JPH07145143A - アルキルスルフィニルベンズアミド類の製造方法 - Google Patents

アルキルスルフィニルベンズアミド類の製造方法

Info

Publication number
JPH07145143A
JPH07145143A JP5319179A JP31917993A JPH07145143A JP H07145143 A JPH07145143 A JP H07145143A JP 5319179 A JP5319179 A JP 5319179A JP 31917993 A JP31917993 A JP 31917993A JP H07145143 A JPH07145143 A JP H07145143A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reaction
formula
general formula
represented
benzamide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP5319179A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3373271B2 (ja
Inventor
Hirokazu Kagano
宏和 加賀野
Hiroshi Itsuda
博 五田
Shigeki Sakagami
茂樹 坂上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd, Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
Priority to JP31917993A priority Critical patent/JP3373271B2/ja
Priority to TW083110546A priority patent/TW402585B/zh
Priority to US08/342,038 priority patent/US5508416A/en
Priority to CA002136167A priority patent/CA2136167C/en
Priority to CN94118812A priority patent/CN1042530C/zh
Priority to KR1019940031079A priority patent/KR100219893B1/ko
Priority to EP96202500A priority patent/EP0751123B1/en
Priority to DE69404615T priority patent/DE69404615T2/de
Priority to DE69424446T priority patent/DE69424446T2/de
Priority to EP94308699A priority patent/EP0657438B1/en
Publication of JPH07145143A publication Critical patent/JPH07145143A/ja
Priority to US08/581,109 priority patent/US5672751A/en
Priority to US08/831,533 priority patent/US5744609A/en
Priority to CN98116709A priority patent/CN1215721A/zh
Priority to CN98116707A priority patent/CN1086693C/zh
Priority to KR1019990006471A priority patent/KR100220661B1/ko
Application granted granted Critical
Publication of JP3373271B2 publication Critical patent/JP3373271B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】ハロベンズアミド類とアルカンチオールとを、
塩基の存在下、不均一溶媒系で反応させることを特徴と
するアルキルチオベンズアミド類の製造方法、並びに該
アルキルチオベンズアミド類とハロゲンとを、不均一溶
媒系で反応させることを特徴とするアルキルスルフィニ
ルベンズアミド類の製造方法。 【効果】本発明の方法によれば、工業的に容易に入手で
きるハロベンズアミド類を原料とし、アルキルチオベン
ズアミド類を経由して、ワンポットで容易にアルキルス
ルフィニルベンズアミド類が得られる。このように本発
明では廃棄物の排出が少なく、高価で取扱い上危険性の
高い物質を原料として使用することなく、しかも高収率
で、目的とするアルキルスルフィニルベンズアミド類が
容易に得られるため、経済的にも工業的にも有用な方法
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルキルスルフィニル
ベンズアミド類の製造方法に関する。さらに詳しくは、
抗菌剤、抗かび剤として有用な2−置換−1,2−ベン
ズイソチアゾール−3−オン等の中間体として有用なア
ルキルスルフィニルベンズアミド類の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、アルキルスルフィニルベンズアミ
ド類、例えば2−(アルキルスルフィニル)ベンズアミ
ド類の製造方法としては、下記の方法などが知られてい
る。
【0003】(A)Bull.Chem.Soc.Jp
n.,55,1183−7(1982)
【0004】
【化7】
【0005】(B)Tetrahedron Let
t.,33,153−6(1992)
【0006】
【化8】
【0007】しかし、これらの公知の製造方法は、次の
ような点から工業上有利な方法とはいえない。すなわち
(A)の方法は、原料として用いる2−(メチルチオ)
ベンゾイルクロライドの安定性およびその製造方法に問
題がある。また、高価で、取扱い上危険性の高い過よう
素酸を用いている。(B)の方法もまた、原料として用
いるN−フェニル−2−(メチルチオ)ベンズアミドの
製造方法が記載されていないために原料供給に問題があ
る。しかも、取扱い上危険性の高いm−クロロ過安息香
酸(m−CPBA)を用いている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の状況に鑑み、高価で取扱い上危険性の高い物質を原料
として使用することなくアルキルスルフィニルベンズア
ミド類を工業的に有利に製造する方法を提供することに
ある。さらに、本発明の他の目的は、該アルキルスルフ
ィニルベンズアミド類を製造するために有用な中間体で
あるアルキルチオベンズアミド類を製造する方法を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため、簡易かつ経済的に有利にアルキルスル
フィニルベンズアミド類を製造する方法を提供すべく鋭
意検討した。その結果、一般式(I)で表わされるハロ
ベンズアミド類と一般式(II)で表わされるアルカンチ
オールとを、塩基の存在下、不均一溶媒系で反応させる
ことにより、一般式(III)で表わされるアルキルチオベ
ンズアミド類、すなわち中間体を製造し、さらにこのア
ルキルチオベンズアミド類とハロゲンとを、不均一溶媒
系でさらに反応させることにより、一般式(IV)で表わ
されるアルキルスルフィニルベンズアミド類が簡易かつ
高収率で得られることを見出し、本発明を完成するに至
った。
【0010】
【化9】
【0011】(式中、XはClまたはBrを表わし、R
1 は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、アリール
基、またはアラルキル基を表わし、R2 は炭素数1〜4
のアルキル基を表わす。)
【0012】すなわち、本発明の要旨は、 (1)一般式(I)で表わされるハロベンズアミド類と
一般式(II)で表わされるアルカンチオールとを、塩基
の存在下、不均一溶媒系で反応させることを特徴とする
一般式(III)で表わされるアルキルチオベンズアミド類
の製造方法、
【0013】
【化10】
【0014】(式中、XはClまたはBrを表わし、R
1 は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、アリール
基、またはアラルキル基を表わす。) R2 SH (II) (式中、R2 は炭素数1〜4のアルキル基を表わす。)
【0015】
【化11】
【0016】(式中、R1 、R2 は前記と同様であ
る。) (2)一般式(III)で表わされるアルキルチオベンズア
ミド類とハロゲンとを、不均一溶媒系で反応させること
を特徴とする一般式(IV) で表わされるアルキルスルフ
ィニルベンズアミド類の製造方法、並びに
【0017】
【化12】
【0018】(式中、R1 、R2 は前記と同様であ
る。) (3)一般式(I)で表わされるハロベンズアミド類と
一般式(II)で表わされるアルカンチオールとを、塩基
の存在下、不均一溶媒系で反応させ、続いて、この反応
系にハロゲンを添加して反応を行わせることを特徴とす
る一般式(IV)で表わされるアルキルスルフィニルベン
ズアミド類の製造方法に関する。
【0019】本発明によるアルキルスルフィニルベンズ
アミド類の製造方法の特徴は、工業的に安価に入手でき
るハロベンズアミド類を原料とし、新規な反応により一
旦アルキルチオベンズアミド類に誘導することにより、
比較的温和な条件でしかも簡易かつ高収率に目的化合物
であるアルキルスルフィニルベンズアミド類を製造する
ことができる点にある。
【0020】上記の一般式(I)、(II)、(III)およ
び(IV)において、R1 は水素原子、炭素数1〜4のア
ルキル基、アリール基、またはアラルキル基を表わし、
2は炭素数1〜4のアルキル基を表わす。これらのア
ルキル基は直鎖状でも分岐状でも良い。かかるアルキル
