JPH09111943A - ドーム屋根を有する建築物 - Google Patents

ドーム屋根を有する建築物

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JPH09111943A
JPH09111943A JP29501895A JP29501895A JPH09111943A JP H09111943 A JPH09111943 A JP H09111943A JP 29501895 A JP29501895 A JP 29501895A JP 29501895 A JP29501895 A JP 29501895A JP H09111943 A JPH09111943 A JP H09111943A
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JP
Japan
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dome
dome roof
truss
building
roof
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JP29501895A
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Susumu Watanabe
勧 渡辺
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Taisei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ドーム屋根全体を安定的に支持し得る支持構
造を有して、しかも容易に短期間で構築することができ
るとともに、各種のイベントにも多様に対応することが
可能となるドーム屋根を有する建築物を得る。 【解決手段】 ドーム屋根1を、これを支持する下部構
造2の上端部に構築されたリング状の張弦トラス架構5
と、この張弦トラス架構5上に支承された上部ドーム屋
根6とから構成し、かつ張弦トラス架構5を、下部構造
2の上端部に接続されたリングトラス7と、このリング
トラス7に下端部が接続されて外周架構を構成する稲妻
形の斜め梁8と、この斜め梁8の上端部同士を連結する
緊張材9とから構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ドーム屋根を有し
て内部に大空間を形成する建築物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、各種のスポーツやイベントなど多
目的用途に用いられる大空間建築物として、ドーム屋根
を有する各種の大型建築物が各所に計画されつつある。
ところで、このようなドーム屋根を有する建築物にあっ
ては、ドーム屋根の重量が嵩むのに対して、内部に多数
の観客を収納して上記各種のイベントを行なうために大
空間を確保するといった要請から、種々の構造が提案さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一例としては、上記ド
ーム屋根を軟質軽量のシート材で構成し、内部圧力を大
気圧よりもやや高く保持することにより、当該圧力によ
ってドーム屋根の形状を保持する構造のものが開発され
ている。このような、ドーム屋根を有する建築物によれ
ば、内部空間にドーム屋根支持用の柱を必要とせず、か
つ上記シート材を通じて適度の採光が得られるという利
点がある。しかしながら、上記建築物においては、ドー
ム内の圧力調整や各開閉部分のシール構造が複雑とな
り、しかもコンサート等のイベントを開催する際に、軟
質のシート材が音を吸収してしまうために、比較的音響
が悪いという問題点があり、さらにドーム屋根自体が軟
質で機械的強度に劣るため、各種のイベントを開催する
に際して、例えば美術吊り物や照明設備、あるいは音響
設備等の付帯設備を直接ドーム屋根から吊設することが
できないという制約がある。
【0004】これに対して、上記ドーム屋根を剛性に優
れた構造とし、かつスポーツイベントの開催時等に適宜
自然光が得られるように、当該ドーム屋根を開閉自在に
