JPH07130590A - 半導体基板の製造方法 - Google Patents

半導体基板の製造方法

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JPH07130590A
JPH07130590A JP8121893A JP8121893A JPH07130590A JP H07130590 A JPH07130590 A JP H07130590A JP 8121893 A JP8121893 A JP 8121893A JP 8121893 A JP8121893 A JP 8121893A JP H07130590 A JPH07130590 A JP H07130590A
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孝夫 阿部
Yasuaki Nakazato
泰章 中里
Atsuo Uchiyama
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Nagano Electronics Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ウエーハ同士の貼着により半導体基板を形成
した場合でも熱膨張率に起因する熱損傷が生じることが
なく、各種集積回路若しくはTFTーLCD等を形成し
得るだけの充分に薄く結晶性の良好で薄膜なシリコン層
を得る。 【構成】 熱膨張係数の異なる2枚の各ウェーハを相互
に貼着接合して形成される半導体基板の製造方法におい
て、 少なくとも研磨かつ清浄化させた各ウェーハの接
合面を相互に圧着させた状態で、第1の温度域で熱処理
して仮接合基板とする工程と、前記仮接合基板の少なく
とも一方のウェーハ面を化学的処理によって薄層化させ
た後、前記第1の温度域よりも高い第2の温度域で熱処
理して仮接合基板のまゝ保持させるか、あるいは本接合
基板とする工程を含む事を特徴とする半導体基板の製造
方法

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱膨張係数の異なる2
枚の各ウェーハを接合して一体化させたSOI構造(S
i/SiO2構造)による半導体基板の製造方法に関
し、特に単結晶のシリコンウェーハと石英ウェーハとを
相互に貼着結合して形成するSOI構造による半導体基
板の製造方法に係るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、2枚の各ウェーハを一体的に貼
着結合して形成するSOI構造の半導体基板について
は、より高密度化した半導体集積回路装置を構成させる
ためのベータ基板として極めて有利であり、近年、例え
ば、HDテレビ対応の液晶デバイス等のTFTトランジ
スタ、およびその周辺駆動、制御回路を形成する構造基
板として広く用いられている。
【0003】ここで、この種のSOI構造の半導体基板
を製造する手段として、例えば、日本国特許出願公告昭
和50年第13155号公報には、2枚のシリコンウェ
ーハを密着させた状態で、酸化性雰囲気下において高温
加熱(例えば、1200℃程度)することによって、こ
れらの各ウェーハの相互を強固に貼着結合される技術が
提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらシリコン
ウェーハと石英ウェーハとを接合する場合、本発明者ら
の実験によれば、これらの両者の接合面を鏡面研磨仕上
げすると共に、当該各仕上げ面を清浄化したもの相互の
接合体については、室温であっても比較的強く貼着した
状態を保ち得るのであるが、シリコンウェーハを薄層化
するために平面研削盤による機械的な平面研削を行うに
は、未だその結合力が不足している。またその接着力を
上げるために熱処理を施そうとすると、これらのウェー
ハの熱膨張係数が異なる(シリコン:2.33×1
-6、石英ガラス:0.6×10-6)ことから、両ウェ
