JPH07139953A - 角速度検出素子の振動数調整方法と角速度検出素子 - Google Patents

角速度検出素子の振動数調整方法と角速度検出素子

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JPH07139953A
JPH07139953A JP5314164A JP31416493A JPH07139953A JP H07139953 A JPH07139953 A JP H07139953A JP 5314164 A JP5314164 A JP 5314164A JP 31416493 A JP31416493 A JP 31416493A JP H07139953 A JPH07139953 A JP H07139953A
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健志 森川
Masayuki Okuwa
政幸 大▲桑▼
Yutaka Nonomura
裕 野々村
Atsushi Tsukada
厚志 塚田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 X軸,Y軸方向の固有振動数のうち、Y軸方
向の固有振動数のみを独立して調整する。 【構成】 角速度検出素子10は、基部12の一端から
振動片14,16を平行に突出して備え、その反対側端
面において固定枠に保持される。また、両振動片の付け
根の股部における基部12の主面の一部領域(角速度検
出素子10における振動数調整領域)には、振動数調整
体28が形成されている。この振動数調整体28の形成
領域は、振動片をX軸に沿った振動状態に置いた場合と
Y軸に沿った振動状態に置いた場合における応力の差が
大きな領域であり、振動数調整体28のZ軸方向の長さ
z1 は振動片の幅W0 の2.5倍の長さに等しく、X軸
方向の幅x1 は、両振動片間の間隔Dにほぼ等しい。そ
して、振動数調整体28にエッチング,半田つけ等の振
動数調整処置を施してその剛性を変化させ、Y軸方向の
固有振動数fyを調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、振動に関与しない固定
部に固定された基部と、該基部から平行に並んで突出し
た少なくとも2本の振動片とを有する角速度検出素子
と、この角速度検出素子の直交する2方向の固有振動数
を調整する振動数調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】所定方向に沿って振動している振動片、
例えば直交座標軸平面(X−Y平面)におけるX軸に沿
って振動している振動片がこのX−Y平面と直交するZ
軸の回りに回転すると、その回転角速度により振動片に
Y軸方向にコリオリの力が生じる。このコリオリの力は
角速度に比例して定まることから、コリオリの力を振動
片の撓み変位量として間接的に、或いは歪量として圧電
素子の圧電効果,歪ゲージの抵抗変化などで直接的に測
定して、振動片の角速度を求めることができる。このた
め、振動する振動片を角速度検出素子として車両や航空
機等に搭載し、その走行或いは飛行軌跡を記録したり旋
回時に発生するヨーレイトを検出することが行なわれて
いる。また、この角速度検出素子をロボットに搭載して
その姿勢制御にも応用されているばかりか、角速度信号
により制御される機器、例えばロボットや工作機械等に
おける駆動機器或いは回転機器等の角速度の検出に用い
られている。
【0003】この種の角速度検出素子にあっては、直交
する2方向(上記の場合であればX軸方向とY軸方向)
についての振動片の固有振動数、即ち振動片の駆動方向
(励振方向,X軸方向)の固有振動数と検出振動方向
(Y軸方向)の固有振動数が近似すればするほど、コリ
オリの力、延いては角速度の検出感度が向上することが
よく知られている。従って、角速度検出素子を用いる際
には、上記両固有振動数を近似させることが行なわれて
おり、そのための技術が種々提案されている。例えば、
実開昭60−118911には、振動片の根元部に弾性
体(調整用弾性体)を取り付け、その形状や取付位置を
調節することで両固有振動数の差を調整する技術が提案
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
公報で提案された技術では、両固有振動数の差を小さく
して両固有振動数を近似させることができるものの、次
のような問題点が指摘されている。つまり、調整用弾性
体を振動片の根元に取り付けると、振動する部位の形状
が変わるため、具体的には調整用弾性体のない振動片か
ら調整用弾性体のある振動片に変わるため、一方の固有
振動数のみならず他方の固有振動数も必然的に変化す
る。例えば、調整用弾性体の取付の結果、X軸方向の固
有振動数が小さく或いは大きくなれば、Y軸方向の固有
振動数も、X軸方向の固有振動数との振動数の差は小さ
くなるものの、変化してしまう。よって、いずれか一方
の固有振動数だけを独立に調節して両固有振動数を近接
させることができなかった。このため、両固有振動数を
その差が所定値となるよう振動片に調整用弾性体を取り
付けた場合、以下に説明するように、調整前の両固有振
動数の差以上に或いは目標とする調整幅以上に、固有振
動数を調整する必要があり煩雑であった。
【0005】調整前の両固有振動数がa,b(a>b)
でありその差がc(=a−b)であるとし、一方の固有
振動数がaからa−c1 (c>c1 )になれば両固有振
動数の差が所定値c0 (=c−c1 )となると仮定した
場合を例に採り説明する。この場合には、調整前の両固
有振動数の差がcであり、目標とする調整幅がc1 であ
る。ある調整用弾性体の取付により、一方の固有振動数
がaからa−c1 に調整することができても、他方の固
有振動数もbからb−c2 (c1 >c2 )となる。この
時点での両固有振動数の差は、(a−c1 )−(b−c
2 )=(a−b)−c1 +c2 =(c−c1 )+c2 =
c0 +c2 となり、上記所定値c0 よりまだ大きい。よ
って、一方の固有振動数をa−c1 から更に小さくする
よう調整用弾性体を取り付けたりその形状等を調整する
必要がある。つまり、調整用弾性体の取付,形状変更等
を繰り返して行なって一方の固有振動数を目標とする調
整幅c1 以上に調整しないと、両固有振動数の差を所定
値c0 とすることはできない。また、このような調整を
行なっているうちに、一方の固有振動数の実際の調整量
が当初の両固有振動数の差cを越えてしまうこともあ
る。
【0006】更に、両固有振動数が変化してしまうこと
に付随して、次のような不具合も起きる。一般に、角速
度検出素子を用いる場合には、振動片をX軸方向又はY
軸方向のいずれかの励振方向に継続して振動させておく
必要があるので、振動片の励振手段、例えば圧電体や電
極には、その軸方向の固有振動数に等しい周波数の交流
電圧が常時印加されている。ところで、上記したように
振動片についての両固有振動数はその調整によりいずれ
も変化しているので、角速度検出素子個々の間では励振
方向についての固有振動数が相違し、各角速度検出素子
間には個体差があることになる。このため、故障等によ
り角速度検出素子を交換した場合、その都度に上記交流
電圧の周波数変更或いは交流電圧印加機器の交換の必要
があり煩雑である。また、このような周波数の変更等を
しないと、安定した振動片の振動を得ることができない
ので素子の検出感度の低下を招いてしまう。
【0007】本発明は、上記問題点を解決するためにな
され、直交する2方向の固有振動数が近接するよういず
れかの固有振動数を独立して調整可能な振動数調整方法
