JPH07146348A - 電流センサ - Google Patents

電流センサ

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JPH07146348A
JPH07146348A JP5295075A JP29507593A JPH07146348A JP H07146348 A JPH07146348 A JP H07146348A JP 5295075 A JP5295075 A JP 5295075A JP 29507593 A JP29507593 A JP 29507593A JP H07146348 A JPH07146348 A JP H07146348A
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magnetic
current
coil
current sensor
magnetic core
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JP5295075A
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Masateru Nose
正照 野瀬
Kiwamu Shirakawa
究 白川
Osamu Nakajima
治 中島
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AMORPHOUS DENSHI DEVICE KENKYUSHO KK
Original Assignee
AMORPHOUS DENSHI DEVICE KENKYUSHO KK
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R15/00Details of measuring arrangements of the types provided for in groups G01R17/00 - G01R29/00, G01R33/00 - G01R33/26 or G01R35/00
    • G01R15/14Adaptations providing voltage or current isolation, e.g. for high-voltage or high-current networks
    • G01R15/18Adaptations providing voltage or current isolation, e.g. for high-voltage or high-current networks using inductive devices, e.g. transformers
    • G01R15/183Adaptations providing voltage or current isolation, e.g. for high-voltage or high-current networks using inductive devices, e.g. transformers using transformers with a magnetic core

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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、発熱が少なく、温度や時間に対する
安定性が良く、また直流も含む微小な電流でも測定で
き、かつ小型化が容易な電流センサを提供することを目
的とする。 【構成】本発明は、軟磁性膜からなる1個の磁心4と、
該磁心4を所定の磁界で励磁するための交流電流を流す
1次コイル1と、検知されるべき電流を流す2次コイル
2と、上記1次コイル1および2次コイル2から電気的
に絶縁された3次コイル3とを有し、上記1次コイル1
および2次コイル2を流れる電流により発生される磁界
に感応して3次コイル3に誘起される電圧を検知する検
出装置30とより構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電流の検出および測定に
供される電流センサに関する。
【0002】
【従来の技術】電流センサは多くの電子装置に用いられ
ているが、その方法としては、電圧降下法,ホール素子
を用いる方法,変流器法等が知られている。しかしなが
ら、電圧降下法では測定電流による抵抗の発熱問題があ
り、ホール素子を用いる方法では温度変化による測定値
の不安定性の問題がある。また変流器法では本質的に直
流電流の測定ができない。
