JPH07127533A - 定温制御サーモスタットによる電子燃料噴射制御システム - Google Patents

定温制御サーモスタットによる電子燃料噴射制御システム

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JPH07127533A
JPH07127533A JP5306967A JP30696793A JPH07127533A JP H07127533 A JPH07127533 A JP H07127533A JP 5306967 A JP5306967 A JP 5306967A JP 30696793 A JP30696793 A JP 30696793A JP H07127533 A JPH07127533 A JP H07127533A
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rod
temperature
low temperature
valve
temperature water
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JP5306967A
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Giichi Kuze
義一 久世
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 内燃機関の電子燃料噴射装置のスロットル・
ボデイ,インジエクターの燃料管,及びエアクリーナの
吐出管を最適温度に安定保持する定温制御サーモスタッ
トによる電子燃料噴射制御システムを得るにある。 【構成】 本発明の定温制御サーモスタットは,内燃機
関の温度範囲の広い,冷却液温(−40℃〜130℃)
の内から,最適温度分丈を限定して抽出導入し,これを
電子燃料噴射装置のスロットル・ボデイ,インジェクタ
ーの燃料管,及びエアクリーナの吐出管の各熱交換器に
供給し,以後,ON,OFF制御してエンジンの走行状
態の変化に関係なく,定温制御サーモスタットの規定す
る温度範囲内に一線を引いて安定化するように構成する
ことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車エンジンの電子制
御燃料噴射装置のスロットル・ボデイ及び燃料送油管の
低温度制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子制御燃料噴射装置はエンジンの回転
速度,吸入空気量,吸入空気温度等のの状態を各種セン
サ群で電気信号に変え,これ等をコンピュータに入力し
て演算し,夫々の運転状態に最も適した混合比と,噴射
時間で燃料を噴射するので極めて複雑でコストが高くつ
く。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】電子制御燃料噴射装置
のスロットル・ボデイ及び燃料インジェクターの送油管
の温度を、エンジンの各走行状態に関係なく,所定の温
度を越さずほぼ一定に保持し,空燃比,燃料噴射量の増
量,減量の補正等を単純化し,従来のセンサ群の一部を
省略してコストを下げる。
【0004】
【発明が解決するための手段】センサと作動アクチュエ
ータを兼ね備え,作動力が大きく,高応答性,高寿命の
ワックス型サーモ・アクチュエータを装着するコンパク
トな本発明の低温水制御弁により課題の解決を図る。
【0005】
【実施例】図1は本発明の低温水制御弁1の断面図を示
す。ロッド3と,ロッド3に係合するガイド・メンバ4
と,弾性シール・バッグ5とを一体にして,ワックス6
を充填する感熱筒7に挿入圧着して構成する,サーモ・
アクチュエータ2の断性シール・バッグ5の中心孔は、
その口元8がロッド3に摺動係合する丈で,それ以外
は,ロッド間の全周域に亘り所要の隙間を設け,その部
分の肉厚をロッドの直径の20%から5%の間にし,
又,ロット3との隙間をシール・バッグの肉厚にほぼ等
しくし,そこに潤滑油9を充満する。
【0006】サーモ・アクチュエータ2を,筐体10と
ノズル11の間に挟持固定されるリテーナ12に挿入
し,ロッドに係合するバネ受盤13と,ノズル部11の
内面間に装着するリターン・スプリング14で,筺体の
中心に確保する。そして,ロッドの先端に固定されるカ
ラー15によって抜き止めされ,バネ受盤13との間の
バネ16で外方に付勢されるバルブ17を,ロッドに摺
動可能に係合し,ノズル部11の内面喉元に形成するバ
ルブ・シート面18に対向させて,矢印の方向から入っ
て来る温水の導入をバルブ17で制御する。19はロッ
ド3に装入固定するE−リングであり,20はリテーナ
12に設けた複数の通水孔である。
【0007】水温が上がると,弾性シール・バッグ5の
外側のワックス6は溶融膨張し,水温に比例してリター
ン・スプリング14に抗して圧力を上げる。するとバッ
グ5の肉厚が超薄いため,バッグ内側の潤滑油9に,こ
れと等価の圧力が誘発し,弾性シール・バッグ5は内外
均衡な圧力の下で浮遊状態になり,ロッド3の上昇リフ
トは弾性シール・バッグ5内の潤滑油9の圧力によって
行われる(図2)。
【0008】その際,ロッドと弾性シール・バッグ5の
間の大きな摩擦抵抗が無いのでサーモ・アクチュエータ
2の寿命は大巾に増す。
【0009】弾性シール・バッグ5の肉厚が超薄くなる
ので感熱筒7の内径は小さくなり,耐圧に余裕が生ずる
ので,感熱筒7の肉厚も薄く出来,熱応答性が向上する
と共に,サーモ・アクチュエータ2は極めて小型軽量に
なる。図3は本発明の低温水制御弁1の実物大を示す。
【0010】又,感熱筒7内のワックス6の圧力はロッ
ドの直径の2乗に反比例して低下するから,ロッドの直
径を成るべく太くして,サーモ・アクチュエータの寿命
を増すようにする。図3に示すものはロッドの直径は3
mmである。
【0011】図2は溶融膨張するワックス6の圧力によ
り,弾性シール・バッグ5内の潤滑油9にこれと等価の
圧力をを誘発させ,この潤滑油9の圧力でリターン・ス
プリング14に抗してロッド3を押し出し.バルブ17
で温水の導入を遮断した上,更に上昇した状態を示す。
【0012】水温が下降に転ずると,ワックス6は凝固
収縮してリターン・スプリング14によりバルブ17は
開き,最終には元の状態に復す(図1)。
【0013】弾性シール・バッグ5の口元8はワックス
の圧力を直接受ける唯一の部分でバッグ5内の潤滑油9
の漏れを防止するシール・リップを形成する(図2)。
然し,本発明の効果を充分に発揮するには更に,弾性シ
ール・バッグ内の潤滑油9の漏洩防止に万全を期す。2
1はガイド・メンバ4内のハウジング内にあって,ロッ
ド3に緩く挿入する可動セパレータで,これを中心にし
て,ロッドに係合するO−リング22を可動セパレータ
を挟んで2個装着する。23は筐体10の先端に形成す
る取り付けネジである。
【0014】一般にエンジンの冷却システムは,図4に
示すように,エンジンのウォータ・ジャケット24のシ
リンダ・ヘッドを流れる水路25の流出口26とラジエ
ータ27の流入口28間の第1水路29と,ラジエータ
の流出口30からサーモスタット・キヤップ31,サー
モスタット・ハウジング32,ウォータ・ポンプ33を
経てウォータ・ジャケットのシリンダ・ブロック34の
流入口35間の第2水路36と,第1水路29及び第2
水路36を連通するバイパス水路37から構成される。
【0015】エンジンの冷態時はバイパス型サーモスタ
ット38の主弁39は密閉し,これと一体のバイパス弁
40は全開しているのでウォータ・ジャケット24の流
出口26からの冷却水はラジエータ27へは環流出来な
いので,第1水路29の分岐点Jからバイパス水路37
→サーモスタット・ハウジング32→ウォータ・ポンプ
→33→ウォータジャケット24の流入口35へと矢印
の様に短絡環流する。従って,冷却水の温度上昇は早く
なる。
【0016】一方,低温水制御弁1の筐体の取り付けネ
ジ部23を,電子制御燃料噴射装置のスロットル・ボデ
イを暖める低温水ジャケット41の入口側42にネジ込
み,そのノズル部11を導管43を介してエンジンのシ
リンダ・ヘッドの水路25に接続し,低温水ジャケット
41の出口側44を,導管45を介してバイパス水路3
7の,バイパス弁40の上流側37’に接続する。
