JP3373271B2 - アルキルチオベンズアミド類の製造方法 - Google Patents
アルキルチオベンズアミド類の製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルキルチオベンズア
ミド類の製造方法に関する。さらに詳しくは、抗菌剤、
抗かび剤として有用な2−置換−1,2−ベンズイソチ
アゾール−3−オン等の中間体として有用なアルキルス
ルフィニルベンズアミド類を製造するために有用な中間
体であるアルキルチオベンズアミド類の製造方法に関す
る。
ミド類の製造方法に関する。さらに詳しくは、抗菌剤、
抗かび剤として有用な2−置換−1,2−ベンズイソチ
アゾール−3−オン等の中間体として有用なアルキルス
ルフィニルベンズアミド類を製造するために有用な中間
体であるアルキルチオベンズアミド類の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、アルキルスルフィニルベンズアミ
ド類、例えば2−(アルキルスルフィニル)ベンズアミ
ド類の製造方法としては、下記の方法などが知られてい
る。
ド類、例えば2−(アルキルスルフィニル)ベンズアミ
ド類の製造方法としては、下記の方法などが知られてい
る。
【0003】(A)Bull.Chem.Soc.Jp
n.,55,1183−7(1982)
n.,55,1183−7(1982)
【0004】
【化3】
【0005】(B)Tetrahedron Let
t.,33,153−6(1992)
t.,33,153−6(1992)
【0006】
【化4】
【0007】しかし、これらの公知の製造方法は、次の
ような点から工業上有利な方法とはいえない。すなわち
(A)の方法は、原料として用いる2−(メチルチオ)
ベンゾイルクロライドの安定性およびその製造方法に問
題がある。また、高価で、取扱い上危険性の高い過よう
素酸を用いている。(B)の方法もまた、原料として用
いるN−フェニル−2−(メチルチオ)ベンズアミドの
製造方法が記載されていないために原料供給に問題があ
る。しかも、取扱い上危険性の高いm−クロロ過安息香
酸(m−CPBA)を用いている。
ような点から工業上有利な方法とはいえない。すなわち
(A)の方法は、原料として用いる2−(メチルチオ)
ベンゾイルクロライドの安定性およびその製造方法に問
題がある。また、高価で、取扱い上危険性の高い過よう
素酸を用いている。(B)の方法もまた、原料として用
いるN−フェニル−2−(メチルチオ)ベンズアミドの
製造方法が記載されていないために原料供給に問題があ
る。しかも、取扱い上危険性の高いm−クロロ過安息香
酸(m−CPBA)を用いている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、アル
キルスルフィニルベンズアミド類を製造するために有用
な中間体であるアルキルチオベンズアミド類を製造する
方法を提供することにある。
キルスルフィニルベンズアミド類を製造するために有用
な中間体であるアルキルチオベンズアミド類を製造する
方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】 すなわち、本発明の要旨
は、一 般式(I):
は、一 般式(I):
【0010】
【化5】
【0011】(式中、XはClまたはBrを表わし、R
1 は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、アリール
基、またはアラルキル基を表わす) で表わされるハロベンズアミド類と一般式(II): R 2 SH (II) (式中、R 2 は炭素数1〜4のアルキル基を表わす) で表わされるアルカンチオールとを、塩基の存在下、水
と非水溶性有機溶媒とからなる不均一溶媒中で反応させ
ることを特徴とする一般式(III):
1 は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、アリール
基、またはアラルキル基を表わす) で表わされるハロベンズアミド類と一般式(II): R 2 SH (II) (式中、R 2 は炭素数1〜4のアルキル基を表わす) で表わされるアルカンチオールとを、塩基の存在下、水
と非水溶性有機溶媒とからなる不均一溶媒中で反応させ
ることを特徴とする一般式(III):
【0012】
【化6】
【0013】(式中、R 1 、R 2 は前記と同様である)
で表わされるアルキルチオベンズアミド類の製造方法に
関する。
関する。
【0014】上記の一般式(I)、(II)および(III)
において、R1 は水素原子、炭素数1〜4のアルキル
基、アリール基、またはアラルキル基を表わし、R2 は
炭素数1〜4のアルキル基を表わす。これらのアルキル
基は直鎖状でも分岐状でも良い。かかるアルキル基の具
体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプ
ロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチルおよびt
−ブチルを挙げることができる。また、かかるアリール
基の具体例としては、フェニル、4−トルイル、1−ナ
フチル等を挙げることができる。また、かかるアラルキ
ル基の具体例としては、ベンジル、フェネチル等を挙げ
ることができる。
において、R1 は水素原子、炭素数1〜4のアルキル
基、アリール基、またはアラルキル基を表わし、R2 は
炭素数1〜4のアルキル基を表わす。これらのアルキル
基は直鎖状でも分岐状でも良い。かかるアルキル基の具
体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプ
ロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチルおよびt
−ブチルを挙げることができる。また、かかるアリール
基の具体例としては、フェニル、4−トルイル、1−ナ
フチル等を挙げることができる。また、かかるアラルキ
ル基の具体例としては、ベンジル、フェネチル等を挙げ
ることができる。
【0015】本発明で使用する原料の一般式(I)で表
わされるハロベンズアミド類としては、特に限定される
ものではなく、例えば2−クロロベンズアミド、N−エ
チル−2−クロロベンズアミド、N−フェニル−2−ク
ロロベンズアミド、N−4−トルイル−2−クロロベン
ズアミド、N−ベンジル−2−クロロベンズアミド、2
−ブロモベンズアミド、N−エチル−2−ブロモベンズ
アミド、N−フェニル−2−ブロモベンズアミド、N−
4−トルイル−2−ブロモベンズアミド、N−ベンジル
−2−ブロモベンズアミド、4−クロロベンズアミド、
N−エチル−4−クロロベンズアミド、N−フェニル−
4−クロロベンズアミド、N−4−トルイル−4−クロ
ロベンズアミド、N−ベンジル−4−クロロベンズアミ
ド、4−ブロモベンズアミド、N−エチル−4−ブロモ
ベンズアミド、N−フェニル−4−ブロモベンズアミ
ド、N−4−トルイル−4−ブロモベンズアミド、N−
ベンジル−4−ブロモベンズアミド、等を挙げることが
できる。
わされるハロベンズアミド類としては、特に限定される
ものではなく、例えば2−クロロベンズアミド、N−エ
チル−2−クロロベンズアミド、N−フェニル−2−ク
ロロベンズアミド、N−4−トルイル−2−クロロベン
ズアミド、N−ベンジル−2−クロロベンズアミド、2
−ブロモベンズアミド、N−エチル−2−ブロモベンズ
アミド、N−フェニル−2−ブロモベンズアミド、N−
4−トルイル−2−ブロモベンズアミド、N−ベンジル
−2−ブロモベンズアミド、4−クロロベンズアミド、
N−エチル−4−クロロベンズアミド、N−フェニル−
4−クロロベンズアミド、N−4−トルイル−4−クロ
ロベンズアミド、N−ベンジル−4−クロロベンズアミ
ド、4−ブロモベンズアミド、N−エチル−4−ブロモ
ベンズアミド、N−フェニル−4−ブロモベンズアミ
ド、N−4−トルイル−4−ブロモベンズアミド、N−
ベンジル−4−ブロモベンズアミド、等を挙げることが
できる。
【0016】一般式(II)で表わされるアルカンチオー
ルとしては、メタンチオール、エタンチオール、1−プ
ロパンチオール、1−ブタンチオール、2−ブタンチオ
ール等が使用可能であり、その使用量は、ハロベンズア
ミド類に対して、通常0.8〜3.0倍モル、好ましく
は1.0〜2.0倍モルの範囲である。アルカンチオー
ルの使用量が、0.8倍モル未満の場合には、未反応の
ハロベンズアミド類が多くなり、一方、3.0倍モルを
超えて用いても、それに見合う効果が得られず経済的に
不利である。
ルとしては、メタンチオール、エタンチオール、1−プ
ロパンチオール、1−ブタンチオール、2−ブタンチオ
ール等が使用可能であり、その使用量は、ハロベンズア
ミド類に対して、通常0.8〜3.0倍モル、好ましく
は1.0〜2.0倍モルの範囲である。アルカンチオー
ルの使用量が、0.8倍モル未満の場合には、未反応の
ハロベンズアミド類が多くなり、一方、3.0倍モルを
超えて用いても、それに見合う効果が得られず経済的に
不利である。
【0017】ハロベンズアミド類とアルカンチオールと
の反応で使用する塩基としては、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属;炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム等の炭酸アルカリ金属;ナトリウムメ
チラート、ナトリウムエチラート等の金属アルコラート
等が挙げられる。中でも、経済的見地から水酸化ナトリ
ウムが好ましく用いられる。また、塩基の使用量は、ハ
ロベンズアミド類に対し、通常0.8〜3.5倍モル、
好ましくは、1.0〜2.5倍モルの範囲である。塩基
の使用量が、0.8倍モル未満の場合には、未反応のハ
ロベンズアミド類が多くなり、一方、3.5倍モルを超
えて用いても、それに見合う効果が得られず経済的に不
利である。
の反応で使用する塩基としては、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属;炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム等の炭酸アルカリ金属;ナトリウムメ
チラート、ナトリウムエチラート等の金属アルコラート
等が挙げられる。中でも、経済的見地から水酸化ナトリ
ウムが好ましく用いられる。また、塩基の使用量は、ハ
ロベンズアミド類に対し、通常0.8〜3.5倍モル、
好ましくは、1.0〜2.5倍モルの範囲である。塩基
の使用量が、0.8倍モル未満の場合には、未反応のハ
ロベンズアミド類が多くなり、一方、3.5倍モルを超
えて用いても、それに見合う効果が得られず経済的に不
利である。
【0018】本発明の一般式(III)で表わされるアルキ
ルチオベンズアミド類の製造方法においては、反応を水
の存在下で不均一溶媒系で行なうことを特徴とする。反
応原料であるハロベンズアミド類とアルカンチオールと
の反応は、ハロベンズアミド類が水不溶性であるため二
相系での反応となる。この場合、相間移動触媒を添加す
ると反応が円滑に進行することが多く、好適である。こ
こで使用する相間移動触媒としては、ベンジルトリエチ
ルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモ
ニウムクロライド、ヘキサデシルトリエチルアンモニウ
ムブロマイド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムク
ロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、オクチルトリエチルアンモニウムブロマイド、テト
ラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−
ブチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニ
ウムクロライド、トリオクチルメチルアンモニウムクロ
ライド等の4級のアンモニウム塩;ヘキサデシルトリエ
チルホスホニウムブロマイド、ヘキサデシルトリブチル
ホスホニウムクロライド、テトラ−n−ブチルホスホニ
ウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホニウムクロ
ライド、トリオクチルエチルホスホニウムブロマイド、
テトラフェニルホスホニウムブロマイド等の4級ホスホ
ニウム塩;18−クラウン−6、ジベンゾ−18−クラ
ウン−6、ジシクロヘキシル−18−クラウン−6等の
クラウンエーテル等が挙げられる。中でも、経済的見地
から、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、テ
トラ−n−ブチルアンモニウムクロライド等の4級アン
モニウム塩が好ましく用いられる。
ルチオベンズアミド類の製造方法においては、反応を水
の存在下で不均一溶媒系で行なうことを特徴とする。反
応原料であるハロベンズアミド類とアルカンチオールと
の反応は、ハロベンズアミド類が水不溶性であるため二
相系での反応となる。この場合、相間移動触媒を添加す
ると反応が円滑に進行することが多く、好適である。こ
こで使用する相間移動触媒としては、ベンジルトリエチ
ルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモ
ニウムクロライド、ヘキサデシルトリエチルアンモニウ
ムブロマイド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムク
ロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、オクチルトリエチルアンモニウムブロマイド、テト
ラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−
ブチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニ
ウムクロライド、トリオクチルメチルアンモニウムクロ
ライド等の4級のアンモニウム塩;ヘキサデシルトリエ
チルホスホニウムブロマイド、ヘキサデシルトリブチル
ホスホニウムクロライド、テトラ−n−ブチルホスホニ
ウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホニウムクロ
ライド、トリオクチルエチルホスホニウムブロマイド、
テトラフェニルホスホニウムブロマイド等の4級ホスホ
ニウム塩;18−クラウン−6、ジベンゾ−18−クラ
ウン−6、ジシクロヘキシル−18−クラウン−6等の
クラウンエーテル等が挙げられる。中でも、経済的見地
から、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、テ
トラ−n−ブチルアンモニウムクロライド等の4級アン
モニウム塩が好ましく用いられる。
【0019】また、相間移動触媒を使用する場合の使用
量は、ハロベンズアミド類の重量に対し、通常、0.0
05〜0.5倍重量、好ましくは、0.01〜0.2倍
重量の範囲である。相間移動触媒の使用量が、0.00
5倍重量未満の場合には、触媒効果が十分あらわれず、
一方、0.5倍重量を超えて用いても、それに見合う効
果が得られず経済的に不利である。
量は、ハロベンズアミド類の重量に対し、通常、0.0
05〜0.5倍重量、好ましくは、0.01〜0.2倍
重量の範囲である。相間移動触媒の使用量が、0.00
5倍重量未満の場合には、触媒効果が十分あらわれず、
一方、0.5倍重量を超えて用いても、それに見合う効
果が得られず経済的に不利である。
【0020】本発明で用いる反応溶媒としては、反応を
容易にするため、および反応後の生成物の分液を容易に
するため、通常、水1重量部に対して非水溶性有機溶媒
1〜10重量部からなる不均一溶媒を用いる。非水溶性
有機溶媒としては、特に限定されるものではなく、n−
ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシク
ロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水
素;塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロベ
ンゼン等のハロゲン化炭化水素等を挙げることができ
る。不均一溶媒の使用量は、ハロベンズアミド類に対し
て、通常1〜30倍重量である。
容易にするため、および反応後の生成物の分液を容易に
するため、通常、水1重量部に対して非水溶性有機溶媒
1〜10重量部からなる不均一溶媒を用いる。非水溶性
有機溶媒としては、特に限定されるものではなく、n−
ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシク
ロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水
素;塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロベ
ンゼン等のハロゲン化炭化水素等を挙げることができ
る。不均一溶媒の使用量は、ハロベンズアミド類に対し
て、通常1〜30倍重量である。
【0021】反応温度は、通常0〜150℃、好ましく
は20〜120℃の範囲である。反応温度が、150℃
を超えると副反応が起こり、他方、0℃未満だと反応速
度が実用上遅すぎるので好ましくない。反応時間は、反
応温度、相間移動触媒種および反応溶媒種により異な
り、一概には言えないが、通常1〜40時間の範囲であ
る。
は20〜120℃の範囲である。反応温度が、150℃
を超えると副反応が起こり、他方、0℃未満だと反応速
度が実用上遅すぎるので好ましくない。反応時間は、反
応温度、相間移動触媒種および反応溶媒種により異な
り、一概には言えないが、通常1〜40時間の範囲であ
る。
【0022】反応終了後、分液されたアルキルチオベン
ズアミド類は、有機溶媒層より晶析等の通常の処理で、
単離精製することができる。また、水層は、相間移動触
媒を含んだまま分液されるため、次の反応に引き続き使
用することが可能であり、反復使用される。そのため、
系外にはほとんど水性の廃棄物が排出されることがな
い。さらに、分液されたアルキルチオベンズアミド類を
含む有機溶媒層は、そのまま次の反応に用いることもで
きる。
ズアミド類は、有機溶媒層より晶析等の通常の処理で、
単離精製することができる。また、水層は、相間移動触
媒を含んだまま分液されるため、次の反応に引き続き使
用することが可能であり、反復使用される。そのため、
系外にはほとんど水性の廃棄物が排出されることがな
い。さらに、分液されたアルキルチオベンズアミド類を
含む有機溶媒層は、そのまま次の反応に用いることもで
きる。
【0023】次に、このようにして得られる一般式(II
I)で表わされるアルキルチオベンズアミド類を、ハロゲ
ンとさらに不均一溶媒系で反応させることにより、一般
式(IV):
I)で表わされるアルキルチオベンズアミド類を、ハロゲ
ンとさらに不均一溶媒系で反応させることにより、一般
式(IV):
【0024】
【化7】
【0025】(式中、R 1 およびR 2 は前記と同様である)
で表わされるアルキルスルフィニルベンズアミド類を製
造することができる。ここで用いるハロゲンとしては、
塩素、臭素等を使用することができる。反応選択性の見
地からみると臭素が好ましい。また、ハロゲンの使用量
は、アルキルチオベンズアミド類に対し、通常0.8〜
2.0倍モル、好ましくは、1.0〜1.3倍モルの範
囲である。ハロゲンの使用量が0.8倍モル未満では、
未反応のアルキルチオベンズアミド類が多くなり、2.
0倍モルを超えて用いる場合は、副反応が起こり収率が
低下する。
造することができる。ここで用いるハロゲンとしては、
塩素、臭素等を使用することができる。反応選択性の見
地からみると臭素が好ましい。また、ハロゲンの使用量
は、アルキルチオベンズアミド類に対し、通常0.8〜
2.0倍モル、好ましくは、1.0〜1.3倍モルの範
囲である。ハロゲンの使用量が0.8倍モル未満では、
未反応のアルキルチオベンズアミド類が多くなり、2.
0倍モルを超えて用いる場合は、副反応が起こり収率が
低下する。
【0026】アルキルチオベンズアミド類とハロゲンと
の反応で副生するハロゲン化水素を反応系内で中和する
ことも可能である。使用できる塩基としては、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属;炭
酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭
酸水素カリウム等の炭酸アルカリ金属;ナトリウムメチ
ラート、ナトリウムエチラート等の金属アルコラート;
トリエチルアミン、ピリジン等の有機アミン等が挙げら
れる。中でも、経済的見地から水酸化ナトリウム、炭酸
水素ナトリウムが好ましく用いられる。
の反応で副生するハロゲン化水素を反応系内で中和する
ことも可能である。使用できる塩基としては、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属;炭
酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭
酸水素カリウム等の炭酸アルカリ金属;ナトリウムメチ
ラート、ナトリウムエチラート等の金属アルコラート;
トリエチルアミン、ピリジン等の有機アミン等が挙げら
れる。中でも、経済的見地から水酸化ナトリウム、炭酸
水素ナトリウムが好ましく用いられる。
【0027】アルキルチオベンズアミド類とハロゲンと
の反応で使用する溶媒としては、反応を容易にするた
め、および反応後の生成物の単離を容易にするため、通
常、水1重量部に対して非水溶性有機溶媒1〜10重量
部からなる不均一溶媒を用いる。非水溶性有機溶媒とし
ては、特に限定されるものではなく、n−ヘキサン、n
−ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、
ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類;塩化メ
チレン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等の
ハロゲン化炭化水素類等を挙げることができる。不均一
溶媒の使用量は、アルキルチオベンズアミド類に対し
て、通常1〜30倍重量である。
の反応で使用する溶媒としては、反応を容易にするた
め、および反応後の生成物の単離を容易にするため、通
常、水1重量部に対して非水溶性有機溶媒1〜10重量
部からなる不均一溶媒を用いる。非水溶性有機溶媒とし
ては、特に限定されるものではなく、n−ヘキサン、n
−ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、
ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類;塩化メ
チレン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等の
ハロゲン化炭化水素類等を挙げることができる。不均一