設けたものも開発されているが、製造上、ドーム屋根と
下部構造との開閉に大型の機械設備と多大の電力とを要
するとともに、摺動部に高い精度が必要となって建設工
期の長期化と建築費の高騰化を招くという問題点があ
り、さらにドーム屋根開放時には、内部の温度調整が不
可能になり、よって自然光の採光と内部の空気調節とを
両立することができないという問題点があった。さら
に、上記ドーム屋根全体を張弦梁によって構成した建築
物も知られているが、当該ドーム屋根全体の重量が嵩
み、これから作用する水平および垂直荷重をに対してド
ーム屋根全体の変形を抑えるためには、これを支持する
下部構造が大型化するという問題点がある。
【0005】本発明は、このような従来のドーム屋根を
有する各種建築物が有する課題を有効に解決すべくなさ
れたもので、特にドーム屋根全体を安定的に支持し得る
支持構造を有して、しかも容易に短期間で構築すること
ができるとともに、各種のイベントにも多様に対応する
ことが可能となるドーム屋根を有する建築物を提供する
ことを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
に係るドーム屋根を有する建築物は、ドーム屋根が、こ
れを支持する下部構造の上端部に構築されたリング状の
張弦トラス架構と、この張弦トラス架構上に支承された
上部ドーム屋根とを有してなり、かつ上記張弦トラス架
構が、上記下部構造の上端部に接続されてプレストレス
が導入されたリングトラスと、このリングトラスに下端
部が接続されて外周架構を構成する稲妻形の斜め梁と、
この斜め梁の上端部同士を連結する緊張材とから構成さ
れてなることを特徴とするものである。ここで、請求項
2に記載の発明は、上記請求項1に記載のリングトラス
が、当該ドーム屋根を有する建築物における最大外径部
に配置されていることを特徴とするものである。なお、
ここにいう緊張材とは、リング状のテンドンであり、リ
ングトラスとは、複数本の緊張材(テンドン)からなる
リング状のトラスである。
【0007】また、請求項3に記載の発明は、上記請求
項1または2に記載の下部構造が、放射状に立設された
複数本のプレストレスプレキャスト(以下、PPcaと
略す。)ポストガーダーであり、これらPPcaポスト
ガーダーの上端部間に上記リングトラスが架設されてい
ることを特徴とするものである。また、請求項4に記載
の発明は、上記請求項1ないし3のいずれかに記載の上
部ドーム屋根が、さらに中央部に配設されて支持部材に
自然光を透過する膜屋根が張設された中央ドームと、こ
の中央ドームと上記斜め梁の上端部との間に放射状に配
設された折板状の立体トラスとから構成されていること
を特徴とするものである。
【0008】また、請求項5に記載の発明は、上記請求
項4に記載の中央ドームの下方に、上記自然光の透過量
を調節可能な採光調整ルーバが配設されていることを特
徴とするものであり、請求項6に記載の発明は、上記請
求項4または5に記載の上部ドームに、装備品取付用支
持体が昇降自在に吊設されていることを特徴とするもの
である。
【0009】請求項1に記載の発明にあっては、上部ド
ーム屋根からの水平荷重および垂直荷重は、稲妻形の斜
め材の上端部(内周部)および下端部(外周部)をそれ
ぞれ緊張されてプレストレスが導入された緊張材(テン
ドン)とリングトラスによって接続した張弦トラス架構
を介して下部構造に支持される。この際に、上記上部ド
ーム屋根から作用する垂直荷重は、剛性に優れる稲妻形
の斜め材およびリングトラスを介して安定的に下部構造
によって支持される。他方、上部ドーム屋根からの水平
荷重は、上記斜め材を介してリングトラスの法線方向外
方に作用し、これにより上記リングトラスには、これを
拡径しようとする周方向に沿う引張り力が作用するが、
上記リングトラスには当該引張り力に抗するプレストレ
スが導入されているために、このリングトラスによって
架構の変形が防止される。このように、上記張弦トラス
架構により、ドーム屋根の垂直および水平荷重に対する
架構全体の応力および変形を制御することができ、かつ
耐力および剛性を向上させることができる。
【0010】したがって、請求項2に記載の発明のよう
に、上記リングトラスを、これに最大の垂直および水平