【0017】エンジンの冷態時には,シリンダ・ヘッド
の水路25の流量は分流して,低温水制御弁1内に入
り,低温水ジャケット41→導管45→パイパス水路3
7→サーモスタット・ハウジング32→ウォータ・ポン
プ33→シリンダ・ブロックの流入口35を経て矢印の
方向にサブ・バイパスして環流する。
【0018】図4のエンジン冷却システム回路の流量と
温度の変化を動試験装置で自記記録する。図に於いて
A’はサーモスタット・ハウジング32内,B’は低温
水ジャケット41内の水温の測定点,C’は流量の測定
点である。第1,第2水路6の内径を24mmとし,バ
イパス水路37の内径を10mm,導管45,46の内
径を夫々5.5mmとし,水温を95℃,流量を毎分6
0リッタにセットする。
【0019】図5に示す自記記録で明らかなように,エ
ンジンのアイドリング中は,サーモスタット・ハウジン
グ32内の測定点A’の水温Aと,スロットル・ボデイ
を暖める低温水ジャケット41内の測定点B’の水温B
は4℃の温度差を保って平行して急上昇する。Aはその
まま95℃迄上昇を継続するが,Bは55℃になると,
低温水制御弁1のバルブ17がシリンダ・ヘッド25の
流入を,その導入喉元で遮断するのでBの水温の上昇は
止まる。
【0020】その初期には,バルブ17は敏感にON,
OFFするが,A,B間の温度差が広がるに従い,ノズ
ル部11の熱伝導でサーモ・アクチュエータ2は少しリ
フト・アップするので、バルブはその分,強く閉じ,B
の水温は55℃を絶対に越すことは無い(図5,図
6)。
【0021】サーモスタットの主弁39が開き,バイパ
ス弁が閉じ,更に主弁39が開度を増して定速走行にな
るまでに,Bの水温は5℃下がって50℃になるが,定
速走行になると,以後温度は変わらず水平に一線を引
く。
【0022】流量Cはバイパス型サーモスタット38の
主弁39が閉じている間はゼロであるが,冷却水の温度
が86℃になると主弁は開き始め,88℃から流量Cは
急増し,92℃になりバイパス弁40が全閉すると流量
は毎分62リッタになる(図5)。
【0023】図6は,図5に続く自記記録で,エンジン
の停止から始まる。流量Cはゼロになり水温Aは次第に
大きく下がるが,水温Bは逆に徐々に上がる。然し,初
期の55℃を越すことは無い。そしてA,B間の温度差
が収斂してゆくが,クロスすることはなく,温度差が3
℃になるとAは上に,両者は平行して温度を下げて行
く。
【0024】図7は電子制御燃料噴射装置のスロットル
・ボデイ46を保温する低温水ジャケット41の実施例
の断面図である。
【0025】図8に示す様に,燃料導管にも,これを保
温する低温水ジャケット41aを装着し,本発明の低温
水制御弁1で低温制御すれば,燃料インジェクターの燃
料の温度も同様に,規定する温度範囲に一線を引いたよ
うに安定化する。
【0026】図9は低温水制御弁1の筐体の取り付けネ
ジ部23を,電子制御燃料噴射装置のスロットル・ボデ
イ46を暖める低温水ジャケット41の入口側にネジ込
み,そのノズル部11をエンジンのウオータ・ジャケッ
トのシリンダ・ヘッド側水路25に接続し,低温水ジャ
ケット41の出口側44を,燃料送油管を暖める低温水
ジャケット41aの入口側に接続し,その出口側44a
を導管45を介して,バイパス水路37の,バイパス弁
40の上流側37’に接続するスロットル・ボデイと,
燃料送油管の直列低温制御方法である。
【0027】
【発明の効果】本発明の温水制御装置は,超薄肉,長寿
命の弾性シール・バッグ使用のサーモ・アクチュエータ
で構成され,作動は鋭敏,強力で,電子制御燃料噴射装
置のスロットル・ボデイ及び燃料インジェクターの送油
管の温度を,エンジンの各走行状態に関係なく,所定の
温度を越さずほぼ一定に保持し,空燃比,燃料噴射量の
増量,減量の補正等を単純化するから,従来のセンサ群
装置を一部省略してコストを下げ,更に燃費の低下,有
害排気物の低減が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 低温水制御弁のバルブの全開時の断面図。
【図2】 低温水制御弁のバルブの閉弁時の断面図。
【図3】 低温水制御弁の実物大を示す。
【図4】 低温水制御弁を含む自動車エンジンの冷却シ
ステム。
【図5】 図4の流量,温度,時間の測定値の記録。
【図6】 図5に続く流量,温度,時間の測定値の記
録。
【図7】 スロットル・ボデイの低温水ジャケットの断
面図。
【図8】 燃料インジェクターの導管の低温水ジャケッ
トの断面図。
【図9】 スロットル・ボデイと燃料導管の直列低温制
御法。
【符号の説明】
1 低温水制御弁 10 筐体 2 サーモ・アクチュエータ 11 ノズル部 3 ロッド 12 リテーナ 4 ガイド・メンバ 14 リターン・スプリ
ング 5 弾性シール・バッグ 17 バルブ 6 ワックス 18 バルブ・シート 7 感熱筒 23 筐体の取り付けネ
ヂ部 9 潤滑油 41 低温水ジャケット
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年12月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 電子制御燃料噴射装置の低温水制御弁
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車エンジンの電子制
御燃料噴射装置のスロットル・ボデイ及び燃料,或はエ
アクリーナの吸入空気の低温度制御に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】電子制御燃料噴射装置はエンジンの回転
速度,吸入空気量,吸入空気温度等のの状態を各種セン
サ群で電気信号に変え、これ等をコンピュータに入力し
て演算し,夫々の運転状態に最も適した混合比と,噴射
時間で撚料を噴射するので極めて複雑でコストが高くつ
く。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】電子制御燃料噴射装置
のスロットル・ボデイ及び燃料インジェクターの燃料,
或はエアクリーナの吸入空気の温度を,エンジンの各走
行状態に関係無く,所定の温度を越さずほぼ一定に保持
し,アイシング,ベーパ・ロック,ノッキングを無く
し,空燃比,燃料噴射量の増量、減量の補正等を単純化
し,更に,従来のセンサ群の一部を省略してコストを下
げる。
【0004】
【発明が解決するための手段】センサと作動アクチュエ
ータを兼ね備え,作動力が大きく,高応答性,長寿命の
ワックス型サーモ・アクチュエータを装着するコンパク
トな本発明の低温水制御弁により課題の解決を図る。
【0005】
【実施例】図1は本発明の低温水制御弁1の断面図を示
す。ロッド3と,ロッド3に係合するガイド・メンバ4
と,弾性シール・バッグ5とを一体にして,ワックス6
を充填する感熱筒7に挿入圧着して構成する,サーモ・
アクチュエータ2の断性シール・バッグ5の中心孔は,
その口元8がロッド3に摺動係合する丈で,それ以外
は,ロッド間の全周域に亘り所要の空隙を設け,その部
分の肉厚をロッドの直径の20%から2%の間にし,
又,ロット3との隙間をシール・バッグの肉厚ににほぼ
等しくし,そこに潤滑油9を充満する。
【0006】サーモ・アクチュエータ2を,筐体10と
ノズル11の間に挟持固定されるリテーナ12に挿入
し、ロッドに係合するバネ受盤13と,ノズル部11の
内面間に装着するリターン・スプリング14で,筺体の
中心に確保する。そして,ロッドの先端に固定されるカ
ラー15によって抜き止めされ,バネ受盤13との間の
バネ16で外方に付勢されるバルブ17を,ロッドに摺
動可能に係合し,ノズル部11の内面喉元に形成するバ
ルブ・シート面18に対向させて,矢印の方向から入っ
て来る温水の導入をバルブ17で制御する。19はロッ
ド3に装入固定するE−リングであり,20はリテーナ
12に設けた複数の通水孔である。
【0007】水温が上がると,弾性シール・バッグ5の
外側のワックス6は溶融膨張し,水温に比例してリター
ン・スプリング14に抗して圧力を上げる。するとバッ
グ5の肉厚が超薄いため,バッグ内側の潤滑油9に,こ
れと等価の圧力が誘発し,弾性シール・バッグ5は内外
均衡な圧力の下で浮遊状態になり,ロッド3の上昇リフ
トは弾性シール・バッグ5内の潤滑油9の圧力によって
