JPH0713280A - ハロゲン化銀乳剤の製造方法 - Google Patents

ハロゲン化銀乳剤の製造方法

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JPH0713280A
JPH0713280A JP15207693A JP15207693A JPH0713280A JP H0713280 A JPH0713280 A JP H0713280A JP 15207693 A JP15207693 A JP 15207693A JP 15207693 A JP15207693 A JP 15207693A JP H0713280 A JPH0713280 A JP H0713280A
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growth
tabular grains
grains
particles
agx
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JP15207693A
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Mitsuo Saito
光雄 斎藤
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Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】感度、粒状性に優れ、低かぶりであるハロゲン
化銀乳剤を提供する。 【構成】少なくとも核形成、熟成および成長過程を経て
平板状ハロゲン化銀乳剤粒子を製造する方法において、
該成長過程が大気圧の1.05倍以上の加圧下で、か
つ、温度40℃以上で行なう。好ましくは容積が容器溶
液量の増加とともに、元の容積の1.05倍以上に増加
できる密閉型容積可変型反応容器を用いて行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は写真の分野において有用
であるハロゲン化銀(以後、「AgX」と記す)乳剤に
関し、感度、粒状性の優れた高アスペクト比の平板状A
gX乳剤粒子(以後、「平板粒子」と記す)の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】平板粒子を写真感光材料に用いた場合、
非平板粒子に比べて色増感性、シャープネス、カバリン
グパワー、現像進行性、粒状性等が改良される。この為
に互いに平行な双晶面を有し、主平面が{111 }結晶面
である平板粒子(以後、「{111 }平板粒子」と記す)
が多用されるようになった。AgBr、AgBrI系の
核平板粒子の詳細に関しては特開昭51−39027
号、同55−142329号、同58−113926〜
113928号、同59−133540号、同61−6
643号、同63−151618号、特開平2−838
号、同2−298935号、同1−131541号、同
2−28638号、欧州特許0362699A2号、同
514742A1号、国際出願(WO)92−0729
5号の記載を参考にすることができる。AgCl系の該
平板粒子の詳細に関しては Weyら、Journal of Imaging
Science, 33巻,13(1989年) 、特開昭58−11193
6号、同62−163046号、同63−281149
号、同62−218959号、同63−213836
号、同63−25643号、特開平2−32号、特願平
2−89380号、同2−287603号の記載を参考
にすることができる。その他、主平面が{100 }結晶面
である平板粒子(以後、「{100 }平板粒子」と記す)
が知られている。これに関しては特開昭51−8801
7号、特公昭64−8323号、欧州特許514742
A1号の記載を参考にすることができる。これらの粒子
はアスペクト比を高めた方がより写真性が向上すると考
えられている。その為に該平板粒子の(エッジ方向の成
長増加分/厚さ方向の成長増加分)=R1 をできるだけ
大きくする方法が求められている。特にサイズ分布を広
げないで該R1 値を高くする方法が求められている。更
にはかぶり濃度が低く、感度、粒状性の優れた高アスペ
クト比の平板粒子を製造する方法が求められている。し
かし、従来の該平板粒子に関するこれらの文献には、該
平板粒子を大気圧の1.05倍以上の加圧下で成長させ
ることに関する記載はない。更には該成長を容積可変型
反応容器で行なうことに関する記載はない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的はより感
度、粒状性の優れた高アスペクト比の平板粒子の製造方
法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は次項によ
って達成された。 (1) 少なくとも核形成、熟成および成長過程を経て平板
状ハロゲン化銀乳剤粒子を製造する方法において、該成
長過程が大気圧の1.05倍以上の加圧下で、かつ温度
40℃以上で行なわれることを特徴とする平板状ハロゲ
ン化銀乳剤粒子の製造方法。 (2) 該成長過程が実質的に密閉型反応容器で行なわれ、
かつ、該密閉型反応容器の容積が容器溶液量の増加とと
もに、もとの容積の1.05倍以上に増加できる容積可
変型反応容器であることを特徴とする前記(1) 記載のハ
ロゲン化銀乳剤粒子の製造方法。
【0005】本発明のその他の好ましい実施態様は次の
通りである。 (3) 該反応容器内の気相部の容積が全容積の30%以下
であることを特徴とする前記(1) または(2) 記載のハロ
ゲン化銀乳剤粒子の製造方法。 (4) 該反応容器内の気体の酸素O2 のモル含率が25〜
100%であることを特徴とする前記(1) 、(2) または
(3) 記載のハロゲン化銀乳剤粒子の製造方法。
【0006】以下に本発明を更に詳細に説明する。まず
本発明でいう平板粒子について詳述し、次に、該平板粒
子の製造方法について詳述する。 A.平板粒子 本発明でいう平板粒子とは次の2種類の平板粒子を指
す。 1){111 }平板粒子 主平面もエッジ面も{111 }結晶面である平板粒子と、
エッジ面に{100 }面を含む平板粒子を挙げることがで
きる。エッジ面が{100 }面である割合は0〜100%
が可能である。平行双晶面の枚数は2枚以上であるが通
常は2〜3枚であり、2枚の粒子が{111 }平板粒子の
全投影面積の70%以上、好ましくは80%以上を占め
ることが好ましい。主平面の形状は、平行双晶面が2枚
の場合は、通常、隣接辺比率〔1つの粒子内における
(最長辺の長さ/最短辺の長さ)〕が2〜1の六角形状
であるが、薄い平板粒子では2を越える場合もある。平
行双晶面が3枚の場合は、通常、隣接辺比率が3以上の
三角形に近い形状、または正三角形である。(平板粒子
の厚さ/平行双晶面間隔)は1.2〜30が好ましく、
2〜20がより好ましい。平行双晶面間隔は20〜50
0Åが好ましい。主平面の形状として、その他、それら
の形状の角が丸くなった粒子を挙げることができる。そ
の場合の主平面の各辺の直線部比率(辺の直線部の長さ
/該辺の直線部分を延長し、隣接する辺の直線部分を延
長した線との間の距離)は1〜0、好ましくは1〜0.
