JPH08184656A - 磁気センサ - Google Patents

磁気センサ

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JPH08184656A
JPH08184656A JP34039494A JP34039494A JPH08184656A JP H08184656 A JPH08184656 A JP H08184656A JP 34039494 A JP34039494 A JP 34039494A JP 34039494 A JP34039494 A JP 34039494A JP H08184656 A JPH08184656 A JP H08184656A
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JP
Japan
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soft magnetic
magnetic
impedance
magnetic sensor
exciting coil
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JP34039494A
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Inventor
Mineo Yorizumi
美根生 頼住
Koichi Matsumura
恒一 松村
Choei Kuriki
長英 栗城
Masatoshi Hayakawa
正俊 早川
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型、且つ安価で、非常に高い外部磁界感度
を有し、インピーダンス変化を有効に活用することが可
能な磁気センサを提供する。 【構成】 単一の励磁コイルが巻回された軟磁性体と、
前記励磁コイルに高周波電流を供給する高周波電源と、
前記励磁コイルのインピーダンスまたはインダクタンス
を検出する検出手段とを備えた磁気センサである。この
磁気センサにおいては、高周波電流により励磁された軟
磁性体の磁気特性の変化によるインピーダンスまたはイ
ンダクタンスの変化により外部磁界が感知される。軟磁
性体の平面形状は矩形とすることが好ましく、この場
合、長さLと幅Wの比L/Wを30以上とする。軟磁性
体は、薄板状の軟磁性材料の積層体であってもよく、そ
の材質としては、Coを主成分とする磁性アモルファス
材料が挙げられる。また、軟磁性体は保護ガイド部材に
より支持されていてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、外部磁界を検出するた
めの磁気センサに関するものであり、高周波磁化現象の
変化を応用した新規な磁気センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、磁界を検出するための磁気センサ
が種々開発されており、各々の特徴に応じて実用化され
ている。
【0003】例えば、磁気抵抗効果(MR効果)を有す
る磁気抵抗効果素子(MR素子)は、磁性体薄膜に直流
電流を流し、外部磁界によって電気抵抗が変化する現象
を利用したものであるが、構造が簡単であることから、
磁気センサの大部分を占めている。
【0004】しかしながら、通常の磁気抵抗効果素子
は、磁界変化に対する抵抗変化率が極めて小さく、せい
ぜい2〜3%/20Oe程度にすぎない。
【0005】このような状況から、巨大磁気抵抗効果
(GMR効果)素子と称される、人工格子膜構造を有し
非常に大きなMR効果を持つ薄膜材料が開発され、注目
を集めているが、現状では抵抗変化率はおよそ16%/
20Oeが最大であり、また、ヒステリシス現象の抑
制、弱磁界での感度の向上、信頼性や耐熱性の改善等、
実用化に向けて未だ開発途上の段階である。
【0006】その他、高感度磁気センサとしては、フラ
ックス・ゲート・センサと呼ばれるものがあるが、複数
の巻線コイルが必要で、構造が複雑なものとなるととも
に、大きさも20mm程度が限界で、これ以上の小型化