【0003】そこで近年、インダクタを利用し、電流に
よるそのインピーダンスの変化を検出することにより電
流を測定する方法が提案されている。例えば、特開平2
−167478号公報には「被検出電流の通路となる導
体の近傍に配置され、上記導体に流れる電流によって生
じる磁界に感応して磁気特性が変化する磁気異方性が付
与された非晶質金属磁性体と、この非晶質金属磁性体に
直流バイアス磁界を印加する手段と、発生した磁束の少
なくとも一部を上記非晶質金属磁性体と組をなす関係に
設けられ、上記非晶質金属磁性体の磁気特性に対応した
電気特性値を示すコイルと、このコイルの電気特性値に
対応した出力を送出する手段とを具備してなることを特
徴とする電流センサ。」についての記載がある。
【0004】また特開平2−168167号公報には
「検知すべき電流を流す1次巻線と、この1次巻線から
電気的に絶縁された2次巻線と、2次巻線を磁気的に1
次巻線に結合し周期的に飽和に磁化される磁気コアとを
有する検知変成器を備えた検知手段と、1次巻線から2
次巻線に誘起され感知された電流成分から周期的電流成
分を分離する手段と、周期的電流成分に応じて磁気コア
の周期的飽和を制御するスイッチング手段と、感知され
た電流成分を処理して感知されるべき電流に実質的に比
例する出力信号を生成する処理手段とを具備しているこ
とを特徴とする電流検知装置。」に関する記載がある。
これらは何れも上記の他の方式の電流センサの有する問
題点を解決しようとするものである。
【0005】しかし上記の文献に記載された電流センサ
は前述の問題は解決できても新たに別の問題を含んでい
る。すなわち、上記文献に記載された電流センサは何れ
も被検出電流を流す導体以外に、磁性体を一定の周波数
で励磁し、かつ電流を検知するための1本のコイルが磁
性体を巻回する構造となっている。例えば、特開平2−
167478号公報に記載の電流センサの場合は検出部
のコイル自体のインピーダンスの変化を検知する方式の
ため、磁性体を取り巻く導体に、磁性体の透磁率が殆ど
変化しない程度の磁界を発生する微小な電流が流れて
も、インピーダンスも殆ど変化しないので電流の検出精
度が悪くなる。特に磁心として軟磁性膜を用い、数MH
z以上の高周波で磁心を励磁する場合には、一般的には
困難軸励磁となり、磁心のB−H曲線は飽和領域に入る
までは直線的であり、磁界に対して透磁率があまり変化
しない。すなわち被検出電流に対しインピーダンスが直
線的に変化する領域があまり広く取れず、検出感度が低
下することが懸念される。また特開平2−168167
号公報に記載の電流センサにおいても励磁と検出を兼ね
るコイル自信の変化を検知するという原理は特開平2−
167478号公報に記載の電流センサの場合と同様で
ある。さらにまた「1次巻線から2次巻線に誘起され感
知された電流成分から周期的電流成分を分離する手段」
を必要とするため測定する電流によっては回路が複雑に
なりこのような構造の電流センサを小型化しようとして
も全体としては結果的に大きな装置になってしまう恐れ
がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のごとく、従来の
電流センサでは発熱の問題があったり、直流電流が測定
できないなどの利用できる範囲が限られたり、安定性に
欠けるという問題があった。また近年提案されている磁
気コアの磁化変化によるインピーダンスの変化を利用す
る方法では、微小な電流の測定や、小型化に問題があっ
た。
【0007】そこで本発明は上記の事情に鑑みてなされ
たもので、発熱が少なく、温度や時間に対する安定性が
良く、また直流も含む微小な電流でも測定でき、かつ小
型化が容易な電流センサを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係る電流センサは、軟磁性膜からなる1個も
しくは複数個の磁心と、該磁心を所定の磁界で励磁する
ための交流電流を流す1次コイルと、検知されるべき電
流を流す2次コイルと、上記1次コイルおよび2次コイ
ルから電気的に絶縁された3次コイルとを有し、上記1
次コイルおよび2次コイルを流れる電流により発生され
る磁界に感応して3次コイルに誘起される電圧を検知す
る手段とで構成されている。さらに、上記磁心が複数個
の軟磁性膜からなる場合には、上記1次コイルが複数個
の磁心に対し互いに逆方向に巻回され、上記2次コイル
および3次コイルは複数個の磁心に対し同方向に巻回さ
れているか、上記1次コイルが複数個の磁心に対し同方
向に巻回され、上記2次コイルおよび3次コイルは複数
個の磁心に対し互いに逆方向に巻回されているかのどち