ーハでの仮接合時での加熱処理中、もしくは本接合後の
冷却処理中などにあって、ウェーハ相互間に熱歪みを生
じ、他方のウェーハとの間にひび割れが入ったり、また
は、一部剥離を生じて破損するなどの惧れがある。
【0005】そして、このような欠点を解消するため
に、前記のように2枚の各ウェーハを貼着せずに、蒸
着、その他の手段を利用することで、石英ウェーハ対応
のガラス基板上に直接、アモルファスシリコン(a−S
i)膜を形成する方法とか、あるいは、CVD法などを
利用することで、当該ガラス基板上に多結晶シリコン膜
を形成する方法もあるが、これらのa−Si膜、多結晶
シリコン膜では、半導体基板内での電子の移動度に大き
な制約があって、前述のHDテレビをはじめとして、将
来要求されるであろうところの超高周波、超高精彩表示
デバイスなどに対して十分には適応し得ないものであ
る。
【0006】すなわち、前記のa−Si膜の形成による
複層技術によってTFT−LCD(薄層トランジスタ液
晶ディスプレイ)などを構成する場合には、たとえTF
Tトランジスタを高密度に埋め込み形成することができ
たとしても、外部の駆動回路に接続させるためのピン密
度に限界があって、実装上、これを実現するのが極めて
困難である。
【0007】また、一方、前記のようなガラス基板上に
形成せしめたa−Si膜等の代りに単結晶のシリコン膜
を形成せしめれば、電子の移動度を高めることができ
る。その手段として、単結晶のシリコンを石英ウェーハ
上に貼着接合させ得れば、TFT領域の周辺に対して駆
動回路を一体化に形成できるので、一見、前記した実装
上の問題を解消し得るかに考えられるのであるが、先の
TFT−LCDを構成するための半導体基板としては、
シリコン層の厚さを、例えば、1μm程度にまで薄層化
しなければならず、併せて、石英ウェーハと、その上の
シリコン薄膜とは、電子装置の形成工程において、熱
的、または、機械的な衝撃力を受けるために、その接合
力が十分に強固でなければならないという要請があっ
て、先に述べたように熱膨張係数の差に伴う技術的な問
題点が、現状では、未解決のまゝに残されている。
【0008】本発明は、従来のこのような点に鑑みてな
されたものであつて、その第1の目的は、熱膨張率が相
互に異なる2枚の各ウェーハ、つまり、こゝでは、シリ
コンウェーハと石英ウェーハとの相互を熱処理により貼
着結合してSOI構造による半導体基板を形成する場
合、これらの両ウェーハの熱膨張率の差異に起因する熱
歪み、ひゞ割れ、部分的な剥離などの熱損傷を生ずる惧
れのない、この種のSOI構造による半導体基板の製造
方法を提供することである。また、本発明の第2の目的
は、前記SOI構造による半導体基板にあって、各種集
積回路、もしくは、TFT−LCDなどを十分に形成可
能な薄膜シリコン層を容易に得られるようにした、この
種のSOI構造による半導体基板の製造方法を提供する
ことである。
【0009】
【課題を解決するための手段】一般的に、図1において
模擬的に示されるような工程において、表面を鏡面仕上
げして清浄化したシリコンウェーハと石英ウェーハとの
相互を接触させると、これらの両者は、室温においても
或る程度までの貼着結合が可能であるが、このような室
温程度の温度による貼着では、先にも述べたように薄層
化のためのシリコンウェーハの平面研削に耐えるまでの
接合力が得られず、しかも、これらの各ウェーハの厚さ
が500〜600μm程度である場合などにあっては、
当該平面研削に耐える程度の接合力を得るのに必要な高
温熱処理が前記したような理由によって不可能である。
【0010】すなわち、通常のシリコンウェーハや石英
ウェーハの厚さは500〜800μmであり、本発明の
半導体基板において、支持部材を構成する石英ウェーハ
は所定の厚さを維持されるとしても、シリコンウェーハ
は最終的に10μm以下から、更に1μm以下の薄層に
までする関係上、予め300μm位に薄くしたものを使
用する。この各ウェーハを室温で重ね合わせた場合で
も、ある程度の接着力や気密密着性を有する仮接合体が