と、両方向の固有振動数が近接した角速度検出素子を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めになされた請求項1記載の振動数調整方法の採用した
手順は、振動に関与しない固定部に固定された基部と、
該基部の一端から平行に並んで突出した少なくとも2本
の振動片とを有する角速度検出素子の直交する2方向の
固有振動数を調整する方法において、前記各振動片の並
びに沿った方向をX軸と規定し、該X軸に沿って前記振
動片を振動させた場合の該振動片の固有振動数を求める
工程と、前記X軸と前記振動片の長手方向とに直交する
方向をY軸と規定し、該Y軸に沿って前記振動片を振動
させた場合の該振動片の固有振動数を求める工程と、前
記Y軸と直交する前記基部の主面における所定領域の振
動数調整領域であって、前記各振動片の股部から前記振
動片の長手方向と平行に前記基部側に所定距離だけ入り
込んだ前記振動数調整領域の剛性を、前記両固有振動数
の差に応じて増減する工程とを備えることをその要旨と
する。
【0009】また、請求項3記載の角速度検出素子の採
用した手段は、振動に関与しない固定部に固定された基
部と、該基部の一端から平行に並んで突出した少なくと
も2本の振動片とを有する角速度検出素子において、前
記各振動片の並びに沿った方向と前記振動片の長手方向
とに直交する方向をY軸と規定したときに、該Y軸と直
交する前記基部の主面における所定領域を、前記各振動
片の股部から前記振動片の長手方向と平行に前記基部側
に所定距離だけ入り込んだ振動数調整領域として有し、
該振動数調整領域に、剛性が増減可能な振動数調整体を
備えることをその要旨とする。
【0010】更に、請求項5記載の角速度検出素子の採
用した手段は、振動に関与しない固定部に固定された基
部と、該基部の一端から平行に並んで突出した少なくと
も2本の振動片とを有する角速度検出素子において、前
記各振動片の並びに沿った方向と前記振動片の長手方向
とに直交する方向をY軸と規定したときに、該Y軸と直
交する前記基部の主面における所定領域を、前記各振動
片の股部から前記振動片の長手方向と平行に前記基部側
に所定距離だけ入り込んだ振動数調整領域として有し、
該振動数調整領域に該当する範囲の前記基板主面には、
剛性を増減させる剛性増減処置が施されていることをそ
の要旨とする。
【0011】
【作用】上記した角速度検出素子の振動数調整方法で
は、直交する2方向の固有振動数の調整を振動数調整領
域にて行なうが、この振動数調整領域は、次のような性
質を有する。
【0012】少なくとも2本の振動片を基部の一端から
平行に並んで突出して有する角速度検出素子では、振動
片がその並びに沿ったX軸に沿って振動した際に素子上
に応力(引っ張り応力と圧縮応力および剪断応力)が発
生し、その大きさに応じて分布する。同様に、振動片が
このX軸および振動片の長手方向に直交する方向である
Y軸に沿って振動した際にも、素子上には応力(引っ張
り応力と圧縮応力および剪断応力)が発生、その大きさ
に応じて分布する。そして、振動片がX軸に沿って振動
した際の応力とY軸に沿って振動した際の応力の差は、
素子上において各振動片の股部から振動片の長手方向と
平行に基部側に所定距離だけ入り込んだ領域で大きな値
として分布することが解析により判明した。
【0013】よって、請求項1記載の角速度検出素子の
振動数調整方法では、この領域を振動数調整領域とし、
その剛性をX軸方向の固有振動数とY軸方向の固有振動
数の差に応じて増減することで、直交する2方向の固有
振動数の調整を行なうことが可能となる。つまり、この
振動数調整領域では、振動片がY軸に沿って振動する際
の発生応力はX軸に沿って振動する際の発生応力よりも
大きいため、Y軸方向の固有振動数のみの調整(増減)
が可能となる。
【0014】振動数調整領域の剛性をX軸方向の固有振
動数とY軸方向の固有振動数の差に応じて増減するに際
して、振動片の上記両固有振動数を求めるには、実際に
振動片を両方向に振動させその時の振動数を測定すれば
よい。また、振動片の材質,寸法,断面積等に基づき数
値計算して求めてもよい。
【0015】上記した応力分布および応力の差の分布
は、少なくとも2本の振動片を基部の一端から平行に並
んで突出して有する角速度検出素子であれば、その材
質,寸法等に拘らず不偏的に表われる現象である。よっ
て、振動片の幅やその材質等に特別な制約はなく、適宜
選択可能である。例えば、適当な振動を生じるものであ
ればよく、アルミニウム,ジュラルミン,恒弾性材料等
の金属は勿論、Si,Ge等の半導体、SiO2 ,Si
34等のセラミックや誘電体、水晶,ピエゾ素子(PZ
T),PbTiO3 等の圧電体等、如何なる材料を角速
度検出素子に用いることができる。
【0016】上記した角速度検出素子の振動数調整方法
において、振動数調整領域の剛性を増減する工程を、振
動数調整領域に当たる基部主面を削り取る又は質量体を
接合する工程か、振動数調整領域に設けられた振動数調
整体を削り取る又は質量体を接合する工程とした。振動
数調整領域の剛性を増減する工程をこのような工程とす
ることで、日常的な処置、例えば切削,エッチング,半
田付け,金属やセラミック等の接着などを経て、Y軸方
向の固有振動数のみの調整(増減)が可能となる。
【0017】一方、請求項3に記載した角速度検出素子
では、振動片がX軸に沿って振動した際の応力とY軸に
沿って振動した際の応力の差が大きな値として分布する
領域である基部主面上の振動数調整領域に、その剛性が
増減可能な振動数調整体を備える。このため、この角速
度検出素子は、振動数調整体の剛性を、Y軸方向の振動
の固有振動数と各振動片の並びに沿った方向の振動の固
有振動数との差に応じて増減できるので、Y軸方向の固
有振動数のみの調整(増減)を経て両方向の固有振動数
を近接させることが可能となる。
【0018】この場合、角速度検出素子における振動数
調整体は、基板主面の振動数調整領域に接着したり振動
数調整領域に該当する範囲の基板主面に埋設すればよ
い。また、このようにして設けた振動数調整体の剛性
は、削り取り或いは質量体の接合等といった日常的な処
置、例えば切削,エッチング,半田付け,金属やセラミ
ック等の接着などの処置を経て、増減する。
【0019】また、請求項4に記載した角速度検出素子
では、振動数調整体を、外部から印加された電場或いは
磁場の大きさに応じて剛性が増減するものとすること
で、電場或いは磁場の大きさの調整によりY軸方向の固
有振動数のみの調整(増減)を行ない、両方向の固有振
動数を近接させることが可能となる。
【0020】更に、請求項5に記載した角速度検出素子
では、振動数調整領域に該当する範囲の基板主面に、剛
性を増減させる剛性増減処置を直接施すことで、その処
置量の調整を経てY軸方向の固有振動数のみの調整(増
減)を行ない、両方向の固有振動数を近接させることが
可能となる。この場合、剛性増減処置として、削り取り
或いは質量体の接合等といった日常的な処置、例えば切
削,エッチング,半田付け,金属やセラミック等の接着
などの処置を採ることができる。
【0021】なお、上記したX軸,Y軸は、振動片を振
動させた場合等において直交する2つの方向を規定する
ために例示的に用いたものである。
【0022】
【実施例】次に、本発明に係る角速度検出素子の好適な
実施例について、図面に基づき説明する。図1は、実施
例の角速度検出素子10の斜視図である。図示するよう
に、角速度検出素子10は、基部12の一端から対とな
る2本の振動片14,16を平行に突出して備える単一
音叉型の素子であり、基部12のその反対側端面におい
て図示しない固定枠等に固定され当該固定枠に保持され
る。この角速度検出素子10の説明に際しては、振動片
14,16の並びに沿った方向をX軸と規定し、このX
軸と各振動片の長手方向とに直交する方向をY軸と規定
