JPH0714228U - クラッチ機構 - Google Patents
クラッチ機構Info
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- JPH0714228U JPH0714228U JP4490293U JP4490293U JPH0714228U JP H0714228 U JPH0714228 U JP H0714228U JP 4490293 U JP4490293 U JP 4490293U JP 4490293 U JP4490293 U JP 4490293U JP H0714228 U JPH0714228 U JP H0714228U
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 クラッチ歯車と駆動歯車の噛合状態を強固に
保持すると共に大嵩化を抑えたクラッチ機構を提供す
る。 【構成】 軸15Fに支持された駆動歯車42及び従動
歯車43と、駆動歯車42及び従動歯車43に対して接
離する仲介歯車44と、仲介歯車44の接離動作を行う
駆動部材46と有するクラッチ機構7において、仲介歯
車44を、駆動部材46の変位方向a,bと交差する方
向cに摺動自在に支持し、駆動歯車42及び従動歯車4
3との噛合方向bに進出付勢した。
保持すると共に大嵩化を抑えたクラッチ機構を提供す
る。 【構成】 軸15Fに支持された駆動歯車42及び従動
歯車43と、駆動歯車42及び従動歯車43に対して接
離する仲介歯車44と、仲介歯車44の接離動作を行う
駆動部材46と有するクラッチ機構7において、仲介歯
車44を、駆動部材46の変位方向a,bと交差する方
向cに摺動自在に支持し、駆動歯車42及び従動歯車4
3との噛合方向bに進出付勢した。
Description
【0001】
本考案は、クラッチ歯車と駆動歯車の噛合状態を安定させたクラッチ機構に関 するものである。
【0002】
駆動力の伝達をオン/オフするのにギアクラッチを用いることは既に知られて いる。例えば、特願平5−122546号に記載されるクラッチ機構では、駆動 歯車と噛合する向きに付勢されたクラッチ歯車をソレノイドの可動片に連結し、 ソレノイドのスイッチオンで可動片を引込んでクラッチ歯車と駆動歯車の噛合を 解除し、スイッチオフでクラッチ歯車を駆動歯車に噛合させる向きに引き戻して 動作させることで、駆動力の伝達のオン/オフを行っている。
【0003】
ところが、このような構成のクラッチ機構においては、クラッチ歯車の移動方 向と可動片の移動方向が同一方向であり、クラッチ歯車がバネで引き戻されて駆 動歯車と噛合しているので、回転負荷が増大するとバネ力に抗してクラッチ歯車 が前後に摺動してしまい、歯飛び現象が起こってしまうという問題がある。
【0004】 この歯飛び現象を防止するには、バネ力を大きくして駆動歯車に対するクラッ チ歯車の付勢力を大きくすることが考えられる。しかしながら、この方法である と、バネ力が大きくなった分、それに見合うように駆動歯車とクラッチ歯車の噛 合を解く可動片の引込み力も大きくしなければならず、ソレノイドの大型化につ ながってしまい、クラッチ機構を大嵩化を招いてしまう。
【0005】
そこで、本考案の同軸上に支持された駆動歯車及び従動歯車と、上記駆動歯車 及び従動歯車に対して接離する仲介歯車と、上記仲介歯車の接離動作を行う駆動 部材とを有するクラッチ機構では、上記仲介歯車を、上記駆動部材の変位方向と 交差する方向に摺動自在に支持すると共に、上記駆動歯車及び従動歯車との噛合 方向に進出付勢した。
【0006】
同軸上に支持された駆動歯車及び従動歯車に対して接離する仲介歯車を、同仲 介歯車の接離動作を行う駆動部材の変位方向と交差する方向に摺動自在に支持す ると共に、上記駆動歯車及び従動歯車との噛合方向に進出付勢したので、駆動部 材の変位に伴い駆動及び従動歯車に接離する仲介歯車が変位方向と交差する方向 に変位される。
【0007】
以下、本考案の一実施例を図面を用いて説明する。図1において、符号7はク ラッチ機構を示し、このクラッチ機構7は、カードリーダ1に適用されている。 先ず、カードリーダ1について説明する。 カードリーダ1は、図8(a)に示すキャッシュカード等の比較的厚みのある硬 カードC1や図8(b)に示す振込み券等に代表される軟カードC2等を含む磁 気カードCと、図8(c)に示すICカードC3が兼用に使用できるのものであ る。
【0008】 カードリーダ1は、各カードを挿入口2から取り込み搬送する直線状のカード 通路3、各カードのカード通路3内への進入を規制するシャッターS1,S2、 カード通路3の先端側に設けられたカード通路の最奥部をなすICカードC3の 退避部4、磁気カードCを回収或いは発行する分岐通路5、通路切換えフラップ 6(以下、「フラップ6」と記す)及びクラッチ機構7とを備えている。
【0009】 カード通路3は、図1,2に示すように側板8,9の間に形成されていて、側 板9の内壁9aはカード搬送時の基準面となっている。カード通路3には、搬送 ローラ対10,11,12,13,14が配置されている。
【0010】 搬送ローラ10と挿入口2の間にはシャッターS1が、搬送ローラ10と搬送 ローラ11の間にはシャッターS2が、それぞれ配置されている。シャッターS 1,S2は、図2に示す軸線Oを中心に回動自在に支持されていて、図示しない ソレノイドによってカード通路3内に進退自在とされている。
【0011】 例えば、通常、シャッターS2がカード通路3に進入しているときは、シャッ ターS1は通路内から退避状態に置かれていて、挿入口2に挿入されるものが磁 気カードCかICカードC3であると、シャッターS2が開かれてカードを取り 込み可能とすると共に、このカードがカード通路に取り込まれると、異物や連続 してカードが取り込まれないようにシャッターS1が閉じるようになっている。
【0012】 各搬送ローラ対の下側に位置する駆動ローラ10a,11a,12a,13a ,14aは、側板8に枢支された軸15A,15B,15C,15D,15Eに それぞれ固定されている。上側に位置する従動ローラ10b,11b,12b, 13b,14bは、駆動ローラ10a,11a,12a,13a,14aにそれ ぞれ接触している。