5である。
【0007】2){100 }平板粒子 主平面もエッジ面も{100 }結晶面である平板粒子と、
エッジ面に{111 }面を含む粒子を挙げることができ
る。エッジ面が{111 }面を含む割合は、通常、60%
以下で、多くの場合30%以下である。主平面の形状は
隣接辺比率7〜1、好ましくは3〜1の直角平行四辺
形、またはその4つの角の内、1〜3個のみが欠落した
粒子、4つの角が非等価的に欠落した粒子を挙げること
ができる。更には該主平面を構成する4つの辺の内の少
なくとも相対する2つの辺が外側に凸の曲線である粒子
を挙げることができる。
【0008】本発明のAgX乳剤は厚さが好ましくは
0.5μm 以下、より好ましくは0.04〜0.3μm
、アスペクト比(直径/厚さ)が2〜50、好ましく
は4〜30の平板粒子の投影面積和が、全AgX粒子の
投影面積和の70〜100%、好ましくは90〜100
%を占める。また、該平板粒子の平均アスペクト比は
(平均直径/平均厚さ)は2〜50、好ましくは4〜3
0、平均平板度〔平均直径/(平均厚さ)2〕は5〜60
0、好ましくは20〜500である。該平板粒子の直径
分布の変動係数(直径分布の標準偏差/平均直径)は
0.05〜0.3が好ましく、0.05〜0.15がよ
り好ましい。ここで直径とは平板粒子を支持体に対して
平行に配置し、電子顕微鏡で観察した時、粒子の投影面
積と等しい面積を有する円の直径を指すものとする。ま
た、厚さは平板粒子の主平面間の距離を指す。平均直径
は0.2〜5μm が好ましく、0.3〜3μm がより好
ましい。
【0009】B.平板粒子の種晶形成。 該平板粒子は平板種晶形成→結晶成長、により形成され
る。該種晶形成過程は通常、核形成過程と熟成過程から
なる。{111 }平板粒子の場合は核形成時に平行双晶面
型平板粒子核以外に無双晶核、1重双晶核、非平行2重
双晶核等も同時に形成される為に、次の熟成過程で、該
平板粒子核以外の核を消失させ、{111}平板粒子の比
率を高める。該比率は通常、投影面積比率で好ましくは
90%以上、より好ましくは99%以上、更に好ましく
は100%に高められる。
【0010】{100 }平板粒子の場合は核形成時に{10
0 }面に平行な方向ベクトルを有するらせん転位を核に
導入することにより、{100 }平板粒子核を導入する。
(らせん転位1本/粒子)で該平板粒子核を形成する場
合は次のようにすればよい。Bravais の面心立方格子モ
デルの三つの結晶軸をa、bおよびc軸とすると、1つ
の軸(例えばc軸)に垂直で、かつ、他の2つの軸(例
えばaおよびb軸)に非平行な方向ベクトルを有するら
せん転位を導入する。a軸と平行な方向にらせん転位が
1本導入されると棒状粒子核となり、a軸と該転位ベク
トル間の角度が45°から0°に近づくにつれ、最終的
に得られる平板粒子の隣接辺比率〔主平面の形状が直角
平行四辺形で、1個の粒子内の(長い辺の辺長/短い辺
の辺長)値を表わす〕が1から30〜50程度にまで増
加する。
【0011】該欠陥形成確率を減少させていくと、隣接
辺比率1.5〜1.0(該角度が約33〜57°)の粒
子の比率が80%以上にまで増加することから、〔110
〕方向〔(110) 面に垂直な方向、即ち) 該角度が45
°の方向〕に該転位が最も入り易いと考えられる。ま
た、c軸と該転位ベクトル間の角度が90°から45
°、または90°から135°に近づくにつれ、粒子の
厚味は増し、ついには、最終的に得られる粒子は立方体
に近づく、このような厚く、低アスペクト比の粒子の混
入は好ましくない為に、厚い粒子の核の生成確率の低い
条件で核形成することが好ましい。従ってc軸に垂直
で、a軸との角度が30〜60°、好ましくは40〜5
0°のらせん転位が1本入った核の生成頻度が高い条件
で核形成すればよい。該転位発生確率を増加させていく
と、多くの場合、アスペクト比が2以下の低アスペクト
比の粒子の比率が増加する。これは1つの核中に2つ以
上の該転位が発生し、それらの成長方向の合成ベクトル
が、c軸に垂直でなくなる確率が増す為と考えられる。
従って、1つの核中に2つ以上の該転位を含有する場合
には、それらの成長方向の合成ベクトルがc軸に対し
て、好ましくは70〜110°、より好ましくは80〜
100°、更に好ましくは86〜94°になる条件を選
んで核形成すればよい。各核に同一条件の格子歪を形成
し、これらの条件を満足する核を均一に形成すればよ
い。従って極めて均一な核形成が要求される。
【0012】核に該転位を導入する方法として次の方法
を挙げることができる。核中に不連続なハロゲン組成
ギャップ面を少なくとも1つ形成する。該ギャップはC
-含率またはBr- 含率が10〜100モル%差、好
ましくは30〜100モル%差、より好ましくは50〜
100モル%差だけ異なる。更に/又はI- 含率が好ま
しくは5〜100モル%、より好ましくは30〜100
モル%、より好ましくは50〜100モル%だけ異な
る。具体的には核形成時に添加するハロゲン塩溶液(以
後「X- 液」と記す)のハロゲン組成が、該ギャップ面
の所で前記規定に従って不連続に変化させることを指
す。
【0013】その他の詳細に関しては特願平5−962
50号の明細書の記載を参考にすることができる。低
分散媒濃度F(1重量%以下が好ましく、0.1〜0.