荷重が作用する当該建築物における最大外径部に配置す
れば最も効果的である。また、請求項3に記載の発明に
あっては、下部構造として、すり鉢型で放射状に立設さ
れ、柱と梁とを兼ねた複数本のPPcaポストガーダー
を用いているので、垂直柱のみを用いた場合と比較して
スラストに対して合理的な設計が可能となる。しかも、
プレストレスが導入されているので、上記スラスト(ド
ーム屋根からの垂直および水平荷重)によって作用する
曲げ応力に対しても効果的に抗することができ、さらに
部材が経済的になる。なお、上記PPcaポストガーダ
ーの長さ寸法が大きい箇所については、強度上当該PP
caポストガーダーの所定箇所に、これを支持する小柱
を適宜配設することが好ましい。
【0011】さらに、請求項4に記載の発明によれば、
上部ドーム屋根の中央部に配設した中央ドームから、内
部に自然光を入射させることができるとともに、この中
央ドームと上記斜め梁の上端部との間に配設した折板状
の立体トラスによってドーム屋根としての強度を確保す
ることが可能となる。したがって、請求項5に記載の発
明のように、上記中央ドームの下方に、上記自然光の透
過量を調節可能な採光調整ルーバを配設すれば、各種の
イベントに対応して自由に自然光の透過量を調整して多
様な演出を行なうことができ、さらに請求項6に記載の
発明のように、強度に優れる上部ドーム屋根に装備品取
付用支持体を昇降自在に吊設すれば、各イベントに応じ
て照明装置や音響装置あるいは仮設天井等を自由な位置
に配設することが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】図1〜図6は、本発明に係るドー
ム屋根を有する建築物の一実施形態を示すものである。
図1および図2に示すように、このドーム屋根を有する
建築物は、ドーム屋根1が下部構造2によって支持され
たもので、上記下部構造2は、円周方向に等間隔でそれ
ぞれ放射状に立設された複数本のPPcaポストガーダ
ー3…によって構成されている。ここで、この建築物に
おいては、上記ドーム屋根1と下部構造2との接合部分
が図1に傾斜線Lで示すように、水平面に対して所定角
度傾斜しており、これにより図1の右方位置に示すPP
caポストガーダー3のように、長さ寸法が大きくなる
上記PPcaポストガーダー3には、所定位置において
これを支持する小柱4…が配設されている。なお、図中
符号3aは、上記PPcaポストガーダ3内に装着され
たPC鋼線を示すものであり、符号3bは、上記PPc
aポストガーダー3のほぼ中央部外周に巻設されたテン
ドンリングを示すものである。そして、これらPPca
ポストガーダー3…の上端部に、上記ドーム屋根1が構
築されている。
【0013】このドーム屋根1は、上記PPcaポスト
ガーダー3…上端部間に架設されたリング状の張弦トラ
ス架構5と、この張弦トラス架構5上に支承された上部
ドーム屋根6とから概略構成されたものである。そして
さらに、上記張弦トラス架構5は、当該建築物における
最大外径部である上記PPcaポストガーダー3…の上
端部に架設されたリングトラス7と、このリングトラス
7に下端部が接続された稲妻形の斜め梁8…と、この斜
め梁8…の上端部同士を連結するリング状のテンドン
(緊張材)9とからなるものである。ここで、上記リン
グトラス7は、複数本の緊張材(テンドン)からなるリ
ング状のトラスである。そして、この張弦トラス架構5
の上部に、上記上部ドーム屋根6が構築されている。
【0014】この上部ドーム屋根6は、上部架構を構成
する折板状の立体トラス10と中央ドーム11とから概
略構成されたものである。この立体トラス10は、中央
部に開口部が形成されており、上記開口部から放射状に
延びてその下端部が上記斜め梁8…の上端部に接続され
ている。そして、この立体トラス10の上面には金属系
の屋根材が張られており、その中央開口部に、上記中央
ドーム11が配設されている。この中央ドーム11は、
上記立体トラス10の中央開口にサイドリング12aが
接続され、このサイドリング12aの上端部にトラス梁
(支持部材)13が架設され、さらにこのトラス梁13
の中央部にセンターリング12bが配設されるととも
に、全体の上面にフッ化樹脂コーティングガラス繊維布