は難しいという不都合がある。
【0007】そこで、近年、これまでとは全く方式が異
なる、マグネトインピーダンス(Magneto Impedance)
効果と称される磁気現象を応用した磁気センサ(MI素
子)が開発され注目されている。これは、直径3〜10
0μm、長さ1〜5mmの軟磁性アモルファス合金の繊
維(アモルファスワイヤ)に、メガヘルツ(MHz)レ
ベルの高周波微弱電流(3〜50mA)を流してこれを
高周波で磁化させ、外部磁界によるインピーダンス変化
を利用して磁界を検出するものであって、前述の各セン
サに優る感度を持つとされている。事実、毛利等の研究
によれば、MI素子を用いたセンサは非常に高く、誘導
電流変化率50%/外部磁界2Oe、あるいは誘導電流
変化率80%/外部磁界5Oeという、MR素子よりも
2桁高い値が報告されている。
【0008】ところで、MI素子において、外部磁界感
度を高めるには、アモルファスワイヤの磁歪をわずかに
負に設定し、張力を加えながら熱処理することにより、
磁化する円周方向の透磁率を高くすることが重要であ
る。
【0009】しかしながら、細く且つ短いアモルファス
ワイヤ1本では、インピーダンスが小さく、またアモル
ファスワイヤの寸法によって一義的にインピーダンスが
決定されてしまうので、電気回路や検出手段に合わせた
インピーダンスの設計が困難である。このため、MI素
子に直列に所定の抵抗値をもった抵抗を繋ぎ、電気回路
を構成せざるを得ないが、この場合、固定された抵抗値
が上乗せされたかたちになり、インピーダンスの変化率
が有効に活用できないという問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の
磁気センサ、例えばMR素子では、外部磁界感度の不足
が、またフラックス・ゲート・センサでは、巻線コイル
が複数であることや寸法が大きくなることが、MI素子
では、低インピーダンスによる回路設計上の制約が、そ
れぞれ問題となり、全てを満足する磁気センサは、これ
まで知られていない。
【0011】そこで本発明は、上述の従来のものの有す
る問題点を解消することを目的に提案されたものであっ
て、小型、且つ安価で、非常に高い外部磁界感度を有
し、インピーダンス変化を有効に活用することが可能な
磁気センサを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明においては、上述
の目的を達成するために、磁性体の高周波での磁化現象
が外部磁界により変化することを利用した磁気センサに
おいて、細長いな磁性体にコイルを巻回して高周波電流
を流し、そのインピーダンスないしはインダクタンスの
変化で外部磁界を感知する構成とした。
【0013】すなわち、本発明の磁気センサは、単一の
励磁コイルが巻回された軟磁性体と、前記励磁コイルに
高周波電流を供給する高周波電源と、前記励磁コイルの
インピーダンスまたはインダクタンスを検出する検出手
段とを備え、高周波電流により励磁された軟磁性体の磁
気特性の変化によるインピーダンスまたはインダクタン
スの変化により外部磁界が感知されることを特徴とする
ものである。
【0014】本発明の磁気センサにおける外部磁界によ
る高周波でのインピーダンスの変化率は劇的に大きく、
MR素子に比較して2桁も大きい。
【0015】そして、本発明の磁気センサにおいては、
この大きなインピーダンス変化を回路出力として生かす
ために、回路方式や、回路の周波数に適したセンサ本体
のインピーダンスを、励磁コイルの巻数で設定すること
ができる。例えば、フラックス・ゲート・センサでは、
複数のコイル(励磁コイルと検出コイル)を必要とする
が、本発明の磁気センサでは、1つの励磁コイルのみで
励磁と検出を兼ねており、この点が大きな特徴であっ
て、センサ本体の小型化や低価格化を図る上で極めて有
利である。
【0016】本発明の磁気センサにおいて、センサ本体
を構成する軟磁性体の形状は任意であるが、生産性等を
考慮すると、平面形状を矩形とするのがよい。また、こ
のとき、細長い軟磁性体を長さ方向に磁化させることに
より生じる反磁界による実効的な透磁率の低下を最小限
