JPH07139036A - ドーム式屋根架構のケーブル張力導入方法 - Google Patents

ドーム式屋根架構のケーブル張力導入方法

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JPH07139036A
JPH07139036A JP28694093A JP28694093A JPH07139036A JP H07139036 A JPH07139036 A JP H07139036A JP 28694093 A JP28694093 A JP 28694093A JP 28694093 A JP28694093 A JP 28694093A JP H07139036 A JPH07139036 A JP H07139036A
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frame
main frame
tension
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cable
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JP28694093A
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Kimimasa Hirasawa
仁正 平沢
Tatsuo Hatato
龍夫 畑戸
Akira Taga
章 多賀
Ikuo Tatemichi
郁生 立道
Satoshi Fujiwara
智 藤原
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Maeda Corp
Original Assignee
Maeda Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 人力によっても張力導入を可能なようにして
施工コストの低減、張力管理の簡易化を図り、さらに、
屋根架構全体の把握が容易な屋根架構内部にて簡単かつ
確実に張力導入作業を実施できるドーム式屋根架構のケ
ーブル張力導入方法を提供する。 【構成】 屋根を支持するための外周構造体上に架設さ
れるドーム状の主架構10と、この主架構の下面側に配
設されてその主架構を補強する補強架構11と、この補
強架構に下端が連結され上端が前記主架構に連結された
束材Tとを備え、かつ、前記主架構及び補強架構のうち
の少なくとも補強架構がケーブルにて構成されるドーム
式屋根架構のケーブル張力導入方法であって、前記束材
として、その上下端の間隔を可変な構造としておき、こ
の束材の配設後に束材の上下端の間隔を大きくして主架
構及び補強架構間の間隔を拡げることにより前記ケーブ
ルに張力を導入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば野球場やサッカ
ー場などの運動競技施設、あるいはその他の大規模施設
に適用されるドーム式屋根架構におけるケーブル張力導
入方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、室内の運動競技施設等には、大規
模な固定ドーム式屋根が採用されてきている。この固定
ドーム式屋根の構造形式としては、鉄骨トラス構造、ケ
ーブル構造、張弦梁構造などが知られている。
【0003】前記鉄骨トラス構造は、構成鉄骨材を複層
トラス状に接続して比較的良好な構造安定性が得られる
複層トラスドームと、図13に示す構成鉄骨材を平面ト
ラス状に接続してなる単層トラスドーム1とに分類され
ているが、前記複層トラスドームは、屋根の構造安定性
を得るための施工費用の増大、工期の長期化などの面で
種々問題がある。そのため、軽量化や施工費用の低減化
及び工期の短縮化などの点で有利な単層トラスドーム1
が採用される場合がある。
【0004】一方、固定ドーム式屋根としてのケーブル
構造は、図14に示すように、複数本の上弦材や下弦材
として多数本の放射ケーブル2、3が配設され、それら
放射ケーブル2、3間に束材4が鉛直配置に支持された
構造とされ、外周方向に向けて大きな張力が導入された
ケーブル2が、ドーム境界部(ドーム式屋根の外周部)
のコンプレッションリング5に締結される構造とされて
いる。
【0005】ところで、上述した単層トラスドーム1
は、例えば積雪等の偏荷重により容易に崩壊しやすいと