基の具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、
イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチルお
よびt−ブチルを挙げることができる。また、かかるア
リール基の具体例としては、フェニル、4−トルイル、
1−ナフチル等を挙げることができる。また、かかるア
ラルキル基の具体例としては、ベンジル、フェネチル等
を挙げることができる。
【0021】本発明で使用する原料の一般式(I)で表
わされるハロベンズアミド類としては、特に限定される
ものではなく、例えば2−クロロベンズアミド、N−エ
チル−2−クロロベンズアミド、N−フェニル−2−ク
ロロベンズアミド、N−4−トルイル−2−クロロベン
ズアミド、N−ベンジル−2−クロロベンズアミド、2
−ブロモベンズアミド、N−エチル−2−ブロモベンズ
アミド、N−フェニル−2−ブロモベンズアミド、N−
4−トルイル−2−ブロモベンズアミド、N−ベンジル
−2−ブロモベンズアミド、4−クロロベンズアミド、
N−エチル−4−クロロベンズアミド、N−フェニル−
4−クロロベンズアミド、N−4−トルイル−4−クロ
ロベンズアミド、N−ベンジル−4−クロロベンズアミ
ド、4−ブロモベンズアミド、N−エチル−4−ブロモ
ベンズアミド、N−フェニル−4−ブロモベンズアミ
ド、N−4−トルイル−4−ブロモベンズアミド、N−
ベンジル−4−ブロモベンズアミド、等を挙げることが
できる。
【0022】一般式(II)で表わされるアルカンチオー
ルとしては、メタンチオール、エタンチオール、1−プ
ロパンチオール、1−ブタンチオール、2−ブタンチオ
ール等が使用可能であり、その使用量は、ハロベンズア
ミド類に対して、通常0.8〜3.0倍モル、好ましく
は1.0〜2.0倍モルの範囲である。アルカンチオー
ルの使用量が、0.8倍モル未満の場合には、未反応の
ハロベンズアミド類が多くなり、一方、3.0倍モルを
超えて用いても、それに見合う効果が得られず経済的に
不利である。
【0023】ハロベンズアミド類とアルカンチオールと
の反応で使用する塩基としては、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属;炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム等の炭酸アルカリ金属;ナトリウムメ
チラート、ナトリウムエチラート等の金属アルコラート
等が挙げられる。中でも、経済的見地から水酸化ナトリ
ウムが好ましく用いられる。また、塩基の使用量は、ハ
ロベンズアミド類に対し、通常0.8〜3.5倍モル、
好ましくは、1.0〜2.5倍モルの範囲である。塩基
の使用量が、0.8倍モル未満の場合には、未反応のハ
ロベンズアミド類が多くなり、一方、3.5倍モルを超
えて用いても、それに見合う効果が得られず経済的に不
利である。
【0024】本発明の一般式(III)で表わされるアルキ
ルチオベンズアミド類の製造方法においては、反応を水
の存在下で不均一溶媒系で行なうことを特徴とする。反
応原料であるハロベンズアミド類とアルカンチオールと
の反応は、ハロベンズアミド類が水不溶性であるため二
相系での反応となる。この場合、相間移動触媒を添加す
ると反応が円滑に進行することが多く、好適である。こ
こで使用する相間移動触媒としては、ベンジルトリエチ
ルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモ
ニウムクロライド、ヘキサデシルトリエチルアンモニウ
ムブロマイド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムク
ロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、オクチルトリエチルアンモニウムブロマイド、テト
ラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−
ブチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニ
ウムクロライド、トリオクチルメチルアンモニウムクロ
ライド等の4級のアンモニウム塩;ヘキサデシルトリエ
チルホスホニウムブロマイド、ヘキサデシルトリブチル
ホスホニウムクロライド、テトラ−n−ブチルホスホニ
ウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホニウムクロ
ライド、トリオクチルエチルホスホニウムブロマイド、
テトラフェニルホスホニウムブロマイド等の4級ホスホ
ニウム塩;18−クラウン−6、ジベンゾ−18−クラ
ウン−6、ジシクロヘキシル−18−クラウン−6等の
クラウンエーテル等が挙げられる。中でも、経済的見地
から、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、テ
トラ−n−ブチルアンモニウムクロライド等の4級アン