行われる(図2)。
【0008】その際,ロッドと弾性シール・バッグ5の
間の大きな摩擦抵抗が無いのでサーモ・アクチュエータ
2の寿命は大巾に増す。
【0009】弾性シール・バッグ5の肉厚が超薄くなる
ので感熱筒7の内径は小さくなり,耐圧に余裕が生ずる
ので,感熱筒7の肉厚も薄く出来,熱応答性が向上する
と共に,サーモ・アクチュエータ2は極めて小型軽量に
なる。図3は本発明の低温水制御弁1の実物大を示す。
【0010】又,感熱筒7内のワックス6の圧力はロッ
ドの直径の2乗に反比例して低下するから,ロッドの直
径を成るべく太くして,サーモ・アクチュエータの寿命
を増すようにする。図3に示すものはロッドの直径は3
mmである。
【0011】図2は溶融膨張するワックス6の圧力によ
り,弾性シール・バッグ5内の潤滑油9にこれと等価の
圧力を誘発させ、この潤滑油9の圧力でリターン・スプ
リング14に抗してロッド3を押し出し,バルブ17で
温水の導入を遮断した上,更に少し上昇した状態を示
す。
【0012】水温が下降に転ずると,ワックス6は凝固
収縮してリターン・スプリング14によりバルブ17は
開き,最終には元の状態に復す(図1)。
【0013】弾性シール・バッグ5の口元8はワックス
の圧力を直接受ける唯一の部分でバッグ5内の潤滑油9
の漏れを防止するシール.リップを形成する(図2)。
然し,本発明の効果を充分に発揮するには更に,弾性シ
ール・バッグ内の潤滑油9の漏洩防止に万全を期す。2
1はガイド・メンバ4内のハウジング内にあって,ロッ
ド3に緩く挿入する可動セパレータで,これを中心にし
て,ロッドに係合するO−リング22を可動セパレータ
を挟んで2個装着する。23は筺体10の先端に形成す
る取り付けネジである。
【0014】一般に,エンジンの冷却システムは,図4
に示すように,エンジンのウォータ・ジャケット24の
シリンダ・ヘッド側を流れる水路25の流出口26とラ
ジエータ27の流入口28間の第1水路29と,ラジエ
ータの流出口30からサーモスタット,キヤップ31,
サーモスタット・ハウジング32,ウォータ,ポンプ3
3を経てウォータ・ジャケットのシリンダ・ブロック3
4側の流入口35間の第2水路36と,第1水路29及
び第2水路36を連通するバイパス水路37から構成さ
れる。
【0015】エンジンの冷態時はバイパス型サーモスタ
ット38の主弁39は密閉し,これと一体のバイパス弁
40は全開しているのでウォータ・ジャケット24の流
出口26からの冷却水はラジエータ27へは環流出来な
いのて,第1水路29の分岐点Jからバイパス水路37
→サーモスタット・ハウジング32→ウォータ・ポン
プ,33→ウォータジャケット24の流入口35へと矢
印の様に短絡環流する。従って,冷却水の温度上昇は早
くなる。
【0016】一方,低温水制御弁1の筐体の取りけけネ
ジ部23を,電子制御燃料噴射装置のスロットル・ボデ
イを暖める低温水ジャケット41の入口側42にネジ込
み,そのノズル部11を導管43を介してエンジンのシ
リンダ・ヘッドの水路25に接続し,低温水ジャケット
41の出口側44を,導管45を介してバイパス水路3
7の,バイパス弁40の上流側37’に接続する。
【0017】エンジンの冷態時には,シリンダ・ヘッド
の水路25の流量は分流して,低温水制御弁1内に入
り,低温水ジャケット41→導管45→バイパス水路3
7→サーモスタット・ハウジング32→ウォータ・ポン
プ33→シリンダ・ブロックの流入口35を経て矢印の
方向にサブ・バイパスして環流する。
【0018】図4のエンジン冷却システム回路の流量と
温度の変化を動試験装置で自記記録する。図に於いて
A’はサーモスタット・ハウジング32内,B’は低温
水ジャケット41内の水温の測定点,C’は流量の測定
点である。第1,第2水路の内径を24mmとし,バイ
パス水路37の内径を10mm,導管45,46の内径
を夫々5.5mmとし,水温を95℃,流量を毎分48
リッタにし,本発明の低温水制御弁の開弁温度40℃の
ものをセットする。
【0019】図5に示す自記記録で明らかなように エ
ンジンのアイドリング中は,サーモスタット・ハウジン
グ32内の測定点A’の水温Aと,スロットル・ボデイ
を暖める低温水ジャケット41内の測定点B’の水温B
は3℃の温度差を保って平行して急上昇する。Aはその
まま96℃迄上昇を継続するが,Bは40℃になると、
低温水制御弁1のバルブ17がシリンダ・ヘッド25の
流入を,その導入喉元で遮断するのでBの水温の上昇は
止まる。
【0020】その初期には,バルブ17は敏惑にON,
OFFするが,A,B間の温度差が広がるに従い,ノズ
ル部11の熱伝導でサーモ・アクチュエータ2は少しリ
フト・アップするので,バルブはその分、強く閉じ,B
の水温は40℃を越すことは無い(図5,図6)。
【0021】サーモスタットの主弁39が開き,更に主
弁39が開度を増して定速走行になるまでに,Bの水温
は4℃下がって36℃になるが,それ以後Bの温度に変
化は無く水平に一線を引く。
【0022】流量Cはバイパス型サーモスタット38の
主弁39が閉じている間はゼロであるが,冷却水の温度
が86℃になると主弁は開き始め,89℃から流量Cは
急増し,92℃になりバイパス弁40が全閉に近くなる
と流量は毎分48リッタになる(図5)。
【0023】図6は,図5に続く自記記録で、エンジン
の停止から始まる。流量Cはゼロになり水温Aは次第に
大きく下がるが,水温Bは逆に徐々に上がる。然し,初
期の40℃を越すことは無い。そしてA,B間の温度差
が収斂してゆくが,クロスすることはなく、温度差が3
℃になると依然としてAは上に,Bは下に両者は平行し
て温度を下げて行くのである。
【0024】図7は電子制御燃料噴射装置のスロットル
・ボデイ46を保温する低温水ジャケット41の実施例
である。低温水ジャケットの内部は直接にスロットル・
ボデイ46を構成するもので,符号は図4と同一であり
説明を省略する。
【0025】図8は,インジェクターの燃料を保温する
低温水ジヤケット41aの実施例である。その内部に燃
料を直接流し,本発明の低温水制御弁1で低温制御すれ
ば,インジェクターの燃料の温度も同様に,規定する温
度範囲に一線を引いたように安定化する。
【0026】図9はエアクリーナ(図示せず)の吐出側
の導菅と,スロットル・ボデイ46の導菅との間に低温
水ジャケット41bを装着したもので,スロットル・ボ
デイに所定温度の清浄な空気を洪給する他の実施例であ
る。低温水制御弁1を低温水ジャケット41bの入口側
にネジ込み,そのノズル部を,エンジンのウオータ・ジ
ャケットのシリンダ,ヘッド側水路に接続し,低温水ジ
ャケットの出口側44bを,エンジンの冷却システムの
バイパス水路の,バイパス弁の上流側に接続して、低温
水ジャケット内を低温水がサブ・バイパスして環流する
ようにするのである。
【0027】図9の実施例は,図7の実施例に取って替
わるものであり,構成上,図9の方が図7より有利と考
えられる。更に,図9は電子制御燃料噴射装置用ばかり
で無く,ガソリン気化器装置用としてもすばらしい効果
を発揮するのである。
【0028】図10は,低温水制御弁1の筐体の取り付
けネジ部23を,スロットル・ボデイ46を暖める低温
水ジャケット41の入口側にネジ込み、そのノズル部1
1をエンジンのウオータ・ジャケットのシリンダ・ヘッ
ド側水路25に接続し,低温水ジャケット41の出口側
44を,インジェクターの燃料を暖める低温水ジャケッ
ト41aの入口測に接続し、その出口側44aを導管4
5を介して,バイパス水路37の,バイパス弁40の上
流側37’に接続するスロットル・ボデイと,燃料の直
列低温制御方法である。
【0029】図11は,低温水制御弁1の筐体の取り付
けネジ部23を,エアクリーナの吸入空気を暖める低温
水ジャケット41bの入口側にネジ込み,そのノズル部
11をエンジンのウオータ・ジャケットのシリンダ・ヘ
ッド側水路25に接続し,低温水ジャケット41bの出
口側44bを,インジェクターの燃料を暖める低温水ジ
ャケット41aの入口側に接続し,その出口側44aを
導管45を介して,バイパス水路37の,バイパス弁4
0の上流側37’に接続する空気と燃料の直列低温制御
方法である。
【0030】
【発明の効果】本発明の温水制御装置は,超薄肉,長寿
命の弾性シール・バッグ使用のサーモ・アクチュエータ