し、X−Y平面と直交する方向、即ち振動片の長手方向
をZ軸と規定することとする。また、後述する他の実施
例についても同様である。
【0023】この角速度検出素子10は、例えばジュラ
ルミン等の軽合金の板材(弾性体)に適宜な機械加工を
施し、図示する形状に形成されている。この場合、角速
度検出素子10の寸法(長さL×横幅W×厚みt)は、
60.0mm×10.0mm×3.0mmであり、各振
動片14,16の寸法(長さL0 ×幅W0 ×厚みt)
は、40.0mm×2.8mm×3.0mmである。ま
た、振動片間の間隔Dは、4.0mmである。
【0024】また、図1およびその2−2線拡大断面図
である図2に示すように、各振動片には、チタン酸ジル
コン酸塩等の圧電体がそれぞれ設けられている。つま
り、振動片14と振動片16の両側面(X軸が直交する
Y−Z平面と平行な面)には、一対の圧電体20,21
と圧電体22,23とが、振動片14と振動片16の上
下面(Y軸が直交するX−Z平面と平行な面)には、一
対の圧電体24,25と圧電体26,27がそれぞれ対
向して接着・固定されている。そして、各対の圧電体に
おけるそれぞれの圧電体には、図示しない導電ラインが
各振動片の振動を阻害しないように配線されている。
【0025】このため、振動片14および振動片16の
圧電体20,21と圧電体22,23に交流電圧を印加
すれば、振動片14,振動片16はX軸に沿って振動す
る。一方、このようにX軸に沿って振動している振動片
14,振動片16にZ軸回りに回転角速度が加わると、
コリオリの力が作用して当該振動片はY軸方向に沿って
振動する。よって、振動片14および振動片16の圧電
体24,25と圧電体26,27からは、このY軸に沿
った振動の振動状態が検出できる。なお、一方の振動片
をX軸に沿って振動させればその振動が他の振動片に伝
播し両振動片ともX軸に沿った振動状態に置くことがで
きるので、交流電圧の印加は振動片14の圧電体20,
21に対してしか行なわれない。この際の交流電圧の印
加の様子等については後述する。
【0026】更に、上記両振動片の付け根の股部におけ
る基部12の主面の一部領域は、この角速度検出素子1
0における振動数調整領域であり、他の領域から約1m
m程度盛り上がった振動数調整体28とされている。つ
まり、この振動数調整体28の占める領域の厚みが4m
m、それ以外の領域の厚みが上記した3.0mmとなる
ように研磨等をすることで、振動数調整体28は基部1
2と一体に形成される。この振動数調整体28の形成領
域は、角速度検出素子10における振動片14,16を
X軸に沿った振動状態に置いた場合とY軸に沿った振動
状態に置いた場合における応力の差の分布から、次のよ
うにして定まる。
【0027】図3に示すように、角速度検出素子10と
外形形状が等しく振動数調整体28を有しない角速度検
出素子の振動片をX軸に沿って振動させた場合、当該素
子には引っ張り,圧縮および剪断の応力が発生し図3
(A)のように分布する。一方、この素子の振動片をY
軸に沿って振動させた場合にあっても、素子にはこれら
応力が発生し図3(B)のように分布する。この結果、
この素子の振動片をY軸に沿って振動させた場合の応力
とX軸に沿って振動させた場合の応力の差は、図3
(C)のように分布する。この図3(C)において、そ
の応力差が大きい領域は、各振動片の並びに沿った面と
平行な基部主面上で各振動片の付け根間領域に見られ、
この領域の所定範囲が振動数調整体28の形成領域に相
当する。そして、この振動数調整体28の形成領域は、
図3(C)に示すように、振動片14,16の幅W0 に
対して以下に説明する関係にある。
【0028】つまり、振動数調整体28周辺の正面図で
ある図4に示すように、振動数調整体28は、Z軸方向
にz1 の長さとX軸方向にx1 の幅を有し、その一端
(図における上端)は、基部12の振動片股部端面と一
致している。振動数調整体28のX軸方向の幅x1 は、
両振動片14,16間の間隔Dにほぼ等しく、Z軸方向
の長さz1 は、振動片14,16の幅W0 の2.5倍の
長さ(本実施例にあっては2.5×2.8=7.0m
m)に等しい。しかも、振動数調整体28のうち、基部
12の振動片股部端面に近い領域ほど上記した応力差は
大きく表われ、その様子を模式的に示すと、図中にで
示された領域の応力差が最も大きく、以下,,,
の順に応力差は小さくなる。また、振動数調整体28
以外の基板主面では、応力差が生じるものの、振動数調
整体28から離れるほど応力差は小さくなる。
【0029】この振動数調整体28の長さz1 は2.5
×W0 以内の値(長さ)であればよく、2.5×W0 の
値(長さ)を越える場合には、2.5×W0 以内の値
(長さ)の範囲内で後述する振動数調整処置を行なえば
よい。換言すれば、基部12の主面において上記した振
動数調整領域(各振動片の付け根間領域で振動片の幅W
0 の2.5倍以内の領域)で、振動数調整体28を経て
振動数調整処置を行なえば振動数調整に好適であるが、
この領域以外では応力差が小さいために振動数調整が難
しくなる。なお、振動数調整体28のX軸方向の幅x1
にあっては、上記した応力の差の分布に応じて適宜変更
可能である。
【0030】上記した応力分布および応力の差の分布は
本実施例における角速度検出素子10に固有の現象では
なく、少なくとも2本の振動片を基部から平行に並んで
突出して有する角速度検出素子であれば、その材質,寸
法,振動数調整体28の有無等に拘らず不偏的に表われ
る現象である。よって、振動片の幅W0 は、本実施例の
数値(2.8mm)に限定されることはなく任意の値と
することができる。また、角速度検出素子の材料として
は、ジュラルミン以外の金属(金属弾性体)のほか、水
晶,半導体やガラス等であってもよい。
【0031】次に、この角速度検出素子10の回路構成
について図5のブロック図を用いて説明する。この図5
に示すように、角速度検出素子10の振動片14および
振動片16における一対の圧電体20,21および圧電
体22,23は励振側回路29に、振動片16における
一対の圧電体24,25および圧電体26,27は検出
側回路37にそれぞれ接続されている。
【0032】励振側回路29は、振動片14の圧電体2
0,21に交流電圧を印加する励振回路30と、振動片
16の圧電体22,23が圧電効果により生じる電気信
号の位相を揃える検出バランス調整回路32と、入力し
た電気信号のレベルに拘らず一定の出力レベルとするオ
ートマティックゲインコントローラ(AGC)34と、
振動片14のX軸方向の固有振動数(共振周波数)を中
心とした所定幅の周波数の電気信号を選別するバンドパ
スフィルタ36とから構成される。そして、この励振側
回路29は、励振回路30により、振動片14の圧電体
20,21に振動片14のX軸方向の固有振動数と一致
する周波数の交流電圧を常時印加し、振動片14をX軸
に沿って励振させる。その様子については、後述する。
【0033】一方、検出側回路37は、振動片14,1
6における二対の圧電体24,25と圧電体26,27
とが接続された検出バランス調整回路38を備える。こ
の検出バランス調整回路38は、上記二対の圧電体の圧
電効果により生じる電気信号(交流電圧)の位相の調整
と、角速度検出素子10に横加速度が作用した際の各振
動片の撓みにより検出される電気信号の相殺とを行な
う。そして、検出側回路37は、この検出バランス調整
回路38により調整された電気信号の出力レベルを増幅
する増幅回路40と、交流電圧である電気信号の負の部
分を反転して正電圧とし整流作用をはたす同期検波回路
42と、正電圧化された電気信号を整流電圧の電気信号
とする積分回路44と、整流電圧の電気信号の出力レベ
ルを増幅する増幅出力回路46とから構成される。