【0013】 軸15A,15B,15C,15D,15Eには、それぞれプーリ16が側板 8の外側で固定されている。各プーリ16の間には、回転自在に支持されたロー ラ17が配設されている。各プーリ16とローラ17には、交互に無端ベルト1 8が巻き掛けられている。
【0014】 軸15Cには、大径の駆動プーリ19が固定されていて、この駆動プーリ19 と、駆動源としての正逆回転可能なモータ20の駆動軸20aに固定された小径 の駆動プーリ21との間には、駆動ベルト22が巻き掛けられている。
【0015】 軸15Eは、退避部4とカード通路3とにまたがって配置されている。軸15 Eには、後述する退避部4の搬送手段の一構成をなすプーリ27が固定されてい て、同プーリ27より外側には、ローレットが刻まれたツマミ57が固定されて いる。ツマミ57は、機器の故障時に手動によって軸15Eを回転させるもので ある。
【0016】 側板9の近傍であって軸15Cの軸線上には、図1,2に示すように、磁気ヘ ッド23(A,B)が対向配置されている。磁気ヘッド23Bは、支持板24に 装着されて配置されている。支持板24は、一方24aを搬送路3の底板3Aに 支持されており、図示しないバネによって底板3Aの下方から上方に向かって付 勢されて磁気ヘッド23Bをカード通路3に臨ませている。
【0017】 対向する磁気ヘッド23Aは、図示しないカード通路3の上板に、磁気ヘッド 23Bと同様の構成で支持されている。
【0018】 磁気ヘッド23(A,B)は、図8(a,b)に示すカードC1,C2の磁気 ストライプC1a,C2aと接触して、同ストライプに記録される磁気情報を読 み取ったり、あるいは、ストライプに磁気情報を記録するものである。磁気ヘッ ド23Aは磁気ストライプC1aに対応し、磁気ヘッド23Bは磁気ストライプ C2aに対応するように、カード通路を介して対向配置されている。
【0019】 ここで、磁気カードCとICカードC3について説明する。図8(a)に示す 硬カードC1は、塩化ビニール製のカード本体の一側に磁気ストライプC1aが 設けられている。この磁気ストライプC1aには、キャッシュカードであれば、 口座番号や氏名及び暗証番号等の個人情報が磁気情報として記録されていて、磁 気ヘッド23Aでその情報が読み取られたり、あるいは、必要に応じて磁気情報 が記録される。
【0020】 図8(b)に示す軟カードC2は、厚紙で成形されたカード本体の裏側に磁気 ストライプC2aが設けられていて、この磁気ストライプC2aには、振込み先 の銀行名や口座番号あるいは口座名義人や振込人等の多種の情報が、磁気情報と して記録されていて磁気ヘッド23Bによって読み取られ、必要に応じて書き替 えられる。軟カードC2の図示しない表面には、磁気情報の内容の一部等が印字 されている。
【0021】 ICカードC3は、その内部に図示しない電気的な記録手段を有するカードで あって、その記録手段に格納される情報の読出し(再生)や、記録手段への情報 の書込み(記録)を行うための入出力部C3bとICカードであることを認識さ せるための磁気情報が記録された磁気ストライプC3aが設けられている。
【0022】 挿入口2の近傍には、図1,2に示すように、カード検知手段として磁気ヘッ ド26がカード通路3内に上下から臨んでいる。磁気ヘッド26は、カードの磁 気信号の有無によりカードの種別を検知するもので、ここではモータ20の起動 や後述するソレノイドの駆動及びシャッターS1,S2の開閉動作の制御をする ためのトリガーの一部となっている。
【0023】 退避部4は、図1,3に示すように、カード通路3の延長上であって、側板8 ,9の間に形成されており、カード通路3と共に直線状をなしている。退避部4 の先端4aは、塞がれていてICカードC3のストッパとなっている。この先端 4aは、カード搬送方向に可動であって、この先端の変位に対応して後術するI C接点56が下降し、ICカードC3に圧接される。
【0024】 退避部4内には、軸15Fに固定されたローラ29aと、同ローラの上方で回 転自在に支持されるローラ29bとからなる搬送ローラ対29及び、ICカード C3の入出力部C3bと接触して情報の記録再生を行うIC接点56が配置され ている。
【0025】 側板8の外側に位置する軸15Fには、プーリ40が回転自在に支持されてい て、プーリ27との間で駆動ベルト41が巻き掛けられている。軸15Fには、 プーリ40と一体回転する駆動歯車42と、軸15Fと一体回転する従動歯車4 3が設けられている。つまり、ローラ対29、プーリ27,40とベルト41及 び歯車42,43,44で退避部4の搬送手段Kが構成される。
【0026】 IC接点56は、矢印Aで示すカード挿入方向に対して左下がりに傾斜する複 数の接点片であって、本体ブロック55に並設されており、ICカードC3が退 避部4に搬送されると、入出力部C3bに圧接するようになっている。
【0027】 カード通路3と退避部4の両端に位置する側板8には、図1に示すように、支 持軸30,31が支持されている。支持軸30には、スプロケット32が回転自 在に支持されていて、支持軸31には、スプロケット33が固定されている。ス プロケット32,33には、チェーン34が巻き掛けられていて、チェーン34 の一部には、突起爪35が固定されている。
【0028】 突起爪35は、通常、カード通路3と退避部4から退避した位置に置かれてい て、カードC1,C2,C3がカード通路3や退避部4に詰った時に同搬送路3 と退避部4内に進入するようになっている。
【0029】 すなわち、カードC1,C2,C3が詰ると、駆動モータ20とは個別の図示 しない駆動モータによって支持軸31が駆動されて突起爪35がカード通路3, 退避部4に進入し、詰ったカードをひっかけて挿入部2まで強制的に搬送する。 搬送ローラ対14とローラ対29との間には、図3,4に示すように、フラッ プ6が配置されている。フラップ6は、その先端6aが二又に分かれていて、軸 15Eの近傍まで延出しており、基端6b側を軸36で側板9に回動自在に支持 している。