で構成され,作動は鋭敏,強力で,電子制御燃料噴射装
置のスロットル・ボデイ及びインジェクターの燃料或は
エアクリーナの吸入空気の温度を,エンジンの各走行状
態に関係なく,所定の温度を越さずほぼ一定に保持し,
空燃比,燃料噴射量の増量,減量の補正等を単純化する
から,従来のセンサ群装置を一部省略してコストを下
げ、アイシング、ベーパ・ロック,ノッキング等を防止
し,更に燃費の節約,有害排気物の低減が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 低温水制御弁のバルブの全開時の断面図。
【図2】 低温水制御弁のバルブの閉弁時の断面図。
【図3】 低温水制御弁の実物大を示す。
【図4】 低温水制御弁を含む自動車エンジンの冷却シ
ステム。
【図5】 図4の流量、温度,時間の測定値の記録。
【図6】 図5に続く流量,温度,時間の測定値の記
録。
【図7】 低温水制御弁によるスロットル・ボデイの低
温制御法。
【図8】 低温水制御弁によるインジェクターの燃料の
低温制御法。
【図9】 低温水制御弁によるエアクリーナの吸入空気
の低温制御法。
【図10】 低温水制御弁によるスロットル・ボデイと
燃料の直列低温制御法。
【図11】 低温水制御弁によるエアクリーナの吸入空
気とインジェクターの燃料の直列低温制御法。
【符号の説明】 1 低温水制御弁 2 サーモ・アクチュエータ 3 ロッド 4 ガイド・メンバ 5 弾性シール・バッグ 6 ワックス 7 感熱筒 9 潤滑油 10 筐体 11 ノズル部 12 リテーナ 14 リターン・スプリング 17 バルブ 18 バルブ・シート 23 筐体の取り付けネヂ部 26 シリンダ・ヘッド側流出口 27 ラジエータ 29 第一水路 36 第2水路 37 バイパス水路 38 サーモスタット 39 主弁 40 バイパス弁 41 低温水ジャケット 46 スロットル・ボデイ
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年1月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 電子制御燃料噴射装置の低温水制御弁
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車エンジンの電子制
御燃料噴射装置のスロットル・ボデイ及びインジェクタ
ーの燃料,或はエアクリーナの吸入空気の低温制御に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】電子制御燃料噴射装置はエンジンの回転
速度,吸入空気量,吸入空気温度等のの状態を各種セン
サ群で電気信号に変え,これ等をコンピュータに入力し
て演算し,夫々の運転状態に最も適した混合比と,噴射
時間で燃料を噴射するので極めて複雑でコストが高くつ
く。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】電子制御燃料噴射装置
のスロットル・ボデイ及びインジェクターの燃料,或は
エアクリーナの吸入空気の温度を,エンジンの加速,減
速状態に関係無く,所定の温度を越さずほぼ一定に保持
し,アイシング,ベーパ・ロック,ノッキングを無く
し,更に,従来のセンサ群の一部を省略してコストを下
げ,燃費を下げる。
【0004】
【発明が解決するための手段】センサと作動アクチュエ
ータを兼ね備え,作動力が大きく,高応答性,長寿命の
ワックス型サーモ・アクチュエータを装着するコンパク
トな本発明の低温水制御弁により課題の解決を図る。
【0005】
【実施例】図1は本発明の低温水制御弁1の断面図を示
す。ロッド3と,ロッド3に係合するガイド・メンバ4
と,弾性シール・バッグ5とを一体にして,ワックス6
を充填する感熱筒7に挿入圧着して構成する,サーモ・
アクチュエータ2の断性シール・バッグ5の中心孔は,
その口元8がロッド3に摺動係合する丈で,それ以外
は,ロッド間の全周域に亘り所要の空隙を設け,その部
分の肉厚をロッドの直径の20%から2%の間にし,
又,ロット3との隙間をシール・バッグの肉厚ににほぼ
等しくし,そこに潤滑油9を充満する。
【0006】サーモ・アクチュエータ2を,筺体10と
ノズル11の間に挟持固定されるリテーナ12に挿入
し,ロッドに係合するバネ受盤13と,ノズル11の内
面間に装着するリターン・スプリング14で,筺体の中
心に確保する。そして,ロッドの先端に固定されるカラ
ー15によって抜き止めされ,バネ受盤13との間のバ
ネ16で外方に付勢されるバルブ17をロッドに摺動可
能に係合し,ノズル11の内面喉元に形成するバルブ・
シート面18に対向させて,矢印の方向から入って来る
温水の導入をバルブ17で制御する。19はロッド3に
装入固定するEーリングであり,20はリテーナ12に
設けた複数の通水孔である。
【0007】水温が上がると,弾性シール・バッグ5の
外側のワックス6は溶融膨張し,水温に比例してリター
ン・スプリング14に抗して圧力を上げる。するとバッ
グ5の肉厚が超薄いため,バッグ内側の潤滑油9に,こ
れと等価の圧力が誘発し,弾性シール・バッグ5は内外
均衡な圧力の下で浮遊状態になり,ロッド3の上昇リフ
トは弾性シール・バック5内の潤滑油9の圧力によって
行われる(図2)。
【0008】その際,ロッドと弾性シール・バッグ5の
間の大きな摩擦抵抗が無いのでサーモ・アクチュエータ
2の寿命は大巾に増す。
【0009】弾性シール・バッグ5の肉厚が超薄くなる
ので感熱筒7の内径は小さくなり,耐圧に余裕が生ずる
ので,感熱筒7の肉厚も薄く出来,熱応答性が向上する
と共に,サーモ・アクチュエータ2は極めて小型軽量に
なる。図3は本発明の低温水制御弁1の実物大を示す。
【0010】又,感熱筒7内のワックス6の圧力はロッ
ドの直径の2乗に反比例して低下するから,ロッドの直
径を成るべく太くして,サーモ・アクチュエータの寿命
を増すようにする。
【0011】図2は溶融膨張するワックス6の圧力によ
り,弾性シール・バッグ5内の潤滑油9にこれと等価の
圧力を誘発させ,この潤滑油9の圧力でリターン・スプ
リング14に抗してロッド3を押し出し.バルブ17で
温水の導入を遮断した上,更に少し上昇した状態を示
す。
【0012】水温が下降に転ずると,ワックス6は凝固
収縮してリターン・スプリング14によりバルブ17は
開き,最終には元の状態に復す(図1)。
【0013】弾性シール・バッグ5の口元8はワックス
の圧力を直接受ける唯一の部分でバッグ5内の潤滑油9
の漏れを防止するシール・リップを形成する(図2)。
然し,本発明の効果を充分に発揮するには更に,弾性シ
ール・バッグ内の潤滑油9の漏洩防止に万全を期す。2
1はガイド・メンバ4内のハウジング内にあって,ロッ
ド3に緩く挿入する可動セパレータで,これを中心にし
て,ロッドに係合するOーリング22を可動セパレータ
を挟んで2個装着する。23は筐体10の先端に形成す
る取り付けネジである。
【0014】一般に,エンジンの冷却システムは,図4
に示すように,エンジンのウォータ・ジャケット24の
シリンダ・ヘッド側を流れる水路25の流出口26とラ
ジエータ27の流入口28間の第1水路29と,ラジエ
ータの流出口30からサーモスタット・キヤップ31,
サーモスタット・ハウジング32,ウォータ・ポンプ3
3を経てウォータ・ジャケットのシリンダ・ブロック3
4側の流入口35間の第2水路36と,第1水路29及
び第2水路36を連通するバイパス水路37から構成さ
れる。
【0015】エンジンの冷態時はバイパス型サーモスタ
ット38の主弁39は密閉し,これと一体のバイパス弁
40は全開しているのでウォータ・ジャケット24の流
出口26からの冷却水はラジエータ27へは環流出来な
いので,第1水路29の分岐点Jからバイパス水路37
→サーモスタット・ハウジンク32→ウォータ・ポンプ
→33→ウォータジャケット24の流入口35へと矢印
の様に短絡環流する。従って,冷却水の温度上昇は早く
なる。
【0016】一方,低温水制御弁1の筺体の取り付けネ
ジ23を,電子制御燃料噴射装置のスロットル・ボデイ
を暖める低温水ジャケット41の入口側42にネジ込
み,そのノズル11を導管43を介してエンジンのシリ
ンダ・ヘッドの水路25に接続し,低温水ジャケット4
1の出口側44を,導管45を介してバイパス水路37
の,バイパス弁40の上流側37’に接続する。