に抑制するために、矩形の軟磁性体の長さと幅の比を一
定値以上の大きさに設定することが好ましい。具体的に
は、軟磁性体の長さLと幅Wの比(アスペクト比)L/
Wを30以上とするのがよく、60以上とするのがより
好ましい。
【0017】上述のように、軟磁性体を矩形とし、その
アスペクト比を適正なものとした場合、センサ本体を小
型化するため長さを短くすると、その断面積が小さくな
り、必然的にインピーダンスが低減する。これを改善す
るには、軟磁性体を積層構造とすればよい。軟磁性体を
積層構造とすれば、インピーダンスの低下を積層数を増
やして改善することができ、励磁コイルの巻数を選定す
るとともに、前記積層数を選択することで、回路方式や
回路の周波数に適したインピーダンスに設定することが
できる。これは、検出回路の設計において、消費電流の
抑制や、外部磁界変化によるインピーダンス変化率を高
感度で検出可能とする上で、有効である。
【0018】一方、軟磁性体の材質も任意であり、金属
材料、酸化物、結晶質、非晶質を問わないが、外部磁界
感度を高めるために、軟磁気特性の優れたCo系アモル
ファス材料が好適である。特に、組成を選ぶことによっ
て、磁歪をほぼ零(磁歪定数λsの絶対値で5×10-7
以下)とすることにより、特性の安定化を図ることが可
能である。
【0019】上述の磁気センサにおいて、軟磁性体に例
えば外部磁界感度に優れたアモルファスリボンを用いた
場合、アモルファスリボンの一般的な厚さでは、たわみ
易く、取り扱い上、好ましいものではない。
【0020】そこで、軟磁性体の周囲に保護ガイド部材
を設け、これを支持することで剛性を確保するようにし
てもよい。これによって軟磁性体の形状が保たれ、磁気
センサ組み立て時の生産性が確保される。
【0021】
【作用】本発明の磁気センサは、細長い軟磁性体に1つ
の励磁コイルのみを配置した単純な構成であり、軟磁性
体の高周波励磁と、外部磁界によるインピーダンスの変
化の検出が、この励磁コイルの両端電極間で行われる。
【0022】ところで、一般に、電気抵抗変化やインピ
ーダンス変化を応用した磁気センサでは、検出回路を構
成する場合、その設計の都合上、センサ本体の電気抵抗
ないしはインピーダンスの値がある程度高いことが要求
される。これは、消費電流を抑制すること、検出回路の
インピーダンスとマッチングさせ電気抵抗変化やインピ
ーダンス変化を有効に活用すること等のためである。
【0023】本発明の磁気センサは、細長い軟磁性体を
高周波で励磁する方式として励磁コイルを採用してお
り、その巻数でインピーダンスが調整されるため、消費
電力の抑制が図られ、外部磁界変化によるインピーダン
ス変化率が有効に検出出力とされる。
【0024】上記磁気センサにおいては、軟磁性体の平
面形状を単純な矩形とすることで、生産性が向上され、
さらにその長さと幅の比(アスペクト比)を一定値以上
とすることで、実効的な透磁率の低下が最小限に抑制さ
れ、結果として非常に高い外部磁界感度が得られる。
【0025】また、軟磁性体を薄板状の軟磁性材料の積
層体とすれば、軟磁性体を短くし、必要な寸法アスペク
ト比を確保した場合に必然的に生ずるインピーダンスの
低下が、積層数を増やすことで改善される。
【0026】一方、軟磁性体に軟磁気特性に優れたCo
を主成分とする磁性アモルファス材料を用いることで、
外部磁界に対するインピーダンス変化率として、25%
/Oe程度の値が安定して得られる。
【0027】前記磁性アモルファス材料の薄板を軟磁性
体に使用した場合、保護ガイド部材によって軟磁性体を
支持するような構造とすれば、軟磁性体の変形が無く、
歪による磁気特性の変化が防止されると同時に、励磁コ
イル巻回の際の取り扱い時に剛性が確保される。
【0028】
【実施例】以下、本発明を適用した具体的な実施例につ
いて、図面や実験結果を参照しながら詳細に説明する。
【0029】磁気センサの基本構造 図1は、本実施例に係る磁気センサの基本構成を示すも
のである。
【0030】本実施例の磁気センサは、細長い軟磁性体
1の周囲に励磁コイル2を巻回しただけの極めて単純な