6重量%がより好ましい)で核形成する方法。AgC
l含率が50モル%以上の核中にI- を混入する方法、
晶癖制御剤(共鳴安定化したπ電子をもったN原子を
有する化合物)の存在下で核形成する方法。〜のそ
の他の詳細に関しては欧州特許0,534,395A1
号、特開昭63−271335号の記載を参考にするこ
とができる。均一な該転位形成の点で前記の方法がよ
り好ましい。
【0014】なお、該欠陥生成確率は核形成時のpH、
pX、温度、核のサイズ、分散媒濃度等に依存する。分
散媒濃度は低い方が、核のサイズは小さい方が、温度は
低い方が、pHは低pHより中性近傍の方が該欠陥が入
り易い。該欠陥形成確率を高めていくと、まず隣接辺比
率1〜1.5の正方形に近い平板粒子が生成し始め、更
に該確率を高めると隣接辺比率1.5以上の平板粒子の
比率が増し、更に該確率を高めると、厚い平板粒子の比
率が増すことから、該正方形に近い平板粒子が含有する
らせん転位は1本であると考えられる。核形成後、温度
を好ましくは10℃以上、より好ましくは20〜70℃
だけ上昇させ、熟成し、該平板粒子の投影面積比率を好
ましくは75〜100%、より好ましくは85〜100
%に高める。
【0015】通常、{100 }平板粒子および{111 }平
板粒子の場合、核形成時の反応溶液のAgX溶解度を低
く選んだ方が、生成するAgX核のサイズはより小さく
なり、熟成後に得られる平板粒子の厚さはより薄くな
る。該AgX溶解度を低くするには該溶液の温度を低く
すること、該溶液の過剰X- またはAg+ イオン濃度を
低くすることである。核形成温度は1〜70℃が好まし
く、10〜50℃がより好ましい。X- またはAg+
過剰イオン濃度は10-1モル/リットル以下が好まし
く、10-1.8〜10-4モル/リットルがより好ましい。
核形成期間は10分以下が好ましく、3秒〜5分がより
好ましく、10秒〜3分が更に好ましい。核形成後の熟
成条件は、温度、pAg、pH、過飽和濃度の最適の組
合せ条件を選んで熟成すればよい。即ち、得られる平板
粒子のかぶり濃度が低く、R1 値が高く、サイズ分布が
狭いという点で最も好ましい組合せ条件を選んで熟成す
ることができる。温度は45℃以上が好ましく、55〜
120℃がより好ましい。pHは1〜12、好ましくは
2〜10、pAgは1〜12、好ましくは2〜11、過
飽和濃度は臨界オストワルド熟成濃度C1 (それ以上に
溶質の添加速度を増すと、消失させるべく無双晶微粒子
が成長しはじめる時の濃度)より低い濃度、好ましくは
1 の90%〜溶質無添加時の濃度である。
【0016】その他、核形成後にAgX微粒子を添加し
(該平板粒子核数/無双晶微粒子核数)の比率を調節し
た後、熟成過程に移ることができる。該AgX微粒子の
詳細に関してはC項の記載を参考にすることができる。
該AgX微粒子の添加量は、添加される該核乳剤のAg
X量の0.1〜30倍量が好ましく、0.3〜10倍量
がより好ましい。
【0017】C.種晶の成長過程。 このようにして形成した平板状種晶を、本発明では大気
圧の1.05倍以上、好ましくは1.1〜7倍、より好
ましくは1.2〜5倍の加圧下で、かつ、温度は40℃
以上、好ましくは55〜130℃、より好ましくは70
〜120℃で結晶成長させる。この場合、反応容器は実
質的に密閉型が好ましい。ここで実質的にとは、反応容
器内を室温で1.27気圧に加圧し、コックを閉じた
時、反応容器内の圧が1.1気圧に減少するまでに3秒
以上、好ましくは30秒以上、より好ましくは3分以上
の時間を要する状態を指す。また該成長時の過飽和濃度
は臨界点の5〜90%が好ましく、10〜70%がより
好ましい。それは成長時の温度と過飽和濃度、pAgを
系統的に変化させて成長させると、高温で低過飽和濃度
で成長させた時に前記R1 値が最も大きくなる為であ
る。即ち、成長温度が40℃以上で高くなる程、また、
過飽和濃度が臨界点より低くなるにつれ、R1 値が大き
くなる。しかし、該過飽和濃度が低すぎると、平板粒子
はオストワルド熟成を受け、粒子のエッジ部が溶解し主
平面が成長し、R1 値が低下する。従って、該オストワ
ルド熟成を受けない過飽和濃度で成長させることが好ま
しい。前記領域で最も好ましい過飽和濃度を選んで成長
させることが好ましい。
【0018】ここで臨界点とは銀塩溶液(以後、「Ag
+ 液」と記す)とX- 液をそれ以上の添加速度で添加す
ると新核が発生しはじめる添加速度点における過飽和濃
度を指す。低過飽和濃度下では、無欠陥結晶面上に新た
な成長核は形成され難く、平行双晶面が形成する凹入角
部やらせん転位部で優先的に成長核が形成され、成長す
る。従って、平板粒子はより選択的にエッジ方向に成長
する。しかし、{111 }平板粒子の場合は、成長活性の
凹入角部の長さは粒子直径に比例する為、新たな成長核
が形成される確率は、粒子直径に比例する。即ち、エッ
ジ方向の線成長速度は(直径の小さい粒子<直径の大き
い粒子)であり、成長とともに粒子直径分布が著しく広
がる。従ってサイズ分布が許容範囲内に入る過飽和濃度
を前記領域内で選んで成長させることが好ましい。
【0019】一方、{100 }平板粒子の場合は、成長開
始点がらせん転位部である為に、(らせん転位線の本数
/粒子)および該転位の性格が揃っていれば、いずれの
直径の粒子も同じ成長速度で成長する。従ってそれらが
粒子間で揃っていれば低過飽和濃度下でもサイズ分布が
広がり難い。従ってオストワルド熟成によるR1 の低下
が生じない過飽和濃度領域を前記領域内で選んで成長さ
せればよい。成長時の溶質の添加方法としては、1)銀塩
溶液とX- 塩溶液を添加する方法の他、2)予めAgX微
粒子を形成し、該微粒子を添加する方法、3)Ag+ 液と
-液を臨界点以上の速度で短時間添加し、AgX微粒
子を発生させる方法(好ましくは臨界点の1.5〜50