得られるが、その接着力を安定化させるにはやはり熱処
理が必要である。発明者等の研究によれば、この第一の
熱処理の温度領域を100〜350℃とする時、前記し
たような熱膨張係数の差に伴う悪影響は少なく、接着力
を向上せしめた仮接合基板を得ることができるが、それ
でもシリコンウェーハ面を平面研削なし得る程の接着力
は無いので、化学的処理による薄層化、例えば、アルカ
リ水溶液による腐食薄層化を行う。しかし、薄層化のた
めの化学的処理は非能率的であり、層厚さを均一に制御
することは困難であるから、次工程には、シリコンウェ
ーハ面を平面研削や鏡面研磨等の機械的加工手段を採用
しなければならず、それに耐え得る接着力を付与するた
めには、より高温の熱処理が必要である。かかる視点か
ら、発明者等は更に検討を加えた結果、一方のウェーハ
(本発明ではシリコンウェーハ)を薄層化すればする
程、前記熱膨張係数の差に伴う悪影響を少なくした高温
の熱処理が可能となり、より強固な本接合された半導体
基板が得られること、その手段としてウェーハの薄層化
と熱処理温度の高温化のサイクルを段階的に行なうと効
果的であることをみいだし、本発明を完成させたもので
ある。
【0011】そして、こゝでの本接合によるSOI構造
の半導体基板については、通常、半導体基板を利用して
半導体デバイスを作製するに際し、800℃から110
0℃の熱処理を行なう工程が存在する。従って、このよ
うなデバイス作製時の熱処理温度において、その素材と
なる半導体基板の接着力(品質)が、このような温度で
も安定していることが重要な条件である。従って前記熱
処理温度での本接合した場合でも、熱膨張に起因する熱
歪、剥離、ひび割れの等の各種損傷を生ぜしめることな
く薄膜化したシリコン層の結合強度を増し、安定した品
質の半導体基板が得られることが必要となる。
【0012】そこで本発明は熱膨張係数の異なる2枚の
各ウェーハを相互に貼着接合して形成される半導体基板
の製造方法において、少なくとも研磨かつ清浄化させた
各ウェーハの接合面を相互に圧着させた状態で、第1の
温度域で熱処理して仮接合基板とする工程と、前記仮接
合基板の少なくとも一方のウェーハ面を化学的処理によ
って薄層化させた後、前記第1の温度域よりも高い第2
の温度域で熱処理して仮接合基板のまゝ保持させるか、
あるいは本接合基板とする工程を含み、そして好ましく
は前記第2の温度域で接合させた半導体基板を一層薄層
化させた後、前記第2の温度域よりも高い第3の温度域
で熱処理させ、必要により一層の薄層化と、より高温の
温度域による熱処理とを少なくとも一回以上行い、最終
的に各ウェーハの相互を接合した本接合基板とする工程
を含む半導体基板の製造方法を提供する事にある。
【0013】そして具体的には前記熱膨張係数の異なる
各ウェーハとして、所定厚さのシリコンウェーハと石英
ウェーハとを用いた場合において、少なくとも研磨かつ
清浄化させた各ウェーハの接合面を相互に圧着させた状
態で、第1の温度域として100〜350℃程度の温度
で熱処理して仮接合基板とする工程と、 前記仮接合基
板の少なくともシリコンウェーハ面を化学的処理によっ
て100〜200μm程度に薄層化させた後、第2の温
度域として350〜500℃程度の温度で熱処理して接
合基板とする工程と、前記接合基板の薄層化されたシリ
コンウェーハ面を2μm程度まで一層薄層化させた後、
500〜700℃の温度域で熱処理させる行程と、更に
略1μm以下の厚さまで薄層化させた後、800℃以上
の高温の温度域による熱処理を少なくとも一回以上行
い、最終的に各ウェーハの相互を接合した本接合基板と
する最終熱処理工程を含むことを特徴とする。尚前記最
終熱処理行程とは、例えば前記シリコンウェーハ面が約
1μm以下の厚さになるように薄層化した後、950℃
以下の温度で熱処理を施こす接合工程、より好ましくは
前記シリコンウェーハ面が約0.5μm以下の厚さにな
るように薄層化した後、略1200℃以下の温度で熱処
理を施こすのがよい。
【0014】