溶媒の使用量は、アルキルチオベンズアミド類に対し
て、通常1〜30倍重量である。
【0028】アルキルチオベンズアミド類とハロゲンと
の反応温度は、通常−10〜100℃、好ましくは0〜
50℃の範囲である。反応温度が、100℃を超える
と、副反応が起こり、他方、−10℃未満だと、反応速
度が実用上遅すぎるので好ましくない。反応時間は、反
応温度、反応溶媒種により異なり、一概には言えない
が、通常1〜40時間の範囲である。
の反応温度は、通常−10〜100℃、好ましくは0〜
50℃の範囲である。反応温度が、100℃を超える
と、副反応が起こり、他方、−10℃未満だと、反応速
度が実用上遅すぎるので好ましくない。反応時間は、反
応温度、反応溶媒種により異なり、一概には言えない
が、通常1〜40時間の範囲である。
【0029】本発明においては、このように一般式
(I)で表わされるハロベンズアミド類、一般式(II)
で表わされるアルカンチオールを原料として、まず一般
式(III)で表わされるアルキルチオベンズアミド類を製
造し、次の工程で単離されたアルキルチオベンズアミド
類とハロゲンとの反応により目的とするアルキルスルフ
ィニルベンズアミド類を製造することができる。本発明
においては、このように2つの工程で行う方法の他に、
ハロベンズアミド類、アルカンチオール、ハロゲン等を
原料として、ワンポット反応でアルキルスルフィニルベ
ンズアミド類を得ることができる。即ち、この場合、反
応の中間生成物であるアルキルチオベンズアミド類は単
離することなくアルキルチオベンズアミド類を含む有機
溶媒層を分液してハロゲンとの反応に供される。ワンポ
ット反応でアルキルスルフィニルベンズアミド類を得る
場合、溶媒としては、中でもトルエンと水との不均一溶
媒系で行うのが好ましい。このように、2つの工程ある
いはワンポット反応で得られるアルキルスルフィニルベ
ンズアミド類の反応液からの単離は、通常、分液した有
機溶媒層から晶析または再結晶等の操作により行なうこ
とができる。
(I)で表わされるハロベンズアミド類、一般式(II)
で表わされるアルカンチオールを原料として、まず一般
式(III)で表わされるアルキルチオベンズアミド類を製
造し、次の工程で単離されたアルキルチオベンズアミド
類とハロゲンとの反応により目的とするアルキルスルフ
ィニルベンズアミド類を製造することができる。本発明
においては、このように2つの工程で行う方法の他に、
ハロベンズアミド類、アルカンチオール、ハロゲン等を
原料として、ワンポット反応でアルキルスルフィニルベ
ンズアミド類を得ることができる。即ち、この場合、反
応の中間生成物であるアルキルチオベンズアミド類は単
離することなくアルキルチオベンズアミド類を含む有機
溶媒層を分液してハロゲンとの反応に供される。ワンポ
ット反応でアルキルスルフィニルベンズアミド類を得る
場合、溶媒としては、中でもトルエンと水との不均一溶
媒系で行うのが好ましい。このように、2つの工程ある
いはワンポット反応で得られるアルキルスルフィニルベ
ンズアミド類の反応液からの単離は、通常、分液した有
機溶媒層から晶析または再結晶等の操作により行なうこ
とができる。
【0030】このようにして得られるアルキルスルフィ
ニルベンズアミド類は、一般式(IV)で表され、その具
体例としては、2−(アルキルスルフィニル)ベンズア
ミド類の具体例として、2−(メチルスルフィニル)ベ
ンズアミド、2−(エチルスルフィニル)ベンズアミ
ド、2−(n−プロピルスルフィニル)ベンズアミド、
2−(イソプロピルスルフィニル)ベンズアミド、2−
(n−ブチルスルフィニル)ベンズアミド、2−(イソ
ブチルスルフィニル)ベンズアミド、2−(s−ブチル
スルフィニル)ベンズアミド、2−(t−ブチルスルフ
ィニル)ベンズアミド、N−エチル−2−(メチルスル
フィニル)ベンズアミド、N−フェニル−2−(メチル
スルフィニル)ベンズアミド、N−4−トルイル−2−
(メチルスルフィニル)ベンズアミド、N−ベンジル−
2−(メチルスルフィニル)ベンズアミド、N−エチル
−2−(エチルスルフィニル)ベンズアミド、N−フェ
ニル−2−(エチルスルフィニル)ベンズアミド、N−
4−トルイル−2−(エチルスルフィニル)ベンズアミ
ド、N−ベンジル−2−(エチルスルフィニル)ベンズ
アミド等を、また4−(アルキルスルフィニル)ベンズ
アミド類の具体例として、4−(メチルスルフィニル)
ベンズアミド、4−(エチルスルフィニル)ベンズアミ
ド、N−エチル−4−(メチルスルフィニル)ベンズア
ミド、N−フェニル−4−(メチルスルフィニル)ベン
ズアミド、N−4−トルイル−4−(メチルスルフィニ
ル)ベンズアミド、N−ベンジル−4−(メチルスルフ
ィニル)ベンズアミド等を挙げることができる。
ニルベンズアミド類は、一般式(IV)で表され、その具
体例としては、2−(アルキルスルフィニル)ベンズア
ミド類の具体例として、2−(メチルスルフィニル)ベ
ンズアミド、2−(エチルスルフィニル)ベンズアミ
ド、2−(n−プロピルスルフィニル)ベンズアミド、
2−(イソプロピルスルフィニル)ベンズアミド、2−
(n−ブチルスルフィニル)ベンズアミド、2−(イソ
ブチルスルフィニル)ベンズアミド、2−(s−ブチル
スルフィニル)ベンズアミド、2−(t−ブチルスルフ
ィニル)ベンズアミド、N−エチル−2−(メチルスル
フィニル)ベンズアミド、N−フェニル−2−(メチル
スルフィニル)ベンズアミド、N−4−トルイル−2−
(メチルスルフィニル)ベンズアミド、N−ベンジル−
2−(メチルスルフィニル)ベンズアミド、N−エチル
−2−(エチルスルフィニル)ベンズアミド、N−フェ
ニル−2−(エチルスルフィニル)ベンズアミド、N−
4−トルイル−2−(エチルスルフィニル)ベンズアミ
ド、N−ベンジル−2−(エチルスルフィニル)ベンズ