倍、より好ましくは2〜20倍、添加時間は好ましくは
0.2秒〜3分、より好ましくは1秒〜30秒間)、お
よびそれらの2種以上の併用法をあげることができる。
該スプラッシュ回数は、全成長期間中、1〜500回、
好ましくは10〜100回である。
【0020】該AgX微粒子は直径が0.15μm 以下
が好ましく、10Å〜0.1μm がより好ましく、30
Å〜0.05μm が更に好ましい。該AgX微粒子は実
質的に無双晶であることが好ましく、更には実質的にら
せん転位を含まないことが好ましい。ここで実質的に無
双晶とは、2重以上の多重双晶粒子の数比率が3%以
下、好ましくは1%以下、より好ましくは0.1%以下
を指す。実質的にらせん転位を含まないとは、らせん転
位を含む粒子の数比率が3%以下、好ましくは1%以
下、より好ましくは0.1%以下を指す。該双晶粒子の
比率は該微粒子を八面体粒子生成領域で、オストワルド
熟成が生ぜず、かつ新核を発生させないで成長させ、成
長した粒子の粒子形状別比率を求めることにより、該ら
せん転位粒子の比率は、該微粒子を立方体粒子生成領域
で、オストワルド熟成が生ぜず、かつ、新核を発生させ
ないで成長させ、成長した粒子の粒子形状別比率を求め
ることにより、求めることができる。該微粒子のサイズ
分布は揃っていることが好ましく、サイズ分布の変動係
数(標準偏差/平均粒子直径)は0.3〜0.01が好
ましく、0.2〜0.01がより好ましい。
【0021】該微粒子は魚から採取したゼラチン、特に
寒海に住む魚の皮より採取したゼラチンの存在下でAg
+ 液とX- 液をダブルジェット添加して調製することが
特に好ましい。該規定を満足するAgX微粒子が得られ
る。該ゼラチンのセリン分子数比率は1%以上が好まし
く、3〜15%がより好ましく、5〜15%が更に好ま
しい。ヒスチジン分子数比率は1.5〜8%が好まし
く、2〜7%がより好ましい。ヒドロキシプロリン分子
数比率は10%以下が好ましく、0.1〜3%がより好
ましい。該分散媒濃度は0.1重量%以上が好ましく、
0.2〜10重量%がより好ましい。該微粒子乳剤は連
続的に添加することもできるし、断続的に添加すること
もできるし、一度に添加することもできる。また液状で
添加することもできるし、乾燥した粉末で添加すること
もできる。該微粒子のハロゲン組成はAgCl、AgB
r、AgIおよびそれらの2種以上の混晶であり、2種
類以上の微粒子を併用して添加してもよい。該微粒子乳
剤添加に関するその他の詳細に関しては、特開平1−1
83417号、特開平4−34544号の記載を参考に
することができる。
【0022】溶質の添加速度を溶質の添加を止めた状態
から、臨界点の所まで種々の添加速度で添加し、成長時
の過飽和濃度を変化させた時の平板粒子の成長挙動に関
しては、特願平5−118418号、同5−96250
号明細書の記載を参考にすることができる。一方、成長
時の温度を30℃より100℃近傍まで、種々の温度で
成長させた時の成長挙動は次の通りである。粒子の主平
面に吸着したAg+ と溶液中のAg+ とエッジ部に組み
込まれたAg+ のエネルギー diagramを図1の如く考え
る。低温では主平面上に吸着した(AgX)l の吸着寿
命は長い為、隣接部に random walking により次のAg
Xが付着し、成長核(AgX)n が形成され易い。ここ
でnは2または3〜5の整数である。該成長核は脱着し
がたく、その隣接部に次のAgXを取り込み、成長し、
一層が完成する。一方、高温では主平面上に吸着した
(AgX)l の吸着寿命は短く、すぐに脱着する為に、
成長核(AgX)n が生成しがたい。また、安定な成長
核サイズがより増大する為に、この点からも安定成長核
が生じ難い。即ち、無欠陥の主平面上への溶質の吸着は
物理吸着的であり、吸着エネルギーは2〜3kcal/mol
で、温度の上昇で吸着量は減少する。
【0023】一方、平板粒子のエッジの欠陥部では、欠
陥部に取り込まれた溶質は欠陥と化合結合する為、その
結合エネルギーは15〜25kcal/mol 程度であり、一
度取り込まれれば脱着しがたい。従って、高温では、主
平面上に吸着した溶質は吸脱着を繰り返し、最終的には
エッジの欠陥部に取り込まれる確率が増し、R1 値が大
きくなる。今、反応溶液中に加えた溶質の(エッジ面上
に分配される割合/主平面上に分配される割合)=K、
を一種化学平衡定数と見なし、これに Gibbs-Helmholtz
式と、化学平衡式(△G°=−RTLnKp)から得ら
れるファント−ホッフの定圧平衡式〔dLnK/dT=
△H°/RT2 〕を適用する。具体的にはK=(平板粒
子の直径の増加分/平板粒子の厚さの増加分)として、
一定圧下におけるその温度変化の実測値をプロットする
と、△H°≒13kcal/mol となる。従って、溶質が主
平面からエッジ面へ移る反応は吸熱反応である。これは
エッジ面が選択的に成長し、熱力学的に不安定な高アス
ペクト比の平板粒子が生成することと反応している。
【0024】但し、昇温でより高アスペクト比化するの
は、反応溶液の過飽和濃度が臨界オストワルド熟成濃度
1 より高い濃度だからであり、溶質を添加しないで熟
成をすると、いかなるpAg条件においても、粒子はエ
ッジが溶解し、主平面上に沈積し、低アスペクト比化す
る。即ち、比表面積が小さくなり、系のエネルギー状態
はより低い状態へと移行する。完全結晶面である主平面
が溶解し、エッジ部に沈積することは起こりえないし、
実験的にも確認している。該成長時の反応溶液のpHは
1〜12、好ましくは2〜10、pAgは1〜12、好
ましくは2〜11であり、その中の最も好ましい組合せ
を選んで用いることができる。{111 }平板粒子の場合
は(X- 濃度>Ag+ 濃度)の条件、好ましくはpX
〔=-log(X- 濃度モル/リットル)〕=0.7〜3.