構造を有する。そして、励磁コイル2の両端端末2a,
2b間には、高周波電源3及び電圧計4が並列に接続さ
れている。
【0031】本実施例においては、軟磁性体1として、
液体急冷法で作製した厚さ約0.04mmのアモルファ
スリボンを長さ30mm、幅0.5mmの矩形状に加工
したものを用いた。なお、このアモルファスリボンの組
成は、Co71Fe5Si159(数値は組成を原子%で表
す。)である。
【0032】図2及び図3は、磁気センサ部の詳細図で
ある。本例では、前記矩形のアモルファスリボンからな
る軟磁性体1は、保護ガイド部材5の中に挿入されてい
る。そして、保護ガイド部材5の外側に励磁コイル2が
巻回されており、したがって、励磁コイル2の巻線によ
る外力や歪は、直接軟磁性体1に加わることはない。
【0033】なお、保護ガイド部材5は、非磁性体で電
気抵抗の高い材料であれば任意の材料により形成するこ
とができるが、ここでは塩化ビニル樹脂を用いた。
【0034】このように構成される磁気センサにおい
て、励磁コイル2に高周波電源3により1MHzの高周
波電流Iを約8mA流して、軟磁性体1を長手方向に磁
化させる。すると、外部磁界Hの大きさや、軟磁性体1
との角度の変化により、軟磁性体1の磁化状態が変化
し、励磁コイル2と軟磁性体1とで構成された磁気セン
サの高周波のインピーダンスが変化する。そして、この
高周波インピーダンスの変化は、電圧計4により、電圧
の変化として検出される。
【0035】次に、本実施例の磁気センサの外部磁界感
度を励磁コイル2両端のインピーダンス変化で示す。
【0036】図4は、軟磁性体1に平行に外部磁界Hを
加え、外部磁界Hの強度を変えて励磁コイル2両端のイ
ンピーダンス変化Zと、オーミック抵抗変化Rを示した
ものである。
【0037】この図4からもわかるように、5Oe以下
の微弱な外部磁界でのインピーダンス変化は、外部磁界
1Oe当たりの変化率として、約25%が実測された。
この変化率は、磁気センサ素子として一般に応用されて
いる磁気抵抗効果素子の外部磁界変化による直流抵抗変
化率に比較して、100〜200倍の外部磁界感度に相
当し、外部磁界によるインピーダンスの変化の絶対量は
10倍強である。
【0038】軟磁性体のアスペクト比の検討 表1に、高周波電流を周波数1MHz、電流8mAと
し、先の化学組成を持つ磁性アモルファスリボンである
軟磁性体1の長さを変化させ、図5に示す平面形状が矩
形の軟磁性体1における長さLと幅Wの比L/W(アス
ペクト比)を変えた場合の当該アスペクト比とインピー
ダンスの変化率、すなわち外部磁界感度の関係を示し
た。
【0039】外部磁界は、軟磁性体1に対して平行な直
流磁界として0〜40Oeまで加えて測定した。
【0040】なお、インピーダンスは、YHP社製、イ
ンピーダンスアナライザ(商品名4192ALF)によ
り測定した。
【0041】
【表1】 表1からも明らかなように、軟磁性体1のアスペクト比
が大きいほど、外部磁界に対するインピーダンスの変化
率が大きくなることがわかった。また、前記アスペクト
比を30以下に設定した場合には、外部磁界に対するイ
ンピーダンスの変化率が低下するばかりでなく、4〜6
Oe以下の微弱外部磁界で外部磁界が変化してもインピ
ーダンスが変化しない領域(弱磁界不感領域)が顕著に
現われ、磁気センサとして高感度を要求する場合に極め
て不都合になることもわかった。
【0042】この外部磁界に対するインピーダンスの変
化率や、弱磁界不感領域は、軟磁性体1の磁気特性が良
好(透磁率が高い)であれば、アスペクト比によって決
定される。これは、アスペクト比が軟磁性体の長手方向
に磁化する際の反磁界を支配しているからである。
【0043】図6は、軟磁性体1の長さLと幅Wの寸法
のアスペクト比の違いによるインピーダンスの外部磁界
依存性を示すものである。アスペクト比が60、あるい
は50の場合、外部磁界感度(インピーダンス変化の傾
き)は異なるが、アスペクト比が20の場合に見られる
弱磁界領域での不感領域がないことがわかる。
【0044】表2は、細長い軟磁性体1(アモルファス
リボン:40μm×0.5mm×30mm)に直径0.