等からなる自然光を透過する膜屋根14が張設されたも
ので、上記トラス梁13の下端部間には、緊張材15が
張設されている。これにより、このドーム屋根6内に
は、上記中央ドーム11から自然光が入射するようにな
っている。
【0015】また、この中央ドーム11の下方には、図
3に示すように、上記自然光の透過量を調節可能な採光
調整ルーバ20が配設されている。この採光調整ルーバ
20は、図4〜図6に示すように、いわゆるニューマチ
ックルーバーと呼ばれるもので、水平部が透明膜21か
らなり垂直部が光反射膜22からなる複数の(図では2
つのみを示す。)袋体23…が水平方向に連続的に接合
されることにより、隣接する袋体23、23間に上記光
反射膜22によって画成された袋体24が形成されたも
のであり、両袋体23、24内には図示されない圧縮空
気の供給ラインおよびこれら各袋体23、24内の圧力
を調整する制御装置が配設されている。そして、上記圧
縮空気の送気を制御して、例えば図4に示すように、上
記袋体23内の圧力P1 を高く保持することにより、図
中点線矢印で示すように日射が透明膜21を透過して内
部に入射し、また図5に示すように、袋体24内の圧力
2を袋体23内の圧力P1よりも僅かに高くすることに
より、一部の日射を湾曲した上記光反射膜22の表面で
反射することにより遮光し、さらに図6に示すように、
袋体24内の圧力P2 を袋体23内よりも遥かに高く調
整することにより、日射の入射路を光反射膜22によっ
て完全に遮断して総ての自然光の入射を遮断するように
なっている。
【0016】さらに、上記上部ドーム屋根6の下方に
は、図示されない昇降システムによってリングトラスか
らなる装備品取付用支持体25が、昇降自在に吊設され
ており、この装備品取付用支持体25には、各種のイベ
ントに対応して、仮設天井26や、照明設備、音響設
備、美術吊物等が取付けられるようになっている。ま
た、上部ドーム屋根6の中央部下方には、大型のスクリ
ーン27が昇降自在に吊設されている。他方、このドー
ム屋根を有する建築物の底部中央には、電動昇降床から
なる中央ステージ28、およびこの中央ステージ28を
囲繞してコロセウム型の客席勾配からフラットなアリー
ナ面までを自在に形成することができる電動昇降席29
が配設されている。そして、この電動昇降席29の周囲
に、アリーナ面30上を床ごと席が移動可能な可動席3
1が配設され、この可動席31の周囲に、下部構造2の
内壁面に沿って固定席32が設けられている。
【0017】以上の構成からなるドーム屋根を有する建
築物によれば、全体として緩やかな曲線状を呈するドー
ム屋根1が、傾斜線Lに沿って傾いた状態で下部構造2
と一体化されているために、外観に優れた特異な視覚的
効果を得ることができる。また、構造上、上部ドーム屋
根6から作用する垂直荷重を、剛性に優れる稲妻形の斜
め材8…およびリングトラス7を介して、PC鋼線3a
によりプレストレスが導入されたPPcaポストガーダ
ー3…によって安定的に支持することができる。しか
も、上部ドーム屋根6からの水平荷重は、上記斜め材8
…を介してリングトラス7の法線方向に作用し、これに
より上記リングトラス7には、これを拡径しようとする
周方向に沿う引張り力(スラスト)が作用するが、上記
リングトラス7には当該引張り力に抗するプレストレス
が導入されているために、このリングトラス7が上記引
張り力によって歪を生じることがない。よって、上記リ
ングトラス7が、最大の垂直および水平荷重が作用する
最大外径部に配置されていることと相まって、上記架構
全体の変形を効果的に防止することができる。以上によ
り、上記ドーム屋根を有する建築物にあっては、上記張
弦トラス架構5により、上部ドーム屋根6の垂直および
水平荷重に対する架構全体の応力および変形を制御する
ことができるとともに、耐力および剛性を向上させるこ
とができる。
【0018】ここで、上記下部構造2として、すり鉢型
で放射状に立設された柱、梁兼用の複数本のPPcaポ
ストガーダー3…を用いているので、垂直柱を用いた場
合と比較してスラストに対して合理的な設計が可能とな
る。しかも、プレストレスが導入されているので、上記
スラストによって作用する曲げ応力に対しても効果的に