0、より好ましく1.0〜2.0である。
【0025】該密閉型反応容器としては特願平4−30
2605号、同3−343180号明細書記載の反応容
器を用いることができる。溶質を添加しながら成長させ
る時は特願平4−302605号明細書記載の「反応容
器容積が反応開始時の容積の1.05倍以上、好ましく
は1.1〜7倍、より好ましくは1.3〜4倍に増加で
きる容積可変型反応容器」を用いることが好ましい。更
には該反応容器内の気相部の容積が好ましくは全容積の
30%以下、より好ましくは15%以下、更に好ましく
は5%以下、最も好ましくは0%である。激しく攪拌し
ても発泡しない為に好ましい。更には該反応容器内の気
体が空気以外の気体であることが好ましい。該気体の酸
素O2 のモル含率が25〜100%、好ましくは35〜
100%、より好ましくは50〜100%にすると、よ
りかぶり濃度の低いAgX粒子が生成し、好ましい。他
の気体の態様に関しては特願平4−302605号の記
載を参考にすることができる。
【0026】70〜130℃の高温で平板粒子を成長さ
せた時、成長終了後に該粒子がオストワルド熟成を受け
ることがある。特に大容量の反応容器で製造した場合は
温度が急に下がりにくい為に起こり易い。この場合、次
の方法が有効である。1)成長後、0.1秒〜5分、好ま
しくは0.2秒〜1分の間に粒子への吸着剤を添加す
る。吸着剤としては増感色素、かぶり防止剤、ペンダン
ト型色素、ポリアルキレンオキサイドをあげることがで
き、添加量は飽和吸着量の5〜100%、好ましくは1
5〜100%である。具体的化合物例は後述の文献の記
載を参考にすることができる。2)成長終了前の20秒〜
15分、好ましくは1〜10分間に降温を開始する。そ
の時の添加速度はその条件における臨界点以下とする。
3)特開平5−11377号記載の反応装置を用い、成長
終了後、急冷する。4)反応溶液のpAgをAgX溶解度
がより低くなるように調節する。成長終了時の−15分
から+15分の間が好ましく、−3分から+3分の間が
より好ましい。5)該1)〜4)の2つ以上の組み合わせ方
法。
【0027】D.その他。 核形成時に均一な核形成を可能にする為に、また成長過
程で均一な粒子成長を可能にする為に特開平3−213
39号、同4−193336号、特願平4−24028
3号、同4−147438号記載の多孔膜添加法、特開
平4−283741号記載の多孔製流板、特開平5−4
5757号、同5−61134号、特願平4−3026
05号、同5−25314号記載の均一混合化装置また
は方法を特に好ましく用いることができる。
【0028】{111 }平板粒子の場合、特にAgBr含
率が50モル%以上の{111 }平板粒子の場合、該Ag
X乳剤の核形成の開始から粒子成長の終わりまでの時間
の少なくとも20%以上、好ましくは50%以上、より
好ましくは75%以上、更に好ましくは100%の時
間、ポリアルキレンオキサイドを0.01g/リットル
以上、好ましくは0.03〜10g/リットル、より好
ましくは0.06〜5g/リットル存在させることが好
ましい。核形成時に共存させた場合は平板粒子の生成確
率を増加させ、熟成時に共存させた場合は熟成により直
径分布が広がるのを防止する。成長時に共存させた場合
はその成長様式を変え、粒子の各表面の成長は吸着した
ポリアルキレンオキサイドの脱着過程が律速過程とな
る。該脱着速度は小粒子も大粒子もほぼ同じである為、
小粒子も大粒子も同一速度で成長する。従って低過飽和
濃度で成長させても、成長とともに直径分布が著しく広
がることがなく、直径分布の狭い、高アスペクト比の平
板粒子が得られる為に好ましい。
【0029】該ポリアルキレンオキサイド化合物の詳細
に関しては欧州特許0514742A1号、特願平5−
118418号、吉田時行ら著、界面活性剤ハンドブッ
ク、工学図書、刈米孝夫著、界面活性剤の性質と応用、
幸書房、日本化学会編、化学便覧、第4−6節、丸善
(1984年)および後述の文献の記載を参考にするこ
とができる。これらの平板粒子のハロゲン組成はAgC
l、AgBr、AgBrIおよびそれらの固溶限界内の
混晶であり、該固溶限界に関しては無機化学のグメリン
ハンドブック、Silber, B2巻、p.402〜404、Ch
emie出版、ドイツ(1972年)の記載を参考にするこ
とができる。
【0030】該{111 }平板粒子の構造、粒子内ハロゲ
ン組成分布構造、該製造方法のその他の詳細に関しては
特開昭51−39027号、同55−142329号、
同58−113926号〜113928号、同59−1
33540号、同61−6643号、同63−1516
18号、特開平2−838号、同2−34号、同2−2
98935号、同1−131541号、同2−2863
8号、同3−121445号、欧州特許0362699
A2号、同514742A1号、世界特許92−072
95号、特願平5−118418号の記載を参考にする
ことができる。AgCl系の該平成粒子の詳細に関して
は Weyら、Journal of Imaging Science, 33巻、13
(1989年)、特開昭58−111936号、同62
−163046号、同63−281149号、同62−
218959号、同63−213836号、同63−2
5643号、特開平2−32号、特願平2−89380
号、同2−287603号、米国特許第5,185,2
39号の記載を参考にすることができる。一法、該{10
0 }平板粒子の構造、粒子内ハロゲン組成分布構造、該
製造方法のその他の詳細に関しては特開昭51−880
17号、特公昭64−8323号、欧州特許第514,
742A1号、特願平4−77261号、同4−145
031号、同4−214109号、同5−117624
号、同5−96250号の記載を参考にすることがてき
る。
【0031】これらの平板粒子の核形成、熟成、成長時
のpHは1〜12、好ましくは2〜11、pAgは1〜
12、好ましくは2〜11の中で最も好ましい組合せを
選んで用いることができる。{100 }平板粒子の場合
は、核形成、熟成、成長過程ともに立方体粒子生成領域
が好ましく、該領域はハロゲン組成により変わる。該領
域は具体的には該pH、pAg、温度、イオン強度、過
飽和濃度、分散媒濃度下で該条件を一定に保ちつつ、A
+ 液とX- 液をダブルジェット添加し、生成した0.