らかの構造を有していることが望ましい。また、上記磁
心が1個の軟磁性膜からなる場合の1つの望ましい構成
は、1次コイルに流れる交流電流によって印加される磁
界の方向と、上記2次コイルを流れる検知されるべき電
流により印加される磁界の方向とが少なくとも平行では
ない所定角度を持っていることである。また、必要に応
じて少なくとも上記3次コイルと磁心の一部が磁心とは
磁気的に絶縁された磁性体によって覆われていることで
ある。また、上記磁心に直流バイアス磁界を印加する手
段を有することである。
【0009】
【作用】上記手段により、軟磁性膜からなる磁心は、1
次コイルにより所定の交流磁界で励磁される。さらに、
検知されるべき電流が導体すなわち2次コイルに流れる
と、それによる磁界が上記磁心に重畳される。その結果
磁心に印加される磁界が変化するために磁心の励磁状態
が変化するので、3次コイルに発生する電圧が変化す
る。特に磁心が複数個の軟磁性膜からなり、1次コイル
が複数個の磁心に対し互いに逆方向に巻回され、上記2
次コイルおよび3次コイルは複数個の磁心に対し同方向
に巻回されているか、上記1次コイルが複数個の磁心に
対し同方向に巻回され、上記2次コイルおよび3次コイ
ルは複数個の磁心に対し互いに逆方向に巻回されている
かのどちらかの構造を有する場合には、複数個の磁心内
部に発生する磁束の変化の差により3次コイルに生ずる
起電力を電圧として取り出すことができる。磁心が1個
の軟磁性膜からなり、1次コイルに流れる交流電流によ
って印加される磁界の方向と2次コイルを流れる検知さ
れるべき電流により印加される磁界の方向とが少なくと
も平行ではない所定角度を持つ場合には、2次コイルに
電流が流れると、1次コイルによる磁心の変化の磁化の
ベクトルが変化するために、3次コイルに生ずる起電力
の波形が大きく変化するのでそれを電圧として取り出す
ことができる。
【0010】また、上記磁心を所定の交流電流にて励磁
するに際して、上記磁心に直流バイアス磁界を印加する
手段を用いることにより1次コイルに流す電流を小さく
したり、より高い周波数で励磁することができる。さら
に、少なくとも3次コイルと磁心の一部が磁心とは磁気
的に絶縁された磁性体によって覆われている構造を持つ
ことにより、電気回路の他の素子や導線等から発生する
磁界の影響を除去することができる。
【0011】
【実施例】以下、図面を参照しながら実施例を説明す
る。図1には本発明の一実施例に係る電流センサの概略
構成が示されている。この電流センサは、大きく分け
て、発振装置10、磁気素子20および検出装置30に
より構成されている。発振装置10は1次コイル1に所
定の交流電流を流すための交流電圧を発生する装置で、
磁心4のインダクタンスに合わせて、通常数kHz乃至
数百MHzの周波数の電流を発生するが、必要に応じて
直流電流を重畳する。磁気素子20は、長手方向に磁化
困難軸を有している1個の磁心4と、磁心4を巻回する
1次コイル1と、2次コイル2、および3次コイル3に
より構成されている。検出装置30は、検出信号以外の
電圧を除去するフィルタ、検出信号の整流回路と平滑回
路および電圧検出回路もしくはパルス幅測定回路で構成
される。なお、同図では磁心4と各コイル1,2,3間
の絶縁体は簡便のため省略してあるが、実際には必要で
ある。
【0012】次に、このように構成された電流センサの
動作について詳しく説明する。図2は図1の電流センサ
において、三角波の交流電流を1次コイル1に流した場
合の磁気素子20の動作原理を説明する図である。図2
(a)は2次コイル2に電流が流れていない場合の磁心
4のB−H曲線を模式的に表わす図、図2(b)はその
場合の磁束の時間微分と1次電流による印加磁界の関係
を表わす図、図2(c)はその時3次コイル3に発生す
る電圧の時間変化を表わす図、図2(d)は2次コイル
2に直流電流が流れた場合の磁心4のB−H曲線を模式
的に表わす図、図2(e)はその場合の磁束の時間変化
と1次電流による印加磁界の関係を表わす図、図2
(f)は3次コイル3に発生する電圧の時間変化を表わ
す図である。1次コイル1に磁心がほぼ飽和する大きさ
の電流を流すと、磁心4は図2(a)中に太線で示した
矩形に沿って(a−b−c−d−a)の順で磁化され
る。2次コイル2に電流が流れていない場合には磁心4
の磁束の時間微分は図2(b)に示すような変化を示
す。従って、3次コイル3には図2(c)に示すような
パルス電圧が発生し、そのパルス幅をP1 とする。
【0013】次に、2次コイル2に電流が流れると、電
流iにより発生する磁界n2×i(n2:2次コイルの