モニウム塩が好ましく用いられる。
【0025】また、相間移動触媒を使用する場合の使用
量は、ハロベンズアミド類の重量に対し、通常、0.0
05〜0.5倍重量、好ましくは、0.01〜0.2倍
重量の範囲である。相間移動触媒の使用量が、0.00
5倍重量未満の場合には、触媒効果が十分あらわれず、
一方、0.5倍重量を超えて用いても、それに見合う効
果が得られず経済的に不利である。
【0026】本発明で用いる反応溶媒としては、反応を
容易にするため、および反応後の生成物の分液を容易に
するため、通常、水1重量部に対して非水溶性有機溶媒
1〜10重量部からなる不均一溶媒を用いる。非水溶性
有機溶媒としては、特に限定されるものではなく、n−
ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシク
ロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水
素;塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロベ
ンゼン等のハロゲン化炭化水素等を挙げることができ
る。不均一溶媒の使用量は、ハロベンズアミド類に対し
て、通常1〜30倍重量である。
【0027】反応温度は、通常0〜150℃、好ましく
は20〜120℃の範囲である。反応温度が、150℃
を超えると副反応が起こり、他方、0℃未満だと反応速
度が実用上遅すぎるので好ましくない。反応時間は、反
応温度、相間移動触媒種および反応溶媒種により異な
り、一概には言えないが、通常1〜40時間の範囲であ
る。
【0028】反応終了後、分液されたアルキルチオベン
ズアミド類は、有機溶媒層より晶析等の通常の処理で、
単離精製することができる。また、水層は、相間移動触
媒を含んだまま分液されるため、次の反応に引き続き使
用することが可能であり、反復使用される。そのため、
系外にはほとんど水性の廃棄物が排出されることがな
い。さらに、分液されたアルキルチオベンズアミド類を
含む有機溶媒層は、そのまま次の反応に用いることもで
きる。
【0029】次に、このようにして得られる一般式(II
I)で表わされるアルキルチオベンズアミド類を、ハロゲ
ンとさらに不均一溶媒系で反応させることにより、一般
式(IV) で表わされるアルキルスルフィニルベンズアミ
ド類を製造することができる。ここで用いるハロゲンと
しては、塩素、臭素等を使用することができる。反応選
択性の見地からみると臭素が好ましい。また、ハロゲン
の使用量は、アルキルチオベンズアミド類に対し、通常
0.8〜2.0倍モル、好ましくは、1.0〜1.3倍
モルの範囲である。ハロゲンの使用量が0.8倍モル未
満では、未反応のアルキルチオベンズアミド類が多くな
り、2.0倍モルを超えて用いる場合は、副反応が起こ
り収率が低下する。
【0030】アルキルチオベンズアミド類とハロゲンと
の反応で副生するハロゲン化水素を反応系内で中和する
ことも可能である。使用できる塩基としては、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属;炭
酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭
酸水素カリウム等の炭酸アルカリ金属;ナトリウムメチ
ラート、ナトリウムエチラート等の金属アルコラート;
トリエチルアミン、ピリジン等の有機アミン等が挙げら
れる。中でも、経済的見地から水酸化ナトリウム、炭酸
水素ナトリウムが好ましく用いられる。
【0031】アルキルチオベンズアミド類とハロゲンと
の反応で使用する溶媒としては、反応を容易にするた
め、および反応後の生成物の単離を容易にするため、通
常、水1重量部に対して非水溶性有機溶媒1〜10重量
部からなる不均一溶媒を用いる。非水溶性有機溶媒とし
ては、特に限定されるものではなく、n−ヘキサン、n
−ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、
ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類;塩化メ
チレン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等の
ハロゲン化炭化水素類等を挙げることができる。不均一
溶媒の使用量は、アルキルチオベンズアミド類に対し
て、通常1〜30倍重量である。
【0032】アルキルチオベンズアミド類とハロゲンと
の反応温度は、通常−10〜100℃、好ましくは0〜
50℃の範囲である。反応温度が、100℃を超える
と、副反応が起こり、他方、−10℃未満だと、反応速
度が実用上遅すぎるので好ましくない。反応時間は、反
応温度、反応溶媒種により異なり、一概には言えない
が、通常1〜40時間の範囲である。
【0033】本発明においては、このように一般式
(I)で表わされるハロベンズアミド類、一般式(II)
で表わされるアルカンチオールを原料として、まず一般
式(III)で表わされるアルキルチオベンズアミド類を製