2μm 直径以上の粒子のレプリカの透過型電子顕微鏡写
真像(TEM像)を観察することにより確認することが
できる。ここで立方体粒子生成領域とは該生成した粒子
の全表面の好ましくは70〜100%、より好ましくは
90〜100%が{100 }面である領域を指す。
【0032】AgX粒子の核形成、熟成、成長時に用い
られる分散媒としてはAgX写真感光材料用として公知
のあらゆる分散媒を用いることができ、通常はゼラチン
が好ましく、不純物イオンや不純物を除去したゼラチン
がより好ましい。ゼラチンとしてはアルカリ処理ゼラチ
ンの他、酸処理ゼラチン、フタル化ゼラチンの如き誘導
体ゼラチン、低分子量ゼラチン(分子量1000〜10
万で、具体例として酸素で分散したゼラチン、酸および
/もしくはアルカリで加水分解したゼラチン、熱で分解
したゼラチンを挙げることができる。)、高分子量ゼラ
チン(分子量10万〜30万)、メチオニン含率が1〜
50μモル/gのゼラチン、酸化処理ゼラチン、メチオ
ニンがアルキル化等により不活性化されたゼラチンを用
いることができる。それらの2種以上の混合物を用いる
こともできる。該分散媒の濃度としては通常、0.05
〜10重量%が好ましく、0.1〜3重量%がより好ま
しい。
【0033】また、添加する銀塩および/もしくはX-
塩溶液に該分散媒を含ませることができる。該分散媒濃
度としては0〜5重量%が好ましく、0.1〜3重量%
がより好ましく、0.3〜2重量%が更に好ましい。こ
の場合、低分子量ゼラチン(分子量1000〜4万)は
濃度が高くてもゲル化しないので高濃度側(1.6〜5
重量%)で用いる場合は特に好ましい。該溶液が添加さ
れた近傍におけるゼラチン濃度の均一性が高まる為に、
より均一な核形成が可能となる。従ってより好ましい。
これらの分散媒の詳細に関しては後述の文選の記載を参
考にすることができる。該分散媒溶液中の溶存酸素濃
度、溶存水素濃度等や、酸化電位を予め設定した値に制
御することがてきる。該設定範囲や設定方法、その他の
詳細に関しては特願平4−302605号の記載を参考
にすることができる。
【0034】本発明法で得られた粒子をホスト粒子と
し、エピタキシャル粒子を形成して用いてもよい。ま
た、該粒子ヲコアとして内部に転位線を有する粒子を形
成してもよい。その他、該粒子をサブストレートとし
て、サブストレートと異なるハロゲン組成のAgX層を
積層させ、種々の既知のあらゆる粒子構造の粒子を作る
こともできる。これらに関しては後述の文献の記載を参
考にすることができる。また、得られた乳剤粒子に対
し、通常、化学増感核が付与される。この場合、該化学
増感核の生成場所と数/cm2 が制御されていることが好
ましい。これに関しては特開平2−838号、同2−1
46033号、同1−201651号、同3−1214
45号、特開昭64−74540号、特願平3−732
66号、同3−140712号、同3−115872号
の記載を参考にすることができる。
【0035】また、該平板粒子をコアとして、浅内潜乳
剤を形成して用いてもよい。また、コア/シェル型粒子
を形成することもできる。これについては特開昭59−
133542号、同63−151618号、米国特許第
3,206,313号、同3,317,322号、同
3,761,276号、同4,269,927号、同
3,367,778号の記載を参考にすることができ
る。本発明の方法で製造したAgX乳剤粒子を他の1種
以上のAgX乳剤とブレンドして用いることもできる。
ブレンド比率は1.0〜0.01の範囲で適宜、最適比
率を選んで用いることができる。
【0036】これらの粒子に粒子形成から塗布工程まで
の間に添加できる添加剤に特に制限はなく、従来公知の
あらゆる写真用添加剤を添加することができる。例えば
AgX溶剤、AgX粒子へのドープ剤(例えば第8族貴
金属化合物、その他の金属化合物、カルコゲン化合物、
SCN化物等)、分散媒、かぶり防止剤、増感色素
(青、緑、赤、赤外、パンクロ、オルソ用等)、強色増
感剤、化学増感剤(イオウ、セレン、テルル、金および
第8族貴金属化合物、リン化合物、ロダン化合物、還元
増感剤の単独およびその2種以上の併用)、かぶらせ
剤、乳剤沈降剤、界面活性剤、硬膜剤、染料、色像形成
剤、カラー写真用添加剤、可溶性銀塩、潜像安定剤、現
像剤(ハイドロキノン系化合物等)、圧力減感防止剤、
マット剤等をあげることができる。該AgX乳剤粒子を
形成した後に、または化学増感後に、または化学増感と
分光増感をした後に遠心分離法により、AgX粒子を分
離し、上澄みのゼラチン溶液を除去することができる。
上澄み液と一緒に不要になった添加剤が除去される。次
に新しいゼラチン溶液を添加し、AgX粒子を再分散
し、用いることが好ましい。
【0037】本発明法で調製したAgX乳剤は、従来公
知のあらゆる写真感光材料に用いることができる。例え
ば、黒白ハロゲン化銀写真感光材料(例えば、Xレイ感
材、印刷用感材、印画紙、ネガフィルム、マイクロフィ
ルム、直接ポジ感材、超微粒子乾板感材(LSIフォト
マスク用、シャドーマスク用、液晶マスク用)〕、カラ
ー写真感光材料(例えばネガフィルム、印画紙、反転フ
ィルム、直接ポジカラー感材、銀色素漂白法写真など)
に用いることができる。更に拡散転写感光材料(例え
ば、カラー拡散転写要素、銀塩拡散転写要素)、熱現像
感光材料(黒白、カラー)高密度 digita 記録感材、ホ
ログラフィー用感材などをあげることができる。塗布銀
量は0.01g/m2以上の好ましい値を選ぶことができ
る。AgX乳剤製造方法(粒子形成、脱塩、化学増感、
分光増感、写真用添加剤の添加方法等)および装置、A
gX粒子構造、支持体、下塗り層、表面保護層、写真感
光材料の構成(例えば層構成、銀/発色材モル比、各層
間の銀量比等)と製品形態および保存方法、写真用添加
剤の乳化分散、露光、現像方法等に関しても制限はな
く、従来もしくは今後公知となるあらゆる技術、態様を
用いることができる。これらの詳細に関しては下記文献
の記載を参考にすることができる。
【0038】リサーチ・ディスクロージャー(Research
Disclosure) 、176巻(アイテム17643)(12
月、1978年)、同307巻(アイテム30710
5、11月、1989年)、ダフィン(Duffin) 著、写
真乳剤化学(Photographic Bmulsion Chemistry)、Foca