【0030】 フラップ6は、図4に実線で示す退避部4からの退避位置と、2点鎖線で示す 退避部4への進入位置とに進退可能とされている。フラップ6の略中央の上面6 cには、クランク形状の連結腕37が一体的に固定されている。この連結腕37 は、側板9の外側でその一端37aを退避部4より下方に位置させていて、この 一端37aを引張バネ38で下方に引っ張って、フラップ6を下方に向かって付 勢している。一端37aと対向する対向端37bは、円弧状に形成されていて、 この対向端37bには、コロ39が当接される。
【0031】 コロ39は、後述するレバー46の上部に回転自在に支持され、クラッチ機構 7を構成する駆動歯車42、従動歯車43とクラッチ歯車44の噛合時に対向端 37bと当接するようになっている。
【0032】 分岐通路5は、ローラ対14の近傍から退避部4の上方に向かって、図におい て、左上がりに形成されていて、その一端5aは、図示しない振込み券発行機や カード回収部等につながっている。分岐通路5は、フラップ6が実線位置にある ときには、カード通路3との連通を断たれていて、フラップ6が2点鎖線にある ときには、他端側5bとカード通路3と連通するようになっており、この連通の 際、フラップ6が分岐通路5の底板5cの一部を構成する。
【0033】 分岐通路5には、駆動プーリ50,51がそれぞれ固定された軸15H,15 Gと一体回転するローラ52a,53aと、同ローラ52a,53aに従動する ローラ52b,53bからなる搬送ローラ52,53が配設されている。
【0034】 駆動プーリ50,51には、図示しない駆動モータによって駆動されるベルト 54が掛けられている。図示しない駆動モータは、図2に示す磁気ヘッド26が 磁気カードを検知した時やフラップ6が切り替わるとき、或いは、軟カードC2 (振込み券)の発行時に駆動するようになっている。本実施例では、ICカード C3を先に挿入し、後に磁気カードCを挿入するようになっていて、挿入された 各カードは挿入口2に戻されて排出される。
【0035】 クラッチ機構7の説明に移る。 クラッチ機構7は、図3,4に示すように、軸15Fに支持された駆動歯車42 及び従動歯車43、駆動歯車42及び従動歯車43に接離する仲介歯車としての クラッチ歯車44、クラッチ歯車44の接離動作を行う駆動部材としてのスライ ダー46及びソレノイド45から主に構成されており、これらは、退避部4とカ ード通路3の下方に配置されている。
【0036】 クラッチ歯車44は、従動、駆動の各歯車43,42にそれぞれ噛合する歯車 44A,44Bを備えていて、側板8に設けた矢印c方向(上下方向)に延びる 長孔8cに支持された軸47にそれぞれ回転自在に支持されている。長孔8c内 には、コイルバネ58が挿入されていて、軸47をスライダー46に向かって付 勢している。なお、矢印a,b方向と矢印c方向は、交差する方向である。
【0037】 歯車44Aの歯先44aは、図6に示すように、歯部44Bの歯先44bより も若干小さくされていて、その他、ピッチや円形部44c等の大きさは、歯車4 4Bと同一とされている。
【0038】 スライダー46は、板金加工で成型されたものであって、図5に示すように、 側板46a,46b、軸受部46c,46d,46e,46fがそれぞれ形成さ れており、カード通路3及び退避部4を横切る向きに配置されている。
【0039】 スライダーの側板46aと軸受部46cには、図7に示すように、軸47と接 触する斜面28Bが形成されていて、側板46aに形成される平面28Aと相ま って案内部28を形成している。スライダー46は、側板8,9の切欠き8b, 9b内に位置していて、可動片45aとピン48を介してソレノイド45と連結 されており、ソレノイド45の動作によって矢印a方向に摺動される。
【0040】 スライダー46は、軸47が平面28Aと接触しているときに、クラッチ歯車 44が歯車42,43と噛合し、かつ、コロ39と対向端37bとが当接する初 期位置と、斜面28Bに軸47が当接する2点鎖線で示すクラッチギア44と歯 車42,43の噛合及びコロ39と対向端37bとの当接が解除される退避位置 とにソレノイド45の動作によって態位される。
【0041】 側板46aと軸受46e及び側板46bと軸受46dには、図5に1点鎖線で 示すピン59,60がそれぞれ支持されている。このピン59,60は、図示し ないカードリーダの側板にスライダー46の移動方向(矢印a,b方向)に向か って設けられた角型長穴に係合し、同スライダー46の移動を案内する。
【0042】 また、スライダー46の復帰側に位置する両端には、一端を図示しない不動部 に固定された引っ張りコイルばね49の他端がそれぞれ係止されていて、スライ ダー46を初期位置に向かって付勢して、ソレノイド45の復帰バネを構成して いる(図3,4参照)。
【0043】 つまり、クラッチ歯車44は、スライダー46の変位方向と交差する方向に摺 動自在に支持されると共に、駆動歯車42及び従動歯車43との噛合方向に進出 付勢されている。
【0044】 ソレノイド45は、通電時に可動片45aを本体に引き込むPULLタイプの ものであって、退避部4内に所定のカードが位置するか、図1,2に示す磁気ヘ ッド26が特定のカードの挿入を検知するか等の情報によって通電されて動作す る。本実施例では、退避部4内にICカードC3が位置しているとき、ソレノイ ド45が動作するように設定している。
【0045】 このように構成したカートリーダ1とクラッチ機構7の動作を説明する。 先ず、ICカードC3を挿入口2に差し込み、そのストライプC3aの磁気信 号を磁気ヘッド26が検知するとシャッターS2が開くと共に、駆動モータ20 が起動して駆動軸20aが駆動する。すると、プーリ21が回転するので、その 回転がベルト22を介してプーリ19に伝達されて軸15Cが回転駆動する。
