JPH10219820A - 組立式トラスベース構造体 - Google Patents

組立式トラスベース構造体

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JPH10219820A
JPH10219820A JP2775797A JP2775797A JPH10219820A JP H10219820 A JPH10219820 A JP H10219820A JP 2775797 A JP2775797 A JP 2775797A JP 2775797 A JP2775797 A JP 2775797A JP H10219820 A JPH10219820 A JP H10219820A
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JP
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truss base
base structure
truss
tension
dome
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JP2775797A
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Tomoshige Kawamura
知重 川村
Kiyobumi Tanaka
清文 田中
Yoshihiro Takeda
好宏 竹田
Hidekazu Nagahashi
秀和 長橋
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Nippon Light Metal Co Ltd
Original Assignee
Nippon Light Metal Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 緊張材の張設作業が容易でトラスベース構造
体の剛性を高め、静荷重による撓みを効果的に抑制す
る。 【解決手段】 ドーム型のトラスベース構造体1の下方
に8本の緊張材20を周方向に等間隔をおいて半径方向
に張設し、その外端をサポートシュー14に連結する。
また、トラスベース構造体1の略中央に8本の張弦用部
材21を下方に向かって垂設し、その下端に各緊張材2
0の内端を連結する。張弦用部材21の下端は、トラス
ベース構造体1の水平レベルより下方に延在している。
緊張材20は、所定の緊張力が付与されることにより、
全体としてトラスベース構造体1を静荷重Pに抗して押
し上げるように作用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジョイントとフレ
ーム部材とからなる構造材によって構築される組立式ト
ラスベース構造体に関し、特に緊張材によってプレスト
レスを付与した組立式トラスベース構造体に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】この種の組立式立体トラス構造物は、フ
レーム部材を筒状ハブと称されるジョイントによって接
続することにより構築されるもので、組立においてボル
トや溶接による接合を必要としないため組立作業が簡単
で、高い継手効率が得られ、スマートで高い採光性と広
い無柱空間が得られるなどの優れた特徴を有しているこ
とから、野外コンサートホール、ガソリンスタンド、プ
ール、展示場等の屋根、ビルの側面外壁、植物園用ドー
ム、寺院ドーム等に広く採用されている。
【0003】このような組立式立体トラス構造物として
は、トラス部分がドーム型、モスク型、ピラミッド型、
フラットストラクチャー型、あるいはバレルヴォールト
型等の各種形状を呈するトラス構造体があるが、それら
が独立した構築物とされる場合ならびに構築物の一部の
構造部分として併設される構造物とされる場合なども含
まれる。なお、ドーム型とモスク型については、天頂の
形状が若干異なるのみであるため、これらを総称して呼
ぶ場合、「ドーム型」という。
【0004】このようなトラスベース構造体において、
最近では積雪、強震度の地震等に対しても十分に耐え得
る強度を有するものが要望されていることから、大きな
構造物を構築する場合は、厚肉パイプからなるフレーム