造し、次の工程で単離されたアルキルチオベンズアミド
類とハロゲンとの反応により目的とするアルキルスルフ
ィニルベンズアミド類を製造することができる。本発明
においては、このように2つの工程で行う方法の他に、
ハロベンズアミド類、アルカンチオール、ハロゲン等を
原料として、ワンポット反応でアルキルスルフィニルベ
ンズアミド類を得ることができる。即ち、この場合、反
応の中間生成物であるアルキルチオベンズアミド類は単
離することなくアルキルチオベンズアミド類を含む有機
溶媒層を分液してハロゲンとの反応に供される。ワンポ
ット反応でアルキルスルフィニルベンズアミド類を得る
場合、溶媒としては、中でもトルエンと水との不均一溶
媒系で行うのが好ましい。このように、2つの工程ある
いはワンポット反応で得られるアルキルスルフィニルベ
ンズアミド類の反応液からの単離は、通常、分液した有
機溶媒層から晶析または再結晶等の操作により行なうこ
とができる。
【0034】このようにして得られるアルキルスルフィ
ニルベンズアミド類は、一般式(IV)で表され、その具
体例としては、2−(アルキルスルフィニル)ベンズア
ミド類の具体例として、2−(メチルスルフィニル)ベ
ンズアミド、2−(エチルスルフィニル)ベンズアミ
ド、2−(n−プロピルスルフィニル)ベンズアミド、
2−(イソプロピルスルフィニル)ベンズアミド、2−
(n−ブチルスルフィニル)ベンズアミド、2−(イソ
ブチルスルフィニル)ベンズアミド、2−(s−ブチル
スルフィニル)ベンズアミド、2−(t−ブチルスルフ
ィニル)ベンズアミド、N−エチル−2−(メチルスル
フィニル)ベンズアミド、N−フェニル−2−(メチル
スルフィニル)ベンズアミド、N−4−トルイル−2−
(メチルスルフィニル)ベンズアミド、N−ベンジル−
2−(メチルスルフィニル)ベンズアミド、N−エチル
−2−(エチルスルフィニル)ベンズアミド、N−フェ
ニル−2−(エチルスルフィニル)ベンズアミド、N−
4−トルイル−2−(エチルスルフィニル)ベンズアミ
ド、N−ベンジル−2−(エチルスルフィニル)ベンズ
アミド等を、また4−(アルキルスルフィニル)ベンズ
アミド類の具体例として、4−(メチルスルフィニル)
ベンズアミド、4−(エチルスルフィニル)ベンズアミ
ド、N−エチル−4−(メチルスルフィニル)ベンズア
ミド、N−フェニル−4−(メチルスルフィニル)ベン
ズアミド、N−4−トルイル−4−(メチルスルフィニ
ル)ベンズアミド、N−ベンジル−4−(メチルスルフ
ィニル)ベンズアミド等を挙げることができる。
【0035】
【実施例】以下、実施例および製造例により本発明をさ
らに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例等によ
りなんら限定されるものではない。
【0036】製造例1 N−フェニル−2−クロロベンズアミドの合成 撹拌機、温度計、冷却器を備え付けた500ml四つ口
フラスコに、2−クロロ安息香酸31.3g(0.2モ
ル)、トルエン180gを仕込み、撹拌下で、塩化チオ
ニル25.0g(0.21モル)を60〜65℃にて約
30分間かけて滴下し、約30分間反応させた。この溶
液にアニリン27.9g(0.3モル)をトルエン10
0gに溶解させた溶液を滴下し、70〜75℃で30分
間反応させた。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、
5%塩酸70gを添加し抽出分液した。トルエン層を濃
縮し、析出した白色結晶を再結晶(水:メタノール=
3:7)することによりN−フェニル−2−クロロベン
ズアミド43.1g(融点116〜117℃)を得た。
2−クロロ安息香酸に対する収率は93%であった。
【0037】実施例1 N−フェニル−2−(メチルチオ)ベンズアミドの合成 撹拌機、温度計、冷却器を備え付けた500ml四つ口
フラスコに、N−フェニル−2−クロロベンズアミド4
6.3g(0.2モル)、トルエン100g、50%テ
トラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド水溶液9.3
gを仕込んだ。一方、別途、水酸化ナトリウム12.0
g(0.30モル)と水113.7gを窒素雰囲気下で
別の容器に仕込み、攪拌下でメタンチオール14.5g
(0.30モル)を室温にて約1時間かけて仕込んで、
メタンチオールのナトリウム塩水溶液140.2gを調
製した。こうして得たメチルメルカプタンナトリウム水
溶液140.2g(0.3モル)を攪拌下80℃で添加
し、還流下で1時間反応させた。反応終了後、反応液を
室温まで冷却し、析出した白色結晶を水、トルエンで洗
浄後、乾燥させるとN−フェニル−2−(メチルチオ)
ベンズアミド46.2g(融点148〜149℃)を得
た。N−フェニル−2−クロロベンズアミドに対する収
率は95%であった。
【0038】実施例2 N−フェニル−2−(メチルスルフィニル)ベンズアミ
ドの合成 撹拌機、温度計、冷却器を備え付けた1000ml四つ