巻数)だけ、結果的に磁心4の磁化曲線はある方向(こ
の場合+の磁化方向)にシフトした形になり、磁心4は
図2(d)中に太線で示した矩形に沿って(a−b−c
−d−e−a)の順で磁化されることになる。このよう
に2次コイル2に電流が流れている場合には、流れない
場合に比べ磁心4の磁化状態が変化するために、3次コ
イル3に発生する電圧は図2(f)に示すようにパルス
幅(時間)が減少し、P2 になる。磁心4の磁化曲線の
シフト量は、2次コイル2に流れる電流値に比例するの
で、2次コイル2に流れる電流により3次コイル3に誘
起される電圧のパルス幅P2 が反比例して減少する。こ
のような電圧波形を取り出しパルス幅P2 を直接測定す
るか、もしくは整流回路および平滑回路を通した後、電
圧を取り出すことにより2次コイル2に流れた電流を測
定することができる。このように本実施例の電流センサ
は、3次コイル3に発生する電圧の被検出電流による変
化を取り出すという原理に基づくものであるので、従来
とは異なり、必ずしも透磁率の線形変化領域(透磁率が
磁界に対して直線的に変化する領域)を使う必要がない
ことも特徴の1つである。
【0014】なお、本実施例では三角波の交流電流を1
次コイル1に流した場合を示したが、矩形波電流や通常
のサイン波電流でも同様の動作をする。また、直流バイ
アス磁界を印加する手段を用いる場合には、1次コイル
1の電流による磁界とバイアス磁界の合成磁界が磁心4
をほぼ飽和領域に達するようにすれば同様の機能を発揮
する。磁心4に直流バイアス磁界を印加するために、1
次コイル1に直流重畳をかける手段を用いる方法の他、
永久磁石を用いた磁気回路などの公知の手段を用いても
よい。
【0015】図3には本発明の他の実施例に係る電流セ
ンサの概略構成が示されている。この電流センサは、大
きく分けて、発振装置10、磁気素子20および検出装
置30により構成されている。発振装置10は1次コイ
ル1に所定の交流電流を流すための交流電圧を発生する
装置で、磁心4a,4bのインダクタンスに合わせて、
通常数kHz乃至数百MHzの周波数の電流を発生する
が、必要に応じて直流電流を重畳する。磁気素子20
は、長手方向に磁化困難軸を有している磁心4a,4b
の2個と、それぞれの磁心4a,4bを互いに逆方向に
巻回する1次コイル1と、2つの磁心4a,4bを同方
向に巻回する2次コイル2、および3次コイル3とで構
成されている。検出装置30は、検出信号以外の電圧を
除去するフィルタ、検出信号の整流回路と平滑回路およ
び電圧検出回路で構成される。なお、同図では磁心4
a,4bと各コイル1,2,3間の絶縁体は簡便のため
省略してあるが、実際には必要である。
【0016】次に、このように構成された電流センサの
動作について詳しく説明する。図4は図3の電流センサ
において、直流重畳された三角波の交流電流を1次コイ
ルに流した場合の磁気素子20の動作原理を説明する図
である。図4(a)は1次コイル1に流れる電流の波形
を表わす図、図4(b)は2次コイル2に電流が流れて
いない場合の2つの磁心4a,4bのB−H曲線を模式
的に表わす図、図4(c)は2個の磁心4a,4bの磁
束の変化の差を表わす図である。1次コイル1の電流に
より2個の磁心4a,4bは図4(b)中に太線で示し
た矩形に沿って(a−b−c−d−c−e−a)の順で
磁化される。2次コイル2に電流が流れていない場合に
は左右の磁心の磁化状態が同じであるために4図(c)
に示すように左右の磁心4a,4bの磁束の変化の差は
ゼロとなる。従って、3次コイル3には電圧が発生しな
い。
【0017】次に、図4(d)は2次コイル2に直流電
流が流れた場合の2つの磁心4a,4bのB−H曲線を
模式的に表わす図、図4(e)は2個の磁心の磁束の変
化を表わす図、図4(f)は3次コイル3に発生する電
圧の時間変化を表わす図である。2次コイル2に流れる
電流iにより発生する磁界n2×i(n2:2次コイル
の巻数)だけ、結果的に左右の磁心4a,4bの磁化曲
線は互いに逆方向にシフトした形になり、2個の磁心4
a,4bは図4(d)中に太線で示した矩形に沿って
(a−b−c−d−c−e−a)の順で磁化されること
になる。このように2次コイル2に電流が流れている場
合には左右の磁心4a,4bの磁化状態が異なるために
図4(e)に示すように左右の磁心4a,4bの磁束の
変化に差が表われる。従って、3次コイル3には図4
(f)に示すようなパルス状の電圧が発生する。左右の
磁心4a,4bの磁化曲線のシフト量は、2次コイル2
に流れる電流値に比例するので、3次コイル3に誘起さ
れる電圧のパルス幅が変わる。このような電圧波形を取