アミド等を、また4−(アルキルスルフィニル)ベンズ
アミド類の具体例として、4−(メチルスルフィニル)
ベンズアミド、4−(エチルスルフィニル)ベンズアミ
ド、N−エチル−4−(メチルスルフィニル)ベンズア
ミド、N−フェニル−4−(メチルスルフィニル)ベン
ズアミド、N−4−トルイル−4−(メチルスルフィニ
ル)ベンズアミド、N−ベンジル−4−(メチルスルフ
ィニル)ベンズアミド等を挙げることができる。
【0031】
【実施例】以下、実施例および製造例により本発明をさ
らに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例等によ
りなんら限定されるものではない。
らに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例等によ
りなんら限定されるものではない。
【0032】製造例1
N−フェニル−2−クロロベンズアミドの合成
撹拌機、温度計、冷却器を備え付けた500ml四つ口
フラスコに、2−クロロ安息香酸31.3g(0.2モ
ル)、トルエン180gを仕込み、撹拌下で、塩化チオ
ニル25.0g(0.21モル)を60〜65℃にて約
30分間かけて滴下し、約30分間反応させた。この溶
液にアニリン27.9g(0.3モル)をトルエン10
0gに溶解させた溶液を滴下し、70〜75℃で30分
間反応させた。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、
5%塩酸70gを添加し抽出分液した。トルエン層を濃
縮し、析出した白色結晶を再結晶(水:メタノール=
3:7)することによりN−フェニル−2−クロロベン
ズアミド43.1g(融点116〜117℃)を得た。
2−クロロ安息香酸に対する収率は93%であった。
フラスコに、2−クロロ安息香酸31.3g(0.2モ
ル)、トルエン180gを仕込み、撹拌下で、塩化チオ
ニル25.0g(0.21モル)を60〜65℃にて約
30分間かけて滴下し、約30分間反応させた。この溶
液にアニリン27.9g(0.3モル)をトルエン10
0gに溶解させた溶液を滴下し、70〜75℃で30分
間反応させた。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、
5%塩酸70gを添加し抽出分液した。トルエン層を濃
縮し、析出した白色結晶を再結晶(水:メタノール=
3:7)することによりN−フェニル−2−クロロベン
ズアミド43.1g(融点116〜117℃)を得た。
2−クロロ安息香酸に対する収率は93%であった。
【0033】実施例1
N−フェニル−2−(メチルチオ)ベンズアミドの合成
撹拌機、温度計、冷却器を備え付けた500ml四つ口
フラスコに、N−フェニル−2−クロロベンズアミド4
6.3g(0.2モル)、トルエン100g、50%テ
トラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド水溶液9.3
gを仕込んだ。一方、別途、水酸化ナトリウム12.0
g(0.30モル)と水113.7gを窒素雰囲気下で
別の容器に仕込み、攪拌下でメタンチオール14.5g
(0.30モル)を室温にて約1時間かけて仕込んで、
メタンチオールのナトリウム塩水溶液140.2gを調
製した。こうして得たメチルメルカプタンナトリウム水
溶液140.2g(0.3モル)を攪拌下80℃で添加
し、還流下で1時間反応させた。反応終了後、反応液を
室温まで冷却し、析出した白色結晶を水、トルエンで洗
浄後、乾燥させるとN−フェニル−2−(メチルチオ)
ベンズアミド46.2g(融点148〜149℃)を得
た。N−フェニル−2−クロロベンズアミドに対する収
率は95%であった。
フラスコに、N−フェニル−2−クロロベンズアミド4
6.3g(0.2モル)、トルエン100g、50%テ
トラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド水溶液9.3
gを仕込んだ。一方、別途、水酸化ナトリウム12.0
g(0.30モル)と水113.7gを窒素雰囲気下で
別の容器に仕込み、攪拌下でメタンチオール14.5g
(0.30モル)を室温にて約1時間かけて仕込んで、
メタンチオールのナトリウム塩水溶液140.2gを調
製した。こうして得たメチルメルカプタンナトリウム水
溶液140.2g(0.3モル)を攪拌下80℃で添加
し、還流下で1時間反応させた。反応終了後、反応液を
室温まで冷却し、析出した白色結晶を水、トルエンで洗
浄後、乾燥させるとN−フェニル−2−(メチルチオ)
ベンズアミド46.2g(融点148〜149℃)を得
た。N−フェニル−2−クロロベンズアミドに対する収
率は95%であった。
【0034】参考例1
N−フェニル−2−(メチルスルフィニル)ベンズアミ
ドの合成 撹拌機、温度計、冷却器を備え付けた1000ml四つ
口フラスコに、N−フェニル−2−(メチルチオ)ベン
ズアミド48.6g(0.2モル)、トルエン300
g、10%炭酸水素カリウム水溶液200gを仕込み、
撹拌下で、臭素32.0g(0.2モル)を10〜15
℃で滴下し、10分間反応させた。反応終了後、生成し
た白色結晶を濾過し、再結晶(水:メタノール=1:
9)することによりN−フェニル−2−(メチルスルフ
ィニル)ベンズアミド48.7g(融点194〜195
℃)を得た。N−フェニル−2−(メチルチオ)ベンズ
アミドに対する収率は94%であった。
ドの合成 撹拌機、温度計、冷却器を備え付けた1000ml四つ
口フラスコに、N−フェニル−2−(メチルチオ)ベン
ズアミド48.6g(0.2モル)、トルエン300
g、10%炭酸水素カリウム水溶液200gを仕込み、
撹拌下で、臭素32.0g(0.2モル)を10〜15
℃で滴下し、10分間反応させた。反応終了後、生成し
た白色結晶を濾過し、再結晶(水:メタノール=1:
9)することによりN−フェニル−2−(メチルスルフ
ィニル)ベンズアミド48.7g(融点194〜195
℃)を得た。N−フェニル−2−(メチルチオ)ベンズ
アミドに対する収率は94%であった。
【0035】参考例2
2−クロロ安息香酸からN−フェニル−2−(メチルス
ルフィニル)ベンズアミドへの連続合成 撹拌機、温度計、冷却器を備え付けた1000ml四つ
口フラスコに、2−クロロ安息香酸31.3g(0.2
モル)、トルエン300gを仕込み、製造例1に従い反
応を行った。抽出したトルエン層に50%テトラ−n−
ブチルアンモニウムブロマイド水溶液9.3gを添加
し、前述の方法により得られたメチルメルカプタンナト
リウム水溶液140.2g(0.3モル)を添加し、実
施例1に従い反応を行った。反応終了後、反応液を熱分
液し、取得したトルエン層に10%炭酸水素カリウム水
溶液200gを添加し、撹拌下、臭素38.4g(0.
24モル)を10〜15℃で滴下し、実施例2に従い反
応を行った。上記一連の操作をワンポットで行ったとこ
ろ、N−フェニル−2−(メチルスルフィニル)ベンズ
アミドが2−クロロ安息香酸に対し81%の収率で得ら
れた。
ルフィニル)ベンズアミドへの連続合成 撹拌機、温度計、冷却器を備え付けた1000ml四つ
口フラスコに、2−クロロ安息香酸31.3g(0.2
モル)、トルエン300gを仕込み、製造例1に従い反
応を行った。抽出したトルエン層に50%テトラ−n−
ブチルアンモニウムブロマイド水溶液9.3gを添加
し、前述の方法により得られたメチルメルカプタンナト
リウム水溶液140.2g(0.3モル)を添加し、実
施例1に従い反応を行った。反応終了後、反応液を熱分
液し、取得したトルエン層に10%炭酸水素カリウム水
溶液200gを添加し、撹拌下、臭素38.4g(0.
24モル)を10〜15℃で滴下し、実施例2に従い反
応を行った。上記一連の操作をワンポットで行ったとこ
ろ、N−フェニル−2−(メチルスルフィニル)ベンズ
アミドが2−クロロ安息香酸に対し81%の収率で得ら
れた。
【0036】
【発明の効果】本発明の方法によれば、工業的に容易に
入手できるハロベンズアミド類を原料とし、アルキルチ
オベンズアミド類を経由して、ワンポットで容易にアル
キルスルフィニルベンズアミド類が得られる。このよう
に本発明では廃棄物の排出が少なく、高価で取扱い上危
険性の高い物質を原料として使用することなく、しかも
高収率で、目的とするアルキルスルフィニルベンズアミ
ド類が容易に得られるため、経済的にも工業的にも有用
な方法である。
入手できるハロベンズアミド類を原料とし、アルキルチ
オベンズアミド類を経由して、ワンポットで容易にアル
キルスルフィニルベンズアミド類が得られる。このよう
に本発明では廃棄物の排出が少なく、高価で取扱い上危
険性の高い物質を原料として使用することなく、しかも
高収率で、目的とするアルキルスルフィニルベンズアミ
ド類が容易に得られるため、経済的にも工業的にも有用
な方法である。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 坂上 茂樹
兵庫県加古郡播磨町宮西346番地の1
住友精化株式会社第1研究所内
(56)参考文献 特開 平3−130258(JP,A)
特開 昭60−248660(JP,A)
特開 昭56−26869(JP,A)
特開 昭50−116445(JP,A)
特開 平6−56760(JP,A)
特開 平7−10829(JP,A)
Tetrahedron,39(24),
1983,p.4153−61
Bull.Chem.Soc.Jp
n,55,1982,p.1183−7
第4版実験化学講座24 有機合成VI
−ヘテロ元素・典型金属元素化合物,丸
善株式会社,1992年9月25日,第351頁
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C07C 319/14
C07C 323/62
C07C 315/02
C07C 317/44
CA(STN)
REGISTRY(STN)
CASREACT(STN)
Claims (6)
- 【請求項1】 一般式(I): 【化1】 (式中、XはClまたはBrを表わし、R 1 は水素原
子、炭素数1〜4のアルキル基、アリール基またはアラ
ルキル基を表わす) で表わされるハロベンズアミド類と一般式(II): R 2 SH (II) (式中、R 2 は炭素数1〜4のアルキル基を表わす) で表わされるアルカンチオールとを、塩基の存在下、水
と非水溶性有機溶媒とからなる不均一溶媒中で反応させ
ることを特徴とする一般式(III): 【化2】 (式中、R 1 およびR 2 は前記と同様である) で表わされるアルキルチオベンズアミド類の製造方法。 - 【請求項2】 相間移動触媒の存在下で反応を行なう請
求項1記載の製造方法。 - 【請求項3】 相間移動触媒が4級アンモニウム塩また
は4級ホスホニウム塩である請求項2記載の製造方法。 - 【請求項4】 一般式(I)の化合物がN−フェニル−
2−クロロベンズアミドである請求項1〜3のいずれか
1項に記載の製造方法。 - 【請求項5】 一般式(III)の化合物がN−フェニル−
2−(メチルチオ)ベンズアミドである請求項1〜3の
いずれか1項に記載の製造方法。 - 【請求項6】 塩基が水酸化アルカリ金属である請求項
1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
Priority Applications (15)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31917993A JP3373271B2 (ja) | 1993-11-24 | 1993-11-24 | アルキルチオベンズアミド類の製造方法 |