いうドーム構成材の座屈耐力の面で問題があるととも
に、ドーム境界部構造は、ドーム境界部に矢印A方向に
加わる大きなスラスト(単層ドーム全体を支持するドー
ム内部力)を処理するために強靭なテンションリング6
としなければならず、このテンションリング6とこれを
支持するための外周構造体の構築にかかる建設コストが
大幅に増大してしまうという問題があった。
【0006】また、上述したケーブル構造においても、
可橈性のケーブル2、3が構成部材とされたフレキシブ
ルな構造であるため、構造安定性を高めるためにケーブ
ル2に大きなプレストレスが必要となる。そのため、前
記単層ドーム1とは逆に、ドーム境界部材を矢印B方向
の大きなスラスト荷重に対抗する強靭なコンプレッショ
ンリング5としなければならず、コンプレッションリン
グ5とこれを支持する外周構造体の構築にかかる建設コ
ストが大幅に増大してしまうという問題があった。
【0007】そこで、本出願人は、いわゆる「サスペン
・ドーム」と称して、単層トラスドームとケーブルドー
ムを組み合わせてハイブリッド構造とすることにより、
単層トラスドーム式屋根架構の持つ利点とケーブル式ド
ーム屋根架構の持つ利点を効果的に発揮させつつ欠点を
補う構成とし、これにより大幅な軽量化、並びに主架構
の外周境界部に加わるスラスト荷重を著しく低減させて
建設コストの削減化を図り、さらに主架構の上部中央を
補強して複層トラスドームと同様に優れた構造安定性が
得られるようにしたドーム式屋根構造(特願平5ー18
1659号)を既に提案した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな各種構造形式のドーム式屋根架構において、特に、
ケーブルドーム構造やサスペン・ドーム構造、あるいは
張弦梁構造などのようにケーブルを用いたドーム式屋根
架構では、その屋根架構を構成する多数本のケーブルに
対して張力を導入する作業を必要とするため、以下のよ
うな課題があった。即ち、この張力導入作業として、例
えばケーブルドームやサスペン・ドームでは、その屋根
架構の外周部に位置させた多数の放射ケーブルを外周構
造体側からジャッキにより引っ張って張力を導入する方
法で行われているが、使用するジャッキが放射ケーブル
の本数に対応する数だけ必要となるために張力導入のた
めのコストが大となり、しかも多数のジャッキを同期さ
せて作動させるための制御及び管理も難しいという問題
があった。特に、ケーブルドームなどのように張力を導
入するケーブルも多大な本数となり、しかも張力導入箇
所が多重に重なったり交差したりする箇所も存在する構
造となるものでは、ケーブルへの張力導入上の重要な問
題となっていた。
【0009】本発明は、以上のような点を考慮してなさ
れたもので、ケーブルへの張力導入方法として束材に着
目し、この束材のその上下端の間隔を可変な構造として
おき、束材の配設後に束材の上下端の間隔が大きくなる
ようにこれを伸張させることによりケーブルに張力を導
入する方法とし、これにより人力によっても張力導入を
可能なようにして施工コストの低減、張力管理の簡易化
を図り、さらに、屋根架構全体の把握が容易な屋根架構
内部にて簡単かつ確実に張力導入作業を実施できるドー
ム式屋根架構のケーブル張力導入方法を提供しようとす
るものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
屋根を支持するための外周構造体上に架設されるドーム
状の主架構と、この主架構の下面側に配設されてその主
架構を補強する補強架構と、この補強架構に下端が連結
され上端が前記主架構に連結された束材とを備え、か
つ、前記主架構及び補強架構のうちの少なくとも補強架
構がケーブルにて構成されるドーム式屋根架構のケーブ
ル張力導入方法であって、前記束材として、その上下端
の間隔を可変な構造としておき、この束材の配設後に束
材の上下端の間隔を大きくして主架構及び補強架構間の
間隔を拡げることにより前記ケーブルに張力を導入する
ことを特徴としている。
【0011】請求項2に係る発明は、請求項1記載のド
ーム式屋根架構のケーブル張力導入方法において、前記
束材として、その上下端の間隔が可変となるスクリュー
ジャッキ機構としたことを特徴としている。
【0012】
【作用】請求項1記載のドーム式屋根架構のケーブル張
力導入方法では、束材としてその上下端の間隔を可変な
構造としたものを用いているので、束材の配設時には、
束材の上下端の間隔を小さくした状態で配設しておき、
束材の配設後において束材の上下端の間隔を大きくする
と、束材に発生する上下方向の力が主架構及び補強架構
間の間隔を拡げるように作用する。このとき、主架構の
鉛直荷重は束材を介して補強架構に伝達されるので、ま
ず、補強架構を構成するケーブルに張力が導入されてい
く。束材の上下端の間隔をさらに拡げると、補強架構を
構成するケーブルに大きな張力が導入されていくが、こ
の張力は逆に束材を介して主架構を押し上げる反力とし
て作用する。
【0013】請求項2記載のドーム式屋根架構のケーブ
ル張力導入方法では、束材として、その上下端の間隔が
可変となるスクリュージャッキ機構としたものを用いて
いるので、スクリューねじを回転させるだけで、束材の
上下端の間隔を拡げることが可能になる。したがって、
このスクリューねじの回転操作は人力でも可能になり、
この結果、施工コストの低減、張力管理の簡易化を図る
ことができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明のドーム式屋根架構におけるケ
ーブル張力導入方法の実施例を、図1ないし図12を参
照して説明する。図に示す実施例は、本発明によるドー
ム式屋根架構のケーブル張力導入方法を、単層トラスド
ームとケーブルドームを組み合わせてハイブリッド構造
としたドーム式屋根架構「サスペン・ドーム」に適用し
た例を示すもので、本発明に係るケーブル張力導入方法
を説明する前に、まず、これらの図に示すドーム式屋根
架構の構造について説明する。
【0015】図示例のドーム式屋根架構は、側面視にお
いて上方に湾曲しているとともに平面視円形状に構築さ
れて大規模施設を覆う主架構10(図1および図2参
照)と、この主架構10の中央部において一体に構築さ
れた複層トラス部18(図3参照)と、主架構10を補
強する補強架構11(図5および図6参照)と、この補
強架構11に下端が連結され上端が前記主架構10に連
結された複数の束材T…(図9〜図12参照)とを備え
た構成とされている。
【0016】主架構10は、複数の鉄骨材が相互に平面
トラス状に接続されて構築された直径200m、高さ3
0m(ライズ/スパン比0.15)前後のラチス形式構
造体である。即ち、図1に示すように平面視円形状に形
成される主架構10の外周縁部には、複数本の外周材1
2が相互に接合されて外周境界リング13が形成されて
いる。
【0017】そして、外周境界リング13より内部に
は、外周境界リング13と円中心Pを一致させた状態で
径を漸次縮小させながら、複数の円周材15を相互に接
合してなる8つの内周円14a、14b…が形成されて
いる。また、これら内周円14a、14b…は、円中心
Pに向かうに従い、漸次高さが上昇する形態で設けられ
ている。
【0018】また、外周境界リング13の円中心Pを通
過する径方向には、円中心Pに向かうに従い漸次高さを
上昇させた状態で複数の放射材16が相互に接合されて
いる。そして放射材16…相互は、円中心P側において
は径方向に接合されているが、外周境界リング13側に
向かうに従い漸次周方向に向いて接合されている。
【0019】これら、外周材12、円周材15及び放射
材16が相互に接続されることにより、平面視円形状で
上方に湾曲し、かつ上部中央に円形開口部17を有する
主架構10が構成されている。そして、前述した主架構
10の外周に設けられた外周境界リング13は、主架構
10の外周縁部に発生する側面視矢印方向のスラストF
1(主架構を支持する施設を推す力)を負担する構造と
されている。
【0020】また、複層トラス部18は、図3に示すよ
うに主架構10の中央部に、主架構10と一体に設けら
れている。即ち、この複層トラス部18は、上方に湾曲
した主架構10の中央部に対して下方に湾曲して配設さ
れた下弦材18aと、この下弦材18aと主架構10の
鉄骨材(外周材12、円周材15、放射材16)との間
に鉛直方向に延びて配設された鉛直材18bとで構成さ
れ、平面視において主架構10の円形開口部17と一致
する開口部19を有して構成されている。
【0021】一方、補強架構11は、主架構10の下方
位置に主架構10と一体に配置される。即ち、補強架構
11は、図5〜図8に示すように、主架構10の外周境
界リング13よりも小径のリング状に形成されたフープ
ケーブル11aと、このフープケーブル11aと前記外
周境界リング13との間に張設された複数の放射ケーブ
ル11b…とを備えて構成されている。
【0022】前記フープケーブル11aのリング径(直
径)としては、実施例では、主架構10の外周境界リン
グ13よりも一つだけ内側に位置する内周円14aの直
径とほぼ同一とされており、したがって、各束材Tの上
端は、内周円14a上における円周材15と放射材16
との接合部Bに対して回動自在にそれぞれ連結された構
成とされている。
【0023】前記束材Tは、本実施例においては図7及
び図9に示すように、スクリューねじを回転させること
により生じる推力を上下方向の力に変換して利用する構
成のいわゆるスクリュージャッキ機構として構成されて
いる。即ち、各束材Tは、両端がいずれもピン結合され
て菱形状に配置される4本のリンク材17…と、上下の
リンク材17、17間にそれぞれ設けられたナット部材
18、18と、両ナット部材18、18にねじ込まれて
水平に配置されるスクリューねじ19とを備えた基本構
成とされている。また、スクリューねじ19は、ここで
はその長さ方向の中間部を起点として左右逆ねじに形成
されており、スクリューねじ19を何れか一方向へ回転
させることにより両ナット部材18、18が互いに接近
して上下端の間隔が大きくなり、他方向へ回転させるこ
とにより小さくなるように構成されている。
【0024】そして、上記構造とされた補強架構11は
図9に示すように、主架構10との中心を互いに一致さ
せた状態で主架構10の内面側に組み合わされて構築さ
れる。その際に、図8に示すように各束材Tの上端を主
架構10の接合部Bにブラケット17aを介してそれぞ
れ連結するとともに、下端をフープケーブル11aと放
射ケーブル11bとの交差部に対して連結具17bを介
して連結し、また、全ての放射ケーブル11bの端部
を、図11に示すように主架構10の外周境界リング1
3に締結する。
【0025】この図11および図12は、主架構10の
外周境界リング13の支持構造(周辺支持構造)例を示
すもので、外周境界リング13部分を支持するための下
部構造である外周構造体Kの上部と外周境界リング13
との間に設けられたピンローラ機構20を介して支持さ
れている。このピンローラ機構20は、外周境界リング
13と一体に設けられた上シュー21と、外周構造体K
上に設けられた下シュー22と、これら上シュー21お
よび下シュー22との間に介在するベアリングプレート
23とを有する構成とされ、これにより外周境界リング
13は放射方向フリー、円周方向ピン支持となる形態で
外周構造体Kに支持された構成とされている。図12に
おいて符号24は外周境界リング13の浮き上がり止め
を示している。
【0026】このような構成となるドーム式屋根架構に
おける補強架構11に対してケーブル張力を導入するに
は、主架構10及び補強架構11間に束材Tを配設する
際に、図7及び図9に示すように、スクリューねじ19
を回転させて予め束材Tの上下端の間隔を小さくした状
態で配設し、この状態において補強架構11の全ての放
射ケーブル11b…を、主架構10の外周境界リング1
3に固定しておく。
【0027】しかる後、各束材Tのスクリューねじ19
を、例えば長尺スパナ等を用いてナット部材18、18
どうしが接近する方向に回転させて、その上下端の間隔
を順次大きくしていくと、束材Tに発生する上下方向の
力が主架構10及び補強架構11間の間隔を拡げるよう
に作用する。このとき、主架構10の鉛直荷重は束材T
を介して補強架構11に伝達されるので、まず、補強架
構11を構成する各ケーブルに、即ち、フープケーブル
11a及び各放射ケーブル11b…に大きな張力が導入
されていく。各束材Tの上下端の間隔をさらに拡げる
と、例えば図8及び図10に示すように最大限に伸張さ
せると、補強架構11を構成する各ケーブルにさらに大
きな張力が導入されるが、この張力は逆に束材Tを介し
て主架構10を押し上げる反力として作用する。そして
この反力と主架構10の鉛直荷重が釣り合い状態となっ
てドーム式屋根架構が構成される。
【0028】このようなケーブル張力導入方法によれ
ば、束材Tのスクリューねじ19を長尺スパナなどによ
り単に回転させるだけで、各ケーブルに張力を導入する
ことができるので、この張力導入作業を人力によっても
行うことができ、したがって、これまで必要としていた
多数のジャッキが不要となるので、その分、施工コスト
の低減を図ることができ、また、張力導入に際して各束
材Tをいっぱいに伸張させるだけで済むので、多数のジ
ャッキを同期させながら張力を導入するといった張力管
理作業もなくなり、これにより張力管理の簡易化を図る
ことができる。さらに、この張力導入作業は、屋根架構
の内部にて行うことになるので、屋根架構全体の架設状
態の把握も容易であり、したがって架設状態を把握しな
がら行えるので、簡単かつ確実に張力導入作業を実施す
ることができる。
【0029】また、こうして張力が導入されたドーム式
屋根架構においては、主架構10単体では、外周境界リ
ング13に図2に示すように、矢印F1方向にスラスト
が発生するが、主架構10に補強架構11及び束材Tが
一体に組み合わされて屋根架構を構成するようになって
いるので、スラストF1に対抗する反力として放射ケー
ブル11b…に導入された張力T1が外周境界リング1
3にかかり、これにより外周境界リング13のスラスト
F1が軽減される。したがって、外周境界リング13の
構成部材として、引張耐力の優れた鋼材(テンション
材)を多く使用せずにこれを構成することができるだけ
でなく、その外周境界リング13を支持するための下部
構造である外周構造体K等の構築にかかる建設コストも
大幅に軽減することが可能になる。
【0030】また、複数の鉄骨材(外周材12、円周材
15、放射材16)を相互に平面トラス状に接続してな
る主架構10の下方位置に補強架構11が組み合わせら
れて構築され、補強架構11の全ての放射ケーブル11
b…に放射方向外方へ向く張力T1が導入されることに
より、鉛直配置された束材11cの束材軸力(束材が上
昇して主架構の接合部を押し上げる力)によって主架構
10の鉄骨材相互の接合部Bが均一に押し上げられる。
これにより、複層トラスドームに比べて大幅な鉄骨重量
の軽減が図られ、補強架構11による主架構10のケー
ブル補強により積雪などに対する構造安定性が複層トラ
スドームと同様のレベルとなるので、単層トラスドーム
構造を採用した主架構10の不安定性が十分に回避さ
れ、鉄骨材の座屈耐力が十分に高められる。
【0031】また、主架構10の中央部にその主架構1
0の鉄骨材を上弦材として配置される下弦材18aを備
えた複層トラス部18が設けられているので、この複層
トラス部18が主架構10の中央部を効果的に補強する
作用を発揮して主架構の安定性の向上に寄与する。ま
た、下弦材を備えて補強された複層トラス部18のその
下弦材18aに対して、イベント時等に使用する照明や
音響機器等を吊り下げ配置することが容易になる。さら
に、補強架構11はドーム周辺部、すなわちドーム内部
の客席上部にのみ備えられた構成となるので、アリーナ
上部の空間を有効に活用可能にすることができる。
【0032】また、外周境界リング13部分はピンロー
ラ機構20を介して放射方向フリー、円周方向ピン支持
となる形態で外周構造体Kに支持された構成とされてい
るので、スラスト、放射方向の地震力、温度応力等をリ
リースし、外周構造体Kに対する負担をさらに軽減させ
る作用を発揮する。
【0033】なお、実施例の束材Tにおいては、そのス
クリューねじ19が中央部を起点として左右逆ねじとな
ったスクリュージャッキ機構として構成した例を示した
が、スクリューねじ19のねじ山全体を順ねじとして形
成するとともに、そのスクリューねじ19の一端側を、
スクリューねじ19の回転のみを許容するようにナット
部材18に取り付けた構成の一般的なスクリュージャッ
キ機構として構成してもよい。また、このスクリュージ
ャッキ機構は、束材T全体にて構成する代わりに、従来
の棒状の束材の中間部に設けた構成としてもよい。
【0034】また、以上の実施例においては、束材を利
用した本発明のケーブル張力導入方法を、単層トラスド
ームとケーブルドームを組み合わせてハイブリッド構造
とした「サスペン・ドーム」に適用した例を示したが、
主架構及び補強架構もケーブルで構成される公知のケー
ブルドーム構造、さらには張弦梁構造などにも適用でき
ることは言うまでもない。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るドー
ム式屋根架構のケーブル張力導入方法によれば、以下の
ような優れた効果を奏する。
【0036】請求項1記載の発明においては、屋根を支
持するための外周構造体上に架設されるドーム状の主架
構と、この主架構の下面側に配設されてその主架構を補
強する補強架構と、この補強架構に下端が連結され上端