抗することができ、かつ部材が経済的になる。さらに、
上部ドーム屋根6の中央部に、透光性の膜屋根14を有
する中央ドーム11を配設しているので、この中央ドー
ム11から内部に自然光を入射させることができるとと
もに、この中央ドーム11の下方に、上記自然光の透過
量を調節可能な採光調整ルーバ20を配設しているの
で、各種のイベントに対応して自由に自然光の透過量を
調整して多様な演出を行なうことができる。また、この
中央ドームと上記斜め梁の上端部との間に、強度に優れ
る折板状の立体トラス10を配設しているので、この立
体トラス10によって上部ドーム屋根6の強度を確保す
ることができ、またこの結果、上記上部ドーム屋根6
に、装備品取付用支持体25を昇降自在に吊設すること
ができるため、当該装備品取付用支持体25によって、
各イベントに応じた照明装置や音響装置あるいは仮設天
井等を自由な位置に配設することができる。
【0019】加えて、図3に示すように、電動昇降床か
らなる中央ステージ28、この中央ステージ28を囲繞
する電動昇降席29、この電動昇降席29の周囲の移動
可能な可動席31、およびこの可動席31の周囲の固定
席32によって、同図上段に示すような演劇やコンサー
ト等の開催に適するコロセウム型の配置や、同図中段に
示す広いフィールドを必要とする野球やサッカー等の開
催に適したフラット型の配置、さらには同図下段に示す
狭いフィールドで行なわれる各種スポーツ等に適したス
リ鉢状の配置といった、それぞれのイベントに最適なフ
ィールドおよび客席の配置を自由に設定することができ
る。
【0020】次に、図7〜図11に基づいて、上記構成
からなるドーム屋根を有する建築物の構築方法について
説明する。先ず、図7に示すように、基盤上に仮支柱3
0を立設し、この仮支柱30を利用して中央ドーム11
を地組みする。この際に、上記中央ドーム11に、屋根
仕上げ材、天井仕上げ材および上記採光調整ルーバ等を
据え付けておく。また、これと並行して、上記PPca
ポストガーダー3…および小柱4…を放射状に構築す
る。次いで、図8に示すように、上記仮支柱30を利用
して中央ドーム11をリフトアップするとともに、ジャ
ッキ31によりジャッキアップし、次いで図9に示すよ
うに、立体トラス10および張弦トラス架構5を地組み
して一体化した後に、屋根仕上げ材、天井仕上げ材、音
響設備、照明、換気設備および昇降装置等を据え付け
る。次いで、図10に示すように、上記仮支柱30を利
用して中央ドーム11を除くドーム屋根1の全体をリフ
トアップし、上記中央ドーム11と一体化する。そし
て、中央ドーム11のジャッキ31を下ろして、図11
に示すように、さらに仮支柱30を撤去した後にドーム
屋根1全体をリフトアップし、次いでこのドーム屋根1
外周の張弦トラス架構5の下端部を、PPcaポストガ
ーダー3…上に固定することにより、上記構築作業が完
了する。
【0021】したがって、このようなドーム屋根を有す
る建築物を構築方法するに際しては、従来のように大規
模でかつ多量の仮設構台を必要とせず、しかも高所での
部材の組立作業を要することなく、安全にかつ容易に短
期間で上記建築物を構築することができる。加えて、ド
ーム屋根1の地組み段階で、屋根や天井の仕上げ材およ
び諸設備装置等を据え付けているので、これらの施工管
理が容易となり、この結果上記付帯作業についても極め
て効率的に行なうことが可能となる。
【0022】なお、上記実施の形態においては、ドーム
屋根1が平面視において円形をなす場合についてのみ説
明したが、これに限るものではなく、平面視において楕
円形や多角形をなすドーム屋根に適用しても、同様の作
用効果を得ることが可能である。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1ないし6
のいずれかに記載の発明によれば、剛性に優れる張弦ト
ラス架構により、ドーム屋根の垂直および水平荷重に対
する架構全体の応力および変形を制御することができ、
かつ耐力および剛性を向上させることができる。また、
特に請求項3に記載の発明によれば、複数本のPPca
ポストガーダーにより内部空間をより大きく確保するこ
とができ、かつ上記垂直荷重によって作用する曲げ応力