口フラスコに、N−フェニル−2−(メチルチオ)ベン
ズアミド48.6g(0.2モル)、トルエン300
g、10%炭酸水素カリウム水溶液200gを仕込み、
撹拌下で、臭素32.0g(0.2モル)を10〜15
℃で滴下し、10分間反応させた。反応終了後、生成し
た白色結晶を濾過し、再結晶(水:メタノール=1:
9)することによりN−フェニル−2−(メチルスルフ
ィニル)ベンズアミド48.7g(融点194〜195
℃)を得た。N−フェニル−2−(メチルチオ)ベンズ
アミドに対する収率は94%であった。
【0039】実施例3 2−クロロ安息香酸からN−フェニル−2−(メチルス
ルフィニル)ベンズアミドへの連続合成 撹拌機、温度計、冷却器を備え付けた1000ml四つ
口フラスコに、2−クロロ安息香酸31.3g(0.2
モル)、トルエン300gを仕込み、製造例1に従い反
応を行った。抽出したトルエン層に50%テトラ−n−
ブチルアンモニウムブロマイド水溶液9.3gを添加
し、前述の方法により得られたメチルメルカプタンナト
リウム水溶液140.2g(0.3モル)を添加し、実
施例1に従い反応を行った。反応終了後、反応液を熱分
液し、取得したトルエン層に10%炭酸水素カリウム水
溶液200gを添加し、撹拌下、臭素38.4g(0.
24モル)を10〜15℃で滴下し、実施例2に従い反
応を行った。上記一連の操作をワンポットで行ったとこ
ろ、N−フェニル−2−(メチルスルフィニル)ベンズ
アミドが2−クロロ安息香酸に対し81%の収率で得ら
れた。
【0040】
【発明の効果】本発明の方法によれば、工業的に容易に
入手できるハロベンズアミド類を原料とし、アルキルチ
オベンズアミド類を経由して、ワンポットで容易にアル
キルスルフィニルベンズアミド類が得られる。このよう
に本発明では廃棄物の排出が少なく、高価で取扱い上危
険性の高い物質を原料として使用することなく、しかも
高収率で、目的とするアルキルスルフィニルベンズアミ
ド類が容易に得られるため、経済的にも工業的にも有用
な方法である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂上 茂樹 兵庫県加古郡播磨町宮西346番地の1 住 友精化株式会社第1研究所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I)で表わされるハロベンズア
    ミド類と一般式(II)で表わされるアルカンチオールと
    を、塩基の存在下、不均一溶媒系で反応させることを特
    徴とする一般式(III)で表わされるアルキルチオベンズ
    アミド類の製造方法。 【化1】 (式中、XはClまたはBrを表わし、R1 は水素原
    子、炭素数1〜4のアルキル基、アリール基、またはア
    ラルキル基を表わす。) R2 SH (II) (式中、R2 は炭素数1〜4のアルキル基を表わす。) 【化2】 (式中、R1 、R2 は前記と同様である。)
  2. 【請求項2】 相間移動触媒の存在下で反応を行なう請
    求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 相間移動触媒が4級アンモニウム塩また
    は4級ホスホニウム塩である請求項2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 一般式(I)の化合物がN−フェニル−
    2−クロロベンズアミドである請求項1〜3のいずれか
    1項に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 一般式(III)の化合物がN−フェニル−
    2−(メチルチオ)ベンズアミドである請求項1〜3の
    いずれか1項に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 塩基が水酸化アルカリ金属である請求項
    1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 一般式(III)で表わされるアルキルチオ
    ベンズアミド類とハロゲンとを、不均一溶媒系で反応さ
    せることを特徴とする一般式(IV) で表わされるアルキ
    ルスルフィニルベンズアミド類の製造方法。 【化3】 (式中、R1 は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、
    アリール基、またはアラルキル基を表わし、R2 は炭素
    数1〜4のアルキル基を表わす。) 【化4】 (式中、R1 、R2 は前記と同様である。)
  8. 【請求項8】 一般式(IV)の化合物がN−フェニル−
    2−(メチルスルフィニル)ベンズアミドである請求項
    7記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 一般式(I)で表わされるハロベンズア
    ミド類と一般式(II)で表わされるアルカンチオールと