【0017】エンジンの冷態時には,シリンダ・ヘッド
の水路25の流量は分流して,低温水制御弁1内に入
り,低温水ジャケット41→導管45→バイパス水路3
7→サーモスタット・ハウジング32→ウォータ・ポン
プ33→シリンダ・ブロックの流入口35を経て矢印の
方向にサブ・バイパスして環流する。
【0018】図4は,エンジン冷却システム回路の流量
と温度の変化を動試験装置で記録したものである。図に
於いてA’はサーモスタット・ハウジング32内,B’
は低温水ジャケット41内の水温の測定点,C’は流量
の測定点である。第1,第2水路の内径を24mmと
し,バイパス水路37の内径を10mm,導管45,4
6の内径を夫々5.5mmとし,水温を95℃,流量を
毎分48リッタにし,本発明の低温水制御弁1の開弁温
度40℃のものをセットする。
【0019】図5に示す自記記録で明らかなように,エ
ンジンのアイドリング中は,サーモスタット・ハウジン
グ32内の測定点A’の水温Aと,スロットル・ボデイ
を暖める低温水ジャケット41内の測定点B’の水温B
は3℃の温度差を保って平行して急上昇する。Aはその
まま96℃迄上昇を継続するが,Bは40℃になると,
低温水制御弁1のバルブ17がシリンダ・ヘッド25の
流入を,その導入喉元で遮断するのでBの水温の上昇は
止まる。
【0020】その初期には,バルブ17は敏感にON,
OFFするが,A,B間の温度差が広がるに従い,ノズ
ル11の熱伝導でサーモ・アクチュエータ2は少しリフ
ト・アップするので,バルブはその分,強く閉じ,Bの
水温は40℃を越すことは無い(図5,図6)。
【0021】サーモスタットの主弁39が開き,更に主
弁39が開度を増して定速走行になるまでに,Bの水温
は4℃下がって36℃になるが,それ以後Bの温度に変
化は無く水平に一線を引く。
【0022】流量Cはバイパス型サーモスタット38の
主弁39が閉じている間はゼロであるが,冷却水の温度
が86℃になると主弁は開き始めラジエータ27の下部
30からの低温水のためAの温度上昇率は鈍化する。そ
して89℃から流量Cは急増し,92℃になりバイパス
弁40が全閉に近くなると流量は毎分48リッタになる
(図5)。
【0023】図6は,図5に続く自記記録で,エンジン
の停止から始まる。流量Cはゼロになり水温Aは次第に
大きく下がるが,水温Bは逆に徐々に上がる。然し,初
期の40℃を越すことは無い。そしてA,B間の温度差
が収斂してゆくが,クロスすることはなく,温度差が3
℃になると依然としてAは上に,Bは下になって両者は
平行して温度を下げて行くのである。
【0024】図7は電子制御燃料噴射装置のスロットル
・ボデイ46を保温する低温水ジャケット41の実施例
である。低温水ジャケットの両端の内面と,スロットル
・ボデイの外筒47とをOーリング48を介して気密に
係合する。49は温水ジャケット41をスロットル・ボ
デイの外筒47上に固定するCークリップである。
【0025】低温水制御弁1を低温水ジャケット41の
入口側にネジ込み,そのノズル11を導管43を介し
て,エンジンのウオータ・ジャケットのシリンダ・ヘッ
ド側水路25に接続し,低温水ジャケットの出口側44
を導管45を介して,エンジンの冷却システム(図4)
のバイパス水路37の,バイパス弁40の上流側3
7’,或はウォータ・ポンプ33の吸入側に接続して,
低温水ジャケット内を低温水がサブ・バイパスして環流
するようにするのである。本発明の低温水制御弁1で低
温制御すれば,スロットル・ボデイの温度は,エンジン
の走行状態に関係なく規定する温度範囲内に一線を引い
たように安定化する。
【0026】図8は,インジェクターの燃料管50を保
温する低温水ジヤケット41aの実施例である。低温水
ジャケットの両端の内面と,インジェクターの燃料菅5
0とをOーリング48を介して気密に係合する。49は
低温水ジャケット41aをインジェクタの燃料菅50上
に固定するCークリップである。
【0027】低温水制御弁1を,低温水ジャケット41
aの入口側にネジ込み,そのノズル11を導管43を介
して,エンジンのウオータ・ジャケットのシリンダ・ヘ
ッド側水路25に接続し,低温水ジャケットの出口側4
4aを導管45を介して,エンジンの冷却システム(図
4)のバイパス水路37の,バイパス弁40の上流側3
7’,或はウォータ・ポンプ33の吸入側に接続して,
低温水ジャケット内を低温水がサブ・バイパスして環流
するようにするのである。本発明の低温水制御弁1で低
温制御すれば,インジェクタの燃料の温度は,エンジン
の走行状態に関係なく規定する温度範囲内に一線を引い
たように安定化する。
【0028】図9はエアクリーナ(図示せず)の吐出側
の外筒47を保温する低温水ジャケット41bの実施例
である。低温水ジャケットの両端の内面と,外筒47と
をOーリング48を介して気密に係合する。49は温水
ジャケット41bを外筒47上に固定するCークリップ
である。
【0029】低温水制御弁1を,低温水ジャケット41
bの入口側にネジ込み,そのノズル11を導管43を介
して,エンジンのウオータ・ジャケットのシリンダ・ヘ
ッド側水路25に接続し,低温水ジャケットの出口側4
4bを導管45を介して,エンジンの冷却システム(図
4)のバイパス水路37の,バイパス弁40の上流側3
7’,或はウォータ・ポンプ33の吸入側に接続して,
低温水ジャケット内を低温水がサブ・バイパスして環流
するようにするのである。本発明の低温水制御弁1で低
温制御すれば,エアクリーナの吐出側の空気温度は,エ
ンジンの走行状態に関係なく規定する温度範囲内に一線
を引いたように安定化する。
【0030】図9の実施例は,図7の実施例と同様な構
成になる。従って低温水ジャケットでスロットル・ボデ
イを直接保温しても良く,或はスロットル・ボデイの上
流のエアクリーナの吐出側の空気を保温しても良い。
【0031】図9の実施例は電子制御燃料噴射装置用ば
かりで無く,ガソリン気化器装置用としても効果を発揮
するのである。
【0032】図10は,低温水制御弁1の筺体の取り付
けネジ23を,スロットル・ボデイ46を暖める低温水
ジャケット41の入口側にネジ込み,そのノズル11を
導管43を介して,エンジンのウオータ・ジャケットの
シリンダ・ヘッド側水路25に接続し,低温水ジャケッ
ト41の出口側44を,インジェクターの燃料管50を
暖める低温水ジャケット41aの入口側に接続し,その
出口側44aを,導管45を経て,エンジン冷却システ
ム(図4)のバイパス水路37の,バイパス弁40の上
流側37’,或はウォータ・ポンプ33の吸入側に接続
する,スロットル・ボデイ内の空気と,インジェクター
の燃料との直列低温制御方法である。
【0033】図11は,低温水制御弁1の筐体の取り付
けネジ23を,エアクリーナの吐出測の空気を暖める,
低温水ジャケット41bの入口側にネジ込み,そのノズ
ル部11を導管43を介して,エンジンのウオータ・ジ
ャケットのシリンダ・ヘッド側水路25に接続し,低温
水ジャケット41bの出口側44bを,インジェクター
の燃料管50を暖める低温水ジャケット41aの入口側
に接続し,その出口側44aを導管45を経て,エンジ
ン冷却システム(図4)のバイパス水路37の,バイパ
ス弁40の上流側37’,或はウォータ・ポンプ33の
吸入側に接続する,エアクリーナの吐出側空気と,イン
ジェクターの燃料との直列低温制御方法である。
【0034】
【発明の効果】本発明の低温水制御弁は,超薄肉,長寿
命の弾性シール・バッグ使用のサーモ・アクチュエータ
で構成され,作動は鋭敏,強力で,電子制御燃料噴射装
置のスロットル・ボデイ及びインジェクターの燃料或は
エアクリーナの吐出側の空気の温度を,エンジンの各走
行状態に関係なく,所定の温度を越さずほぼ一定に保持
するから従来のセンサを一部省略してコストを下げ,ア
イシング,ベーパ・ロック,ノッキング等を防止し,更
に燃費の節約,有害排気物の低減に効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 低温水制御弁のバルブの全開時の断面図。
【図2】 低温水制御弁のバルブの閉弁時の断面図。
【図3】 低温水制御弁の実物大を示す。
【図4】 低温水制御弁を含む自動車エンジンの冷却シ
ステム。
【図5】 図4の流量,温度,時間の測定値の記録。
【図6】 図5に続く流量,温度,時間の測定値の記