部材を使用したり、フレーム部材の長さを短くしたり、
あるいは特開平7−102633号公報にで提案されて
いるようにフレーム部材の接続端部を補強板によって補
強するなど種々の対策を講じている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、厚肉パ
イプを使用したりパイプ径を大きくすると、押出パイプ
の製造上の限界やコイニング加工の限界があり、またト
ラスベース構造体自体の重量が増加するため、トラス構
造体自体を大きくすることができず、短いフレーム部材
を用いると、フレーム部材およびトラス格点となる筒状
ハブの数が増加するため組立作業に時間を要するという
問題があった。一方、フレーム部材の接続端部に補強板
を設けると、接続端部の製作が面倒であるばかりか、補
強板により部品点数および重量がそれだけ増加し、また
接続端部の厚みも増大するため、筒状ハブの断面積も比
例して大きくなりハブによる重量も大きくなるという不
具合があった。
【0006】一方、最近では緊張材を用いてトラスにプ
レストレスを付与することによりトラスの剛性を高め撓
みを抑制するようにしたトラス梁が提案され、実用化さ
れている(例えば、特開昭62−182343号公報、
特開平1−190845号公報、実開平4−11490
7号公報参照)。これらのトラス梁は、トラス梁の屈曲
部に設けた球状継手を貫通するように緊張材を下弦材に
沿って張設したり(特開昭62−182343号公
報)、トラス梁に加わる荷重を検出して緊張材にプレス
トレスをさらに加えるようにしている(特開平1−19
0845号公報、実開平4−114907号公報)。し
かしながら、このような従来のトラス梁においては、緊
張材の張弦作業が煩わしかったり、プレストレス負荷装
置の構造が複雑であるという問題があった。
【0007】本発明は上記した従来の問題を解決するた
めになされたもので、その目的とするところは、緊張材
の張弦作業が容易でトラスベース構造体の剛性を高め、
静荷重による撓みを効果的に抑制することができるよう
にした組立式トラスベース構造体を提供することにあ
る。これによって、例えば同一径のトラスベース構造体
の構築に対してより薄肉のパイプやハブの適用が可能と
なるし、同一資材を用いるのであれば、より径の大きい
トラスベース構造体の構築が可能となる。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、多数のフレーム部材と筒状ハブとによって組
立式立体トラス構造物を構築する組立式トラスベース構
造体において、下端が前記トラスベース構造体よりも下
方に位置する張弦用部材をトラスベース構造体の下側に
垂設し、前記トラスベース構造体の下端間に複数本の緊
張材を張設し、これらの緊張材を前記張弦用部材の下端
によって支持したことを特徴とする。また、本発明は、
張弦用部材の上端が筒状ハブに連結されていることを特
徴とする。また、本発明は、張弦用部材の下端にローラ
ーを設け、このローラーに緊張材を添接させたことを特
徴とする。また、本発明は、張弦用部材の下端に連結部
材を設け、この連結部材に緊張材を連結したことを特徴
とする。また、本発明は、トラスベース構造体がバレル
ヴォールト型トラスベース構造体からなり、一端が固定
サポートシューに連結され、他端がスパン方向に移動可
能な可動サポートシューに連結されていることを特徴と
する。さらに、本発明は、トラスベース構造体がドーム
型トラスベース構造体からなり、外周縁がドーム径方向
に移動可能なサポートシューに連結され、外周縁間に複
数本の緊張材が周方向に略等間隔をおいてかつトラスベ
ース構造体の中央において交差するように径方向にそれ
ぞれ張設され、複数本の張弦用部材がトラスベース構造
体の中央を中心とする同心円上に各緊張材に対応するよ
うに周方向に略等間隔をおいて垂設されていることを特
徴とする。
【0009】本発明において、積雪等によりトラスベー
ス構造体に静荷重が鉛直方向に加わると、トラスベース
構造体は下方に撓む。このとき、トラスベース構造体の
下端は、外側に広がる方向に応力が発生し、緊張材を一
層緊張させる。このため、緊張材は、トラスベース構造
体を静荷重に抗して押し上げるように作用し、これによ
ってトラスベース構造体の撓みが抑制される。なお、こ
こで「緊張材」とは、撚線ケーブル、中実ロッド材並び
に適宜形状の形材、例えばH形鋼材等のいずれかまたは
その組合わせの態様を含むものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施の
形態に基づいて詳細に説明する。図1(A)、(B)は
本発明をドーム型組立式立体トラス構造物のトラスベー
ス構造体に適用した例を示す正面図およびトラス部分の
底面図、図2はトラス格点を形成する接合構造を示す分
解斜視図、図3(A)、(B)、(C)はフレーム部材
の正面図、平面図および側面図、図4(A)、(B)は
サポートシューと緊張材としてのケーブルとの接続構造
を示す側面図、図5は緊張材としてケーブルの張弦構造
を示す平面図、図6(A)、(B)は同じく張弦構造の
要部の断面図、図7は張弦用部材(張弦用束)の筒状は
部への取付構造を示す図である。これらの図において、
ドーム型トラスベース構造体1は、多数のフレーム部材
2と、これらのフレーム部材2を接続する筒状ハブ(以
下、単にハブともいう)3との組合わせによりドーム状
に構築され、上面全体が図示しない屋根部材で覆われる
ことによりドーム状のトラス構造物が完成する。
【0011】フレーム部材2は、アルミニウム材のA6
063−T6またはステンレス材のSUS304,SU
S316等の直管からなり、両端部に鍛造などの塑性加
工によって押し潰し形成された偏平状の接続端部5が一
体に設けられ、またその両面にディンプルと称する凹凸
4が形成されている。さらに、フレーム部材2には、ド
ーム型や図8に示すモスク型タイプのトラスベース構造
物を構築する場合、ハブ3の連結溝8(後述する)間の
割り角度θ(図2参照)以外にその配設位置に応じて3
つの角度、すなわちコイン角α、ベンド角β、ツイスト
角γ(図3参照)が付与され、これによって任意の球面
度を有するドームの構築を可能にしている。コイン角α
は接続端部5のフレーム部材2の軸線方向に対する切断
角度、ベンド角βはフレーム部材2の軸線と接続端部5
の軸線とのなす角度、ツイスト角γはフレーム部材2を
介して隣合い高さおよびハブ軸方向の曲率中心位置が異
なるハブ3間の連結溝8を連結するフレーム部材2にお
ける接続端部5間のなす角度である。なお、フレーム部
材2の外径は25〜300mmφ、長さは0.5〜4
m、肉厚は1〜6mm程度である。
【0012】ハブ3は、通常アルミニウム材のA608
2−T6、ステンレス材のSCS11やSCS13の押
出形材または鋳造品によって筒状に形成され、中心にボ
ルト挿通孔6を有している。また、ハブ3の外周面に
は、溝壁面に凹凸7を有しトラス構造物のタイプに応じ
て6〜9個の連結溝8が放射状に形成され、この連結溝
8に前記フレーム部材2の接続端部5が軸線方向から圧
入嵌合されることによりフレーム部材2を互いに接続
し、トラス格点を形成している。ボルト挿通孔6にはボ
ルト9が挿通され、その上下の突出端部にワッシャ10
および保持板11が嵌装され、ナット12の締結によっ
て保持板11をハブ3の上下面に押し付けることで、接
続端部5が連結溝8から抜けるのを防止している。ま
た、このボルト9と保持板11は、図示しないルーフパ
ネル部材をハブ3上に取付けるためにも利用される。な
お、ハブ3の外径は50〜200mmφ、長さは40〜
300mm程度である。
【0013】このようなフレーム部材2と筒状ハブ3に
よって構築されるドーム型トラスベース構造体1は、図
4(A)、(B)に示すように最下段のハブ3が台座構
造物13の上面に設けた連結部としてのサポートシュー
14にボルト16によって連結される。台座構造物13
は、コンクリート壁、パネル体、窓体並びに支柱等から
なり、トラスベース構造体1を支持するに十分な強度を
有している。可動サポートシュー14Iは、シュー本体
14Aと、ハブ取付台座14Bとからなり、シュー本体
14が台座構造物13の上面に設けたリニアガイド15
上にドーム径方向に移動可能に設けられている。ハブ取
付台座14Bは、ハブ3とともにシュー本体14Aにボ
ルト16によって固定されている。リニアガイド(線方
向スライド機構)15の両端には、サポートシュー14
の移動や持ち上がりを制限するストッパ17がそれぞれ
一体に設けられている。なお、サポートシュー14は、
シュー本体14Aとハブ取付台座14Bが一体に形成さ
れるものであってもよい。なお、後述の固定サポートシ
ュー14IIの場合は、図4(B)に例示するようにサ
ポートシュー14を単に台座構造物13へ直接固定すれ
ばよい。
【0014】このようなドーム型トラスベース構造体1
において、フレーム部材2の接続端部5は、ハブ3の軸
線方向(面外方向)に長く偏平状に形成されていること
から、ハブ3の軸線方向の外力に対しては強度的に特に
問題はないが、ハブ3の面内方向(ハブの円周方向)に
対しては管を押し潰して偏平状にしているため相対的に
弱く、そのため大型のトラスベース構造体において、積
雪、地震等でフレーム部材2に軸線方向の圧縮または引
張荷重が加わった場合、ハブ3が回転するのに伴いフレ
ーム部材2がトラス面内において周方向に変形して接続
端部5の嵌合根元部分が折れ曲がり、部分的に破壊した
り構造物全体が崩壊することが想定される。そこで、本
発明においては、緊張ケーブル20を用いてドーム型ト
ラスベース構造体1にプレストレスを付与することによ
りドーム型トラスベース構造体1の負荷に対する耐力を
高め、撓みを抑制するようにしている。
【0015】本実施の形態においては、ドーム型トラス
ベース構造体1の外周から中心に向かって張設した8本
の緊張ケーブル20によってプレストレスを付与した例
を示している。これらの緊張ケーブル20は、例えばス
テンレス製撚線または溶融亜鉛めっき鋼線の撚線等から
なり、ドーム型トラスベース構造体1の周方向に略等角
度(45°)の間隔をおいて半径方向に張設され、外端
が図4に示すように前記シュー本体14Aに設けたアイ
ボルト19にシャックル19A等を介して連結され、内
端がトラスベース構造体1に下方に向かって垂設された
張弦用部材21の下端に連結されている。緊張ケーブル
20の太さや強度は、ドームの大きさ等の与えられた設
計条件に応じて適宜決定される。なお、緊張ケーブル2
0は、鋼製やステンレス製の中実ロッドあるいはH形鋼
材などの形材に適宜交替できる。
【0016】張弦用部材21は、剛体からなるパイプ、
ロッドあるいはH形鋼などの形材からなり、ドーム型ト
ラスベース構造体1の天頂(中心)から1〜2リング目
位の同一円周リング上に各緊張ケーブル20に対応する
ように8本垂設されている。各張弦用部材21の上端
は、図7に示すように対応するハブ3の下面に設けたね
じ体22に螺合によって連結され、下端が前記ドーム型
トラスベース構造体1よりも下方に延在している。ま
た、これらの張弦用部材21の下端は、図5および図6
に示すようにリング状の剛体、例えばパイプやH形鋼材
からなる連結部材23によって互いに連結されている。
【0017】連結部材23は、各張弦用部材21の下端
にそれぞれ取付けられた8つのブラケット24に溶接等
によって固定されている。図6(A)の場合、ブラケッ
ト24は、パイプ状連結部材23に対して金属板の折曲
加工等によって上方に開放するコ字状に形成され、上端
部が対応する張弦用部材21の下端部にボルト25およ
びナット26によってそれぞれ取付けられている。一
方、図6(B)の場合、H形鋼製連結部材23Aに対し
て直片を両端に溶接固定して形成したブラケット24A
を示すものである。さらに、好ましくは各ブラケット2
4,24Aの外側面には、U字状の連結金具27が取付
けられ、この連結金具27に対応する前記緊張ケーブル
20の内端が連結されている。そして、連結強度を高め
たい場合にはこれらの連結金具27は、180°位相が
ずれた互いに対向するものどうしがパイプ、ロッドある
いはI形鋼等からなる補強部材28によってさらに一体
化連結される。この場合、補強部材28は、合計8本用
いられ、中央の円盤材を介してボルト等により互いに連
結されている。
【0018】緊張ケーブル20の緊張力は、ターンバッ
クル29、並びに常用のねじ式緊張装置、油圧ジャッキ
式緊張装置等によって付与される。ターンバックル29
を用いる場合は、図1に示すように材自体の途中の適宜
箇所に設け、ねじ式緊張装置または油圧ジャッキ式緊張
装置を用いる場合は、図4に示したアイボルト19に連
結してサポートシュー14に設けられる。
【0019】張弦用部材21の下端をトラスベース構造
体1より下方に延在させ、各緊張ケーブル20を内端が
外端より下に位置するよう傾斜させて緊張させると、全
体としての緊張ケーブル20は、この緊張力の反力によ
って連結部材23および張弦用部材21を介してトラス
ベース構造体1を押し上げるように作用する。そのた
め、各フレーム部材2には圧縮力、すなわちプレストレ
スが付与され、これによってトラスベース構造体1に加
わる静荷重P等による下方への撓みが抑制される。
【0020】張弦用部材21の下端からトラスベース構
造体1までの距離h(図1参照)は、トラスベース構造
体のスパンLによって決定される。すなわち、距離h
は、スパンLとの比(h/L:これをライズ比と呼んで
いる)が0.05〜0.2程度の値になるように設定さ
れる。ライズ比h/Lが0.05以下であると、緊張ケ
ーブル20が水平に近くなり、張弦の効果が小さくなる
ので好ましくない。一方、0.2以上であると、ケーブ
ルの張力大きくなり過ぎるので好ましくない。
【0021】緊張ケーブル20、すなわち緊張材の張弦
構造としては、上記した実施の形態に限らず種々の張弦
構造とすることが可能である。例えば、図9(A)、
(B)に示すように張弦用部材21の下端にローラ31
をローラ取付具32を介して設け、このローラ31に緊
張ケーブル20の中間部を添接し、両端をサポートシュ
ー14(図4参照)にそれぞれ連結すればよい。この場
合には、図5に示した張弦構造に比べて緊張ケーブル2
0の本数を4本に減らすことができ、またターンバック
ル29等の緊張装置の数も同数個少なくすることができ
る。なお、図9において、33は緊張ケーブル20の外
れを防止する金具である。
【0022】このような構造からなるドーム型トラスベ
ース構造体1において、緊張ケーブル20は緊張される
ことによりドーム型トラスベース構造体1を押し上げる
ように作用するので、静荷重Pによるドーム型トラスベ
ース構造体1の下方への撓みを抑制することができる。
これによって、300〜450Kg/fm2 以上の荷重
に対しても十分耐え得る構造体とすることができる。ま
た、同じ大きさのドームであれば、フレーム部材2に薄
肉パイプを採用することが可能となり、軽量化を図るこ
とができる。また、肉厚が同一のパイプであれば、より
大きな負荷に耐えられるので、ドーム径の大きなトラス
ベース構造体を構築することができる。例えば、従来ド
ーム径が5〜50mであったのに対し、50〜100m
のトラスベース構造体を構築することが可能である。ま
た、プレストレスによりフレーム部材20自体の耐力が
向上するので、筒状ハブ3の回転防止対策も容易であ
る。さらに、緊張ケーブル20をトラスベース構造体1
の下方に張弦し、トラスベース構造体に垂設した張弦用
部材21によって支持するようにしているので、材の張
弦作業も容易である。
【0023】また、緊張ケーブル20の緊張装置とし
て、ねじ式緊張装置、油圧ジャッキ式緊張装置等を用い
た場合は、静荷重Pによるトラスベース構造体1の撓み
を適宜な検出手段によって検出し、その検出信号に基づ
き緊張装置を駆動してさらにプレストレスを加えるよう
にすると、より一層撓みを抑えることができ、通常の架
設状態を保持することができる。また、図8に示したモ
スク型のトラスベース構造体40においても、ドーム型
と同様な構成を採ることにより同様な効果が得られる。
【0024】図10は本発明をシングルレイヤー方式の
バレルヴォールト型トラスベース構造体に適用した他の
実施の形態を示す概略斜視図である。バレルヴォールト
型トラスベース構造体50は、上記したドーム型に用い
られたと同様なフレーム部材2と筒状ハブ3とで全体を
三角形メッシュで構成され、幅方向の一端が台座構造物
13の上面に設けた固定サポートシュー51に連結さ
れ、他端が同じく台座構造物13の上面に矢印53で示
すスパン方向の荷重時に移動可能に設けた可動サポート
シュー52に連結されている。この場合、各々のサポー
トシューは図4(A)、(B)に例示されるものと同様
なものが適用される。
【0025】トラスベース構造体50の中央、すなわち
幅方向の長さを2等分する位置には、5本の張弦用部材
21が下方に向かって垂設されている。これらの張弦用
部材21は、トラスベース構造体50の奥行き方向に1
スパン(フレーム部材1本分の長さ)もしくは2〜3ス
パン毎に並列に配置され、上端が対応するハブ3に連結
され、下端がトラスベース構造体50より下方に延在し
て図9に示したローラ31を有し、このローラ31に緊
張ケーブル20の中央が下方から添接されている。張弦
用部材21は、互いに独立したものとして示したが、パ
イプ等の連結部材によって互いに連結されたものであっ
てもよい。
【0026】緊張ケーブル20は、各張弦用部材21に
対応しかつトラスベース構造体50のスパン方向と平行
になるよう5本張設され、一端が前記固定サポートシュ
ー51に連結され、他端が前記可動サポートシュー52
にそれぞれ連結され、図示を省略した適宜な緊張装置に
よって所定の緊張力が付与される。なお、ライズ比h/
Lは、ドーム型と同様、0.05〜0.2に設定され
る。
【0027】このような構成においても、緊張ケーブル
20によってプレストレスを付与しているので、静荷重
によるトラスベース構造体50の下方への撓みを良好に
抑制することができる。
【0028】図11は本発明をダブルレイヤー方式のバ
レルヴォールト型トラスベース構造体に適用した他の実
施の形態を示す概略構成図である。この実施の形態にお
いて、トラスベース構造体60の幅方向の長さを略3等
分する位置には、張弦用部材21がそれぞれ下方に向か
って垂設され、その下端に設けたローラ31に緊張ケー
ブル20の中間部が添接されている。その他の構成は、
図10に示した実施の形態と同様であり、また同様な効
果が得られ、例えば従来50m程度のものに止まってい
たが、幅80mレベルのものまで構築することが可能と
なる。
【0029】ただし、用いられるフレーム部材2および
筒状ハブ3は、トラスベース構造体の種類によって多少
形状が異なる。すなわち、ドーム型のトラスベース構造
体の構築に用いられるフレーム部材2においては、接続
端部5のコイン角αが80°〜90°に、ベンド角βが
0°〜35°に、ツイスト角γ(図3参照)が0°〜5
°にそれぞれ設定される。また、バレルヴォールト型の
場合には40°〜90°のコイン角αと、0°〜10°
のベンド角βならびにツイスト角γの角度付けがされ
る。ハブ3の形状としては、ドーム型、バレルヴォール
ト型のいずれも円筒形状とするが、筒状ハブの連結溝8
の数としては、ドーム型の場合6つ、バレルヴォールト
型の場合8つである。
【0030】
【発明の効果】以上述べたように本発明は、多数のフレ
ーム部材と筒状ハブとによって組立式立体トラス構造物
を構築する組立式トラスベース構造体において、下端が
前記トラスベース構造体よりも下方に位置する張弦用部
材をトラスベース構造体の下側に垂設し、前記トラスベ
ース構造体の下端間に複数本の緊張材を張設し、これら
の緊張材を前記張弦用部材の下端によって支持したの
で、簡単な構造でトラスベース構造体に所定のプレスト
レスを付与することができ、静荷重に対する撓みを効果
的に抑制することができる。したがって、トラスベース
構造体の軽量化および大型化を可能にする。また、緊張
材をトラスベース構造体の下方に張設し、張弦用部材に
よって支持しているので、緊張材の張弦作業も容易で、
プレストレスをトラスベース構造体に確実に伝達するこ
とができる。
【0031】また、静荷重による撓みが小さければ、ド
ーム型またはバレルヴォールト型のトラスベース構造体
に適用した場合、フレーム部材が軸線方向の圧縮または
引張荷重を受けたとき、フレーム部材に筒状ハブの周方
向の回転モーメントの発生に結びつかず、フレーム部材
の面内方向の回転に対する抵抗力を増大させることがで
きる。そのため、フレーム部材の接続端部がハブの周方
向に折れ曲がったりせず、トラスベース構造体の弱点部
分や全体強度を向上させることができ、より大型の構造
体を構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)、(B)は本発明をドーム型組立式立
体トラス構造物のトラスベース構造体に適用した例を示
す平面図および底面図である。
【図2】 トラス格点を形成する接合構造を示す分解斜
視図である。
【図3】 (A)、(B)、(C)はフレーム部材の正
面図、平面図および側面図である。
【図4】 (A)、(B)は台座構造物に対する緊張ケ
ーブルの取付構造を示す側面図であり、(A)は可動サ
ポートシューを、(B)は固定サポートシューを示す。
【図5】 緊張材の張弦構造を示す平面図である。
【図6】 (A)、(B)は同じく張弦構造の要部の断
面図であり、(A)はパイプ状連結部材を、(B)はH
形鋼状連結部材をそれぞれ用いる態様を示す。
【図7】 張弦用部材のハブへの取付構造を示す図であ
る。
【図8】 モスク型トラスベース構造体を示す図であ
る。
【図9】 (A)、(B)は緊張材の支持構造の他の実
施の形態を示す正面図および側面図である。
【図10】 本発明をシングルレイヤー方式のバレルヴ
ォールト型トラスベース構造体に適用した他の実施の形
態を示す概略斜視図である。
【図11】 本発明をダブルレイヤー方式のバレルヴォ
ールト型トラスベース構造体に適用した他の実施の形態
を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
1…ドーム型トラスベース構造体、2…フレーム部材、
3…ハブ、5…接続端部、8…連結溝、9…ボルト、1
4…サポートシュー、20…緊張材、21…張弦用部
材、23…連結部材、31…ローラ、40…モスク型ト
ラスベース構造体、50,60…バレルヴォールト型ト
ラスベース構造体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹田 好宏 静岡県庵原郡蒲原町蒲原1丁目34番1号 日本軽金属株式会社グループ技術センター 内 (72)発明者 長橋 秀和 静岡県庵原郡蒲原町蒲原1丁目34番1号 日本軽金属株式会社グループ技術センター 内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数のフレーム部材と筒状ハブとによっ
    て組立式立体トラス構造物を構築する組立式トラスベー
    ス構造体において、 下端が前記トラスベース構造体よりも下方に位置する張
    弦用部材をトラスベース構造体の下側に垂設し、前記ト
    ラスベース構造体の下端間に複数本の緊張材を張設し、
    この緊張材を前記張弦用部材の下端によって支持したこ
    とを特徴とする組立式トラスベース構造体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の組立式トラスベース構造
    体において、 張弦用部材の上端が筒状ハブに連結されていることを特
    徴とする組立式トラスベース構造体。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の組立式トラスベ
    ース構造体において、 張弦用部材の下端にローラーを設け、このローラーに緊
    張材を添接させたことを特徴とする組立式トラスベース
    構造体。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の組立式トラスベ
    ース構造体において、 張弦用部材の下端に連結部材を設け、この連結部材に緊
    張材を連結したことを特徴とする組立式トラスベース構
    造体。
  5. 【請求項5】 請求項1,2,3,または4記載の組立
    式トラスベース構造体において、 トラスベース構造体がバレルヴォールト型トラスベース
    構造体からなり、一端が固定サポートシューに連結さ
    れ、他端がスパン方向に移動可能な可動サポートシュー
    に連結されていることを特徴とする組立式トラスベース
    構造体。
  6. 【請求項6】 請求項1,2,3または4記載の組立式
    トラスベース構造体において、 トラスベース構造体がドーム型トラスベース構造体から
    なり、外周縁がドーム径方向に移動可能なサポートシュ
    ーに連結され、外周縁間に複数本の緊張材が周方向に略
    等間隔をおいてかつトラスベース構造体の中央において
    交差するように径方向にそれぞれ張設され、複数本の張
    弦用部材がトラスベース構造体の中央を中心とする同心
    円上に各緊張材に対応するように周方向に略等間隔をお
    いて垂設されていることを特徴とする組立式トラスベー
    ス構造体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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