて上昇圧力を排出するよ
うにしたので、管路内圧力の上昇によりポンプ
が損傷することがない。

(2) また給水管路の戻り管路接続部より上流側に
減圧弁を設けたので高圧の給水圧がそのまま環
状管路に及ぶことがなく、ポンプは高圧の給水
圧による損傷からも保護される。

(3) 給水管路の戻り管路を接続する部分より上流
側に逆止弁を設けたので、ポンプの駆動により
環状管路内を循環流動する湯が給水管路上流側
に逆流することがない。

(4) 上記のように環状管路に過圧逃し弁、また給
水管路の戻り管路接続部より上流側に減圧弁と
逆止弁を設けたことにより、ポンプ及び環状管
路の損傷が防止され、また環状管路内の湯の給
水管路上流への逆流も防止されるので、環状管
路構成の各種安全が保障され、使用者は利便性
を享受することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すガス給湯装置の
模式図である。 １……給湯管路、２……戻り管路、３……給水
管路、４……水量センサー、５……熱交換器、６
……減圧弁、７……逆止弁、８……ポンプ、９…
…逆止弁、１０……過圧逃し弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ガス量を調整して湯温を制御する瞬間式給湯機
   であつて、少なくとも水量、入水温度、設定温度
   をガス量制御の要素とする給湯機の給湯管路から
   ポンプと逆止弁を備える戻り管路を分岐し、該戻
   り管路を上記水量検出のために給水管路に設けた
   水量センサーの上流側において給水管路に接続し
   て給水管路、熱交換器、給湯管路、及び戻り管路
   からなる環状管路を形成し、上記給水管路には分
   岐管路接続部より上流側に減圧弁と逆止弁を、環
   状管路中の適所には過圧逃し弁を夫々設けてなる
   ガス給湯装置。