【0034】励振側回路29の励振回路30からは、振
動片14の圧電体20,21にこの振動片14のX軸方
向の固有振動数と一致する周波数の交流電圧が印加され
るため、圧電体20,21のそれぞれは、逆圧電効果に
より電圧に応じてそれぞれ伸縮する。この交流電圧の印
加に当たっては、圧電体20,21のそれぞれに位相が
180度異なる交流電圧が印加されるので、圧電体2
0,21の各圧電体の伸縮は、一方が伸びるときに他方
が縮み、一方が縮むときに他方が伸びることとなる。こ
の結果、振動片14は、図中X軸方向に沿ってその固有
振動数で振動する。そして、この振動片14のX軸に沿
った振動は他の振動片16に伝播し、これら振動片はX
軸に沿って振動する。
【0035】振動片16がこのようにX軸に沿って振動
すると、この振動片における圧電体22,23は振動に
伴って伸縮し、圧電効果により各圧電体の伸縮に応じた
交流電圧の電気信号を生じる。圧電体22,23の各圧
電体の伸縮は互いに逆となるので、生じる電気信号は、
位相が180度異なる交流電圧となる。この電気信号
は、検出バランス調整回路32により一方の電気信号を
反転して位相が揃えられ、AGC34により出力レベル
を一定(振動片14の固有振動数を中心とした所定幅)
にされる。そして、バンドパスフィルタ36により固有
振動数を中心とした所定幅の電気信号が選別され、励振
回路30により選別された電気信号が振動片14におけ
る圧電体20,21に印加される。従って、振動片14
における圧電体20,21には、振動片14の固有振動
数で、かつ一定レベルの交流電圧が常時印加される。こ
のため、振動片14は、X軸方向の固有振動数で定常的
に一定の振幅で振動を継続するので、他の振動片16も
X軸に沿って継続して振動する。
【0036】また、振動片14とその振動が伝播して振
動する振動片16とがX軸に沿って継続して振動してい
る状態にあるときに、角速度検出素子10にX−Y平面
に直交するZ軸の回りに回転角速度ωが作用すると、振
動片14,16は式F=2mV・ωで表わされるコリオ
リの力Fを受けてY軸に沿って振動する。ここで、mは
振動片14,16の振動部分の質量、Vは振動部分の速
度である。この振動部分の速度Vは、式V=Aω・cos
ωt で表わされ、回転角速度ωが一定のときには振動
片14,16のX軸方向の振動の振幅Aに比例する。従
って、コリオリの力Fは振動片14,16のX軸方向の
振動の振幅Aを大きくすることにより大きくすることが
できる。
【0037】このように振動片14,16がコリオリの
力Fを受けてY軸に沿って振動すると、両振動片は、X
軸方向の振動とY軸方向の振動とにより、全体として楕
円運動を起こす。振動片14,16における圧電体2
4,25および圧電体26,27は、この楕円運動のY
軸方向成分の振動に伴って伸縮し、各圧電体の圧電効果
により各圧電体の伸縮に応じた交流電圧の電気信号を生
じる。この電気信号は、各圧電体の伸縮を反映したもの
であるので、伸縮が大きくなれば大きな出力レベルの電
気信号となる。従って、検出感度を高くするためには、
振動片14,16の圧電体24,25および圧電体2
6,27から得られる電気信号の出力レベルを近似した
値で大きくすることが必要となる。つまり、振動片1
4,16の圧電体24,25および圧電体26,27を
大きく伸縮させるとともに、両振動片についてX軸およ
びY軸方向の振動の固有振動数をできるだけ近接した値
とすることが望ましい。
【0038】振動片14,16の圧電体24,25およ
び圧電体26,27から得られた電気信号は、検出バラ
ンス調整回路38に入力され、この検出バランス調整回
路38では、各圧電体から生じる電気信号の位相が揃え
られるとともに、横加速度に基づく電気信号が相殺され
る。増幅回路40では、電気信号の出力レベルが増幅さ
れる。同期検波回路42では、励振回路30の参照信号
と同期して交流電圧である電気信号を検波して正電圧と
なる。積分回路44では、正電圧化された電気信号は整
流電圧の電気信号となる。整流電圧の電気信号は、増幅
出力回路46により増幅されて出力される。つまり、コ
リオリの力Fによる振動片14,16のY軸に沿った振
動の振動状態を反映した電気信号が、検出側回路37の
検出バランス調整回路38等を経て、Z軸回りの回転角
速度ωの方向と大きさを表わすリニアな電気信号として
図示しない電子制御装置に出力される。このため、角速
度検出素子10を車両に搭載すれば、車両の旋回方向と
その単位時間当たりの大きさを検出することができる。
なお、横加速度を無視するのであれば、振動片16にお
ける圧電体26,27のみから電気信号を得れば足り
る。
【0039】次に、振動数調整体28による振動片の振
動数調整の様子について説明する。本実施例における振
動数調整処置は、図1に示した振動数調整体28の剛性
の変化量を通して角速度検出素子10全体としての剛性
の変化を得る処置である。具体的には、振動数調整体2
8の厚みを変更してその部位の剛性を減少或いは増加
(付加)し、この剛性の変化でY軸方向の固有振動数を
調整する処置である。この処置における厚みの変更の度
合いは、剛性の変化量を通してY軸方向の固有振動数f
yの変化量に反映し、振動数調整体28を削り取って厚
みを薄くすれば剛性の低下によりY軸方向の固有振動数
fyは小さくなり、振動数調整体28に半田付け等を施
して厚みを厚くすれば剛性の付加によりY軸方向の固有
振動数fyは大きくなる。この場合、振動数調整体28
の厚みの変更は、振動数調整体28の全面に亘るもので
もよく、その一部領域に亘るものでもよい。また、厚み
が部分的に変化していてもよい。
【0040】まず、振動片14,振動片16のY軸方向
の固有振動数fyがX軸方向の固有振動数fxより大き
い場合について説明する。なお、振動数調整前のX軸方
向の固有振動数fxとY軸方向の固有振動数fyは、測
定の結果、Y軸方向の固有振動数fyは1270Hz、
X軸方向の固有振動数fxは1252Hzであった(図
7参照)。この場合には、調整後の両固有振動数の差が
10Hz以内となれば角速度検出素子10における検出
感度は実用的に満足するものとなることから、この際の
目標とする調整幅は10Hzである。
【0041】調整前の上記両固有振動数が上記の値であ
れば、Y軸方向の固有振動数fyを小さくすればよいの
で、振動数調整体28の表面にエッチング処理を施して
振動数調整体28の厚みを薄くする振動数調整処置を行
なった。エッチング処理により、図6に示すように、振
動数調整体28は中央ほど多くの量が削り取られ、その
厚みは振動数調整体28の全面に亘って変化し、中央ほ
ど変化の度合いは高い。つまり、図示するように、振動
数調整体28の中央のエッチング深さがdとなるように
振動数調整体28の長手方向エッジ部からθの角度でエ
ッチングして、振動数調整体28の厚みを薄くした。こ
の際の削り込み深さ(エッチング深さd)とX軸方向の
固有振動数fxおよびY軸方向の固有振動数fyとの関
係を求めた結果、図7に示す関係が得られた。
【0042】この図7に示すように、振動数調整体28
の削り込み深さとY軸方向の固有振動数fyとの間に
は、負の傾きの直線関係があるものの、X軸方向の固有
振動数fxは初期値(1252Hz)のままほぼ一定で
あった。そして、振動数調整体28を約0.1mm削り
込むことで、振動片14,16についてのY軸方向の固
有振動数fyを1260HzにしてX軸方向の固有振動
数fx(1252Hz)に近接させ、両固有振動数の差
を10Hz以内とすることができた。
【0043】また、Y軸方向の固有振動数fyがX軸方
向の固有振動数fxより小さい場合(例えば、Y軸方向
の固有振動数fyが1250Hzで、X軸方向の固有振
動数fxが1270Hzの場合)は、振動数調整体28
の表面には半田付けをしてその厚みを厚くし、Y軸方向
の固有振動数fyを増加させた。この場合にも、X軸方
向の固有振動数fxを初期値(1270Hz)から変化
させることなく、Y軸方向の固有振動数fyのみを12
60HzにしてX軸方向の固有振動数fx(1270H
z)に近接させ、両固有振動数の差を10Hz以内とす
ることができた。
【0044】以上説明したように、本実施例の角速度検
出素子10によれば、振動数調整処置として振動数調整
体28にエッチング,半田付け等の日常的な処置を施す
だけで、振動数調整体28の剛性の増減を通して、X軸
方向の固有振動数fxを初期値から変化させることな
く、Y軸方向の固有振動数fyのみを変化させて両固有
振動数の差を所定値範囲内とすることができた。この結
果、本実施例の角速度検出素子10によれば、両固有振
動数が近接したことに基づき、感度よく回転角速度、延
いてはコリオリの力を検出することができる。
【0045】また、Y軸方向の固有振動数fyを調整す
るに当たり、振動数調整処置量(エッチングによる削り
込み量,半田付け量等)とY軸方向の固有振動数fyと
の関係を実験等により事前に知ることができるととも
に、その調整量を目標とする調整幅と一致させることが
できる。このため、本実施例の角速度検出素子10によ
れば、振動数調整を容易に行なうことができる。しか
も、X軸方向の固有振動数fxを変化させないので、個
々の角速度検出素子10における振動片のX軸方向の固
有振動数fxをほぼ一定の値とすることが可能である。
このため、バンドパスフィルタ36のバンド幅を所定値
に限定することができる。よって、角速度検出素子10
の交換の都度に、交換された角速度検出素子10に適合
したバンド幅のバンドパスフィルタ36を用いる必要が
ないので、本実施例の角速度検出素子10によれば、回
路構成を簡略化することができるとともに、安定した振
動片の振動を得ることができ素子の検出感度の低下を招
かない。
【0046】更に、本実施例の角速度検出素子10で
は、振動数調整のための振動数調整体28を基部12の
主面上に設け、両振動片と干渉させない。よって、振動
数調整体28に振動数調整のための処置を加える際に、
当該処置のための作業(具体的には、切削,エッチン
グ,半田付け,弾性体の接着等の作業)を圧電体20,
21および圧電体22,23は勿論、圧電体24,25
および圧電体26,27と干渉することなく行なうこと
ができる。この結果、本実施例の角速度検出素子10に
よれば、振動数調整のための作業の簡略化を図ることが
できる。
【0047】この他、本実施例の角速度検出素子10で
は、振動数調整体28を振動片の根元に設ける必要がな
いため、各振動片が振動した際の歪が著しい振動片の根
元に振動用或いは振動検出用の圧電体を設けることがで
きる。この結果、本実施例の角速度検出素子10によれ
ば、各振動片14,16についてX軸およびY軸方向の
振動の固有振動数を近接させることができることと相俟
って、圧電体20,21および圧電体22,23ばかり
か圧電体24,25および圧電体26,27を大きく伸
縮させることができるので、振動片14,振動片16を
効率よくX軸に沿って振動させることができるととも
に、この両振動片に作用するコリオリの力、延いては回
転角速度ωの方向およびその大きさ(ヨーレイト)を感
度よく検出できる。
【0048】次に、本発明にかかる他の実施例の角速度
検出素子について説明する。この第2の実施例の角速度
検出素子50は、図8に示すように、基部52の一端か
ら対となる2本の振動片54,56を平行に突出して備
えた単一音叉型の素子であり、基部52のその反対側端
面において図示しない固定枠等に固定され当該固定枠に
保持される。そして、角速度検出素子50は、この固定
枠に基部52を一体にして、単結晶体である水晶の板材
(水晶板)をエッチングして形成されている。この角速
度検出素子50にあっても、角速度検出素子10と同
様、振動片54,56の並びに沿った方向がX軸であ
り、このX軸と各振動片の長手方向とに直交する方向が
Y軸、X−Y平面と直交する方向、即ち振動片の長手方
向がZ軸である。
【0049】水晶板のエッチングに際しては、水晶自体
の逆圧電効果により角速度検出素子50の振動片54,
56がY軸に沿って振動するよう、水晶自体の圧電効果
によりこの両振動片のX軸に沿った振動を検出できるよ
うエッチングされる。また、エッチングに当たっては、
水晶板に固定枠,基部52および両振動片の輪郭を金属
マスク或いはフォトリソグラフィ等の印刷手法を用いて
描き、この輪郭に倣ってエッチングされる。なお、エッ
チングに際しては、水晶の結晶配列で規定されるZ面が
用いられる。即ち、Y軸方向が、水晶の結晶面のミラー
指数表示で<0001>に相当する。
【0050】この角速度検出素子50の寸法(長さL×
横幅W×厚みt)は、6.0mm×1.1mm×0.3
mmであり、各振動片14,16の寸法(長さL0 ×幅
W0×厚みt)は、4.0mm×0.30mm×0.2
8mmである。また、振動片間の間隔Dは、0.40m
mである。
【0051】そして、この角速度検出素子50は、水晶
自体が圧電効果を発揮する材料であるので、振動片54
にはこの振動片をY軸に沿って励振するための電極を備
える。また、角速度検出素子50は、振動片56にはこ
の振動片がX軸に沿って振動した場合にその振動状態を
検出するための電極を備える。
【0052】具体的に説明すると、図8およびその9−
9線拡大断面図である図9に示すように、振動片54の
上下面(Y軸が直交するX−Z平面と平行な面)のそれ
ぞれに、プラス電極60,マイナス電極62を並べて備
える。一方、振動片56にあっては、その上下面のそれ
ぞれにプラス電極68を、その両側面(X軸が直交する
Y−Z平面と平行な面)のそれぞれにマイナス電極70
を備える。この両側面のマイナス電極70は、図8に示
すように、振動片56先端において導通されている。ま
た、基部52には、上記した各電極に到る配線72,7
3,76,77を備える。この場合、振動片56のマイ
ナス電極70に到る配線77は、両側面の両マイナス電
極70が振動片56先端において導通されているので、
基部52の上面にのみ形成されており、その他の配線
は、基部52の上下面に形成されている。なお、これら
電極および配線は、角速度検出素子50の表面への導電
性の薄膜形成,フォトレジスト処理等の周知の半導体製
造技術により形成される。
【0053】この角速度検出素子50における振動片5
4のプラス電極60,マイナス電極62に配線72,7
3を介して励振回路(発振回路)を接続すれば、振動片
54をY軸に沿って定常的にその固有振動数で振動させ
てこの振動を振動片56に伝播し、両振動片をY軸に沿
った定常的な振動状態におく。一方、このようにY軸に
沿って振動している振動片54,振動片56に回転角速
度が加わるとコリオリの力が作用して当該振動片がX軸
方向に沿って振動するので、振動片56のプラス電極6
8,マイナス電極70からコリオリの力、延いてはヨー
レイトを検出することができる。
【0054】更に、第2の実施例における角速度検出素
子50では、上記両振動片の付け根の股部における基部
52の主面の一部領域が、この角速度検出素子50にお
ける振動数調整領域であり、この領域には、アルミニウ
ム製の薄板(板厚約0.1mm)からなる振動数調整体
80が接着固定されている。この振動数調整体80が接
着固定される領域も、既述した角速度検出素子10にお
ける振動数調整体28と同様、振動片54,56をX軸
に沿った振動状態に置いた場合とY軸に沿った振動状態
に置いた場合における応力の差が大きい領域である。そ
して、図10に示すように、振動数調整体80のZ軸方
向の長さz1 は、ほぼ振動片54,56の幅W0 (0.
3mm)に等しく、X軸方向の幅x1 は、両振動片5
4,56間の間隔Dにほぼ等しい。なお、上記した振動
数調整体28と同様に、Z軸方向の長さz1 を振動片5
4,56の幅W0 の2.5倍の長さとすることもでき
る。
【0055】この振動数調整体80は、図10に示すよ
うに、けがき線により格子状にその領域が分割されてお
り、おのおのの分割領域を振動数調整単位部80(i,
j)とする(添え字i,jは、行列を表わす。i,j=
1〜6)。つまり、振動数調整体80は、振動数調整単
位部80(i,j)を2次元のマップ状に有する。
【0056】次に、振動数調整体80による振動片の振
動数調整の様子について説明する。この第2の実施例に
おける振動数調整処置は、図8,図10に示した振動数
調整体80の剛性の変化量を通して角速度検出素子50
全体としての剛性の変化を得る処置である。具体的に
は、振動数調整単位部80(i,j)を個別に或いは組
み合わせ、その単位部を所定の深さで削り取って或いは
除去することで剛性を低下させてY軸方向の固有振動数
fyを小さくし、その単位部を半田付け等により所定量
盛り上げて剛性を付加しY軸方向の固有振動数fyを大
きくする。
【0057】この振動数調整単位部80(i,j)とY
軸方向の固有振動数fyの変化の様子との関係は、振動
数調整体80が振動数調整体28と同様に角速度検出素
子50における振動数調整領域に設けられていることか
ら、図11の模式図のようになる。つまり、同じ列の振
動数調整単位部80(i,j)であれば、基部52の振
動片股部端面に近いほど、即ち行番号iの小さい振動数
調整単位部80(i,j)ほどY軸方向の固有振動数f
yの変化量は大きくなり、行番号iの大きい振動数調整
単位部80(i,j)ほどY軸方向の固有振動数fyの
変化量は小さくなる。また、同じ行の振動数調整単位部
80(i,j)であれば、中央の単位部ほど(j=3,
4)ほどY軸方向の固有振動数fyの変化量は大きくな
り、その両側の振動数調整単位部80(i,j)ほどY
軸方向の固有振動数fyの変化量は小さくなる。
【0058】従って、Y軸方向の固有振動数fyを調整
するには、図11に模式的に示したY軸方向の固有振動
数fyの変化量,調整前のX軸方向の固有振動数fxと
Y軸方向の固有振動数fyとの差および目標とする調整
幅等に基づいて、除去対象或いは半田付け対象となる振
動数調整単位部80(i,j)を選択する。次いで、選
択した振動数調整単位部80(i,j)を除去或いは半
田付けすれば、X軸方向の固有振動数fxを変化させる
ことなく、Y軸方向の固有振動数fyをX軸方向の固有
振動数fxに近接させ、両固有振動数の差を所定値以内
とすることができる。
【0059】以上説明したように、第2の実施例の角速
度検出素子50では、振動数調整体80の振動数調整単
位部80(i,j)にエッチング等による削り取りや除
去或いは半田付け等の振動数調整処置を施すだけで、X
軸方向の固有振動数fxを初期値から変化させることな
く、Y軸方向の固有振動数fyのみを変化させて両固有
振動数の差を所定値範囲内とすることができる。この結
果、第2の実施例の角速度検出素子50によれば、上記
した角速度検出素子10と同様の効果、例えばY軸方向
の固有振動数の独立調整,調整作業や回路構成の簡略化
等の効果を奏することができる。
【0060】また、この第2の実施例の角速度検出素子
50によれば、調整処置の対象となる振動数調整単位部
80(i,j)を組み合わせることで、よりきめ細かく
Y軸方向の固有振動数fyを調整できるので両固有振動
数をより近接させることができる。
【0061】しかも、角速度検出素子50では、各電極
に到る通電用の配線を他の電極との干渉を振動片におい
て考慮することなく形成できる。このため、角速度検出
素子50によれば、配線を太く形成して高い電圧の印加
を図ることができ、振動片をより大きな振幅で振動させ
て検出感度を向上させることができる。
【0062】次に、第3の実施例について説明する。こ
の第3の実施例の角速度検出素子100は、図12に示
すように、基部102の一端から3本の振動片104,
106,108を平行且つ一列に突出して備える複数音
叉型の素子であり、基部102のその反対側端面におい
て図示しない固定枠等に固定され当該固定枠に保持され
る。この角速度検出素子100にあっても、角速度検出
素子10,50と同様、振動片104,106,108
の並びに沿った方向がX軸であり、このX軸と各振動片
の長手方向とに直交する方向がY軸、X−Y平面と直交
する方向、即ち振動片の長手方向がZ軸である。
【0063】この角速度検出素子100は、第1の実施
例における角速度検出素子10と同様、ジュラルミン等
の軽合金の板材(弾性体)に適宜な機械加工を施し、図
示する形状に形成されている。この場合、角速度検出素
子100の各振動片104,106,108の寸法(長
さL0 ×幅W0 ×厚みt)および振動片間隔Dは、角速
度検出素子10と同一である。
【0064】また、図12およびその13−13線拡大
断面図である図13に示すように、各振動片には、チタ
ン酸ジルコン酸塩等の圧電体がそれぞれ設けられてい
る。つまり、振動片104,106,108の両側面
(X軸が直交するY−Z平面と平行な面)には、一対の
圧電体110,111と圧電体112,113と圧電体
114,115とが、振動片104,106,108の
上下面(Y軸が直交するX−Z平面と平行な面)には、
一対の圧電体120,121と圧電体122,123と
圧電体124,125とがそれぞれ対向して接着・固定
されている。そして、各対の圧電体におけるそれぞれの
圧電体には、図示しない導電ラインが各振動片の振動を
阻害しないように配線されている。
【0065】このため、振動片104,106,108
の圧電体110,111と圧電体112,113と圧電
体114,115に交流電圧を印加すれば、これら各振
動片はX軸に沿って振動する。一方、このようにX軸に
沿って振動している各振動片に回転角速度が加わるとコ
リオリの力が作用して当該振動片がY軸方向に沿って振
動するので、振動片104,106,108の圧電体1
20,121と圧電体122,123と圧電体124,
125からは、このY軸に沿った振動の振動状態が検出
できる。なお、いずれか一つの振動片をX軸に沿って振
動させればその振動が他の振動片に伝播し各振動片とも
X軸に沿った振動状態に置くことができるので、交流電
圧の印加は振動片104の圧電体110,111に対し
てしか行なわれない。この際の交流電圧の印加の様子等
は、既述した角速度検出素子10の場合と同様であるの
でその説明は省略する。この角速度検出素子100にあ
っては、振動片104と振動片108との間の中央に位
置する振動片106を、振動片104,振動片108の
2倍の振幅で振動することができる。
【0066】更に、上記の各振動片の付け根の股部にお
ける基部102の主面の一部領域を、角速度検出素子1
0,角速度検出素子50と同様に、振動数調整領域と
し、当該領域には、チタン酸ジルコン酸塩等の圧電体か
らなる振動数調整体130が埋設されている。この振動
数調整体が埋設されている領域も、各振動片104,1
06,108をX軸に沿った振動状態に置いた場合とY
軸に沿った振動状態に置いた場合における応力の差が大
きい領域である。
【0067】そして、図12に示すように、振動数調整
体130は、この振動数調整領域に、基部102の振動
片股部端面から僅かな距離を置いて埋設されている。こ
