JPH07145655A

JPH07145655A - プレストレス導入鉄骨梁

Info

Publication number: JPH07145655A
Application number: JP29294093A
Authority: JP
Inventors: Tomoyasu Kato; 友康加藤
Original assignee: Kajima Corp
Current assignee: Kajima Corp
Priority date: 1993-11-24
Filing date: 1993-11-24
Publication date: 1995-06-06
Anticipated expiration: 2013-11-25
Also published as: JP2827851B2

Abstract

(57)【要約】【目的】鉄骨大梁に、従来のＰＣ綱線懸垂型プレスト
レス導入法より確実に応力分布が得られ、製作、施工も
簡単で、部分プレストレス導入が可能なプレストレス導
入鉄骨梁を提供する。【構成】鉄骨大梁のウエブスティフナに、直線状の剛
な緊張材例えば高強度異形ねじ鉄筋等を貫通させ、定着
金具で固定してプレストレスを導入する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、橋梁、道路橋その他
メガストラクチャ等構造物を構成するプレストレスを導
入した鉄骨梁に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】大スパン梁にプレストレスを導入するこ
とは、鉄筋コンクリート造とか例えば特願平3-184542に
みるように鉄筋コンクリートを内蔵した梁には見られる
が、純鉄骨梁では殆どない。しかし、大スパン化が進ん
だ時鉄骨にプレストレスを導入することは設計的に有利
であることが判っている。そこで従来は、図６に示すよ
うに、ＰＣ綱線を梁の端末から鉄骨のスティフナの透孔
を貫通して懸垂状に緊張配置して行った。

【０００３】

【発明の解決しようとする課題】上述のようなＰＣ綱線
を梁の両端末から懸垂状に配置して、プレストレスを導
入する方法では次のような問題があった。

【０００４】（イ）鉄骨ウエブスティフナ３のＰＣ綱線
１３の貫通用透孔７の加工をＰＣ綱線１３が懸垂する位
置に正確に搾孔する必要がある。

【０００５】（ロ）上記透孔７の位置が不正確である
と、懸垂力は不均一になり所定の応力状態が得られな
い。

【０００６】（ハ）透孔７の位置が不正確だと、場合に
よっては透孔７にＰＣ綱線１３が接触して、ＰＣ綱線１
３を損傷する恐れがある。

【０００７】（ニ）ＰＣ綱線１３の配線作業は、スティ
フナ３の透孔７への貫通作業を伴うため、非常に厄介で
ある。

【０００８】本発明はこれらの問題を解決するよう工夫
されたものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】鉄骨梁と平行して直線状
の剛な緊張材例えば高強度異形ねじ鉄筋（以下ねじ鉄筋
という）を鉄骨梁のウエブスティフナに貫通せしめ、梁
のエンドプレート又はスティフナに定着させてプレスト
レスを導入する。なお、ねじ鉄筋は設計応力に応じて引
張応力が働く部位に配置する。

【００１０】

【作用】本発明によるプレストレス導入梁は、従来のＰ
Ｃ綱線懸垂型のプレストレス導入法と異なり、ねじ鉄筋
を用い直線状であるから、梁のウエブスティフナの透孔
の加工精度を得ることも施工も容易である。また設計
上、引張応力が働く部位の梁のウエブスティフナ間に任
意に施工出来る利点がある。

【００１１】

【実施例】図１にねじ鉄筋４を用いてプレストレスを導
入した梁１を示す。ねじ鉄筋４は設計応力に応じて引張
応力の働く側に配置する。図２に鉄骨ウエブスティフナ
３部分の詳細図を示す。ねじ鉄筋４は鉄骨ウエブスティ
フナ３の同一位置を直線的に貫通するので加工も施工も
容易となる。図３にねじ鉄筋の定着部を示す。図３
（ａ）は両側ナット５ａとワッシャ５ｂで定着する方法
で図３（ｂ）は充填式ねじ定着金物５ｃを用いた場合で
ある。図４（ａ）は建築物のメガストラクチャ等の大梁
に用いた例で引張応力が現れる梁の固定端側上部と梁中
央部下側にねじ鉄筋８及び９でそれぞれプレストレスを
導入している。図４（ａ’）はメガストラクチャによる
大梁の適用アーキテクチュアを示した図であり３〜４階
分の応力をメガストラクチャ大梁が負担することを示し
ている。図５は土木の橋梁、架構橋等に用いた例であ
り、プレストレスは引張応力の大きさに応じた部位毎に
１次、２次、３次のプレストレス導入を試みたものであ
る。鉄骨の配筋には、複数型（ＣＡＳＥＡ）と単数型
（ＣＡＳＥＢ）がある。

【００１２】

【発明の効果】本発明の効果は、鉄骨梁のウエブスティ
フナを直線的にねじ鉄筋が貫通するので、ウエブスティ
フナの設計、製作と併せてプレストレス導入の施工を従
来のＰＣ綱線懸垂型よりも、遥かに簡単化することが出
来る。また設計応力に応じて、部分的にプレストレスを
導入することが出来て極めて効果的である。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）プレストレスを導入した大スパン鉄骨梁
の部分拡大図である。（ｂ）図１（ａ）の側面図である。（ｃ）図１（ａ）の全体図である。

【図２】（ａ）鉄骨ウエブスティフナ部の詳細図であ
る。（ｂ）図２（ａ）のＡ視図である。

【図３】（ａ）両側ナット式定着金物の図である。（ａ’）図３（ａ）の側面図である。（ｂ）充填式定着金物の図である。（ｂ’）図３（ｂ）の側面図である。（ｂ”）図３（ｂ）のＢ断面図である。

【図４】（ａ）メガストラクチャによる鉄骨大梁に本発
明を応用した図である。（ａ’）メガストラクチャ鉄骨大梁のアーキテクチュア
を示す図である。

【図５】（ａ）例えば橋梁に応用した図である。（ｂ）図５（ａ）の応力分布図である。（ｃ）図５（ａ）に複数鉄筋型１次プレストレスを導入
した図である。（ｄ）図５（ｃ）に複数鉄筋型２次プレストレスを導入
した図である。（ｅ）図５（ｄ）に複数鉄筋型３次プレストレスを導入
した図である。（ｆ）図５（ａ）に単数鉄筋型プレストレスを導入した
例を示す頭である。

【図６】（ａ）従来のＰＣ綱線を懸垂してプレストレス
を導入する図である。（ａ’）図６（ａ）のＣ視図である。（ａ”）図６（ａ）応力分布図である。

【符号の説明】

１・・・鉄骨大梁、２・・・エンドプレート、３・・・
ウエブスティフナ、４・・・高強度異形ねじ鉄筋、５・
・・定着金物、５ａ・・・ナット式定着金物、５ｂ・・
・ワッシャ、５ｃ・・・充填式定着金物、５ｄ・・・充
填剤注入口、６・・・機械式ねじ継手、７・・・透孔、
８・・・梁両端の緊張材、９・・・梁中央部の緊張材、
１０・・・１次プレストレス緊張材、１１・・・２次プ
レストレス緊張材、１２・・・３次プレストレス緊張
材、１３・・・ＰＣ綱線

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】大スパン鉄骨梁に於いて、両端部のエン
ドプレート又はウエブスティフナ間に直線状の剛な緊張
材を貫通せしめ、プレストレスを導入してなることを特
徴とするプレストレス導入鉄骨梁。
【請求項２】前記直線状の剛な緊張材として、高強度
異形ねじ鉄筋を用いた請求項１記載のプレストレス導入
鉄骨梁。