録。
【図7】 低温水制御弁によるスロットル・ボデイの低
温制御法。
【図8】 低温水制御弁によるインジェクターの燃料の
低温制御法。
【図9】 低温水制御弁によるエアクリーナの吐出空気
の低温制御法。
【図10】 低温水制御弁によるスロットル・ボデイ
と,インジジェクタの燃料の直列低温制御法。
【図11】 低温水制御弁によるエアクリーナの吐出空
気と,インジェクターの燃料の直列低温制御法。
【符号の説明】 1 低温水制御弁 23 筐体の取り付け
ネヂ 2 サーモ・アクチュエータ 26 シリンダ・ヘッ
ド側流出口 3 ロッド 27 ラジエータ 4 カイド・メンバ 29 第一水路 5 弾性シール・バッグ 36 第2水路 6 ワックス 37 バイパス水路 7 感熱筒 38 サーモスタット 9 潤滑油 39 主弁 10 筐体 40 バイパス弁 11 ノズル 41 低温水ジャケ
ット 12 リテーナ 46 スロットル・
ボデイ 14 リターン・スプリング 48 Oーリング 17 バルブ 49 Cークリップ 18 バルブ・シート
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【図4】
【図1】
【図2】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【手続補正書】
【提出日】平成6年8月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 定温制御サーモスタットによる電子燃
料噴射制御システム
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関の電子燃料噴射
装置のスロットル・ボデイ内の空気及びインジェクター
の燃料,或はエアクリーナの吐出側空気の定温制御に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】電子燃料噴射装置はエンジンの回転速
度,吸入空気量,吸入空気温度等の状態を各種センサ群
で電子信号に変え,これ等をコンピュータに入力して演
算し,夫々の運転状態に最も適した混合比と,噴射時間
で燃料を噴射するので極めて複雑でコストが高くつく。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】電子燃料噴射装置のス
ロットル・ボデイ内の空気及びインジェクターの燃料,
或はエアクリーナの吐出側空気の温度をエンジンの各走
行状態に関係なく,所定の温度を越さずほぼ一定に保持
し,アイシング,ベーパ・ロック等を無くし,更に従来
のセンサ群の一部を省略してコストを下げる。
【0004】
【発明が解決するための手段】センサと作動アクチュエ
ータを兼ね備え,作動力が大きく,高応答性,長寿命な
サーモ・アクチュエータを活用する本発明の定温制御サ
ーモスタットにより課題の解決を図る
【0005】
【実施例】図1は,定温制御サーモスタットの断面図を
示す。定温制御サーモスタットは,流入側ハウジング1
1と,流出側ハウジング10よりなり,内部にサーモ・
アクチュエータ2を挿着する。サーモ・アクチュエータ
2は,ロッド3と,ロッド3に係合するガイド・メンバ
4と,弾性シール・バッグ5ととを一体にして,ワック
ス6を充填する感熱筒7に挿入圧着して構成する。弾性
シール・バッグ5の中心孔は,その口元8がロッド3に
摺動係合する丈で,それ以外は,ロッド間の全周域に亘
り所要の空隙を設け,その部分の肉厚をロッドの直径の
20%から2%の間にし,又,ロット3との空隙をシー
ル・バッグの肉厚にほぼ等しくし,そこに作動油9を充
満する。
【0006】サーモ・アクチュエータ2を流出側ハウジ
ング10と,流入側ハウジング11間に挟持固定される
リテーナ12に挿入し,ロッドに係合するバネ受盤13
と,流入側ハウジング11の内面間に装着するリターン
・スプリング14で筺体の中心に確保する。そして,ロ
ッド3の先端に固定されるカラー15によって抜き止め
され,バネ受盤13との間のバネ16で外方に付勢され
るバルブ17を,ロッドに摺動可能に係合し,流入ハウ
ジング11の内面喉元に形成するバルブ・シート面18
に対向させて,矢印の方向から入って来る冷却液の導入
をバルブ17でON,OFF制御する。19はロッド3
に装入固定するE−リングであり20はリテーナ12に
設けた複数の通液孔である。
【0007】液温が上がると,弾性シール・バッグ5の
外側のワックス6は溶融膨張し,液温に比例してリター
ン・スプリング14に抗して圧力を上げる。するとバッ
グ5の肉厚が超薄いため,バッグ内側の作動油9に,こ
れと等価の圧力が誘発し,弾性シール・バッグ5は内外
均衡な圧力の下で浮遊状態になり,ロッド3の上昇リフ
トは弾性シール・バッグ5内の作動油9の圧力によって
行われる(図2)。
【0008】その際,ロッドと弾性シール・バッグ5の
間の大きな摩擦抵抗が無いのでサーモ・アクチュエータ
2の寿命は大巾に増す。
【0009】弾性シール・バッグ5の肉厚が超薄くなる
ので感熱筒7の内径は小さくなり,耐圧に余裕が生ずる
ので,感熱筒7の肉厚も薄く出来,熱応答性が向上する
と共に,サーモ・アクチュエータ2は極めて小型軽量に
なる。図3は本発明の定温水制御サーモスタット1の実
物大を示す。
【0010】又,感熱筒7内のワックス6の圧力はロッ
ドの直径の2乗に反比例して低下するから,ロッドの直
径を成るべく太くして,サーモ・アクチュエータの寿命
を増すようにする。図3に示すものはロッドの直径は3
mmである。
【0011】図2は溶融膨張するワックス6の圧力によ
り,弾性シール・バッグ5内の作動油9にこれと等価の
圧力を誘発させ,この作動油9の圧力でリターン・スプ
リング14に抗してロッド3を押し出し,バルブ17で
冷却液の導入を遮断した上,更に少し上昇した状態を示
す。
【0012】液温が下降に転ずると,ワックス6は凝固
収縮してリターン・スプリング14によりバルブ17は
開き,最終には元の状態に復す(図1)。
【0013】弾性シール・バッグ5の口元8はワックス
の圧力を直接受ける唯一の部分でバッグ5内の作動油9
の漏れを防止するシール・リップを形成する(図2)。
然し,本発明の効果を充分に発揮するには更に,弾性シ
ール・バッグ内の作動油9の漏洩防止に万全を期す。2
1はガイド・メンバ4内のハウジング内にあって,ロッ
ド3に緩く挿入する可動セパレータで,これを中心にし
て,ロッドに係合するO−リング22を可動セパレータ
を挟んで2個装着する。23は流出側ハウジング10に
形成する取り付けネジである。
【0014】一般に,エンジンの冷却システムは,図4
に示すように,エンジンのウォータ・ジャケット24の
シリンダ・ヘッド側を流れる液路25の流出口26とラ
ジエータ27の流入口28間の第1液路29と,ラジエ
ータの流出口30からサーモスタット・キヤップ31,
サーモスタット・ハウジング32,ウォータ・ポンプ3
3を経てウォータ・ジャケットのシリンダ・ブロック側
34の流入口35間の第2液路36と,第1液路29及
び第2液路36を連通するバイパス液路37から構成さ
れる。
【0015】エシジンの冷態時はバイパス型サーモスタ
ット38の主弁39は密閉し,これと一体のバイパス弁
40は全開しているのでウォータ・ジャケット24の流
出口26からの冷却液はラジエータ27へは環流出来な
いので,第1液路29の分岐点Jからバイパス液路37
→サーモスタット・ハウジング32→ウォータ・ポンプ
→33→ウォータジャケット24の流入口35へと矢印
の様に短絡環流する。従って,冷却水の温度上昇は早く
なる。
【0016】一方,定温制御サーモスタット1の流出側
ハウジング10のネジ部23を後述する様に,電子燃料
噴射装置のスロットル・ボデイを暖める熱交換器41の
入口側42にネジ込み,その流入側ハウジング11を導
管43を介してエンジンのシリンダ・ヘッド側の液路2
5に接続し,熱交換器41の出口側44を,導管45を
介してエンジンの冷却システムのバイパス液路37のバ
イパス弁40の上流側37’,或は,点線で示す様にウ
ォータ・ポンプ33の上流側51に接続する(図4)。
【0017】エンジンの駆動時には,シリンダ・ヘッド
側の液路25の流量は分流して,定温制御サーモスタッ
ト1内に入り,熱交換器41→導管45→バイパス液路
37のバイパス弁40の上流側37’,或は,ウォータ
・ポンプ33の吸入側51→ウォータ・ポンプ33→シ
リンダ・ブロックの流入口35→シリダ・ヘッドの液路
25へとサブ・バイパスして環流する。
【0018】図4のエンジン冷却回路のベンチ・テスタ
ーを作り自記記録する。図に於いてA’はサーモスタッ
ト・ハウジング32内,B’は熱交換器41内の液温の
測定点,C’はラジエータの流出口近くに設けた流量の
測定点である。第1,第2液路の内径を24mmとし,
バイパス液路37の内径を10mm,導管43,45の
内径を夫々5.5mmとし,流量を毎分48リッタに
し,エンジンのウォータ・ジャケットを電熱ヒータを内
蔵する加熱タンクに替える。又,定温制御サーモスタッ
トは1.8mmリフト・アップして40℃で弁17を閉
ざすものとする。
【0019】図5に示す自記記録で明らかなように,エ
ンジンのアイドリンク中は,サーモスタット・ハウジン
グ32内の測定点A’の液温Aと,スロットル・ボデイ
を暖める熱交換器41内の測定点B’の液温Bは3℃の
温度差を保って平行して急上昇する。Aはそのまま96
℃迄上昇を継続するが,Bは40℃になると,定温制御
サーモスタット1のバルブ17がシリンダ・ヘッド測2
5の流入を,その導入喉元で遮断するのでBの液温の上
昇は止まる。
【0020】その初期には,バルブ17は±0.5℃の
温度変化で敏感にON,OFFを繰り返すがA,B間の
温度差が拡大するに従い,流入側ハウジング11からの
熱伝導でサーモ・アクチュエータ2は少しリフト・アッ
プするので,バルブはその分,強く閉じ,Bの水温は4
0℃を越すことは無い(図5,図6)。
【0021】然し,高温の流入側ハウジング11の熱伝
動のため,定温制御サーモスタット1内の温度は,熱交
換器41内の温度Bより約4℃高くなる。従って,Bの
温度が36℃になっても,定温制御サーモスタット内の
弁17は未だ開かぬので,Aの高温を導入出来ずBの温
度は上がらない。
【0022】サーモスタットの主弁39が開き,バイパ
ス弁が閉じ,更に主弁39が開度を増して定速走行にな
るまでに,Bの液温は4℃下がって,36℃になるが,
以後,バルブ17はBの液温が0.5℃下がると弁を開
いてAの高温を導入し,0.5℃上がると弁を閉じて3
6℃を保持する。その間,加速,減速,一時停止に関係
無く定温制御サーモスタットの規定温度内に一線を引い
て安定する。
【0023】流量Cはバイパス型サーモスタット38の
主弁39が閉じている間はゼロであるが,冷却水の温度
が86℃になると主弁は開き始め,89℃から流量Cは
急増し,92℃になり,バイパス弁40が全閉になると
流量は毎分48リッタになる(図5)。
【0024】図6は,図5に続く自記記録で,エンジン
の停止から始まる。流量Cはゼロになり液温Aは次第に
大きく下がるが,液温Bは逆に徐々に少し上がる。然
し,初期の40℃を越すことは無い。そしてA,B間の
温度差が収斂してゆくが,クロスすることはなく,温度
差が3℃になるとAを上に両者は平行して温度を下げて
行く(図7)。
【0025】図8は,電子燃料噴射装置のスロットル・
ボデイ46を保温する熱交換器41の実施例の断面図で
ある。熱交換器の両端の内面と,スロットル・ボデイの
外筒47とをO−リング48を介して気密に係合する。
49は定温熱交換器41をスロットル・ボデイの外筒4
7に固定するスナップ・リングである。
【0026】定温制御サーモスタット1を熱交換器41
の入口側42にネジ込み,その流入側ハウジング11を
導管43を介してエンジンのウォータ・ジャケットのシ
リンダ・ヘッド側液路25に接続し,熱交換器の出口側
44を導管45を経て,エンジンの冷却システム(図
4)のバイパス液路のバイパス弁40の上流側37’,
或はウォータ・ポンプ33の吸入側51(図示せず)に
接続して,熱交換器41内を定温液がサブ・バイパスし
て環流する様に構成する。スロットル・ボデイ内の空気
の温度は,エシジンの走行状態に関係なく定温制御サー
モスタットの規定する温度範囲内に一線を引いたように
安定化する。
【0027】図9はインジェクターの燃料管50を保温
する 交換器41aの実施例である。熱交換器の両端の
内面と燃料管50とをO−リング48を介して気密に係
合する。49は熱交換器41aを燃料管50上に固定す
るスナップ・リングである。
【0028】定温制御サーモスタット1を熱交換器41
aの入口側にネジ込み,その流入側ハウジング11を導
管43を介してエンジンのウォータ・ジャケットのシリ
ンダ・ヘッド側液路25に接続し,熱交換器の出口側4
4aを導管45を経て,バイパス液路37の弁40の上
流側37’,或はウォータ・ポンプ33の吸入側51
(図4)に接続して,熱交換器41a内を定温液がサブ
・バイパスして環流する様に構成する。インジェククの
燃料の温度は,エンジンの走行状態に関係なく定温制御
サーモスタットの規定する温度範囲内に一線を引いたよ
うに安定化する。
【0029】図10はスロットル・ボデイ46の上流測
のエアクリーナ(図示せず)の吐出側の外筒47を保温
する熱交換器41bの実施例である。熱交換器の両端の
内面と外筒47とをO−リング48を介して気密に係合
する。49は熱交換器41bをスロットル・ボデイの外
筒47に固定するスナップ・リングである。
【0030】定温制御サーモスタット1を熱交換器41
bの入口側にネジ込み,その流入側ハウジング11を,
ウォータ・ジャケットのシリンダ・ヘッド側液路25に
接続し,熱交換器の出口側44bを導管45を経て,エ
ンジンの冷却システムのバイパス液路37のバイパス弁
40の上流側37’,或はウォータ・ポンプ33の吸入
側51(図4)に接続して,熱交換器41b内を定温液
がサブ・バイパスして還流する様に構成する。エアクリ
ーナの吐出側の空気の温度は,エンジンの走行状態の変
化に関係無く,定温制御サーモスタットの規定する温度
範囲内に一線を引いたように安定化する。
【0031】図10の実施例と,図8の実施例とは目的
は同じくスロットル・ボデイ46の温度を制御するにあ
る。従って状況に応じて優利の方を選択する。
【0032】図10の実施例は特にガソリン気化器装置
用として効果を発揮する。
【0033】図11は,定温制御サーモスタット1の取
り付けネジを,スロットル・ボデイ46の上流側のエア
クリーナの吐出側を暖める熱交換器41bの入口側にネ
ジ込み,その流入側ハウジング11をウォータ・ジャケ
ットのシリンダ・ヘッド側液路25に接続し,熱交換器
の出口側44bを電子燃料噴射装置のインジェクターの
燃料管50を暖める熱交換器41aの入口側42aに接
続しその出口側44aをエンジンの冷却システムのバイ
パス水路のバイパス弁40の上流側37’,或はウォー
タ・ポンプ33の吸入側51(図4)接続する,スロッ
トル・ボデイ側空気と,インジェクタの燃料の直列定温
制御方法である。
【0034】図12は,温度違いの定温制御サーモスタ
ット1aと,1bの流入側ハウジング11をウォータ・
ジャケットのシリンダ・ヘッド側液路25に並列に接続
した例である。−40℃〜+130℃の広い温度範囲の
エンジン冷却液温Aの内から,最適温度が例えば,40
℃(Ba),50℃(Bb)と異なる時,その温度分丈
を選別する定温制御サーモスタット内に導入し,これを
流出測ハウジングを経て,夫々対応する熱交換器に供給
する,複数並列定温制御方法である。
【0035】図13は,図12の流量,温度,時間の測
定値の記録である。
【0036】図8及び図9に於いて,最適温度が夫々異
なる時は,図12の並列定温制御方法を採り,最適温度
が夫々同一の時は図11の直列定温制御方法を採る。
【0037】
【発明の効果】本発明の定温制御サーモスタットは,内
燃機関の広い温度範囲の冷却液温(−40℃〜130
℃)の内から,最適の温度分丈を抽出導入し,これを電
子燃料噴射装置のスロットル・ボデイ,インジェクター
の燃料管,及びエアクリーナの吐出側の各熱交換器に供
給する。以後,温度はエンジンの走行状態の変化に関係
無く,定温制御サーモスタットの規定する温度範囲内に
一線を引いて安定化するから,従来のセンサ群の相当部
分を省略してコストを下げることが出来,又アイシン
グ,ベーパ・ロック等を防止し,更に燃費の節約,有害
排気物の低減等もありその効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 定温制御サーモスタットのバルブの全開時の