り出し、平滑回路を通すことにより2次コイル2に流れ
た電流に比例した電圧を取り出すことができる。このよ
うに本実施例の電流センサのうち複数個の磁心を有する
構造のものは、複数個の磁心を正逆方向の平衡なレベル
で励磁し、磁心間のある時点における磁束の変化量の差
を取り出すという原理に基づくものであるので、必ずし
も透磁率の線形変化領域を使う必要がない。また、本実
施例のように1次コイル1および2次コイル2と検出側
の3次コイル3が離れて設けられ、数MHz以上の高周
波を1次コイル1に流し磁心4a,4bを励磁する場合
に、磁気飽和は磁心4a,4bに印加される磁界に応じ
て磁心4a,4b内の局部で生じ、更に全体に広がると
いう高周波特有の現象、すなわち、被検出電流の強さに
応じて透磁率が等価的に変化することになることを利用
して、電流測定範囲を実質的に拡大したり、検出感度を
向上したりできることも特徴の1つである。
【0018】なお、本実施例では三角波の交流電流を1
次コイル1に流した場合を示したが、矩形波電流や通常
のサイン波電流でも同様の動作をする。3次コイル3に
発生する電圧は平滑回路を用いて平滑化した後検出する
方法の他、パルス幅を測定して検出する方法も用いるこ
とができる。また、磁心4a,4bに直流バイアス磁界
を印加するために、1次コイル1に直流重畳をかける手
段を用いる方法の他、永久磁石を用いた磁気回路などの
公知の手段を用いてもよい。また、直流バイアス磁界を
印加する手段を用いない場合には、磁心4a,4bが飽
和領域に達する程度の磁界が印加されるような大きさの
電流を1次コイル1に流すことにより同様の機能を発揮
する。
【0019】図5には本発明の別の他の実施例に係る電
流センサの概略構成が示されている。この電流センサ
は、図3に示したものと同様に大きく分けて、発振装置
10、磁気素子20および検出装置30により構成され
ている。発振装置10および検出装置30は図3に示し
たものと同様である。磁気素子20は、長手方向に磁化
困難軸を有している磁心4a,4bの2個と、2つの磁
心4a,4bを同方向に巻回する1次コイル1と、それ
ぞれの磁心4a,4bを互いに逆方向に巻回する2次コ
イル2、および3次コイル3により構成されている。こ
のように構成された電流センサの動作については図3に
示した電流センサの動作原理と同様である。また本実施
例のような構造を有する電流センサは複数の磁心の磁束
変化の差分を取り出すので、本質的にバランス点が零点
であり、温度特性に優れ、ドリフトやその他の外乱に対
しても極めて安定であるという特徴を備えている。
【0020】図6には本発明の別の他の実施例に係る電
流センサの概略構成が示されている。この電流センサ
も、図1に示したものと同様に大きく分けて、発振装置
10、磁気素子20および検出装置30により構成され
ている。磁気素子20は、1個の磁心4と、1次,2
次,3次の3本のコイル1,2,3からなる。磁心4は
図中矢印の方向に磁化容易軸を有しており、容易軸方向
に磁心4を巻回する1次コイル1と、困難軸方向に巻回
する2次コイル2および3次コイル3により構成されて
いる。2次コイル2に電流が流れない場合は、1次コイ
ル1の電流による軸の磁化反転により3次コイル3には
正負の同じ電圧が発生する。ところが2次コイル2に電
流が流れると、それによる磁界が重畳され、磁心4の磁
化容易軸が図中横方向に傾くので正負の磁化反転に不均
衡が生じる。その結果3次コイル3には正負の値が異な
る電圧が発生する。これを検出することにより2次コイ
ル2の電流を測定することができる。
【0021】図7には本発明の別の他の実施例に係る電
流センサの概略構成が示されている。同図(a)は平面
図である。この電流センサは、図3に示したものと同様
に大きく分けて、発振装置10、磁気素子20および検
出装置30により構成されている。発振装置10および
検出装置30は図3に示したものと同様である。磁気素
子20は、4a,4bの2個の磁心と、2つの磁心4
a,4bを逆方向に巻回する1次コイル1と、それぞれ
の磁心4a,4bを同方向に巻回する2次コイル2、お
よび3次コイル3により構成されている。この図からも
明らかなように2次コイル2は必ずしも磁心4a,4b
を1巻以上に巻回する必要はなく、発生する磁界が磁心
4a,4bに所定の影響を及ぼせばよいので、測定する
電流値が大きい場合には磁心4a,4bの近傍を2次コ
イル2が横切るだけでもよい。この磁気素子20の線A
−A′に沿った断面図が同図(b)である。コイル1、
およびコイル3と磁心4a(および4b)の間には絶縁
膜5がある。このように構成された電流センサの動作に
ついては図3に示した電流センサの動作原理と同様であ
る。
【0022】磁心を巻回するコイルには既に示したトロ
イダルコイルやスパイラルコイルの他ミアンダコイル等
の公知の種々の構造を用いることができる。なお、以上
のすべての実施例は本発明の単に1つの形状を示したも
のであり、他の磁心形状であっても構成が同じであれば
同様の効果を有する。
【0023】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、検知さ
れるべき電流が2次コイルに流れると、それによる磁界
が1次コイルによる励磁に重畳される。その結果磁心に
印加される磁界が変化するために磁心の励磁状態が変化
するので3次コイルに発生する電圧が変化する。磁心が
複数個の軟磁性膜からなる場合には、複数個の磁心内部
に発生する磁束の変化の差により3次コイルに生ずる起
電力を電圧として取り出すことができるし、磁心が1個
の軟磁性膜からなる場合には、1次コイルによる磁心の
磁化のベクトルが変化するために、3次コイルに生ずる
起電力の波形が大きく変化するのでそれを電圧として取
り出すことができる。従って、微小な電流でも感度良く
検出することができる他、検出回路が簡単で小型化が容
易である。また、発熱が少なく、温度や時間に対する安
定性が良いという特徴を有している。
【0024】さらにまた、磁心を所定の交流電流にて励
磁するに際して、磁心に直流バイアス磁界を印加する手
段を用いることにより1次コイルに流す電流を小さくし
たり、より高い周波数で励磁することができる。さら
に、3次コイルと磁心の一部が磁心とは磁気的に絶縁さ
れた磁性体によって覆われている構造をもつ場合には、
電気回路の他の素子や導線等から発生する磁界の影響を
除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る電流センサの概略構成
図である。
【図2】図1に示す電流センサの動作を説明する特性図
である。
【図3】本発明の他の実施例に係る電流センサの概略構
成図である。
【図4】図3に示す電流センサの動作を説明する特性図
である。
【図5】本発明の別の他の実施例に係る電流センサの概
略構成図である。
【図6】本発明の別の他の実施例に係る電流センサの概
略構成図である。
【図7】本発明の別の他の実施例に係る電流センサの概
略構成図である。
【符号の説明】
1…1次コイル、2…2次コイル、3…3次コイル、
4,4a,4b…磁心、5…絶縁膜、10…発振装置、
20…磁気素子、30…検出装置。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟磁性膜からなる1個もしくは複数個の
    磁心と、該磁心を所定の磁界で励磁するための交流電流
    を流す1次コイルと、検知されるべき電流を流す2次コ
    イルと、上記1次コイルおよび2次コイルから電気的に
    絶縁された3次コイルとを有し、上記1次コイルおよび
    2次コイルを流れる電流により発生される磁界に感応し
    て3次コイルに誘起される電圧を検知する手段とを具備
    してなることを特徴とする電流センサ。
  2. 【請求項2】 上記磁心が複数個からなり、上記1次コ
    イルが複数個の磁心に対し互いに逆方向に巻回され、上
    記2次コイルおよび3次コイルは複数個の磁心に対し同
    方向に巻回されたことを特徴とする請求項1記載の電流
    センサ。
  3. 【請求項3】 上記磁心が複数個からなり、上記1次コ
    イルが複数個の磁心に対し同方向に巻回され、上記2次
    コイルおよび3次コイルは複数個の磁心に対し逆方向に
    巻回されたことを特徴とする請求項1記載の電流セン
    サ。
  4. 【請求項4】 上記磁心が1個からなり、上記1次コイ
    ルに流れる交流電流によって印加される磁界の方向と、
    上記2次コイルを流れる検知されるべき電流により印加
    される磁界の方向とが少なくとも平行ではない所定角度
    を持つことを特徴とする請求項1記載の電流センサ。
  5. 【請求項5】 上記磁心に直流バイアス磁界を印加する
    手段を有することを特徴とする請求項1、2、3、また
    は4記載の電流センサ。
  6. 【請求項6】 少なくとも上記3次コイルと磁心の一部
    が磁心とは磁気的に絶縁された磁性体によって覆われて
    いることを特徴とする請求項1、2、3、4、または5
    記載の電流センサ。
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