【0046】 この軸15Cが回転駆動すると、ベルト18を介してプーリ16がそれぞれ固 定された軸15Aから15Eが一斉に回転して、カード通路3内の搬送ローラ対 10,11,12,13,14が駆動され、ICカードC3が取り込まれ、カー ド通路3を搬送される。カードC3が磁気ヘッド26上を通過し終えカード通路 3に取り込まれると、シャッターS1が閉じられる。従って、カードの連続挿入 や異物のカード通路3内への挿入が規制される。
【0047】 軸15Eが回転すると一体のプーリ27も回転し、この回転がベルト41を介 してプーリ40に伝達されて一体の駆動歯車42が回転する。ソレノイド45は 、非作動状態にあるので、クラッチ歯車44は引っ張りコイルばね49のバネ力 によって歯車42,43の両方と噛合しており、歯車42の回転は、クラッチ歯 車44の歯部44Bから44Aを介して従動歯車43に伝達される。よって、軸 15Fが回転して退避部4内の搬送ローラ対29が駆動される。
【0048】 この時、クラッチ歯車44を支持する軸47は、スライダー46と別体の長孔 8cに支持されていると共に、ばね58でスライダー46の移動方向で(矢印a ,b)と交差する方向(矢印c)に付勢されてレバーの平面28Aに圧接されて いる。
【0049】 したがって、駆動及び従動歯車42,43とクラッチギア44が噛合して回転 し負荷が増大しても、軸47の矢印a方向に逃げようとする動作が、スライダー 46と長穴8cによって阻止されるので、クラッチ歯車44の矢印a方向への逃 げを防止でき、同歯車44と駆動及び従動歯車42,43との噛合が強固に保持 される。
【0050】 また、ソレノイド45は非作動状態であるので、コロ39は、図4における実 線位置で連結腕37の対向端37bをバネ38のばね力に抗して押し上げ、フラ ップ6を実線位置に保持する。よって、搬送されるICカードC3は、フラップ 6にその進行を阻まれることなく直線状に退避部4内に搬送され、先端4aにカ ード先端が当接して押す。
【0051】 ICカードC3が退避部4内に位置したことを図示しないセンサが検知すると 、ソレノイド45が動作して可動片45aが引き込まれ、スライダー46が図7 に示すように、矢印a方向に摺動される。すると、このスライダー46の動作に 同期して平面28Aに当接されている軸47が斜面28Bに沿って案内されなが ら2点鎖線で示すように、バネ58のバネ力によって矢印c方向(下方)に向か って押圧され、クラッチ歯車44と駆動、従動の各歯車42,43との噛合が解 かれてローラ対29への駆動が断たれる。
【0052】 スライダー46の摺動に伴い、図4示すコロ39も実線位置から2点鎖線位置 へと移動して対向端37bとの当接が解かれるので、バネ38のバネ力によって フラップ6が軸36を中心に下方に回動して2点鎖線で示す進入位置に切替わり 、カード通路3と分岐通路5とが連通する。
【0053】 従って、退避部4内に位置するICカードC3への搬送力が断たれるので、I CカードC3が停止し、接点56とカードの入出力部C3bが接触して、ICカ ードC3の記録再生処理が行われる。この時、カード通路3内のローラ対10乃 至14は依然駆動状態にある。
【0054】 ICカードC3が退避部4に位置した状態で、挿入口2の磁気ヘッド26が硬 カードC1か軟カードC2の挿入を検知すると、図示しない駆動モータが起動し てベルト54を駆動して回収路6内のローラ対52,53を回転させる。つまり 、カード通路3に挿入された硬カードC1あるいは軟カードC2は、カード通路 3内を搬送されて磁気ヘッド23A,23Bの何れかでカード処理がなされた後 、分岐通路5に導入搬送される。
【0055】 一方、所定の処理が終了すると、図示しない駆動モータ及びモータ20が逆回 転駆動されて各搬送ローラ対が逆回転し、送られた磁気カードCが分岐通路5か らカード通路3を通って挿入口2に戻される。
【0056】 磁気カードCが戻されると、ソレノイド45への通電がたたれ、バネ49によ って軸47と共にスライダー46が矢印b方向に摺動される。この動作によって 、コロ39が連結板37を押し上げてフラップ6を実線位置まで回動させると共 に、クラッチ歯車44が駆動歯車42と従動歯車43と噛合して逆回転するモー タ20の回転が退避部4内のローラ対29に伝達される。よって、退避部4内に 一旦退避されたICカードC3が退避部4から送り出されてカード通路3を通っ て挿入口2まで戻される。
【0057】 従動歯車43と噛合する歯車44Aを駆動歯車42と噛合する歯車44Bより 若干小さく形成したので、クラッチ歯車44が駆動歯車42と従動歯車43に噛 合するとき、駆動歯車42と大径の歯車44Bの歯先同志が当たった場合でも、 駆動歯車42の回転ですぐに歯車42に歯車44Bが噛合して回転するので、従 動歯車43と歯車44Aが噛合してクラッチ歯車44の空回りが防止できる。
【0058】
本考案によれば、駆動部材の変位に伴い駆動及び従動歯車に接離する仲介歯車 が駆動部材の変位方向と交差する方向に変位され、仲介歯車の駆動歯車及び従動 歯車との噛合による回転伝達時に過負荷になったとしても、仲介歯車は駆動歯車 の変位方向への移動を規制されているので、歯飛び現象を防止でき、駆動及び従 動歯車と仲介歯車との噛合状態の安定につながる。
【0059】 また、バネ力を大きくして駆動及び従動歯車と仲介歯車との噛合状態を安定さ せたので、ソレノイドの大型化の必要がなく、クラッチ機構の大嵩化を抑えるこ とができる。
【提出日】平成6年1月31日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】考案の詳細な説明
【補正方法】変更
【0001】
本考案は、クラッチ歯車と駆動歯車の噛合状態を安定させたクラッチ機構に関 するものである。
【0002】
駆動力の伝達をオン/オフするのにギアクラッチを用いることは既に知られて いる。例えば、特願平5−122546号に記載されるクラッチ機構では、駆動 歯車と噛合する向きに付勢されたクラッチ歯車をソレノイドの可動片に連結し、 ソレノイドのスイッチオンで可動片を引込んでクラッチ歯車と駆動歯車の噛合を 解除し、スイッチオフでクラッチ歯車を駆動歯車に噛合させる向きに引き戻して 動作させることで、駆動力の伝達のオン/オフを行っている。
【0003】
ところが、このような構成のクラッチ機構においては、クラッチ歯車の移動方 向と可動片の移動方向が同一方向であり、クラッチ歯車がバネで引き戻されて駆 動歯車と噛合しているので、回転負荷が増大するとバネ力に抗してクラッチ歯車 が前後に摺動してしまい、歯飛び現象が起こってしまうという問題がある。 この歯飛び現象を防止するには、バネ力を大きくして駆動歯車に対するクラッ チ歯車の付勢力を大きくすることが考えられる。しかしながら、この方法である と、バネ力が大きくなった分、それに見合うように駆動歯車とクラッチ歯車の噛 合を解く可動片の引込み力も大きくしなければならず、ソレノイドの大型化につ ながってしまい、クラッチ機構を大嵩化を招いてしまう。
【0004】
そこで、本考案の同軸上に支持された駆動歯車及び従動歯車と、上記駆動歯車 及び従動歯車に対して接離する仲介歯車と、上記仲介歯車の接離動作を行う駆動 部材とを有するクラッチ機構では、上記仲介歯車を、上記駆動部材の変位方向と 交差する方向に摺動自在に支持すると共に、上記駆動歯車及び従動歯車との噛合 方向に進出付勢した。
【0005】
同軸上に支持された駆動歯車及び従動歯車に対して接離する仲介歯車を、同仲 介歯車の接離動作を行う駆動部材の変位方向と交差する方向に摺動自在に支持す ると共に、上記駆動歯車及び従動歯車との噛合方向に進出付勢したので、駆動部 材の変位に伴い駆動及び従動歯車に接離する仲介歯車が変位方向と交差する方向 に変位される。
【0006】
以下、本考案の一実施例を図面を用いて説明する。図1において、符号7はク ラッチ機構を示し、このクラッチ機構7は、カードリーダ1に適用されている。 先ず、カードリーダ1について説明する。 カードリーダ1は、図8(a)に示すキャッシュカード等の比較的厚みのある硬 カードC1や図8(b)に示す振込み券等に代表される軟カードC2等を含む磁 気カードCと、図8(c)に示すICカードC3が兼用に使用できるのものであ る。
【0007】 カードリーダ1は、各カードを挿入口2から取り込み搬送する直線状のカード 通路3、各カードのカード通路3内への進入を規制するシャッターS1,S2、 カード通路3の先端側に設けられたカードの退避部4、磁気カードCを回収或い は発行する分岐通路5、通路切換えフラップ6(以下、「フラップ6」と記す) 及びクラッチ機構7とを備えている。
【0008】 カード通路3は、図1,2に示すように側板8,9の間に形成されていて、側 板9の内壁9aはカード搬送時の基準面となっている。カード通路3には、搬送 ローラ対10,11,12,13,14が配置されている。
【0009】 搬送ローラ10と挿入口2の間にはシャッターS1が、搬送ローラ10と搬送 ローラ11の間にはシャッターS2が、それぞれ配置されている。シャッターS 1,S2は、図2に示す軸線Oを中心に回動自在に支持されていて、図示しない ソレノイドによってカード通路3内に進退自在とされている。
【0010】 例えば、通常、シャッターS2がカード通路3に進入しているときは、シャッ ターS1は通路内から退避状態に置かれていて、挿入口2に挿入されるものが磁 気カードCかICカードC3であると、シャッターS2が開かれてカードを取り 込み可能とすると共に、このカードがカード通路に取り込まれると、異物や連続 してカードが取り込まれないようにシャッターS1が閉じるようになっている。
【0011】 各搬送ローラ対の下側に位置する駆動ローラ10a,11a,12a,13a ,14aは、側板8に枢支された軸15A,15B,15C,15D,15Eに それぞれ固定されている。上側に位置する従動ローラ10b,11b,12b, 13b,14bは、駆動ローラ10a,11a,12a,13a,14aにそれ ぞれ接触している。
【0012】 軸15A,15B,15C,15D,15Eには、それぞれプーリ16が側板 8の外側で固定されている。各プーリ16の間には、回転自在に支持されたロー ラ17が配設されている。各プーリ16とローラ17には、交互に無端ベルト1 8が巻き掛けられている。
【0013】 軸15Cには、大径の駆動プーリ19が固定されていて、この駆動プーリ19 と、駆動源としての正逆回転可能なモータ20の駆動軸20aに固定された小径 の駆動プーリ21との間には、駆動ベルト22が巻き掛けられている。 軸15Eは、退避部4とカード通路3とにまたがって配置されている。軸15 Eには、後述する退避部4の搬送手段の一構成をなすプーリ27が固定されてい て、同プーリ27より外側には、ローレットが刻まれたツマミ57が固定されて いる。ツマミ57は、機器の故障時に手動によって軸15Eを回転させるもので ある。
【0014】 側板9の近傍であって軸15Cの軸線上には、図1,2に示すように、磁気ヘ ッド23(A,B)が対向配置されている。磁気ヘッド23Bは、支持板24に 装着されて配置されている。支持板24は、一方24aを搬送路3の底板3Aに 支持されており、図示しないバネによって底板3Aの下方から上方に向かって付 勢されて磁気ヘッド23Bをカード通路3に臨ませている。
【0015】 対向する磁気ヘッド23Aは、図示しないカード通路3の上板に、磁気ヘッド 23Bと同様の構成で支持されている。磁気ヘッド23(A,B)は、図8(a ,b)に示すカードC1,C2の磁気ストライプC1a,C2aと接触して、同 ストライプに記録される磁気情報を読み取ったり、あるいは、ストライプに磁気 情報を記録するものである。磁気ヘッド23Aは磁気ストライプC1aに対応し 、磁気ヘッド23Bは磁気ストライプC2aに対応するように、カード通路を介 して対向配置されている。
【0016】 ここで、磁気カードCとICカードC3について説明する。図8(a)に示す 硬カードC1は、塩化ビニール製のカード本体の一側に磁気ストライプC1aが 設けられている。この磁気ストライプC1aには、キャッシュカードであれば、 口座番号や氏名及び暗証番号等の個人情報が磁気情報として記録されていて、磁 気ヘッド23Aでその情報が読み取られたり、あるいは、必要に応じて磁気情報 が記録される。
【0017】 図8(b)に示す軟カードC2は、厚紙で成形されたカード本体の裏側に磁気 ストライプC2aが設けられていて、この磁気ストライプC2aには、振込み先 の銀行名や口座番号あるいは口座名義人や振込人等の多種の情報が、磁気情報と して記録されていて磁気ヘッド23Bによって読み取られ、必要に応じて書き替 えられる。軟カードC2の図示しない表面には、磁気情報の内容の一部等が印字 されている。
【0018】 ICカードC3は、その内部に図示しない電気的な記録手段を有するカードで あって、その記録手段に格納される情報の読出し(再生)や、記録手段への情報 の書込み(記録)を行うための入出力部C3bと磁気情報が記録された磁気スト ライプC3aが設けられている。
【0019】 挿入口2の近傍には、図1,2に示すように、カード検知手段として磁気ヘッ ド26がカード通路3内に上下から臨んでいる。磁気ヘッド26は、カードの磁 気信号の有無によりカードの種別を検知するもので、ここではモータ20の起動 や後述するソレノイドの駆動及びシャッターS1,S2の開閉動作の制御をする ためのトリガーの一部となっている。
【0020】 退避部4は、図1,3に示すように、カード通路3の延長上であって、側板8 ,9の間に形成されており、カード通路3と共に直線状をなしている。退避部4 の先端4aは、塞がれていてICカードC3のストッパとなっている。この先端 4aは、カード搬送方向に可動であって、この先端の変位に対応して後述するI C接点56が下降し、ICカードC3に圧接される。
【0021】 退避部4内には、軸15Fに固定されたローラ29aと、同ローラの上方で回 転自在に支持されるローラ29bとからなる搬送ローラ対29及び、ICカード C3の入出力部C3bと接触して情報の記録再生を行うIC接点56が配置され ている。
【0022】 側板8の外側に位置する軸15Fには、プーリ40が回転自在に支持されてい て、プーリ27との間で駆動ベルト41が巻き掛けられている。軸15Fには、 プーリ40と一体回転する駆動歯車42と、軸15Fと一体回転する従動歯車4 3が設けられている。つまり、ローラ対29、プーリ27,40とベルト41及 び歯車42,43,44で退避部4の搬送手段Kが構成される。
【0023】 IC接点56は、矢印Aで示すカード挿入方向に対して左下がりに傾斜する複 数の接点片であって、本体ブロック55に並設されており、ICカードC3が退 避部4に搬送されると、入出力部C3bに圧接するようになっている。
【0024】 カード通路3と退避部4の両端に位置する側板8には、図1に示すように、支 持軸30,31が支持されている。支持軸30には、スプロケット32が回転自 在に支持されていて、支持軸31には、スプロケット33が固定されている。ス プロケット32,33には、チェーン34が巻き掛けられていて、チェーン34 の一部には、突起爪35が固定されている。
【0025】 突起爪35は、通常、カード通路3と退避部4から退避した位置に置かれてい て、カードC1,C2,C3がカード通路3や退避部4に詰った時に同搬送路3 と退避部4内に進入するようになっている。すなわち、カードC1,C2,C3 が詰ると、駆動モータ20とは個別の図示しない駆動モータによって支持軸31 が駆動されて突起爪35がカード通路3,退避部4に進入し、詰ったカードをひ っかけて挿入部2まで強制的に搬送する。
【0026】 搬送ローラ対14とローラ対29との間には、図3,4に示すように、フラッ プ6が配置されている。フラップ6は、その先端6aが二又に分かれていて、軸 15Eの近傍まで延出しており、基端6b側を軸36で側板9に回動自在に支持 している。
【0027】 フラップ6は、図4に実線で示す退避部4からの退避位置と、2点鎖線で示す 退避部4への進入位置とに進退可能とされている。フラップ6の略中央の上面6 cには、クランク形状の連結腕37が一体的に固定されている。この連結腕37 は、側板9の外側でその一端37aを退避部4より下方に位置させていて、この 一端37aを引張バネ38で下方に引っ張って、フラップ6を下方に向かって付 勢している。一端37aと対向する対向端37bは、円弧状に形成されていて、 この対向端37bには、コロ39が当接される。
【0028】 コロ39は、後述するレバー46の上部に回転自在に支持され、クラッチ機構 7を構成する駆動歯車42、従動歯車43とクラッチ歯車44の噛合時に対向端 37bと当接するようになっている。
【0029】 分岐通路5は、ローラ対14の近傍から退避部4の上方に向かって、図におい て、左上がりに形成されていて、その一端5aは、図示しない振込み券発行機や カード回収部等につながっている。分岐通路5は、フラップ6が実線位置にある ときには、カード通路3との連通を断たれていて、フラップ6が2点鎖線にある ときには、他端側5bとカード通路3と連通するようになっており、この連通の 際、フラップ6が分岐通路5の底板5cの一部を構成する。
【0030】 分岐通路5には、駆動プーリ50,51がそれぞれ固定された軸15H,15 Gと一体回転するローラ52a,53aと、同ローラ52a,53aに従動する ローラ52b,53bからなる搬送ローラ52,53が配設されている。
【0031】 駆動プーリ50,51には、図示しない駆動モータによって駆動されるベルト 54が掛けられている。図示しない駆動モータは、図2に示す磁気ヘッド26が 磁気カードを検知した時やフラップ6が切り替わるとき、或いは、軟カードC2 (振込み券)の発行時に駆動するようになっている。本実施例では、ICカード C3を先に挿入し、後に磁気カードCを挿入するようになっていて、挿入された 各カードは挿入口2に戻されて排出される。
【0032】 クラッチ機構7の説明に移る。 クラッチ機構7は、図3,4に示すように、軸15Fに支持された駆動歯車42 及び従動歯車43、駆動歯車42及び従動歯車43に接離する仲介歯車としての クラッチ歯車44、クラッチ歯車44の接離動作を行う駆動部材としてのスライ ダー46及びソレノイド45から主に構成されており、これらは、退避部4とカ ード通路3の下方に配置されている。