    を、塩基の存在下、不均一溶媒系で反応させ、続いて、
    この反応系にハロゲンを添加して反応を行わせることを
    特徴とする一般式(IV)で表わされるアルキルスルフィ
    ニルベンズアミド類の製造方法。 【化5】 (式中、XはClまたはBrを表わし、R1 は水素原
    子、炭素数1〜4のアルキル基、アリール基、またはア
    ラルキル基を表わす。) R2 SH (II) (式中、R2 は炭素数1〜4のアルキル基を表わす。) 【化6】 (式中、R1 、R2 は前記と同様である。)
  10. 【請求項10】 トルエンと水との不均一溶媒系におい
    てワンポットで反応させることを特徴とする請求項9記
    載の製造方法。
JP31917993A 1993-11-24 1993-11-24 アルキルチオベンズアミド類の製造方法 Expired - Fee Related JP3373271B2 (ja)

Priority Applications (15)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31917993A JP3373271B2 (ja) 1993-11-24 1993-11-24 アルキルチオベンズアミド類の製造方法
TW083110546A TW402585B (en) 1993-11-24 1994-11-15 Method for producing alkylsulfinylbenzamides and 1, 2-benzisothiazol-3-ones
US08/342,038 US5508416A (en) 1993-11-24 1994-11-17 Method for producing alkylsulfinylbenzamides and 1,2-benzisothiazol-3-ones
CA002136167A CA2136167C (en) 1993-11-24 1994-11-18 Method for producing alkylsulfinylbenzamides and 1,2-benzisothiazol-3-ones
KR1019940031079A KR100219893B1 (ko) 1993-11-24 1994-11-24 알킬술피닐 벤즈 아미드류 및 1,2-벤즈 이소티아졸-3-온류의 제조방법
EP96202500A EP0751123B1 (en) 1993-11-24 1994-11-24 Method for producing alkylsulfinylbenzamides
DE69404615T DE69404615T2 (de) 1993-11-24 1994-11-24 Verfahren zur Herstellung 1,2-Benzisothiazol-3-one
DE69424446T DE69424446T2 (de) 1993-11-24 1994-11-24 Verfahren zur Herstellung von Alkylsulfinylbenzamiden
CN94118812A CN1042530C (zh) 1993-11-24 1994-11-24 生产烷基亚磺酰基苯甲酰胺的方法
EP94308699A EP0657438B1 (en) 1993-11-24 1994-11-24 Method for producing 1,2-benzisothiazol-3-ones
US08/581,109 US5672751A (en) 1993-11-24 1995-12-29 Method for producing alkylsulfinylbenzamides and 1,2-benzisothiazol-3-ones
US08/831,533 US5744609A (en) 1993-11-24 1997-04-07 Method for producing alkylsulfinylbenzamides and 1-2 benzisothiazol-3-ones
CN98116709A CN1215721A (zh) 1993-11-24 1998-07-25 生产烷基亚磺酰基苯甲酰胺和1,2-苯并异噻唑-3-酮类的方法
CN98116707A CN1086693C (zh) 1993-11-24 1998-07-25 生产烷基亚磺酰基苯甲酰胺和1,2-苯并异噻唑-3-酮类的方法
KR1019990006471A KR100220661B1 (ko) 1993-11-24 1999-02-26 알킬술피닐벤즈아미드의제조방법

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31917993A JP3373271B2 (ja) 1993-11-24 1993-11-24 アルキルチオベンズアミド類の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07145143A true JPH07145143A (ja) 1995-06-06