【作用】本発明によれば、熱膨張係数の異なる2枚のウ
ェーハの仮接合基板に体し、段階的にその一方のウェー
ハを薄層化しつつ、熱処理温度を向上させるサイクルを
繰り返すことによって、双方のウェーハの異なる熱膨張
係数の影響を吸収せしめ、1000℃以上の高温熱処理
によっても安定した接着力を有する、薄膜状の半導体層
を備えたSOI構造の半導体基板の製造が可能となる。
【0015】
【実施例】以下本発明の実施例に係る半導体基板の製造
手順に従って順を追って詳しく説明する。但しこの実施
例に記載されている実験条件、試料の寸法、材質などは
特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれ
のみに限定する趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。 (第1実施例)図1に基づいて本実施例の製造行程を説
明する。直径100mmで、かつ厚さ550μmの円形
状にされた石英ウェーハ1を用い、当該石英ウェーハ1
を鏡面研磨仕上げした後に、1次洗浄、および2次洗浄
を順次に行なって接合表面を清浄化させておく。(ST
EP1) 他方、直径100mmで、かつ厚さ550μmの円形状
にされたシリコンウェーハ2を用い、当該シリコンウェ
ーハ2を機械的な平面研削によって厚さ550μmから
300μmまで薄層化した上で、該当表面の凹凸高さが
約5nm程度になるまで研磨仕上げすることにより、3
00μmから285μmまでさらに薄層化させ、その
後、前記と同様に、1次洗浄、および2次洗浄を順次に
行なって接合表面を清浄化させておくが、この洗浄、殊
に、2次洗浄に際しては、各ウェーハの洗浄手段が異な
ると、これらの両者の接合表面状態が相互に異なること
になって、以下の接合を、円滑には行ない得ない惧れを
生ずるので、本実施例では、HCl/H22の洗浄液によ
って、こゝでの最終の2次洗浄を行なった。(STEP
2)
【0016】しかして、前記それぞれの各ウェーハを圧
着させた状態で恒温槽内に装入し、100〜350℃前
後の温度により1時間以上、より具体的には、300℃
の温度を一定に維持したまゝで2時間に亘る熱処理を行
なうことにより、仮接合基板を得た。(STEP3) 次に、前記仮接合基板のシリコンウェーハ2面に対し、
アルカリ水溶液を用いたエッチング(腐食)を行なっ
て、これをさらに、厚さ285μmから135μmまで
薄層化させた後、洗浄してエッチングに用いたアルカリ
分、その他を完全に除去する。(STEP4) そして、前記シリコンウェーハ2面が薄層化された仮接
合の基板を酸素ガス雰囲気中で、450℃の温度で熱処
理して本接合したところ、所期通りに平面研削によって
十分に薄層化可能な接合力、ひいては、所要の接合強度
が得られた。このときの接合強度は、平均して約800
kg/cm2 であった。(STEP5)
【0017】次に前記本接合した基板のシリコンウェー
ハ2を平面研削して、厚さ135μmから20μmまで
薄層化させる。(STEP6) 次に、前記薄層化させた基板につき、700℃で2時間
に亘り加熱して熱処理したところ、接合強度が著しく低
下することが確認された。これは、先にも述べたよう
に、シリコンウェーハと石英ウェーハとの接合界面にお
けるクラックの発生とか部分的な剥離によるものと考え
られる。こゝで、図2に示すグラフにおいて、450℃
付近の値は、前記450℃で熱処理した後の接合強度を
示しており、600℃以上の値は、前記450℃で熱処
理し、かつ機械的な平面研削によってシリコンウェーハ
2を20μmまで薄層化させた上での、該当温度による
熱処理後の接合強度を示している。そして、この場合に
は、各試料としてのウェーハにつき、その10点づゝを
それぞれに測定し、各測定値をそのまゝでプロットして
ある。
【0018】そこで、次に、前記450℃の温度で加熱
熱処理して本接合した基板のシリコンウェーハ2につ
き、これを機械的に平面研削して、厚さ135μmから
20μmまで薄層化させた後、選択的周辺エッチングに