l Press, New York(1966年)、ビル著(B.J.Birr)、
写真用ハロゲン化銀乳剤の安定化(Stabilization of P
hotographic Silver Halide Emulsion) 、フォーカル
プレス(Focal Press)、ロンドン(1974年)、ジェ
ームス編(T.H.James)、写真過程の論理(The Theory o
f Phtotgraphic Process) 第4版、マクミン(Macmilla
n)、ニューヨーク(1977年)
【0039】グラフキデ著(P.Glafkides)、写真の化学
と物理(Chimie et Physique Photographique)、第5
版、エディション ダ リジンヌヴェル(Edition de
1,UsineNouvelle, パリ(1987年)、同第2版、ポ
ウル モンテル、バリ(1957年)、ゼリクマンら
(V.L.Zelikman et al.)、写真乳剤の調製と塗布(Maki
g and Coating Photographic Bmulsion), Focal Press
(1964年)、ホリスター(K.R.Hollister)ジャーナ
ル オブ イメージング サイエンス(Journal of Ima
ging Science) 、31巻、p.148〜156(1987
年)、マスカスキー(J.E.Maskasky) 、同30巻、p.2
47〜254(1986年)、同32巻、160〜17
7(1988年)、同33巻、10〜13(1989
年)
【0040】フリーザーら編、ハロゲン化銀写真過程の
基礎(Die Grundlagen Der Photographischen Prozesse
Mit Silverhalogeniden),アカデミッシェ フェルラー
クゲゼルシャフト(Akademische VerIaggesellschaft),
フランクフルト(1968年)。日化協月報1984
年、12月号、p.18327、日本写真学会誌、49
巻、7〜12(1986年)、同52巻、144〜16
6(1986年)、同52巻、41〜48(1989
年)、特開昭58−113926号〜113928号、
同59−90841号、同58−111936号、同6
2−99751号、同60−143331号、同60−
143332号、同62−14630号、同62−62
51号、
【0041】特開平1−131541号、同2−838
号、同2−146033号、同3−155539号、同
3−200952号、同3−246534号、同4−3
4544号、同2−28638号、同4−109240
号、同2−73346号、特願平2−326222号、
AgX写真分野その他の日本特許、米国特許、欧州特
許、世界特許、ジャーナル オブ イメージ サイエン
ス(Journal of ImagingScience)、ジャーナル オブ
フットグラフィック サイエンス(Journal of Photogr
aphic Science)、フォトグラフィック サイエンス ア
ンド エンジニアリング(Photographic Science and E
ngineering) 、日本写真学会誌、日本写真学会講演要旨
集、International Congress of Photographic Science
およびTheInternational East-West Symposium on the
Factors Influencing Photographic Sensitivity の講
演要旨集。米国特許3,442,653号、特願平2−
130976号、同2−229300号、同3−536
93号、同3−82929号、同2−333819号、
同3−131598号、同3−53693号、同4−1
45031号、同4−77261号、特開昭51−88
017号、カナダ特許800,958号、特公昭64−
8323号。
【0042】
【実施例】次に実施例により本発明を更に詳細に説明す
るが、本発明の実施態様はこれに限定されるものではな
い。 実施例1 開放系の反応容器にゼラチン水溶液1.2リットル(平
均分子量2万のゼラチン(以後、「2MGel」と記
す)8.4g、KBr5.4gを含み、pH6.0)を
入れ、30℃に恒温し、攪拌しながらAg−1液〔10
0ml中に2MGelを0.7g、AgNO3 を20g、
HNO3(1N)液を0.2ml含む〕とX−1液〔100
ml中に2MGelを0.7g、KBrを14.9g含
む〕を48ml/分で66秒間同時混合添加した。添加
後、1分間攪拌した後、ゼラチン液−1170ml(脱イ
オン化アルカリ処理でゼラチン32gを含み、pH6.
0)を入れ、温度を75℃に昇温した。昇温後、18分
間熟成をした後、Ag−2液(AgNO3 200g/リ
ットル)を3分間かけて19.2ml添加した。次にNH
4NO3 液6ml(NH4 NO3 を3g含む)を入れ、次
にNH3 液25ml(NH3を1.5g含む)を入れ、更
に20分間、熟成をした。次にHNO3(3N)液を入
れ、pH5.2に調節した。KBr−1液(100ml中
にKBr10gを含む)を添加し、pBr1.5とし
た。
【0043】該乳剤を2等分し、一方は従来の開放系反
応容器に入れ、他方は特願平4−302605号の図3
(a) に記載の反応容器に入れた。該図3(a) の反応容器
の方はプランジャーヘッドを下げ反応容器内の全容積に
対する気相部の容積を20%とし、空気抜きコックと開
閉コックを用いて、酸素モル含率50%、窒素モル含率
50%のガスと内部の空気を置換した。更にガスを導入
し、内部のガス圧を1.2気圧とした。両反応容器内の
乳剤の温度を80℃とし、Ag−2液とX−2液(10
0ml中にKBrを14.8g含む)をpBr1.5に保
ちながらダブルジェット添加した。スタート流量17ml
/分、直線的流量加速0.8ml/分で700mlを添加し
た。更にAg−2液を20ml/分で添加し続け、pBr
2.0の所で添加を停止した。添加終了後、5秒後に下
記の増感色素1の0.3重量%水溶液を該乳剤中に設置
した中空管型ゴム弾性体多孔膜(孔径0.1mm、孔数6
000)を通して0.5秒間以内に、飽和吸着量の65
%だけ添加した。該反応容器の底のバルブを開け、冷
却、水洗用の開放系反応容器にAgX乳剤を移液し、温
度を40℃に急冷した。沈降剤を添加し、温度を30℃
に下げ、沈降水洗法で乳剤の脱塩を行なった。38℃で