【0033】 クラッチ歯車44は、従動、駆動の各歯車43,42にそれぞれ噛合する歯車 44A,44Bを備えていて、側板8に設けた矢印c方向(上下方向)に延びる 長孔8cに支持された軸47にそれぞれ回転自在に支持されている。長孔8c内 には、コイルバネ58が挿入されていて、軸47をスライダー46に向かって付 勢している。なお、矢印a,b方向と矢印c方向は、交差する方向である。
【0034】 歯車44Aの歯先44aは、図6に示すように、歯部44Bの歯先44bより も若干小さくされていて、その他、ピッチや円形部44c等の大きさは、歯車4 4Bと同一とされている。
【0035】 スライダー46は、板金加工で成型されたものであって、図5に示すように、 側板46a,46b、軸受部46c,46d,46e,46fがそれぞれ形成さ れており、カード通路3及び退避部4を横切る向きに配置されている。
【0036】 スライダーの側板46aと軸受部46cには、図7に示すように、軸47と接 触する斜面28Bが形成されていて、側板46aに形成される平面28Aと相ま って案内部28を形成している。スライダー46は、側板8,9の切欠き8b, 9b内に位置していて、可動片45aとピン48を介してソレノイド45と連結 されており、ソレノイド45の動作によって矢印a方向に摺動される。
【0037】 スライダー46は、軸47が平面28Aと接触しているときに、クラッチ歯車 44が歯車42,43と噛合し、かつ、コロ39と対向端37bとが当接する初 期位置と、斜面28Bに軸47が当接する2点鎖線で示すクラッチギア44と歯 車42,43の噛合及びコロ39と対向端37bとの当接が解除される退避位置 とにソレノイド45の動作によって態位される。
【0038】 側板46aと軸受46e及び側板46bと軸受46dには、図5に1点鎖線で 示すピン59,60がそれぞれ支持されている。このピン59,60は、図示し ないカードリーダの側板にスライダー46の移動方向(矢印a,b方向)に向か って設けられた角型長穴に係合し、同スライダー46の移動を案内する。
【0039】 また、スライダー46の復帰側に位置する両端には、一端を図示しない不動部 に固定された引っ張りコイルばね49の他端がそれぞれ係止されていて、スライ ダー46を初期位置に向かって付勢して、ソレノイド45の復帰バネを構成して いる(図3,4参照)。 つまり、クラッチ歯車44は、スライダー46の変位方向と交差する方向に摺 動自在に支持されると共に、駆動歯車42及び従動歯車43との噛合方向に進出 付勢されている。
【0040】 ソレノイド45は、通電時に可動片45aを本体に引き込むPULLタイプの ものであって、退避部4内に所定のカードが位置するか、図1,2に示す磁気ヘ ッド26が特定のカードの挿入を検知するか等の情報によって通電されて動作す る。本実施例では、退避部4内にICカードC3が位置しているとき、ソレノイ ド45が動作するように設定している。
【0041】 このように構成したカートリーダ1とクラッチ機構7の動作を説明する。 先ず、ICカードC3を挿入口2に差し込み、そのストライプC3aの磁気信 号を磁気ヘッド26が検知するとシャッターS2が開くと共に、駆動モータ20 が起動して駆動軸20aが駆動する。すると、プーリ21が回転するので、その 回転がベルト22を介してプーリ19に伝達されて軸15Cが回転駆動する。
【0042】 この軸15Cが回転駆動すると、ベルト18を介してプーリ16がそれぞれ固 定された軸15Aから15Eが一斉に回転して、カード通路3内の搬送ローラ対 10,11,12,13,14が駆動され、ICカードC3が取り込まれ、カー ド通路3を搬送される。カードC3が磁気ヘッド26上を通過し終えカード通路 3に取り込まれると、シャッターS1が閉じられる。従って、カードの連続挿入 や異物のカード通路3内への挿入が規制される。
【0043】 軸15Eが回転すると一体のプーリ27も回転し、この回転がベルト41を介 してプーリ40に伝達されて一体の駆動歯車42が回転する。ソレノイド45は 、非作動状態にあるので、クラッチ歯車44は引っ張りコイルばね49のバネ力 によって歯車42,43の両方と噛合しており、歯車42の回転は、クラッチ歯 車44の歯部44Bから44Aを介して従動歯車43に伝達される。よって、軸 15Fが回転して退避部4内の搬送ローラ対29が駆動される。
【0044】 この時、クラッチ歯車44を支持する軸47は、スライダー46と別体の長孔 8cに支持されていると共に、ばね58でスライダー46の移動方向で(矢印a ,b)と交差する方向(矢印c)に付勢されてレバーの平面28Aに圧接されて いる。
【0045】 したがって、駆動及び従動歯車42,43とクラッチギア44が噛合して回転 し負荷が増大しても、軸47の矢印a方向及び矢印c方向に逃げようとする動作 が、スライダー46と長穴8cによって阻止されるので、クラッチ歯車44の矢 印a方向及び矢印c方向への逃げを防止でき、同歯車44と駆動及び従動歯車4 2,43との噛合が強固に保持される。
【0046】 また、ソレノイド45は非作動状態であるので、コロ39は、図4における実 線位置で連結腕37の対向端37bをバネ38のばね力に抗して押し上げ、フラ ップ6を実線位置に保持する。よって、搬送されるICカードC3は、フラップ 6にその進行を阻まれることなく直線状に退避部4内に搬送され、先端4aにカ ード先端が当接して押す。
【0047】 ICカードC3が退避部4内に位置したことを図示しないセンサが検知すると 、ソレノイド45が動作して可動片45aが引き込まれ、スライダー46が図7 に示すように、矢印a方向に摺動される。すると、このスライダー46の動作に 同期して平面28Aに当接されている軸47が斜面28Bに沿って案内されなが ら2点鎖線で示すように、バネ58のバネ力によって矢印c方向(下方)に向か って押圧され、クラッチ歯車44と駆動、従動の各歯車42,43との噛合が解 かれてローラ対29への駆動が断たれる。