JP3373271B2 JP3373271B2 (ja) 2003-02-04

Family

ID=18107307

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31917993A Expired - Fee Related JP3373271B2 (ja) 1993-11-24 1993-11-24 アルキルチオベンズアミド類の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3373271B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009102057A1 (ja) * 2008-02-14 2009-08-20 Hodogaya Chemical Co., Ltd. 酸化型環状フェノール硫化物の連続製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009102057A1 (ja) * 2008-02-14 2009-08-20 Hodogaya Chemical Co., Ltd. 酸化型環状フェノール硫化物の連続製造方法
US8222428B2 (en) 2008-02-14 2012-07-17 Hodogaya Chemical Co., Ltd. Method for continuously producing oxidized cyclic phenol sulfides
JP5428114B2 (ja) * 2008-02-14 2014-02-26 保土谷化学工業株式会社 酸化型環状フェノール硫化物の連続製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3373271B2 (ja) 2003-02-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0751123B1 (en) Method for producing alkylsulfinylbenzamides
EP0770599B1 (en) Process for the preparation of aromatic or heteroaromatic sulfonyl halides
JP3373271B2 (ja) アルキルチオベンズアミド類の製造方法
JP3332561B2 (ja) チオアリール化合物の製造方法
JP3152573B2 (ja) 1,2−ベンズイソチアゾール−3−オン類の製造方法
AU629580B2 (en) Preparation of 2-(chloro, bromo or nitro)-4-(alkylsulfonyl)benzoic acids and intermediates
KR100221557B1 (ko) 산할로겐화물 또는 술폰산할로겐화물의 제조방법
JP3495072B2 (ja) 1,2−ベンズイソチアゾール−3−オン類の製造方法
JPH08143533A (ja) ハロチオフェノール類の製造方法
KR100217355B1 (ko) 5-(3-부티릴-2,4,6-트리메틸)-2-(1-(에톡시이미노)프로필)-3-하이드록시싸이클로헥스-2-엔-1-온 제조방법
JP3309202B2 (ja) ニトロベンゼンスルホニルハライド類の製造方法
JPH08245558A (ja) 芳香族またはヘテロ芳香族スルフィド化合物の製造方法
EP0831081B1 (en) Production of aminophenols
US5405965A (en) Processes for preparation of 5-pyrazolemercaptan derivatives and intermediates thereof
JPH08198841A (ja) スルホニル化合物の製造方法
JPH08277278A (ja) 1,2−ベンズイソチアゾール類の製造方法
JP3578489B2 (ja) 1,2−ベンゾイソチアゾール−3−オン類の製造方法
JPH08143534A (ja) アルキルフェニルスルホンの製造方法
JPH10114736A (ja) 2−メチル−1−[4−(アルキルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノンの製造方法
JPH11302220A (ja) クロロメチルフェニル酢酸の製造方法
JPH10298152A (ja) ジアゾ化合物の製造方法
JP2582889B2 (ja) 高純度アミノスルフェニルクロリドの製法
JPH0635442B2 (ja) チオカルバメ−ト誘導体の製造法
JP2002220375A (ja) ピラゾール−5−カルボキサミド類の製造方法
JPH06345723A (ja) メルカプトベンズアミドの製造法

Legal Events

Date Code Title Description
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees