JPH0714754Y2 - 天井埋込型機器の設置構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、天井埋込型エアコン等の天井埋込型機器の設
置構造に関する。

〔従来技術〕

従来、室内の利用空間を確保するために、エアコン等の
機器を天井に埋め込むことが広く行われており、その設
置手段として、機器を２ヵ所で支持する２点支持構造、
或いは機器を４ヵ所で支持する４点支持構造が用いられ
ていた。

２点支持構造は、通常機器本体の一側辺に沿って２ヵ所
の支持部を設け、天井に固定されたボルト等の支持部材
が前記支持部に係合固定されることにより支持されるも
のである。

一方、４点支持構造は、通常機器本体の４隅近傍に４ヵ
所の支持部を設け、天井に固定されたボルト等の支持部
材が前記支持部に係合固定されることにより支持される
ものである。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、２点支持構造においては、支持位置に対
して機器の重心が偏るため、重量のバランスが取りにく
く、所定の位置に、正常な姿勢で確実に設置することが
困難であるという問題があった。

また、４点支持構造においては、同時に４ヵ所の支持部
に支持部材を係合固定させなくてはならず、取付作業に
時間がかかるとともに、単独作業で行うことは極めて困
難であり、複数の作業者が必要であるという問題があっ
た。

本考案の目的は、上記問題点を解決し、天井埋込型機器
の取付作業を独りの作業者で行うことができるようにす
るとともに、設置場所での位置決めを正確に行うことが
でき、天井面との段差を無くすことのできる天井埋込型
機器の設置構造を提供することである。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために本考案の天井埋込型機器の設
置構造は、機器の天板の２点支持側は一側辺に沿って２
ヵ所、１点支持側は２点支持側と対向する側辺に１ヵ所
の計３ヵ所に取付孔を穿設し、天井スラブ等に上端が固
定されて天井の上方から垂下され、該取付孔に鉛直に挿
通される３本の支持ボルトの下端に機器の取付孔と係合
して抜け止めとなるナットを螺合させるとともに、１ヵ
所の取付孔が設けられた１点支持側の側辺の両端に各１
枚の天井合わせ用当て板を設けたものである。

〔作用〕

上記のように構成された本考案の天井埋込型機器の設置
構造においては、上方から垂下された３本の支持ボルト
を機器の天板に設けた取付孔に挿通し、ナットを回転さ
せることにより機器と天井面との位置合わせを行うもの
である。

機器と天井面との位置合わせの際に、２ヵ所の取付孔が
設けられている２点支持側では、取付孔に挿通されたボ
ルトに螺合したナットを回転させて天井面との位置合わ
せを行う。

また、１点支持側では、ナットを締め込んでいくことに
より、２枚の天井合わせ用当て板が天井面に当接し、天
井面との位置合わせを強制的に行うものである。

〔実施例〕

本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

天井埋込型エアコン等の天井埋込型機器の機器本体１
は、その天板の２点支持側1Aの側辺に沿って、両端近く
の２ヵ所に取付孔2,3が穿設されており、２点支持側1A
に対向する１点支持側1Bの側辺の中央部に取付孔４が穿
設されている。

また、１点支持側1Bの下面（室内側）両端に天井合わせ
用当て板5,5が水平方向に突設されている。

３本の支持ボルト6,7,8が、天井スラブ等に上端が固定
されて天井の上方から垂下され、各支持ボルト6,7,8は
取付孔2,3,4に対応して配置されており、支持ボルト6,
7,8の下端にはナット61,71,81がそれぞれ螺合されてい
る。

上記取付孔２は、支持ボルト６のナット61の最大径より
も径が大きい大径部21と、支持ボルト６の径よりは大き
く、ナット61の最大径よりも小さい径で形成された小径
部22とから成る鍵穴形に形成され（第３図参照）、他の
２個の取付穴3,4も同一形状に形成されており、機器本
体１の天板に、小径部を２点支持側1Aに向けた同じ方向
に配列されている（第２図参照）。

次に、設置作業について述べると、機器本体１を天井９
に設けられた設置用の開口内に下方から挿入し、取付孔
2,3,4の大径部21,31,41に支持ボルト6,7,8の下端のナッ
ト61,71,81をそれぞれ貫通させる（第１図参照）。

その後、機器本体１を２点支持側1Aから１点支持側1Bに
向けて略水平方向（矢印Ｆ）にスライドさせ、ナット6
1,71,81を取付孔2,3,4の小径部22,32,42の下方に位置さ
せて、係合させる（第３図参照）。

２点支持側1Aの支持ボルト6,7のナット61,71を回転させ
て機器本体１の下面を天井９の面に合致させる。

１点支持側1Bでは支持ボルト８のナット81を回転させる
ことにより、機器本体１の１点支持側1Bを持ち上げ、両
端に突設された天井合わせ用当て板5,5が天井９の下面
に当接し、天井９との面合わせが強制的に行われる。

この構成により、１点支持側1Bで重量のアンバランスを
生じた場合、或いは天井９面の工作精度のばらつきがあ
る場合においても、単にナット81を回転させて締め込む
だけで、確実な面合わせを行うことができるものであ
り、独りの作業者が容易に設置することができるもので
ある。

〔考案の効果〕

本考案は、上述のとおり構成されているので、以下に記
載する効果を奏する。

３ヵ所の取付孔と３本の支持ボルトとを用いた３点支持
方式を採用したことにより、独りの作業者による機器の
設置が可能になり、取付作業の工数を低減することがで
きるものである。

また、１点支持側の両端に天井合わせ用当て板を設けた
ことにより、機器の重量のアンバランスを生じた場合、
或いは天井面の工作精度のばらつきがある場合において
も、単にナットを回転させて締め込むだけで、確実な面
合わせを行うことができるものである。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示すもので、第１図は斜視図、第
２図は平面図、第３図は取付孔の形状を示す要部拡大
図、第４図は設置状態を示す断面図である。 １……機器本体、2,3,4……取付孔、５……天井合わせ
用当て板、6,7,8……支持ボルト、９……天井。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】機器の天板に、３ヵ所の取付孔を穿設し、
   天井の上方から垂下され、該取付孔に鉛直に挿通される
   ３本の支持ボルトの下端に機器の取付孔と係合するナッ
   トを螺合させるとともに、１ヵ所の取付孔を有する側辺
   の両端に各１枚の天井合わせ用当て板を設けたことを特
   徴とする天井埋込型機器の設置構造。