に対しても効果的に抗することができ、さらに請求項4
に記載の発明によれば、中央ドームから内部に自然光を
入射させることができるとともに、折板状の立体トラス
によってドーム屋根としての強度を確保することが可能
となる。加えて、請求項5に記載の発明によれば、上記
中央ドームからの自然光の透過量を自由に調節して多様
な演出を行なうことができ、さらに請求項6に記載の発
明によれば、昇降自在に吊設した装備品取付用支持体に
より、各イベントに応じて照明装置や音響装置あるいは
仮設天井等を自由な位置に配設することが可能になると
いった効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のドーム屋根を有する建築物の一実施形
態を示す側断面図である。
【図2】図1の要部の平面図である。
【図3】図1の床面形状を各種変化させた状態を示す側
断面図である。
【図4】自然光を全透過する際の採光調整ルーバの状態
を示す側断面図である。
【図5】自然光を半透過する際の採光調整ルーバの状態
を示す側断面図である。
【図6】自然光を遮断する際の採光調整ルーバの状態を
示す側断面図である。
【図7】中央ドームの地組みおよびPPcaポストガー
ダーの構築状態を示す概略図である。
【図8】中央ドームをリフトアップした状態を示す概略
図である。
【図9】ドーム屋根を地組みする状態を示す概略図であ
る。
【図10】ドーム屋根をリフトアップした状態を示す概
略図である。
【図11】ドーム屋根全体をリフトアップした状態を示
す概略図である。
【符号の説明】
1 ドーム屋根 2 下部構造 3 PPcaポストガーダー 5 張弦トラス架構 6 上部ドーム屋根 7 リングトラス 8 斜め梁 9 リング状のテンドン(緊張材) 10 立体トラス 11 中央ドーム 14 膜屋根 20 採光調整ルーバ 25 装備品取付用支持体

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドーム屋根が下部構造によって支持され
    てなるドーム屋根を有する建築物であって、上記ドーム
    屋根は、上記下部構造の上端部に構築されたリング状の
    張弦トラス架構と、この張弦トラス架構上に支承された
    上部ドーム屋根とを有してなり、かつ上記張弦トラス架
    構は、上記下部構造の上端部に接続されてプレストレス
    が導入されたリングトラスと、このリングトラスに下端
    部が接続されて外周架構を構成する稲妻形の斜め梁と、
    この斜め梁の上端部同士を互いに連結する緊張材とから
    構成されてなることを特徴とするドーム屋根を有する建
    築物。
  2. 【請求項2】 上記リングトラスは、当該ドーム屋根を
    有する建築物における最大外径部に配置されていること
    を特徴とする請求項1に記載のドーム屋根を有する建築
    物。
  3. 【請求項3】 上記下部構造は、放射状に立設された複
    数本のプレストレスプレキャストポストガーダーであ
    り、これらプレストレスプレキャストポストガーダーの
    上端部間に上記リングトラスが架設されていることを特
    徴とする請求項1または2に記載のドーム屋根を有する
    建築物。
  4. 【請求項4】 上記上部ドーム屋根は、さらに中央部に
    配設されて支持部材に自然光を透過する膜屋根が張設さ
    れた中央ドームと、この中央ドームと上記斜め梁の上端
    部との間に放射状に配設された折板状の立体トラスとか
    ら構成されていることを特徴とする請求項1ないし3の
    いずれかに記載のドーム屋根を有する建築物。
  5. 【請求項5】 上記中央ドームの下方には、上記自然光
    の透過量を調節可能とする採光調整ルーバが配設されて
    いることを特徴とする請求項4に記載のドーム屋根を有
    する建築物。
  6. 【請求項6】 上記上部ドームには、装備品取付用支持
    体が昇降自在に吊設されていることを特徴とする請求項
    4または5に記載のドーム屋根を有する建築物。
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