が前記主架構に連結された束材とを備え、かつ、前記主
架構及び補強架構のうちの少なくとも補強架構がケーブ
ルにて構成されるドーム式屋根架構のケーブル張力導入
方法であって、前記束材として、その上下端の間隔を可
変な構造としておき、この束材の配設後に束材の上下端
の間隔を大きくして主架構及び補強架構間の間隔を拡げ
ることにより前記ケーブルに張力を導入する方法とした
から、コストのかかる多数のジャッキを使用したりある
いはこれらのジャッキを同期させながら張力を導入する
といった面倒な張力管理作業等も不要とすることがで
き、これにより人力によっても張力導入を可能なように
して施工コストの低減、張力管理の簡易化を図り、さら
に、屋根架構全体の把握が容易な屋根架構内部にて簡単
かつ確実に張力導入作業を実施できるという優れた効果
を奏する。
【0037】請求項2記載の発明においては、束材とし
て、その上下端の間隔が可変となるスクリュージャッキ
機構としたものを用いているので、スクリューねじを回
転させるだけで、束材の上下端の間隔を拡げることが可
能になる。したがって、このスクリューねじの回転操作
は人力でも可能になり、この結果、施工コストの低減、
張力管理の簡易化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す主架構の平面図である。
【図2】本発明の実施例を示す主架構の側面図である。
【図3】本発明の実施例を示す主架構の断面図である。
【図4】本発明の実施例を示す主架構の平面図である。
【図5】本発明の実施例を示す補強架構の斜視図であ
る。
【図6】本発明の実施例を示す補強架構の斜視図であ
る。
【図7】本発明の実施例を示す束材の側面図である。
【図8】本発明の実施例を示す束材の側面図である。
【図9】本発明の実施例を示す屋根架構の概略断面図で
ある。
【図10】本発明の実施例を示す屋根架構の概略断面図
である。
【図11】本発明の実施例を示す支持機構の断面図であ
る。
【図12】本発明の実施例を示す支持機構の側面図であ
【図13】従来例を示す斜視図である。
【図14】従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
10 主架構 11 補強架構 12 外周材 13 外周境界リング 15 円周材 16 放射材 17 リンク材 18 ナット部材 19 スクリューねじ T 束材
フロントページの続き (72)発明者 立道 郁生 東京都千代田区富士見二丁目10番26号 前 田建設工業株式会社内 (72)発明者 藤原 智 東京都千代田区富士見二丁目10番26号 前 田建設工業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屋根を支持するための外周構造体上に架
    設されるドーム状の主架構と、この主架構の下面側に配
    設されてその主架構を補強する補強架構と、この補強架
    構に下端が連結され上端が前記主架構に連結された束材
    とを備え、かつ、前記主架構及び補強架構のうちの少な
    くとも補強架構がケーブルにて構成されるドーム式屋根
    架構のケーブル張力導入方法であって、前記束材とし
    て、その上下端の間隔を可変な構造としておき、この束
    材の配設後に束材の上下端の間隔を大きくして主架構及
    び補強架構間の間隔を拡げることにより前記ケーブルに
    張力を導入することを特徴とするドーム式屋根架構のケ
    ーブル張力導入方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のドーム式屋根架構のケー
    ブル張力導入方法であって、前記束材として、その上下
    端の間隔が可変となるスクリュージャッキ機構としたこ
    とを特徴とするドーム式屋根架構のケーブル張力導入方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111997378A (zh) * 2020-08-11 2020-11-27 陕西建工机械施工集团有限公司 一种圆形结构定点旋转随动方法
CN112647717A (zh) * 2020-08-11 2021-04-13 陕西建工机械施工集团有限公司 一种空间弦支桁架结构对称旋转累积滑移方法

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