12mmの絶縁被覆銅線を巻いて励磁コイル2を形成
し、励磁コイル2の巻数を変えて各周波数でそのインピ
ーダンスを測定した結果である。
【0045】
【表2】 MI素子では、軟磁性体に直接電流を流す方式であるこ
とから、インピーダンスは、軟磁性体の磁気特性や、長
さと直径を設定すると一義的に決まってしまうが、本発
明の磁気センサでは、コイルによる励磁方式を採用して
いるので、コイルの巻数の設計で幅広くインピーダンス
を選択できることがわかった。
【0046】磁気センサでは、大きさをできるだけ小型
にする要求が強いことから、軟磁性体1の寸法に制約を
受け、長さの短い軟磁性体を用いる傾向にあるが、この
場合にインピーダンスが小さくなるという問題に対し、
前記結果は、これを励磁コイル2の巻数の調整で解決す
ることができるということを意味する。
【0047】表3には、軟磁性体1の長さを12mmと
短くした場合の励磁コイル2の巻数とインピーダンスの
関係を示した。
【0048】
【表3】 磁気センサとしての寸法を小型にするためには、軟磁性
体1の長さを短くする必要があるが、インピーダンスは
励磁コイル2の巻数で調整できることがわかる。
【0049】また、表4は、同じ幅(0.2mm)の軟
磁性体1で、アスペクト比を変えた場合の外部磁界感度
との関係を示した。
【0050】
【表4】 表4より、軟磁性体1の幅を狭く、長さを短くした場合
においても、アスペクト比を同じにすれば、外部磁界感
度を高く確保できることが理解できる。
【0051】軟磁性体を積層体にすることによる効果 磁気センサを小型化しようとすると、アモルファスリボ
ンからなる軟磁性体1は短くする必要があるが、前記の
ように外部磁界感度を確保するために軟磁性体1のアス
ペクト比を大きくすると、軟磁性体1の断面積が小さく
なってインピーダンスが低くなってしまう。
【0052】本実験では、インピーダンスの確保のため
に励磁コイル2の巻数を増加させることに加え、磁性ア
モルファスリボンを複数枚積層することで十分なインピ
ーダンスを得ることができることを確認した。
【0053】本実験に際しては、図7及び図8に示すよ
うに、複数枚の磁性アモルファスリボン1aを絶縁板6
を介して積層し、これを保護ガイド部材5の中に挿入し
た。
【0054】図9に、磁性アモルファスリボン1aの積
層枚数とインピーダンスの関係を示した。ここでは、4
0μm×0.5mm×22mmの磁性アモルファスリボ
ン1aを各2枚、3枚、4枚ずつ磁気的、電気的に絶縁
して積層し、25ターンの励磁コイルを巻線してインピ
ーダンスの周波数特性を測定し、1枚の場合のインピー
ダンスと比較した。
【0055】図10は、周波数0.1MHz、1MH
z、10MHzにおけるインピーダンスの積層枚数依存
性を示すものである。
【0056】これら各図からわかるように、磁性アモル
ファスリボン1aの積層枚数により、各周波数における
インピーダンスが増加し、短い磁性アモルファスリボン
1aを用いて小型化しても、十分インピーダンスを大き
くすることができ、且つ設定可能な制御範囲を拡大する
ことができた。
【0057】軟磁性体に用いるアモルファス材料の検討 図11は、磁性アモルファスリボンの組成をCoxFe
78-xSi814とした場合と、CoxFe76-xSi159
とした場合のCo組成と磁歪定数の関係を示すものであ
る。
【0058】この図から、磁歪定数は、Co73.5原
子%、及びCo71.2原子%の近傍においてほぼゼロ
を示していることがわかる。
【0059】この磁歪定数ゼロの組成近傍を中心に、C
xFe76-xSi159の組成を変化させ、磁歪定数の異
なる磁性アモルファスリボンを軟磁性体とし、無歪での
透磁率と、歪を加えた後の透磁率を測定し、図12に示
した。
【0060】歪を加えた後の透磁率の変化は、非常に鋭
敏であり、磁歪定数の直接測定よりも磁歪定数ゼロの組
成を決定する精度が高く、本検討ではこの透磁率変化に
より磁歪ゼロの組成を決定した。
【0061】ちなみに、図12の組成系では、磁歪ゼロ
の組成は、Co71.15原子%である。
【0062】図12からわかるように、歪を加えた透磁
率の値が、無歪の透磁率に比較して著しく変化する組成
領域は、磁気センサには適当でない。なぜならば、軟磁
性体が加工工程で受ける歪の影響で、磁気センサの特性
が安定しない要因になるからである。
【0063】本発明の磁気センサにおいては、磁歪定数
の許容範囲は、その絶対値が5×10-7以下である。