の振動数調整体130のZ軸方向の長さz1 は、ほぼ振
動片104,106,108の幅W0 (2.8mm)に
等しく、X軸方向の幅x1 は、隣合う振動片の間隔Dに
ほぼ等しい。なお、角速度検出素子10における振動数
調整体28と同様に、Z軸方向の長さz1 を振動片10
4,106,108の幅W0 の2.5倍の長さとするこ
ともできる。また、振動数調整体130には、所定電圧
の直流電圧を印加するための図示しない導電ラインが各
振動片の振動を阻害しないように配線されている。
【0068】次に、振動数調整体130による振動片の
振動数調整の様子について説明する。この第3の実施例
における振動数調整処置は、図12に示した振動数調整
体130に極性をも考慮した直流電圧を印加して当該調
整体に電圧に応じた電歪を生じさせ、この電歪による振
動数調整体130の剛性の変化量を通して角速度検出素
子100全体としての剛性の変化を得る処置である。具
体的には、X軸方向の固有振動数fxとY軸方向の固有
振動数fyとの差および目標とする調整幅等に基づい
て、印加する電圧の極性および電圧値を決定する。そし
て、振動数調整体130に決定済みの電圧を印加して振
動数調整体130に電歪を生じさせてその剛性を変更
(低下或いは付加)し、この剛性の変化を通してY軸方
向の固有振動数fyのみの調整、延いては両固有振動数
の近接化を行なう。
【0069】以上説明したように、第3の実施例の角速
度検出素子100によっても、第1および第2の実施例
における角速度検出素子10,50と同様に、X軸方向
の固有振動数fxを初期値から変化させることなく、Y
軸方向の固有振動数fyのみを変化させて両固有振動数
の差を所定値範囲内とすることができる。この結果、第
3の実施例の角速度検出素子100によれば、上記した
角速度検出素子10,50と同様の効果、例えばY軸方
向の固有振動数の独立調整,調整作業や回路構成の簡略
化等の効果を奏することができる。
【0070】また、この第3の実施例の角速度検出素子
100では、振動数調整体130に印加する電圧を変更
するだけでよいので、振動数調整体130へのエッチン
グ,半田つけ等の機械的処置を必要としない。よって、
角速度検出素子100によれば、電圧制御を通して振動
数調整処置の簡略化を図ることができる。更に、角速度
検出素子100では、振動数調整体130を埋設したの
で、振動数調整体130に生じた電歪をその底面および
四方の側面を通して角速度検出素子100に及ぼし、振
動数調整体130並びに角速度検出素子100全体とし
ての剛性を変化させることができる。このため、角速度
検出素子100によれば、より効率よく剛性を変更でき
ることから、振動数調整効率の向上を図ることができ
る。
【0071】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明はこの様な実施例になんら限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態
様で実施し得ることは勿論である。
【0072】例えば、上記した第1の実施例では、振動
数調整体28へのエッチングによる削り込みを、その全
面に亘って行なったが、これに限るわけではない。つま
り、振動数調整体28表面の一部の領域(例えば、振動
片股部端面からz1 /2の距離の範囲)に亘って行なっ
ても、その剛性を低下できるのでY軸方向の固有振動数
を調整することができる。また、上記した実施例では、
振動数調整体28へのエッチングを傾斜を持って行なっ
たが、一律の深さで振動数調整体28をエッチングして
もよい。更に、振動数調整体28表面に半田付けする場
合も、その場所は振動数調整体28表面の適宜な箇所で
よく、半田付けにより剛性を付加してY軸方向の固有振
動数を調整することができる。
【0073】また、Y軸方向の固有振動数を調整するに
当たり、第1の実施例では、基部12の主面に振動数調
整体28を一体にして形成したが、基部12とは別体の
振動数調整体28を適宜な接着剤や電気的処理,熱的処
理等により基部12の主面の所定領域(応力差が大きい
領域)に接着或いは接合することもできる。この場合、
振動数調整体28を基部12,振動片14,振動片16
と異なる材質、例えばセラミック等の材料で形成するこ
とができる。
【0074】更に、Y軸方向の固有振動数を調整するに
当たり、振動数調整体28を設けた振動数調整領域にお
いて、図14に示すように、基部12の主面を、振動片
間隔D×長さz1 (振動片の幅W0 の2.5倍以内)の
範囲に亘って、直接エッチング(エッチング角度θ,エ
ッチング深さd)することもできる。また、基部12の
主面の上記振動数調整領域に、直接半田付けや弾性体,
セラミック等の接着などを行なうこともできる。
【0075】また、第3の実施例において、圧電体から
なる振動数調整体130を基部102の主面における振
動数調整領域に埋設したが、角速度検出素子100の材
料であるジュラルミンとは剛性の異なる金属、例えばジ
ュラルミンより剛性の高いシリコン,鉄等の板材から形
成した振動数調整体を埋設し、この振動数調整体のエッ
チング,半田付け等を行なうこともできる。
【0076】加えて、第3の実施例において、角速度検
出素子100の基部102主面における振動数調整領域
に埋設した振動数調整体130を、圧電体に代えてFe
SiB等の磁歪体とすることもできる。つまり、磁歪体
に磁場を印加すると印加される磁場の大きさに応じて磁
歪体には磁歪が生じてその剛性が変わるため、磁歪体に
よりY軸方向の固有振動数を調整することができる。ま
た、第3の実施例において、角速度検出素子100の振
動片104,106,108をY軸に沿って励振し、こ
れら各振動片がX軸に沿って振動した場合の振動状態を
検出するよう構成することもできる。
【0077】また、第1,第3の実施例において、振動
片を励振するに当たりチタン酸ジルコン酸塩の圧電体を
用いたが、振動片を励振させることができればよく、振
動片の材質等を考慮して適宜選択すればよい。例えば、
振動片が金属、水晶,半導体等の結晶体、ガラスやセラ
ミック等を用いて形成されていれば、ピエゾ素子(PZ
T),PbTiO3 等の圧電体を採用し、圧電体の逆圧
電効果により振動片を振動させればよい。更に、振動片
に作用する誘導磁力や容量電荷を変化させて振動片を励
振させるよう構成することもできる。振動片の振動状態
を検出する場合についても同様である。
【0078】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1記載の角速
度検出素子の振動数調整方法では、振動片がその並びに
沿ったX軸に沿って振動した際の応力と、振動片がこの
X軸および振動片の長手方向に直交する方向であるY軸
に沿って振動した際の応力との差が大きな値として分布
する領域を振動数調整領域とし、その剛性をX軸方向の
固有振動数とY軸方向の固有振動数の差に応じて増減す
る。この結果、請求項1記載の角速度検出素子の振動数
調整方法によれば、基板主面における振動数調整領域の
剛性の増減を通してY軸方向の固有振動数のみをX軸方
向の固有振動数に近づくよう調整(増減)し、両方向の
固有振動数を近接させることができる。
【0079】請求項2記載の角速度検出素子の振動数調
整方法によれば、例えば切削,エッチング,半田付け,
金属やセラミック等の接着などの日常的な処置を行なう
だけで振動数調整領域の剛性を増減することができ、Y
軸方向の固有振動数のみをX軸方向の固有振動数に近づ