乳剤を再分散させ、pH6.4、pBr2.7に調節し
た。両者のAgX粒子のレプリカのTEM像を観察した
所、表1の通りであった。
【0044】該両乳剤を58℃に昇温し、それぞれ金−
チオシアン酸錯体(塩化金酸:NaSCN=1:30モ
ル比)溶液を2×10-5mol/mol AgX だけ添加し、次に
イオウ増感剤として Na2S2O3・5H2Oを2.5×10-5mo
l/mol AgX だけ添加し、30分間の熟成をした。次に温
度を40℃に下げ、かぶり防止剤TAI(4-hydroxy-6-
methyl-1,3,3a,7-tetraazaindene) を5×10-3mol/mo
l AgX と塗布助剤を加えて塗布(塗布銀量は1.5g/
m2、ベースはトリアセチルセルロースフィルム)し、乾
燥させた。両塗布フィルムを1/100秒間のウェッジ
露光(マイナス青露光)をし、MAA−1現像液で20
℃、10分間の現像をした。定着、水洗、乾燥をし、得
られた特性曲線より求めた感度、粒状性、かぶりを表1
に示した。本発明の容積可変型加圧容器で製造した{11
1 }平板粒子の方がアスペクト比、感度、粒状性、かぶ
り濃度においてより優れていることが確認された。
【0045】
【化1】
【0046】
【表1】
【0047】実施例2 開放系の反応容器にゼラチン水溶液(H2 O 1.2リ
ットル、脱イオン化アルカリ処理骨ゼラチン24g、K
NO3(1N)5mlを含み、pH5.2)を入れ、温度を
40℃に保ち、攪拌しながらAg−21液(AgNO3
100g/リットル)とX−21液(KBr70/リッ
トル)を96ml/分で15秒間添加した。次にAg−2
2液(AgNO3 28.2g/リットル)とX−22液
(NaCl 10g/リットル)を62ml/分で20ml
添加した。次にAg−21液とX−21液を96ml/分
で45秒間添加した。次に下記の通り調製したAgBr
微粒子乳剤(平均粒子直径0.04μm 、無双晶粒子数
割合99.99%以上、AgBr0.5モルを含み、p
H4.0、銀電位170mv)を添加し、混合し、pHを
4.0に、銀電位を170mvに調節した。次に温度を7
0℃に上げ、再びpH4.0、銀電位を170mvに調節
した。
【0048】該乳剤を2等分し、一方は従来の開放系反
応容器に入れ、他方は特願平4−302605号の図3
(a) に記載の反応容器に入れた。該図3(a) の方は反応
容器のプランジャーヘッドを下げ、反応容器内の全容積
に対する気相部の容積を20%とし、空気抜きコックと
開閉コックを用いて酸素モル含率50%、窒素モル含率
50%のガスと内部の空気を置換した。更にガスを導入
し、内部のガス圧を1.2気圧とした。両反応容器内の
乳剤の温度を80℃とし、20分間熟成した後、前記微
粒子乳剤をそれぞれ(AgBrで0.25モルずつ添加
し、更に15分間熟成した。次に増感色素1の0.3重
量%水溶液を該乳剤中に設置した中空管型ゴム弾性体多
孔膜(孔径0.1mm、孔数6000)を通して0.5秒
間以内に、飽和吸着量の65%だけ添加した。あとは実
施例1と同じ工程を通して脱塩、再分散(pH6.4、
pBr2.7)し、化学増感等を行ない、塗布フィルム
を得た。両塗布フィルムを1/100秒間のウェッジ露
光(マイナス青露光)をし、MAA−1現像液で20
℃、10分間の現像をした。定着、水洗、乾燥をし、得
られた特性曲線より求めた感度、粒状性、かぶりを表2
に示した。本発明の容積可変型加圧容器で製造した{10
0 }平板粒子の方が、アスペクト比、感度、粒状性、か
ぶり濃度においてより優れていることが確認された。
【0049】
【表2】
【0050】(AgBr微粒子乳剤の調製)特願平4−
302605号の図3(a) に記載の反応容器にゼラチン
溶液(H2O 1.2リットル、平均分子量3万のゼラ
チン(3MGel)30g、KBr0.5gを含み、p
H6.0)を入れ、温度を20℃に保ちながら、Ag−
31液〔100ml中に3MGelを2.5g、AgNO
3 を30g、HNO3(1N)液を0.6ml含む〕とX−
31液〔100ml中に3MGelを2.5g、KBrを
21g含む〕を激しく攪拌しながら100ml/分で3分
間添加した。但し、該混合中の反応容器内の全容積に対
する気相部の容積は常に0.5%以下であった。1分間
攪拌した後、空気コックを開け、プランジャーヘッドを
上げ、乳剤のpHを4.0、銀電位を170mVに調節し
た。なお、実施例1の乳剤は厚さ0.2μm 以下でアス
ペクト比4以上の平板粒子の投影面積和が全粒子の投影
面積和の99.9%を占めた。実施例2の乳剤は厚さ
0.2μm 以下でアスペクト比4以上の平板粒子の投影
面積和が全粒子の投影面積和の95%を占めた。
【0051】
【発明の効果】大気圧下で形成した従来の平板粒子に比
べて、感度・粒状性に優れ、低かぶりである。
【図面の簡単な説明】
【図1】平板粒子の主平面上に吸着したAg+ と溶液中
のAg+ と、エッジの欠陥部に組み込まれたAg+ のエ
ネルギー diagramを表わす。横軸は空間位置、縦軸は p
otentialエネルギーを表わす。
【符号の説明】
b :主平面を構成しているAg+ の位置 a1 :主平面上に吸着したAg+ の位置 a2 :溶液のバルク部分の位置 a3 :エッジの欠陥部に取り込まれたAg+ の位置 a4 :エッジ面を構成しているAg+ の位置 Eb :主平面を構成しているAg+ の、E1 :主平面上
に吸着したAg+ の、E2 :バルク溶液中のAg+ の、
3 :エッジの欠陥部に組込まれたAg+ のpotential
エネルギーを表わす。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも核形成、熟成および成長過程
    を経て平板状ハロゲン化銀乳剤粒子を製造する方法にお
    いて、該成長過程が大気圧の1.05倍以上の加圧下
    で、かつ、温度40℃以上で行なわれることを特徴とす
    る平板状ハロゲン化銀乳剤粒子の製造方法。
  2. 【請求項2】 該成長過程が実質的に密閉型反応容器で
    行なわれ、かつ、該密閉型反応容器の容積が容器溶液量
    の増加とともに、もとの容積の1.05倍以上に増加で
    きる容積可変型反応容器であることを特徴とする請求項
    1記載のハロゲン化銀乳剤粒子の製造方法。
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