より、周辺部でのチップウケを除いてほゞ円形平面を形
成させ、ついで、鏡面研磨仕上げし、該シリコンウェー
ハ2が、さらに、厚さ20μmから2μmまでに一層の
薄層化を行った。(STEP6) 従ってこの段階で、実質的には、各種集積回路、もしく
は、TFT−LCDなどを形成するのに必要な薄膜シリ
コン層を形成させることができた。
【0019】なお前記引張強度の測定には、引張試験機
としてSebastian V 型機を使用して行った。図3
(A)は、引張試験方法の概略を示すもので、石英ウェ
ーハ1に接合されたシリコンウェーハ2の薄層につい
て、シリコンウェーハ2表面を固定板3に当て、シリコ
ンウェーハ2表面を予めスタッド4と同面積の7×7m
2に切り抜き、これをスタッド4に接着固定し、以下
スタッド4を引張ることにより測定する。図3(B)
は、引張試験後の破断の状況を説明するもので、○は接
着剤部の剥離であるから、両ウェーハの接合は最も良好
な状態を示し、△は前記○の場合と同様であるが、石英
ガラス板1に何等かの損傷が存在した状況を示す。●は
両ウェーハの接合が不完全な状態を示している。
【0020】(第2実施例)次に第1実施例の製造手順
に基づいて石英ウェーハの厚さが550μm、シリコン
ウェーハの厚さが2μmの接合体である半導体基板を6
枚作製した。この基板を600℃で2時間の熱処理を施
した後(STEP7)、シリコンウェーハを平面研削に
より約0.5〜1.5μmの厚さになるまで研削した。
(STEP8)
【0021】次にこの薄層化された各ウェーハ夫々につ
いて、700℃、800℃、900℃、1000℃、1
100℃、1200℃の熱処理温度で各2時間の熱処理
を施し(STEP9)、該熱処理されたウェーハについ
て、その接着強度を引張試験機により試験した。なお引
張試験は、サンプリングされる部分のシリコン層の膜厚
を予め計測した後で行なった。この膜厚の測定は、微分
干渉顕微鏡(ナノスペック−商品名)で測定した。各ウ
ェーハのサンプリングは約20〜30点を取って行な
い、その結果を図4に示す。
【0022】同図から明らかなように、この実施例が前
記第1実施例に較べて特筆すべき点は、前記第1実施例
の場合においては、700℃/2時間の熱処理によって
著しくその引張強度は低下したが、この実施例の場合に
おいては、シリコン単結晶層の厚さが0.7μm以下の
場合、1100℃の熱処理においても、その接着強度が
安定していることである。一方、厚さが約0.7μm以
上のものにおいては、1000℃でその接着強度が急速
に低下するが900℃では所定の接着力を維持し、約1
μm以上の場合には900℃の熱処理で急速な接着力の
低下がみられるが800℃では所定の接着力を維持して
いる。この事実は、半導体基板の実用上において、極め
て重要な意味を持つ。即ち、この半導体基板を利用して
半導体デバイスを作製するに際し、通常800℃から1
200℃の熱処理を行なう工程が存在するが、このよう
なデバイス作製時の熱処理において、その素材となる半
導体基板の接着力(品質)が安定していることが重要な
条件であるからである。
【0023】前記の結果よりシリコン単結晶の層の厚さ
を約2μm以下の場合800℃まで、又1μm以下の場
合950℃までの熱処理によって半導体基板の接着力
(品質)が安定していることが理解され、特に約0.5
μm以下にすることは、1200℃の高温領域での熱処
理によっても、熱膨張に起因する熱歪、剥離、ひび割れ
の等の各種損傷を生ぜしめることなく薄膜化したシリコ
ンウェーハの結合強度を増し、安定した品質の半導体基
板が得られることが裏付けられることとなる。これはS
OI構造の薄膜化のすう勢に沿うとともに、半導体装置
メーカでの高温熱処理加工にも充分に対応することが可
能になる。
【0024】
【発明の効果】以上記載した如く本発明によれば、ウェ
ーハ同士の貼着により半導体基板を形成した場合でも熱
膨張率に起因する熱損傷が生じることがなく、各種集積
回路若しくはTFTーLCD等を形成し得るだけの充分