【0048】 スライダー46の摺動に伴い、図4示すコロ39も実線位置から2点鎖線位置 へと移動して対向端37bとの当接が解かれるので、バネ38のバネ力によって フラップ6が軸36を中心に下方に回動して2点鎖線で示す進入位置に切替わり 、カード通路3と分岐通路5とが連通する。
【0049】 ICカードC3が退避部4に位置した状態で、挿入口2の磁気ヘッド26が次 に挿入された軟カードC2 を検知すると、図示しない駆動モータが起動してベル ト54を駆動して回収路6内のローラ対52,53を回転させる。つまり、カー ド通路3に挿入された軟カードC2は、カード通路3内を搬送されて磁気ヘッド 23A,23Bの何れかでカード処理がなされた後、分岐通路5に導入搬送され る。
【0050】 一方、所定の処理が終了すると、図示しない駆動モータ及びモータ20が逆回 転駆動されて各搬送ローラ対が逆回転し、送られた磁気カードCが分岐通路5か らカード通路3を通って挿入口2に戻される。磁気カードCが戻されると、ソレ ノイド45への通電がたたれ、バネ49によって軸47と共にスライダー46が 矢印b方向に摺動される。この動作によって、コロ39が連結板37を押し上げ てフラップ6を実線位置まで回動させると共に、クラッチ歯車44が駆動歯車4 2と従動歯車43と噛合して逆回転するモータ20の回転が退避部4内のローラ 対29に伝達される。よって、退避部4内に一旦退避されたICカードC3が退 避部4から送り出されてカード通路3を通って挿入口2まで戻される。
【0051】 従動歯車43と噛合する歯車44Aを駆動歯車42と噛合する歯車44Bより 若干小さく形成したので、クラッチ歯車44が駆動歯車42と従動歯車43に噛 合するとき、駆動歯車42と大径の歯車44Bの歯先同志が当たった場合でも、 駆動歯車42の回転ですぐに歯車42に歯車44Bが噛合して回転するので、従 動歯車43と歯車44Aが噛合してクラッチ歯車44の空回りが防止できる。 なお、本実施例では、ICカードC3を先に挿入し、後に磁気カードCを挿入 するようになっているが、硬カードC1を先に挿入して軟カードC2を後に挿入 するタイプのカードリーダにも適用することができる。
【0052】
本考案によれば、駆動部材の変位に伴い駆動及び従動歯車に接離する仲介歯車 が駆動部材の変位方向と交差する方向に変位され、仲介歯車の駆動歯車及び従動 歯車との噛合による回転伝達時に過負荷になったとしても、仲介歯車は駆動歯車 の変位方向への移動を規制されているので、歯飛び現象を防止でき、駆動及び従 動歯車と仲介歯車との噛合状態の安定につながる。 また、バネ力を大きくして駆動及び従動歯車と仲介歯車との噛合状態を安定さ せたので、ソレノイドの大型化の必要がなく、クラッチ機構の大嵩化を抑えるこ とができる。
【図1】本考案のクラッチ機構が採用されたきカードリ
ーダの概略構成を示す側面図である。
ーダの概略構成を示す側面図である。
【図2】図1に示すカードリーダの構成の部分拡大平面
図である。
図である。
【図3】本考案の一実施例を示すクラッチ機構の平面図
である。
である。
【図4】図3に示すクラッチ機構の側面図である。
【図5】駆動部材をなすレバーの平面図である。
【図6】仲介歯車の構成を示す一部破断側面図である。
【図7】クラッチ機構の動作説明図である
【図8】(a)はカードリーダに使用される硬カードの
平面図、(b)は軟カードの底面図、(c)はICカー
ドの平面図である。
平面図、(b)は軟カードの底面図、(c)はICカー
ドの平面図である。
7 クラッチ機構 15F 軸 42 駆動歯車 43 従動歯車 44 仲介歯車(クラッチ歯車) 45 ソレノイド 46 スライダー 45,46 駆動部材 a,b 駆動部材の変位方向 c 交差する方向
Claims (1)
- 【請求項1】同軸上に支持された駆動歯車及び従動歯車
と、 上記駆動歯車及び従動歯車に対して接離する仲介歯車
と、 上記仲介歯車の接離動作を行う駆動部材とを有するクラ
ッチ機構において、 上記仲介歯車を、上記駆動部材の変位方向と交差する方
向に摺動自在に支持すると共に、上記駆動歯車及び従動
歯車との噛合方向に進出付勢したことを特徴とするクラ
ッチ機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1993044902U JP2606862Y2 (ja) | 1993-08-18 | 1993-08-18 | クラッチ機構 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1993044902U JP2606862Y2 (ja) | 1993-08-18 | 1993-08-18 | クラッチ機構 |
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JPH0714228U true JPH0714228U (ja) | 1995-03-10 |
JP2606862Y2 JP2606862Y2 (ja) | 2001-01-29 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1993044902U Expired - Fee Related JP2606862Y2 (ja) | 1993-08-18 | 1993-08-18 | クラッチ機構 |
Country Status (1)
Country | Link |
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-
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- 1993-08-18 JP JP1993044902U patent/JP2606862Y2/ja not_active Expired - Fee Related
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