【0064】以上、本発明を適用した具体的な実施例に
ついて説明してきたが、本発明がこれらの実施例に限定
されるものでないことは言うまでもない。
【0065】例えば、先の例では軟磁性体である磁性ア
モルファスリボンを保護ガイド部材に挿入するようにし
ていたが、図13に示すように、板状の保護ガイド部材
5の上に軟磁性体1を成膜し、これに励磁コイル2を巻
回するようにしてもよい。
【0066】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明によれば、磁気センサとして要求される高い外部磁界
感度、小型化等に対して、十分な特性を確保することが
できる。
【0067】また、軟磁性体の寸法を小さくした場合の
インピーダンスを、励磁コイルの巻数や、磁性アモルフ
ァスリボンの積層数等で調整することができ、磁気セン
サを構成する際に、インピーダンスの変化率を有効に活
用することや、消費電流を抑制することができる。
【0068】本発明は、以上の機能を軟磁性体と1つの
励磁コイルのみで構成される単純な構造で実現できるの
で、低価格化や小型化に非常に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した磁気センサの概略構成を模式
的に示す側面図である。
【図2】保護ガイド部材に挿入された状態を示す概略断
面図である。
【図3】保護ガイド部材による軟磁性体の支持状態を示
す概略断面図である。
【図4】外部磁界強度によるインピーダンス変化及びオ
ーミック抵抗変化を示す特性図である。
【図5】矩形状の軟磁性体を示す概略斜視図である。
【図6】軟磁性体のアスペクト比の違いによるインピー
ダンスの外部磁界依存性を示す特性図である。
【図7】軟磁性体を積層体とした例を示す長手方向断面
図である。
【図8】軟磁性体を積層体とした例を示す幅方向断面図
である。
【図9】磁性アモルファスリボンの積層枚数とインピー
ダンスの関係を示す特性図である。
【図10】周波数0.1MHz、1MHz、10MHz
におけるインピーダンスの積層枚数依存性を示す特性図
である。
【図11】磁性アモルファスリボンの組成をCoxFe
78-xSi814とした場合とCoxFe76-xSi159
した場合のCo組成と磁歪定数の関係を示す特性図であ
る。
【図12】無歪での透磁率と歪を加えた後の透磁率の組
成依存性を示す特性図である。
【図13】保護ガイド部材上に軟磁性体を成膜した例を
示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 軟磁性体 2 励磁コイル 3 高周波電源 4 電圧計 5 保護ガイド部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 早川 正俊 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単一の励磁コイルが巻回された軟磁性体
    と、前記励磁コイルに高周波電流を供給する高周波電源
    と、前記励磁コイルのインピーダンスまたはインダクタ
    ンスを検出する検出手段とを備え、 高周波電流により励磁された軟磁性体の磁気特性の変化
    によるインピーダンスまたはインダクタンスの変化によ
    り外部磁界が感知されることを特徴とする磁気センサ。
  2. 【請求項2】 軟磁性体の平面形状が矩形であることを
    特徴とする請求項1記載の磁気センサ。
  3. 【請求項3】 矩形の軟磁性体の長さLと幅Wの比L/
    Wが30以上であることを特徴とする請求項2記載の磁
    気センサ。
  4. 【請求項4】 軟磁性体が薄板状の軟磁性材料の積層体
    よりなることを特徴とする請求項1記載の磁気センサ。
  5. 【請求項5】 軟磁性体がCoを主成分とする磁性アモ
    ルファス材料よりなることを特徴とする請求項1記載の
    磁気センサ。
  6. 【請求項6】 磁性アモルファス材料の磁歪定数λsの
    絶対値が5×10-7以下であることを特徴とする請求項
    4記載の磁気センサ。
  7. 【請求項7】 軟磁性体が保護ガイド部材により支持さ
    れていることを特徴とする請求項1記載の磁気センサ。
JP34039494A 1994-12-29 1994-12-29 磁気センサ Withdrawn JPH08184656A (ja)

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