に薄く結晶性の良好な薄膜状のシリコン層を得ることが
出来る。又、広範な高い熱処理温度でありながら強い結
合力の強度を呈し、安定したSOI構造の半導体基板を
得ることができるだけでなく、半導体装置の薄膜化の方
向にも叶うこととなるという利点を有する等、種々の著
効を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例にかかる薄膜層厚のSOI構造
のシリコンー石英ウェーハの接着手順を示す工程図。
【図2】本発明の第1実施例の接合処理時における温度
と引張強度の関係を示す分布図。
【図3】(A)は接合された薄いシリコンウェーハの引
張試験の説明図、(B)は左側(黒丸印)が接着部で分
離、中央(三角印)が破損、右側(白丸印)が接合界面
で分離の3モードを表す図。
【図4】本発明の第2実施例にかかる薄いシリコンウェ
ーハ厚に対する引張強度の関係を、温度をパラメータと
して表した分布図。
【符号の説明】
1 石英ウェーハ 2 シリコンウェーハ 3 固定板 4 スタッド
フロントページの続き (72)発明者 内山 敦雄 長野県更埴市大字屋代1393番地 長野電子 工業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱膨張係数の異なる2枚の各ウェーハを
    相互に貼着接合して形成される半導体基板の製造方法に
    おいて、 少なくとも研磨かつ清浄化させた各ウェーハの接合面を
    相互に圧着させた状態で、第1の温度域で熱処理して仮
    接合基板とする工程と、 前記仮接合基板の少なくとも一方のウェーハ面を化学的
    処理によって薄層化させた後、前記第1の温度域よりも
    高い第2の温度域で熱処理して仮接合基板のまゝ保持さ
    せるか、あるいは本接合基板とする工程を含む事を特徴
    とする半導体基板の製造方法
  2. 【請求項2】 前記第2の温度域で接合させた半導体基
    板を一層薄層化させた後、前記第2の温度域よりも高い
    第3の温度域で熱処理させる行程と、更に必要に応じて
    一層の薄層化と、より高温の温度域による熱処理とを1
    又は複数回繰り返して、最終的に各ウェーハの相互を接
    合した本接合基板とする工程を含む請求項1記載の半導
    体基板の製造方法
  3. 【請求項3】 前記熱膨張係数の異なる各ウェーハとし
    て、所定厚さのシリコンウェーハと石英ウェーハとを用
    い、 少なくとも研磨かつ清浄化させた各ウェーハの接合面を
    相互に圧着させた状態で、第1の温度域として100〜
    350℃程度の温度で熱処理して仮接合基板とする工程
    と、 前記仮接合基板の少なくともシリコンウェーハ面を10
    0〜200μm程度に薄層化させた後、第2の温度域と
    して350〜500℃程度の温度で熱処理して接合基板
    とする工程と、 前記接合基板の薄層化されたシリコンウェーハ面を化学
    的処理によって2μm程度まで一層薄層化させた後、5
    00〜700℃の温度域で熱処理させる行程と、 更に略1μm以下の厚さまで薄層化させた後、800℃
    以上の高温の温度域による熱処理を少なくとも一回以上
    行い、最終的に各ウェーハの相互を接合した本接合基板
    とする最終熱処理工程を含むことを特徴とする請求項2
    記載の半導体基板の製造方法。
  4. 【請求項4】前記最終熱処理行程がシリコンウェーハ面
    が約1μm以下の厚さになるように薄層化した後、95
    0℃以下の温度で熱処理を施こす接合工程である請求項
    3記載の半導体基板の製造方法。
  5. 【請求項5】前記最終行程がシリコンウェーハ面が約
    0.5μm以下の厚さになるように薄層化した後、略1
    200℃以下の温度で熱処理を施こす工程である請求項
    3記載の半導体基板の製造方法。
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