断面図。
【図2】 定温制御サーモスタットのバルブの閉弁時の
断面図。
【図3】 定温制御サーモスタットの実物大を示す。
【図4】 定温制御サーモスタットを含む内燃機関の冷
却システム。
【図5】 図4の流量,温度,時間の測定値の記録。
【図6】 図5に続く流量,温度,時間の測定値の記
録。
【図7】 図6に続く流量,温度,時間の測定値の記
録。
【図8】 定温制御サーモスタットによるスロットル・
ボデイの定温制御方法。
【図9】 定温制御サーモスタットによるインジェクタ
ーの燃料の定温制御方法。
【図10】 定温制御サーモスタットによるエアクリー
ナの吐出側の定温制御方法。
【図11】 定温制御サーモスタットによるスロットル
・ボデイとインジェクターの燃料管の直列定温制御方
法。
【図12】 複数の定温制御サーモスタットによる並列
定温制御方法。
【図13】 図12の温度時間の測定値の記録。
【符号の説明】 1 定温制御サーモスタット 25 シリンタヘッド
側液路 2 サーモ・アクチュエータ 26 シリンダヘッド
側流出口 3 ロッド 27 ラジエータ 4 ガイド・メンバ 29 第一液路 5 弾性シール・バッグ 36 第2液路 6 ワックス 37 バイパス液路 7 感熱筒 38 サーモスタット 9 作動油 39 主弁 10 流出側ハウジング 40 バイパス弁 11 流入側ハウジング 41 スロットル・
ボデイの 12 リテーナ 熱交換器 14 リターン・スプリング 46 スロットル・
ボデイ 17 バルブ 48 O−リング 18 バルブ・シート 49 スナップ・リ
ング 23 定温制御サーモスタット 50 燃料管の取り
付けネジ
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【図4】
【図1】
【図2】
【図5】
【図9】
【図12】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図11】
【図13】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロッドと,ロッドに係合するガイド・メ
    ンバと弾性シール・バッグとを一体にして,ワックスを
    充填する感熱筒に挿入圧着して構成するサーモ・アクチ
    ュエータを,筐体とノズルの間に挟持固定されるリテー
    ナに挿入して,ロッドに係合するバネ受盤と、ノズル部
    の内面間に装着するリターン・スプリングで,筐体の中
    心に確保し,ロッドの先端に固定されるカラーによって
    抜き止めされ,バネ受盤との間のバネで外方に付勢され
    るバルブを,ロッドに摺動可能に係合して,ノズル部の
    内面喉元に形成するバルブ・シート面に対向させ,この
    バルブを通して,外部からの温水を導入或は遮断し,サ
    ーモ・アクチュエータが,該バルブ・シートの下流に位
    置するように構成することを特徴とする電子制御燃料噴
    射装置の低温水制御弁。
  2. 【請求項2】 低温水制御弁の筐体の取り付けネジ部
    を,電子制御燃料噴射装置のスロットル・ボデイを暖め
    る低温水ジャケットの入口側にネジ込み,そのノズル部
    をエンジンのウオータ・ジャケットのシリンダ・ヘッド
    側水路に接続し,低温水ジャケットの出口側を,エンジ
    ンの冷却システムのバイパス水路の,バイパス弁の上流
    側に接続して,低温水ジャケット内を低温水がサブ・バ
    イパスして環流するようにすることを特徴とする[請求
    項1]記載の電子制御燃量噴射装置のスロットル・ボデ
    イの低温水制御方法。
  3. 【請求項3】 低温水制御弁の筐体の取り付けネジ部
    を,電子制御燃料噴射装置の燃料送油管を暖める低温水
    ジャケットの入口側にネジ込み,そのノズル部をエンジ
    ンのウオータ・ジャケットのシリンダ・ヘッド側水路に
    接続し,低温水ジャケットの出口側を,エンジンの冷却
    システムのバイパス水路の,パイパス弁の上流側に接続
    して,低温水ジャケット内を低温水がサブ・バイパスし
    て環流するようにすることを特徴とする[請求項1]記
    載の電子制御燃料噴射装置の燃料送油管の低温水制御方
    法。
  4. 【請求項4】 低温水制御弁の筐体の取り付けネジ部
    を,電子制御燃料噴射装置のスロットル・ボデイを暖め
    る低温水ジャケットの入口側にネジ込み,そのノズル部
    を,エンジンのウオータ・ジャケットのシリンダ・ヘッ
    ド側水路に接続し,低温水ジャケットの出口側を,電子
    制御燃料噴射装置の燃料送油管を暖める低温水ジャケッ
    トの入口側に接続し、その出口側を,エンジンの冷却シ
    ステムのバイパス水路の,バイパス弁の上流側に接続す
    ることを特徴とする電子制御燃料噴射装置のスロットル
    ・ボデイと,燃料送油管の直列低温水制御方法。
  5. 【請求項5】 ロッドと,ロッドに係合するガイド・メ
    ンバと,弾性シール・バッグとを一体にして,ワックス
    を充填する感熱筒に挿入圧着して構成する,サーモ・ア
    クチュエータの弾性シール・バッグの中心孔は,その口
    元がロッドに摺動係合する丈で,それ以外は,ロッド間
    の全周域に亘り所要の隙間を設け,その部分の肉厚をロ
    ッドの直径の20%から5%の間にし,又,ロッドとの
    隙間をシール・バッグの肉厚にほぼ等しくし,そこに潤
    滑油9を充満することを特徴とする[請求項1]記載の
    電子制御燃料噴射装置の低温水制御弁のサーモ・アクチ
    ュエータ。
JP5306967A 1993-08-13 1993-11-02 定温制御サーモスタットによる電子燃料噴射制御システム Pending JPH07127533A (ja)

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CA002129378A CA2129378C (en) 1993-08-13 1994-08-03 Temperature control system for an internal combustion engine
TW083107100A TW258779B (ja) 1993-08-13 1994-08-03
AU68862/94A AU667277B2 (en) 1993-08-13 1994-08-03 Temperature control system for an internal combustion engine
US08/285,982 US5488937A (en) 1993-08-13 1994-08-04 Temperature control system for keeping temperature of an element of an internal combustion engine at a constant value
KR1019940019323A KR0148160B1 (ko) 1993-08-13 1994-08-05 내연기관엔진용 온도 제어 시스템
EP94112456A EP0638713B1 (en) 1993-08-13 1994-08-09 Temperature control system for an internal combustion engine
DE69411467T DE69411467T2 (de) 1993-08-13 1994-08-09 Temperaturregelanlage für eine Brennkraftmaschine
RU94029663A RU2102611C1 (ru) 1993-08-13 1994-08-11 Система регулирования температуры для двигателя внутреннего сгорания
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101761428A (zh) * 2010-02-24 2010-06-30 张甲贵 发动机燃油加热器

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