TW083110546A TW402585B (en) | 1993-11-24 | 1994-11-15 | Method for producing alkylsulfinylbenzamides and 1, 2-benzisothiazol-3-ones |
US08/342,038 US5508416A (en) | 1993-11-24 | 1994-11-17 | Method for producing alkylsulfinylbenzamides and 1,2-benzisothiazol-3-ones |
CA002136167A CA2136167C (en) | 1993-11-24 | 1994-11-18 | Method for producing alkylsulfinylbenzamides and 1,2-benzisothiazol-3-ones |
EP94308699A EP0657438B1 (en) | 1993-11-24 | 1994-11-24 | Method for producing 1,2-benzisothiazol-3-ones |
DE69404615T DE69404615T2 (de) | 1993-11-24 | 1994-11-24 | Verfahren zur Herstellung 1,2-Benzisothiazol-3-one |
CN94118812A CN1042530C (zh) | 1993-11-24 | 1994-11-24 | 生产烷基亚磺酰基苯甲酰胺的方法 |
EP96202500A EP0751123B1 (en) | 1993-11-24 | 1994-11-24 | Method for producing alkylsulfinylbenzamides |
KR1019940031079A KR100219893B1 (ko) | 1993-11-24 | 1994-11-24 | 알킬술피닐 벤즈 아미드류 및 1,2-벤즈 이소티아졸-3-온류의 제조방법 |
DE69424446T DE69424446T2 (de) | 1993-11-24 | 1994-11-24 | Verfahren zur Herstellung von Alkylsulfinylbenzamiden |
US08/581,109 US5672751A (en) | 1993-11-24 | 1995-12-29 | Method for producing alkylsulfinylbenzamides and 1,2-benzisothiazol-3-ones |
US08/831,533 US5744609A (en) | 1993-11-24 | 1997-04-07 | Method for producing alkylsulfinylbenzamides and 1-2 benzisothiazol-3-ones |
CN98116707A CN1086693C (zh) | 1993-11-24 | 1998-07-25 | 生产烷基亚磺酰基苯甲酰胺和1,2-苯并异噻唑-3-酮类的方法 |
CN98116709A CN1215721A (zh) | 1993-11-24 | 1998-07-25 | 生产烷基亚磺酰基苯甲酰胺和1,2-苯并异噻唑-3-酮类的方法 |
KR1019990006471A KR100220661B1 (ko) | 1993-11-24 | 1999-02-26 | 알킬술피닐벤즈아미드의제조방법 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31917993A JP3373271B2 (ja) | 1993-11-24 | 1993-11-24 | アルキルチオベンズアミド類の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07145143A JPH07145143A (ja) | 1995-06-06 |
JP3373271B2 true JP3373271B2 (ja) | 2003-02-04 |
Family
ID=18107307
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31917993A Expired - Fee Related JP3373271B2 (ja) | 1993-11-24 | 1993-11-24 | アルキルチオベンズアミド類の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3373271B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5428114B2 (ja) * | 2008-02-14 | 2014-02-26 | 保土谷化学工業株式会社 | 酸化型環状フェノール硫化物の連続製造方法 |
-
1993
- 1993-11-24 JP JP31917993A patent/JP3373271B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (3)
Title |
---|
Bull.Chem.Soc.Jpn,55,1982,p.1183−7 |
Tetrahedron,39(24),1983,p.4153−61 |
第4版実験化学講座24 有機合成VI−ヘテロ元素・典型金属元素化合物,丸善株式会社,1992年9月25日,第351頁 |
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---|---|
JPH07145143A (ja) | 1995-06-06 |
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