くよう調整(増減)して、両方向の固有振動数を近接さ
せることができる。
【0080】一方、請求項3記載の角速度検出素子で
は、振動数調整体の剛性をY軸方向の振動の固有振動数
と各振動片の並びに沿った方向の振動の固有振動数との
差に応じて増減するができる。よって、請求項3記載の
角速度検出素子によれば、Y軸方向の固有振動数のみを
各振動片の並びに沿った方向の固有振動数に近づくよう
調整(増減)することができので、両方向の固有振動数
が近接した角速度検出素子を容易に提供することができ
る。
【0081】請求項4記載の角速度検出素子によれば、
振動数調整体に印加する電場或いは磁場の大きさの調整
を通して、Y軸方向の固有振動数と各振動片の並びに沿
った方向の固有振動数とが近接した角速度検出素子を容
易に提供することができる。よって、請求項4記載の角
速度検出素子によれば、切削,エッチング等の機械的な
加工処置が不要となり、より固有振動数の調整が容易と
なる。
【0082】請求項5に記載した角速度検出素子によれ
ば、振動数調整領域に該当する範囲の基板主面に剛性を
増減させる剛性増減処置を直接施し、その処置量の調整
を通して、Y軸方向の固有振動数と各振動片の並びに沿
った方向の固有振動数とが近接した角速度検出素子を容
易に提供することができる。よって、請求項5記載の角
速度検出素子によれば、固有振動数の近接化のための振
動数調整体を設ける必要がないので、その製造がより容
易となる。また、請求項5記載の角速度検出素子によれ
ば、切削,エッチング,半田付け,金属やセラミック等
の接着などの日常的な処置で剛性増減処置を行なうこと
ができるので、その製造がより容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例における角速度検出素子10の概
略斜視図。
【図2】図1における2−2線拡大断面図。
【図3】振動数調整体28の形成領域を説明するための
説明図。
【図4】振動数調整体28の形成領域および発生する応
力差の分布の様子を説明するために用いた振動数調整体
28周辺の拡大正面図。
【図5】角速度検出素子10を含む電気的な構成を示す
ブロック図。
【図6】振動数調整体28のエッチングの様子を説明す
るために用いた振動数調整体28周辺の拡大斜視図。
【図7】振動数調整体28の削り込み深さ(エッチング
深さd)とX軸方向の固有振動数fxおよびY軸方向の
固有振動数fyとの関係を示すグラフ。
【図8】第2の実施例における角速度検出素子50の概
略斜視図。
【図9】図8における9−9線拡大断面図。
【図10】角速度検出素子50における振動数調整体8
0周辺の拡大正面図。
【図11】振動数調整単位部80(i,j)とY軸方向
の固有振動数fyの変化の様子との関係を模式的に示す
模式図。
【図12】第3の実施例における角速度検出素子100
の概略斜視図。
【図13】図12における13−13線拡大断面図。
【図14】変形例を説明するために用いた振動片の付け
根周辺の拡大図。
【符号の説明】
10…角速度検出素子 12…基部 14,16…振動片 20,21…圧電体 22,23…圧電体 24,25…圧電体 26,27…圧電体 28…振動数調整体 29…励振側回路 30…励振回路 32…検出バランス調整回路 34…オートマティックゲインコントローラ(AGC) 36…バンドパスフィルタ 37…検出側回路 38…検出バランス調整回路 40…増幅回路 42…同期検波回路 44…積分回路 46…増幅出力回路 50…角速度検出素子 52…基部 54,56…振動片 60…プラス電極 62…マイナス電極 68…プラス電極 70…マイナス電極 72,73,76,77…配線 80…振動数調整体 80(i,j)…振動数調整単位部 100…角速度検出素子 102…基部 104,106,108…振動片 110,111…圧電体 112,113…圧電体 114,115…圧電体 120,121…圧電体 122,123…圧電体 124,125…圧電体 130…振動数調整体 fx…X軸方向の固有振動数 fy…Y軸方向の固有振動数 ω…回転角速度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野々村 裕 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 塚田 厚志 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動に関与しない固定部に固定された基
    部と、該基部の一端から平行に並んで突出した少なくと
    も2本の振動片とを有する角速度検出素子の直交する2
    方向の固有振動数を調整する方法において、 前記各振動片の並びに沿った方向をX軸と規定し、該X
    軸に沿って前記振動片を振動させた場合の該振動片の固
    有振動数を求める工程と、 前記X軸と前記振動片の長手方向とに直交する方向をY
    軸と規定し、該Y軸に沿って前記振動片を振動させた場
    合の該振動片の固有振動数を求める工程と、 前記Y軸と直交する前記基部の主面における所定領域の
    振動数調整領域であって、前記各振動片の股部から前記
    振動片の長手方向と平行に前記基部側に所定距離だけ入
    り込んだ前記振動数調整領域の剛性を、前記両固有振動
    数の差に応じて増減する工程とを備えることを特徴とす
    る角速度検出素子の振動数調整方法。
  2. 【請求項2】 前記振動数調整領域の剛性を増減する工
    程は、前記振動数調整領域に当たる前記基部主面、或い
    は前記基板主面の前記振動数調整領域に設けられた振動
    数調整体を、削り取る又は質量体を接合する工程である
    請求項1記載の角速度検出素子の振動数調整方法。
  3. 【請求項3】 振動に関与しない固定部に固定された基
    部と、該基部の一端から平行に並んで突出した少なくと
    も2本の振動片とを有する角速度検出素子において、 前記各振動片の並びに沿った方向と前記振動片の長手方
    向とに直交する方向をY軸と規定したときに、該Y軸と
    直交する前記基部の主面における所定領域を、前記各振
    動片の股部から前記振動片の長手方向と平行に前記基部
    側に所定距離だけ入り込んだ振動数調整領域として有
    し、 該振動数調整領域に、剛性が増減可能な振動数調整体を
    備えることを特徴とする角速度検出素子。
  4. 【請求項4】 前記振動数調整体は、外部から印加され
    た電場或いは磁場の大きさに応じて剛性が増減するもの
    である請求項3記載の角速度検出素子。
  5. 【請求項5】 振動に関与しない固定部に固定された基
    部と、該基部の一端から平行に並んで突出した少なくと
    も2本の振動片とを有する角速度検出素子において、 前記各振動片の並びに沿った方向と前記振動片の長手方
    向とに直交する方向をY軸と規定したときに、該Y軸と
    直交する前記基部の主面における所定領域を、前記各振
    動片の股部から前記振動片の長手方向と平行に前記基部
    側に所定距離だけ入り込んだ振動数調整領域として有
    し、 該振動数調整領域に該当する範囲の前記基板主面には、
    剛性を増減させる剛性増減処置が施されていることを特
    徴とする角速度検出素子。
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